JP2004036629A - バルブ用アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ボールバルブ及びバタフライバルブの回転弁に搭載して確実に逆転防止機能を働かせることのできるバルブ用アクチュエータであり、コンパクトで低コスト化が可能なバルブ用アクチュエータを提供すること。
【解決手段】回転駆動源12に連動して回転する入力歯車15と、この入力歯車15に噛合する中間歯車14と、入力歯車15の回転に連動して偏心回転する偏心体17と、偏心体17からの偏心回転を受けて揺動回転する外歯歯車18と、外歯歯車18と噛合或は係合し、外歯歯車18の揺動回転を規制する枠体19と、外歯歯車18と連動して外歯歯車18の自転成分を出力可能な出力軸20からなる減速歯車機構10を構成し、この出力軸20と弁ステム30を介してバルブ用弁体31を回転自在に接続し、この弁体31を減速歯車機構10の偏心モーメントによる位置保持機能により中間開度位置で保持するようにしたバルブ用アクチュエータである。
【選択図】 図1
【解決手段】回転駆動源12に連動して回転する入力歯車15と、この入力歯車15に噛合する中間歯車14と、入力歯車15の回転に連動して偏心回転する偏心体17と、偏心体17からの偏心回転を受けて揺動回転する外歯歯車18と、外歯歯車18と噛合或は係合し、外歯歯車18の揺動回転を規制する枠体19と、外歯歯車18と連動して外歯歯車18の自転成分を出力可能な出力軸20からなる減速歯車機構10を構成し、この出力軸20と弁ステム30を介してバルブ用弁体31を回転自在に接続し、この弁体31を減速歯車機構10の偏心モーメントによる位置保持機能により中間開度位置で保持するようにしたバルブ用アクチュエータである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブ用アクチュエータに関し、特に、ボールバルブ、バタフライバルブ等の回転弁に搭載するためのバルブ用アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールバルブ、バタフライバルブ等の回転弁に使用されるアクチュエータは、弁体を所定量回転させるために必要な回転量及びトルクを得るようにモータからの高速回転を減速歯車列を用いて減速して伝達され、この減速歯車列は、ボールバルブ、バタフライバルブ等のバルブの形態、及び流路の呼び径などの仕様に応じて適宜決定するようにしている。
【0003】
例えば、ボールバルブ用のアクチュエータは、図4に示すようにインボリュート歯形を有する平歯車4a、4b、4c、及び4dから構成される減速歯車列4を収納し、このアクチュエータは、モータ2の回転軸3からの回転が伝達されると平歯車列によって減速され出力軸5から出力するようにしている。6は出力軸5と接続された弁体(ボール)である。
【0004】
一方、バタフライバルブ用のアクチュエータは、中間開度において流体が流れた場合にはボールバルブと比較してジスクが流体からの影響を受け易く、ジスクに流体圧が加わった場合に、ジスクが支受けされていないためジスクが逆転するおそれがある。
【0005】
このため、バタフライバルブ用アクチュエータに使用する減速歯車列は、ボールバルブ用アクチュエータと比較してより強い逆転防止機能を発揮することのできる構造である必要があり、バタフライバルブ用アクチュエータの減速歯車列としては、平歯車列と比較してより強い逆転防止効果を発揮することのできるウォームギヤとウォームを歯車列に組み込み、弁体側から加わる力に対して逆転防止機能を働かせるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ボールバルブ用のアクチュエータは、歯車列の逆転防止機能が十分とはいえない構造であるため、バタフライバルブ用として利用することは困難であり、バタフライバルブ用のアクチュエータは、確実に逆転防止機能を得るためにボールバルブ用アクチュエータとは別構造の減速歯車列を別途設ける必要があった。
