JP2004037030A - 空調設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷水伝熱コイル(第1の伝熱コイル)1aに接続された冷水循環ライン(第1の循環ライン)22と、温水伝熱コイル(第2の伝熱コイル)1bに接続された温水循環ライン(第2の循環ライン)32と、冷水循環ライン22を冷凍機(冷熱源)21およびボイラ(温熱源)31の何れか一方に接続し、温水循環ライン32を冷凍機21およびボイラ31の何れか一方に接続すべく切り換える切換手段5とを備えた構成になっている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内側の要求温度に応じて、異なる温度の熱媒体を2以上の伝熱コイルに選択的に供給することによって空調する空調設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
室内を冷暖房する空調装置としては、例えばセントラル空調方式のものとして図2に示すものが知られている。すなわち、室内に設置されている例えば空調機の一例として示した3つのファンコイルユニット1のそれぞれに対して、冷水(低温の熱媒体)を供給するとともに、各ファンコイルユニット1から流出した所定の温度に上昇した後の水(熱媒体)を帰還させて、当該水を冷却して冷水にしてから再び各ファンコイルユニット1に供給する冷水供給手段(第1の熱媒体供給手段)2と、上記ファンコイルユニット1のぞれぞれに対して温水(高温の熱媒体)を供給するとともに、各ファンコイルユニット1から流出した所定の温度に低下した後の水を帰還させて、当該水を加熱して温水にしてから再び各ファンコイルユニット1に供給する温水供給手段(第2の熱媒体供給手段)3とを備えている。
【0003】
上記3つのファンコイルユニット1のうち、2つのものは、冷水伝熱コイル(第1の伝熱コイル)1aと、温水伝熱コイル(第2の伝熱コイル)1bとを備えたものとなっており、他の1つのものは、冷水および温水を兼用した冷温水兼用伝熱コイル1cを備えたものとなっている。
なお、通常は、すべてのファンコイルユニット1を、(A)冷水伝熱コイル1aおよび温水伝熱コイル1bを備えたもののみで構成したり、(B)冷温水兼用伝熱コイル1cを備えたもののみで構成することが多い。ただし、ここでは、上記(A)、(B)の両方式のものを説明するため、あえて(A)、(B)の混在する設備を示した。
また、図において、1dは、各伝熱コイル1a、1b、1cに空気を吹き付けて熱交換させるとともに、その熱交換後の空気を吹出口(図示せず)から吹き出させるためのファンである。
【0004】
冷水供給手段2は、水を冷却して冷水を得る冷凍機(冷熱源)21と、冷水循環ライン(第1の循環ライン)22とを備えている。冷凍機21は、この例では2基設けられている。
冷水循環ライン22は、各冷凍機21の流出口から各冷水伝熱コイル1aおよび冷温水兼用伝熱コイル1cの流入口までの間に設置された冷水往流ライン(第1の往流ライン)23と、各冷水伝熱コイル1aおよび冷温水兼用伝熱コイル1cの流出口から各冷凍機21の流入口までの間に設置された冷水復流ライン(第1の復流ライン)24とを備えている。
【0005】
冷水往流ライン23は、冷水往流マニホールド(第1の往流マニホールド)23aと、冷水往流集合管(第1の往流集合流路)23bと、冷水往流メイン流路(第1の往流メイン流路)23cと、冷水往流分岐流路(第1の往流分岐流路)23d、23d、23eとを備えている。
【0006】
冷水往流マニホールド23aは、各冷凍機21から流出する冷水を合流させるようになっており、その合流後の下流端が冷水往流集合管23bに接続されている。
冷水往流メイン流路23cは、その上流端が冷水往流集合管23bに接続されて、下流側に延在している。
各冷水往流分岐流路23dは、上流端が冷水往流メイン流路23cに接続され、下流端が各冷水伝熱コイル1aの流入口に接続されている。
また、他の冷水往流分岐流路23eは、上流端が冷水往流メイン流路23cに接続され、下流端が電動三方弁23fの第1ポートに接続されている。この電動三方弁23fの第2ポートは、冷温水流路23gを介して冷温水兼用伝熱コイル1cの流入口に接続されている。
