JP2004036770A - ギャロッピング抑制装置 - Google Patents

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西村 生
Naoya Kida
木田 直哉
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Abstract

【課題】送電線のギャロッピング現象を効果的に防止できるギャロッピング抑制装置を提供する。
【解決手段】ギャロッピング抑制装置10は外筒11とテンションロッド12と皿ばね群13とを具備している。皿ばね群13は、同じ向きに重合した複数枚の皿ばね60からなる皿ばねブロック61を、交互に向きを変えてばね座30,50間に直列に収容している。この皿ばね群13は、撓みが最小の状態から最大撓みに達する直前の中間点に至るまでの通常ストローク域においては、撓みの増加に対して荷重が比較的なだらかに増加しつつ荷重の増加率が漸減する第一段階の荷重特性を有し、上記中間点から最大撓みに至る過剰ストローク域においては荷重が急に立ち上がる第二段階の荷重特性を有している。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、架空高圧送電線や電車線等の送電線のギャロッピング現象を抑制するためのギャロッピング抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
送電線において、例えば着氷や強風が原因となって比較的周期が長く振幅の大きな自励振動(ギャロッピングと呼ばれる動的現象)が生じることがある。ギャロッピングは送電線の相間短絡や断線の原因になることがある。ギャロッピングを防止するための対策として、周知の偏心重量錘を用いた偏心重量ダンパーや、相間スペーサが知られている。偏心重量錘は、回転自在形スペーサと組合わせ、送電線に所定の間隔で取付けることにより、送電線のねじれと垂直振動の位相をずらして振動の発展を阻止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の相間スペーサを用いる場合には、相間電圧に対する電気的絶縁性を確実にしなければならないといった問題があり、また所定の効果を得るにはかなりの数の相間スペーサが必要となる。一方、偏心重量錘を用いる場合には、クランプ部で電線が有効に回転しうるように特殊な構造の回転自在形スペーサが必要であり、しかも所定の効果を得るには数多く設けなければならず、その取付けに要する工数も増大するなどの問題が多かった。
【0004】
また、複数枚のスプリングワッシャ等のばねを用いたばね式のギャロッピング抑制装置も提案されている。このものは、上記ばねによって送電線に張力を与えておき、ギャロッピング発生時にばねを撓ませることにより、送電線の振動を吸収しつつ振動を減衰させるようにしている。しかしこの種のギャロッピング抑制装置も、ギャロッピング現象が予想以上に大きくなったときに送電線の振動を効果的に緩衝しきれず、送電線や支持体に過剰な応力が生じることが避けきれないという問題があった。
【0005】
従って本発明の目的は、少ない設置数でギャロッピングを効果的に防止できるとともに、過大なギャロッピング入力に対しても有効に機能できるようなギャロッピング抑制装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のギャロッピング抑制装置は、送電線またはこの送電線を支持すべき支持体のいずれか一方側に連結される外筒と、上記外筒に軸線方向に移動自在に挿入されかつ上記送電線または支持体のいずれか他方側に連結されるテンションロッドと、同じ向きに重合された複数枚の並列配置の皿ばねからなる皿ばねブロックを交互に向きを変えて上記外筒側のばね座とテンションロッド側のばね座との間に直列に収容し荷重−撓み特性における加圧側と減圧側との間にヒステリシスを生じる皿ばね群とを具備し、かつ、上記皿ばね群の撓みが最小の状態から撓みが最大となる直前の中間点に至るまでの通常ストローク域においては撓みの増加に対して荷重が漸増する第一段階の荷重特性を示しかつ上記中間点から最大撓みに至る過剰ストローク域において荷重が急に立ち上がる第二段階以上の荷重特性を有するように、上記皿ばねブロックを構成する上記皿ばねの枚数または皿ばねの板厚を、皿ばねブロックどうしで互いに異ならせている。
【0007】