このように回転弁用アクチュエータとしては、ボールバルブ又はバタフライ毎に搭載するアクチュエータを準備する必要があり、これらのアクチュエータを共用することはしていない。
【0007】
また、バタフライバルブ用のように、ウォームとウォームギヤとを利用した減速歯車列を構成するためには広いスペースが必要となり、アクチュエータが大型化し、内部構造もボールバルブ用とは異なるため、大きくコストアップする等の問題が生じていた。
一方、ボールバルブ用のように、平歯車の組合せによる減速歯車列であっても高減速比にするためには歯車数が増加し、このためアクチュエータ全体が大型化するおそれがあった。
【0008】
更に、ジスクを開閉するために必要なトルクなどに応じて出力軸の軸径を変える必要が生じたり、減速歯車列の歯車の組合せ及び各歯車の配設位置なども適宜設計変更する必要があり、この減速歯車列の設計変更に伴ってその都度アクチュエータの大きさが変わる場合がある。
特に、バルブが大型である場合には、歯車数の増加や減速歯車列の内部構造の複雑化がより顕著になり、歯車列を構成する容積がより広く必要となり、大型化してコストアップの要因となっていた。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するために開発されたものであり、その目的とするところは、ボールバルブ及びバタフライバルブの回転弁に搭載して確実に逆転防止機能を働かせることのできるバルブ用アクチュエータであり、コンパクトで低コスト化が可能なバルブ用アクチュエータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明におけるバルブ用アクチュエータは、回転駆動源に連動して回転する入力歯車と、この入力歯車に噛合する中間歯車と、入力歯車の回転に連動して偏心回転する偏心体と、偏心体からの偏心回転を受けて揺動回転する外歯歯車と、外歯歯車と噛合或は係合し、外歯歯車の揺動回転を規制する枠体と、外歯歯車と連動して外歯歯車の自転成分を出力可能な出力軸からなる減速歯車機構を構成し、この出力軸と弁ステムを介してバルブ用弁体を回転自在に接続し、この弁体を減速歯車機構の偏心モーメントによる位置保持機能により中間開度位置で保持するようにしたバルブ用アクチュエータである。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、前記減速歯車機構は、偏心体の偏心量或いは歯車の表面粗を適宜に選択して異なる出力軸のトルク値であっても略同一容積を有するように構成したバルブ用アクチュエータである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明におけるバルブ用アクチュエータの実施形態を図面に基づいて説明する。図において、12は双方向回転又は一方向に回転可能な回転駆動源(電動モータ)であり、この回転駆動源12は、図示しないボルト等の固着手段でケーシング13の上面側に固着されている。12aは回転駆動源12の駆動軸であり、この駆動軸12aは中間歯車14と噛合して回転駆動源12からの動力を伝達している。中間歯車14は、出力軸20と同軸に設けた入力歯車15と噛合し、回転駆動源12からの回転は、駆動軸12a、中間歯車14を介して減速された後に入力歯車15に入力される。
【0013】
10は減速歯車機構であり、本発明における減速歯車機構10は、主減速歯車部である入力歯車15、偏心体17、外歯歯車18、枠体19、出力軸20と、入力歯車15に噛合する中間歯車14から構成されている。偏心体17は、入力歯車15に一体に固着され、出力軸20の軸芯に対して偏心量eにおいて偏心するような偏心部17aを下部に有し、回転駆動源12からの回転に連動して回転する入力歯車15に連動して偏心体17本体を偏心回転可能に設けている。
【0014】
外歯歯車18は、ベアリング21を介して偏心体17の外周面側に組合わせ、この外歯歯車18は、偏心体17からの偏心回転を受けて偏心回転可能に設けている。この外歯歯車18の歯形は、エピトロコイド平行曲線からなる曲線に形成している。
【0015】