【0007】
冷水往流メイン流路23cにおける上流側の端部には、冷水を各冷水伝熱コイル1aや冷温水兼用伝熱コイル1cに供給するためのポンプ23hが設けられ、各冷水往流分岐流路23dにおける下流側の端部には、当該冷水往流分岐流路23dの開閉を行う電動二方弁23iが設けられている。
【0008】
また、冷水復流ライン24は、冷水復流マニホールド(第1の復流マニホールド)24aと、冷水復流集合管(第1の復流集合流路)24bと、冷水復流メイン流路(第1の復流メイン流路)24cと、冷水復流分岐流路(第1の復流分岐流路)24d、24d、24eとを備えている。
【0009】
冷水復流マニホールド24aは、その一本にまとめられた上流端が冷水復流集合管24bに接続され、下流側が2本に分岐してそれぞれの下流端が冷凍機21の流入口に接続されている。
冷水復流メイン流路24cは、その下流端が冷水復流集合管23bに接続されて、上流側に延在するように設けられている。
各冷水復流分岐流路24dは、下流端が冷水復流メイン流路24cに接続され、上流端が各冷水伝熱コイル1aの流出口に接続されている。
また、他の冷水復流分岐流路24eは、下流端が冷水復流メイン流路24cに接続され、上流端が電動三方弁24fの第1ポートに接続されている。この電動三方弁24fの第2ポートは、冷温水流路24gを介して冷温水兼用伝熱コイル1cの流出口に接続されている。
【0010】
また、冷水復流マニホールド24aにおける分岐した下流側の各端部には、各伝熱コイル1a、1a、1cから帰還してきた水を冷凍機21に供給するためのポンプ24hが設けられている。
【0011】
温水供給手段3は、水を加熱して温水を得るボイラ(温熱源)31と、温水循環ライン(第2の循環ライン)32とを備えている。ボイラ31は、この例では2基設けられている。
温水循環ライン32は、各ボイラ31の流出口から各温水伝熱コイル1bおよび冷温水兼用伝熱コイル1cの流入口までの間に設置された温水往流ライン(第2の往流ライン)33と、各温水伝熱コイル1bおよび冷温水兼用伝熱コイル1cの流出口からボイラ31の流入口までの間に設置された温水復流ライン(第2の復流ライン)34とを備えている。
【0012】
温水往流ライン33は、温水往流マニホールド(第2の往流マニホールド)33aと、温水往流集合管(第2の往流集合流路)33bと、温水往流メイン流路(第2の往流メイン流路)33cと、温水往流分岐流路(第2の往流分岐流路)33d、33d、33eとを備えている。
【0013】
温水往流マニホールド33aは、各ボイラ31から流出する温水を合流させるようになっており、その合流後の下流端が温水往流集合管33bに接続されている。
温水往流メイン流路33cは、その上流端が温水往流集合管33bに接続されて、下流側に延在している。
各温水往流分岐流路33dは、上流端が温水往流メイン流路33cに接続され、下流端が各温水伝熱コイル1bの流入口に接続されている。
また、他の温水往流分岐流路33eは、上流端が温水往流メイン流路33cに接続され、下流端が電動三方弁23fの第3ポートに接続されている。
【0014】
温水往流メイン流路33cにおける上流側の端部には、温水を各温水伝熱コイル1bや冷温水兼用伝熱コイル1cに供給するためのポンプ33hが設けられ、各温水往流分岐流路33dにおける下流側の端部には、当該温水往流分岐流路33dの開閉を行う電動二方弁33iが設けられている。
【0015】
また、温水復流ライン34は、温水復流マニホールド(第2の復流マニホールド)34aと、温水復流集合管(第2の復流集合流路)34bと、温水復流メイン流路(第2の復流メイン流路)34cと、温水復流分岐流路(第2の復流分岐流路)34d、34d、34eとを備えている。
【0016】
温水復流マニホールド34aは、その一本にまとめられた上流端が温水復流集合管34bに接続され、下流側が2本に分岐してそれぞれの下流端が各ボイラ31の流入口に接続されている。
温水復流メイン流路34cは、その下流端が温水復流集合管34bに接続されて、上流側に延在するように設けられている。