本発明のギャロッピング抑制装置は、送電線が加振されると外筒に対してテンションロッドが軸方向に相対移動するため、その移動量に応じて外筒内の皿ばね群が撓む。この皿ばね群において、各皿ばねブロックを構成する複数の皿ばねは同じ向きに重合された並列配置となっているから、撓みの繰返しに伴うヒステリシスによって安定した減衰性が得られ、送電線の振動が効果的に抑制される。また上記複数の皿ばねブロックは交互に向きを変えて直列配置されているので充分な変形量が得られ、温度変化等に起因する電線の伸縮量を充分吸収することができる。
【0008】
上記皿ばね群の撓みが最小の状態から最大撓みに達する直前の中間点に至るまでの通常ストローク域においては、撓みの増加に対して荷重が比較的なだらかに増加しつつ荷重の増加率が漸減してゆく。そして予期しない過大なギャロッピング入力があったときには、上記中間点からストローク終端にわたる過剰ストローク域において荷重が急に立ち上がる第二段階、あるいはそれ以上の複数段階の荷重特性を示すことにより、過剰なギャロッピング入力も効果的に抑制されるとともに、通常ストローク域よりも大きなヒステリシスによって更に大きな減衰力が発揮される。
【0009】
本発明の好ましい形態では、上記通常ストローク域におけるヒステリシスを、10%〜20%の範囲とし、過剰ストローク域におけるヒステリシスを上記通常ストローク域のヒステリシスよりも大としている。また本発明の好ましい形態では、セット荷重調整手段によってばね座間の距離を調整可能とし、皿ばね群の初期圧縮荷重を調整できるようにするとよい。本発明の好ましい形態では、上記外筒の端部に設ける蓋に上記テンションロッドが貫通する孔が形成され、この孔を非円形とし、上記テンションロッドの軸線と直角な方向の断面を上記孔に対応して非円形にすることにより、外筒とテンションロッドとの回り止め機能を発揮できるようにしてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
図1から図3に示されたギャロッピング抑制装置10は、外筒11とテンションロッド12および皿ばね群13とを備えて構成されている。外筒11の一端側に円盤状の蓋15が設けられている。蓋15の外周に雄ねじ部16が形成されている。
【0011】
蓋15は、その雄ねじ部16を外筒11の雌ねじ部20に所望位置までねじ込んだのち、スプリングピン等の回り止め部材21を外筒11の小孔に圧入することによって、外筒11に固定される。この蓋15に取付金具22が固定されている。外筒11の雌ねじ部20を形成した箇所の外周側は、外筒11に溶接する補強リング23によって補強される。
【0012】
外筒11の他端側に蓋を兼ねた円盤状の第1のばね座30が設けられている。蓋を兼ねたばね座30に孔30aが形成され、この孔30aにテンションロッド12が貫通している。
【0013】
ばね座30の外周に雄ねじ部31が形成されている。このばね座30は、外筒11の雌ねじ部32に所望位置までねじ込んだのち、スプリングピン等の回り止め部材33を外筒11の小孔に圧入することにより、外筒11に固定される。外筒11の雌ねじ部32を形成した箇所の外周側は、外筒11に溶接する補強リング34によって補強される。外筒11の最も低い位置付近に、結露水を排出するための水抜き孔35が形成されている。
【0014】
テンションロッド12は、外筒11の内部に軸線方向に移動自在に挿入されている。外筒11の外側に突出するテンションロッド12の一端部40は、連結孔41を有する連結部42となっている。外筒11の内部に位置するテンションロッド12の他端部45に、円板状の第2のばね座50が取付けられている。
【0015】
第2のばね座50は、その中央に形成された雌ねじ部51をテンションロッド12の雄ねじ部52に所望位置までねじ込むことにより、固定されている。テンションロッド12の表面には、耐摩耗性を高めるために、ハードクロムメッキ等の表面処理が施されている。
【0016】
外筒11の内部に皿ばね群13が設けられている。図3に示すように、皿ばね群13は、同じ向きに重ねた複数枚(例えば2枚から5枚)の並列配置の皿ばね60からなる皿ばねブロック61(一部のみ示す)を、交互に向きを変えて複数組直列に配置したものである。全ての皿ばね60の中央に形成された孔62にテンションロッド12が挿通している。
【0017】
皿ばね60の外周面と外筒11の内周面との間には、皿ばね60が外筒11に対して軸線方向に円滑に移動できるようにするために、適宜の隙間G1 が確保されている。皿ばね60の内周面(孔62の内面)とテンションロッド12の外周面との間には、テンションロッド12が皿ばね60に対して軸線方向に円滑に移動できるようにするために、適宜の隙間G2 が確保されている。
【0018】