枠体19は、円形状或いは矩形状等の適宜の形状に形成され、減速歯車機構10を収納するためのケーシング13内に適宜の手段で固着され、本実施形態において、この枠体19は内周側に円弧歯形からなる内歯23を形成した内歯歯車としている。枠体19は、内歯23において外歯歯車18と噛合し、外歯歯車18の偏心回転を規制して外歯歯車18が揺動回転可能に設けている。
【0016】
出力軸20は、フランジ部26を一体に回転可能に固着している。26aはフランジ部26に設けた嵌着孔であり、この嵌着孔26aに棒状に形成した内ピン25の一方側を挿嵌している。
また、内ピン25の他方側は、外歯歯車18に貫通して設けた貫通孔18aに遊嵌して外歯歯車18とフランジ部26を重合するようにしている。
外歯歯車18が回転したときには、貫通孔26a内を内ピン25が転動しようとする作用によってフランジ部26に固着された出力軸20の回転運動に変換され、出力軸20は、外歯歯車18と連動して外歯歯車18の自転成分を出力可能に設けている。
【0017】
30は弁ステムであり、出力軸20からこの弁ステム30を介してバルブ用弁体31を回転自在に接続している。本実施形態において、弁体31が中間開度位置の状態で流体が流れたとしても、減速歯車機構10の偏心体17によって生じる偏心モーメントによる弁ステム30の位置保持機能により、この弁体31を中間開度で保持するようにしている。
【0018】
また、このように減速歯車機構10は、回転駆動源12に連動して回転する偏心体17から出力軸20までの減速機構を図において上下方向に組合わせるようにしているため省スペースであり、この減速歯車機構10全体の容積を変更することなく減速比を変更することができる。
【0019】
バルブの開閉動作時には、回転駆動源12からの回転が駆動軸12a、中間歯車14を介して入力歯車15に伝わると、入力歯車15と一体の偏心体17が回転する。
偏心体17が回転すると、偏心部17aが偏心回転し、この偏心回転は、ベアリング21を介して外歯歯車18に伝達され、外歯歯車18が偏心回転を開始する。
【0020】
外歯歯車18は、偏心体17の回転により出力軸20の軸芯を中心として高速で公転しながら、同時に低速で自転しようとするが、外歯歯車18と噛合する枠体19と内歯23の組み合わせによってこの回転が規制され、外歯歯車18による内歯歯車23に内接するような揺動回転運動が行われ、外歯歯車18の減速された自転成分のみを取り出して出力側に伝えることができる。このときの外歯歯車18の出力軸20に対する偏心量は2eとなる。
【0021】
外歯歯車18が揺動回転すると、次いで、内ピン25が軸径差eに設けた貫通孔18a内を転動しようとし、この内ピン25を介して外歯歯車18と連動している出力軸20に外歯歯車18の回転を伝達して出力軸20を減速回転させることができる。
【0022】
図において、入力歯車15が回転し、外歯歯車18の出力軸20を中心とした揺動回転によって減速された回転が出力するときの入力歯車15の角速度をω1、外歯歯車18の角速度をω2とし、また、外歯歯車18の歯数をza、内歯歯車19の歯数をzbとすると、角速度比ω2/ω1は、1−zb/zaとなり、従って角速度比ω2/ω1は、−(zb−za)/zaとなる。
ここで、zb−zaを1(歯数差1)とすれば、角速度比ω2/ω1は−1/zaとなり、外歯歯車18と内歯歯車19の歯数差を1としたときに回転方向が逆向きで最大減速比を得ることができる。
従って、外歯歯車18と枠体19の歯数を組合わせて外歯歯車18の自転成分を調整して出力軸20からの回転を所望の減速比にして出力することが可能となる。
【0023】
偏心体17の偏心量e、或いは外歯歯車18と内歯23の表面粗を適宜に選択するようにしてもよく、この場合、略同一容積の減速歯車機構10であっても異なるトルク値にすることが可能となる。
【0024】
なお、本実施形態において、外歯歯車18の枚数は、単数枚としているがこの枚数は複数枚であってもよく、複数枚にする場合は、出力軸20に対して偏心量eの偏心方向が対向する向きに偏心体17を取付け、各偏心体17に対応して外歯歯車18を連動可能に設けるようにすれば、各外歯歯車18と枠体19が一度に複数箇所で噛合して伝達力が大きくなると共に、特に、外歯歯車18を2枚設けた場合には、外歯歯車18と枠体19の噛合による組合せを出力軸20を中心として点対称位置に設けることができるため、動力伝達のバランスがよくなる。