各温水復流分岐流路34dは、下流端が温水復流メイン流路34cに接続され、上流端が各温水伝熱コイル1bの流出口に接続されている。
また、他の温水復流分岐流路34eは、下流端が温水復流メイン流路34cに接続され、上流端が電動三方弁24fの第3ポートに接続されている。
【0017】
温水復流マニホールド34aにおける分岐した下流側の各端部には、各伝熱コイル1b、1b、1cから帰還してきた水をボイラ31に供給するためのポンプ34hが設けられている。
【0018】
また、上記電動二方弁23i、33iは、各ファンコイルユニット1ごとに制御装置41、41によって制御されるようになっている。
【0019】
また、電動三方弁23f、24fは、制御装置43によって制御されるようになっている。そして、電動三方弁23f、24fは、第1ポートと第2ポートとを接続状態に切り換えることによって、冷水のみを冷温水兼用伝熱コイル1cに流通させるようになっており、また第3ポートと第2ポートとを接続状態に切り換えることによって、温水のみを冷温水兼用伝熱コイル1cに流通させるようになっている。
【0020】
上記のように構成された空調設備においては、例えば夏季においては、冷水伝熱コイル1aや冷温水兼用伝熱コイル1cに冷水を供給することによって、室内を冷房することができ、また、冬季においては、温水伝熱コイル1bや冷温水兼用伝熱コイル1cに温水を供給することによって、室内を暖房することができ、さらに、春、秋の中間季においては、上記冷房または暖房を室温等に応じて行うことができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記空調設備においては、季節に応じて、伝熱コイル1a、1b、1cに温水または冷水が全く供給されなくなることがある。例えば夏季においては、温水伝熱コイル1bや冷温水兼用伝熱コイル1cには温水が供給されなくなることから、温水伝熱コイル1b、温水往流分岐流路33d、33e、温水復流分岐流路34d、34e、温水往流メイン流路33c、温水復流メイン流路34c等に水が滞留し、この水によって温水伝熱コイル1b等に腐食が発生しやすくなる。
【0022】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、熱媒体の滞留を防止して伝熱コイル等の腐食の低減と共にコスト削減を図ることのできる空調設備を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、第1の伝熱コイルと第2の伝熱コイルとをそれぞれ少なくとも1つずつ備えた空調機と、低温の熱媒体を得る冷熱源と、高温の熱媒体を得る温熱源とを備え、上記第1の伝熱コイルに接続された熱媒体の第1の循環ラインと、上記第2の伝熱コイルに接続された熱媒体の第2の循環ラインと、上記第1の循環ラインを上記冷熱源および上記温熱源の何れか一方に接続し、上記第2の循環ラインを上記冷熱源および上記温熱源の何れか一方に接続すべく切り換える切換手段とを備えてなることを特徴としている。
【0024】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記空調機は、ファンコイルユニットであることを特徴としている。
【0025】
請求項1に記載の発明においては、切換手段によて、例えば第1の循環ラインと冷熱源とを接続し、第2の循環ラインと冷熱源とを接続した場合には第1の伝熱コイルおよび第2の伝熱コイルの双方に低温の熱媒体が供給されることになる。したがって、夏季においては、第1および第2の双方の伝熱コイルによって、室内を十分に冷房することができる。
【0026】
また、切換手段によって、例えば第1の循環ラインと温熱源とを接続し、第2の循環ラインと温熱源とを接続した場合には第1の伝熱コイルおよび第2の伝熱コイルの双方に高温の熱媒体が供給されることになる。したがって、冬季においては、第1および第2の双方の伝熱コイルによって、室内を十分に暖房することができる。
【0027】
さらに、切換手段によって、例えば第1の循環ラインと冷熱源とを接続し、第2の循環ラインと温熱源とを接続した場合には第1の伝熱コイルには低温の熱媒体が供給され、第2の伝熱コイルには高温の熱媒体が供給されることになる。したがって、春、秋の中間季においては、室内の要求温度に応じて、室内を冷房したり、あるいは暖房したりすることができる。