これらの皿ばね60は、適宜のセット荷重(初期圧縮荷重)を与えた状態で、ばね座30,50間に収容されている。このセット荷重を調整するために、前記ねじ部16,20の螺合によるねじ締結と、ねじ部31,32の螺合によるねじ締結と、ねじ部51,52の螺合によるねじ締結は、ばね座30,50間の距離を調整可能なセット荷重可変手段を構成する。
【0019】
図3において、テンションロッド12が外筒11に対して矢印F方向に移動すると、皿ばね群13を構成する各皿ばね60が撓むことにより、テンションロッド12を矢印R方向に押し返す反力が生じる。また、各皿ばね60が撓む際に、互いに隣り合う皿ばね60どうしで板間摩擦を生じる。このため、図4に示すように、撓み(ストローク)と荷重との関係を示す荷重−撓み特性において、加圧側と減圧側との間に、ハッチングで示す面積のヒステリシスJが生じる。
【0020】
この皿ばね群13は、撓み(ストローク)が最小の状態から、撓みが最大に達する直前の中間点Aに至るまでの通常ストローク域S1 においては、撓みの増加に対して荷重が比較的なだらかに増加(漸増)しつつ荷重の増加率が漸減する第一段階の荷重特性を示す。また、中間点Aから最大撓み(ストローク終端)にわたる過剰ストローク域S2 においては、予想を越える異常なギャロッピング現象に対して抑制機能を発揮させるべく、荷重が急に立ち上がる第二段階(あるいはそれ以上の複数段階)の荷重特性を有するように、皿ばね60の組合わせ数および皿ばねブロック61の数や、皿ばね60の板厚等が設定されている。
【0021】
上記複数段階の荷重特性が得られるようにするために、皿ばねブロック61を構成する皿ばね60の枚数を、皿ばねブロック61どうしで互いに異ならせている。例えば、互いに向きが交互に変わる皿ばねブロック61どうしで、一方を4枚、他方を2枚といった具合に、皿ばね60の枚数に変化をもたせている。こうすることによって、図4に示すような少なくとも2段階の特性を得ることができる。
【0022】
なお、皿ばね60の枚数と組合わせの形態については、要求される複数段階特性に応じて任意に設定されるから、この実施形態に限るものではない。また、各皿ばねブロック61どうしで皿ばね60の板厚を変えることによっても、複数段階の特性を得ることが可能である。
【0023】
図4に示す荷重特性において、ギャロッピング抑制機能に必要な理論値(例えば荷重値P=2010kgfと3390kgf)は、通常ストローク域S1 に含まれている。荷重値が例えば3390kgfを越える領域は、ギャロッピング入力が予想以上に大きくなったときに機能する緩衝域を示し、この緩衝域に過剰ストローク域S2 が含まれている。このような緩衝域を設けたことで、特に過剰なギャロッピング入力があったときの緩衝能力と減衰能力を大幅に向上することができた。
【0024】
上記皿ばね群13の通常ストローク域S1 におけるヒステリシスは、10%から20%の間(10%〜20%)とし、過剰ストローク域S2 におけるヒステリシスを通常ストローク域S1 のヒステリシスよりも大きくしている。ここで言うヒステリシスの値(%)は、加圧側と減圧側との同一ストロークにおける加圧側の荷重をP1 、減圧側の荷重をP2 としたときに、(1−P2 /P1 )×100で表わされる値である。なお、ヒステリシスが10%未満であると所望の振動減衰効果が得られないことがあり、ヒステリシスが20%を越えると動的ばね定数が過大となり、減衰効果を損なう場合がある。
【0025】
上記構成のギャロッピング抑制装置10は、例えば図1に示されるように碍子71を介して鉄塔などの支持体70に取付けられる。この場合、外筒11の取付金具22とテンションロッド12の連結部42とのいずれか一方を支持体70側に連結するとともに、他方を送電線72に連結する。送電線72にジャンパー線73が接続される。
【0026】
送電線72の張力は、テンションロッド12を介して皿ばね群13に伝達される。この送電線72に皿ばね群13のセット荷重を越える張力が加わると、テンションロッド12が外筒11から突き出る方向に動き、各皿ばね60が撓む。
【0027】
ギャロッピング現象等によって送電線72が加振されると、送電線72の張力変化に応じて皿ばね60の撓み量も変化する。これらの皿ばね60は、各皿ばねブロック61ごとに、複数枚ずつ同じ方向に重合された並列配置となっているから、各皿ばね60間に摩擦力による安定なヒステリシスが生じる。すなわち図4に示されるように加圧方向に撓む時と、減圧方向に撓む時との間において撓み−荷重特性にずれ(ヒステリシスJ)を生じることにより、振動エネルギーが減衰される。このため送電線72に発生する振動が抑制され、ギャロッピング現象はもとより、振動一般も効果的に抑制される。なお、各皿ばねブロック61における並列枚数に応じて減衰効果を調整することも可能である。