【0025】
また、枠体19は、内周面側に外歯歯車18と噛合する内歯23を設けた内歯歯車としているが、これ以外にも、入力歯車15が回転したときに外歯歯車18のエピトロコイド曲線と組合わさって外歯歯車18の自転成分を抽出できるものであればよく、図3において二点鎖線に示すような内歯23の一部と略同一曲線を有するローラ状の外ピン24を回転可能に枠体19に設け、この外ピン24に外歯歯車18を係合させるようにしてもよい。
【0026】
次に、本発明のバルブ用アクチュエータの作用を説明する。
本発明のバルブ用アクチュエータは、入力歯車15、偏心体17、外歯歯車18、枠体19、出力軸20と、入力歯車15に噛合する中間歯車14からなる減速歯車機構10によって、回転駆動源12からの回転を偏心回転させて伝達して外歯歯車18を揺動回転させ、この外歯歯車18の自転成分を出力軸20から弁ステム30を介して弁体31に伝達して弁体31を回転自在に設け、弁体31を偏心モーメントによる位置保持機能により中間開度で保持するようにしているので、この状態で弁体31に流体圧が加わったとしても弁ステム30が逆転するおそれがない。
【0027】
従って、本発明のバルブ用アクチュエータは、回転駆動源からの回転力を1つの形式の減速歯車機構10で減速しながら逆転防止機能を十分に発揮させることができ、この減速歯車機構10をアクチュエータ内に収納してボールバルブ及びバタフライバルブ用アクチュエータとして共用することができ、コストを大幅に削減することができる。
【0028】
減速歯車機構10は、ケーシング13内に収納する際に同一容積内に収納可能であるため、出力の異なる回転駆動源12を使用した場合でも外歯歯車18と枠体19の内歯23の歯数を変更して組合せて必要とする減速比に減速することができ、歯車の組合せ及び各歯車の配設位置などの設計変更を行う必要がなく、歯車数が増加したり、減速歯車列の内部構造が複雑化することがなくバルブが大型である場合にもアクチュエータが大型化することがない。
また、出力軸径を変更することなくトルクを伝達することができる。
【0029】
外歯歯車18の偏心量eを大きくするようにすれば、歯車の噛み合い深さを深くすることができ、また、歯車の表面粗を粗くすれば歯車同志の接触抵抗を増加することができるため、これらを変更することによって伝達するトルク値を変更して異なる出力軸に対応することができると共に、偏心モーメントが増加して逆転防止機能をより一層高めることが可能となる。
なお、このとき外歯歯車18を2枚設けるようにすれば噛み合い深さが大きくなった場合でもスムーズに回転力を伝達することができる。
また、外歯歯車18を2枚以上設けた場合には、バックラッシを少なくして高い位置決め制御を行うことができ、弁体を開閉時の精度が高くなり、シール性を高めることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1に係る発明によると、減速歯車機構の偏心モーメントによる位置保持機能によってバルブの弁体のセルフロック機能を持たせることができ、弁体が中間開度であっても確実に弁体に逆転防止機能を発揮させることができる。
しかも、この減速歯車機構は、同一容積内で歯数の異なる歯車を組合せることによって任意の減速比にできるため、異なるトルクによって仕様の異なるボールバルブ、バタフライバルブの何れの回転弁にも共用することができる。
【0031】
請求項2に係る発明によると、略同一容積の減速歯車機構を有するアクチュエータによって弁体が開閉する際に必要なトルク値を調整することができ、異なるトルクの弁体に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブ用アクチュエータの断面図である。
【図2】減速歯車機構の分解斜視図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】ボールバルブ用アクチュエータの断面図である。