【0028】
また、上記中間季においては冷暖房に要する熱量はわずかなものでよいため、第1の伝熱コイル側のみに供給した低温の熱媒体によって、室内を要求温度まで十分に冷房することができるとともに、第2の伝熱コイル側のみに供給した高温の熱媒体によって、室内を要求温度まで十分に暖房することができる。
【0029】
そして、上記のように、第1の循環ラインおよび第2の循環ラインを冷熱源および温熱源の何れか一方に接続するようになっていることから、一年を通じて、第1の伝熱コイルおよび第2の伝熱コイルに熱媒体を流通させることができる。したがって、例えば夏季において暖房用の伝熱コイルに熱媒体が滞留したり、冬季において冷房用の伝熱コイルに熱媒体が滞留したりすることがないので、伝熱コイルや、これに接続された配管等に腐食が発生するのを極力防止することができる。すなわち、第1の伝熱コイル、第2の伝熱コイル、第1の循環ライン、第2の循環ライン等の腐食の低減を図ることができる。
【0030】
また、第1の伝熱コイルおよび第2の伝熱コイルの双方で冷房したり暖房したりすることができるので、この冷暖房に要する熱量を第1の伝熱コイルまたは第2の伝熱コイルの一方で補う従来の場合に比べて、当該第1の伝熱コイルや第2の伝熱コイルの伝熱容量を削減することができる。すなわち、従来の場合に比べて、第1の伝熱コイルや第2の伝熱コイルを通過する熱媒体の流量を低減することができるので、第1の伝熱コイル、第2の伝熱コイル、第1の循環ライン、第2の循環ライン等の配管サイズの低減を図ることができる。したがって、空調機組込コイルの小型化およびコストの低減を図ることができる。
【0031】
請求項2に記載の発明においては、ファンコイルユニット組込コイルの小型化およびコストの低減を図ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、図2に示す従来例の構成要素と共通する要素には同一の符号を付しその説明を簡略化する。
【0033】
この実施の形態で示す空調設備が従来例と異なる主な点は、空調機の一例として示したファンコイルユニット1の全てが冷水伝熱コイル(第1の伝熱コイル)1aと、温水伝熱コイル(第2の伝熱コイル)1bとを備えたもので構成されていることと、切換手段5を備えていることである。
【0034】
切換手段5は、冷水循環ライン(第1の循環ライン)22を冷凍機(冷熱源)21およびボイラ(温熱源)31の何れか一方に接続し、温水循環ライン(第2の循環ライン)32を冷凍機21およびボイラ31の何れか一方に接続すべく切り換えるように構成されている。
【0035】
すなわち、切換手段5は、冷水往流二方弁(第1の往流二方弁)51と、温水往流二方弁(第2の往流二方弁)52と、冷水合流流路(第1の合流流路)53と、温水合流流路(第2の合流流路)54と、冷水合流二方弁(第1の合流二方弁)55と、温水合流二方弁(第2の合流二方弁)56と、冷温復流合流流路(帰還熱媒体合流流路)57、58とを備えた構成になっている。
【0036】
冷水往流二方弁51は、冷水往流メイン流路(第1の往流メイン流路)23cにおけるポンプ23hの上流側に設けられており、冷水往流メイン流路23cを開閉するようになっている。この冷水往流二方弁51は手動のもので構成されている。
また、温水往流二方弁52は、温水往流メイン流路(第2の往流メイン流路)33cにおけるポンプ33hの上流側に設けられており、温水往流メイン流路33cを開閉するようになっている。この温水往流二方弁52は手動のもので構成されている。
【0037】
冷水合流流路53は、一端が冷水往流集合管(第1の往流集合管)23bに接続され、他端が温水往流メイン流路33cにおける温水往流二方弁52の下流側でかつポンプ33hの上流側に接続されている。なお、冷水合流流路53の一端は、冷水往流二方弁51の上流側であれば、冷水往流メイン流路23cや冷水往流マニホールド(第1の往流マニホールド)23aに接続してもよい。
【0038】