【0028】
[実施例1]
下記振動試験に用いる供試品として製作したギャロッピング抑制装置10の仕様は次の通りである。
皿ばね外径:125mm
皿ばね内径:61mm
皿ばねブロック1つ分の皿ばね数:最大4枚
皿ばねブロックの総数:23組
装置全長:535mm
重量  :46.6kg
吸収エネルギー計算値:180J
吸収エネルギー実測値:99J
Figure 2004036770
このギャロッピング抑制装置10を、図5に示す試験設備80の送電線72a(ACSR:610mm)の一端に取付け、自由振動減衰試験を行った。この試験は、送電線72aの長手方向中央部を図示しない吊上げ装置によって吊上げ、自由落下させたときの送電線72aの挙動を変位計81によって検出した。送電線72aの他端には張力計82を取付けた。また、支持体間のスパンLは90メートル、水平張力2700kgf、弛度0.8mとした。
【0029】
図6は上記実施例1を設けた送電線72aの振動波形を示す。図7はギャロッピング抑制装置を用いない場合の振動波形を示す。これらの図6,7から判るように、実施例1のギャロッピング抑制装置10を設けた送電線は、ギャロッピング抑制装置を設けない場合に比べて、自由振動減衰試験において減衰率が著しく向上することが確認された。
【0030】
ここで減衰率をε,基準振幅をA(mm),基準振幅からn波目の振幅をAn (mm)とすると、減衰率εは
ε=(1/n)×1n(A/An )
で表わされる。
【0031】
この実施例1の振幅測定結果によれば、Aが515mm,10波目のAn が88mmであり、減衰率εは0.1767となった。これに対し、ギャロッピング抑制装置を設けない送電線の減衰率εは0.0270であった。つまり、実施例1のギャロッピング抑制装置10を設けた送電線は、ギャロッピング抑制装置を設けない場合に比べて、減衰率が6.45倍に向上した。また、吸収エネルギー特性と減衰率とは相関が認められた。
【0032】
また、手動によって送電線72aに振動エネルギーを与えることにより、強制加振試験も実施した。この強制加振試験では、同一加振力に対し、吸収エネルギーが大きいギャロッピング抑制装置を取付けた供試体ほど、張力変動と発生振幅が小さいという結果が得られた。
【0033】
なお、皿ばね60は、各皿ばねブロック61における並列組合わせ枚数を調整することで、任意のヒステリシスを得ることができ、更に各皿ばねブロック61の直列組合わせ数によって作動ストロークの調整が可能である。
【0034】
[実施例2]
下記仕様のギャロッピング抑制装置10を製作し、前述と同様の振動試験を実施した。
皿ばね外径:125mm
皿ばね内径:61mm
皿ばねブロック1つ分の皿ばね数:最大4枚
皿ばねブロックの総数:11組
装置全長:350mm
重量  :27.4kg
吸収エネルギー計算値:86J
吸収エネルギー実測値:38J
張力変動想定値の最大荷重と平均荷重および最小荷重は前記実施例1と同様である。
【0035】
この実施例2の振幅測定結果によれば、Aが868mm,10波目のAn が300mmであり、減衰率εは0.1062となった。この場合、ギャロッピング抑制装置を設けない場合に比べて、減衰率が3.88倍に向上した。
【0036】
[実施例3]
下記仕様のギャロッピング抑制装置10を製作し、前述と同様の振動試験を実施した。
皿ばね外径:125mm
皿ばね内径:61mm
皿ばねブロック1つ分の皿ばね数:最大4枚
皿ばねブロックの総数:5組
装置全長:255mm
重量  :17.8kg
吸収エネルギー計算値:39J
吸収エネルギー実測値:23J
張力変動想定値の最大荷重と平均荷重および最小荷重は前記実施例1と同様である。
【0037】
この実施例3の振幅測定結果によれば、Aが936mm,10波目のAn が425mmであり、減衰率εは0.0790となった。このものは、ギャロッピング抑制装置を設けない場合に比べて、減衰率が2.88倍に向上した。
【0038】
本発明のギャロッピング抑制装置10を架空高圧送電線の鉄塔に採用することにより、ギャロッピング現象が防止され、相間短絡事故や断線事故の防止はもとより、支持体(碍子や鉄塔自身)への応力を緩和する上でも効果がある。
【0039】
また上記ギャロッピング抑制装置10は、複数組の皿ばねブロック61を交互に向きを変えて直列に配置しているので、撓みを大きくとることができる。このため、例えば温度変化に伴う送電線の伸び縮みを充分吸収できることから、送電線の弛度が減少するとともに、張力変化も低減させることができる。ちなみに、送電線の弛度が減少すると、鉄塔の高さを現行のものよりも低くすることが可能となる。