【符号の説明】
10 減速歯車機構
12 モータ(回転駆動源)
17 偏心体
18 外歯歯車
19 枠体
20 出力軸
30 弁ステム
31 弁体
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブ用アクチュエータに関し、特に、ボールバルブ、バタフライバルブ等の回転弁に搭載するためのバルブ用アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールバルブ、バタフライバルブ等の回転弁に使用されるアクチュエータは、弁体を所定量回転させるために必要な回転量及びトルクを得るようにモータからの高速回転を減速歯車列を用いて減速して伝達され、この減速歯車列は、ボールバルブ、バタフライバルブ等のバルブの形態、及び流路の呼び径などの仕様に応じて適宜決定するようにしている。
【0003】
例えば、ボールバルブ用のアクチュエータは、図4に示すようにインボリュート歯形を有する平歯車4a、4b、4c、及び4dから構成される減速歯車列4を収納し、このアクチュエータは、モータ2の回転軸3からの回転が伝達されると平歯車列によって減速され出力軸5から出力するようにしている。6は出力軸5と接続された弁体(ボール)である。
【0004】
一方、バタフライバルブ用のアクチュエータは、中間開度において流体が流れた場合にはボールバルブと比較してジスクが流体からの影響を受け易く、ジスクに流体圧が加わった場合に、ジスクが支受けされていないためジスクが逆転するおそれがある。
【0005】
このため、バタフライバルブ用アクチュエータに使用する減速歯車列は、ボールバルブ用アクチュエータと比較してより強い逆転防止機能を発揮することのできる構造である必要があり、バタフライバルブ用アクチュエータの減速歯車列としては、平歯車列と比較してより強い逆転防止効果を発揮することのできるウォームギヤとウォームを歯車列に組み込み、弁体側から加わる力に対して逆転防止機能を働かせるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ボールバルブ用のアクチュエータは、歯車列の逆転防止機能が十分とはいえない構造であるため、バタフライバルブ用として利用することは困難であり、バタフライバルブ用のアクチュエータは、確実に逆転防止機能を得るためにボールバルブ用アクチュエータとは別構造の減速歯車列を別途設ける必要があった。
このように回転弁用アクチュエータとしては、ボールバルブ又はバタフライ毎に搭載するアクチュエータを準備する必要があり、これらのアクチュエータを共用することはしていない。
【0007】
また、バタフライバルブ用のように、ウォームとウォームギヤとを利用した減速歯車列を構成するためには広いスペースが必要となり、アクチュエータが大型化し、内部構造もボールバルブ用とは異なるため、大きくコストアップする等の問題が生じていた。
一方、ボールバルブ用のように、平歯車の組合せによる減速歯車列であっても高減速比にするためには歯車数が増加し、このためアクチュエータ全体が大型化するおそれがあった。
【0008】
更に、ジスクを開閉するために必要なトルクなどに応じて出力軸の軸径を変える必要が生じたり、減速歯車列の歯車の組合せ及び各歯車の配設位置なども適宜設計変更する必要があり、この減速歯車列の設計変更に伴ってその都度アクチュエータの大きさが変わる場合がある。