温水合流流路54は、一端が温水往流集合管(第2の往流集合管)33bに接続され、他端が冷水往流メイン流路23cにおける冷水往流二方弁51の下流側でかつポンプ23hの上流側に接続されている。なお、温水合流流路54の一端は、温水往流二方弁52の上流側であれば、温水往流メイン流路33cや温水往流マニホールド(第2の往流マニホールド)33aに接続してもよい。
【0039】
冷水合流二方弁55は、冷水合流流路53の中間部に設けられており、当該冷水合流流路53を手動にて開閉するようになっている。
また、温水合流二方弁56は、温水合流流路54の中間部に設けられており、当該温水合流流路54を手動にて開閉するようになっている。
【0040】
一方の冷温復流合流流路57は、一端が冷水復流集合管(第1の復流集合管)24bに接続され、他端が温水復流メイン流路(第2の復流メイン流路)34cに接続されている。
他方の冷温復流合流流路58は、一端が温水復流集合管(第2の復流集合管)34bに接続され、他端が冷水復流メイン流路(第1の復流メイン流路)24cに接続されている。
【0041】
なお、冷温復流合流流路57の一端および冷温復流合流流路58の他端は、冷水復流ライン(第1の復流ライン)24の位置であれば、冷水復流メイン流路24cや冷水復流マニホールド(第1の復流マニホールド)24aに接続してもよい。ただし、ポンプ24hの上流側に接続する必要がある。
また、冷温復流合流流路57の他端および冷温復流合流流路58の一端は、温水復流ライン(第2の復流ライン)34であれば、温水復流メイン流路34cや温水復流マニホールド(第2の復流マニホールド)34aに接続してもよい。ただし、ポンプ34hの上流側に接続する必要がある。
そして、冷温復流合流流路は、符号57、58で示す2本のもので構成したが、一本のもので構成してもよい。
【0042】
また、冷水往流ライン(第1の往流ライン)23には、温水合流流路54が合流する位置より下流側の位置に冷水往流温度センサ(第1の往流温度センサ)6が設けられており、温水往流ライン(第2の往流ライン)33には、冷水合流流路53が合流する位置より下流側の位置に温水往流温度センサ(第2の往流温度センサ)7が設けられている。
なお、この実施の形態では、冷水往流温度センサ6は、冷水往流メイン流路23cにおけるポンプ23hの下流側で当該ポンプ23hの近傍位置に設けられており、温水往流温度センサ7は、温水往流メイン流路33cにおけるポンプ33hの下流側で当該ポンプ33hの近傍位置に設けられている。
ただし、冷水往流温度センサ6は、各冷水往流分岐流路23dにおける電動二方弁23iの上流側で当該電動二方弁23iの近傍位置に設けてもよく、温水往流温度センサ7は、各温水往流分岐流路33dにおける電動二方弁33iの上流側で当該電動二方弁33iの近傍位置に設けてもよい。
【0043】
各制御装置41は、各電動二方弁23i、33iの上流側の熱源水の温度を上記温度センサ6、7を介して検知することによって、現状の熱源水が冷水か温水かを判断し、室内側の要求温度に対応する最適な熱源水を伝熱コイル1a、1bに供給すべく、各電動二方弁23i、33iの開閉を制御するようになっている。すなわち、制御装置41は、室内側要求温度と、各伝熱コイル1a、1bに供給される熱源水の温度とをパラメータとしてローカルで各伝熱コイル1a、1bを開閉制御するようになっている。
【0044】
また、各ファンコイルユニット1における各ファン1dも制御装置41によって制御されるようになっている。すなわち、制御装置41は、室内の温度センサ(図示せず)で検知した室温が室内側の要求温度になるように、ファン1dの風量をオン、オフ制御するか、段階制御するか、あるいは当該風量を例えばインバータ制御によって連側的に制御するようになっている。
【0045】
また、図1において、2a、3aはバイパス弁である。
【0046】
上記のように構成された空調設備においては、切換手段5における冷水往流二方弁51および温水往流二方弁52を開状態にし、冷水合流二方弁55および温水合流二方弁56を閉状態にすることにより、冷凍機21から流出した冷水を各ファンコイルユニット1における冷水伝熱コイル1aを通過させて、再び冷凍機21に帰還させることができるとともに、ボイラ31から流出した温水を各ファンコイルユニット1における温水伝熱コイル1bを通過させて、再びボイラ31に帰還させることができる。