【0040】
図8は本発明の他の実施形態のギャロッピング抑制装置10´の径方向の断面を示している。この実施形態では、外筒11の端部に設ける蓋を兼ねたばね座30の孔30aが非円形である。また、この孔30aを貫通するテンションロッド12の軸線と直角な方向の断面を、孔30aと対応して非円形としている。こうすることにより、外筒11とテンションロッド12との相対的な回り止め機能が発揮される。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に記載した本発明によれば、送電線のギャロッピング防止対策等に優れた効果があり、予想を越える過大なギャロッピング入力、計画値を超える負荷の変動等に対しても優れた緩衝機能と振動減衰効果を発揮できる。このため着氷や着雪、暴風等の過酷な自然条件下で使用される架空送電線や電車線等において所望の機能を発揮することができる。しかも本発明は、大型吊り橋などにも使われている実績の高い皿ばねを用いており、長期信頼性が高いものである。しかも本発明のギャロッピング抑制装置は送電線の径間に1台もしくは2台のみ設ければよいから、設置数が従来の偏心重量錘等に比べて少なく、据付けに要する工数も少なくてすむ。
【0042】
請求項2に記載したヒステリシス範囲であれば、通常のギャロッピング入力時はもとより、過剰なギャロッピング入力時にも実用に適した緩衝機能と減衰効果を発揮することができる。
請求項3に記載のセット荷重調整手段を設ければ、皿ばね群の初期荷重を容易に調整することができる。
【0043】
請求項4に記載した発明によれば、外筒とテンションロッドとの相対的な回り止め機能を発揮できるため、作動時の捻りが抑制され、より品質の安定したギャロッピング抑制装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すギャロッピング抑制装置を備えた送電線と鉄塔の一部の斜視図。
【図2】図1に示されたギャロッピング抑制装置の底面図。
【図3】図2中のII−II線に沿う断面図。
【図4】ストロークと荷重との関係を示す荷重−撓み線図。
【図5】振動試験を実施する設備の側面図。
【図6】上記ギャロッピング抑制装置を設けた場合の送電線の振動波形を示す図。
【図7】ギャロッピング抑制装置を設けない場合の送電線の振動波形を示す図。
【図8】本発明の他の実施形態を示すギャロッピング抑制装置の断面図。
【符号の説明】
10,10´…ギャロッピング抑制装置
11…外筒
12…テンションロッド
13…皿ばね群
30,50…ばね座
60…皿ばね
61…皿ばねブロック

Claims (4)

  1. 送電線またはこの送電線を支持すべき支持体のいずれか一方側に連結される外筒と、
    上記外筒に軸線方向に移動自在に挿入されかつ上記送電線または支持体のいずれか他方側に連結されるテンションロッドと、
    同じ向きに重合された複数枚の並列配置の皿ばねからなる皿ばねブロックを交互に向きを変えて上記外筒側のばね座とテンションロッド側のばね座との間に直列に収容し荷重−撓み特性における加圧側と減圧側との間にヒステリシスを生じる皿ばね群とを具備し、かつ、
    上記皿ばね群の撓みが最小の状態から撓みが最大となる直前の中間点に至るまでの通常ストローク域においては撓みの増加に対して荷重が漸増する第一段階の荷重特性を示しかつ上記中間点から最大撓みに至る過剰ストローク域において荷重が急に立ち上がる第二段階以上の荷重特性を有するように、上記皿ばねブロックを構成する上記皿ばねの枚数または皿ばねの板厚を、皿ばねブロックどうしで互いに異ならせたことを特徴とするギャロッピング抑制装置。
  2. 上記通常ストローク域におけるヒステリシスが10%から20%の範囲にありかつ上記過剰ストローク域におけるヒステリシスが上記通常ストローク域のヒステリシスよりも大であることを特徴とする請求項1記載のギャロッピング抑制装置。
  3. 上記外筒は、雄ねじ部と雌ねじ部との螺合により上記ばね座間の距離を調整可能なセット荷重調整手段を有することを特徴とする請求項1記載のギャロッピング抑制装置。
  4. 上記外筒の端部に設ける蓋に上記テンションロッドが貫通する孔が形成され、この孔が非円形であり、かつ、上記テンションロッドの軸線と直角な方向の断面が上記孔に対応した非円形であることを特徴とする請求項1記載のギャロッピング抑制装置。
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