特に、バルブが大型である場合には、歯車数の増加や減速歯車列の内部構造の複雑化がより顕著になり、歯車列を構成する容積がより広く必要となり、大型化してコストアップの要因となっていた。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するために開発されたものであり、その目的とするところは、ボールバルブ及びバタフライバルブの回転弁に搭載して確実に逆転防止機能を働かせることのできるバルブ用アクチュエータであり、コンパクトで低コスト化が可能なバルブ用アクチュエータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明におけるバルブ用アクチュエータは、回転駆動源に連動して回転する入力歯車と、この入力歯車に噛合する中間歯車と、入力歯車の回転に連動して偏心回転する偏心体と、偏心体からの偏心回転を受けて揺動回転する外歯歯車と、外歯歯車と噛合或は係合し、外歯歯車の揺動回転を規制する枠体と、外歯歯車と連動して外歯歯車の自転成分を出力可能な出力軸からなる減速歯車機構を構成し、この出力軸と弁ステムを介してバルブ用弁体を回転自在に接続し、この弁体を減速歯車機構の偏心モーメントによる位置保持機能により中間開度位置で保持するようにしたバルブ用アクチュエータである。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、前記減速歯車機構は、偏心体の偏心量或いは歯車の表面粗を適宜に選択して異なる出力軸のトルク値であっても略同一容積を有するように構成したバルブ用アクチュエータである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明におけるバルブ用アクチュエータの実施形態を図面に基づいて説明する。図において、12は双方向回転又は一方向に回転可能な回転駆動源(電動モータ)であり、この回転駆動源12は、図示しないボルト等の固着手段でケーシング13の上面側に固着されている。12aは回転駆動源12の駆動軸であり、この駆動軸12aは中間歯車14と噛合して回転駆動源12からの動力を伝達している。中間歯車14は、出力軸20と同軸に設けた入力歯車15と噛合し、回転駆動源12からの回転は、駆動軸12a、中間歯車14を介して減速された後に入力歯車15に入力される。
【0013】
10は減速歯車機構であり、本発明における減速歯車機構10は、主減速歯車部である入力歯車15、偏心体17、外歯歯車18、枠体19、出力軸20と、入力歯車15に噛合する中間歯車14から構成されている。偏心体17は、入力歯車15に一体に固着され、出力軸20の軸芯に対して偏心量eにおいて偏心するような偏心部17aを下部に有し、回転駆動源12からの回転に連動して回転する入力歯車15に連動して偏心体17本体を偏心回転可能に設けている。
【0014】
外歯歯車18は、ベアリング21を介して偏心体17の外周面側に組合わせ、この外歯歯車18は、偏心体17からの偏心回転を受けて偏心回転可能に設けている。この外歯歯車18の歯形は、エピトロコイド平行曲線からなる曲線に形成している。
【0015】
枠体19は、円形状或いは矩形状等の適宜の形状に形成され、減速歯車機構10を収納するためのケーシング13内に適宜の手段で固着され、本実施形態において、この枠体19は内周側に円弧歯形からなる内歯23を形成した内歯歯車としている。枠体19は、内歯23において外歯歯車18と噛合し、外歯歯車18の偏心回転を規制して外歯歯車18が揺動回転可能に設けている。
【0016】
出力軸20は、フランジ部26を一体に回転可能に固着している。26aはフランジ部26に設けた嵌着孔であり、この嵌着孔26aに棒状に形成した内ピン25の一方側を挿嵌している。
また、内ピン25の他方側は、外歯歯車18に貫通して設けた貫通孔18aに遊嵌して外歯歯車18とフランジ部26を重合するようにしている。
外歯歯車18が回転したときには、貫通孔26a内を内ピン25が転動しようとする作用によってフランジ部26に固着された出力軸20の回転運動に変換され、出力軸20は、外歯歯車18と連動して外歯歯車18の自転成分を出力可能に設けている。
【0017】
30は弁ステムであり、出力軸20からこの弁ステム30を介してバルブ用弁体31を回転自在に接続している。本実施形態において、弁体31が中間開度位置の状態で流体が流れたとしても、減速歯車機構10の偏心体17によって生じる偏心モーメントによる弁ステム30の位置保持機能により、この弁体31を中間開度で保持するようにしている。
【0018】