【0047】
この場合には、室内の要求温度に応じて、室内を冷房したり、暖房したりすることができる。したがって、春、秋の中間季のように、冷房の要求があったり、暖房の要求があったりする場合に有利である。
しかも、中間季の場合は、冷暖房に要する熱量はわずかなものでよいため、冷水伝熱コイル1aのみに供給した冷水(低温の水)によって、室内を要求温度まで十分に冷房することができるとともに、温水伝熱コイル1bに供給した温水(高温の水)によって、室内を要求温度まで十分に暖房することができる。
【0048】
また、冬季の場合であっても、寒冷地でない場合には上記のように冷水伝熱コイル1aに冷水を流し、温水伝熱コイル1bに温水を流した状態にして使用してもよい。すなわち、温水の場合には、温水伝熱コイル1bの流入口と流出口との温度差が大きく、十分大きな熱量を供給することができるので、特に寒冷地でなければ、冬季であっても室内を十分に暖房することができる。したがって、冷水伝熱コイル1aに冷水を供給しておくことは、冬季における暖房上何等問題がないとともに、局所的に冷房の要求がある場合に有効に利用することができる利点がある。
【0049】
一方、冷水往流二方弁51および冷水合流二方弁55を開状態にし、温水往流二方弁52および温水合流二方弁56を閉状態にすることにより、冷凍機21から流出した冷水を各ファンコイルユニット1における冷水伝熱コイル1aおよび温水伝熱コイル1bの双方を通過させて、再び冷凍機21に帰還させることができる。
【0050】
この場合には、冷水伝熱コイル1aおよび温水伝熱コイル1bの双方を通過する冷水によって大量の熱を室内から奪うことができる。したがって、夏季において、室内を十分に冷房する場合に有利である。また、この場合には、中間季において温水用として機能していたポンプ33hが冷水用のものとして機能することになる。
【0051】
他方、温水往流二方弁52および温水合流二方弁56を開状態にし、冷水往流二方弁51および冷水合流二方弁55を開状態にすることにより、ボイラ31から流出した温水を各ファンコイルユニット1における冷水伝熱コイル1aおよび温水伝熱コイル1bの双方を通過させて、再びボイラ31に帰還させることができる。
【0052】
この場合には、冷水伝熱コイル1aおよび温水伝熱コイル1bの双方を通過する温水によって大量の熱を室内に供給することができる。したがって、寒冷地における冬季においても、室内を十分に冷房することができる。この場合には、中間季において冷水用として機能していたポンプ23hが温水用のものとして機能することになる。
【0053】
また、上記制御装置41による電動二方弁23i、33iの開閉制御は、冷房要求時には表1の通りになり、暖房要求時には表2の通りになる。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
そして、上記のように、冷水循環ライン22を冷凍機21およびボイラ31の何れか一方に接続し、温水循環ライン32を冷凍機21およびボイラ31の何れか一方に接続すべく切り換える切換手段5を備えているので、一年を通じて、冷水伝熱コイル1aおよび温水伝熱コイル1bに熱媒体としての熱源水を流通させることができる。
【0057】
したがって、例えば夏季において温水伝熱コイル1b等に水が滞留したり、冬季において冷水伝熱コイル1a等に水が滞留したりすることがないので、伝熱コイル1a、1bや、これに接続された配管類としての冷水往流メイン流路23c、冷水復流メイン流路24c、冷水往流分岐流路23d、冷水復流分岐流路24d、温水往流メイン流路33c、温水復流メイン流路34c、温水往流分岐流路33d、温水復流分岐流路34d、電動二方弁23i、33i等が腐食しにくくなる。すなわち、冷水伝熱コイル1a、温水伝熱コイル1b等の腐食を低減することができる。
【0058】
また、冷水伝熱コイル1aおよび温水伝熱コイル1bの双方で冷房したり暖房したりすることができるので、この冷暖房に要する熱量を冷水伝熱コイル1aのみで冷房したり、温水伝熱コイル1bのみで暖房したりする従来の場合に比べて、当該冷水伝熱コイル1aや温水伝熱コイル1bの伝熱のための容量を削減することができる。
【0059】
例えば、図1において、冷水往流メイン流路23c等の各配管内を流れる冷水または温水の流量を、300、150、100、50の数値で示し、従来例の図2においても各配管内の流量を300、100の数値によって示すと、以下のようになる。
【0060】
すなわち、図1の本実施の形態のものにあっては、メイン流路23c、24c、33c、34cの各配管内を流れる流量が従来例の300に対して150になる。また、分岐流路23d、24d、33d、34dの各配管内および電動二方弁23i、33i内を流れる流量が従来例の100に対して50になる。
【0061】
したがって、メイン流路23c、24c、33c、34c、分岐流路23d、24d、33d、34dおよび電動二方弁23i、33i等を小径サイズの小型のものにすることができる。よって、各ファンコイルユニット1の小型化を図ることができるとともに、コストの低減を図ることができる。
また、ポンプ23h、33hを双方同時に使用することによって大流量の冷水や温水を供給することができることから、個々のポンプ23h、33hとしては従来例に比べて、その吐出容量を削減することができる。したがって、ポンプ23h、33hの小型化を図ることができるとともに、コストの低減を図ることができる。
しかも、ファンコイルユニット1は、冷水伝熱コイル1aおよび温水伝熱コイル1bの双方を備えていることから、1台ごとに個別に冷暖房運転が可能になるという利点もある。
【0062】
また、従来例のように、電動三方弁23fを用いた場合には、冷温水兼用伝熱コイル1cを冷房用にも暖房用にも利用することができるが、当該電動三方弁23fに冷水と温水が共に供給される状態になるため、これらの冷水、温水が互いにリークし、冷房および暖房の効率が共に落ちるおそれがある。これに対して、本実施の形態では、電動三方弁23fを用いていないので、上記のようなリークによって効率が低下するのを防止することができる。
【0063】
しかも、伝熱コイル1a、1bの双方に冷水または温水を流通させた場合には、電動二方弁23i、33iが開状態に維持されるので、電動二方弁23i、33iを閉状態にしたときのリークが原因で冷暖房の効率が下がるという問題が生じることがない。したがって、電動二方弁23i、33iの双方を開状態にする夏、冬における特に冷暖房の稼働率が高まる時期において、その冷暖房の効率の向上を図ることができる。
【0064】
また、冷水往流温度センサ6および温水往流温度センサ7は、基本的には冷水であるか温水であるかを検知することができればよく、精度の高さを必要としないので、安価なものを使用することができる。
【0065】
なお、上記実施の形態において示した冷水伝熱コイル1aと、温水伝熱コイル1bは、熱交換に関する伝熱性能において設計上同一の性能を有するもので構成されている。すなわち、上記実施の形態において、冷水伝熱コイル1aと温水伝熱コイル1bとを互いに交換しても、理論上、冷暖房の各性能が向上したり低下したりすることがない。
【0066】
また、冷水往流二方弁51、温水往流二方弁52、冷水合流二方弁55および温水合流二方弁56は、手動のもので構成したが、これらの二方弁51、52、55、56については、電動のもので構成し、その開閉を制御装置によって自動的に行うように構成してもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、第1の循環ラインおよび第2の循環ラインを冷熱源および温熱源の何れか一方に接続する切換手段を備えているので、一年を通じて、第1の伝熱コイルおよび第2の伝熱コイルに熱媒体を流通させることができる。したがって、例えば夏季において暖房用の伝熱コイルに熱媒体が滞留したり、冬季において冷房用の伝熱コイルに熱媒体が滞留したりすることがないので、伝熱コイルや、これに接続された循環ライン等の配管が腐食しにくくなる。すなわち、第1の伝熱コイル、第2の伝熱コイル、第1の循環ライン、第2の循環ライン等の腐食の低減を図ることができる。
【0068】