また、このように減速歯車機構10は、回転駆動源12に連動して回転する偏心体17から出力軸20までの減速機構を図において上下方向に組合わせるようにしているため省スペースであり、この減速歯車機構10全体の容積を変更することなく減速比を変更することができる。
【0019】
バルブの開閉動作時には、回転駆動源12からの回転が駆動軸12a、中間歯車14を介して入力歯車15に伝わると、入力歯車15と一体の偏心体17が回転する。
偏心体17が回転すると、偏心部17aが偏心回転し、この偏心回転は、ベアリング21を介して外歯歯車18に伝達され、外歯歯車18が偏心回転を開始する。
【0020】
外歯歯車18は、偏心体17の回転により出力軸20の軸芯を中心として高速で公転しながら、同時に低速で自転しようとするが、外歯歯車18と噛合する枠体19と内歯23の組み合わせによってこの回転が規制され、外歯歯車18による内歯歯車23に内接するような揺動回転運動が行われ、外歯歯車18の減速された自転成分のみを取り出して出力側に伝えることができる。このときの外歯歯車18の出力軸20に対する偏心量は2eとなる。
【0021】
外歯歯車18が揺動回転すると、次いで、内ピン25が軸径差eに設けた貫通孔18a内を転動しようとし、この内ピン25を介して外歯歯車18と連動している出力軸20に外歯歯車18の回転を伝達して出力軸20を減速回転させることができる。
【0022】
図において、入力歯車15が回転し、外歯歯車18の出力軸20を中心とした揺動回転によって減速された回転が出力するときの入力歯車15の角速度をω1、外歯歯車18の角速度をω2とし、また、外歯歯車18の歯数をza、内歯歯車19の歯数をzbとすると、角速度比ω2/ω1は、1−zb/zaとなり、従って角速度比ω2/ω1は、−(zb−za)/zaとなる。
ここで、zb−zaを1(歯数差1)とすれば、角速度比ω2/ω1は−1/zaとなり、外歯歯車18と内歯歯車19の歯数差を1としたときに回転方向が逆向きで最大減速比を得ることができる。
従って、外歯歯車18と枠体19の歯数を組合わせて外歯歯車18の自転成分を調整して出力軸20からの回転を所望の減速比にして出力することが可能となる。
【0023】
偏心体17の偏心量e、或いは外歯歯車18と内歯23の表面粗を適宜に選択するようにしてもよく、この場合、略同一容積の減速歯車機構10であっても異なるトルク値にすることが可能となる。
【0024】
なお、本実施形態において、外歯歯車18の枚数は、単数枚としているがこの枚数は複数枚であってもよく、複数枚にする場合は、出力軸20に対して偏心量eの偏心方向が対向する向きに偏心体17を取付け、各偏心体17に対応して外歯歯車18を連動可能に設けるようにすれば、各外歯歯車18と枠体19が一度に複数箇所で噛合して伝達力が大きくなると共に、特に、外歯歯車18を2枚設けた場合には、外歯歯車18と枠体19の噛合による組合せを出力軸20を中心として点対称位置に設けることができるため、動力伝達のバランスがよくなる。
【0025】
また、枠体19は、内周面側に外歯歯車18と噛合する内歯23を設けた内歯歯車としているが、これ以外にも、入力歯車15が回転したときに外歯歯車18のエピトロコイド曲線と組合わさって外歯歯車18の自転成分を抽出できるものであればよく、図3において二点鎖線に示すような内歯23の一部と略同一曲線を有するローラ状の外ピン24を回転可能に枠体19に設け、この外ピン24に外歯歯車18を係合させるようにしてもよい。
【0026】
次に、本発明のバルブ用アクチュエータの作用を説明する。
本発明のバルブ用アクチュエータは、入力歯車15、偏心体17、外歯歯車18、枠体19、出力軸20と、入力歯車15に噛合する中間歯車14からなる減速歯車機構10によって、回転駆動源12からの回転を偏心回転させて伝達して外歯歯車18を揺動回転させ、この外歯歯車18の自転成分を出力軸20から弁ステム30を介して弁体31に伝達して弁体31を回転自在に設け、弁体31を偏心モーメントによる位置保持機能により中間開度で保持するようにしているので、この状態で弁体31に流体圧が加わったとしても弁ステム30が逆転するおそれがない。
【0027】