また、第1の伝熱コイルおよび第2の伝熱コイルの双方で冷房したり暖房したりすることができるので、この冷暖房に要する熱量を第1の伝熱コイルまたは第2の伝熱コイルの一方で補う従来の場合に比べて、当該第1の伝熱コイルや第2の伝熱コイルの伝熱のための容量を大幅に削減することができる。したがって、例えば、第1の伝熱コイルや第2の伝熱コイルを通過する熱媒体の流量を従来の場合に比べて半分に低減することができるので、第1の伝熱コイル、第2の伝熱コイル、第1の循環ライン、第2の循環ライン等を小径サイズの小型のものにすることができる。よって、空調機組込コイルの小型化を図ることができるとともに、コストの低減を図ることができる。
【0069】
請求項2に記載の発明によれば、ファンコイルユニット組込コイルの小型化およびコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態として示した空調設備の回路図である。
【図2】従来例として示した空調設備の回路図である。
【符号の説明】
1 ファンコイルユニット(空調機)
1a 冷水伝熱コイル(第1の伝熱コイル)
1b 温水伝熱コイル(第2の伝熱コイル)
5 切換手段
21 冷凍機(冷熱源)
22 冷水循環ライン(第1の循環ライン)
31 ボイラ(温熱源)
32 温水循環ライン(第2の循環ライン)
Claims (2)
- 第1の伝熱コイルと第2の伝熱コイルとをそれぞれ少なくとも1つずつ備えた空調機と、低温の熱媒体を得る冷熱源と、高温の熱媒体を得る温熱源とを備え、
上記第1の伝熱コイルに接続された熱媒体の第1の循環ラインと、
上記第2の伝熱コイルに接続された熱媒体の第2の循環ラインと、
上記第1の循環ラインを上記冷熱源および上記温熱源の何れか一方に接続し、上記第2の循環ラインを上記冷熱源および上記温熱源の何れか一方に接続すべく切り換える切換手段とを備えてなることを特徴とする空調設備。 - 上記空調機は、ファンコイルユニットであることを特徴とする請求項1に記載の空調設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002197346A JP2004037030A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | 空調設備 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=31705141
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002197346A Pending JP2004037030A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | 空調設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004037030A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1564089A2 (en) | 2004-02-13 | 2005-08-17 | Nissan Motor Company, Limited | Flip-up type hood for vehicle |
JP2010210124A (ja) * | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Sanken Setsubi Kogyo Co Ltd | 熱源システム |
JP2019078501A (ja) * | 2017-10-26 | 2019-05-23 | 三機工業株式会社 | 空調システム |
CN111780279A (zh) * | 2020-06-30 | 2020-10-16 | 杭州医学院 | 洁净手术室净化空调系统冷热源大小系统的切换控制装置 |
-
2002
- 2002-07-05 JP JP2002197346A patent/JP2004037030A/ja active Pending
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