従って、本発明のバルブ用アクチュエータは、回転駆動源からの回転力を1つの形式の減速歯車機構10で減速しながら逆転防止機能を十分に発揮させることができ、この減速歯車機構10をアクチュエータ内に収納してボールバルブ及びバタフライバルブ用アクチュエータとして共用することができ、コストを大幅に削減することができる。
【0028】
減速歯車機構10は、ケーシング13内に収納する際に同一容積内に収納可能であるため、出力の異なる回転駆動源12を使用した場合でも外歯歯車18と枠体19の内歯23の歯数を変更して組合せて必要とする減速比に減速することができ、歯車の組合せ及び各歯車の配設位置などの設計変更を行う必要がなく、歯車数が増加したり、減速歯車列の内部構造が複雑化することがなくバルブが大型である場合にもアクチュエータが大型化することがない。
また、出力軸径を変更することなくトルクを伝達することができる。
【0029】
外歯歯車18の偏心量eを大きくするようにすれば、歯車の噛み合い深さを深くすることができ、また、歯車の表面粗を粗くすれば歯車同志の接触抵抗を増加することができるため、これらを変更することによって伝達するトルク値を変更して異なる出力軸に対応することができると共に、偏心モーメントが増加して逆転防止機能をより一層高めることが可能となる。
なお、このとき外歯歯車18を2枚設けるようにすれば噛み合い深さが大きくなった場合でもスムーズに回転力を伝達することができる。
また、外歯歯車18を2枚以上設けた場合には、バックラッシを少なくして高い位置決め制御を行うことができ、弁体を開閉時の精度が高くなり、シール性を高めることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1に係る発明によると、減速歯車機構の偏心モーメントによる位置保持機能によってバルブの弁体のセルフロック機能を持たせることができ、弁体が中間開度であっても確実に弁体に逆転防止機能を発揮させることができる。
しかも、この減速歯車機構は、同一容積内で歯数の異なる歯車を組合せることによって任意の減速比にできるため、異なるトルクによって仕様の異なるボールバルブ、バタフライバルブの何れの回転弁にも共用することができる。
【0031】
請求項2に係る発明によると、略同一容積の減速歯車機構を有するアクチュエータによって弁体が開閉する際に必要なトルク値を調整することができ、異なるトルクの弁体に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブ用アクチュエータの断面図である。
【図2】減速歯車機構の分解斜視図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】ボールバルブ用アクチュエータの断面図である。
【符号の説明】
10 減速歯車機構
12 モータ(回転駆動源)
17 偏心体
18 外歯歯車
19 枠体
20 出力軸
30 弁ステム
31 弁体
Claims (2)
- 回転駆動源に連動して回転する入力歯車と、この入力歯車に噛合する中間歯車と、入力歯車の回転に連動して偏心回転する偏心体と、偏心体からの偏心回転を受けて揺動回転する外歯歯車と、外歯歯車と噛合或は係合し、外歯歯車の揺動回転を規制する枠体と、外歯歯車と連動して外歯歯車の自転成分を出力可能な出力軸からなる減速歯車機構を構成し、この出力軸と弁ステムを介してバルブ用弁体を回転自在に接続し、この弁体を減速歯車機構の偏心モーメントによる位置保持機能により中間開度位置で保持するようにしたことを特徴とするバルブ用アクチュエータ。
- 前記減速歯車機構は、偏心体の偏心量或いは歯車の表面粗を適宜に選択して異なる出力軸のトルク値であっても略同一容積を有するように構成した請求項1記載のバルブ用アクチュエータ。
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2002
- 2002-06-28 JP JP2002190025A patent/JP2004036629A/ja active Pending
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