JP2004036464A - ガスセンサの劣化判定方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関の排気通路に設けられ排気中の有害成分を浄化する排気浄化触媒と、排気浄化触媒の上流の排気中のガス成分を検出する入ガスセンサと、排気浄化触媒の下流の排気中のガス成分を検出する出ガスセンサと、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検出手段の検出値に基づいて入ガスセンサ及び出ガスセンサの検出対象となるガス成分の量を算出するガス成分量算出手段と、ガス成分量算出手段の算出値並びに入ガスセンサ及び出ガスセンサの検出値に基づいて入ガスセンサ若しくは出ガスセンサの少なくとも一方の劣化を判定する劣化判定手段と、を備えた。
【選択図】図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスセンサの劣化判定方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の排気浄化触媒の状態を検出するために、該排気浄化触媒の上流及び下流に夫々排気中のガス成分を検出するセンサを備えることがある。
【0003】
例えば、特開平7−269330号公報では、触媒の上流及び下流に排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサを備えた内燃機関が開示されている。そして、フューエルカット時に、上流側センサの出力値が基準値よりも小さくなってから、下流側センサの出力値が基準値よりも小さくなるまでの時間を応答遅れ時間差として求め、この応答遅れ時間差と劣化判定値とを比較して触媒の劣化判定を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、センサ自体が劣化して出力値が変化することがあるため、この劣化を判定し、若しくは補正することが重要となる。ここで、フューエルカット中に上流側及び下流側のセンサを大気補正することが可能である。このように、フューエルカット中に大気補正を行うと、排気の成分が変化する影響を受けないようにすることでき、精度の高いセンサの補正を行うことが可能である。しかし、車両によってはフューエルカットの頻度が少ない若しくは全くない状態で運転せざるを得ない場合がある。
【0005】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、ガスセンサの劣化判定方法及びその装置において、排気浄化触媒の上流及び下流に設けられた排気ガス成分を検出するセンサの出力を補正する技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために本発明のガスセンサの劣化判定装置は、以下の手段を採用した。即ち、
内燃機関の排気通路に設けられ排気中の有害成分を浄化する排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒の上流の排気中のガス成分を検出する入ガスセンサと、
前記排気浄化触媒の下流の排気中のガス成分を検出する出ガスセンサと、
内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記運転状態検出手段の検出値に基づいて前記入ガスセンサ及び前記出ガスセンサの検出対象となるガス成分の量を算出するガス成分量算出手段と、
前記ガス成分量算出手段の算出値並びに前記入ガスセンサ及び前記出ガスセンサの検出値に基づいて入ガスセンサ若しくは出ガスセンサの少なくとも一方の劣化を判定する劣化判定手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の最大の特徴は、運転状態から得られるガス成分量と入ガスセンサ若しくは出ガスセンサの出力値とから入ガスセンサ若しくは出ガスセンサの少なくとも一方の劣化を検出することにより、燃料供給停止時以外であっても前記センサの劣化を検出することを可能とすることにある。
【0008】
排気浄化触媒の上流及び下流の排気中のガス成分を検出する入ガスセンサ及び出ガスセンサは、互いの出力信号を比較することによりセンサの劣化の判定及び出力信号の補正を行うことができる。しかし、このようなガスセンサの劣化判定装置では、排気浄化触媒に流入した排気は該排気浄化触媒を通過の際にそのガス成分が変化することがある。このような場合には、入ガスセンサと出ガスセンサとでは、出力が異なり、従って出力信号の補正が困難となる。一方、運転状態が変化すると排気中のガス成分が変化して入ガスセンサ及び出ガスセンサの出力信号が夫々変化して、出力信号の補正が困難となる。そこで、劣化判定手段は、ガス成分量算出手段により算出されたガス成分量、並びに入ガスセンサ及び出ガスセンサで検出された値に基づいてセンサの劣化を判定する。このようにセンサ出力に影響を及ぼすガス成分量と、そのときのセンサの出力とを考慮することにより、何れか一方のセンサの出力を補正することが可能となる。
【0009】
本発明においては、前記ガス成分算出手段は排気中の未燃燃料成分の量を算出し、前記ガス成分算出手段により算出された排気中の未燃燃料成分量が所定量よりも小さいか否か判定する未燃燃料成分量判定手段を更に備え、前記劣化判定手段は未燃燃料成分量判定手段により未燃燃料が所定量よりも小さいときに劣化の判定を行うことができる。
【0010】
排気中の未燃燃料成分量が小さいときには、排気が排気浄化触媒を通過しても成分変化が小さくなり、従ってセンサの出力変動が小さくなるため、センサの劣化判定精度を向上させることが可能となる。
【0011】
本発明においては、前記劣化判定手段は、前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差に基づいて劣化を判定することができる。
【0012】
入ガスセンサと出ガスセンサとでは、運転状態によりその出力値が異なることがあるが、両センサの出力信号には相関関係がある。何れかのセンサが劣化して出力信号が変化すると前記相関関係が崩れることになる。従って、両センサの出力差に基づいてセンサの劣化判定を行うことが可能となる。
【0013】
本発明においては、前記劣化判定手段は、前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第1の所定値よりも大きい場合に、何れかのセンサが劣化していると判定することができる。
【0014】
入ガスセンサ又は出ガスセンサの何れかが劣化すると、両センサの出力差が大きくなっていく。そこで、劣化が発生しているときの出力差を予め第1の所定値として求めておくことで、両センサの出力差がこの第1の所定値よりも大きくなった場合に、センサが劣化していると判定することが可能となる。
【0015】
本発明においては、前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第1の所定値以下である場合には、入ガスセンサ又は出ガスセンサの少なくとも一方の出力の補正値を算出する補正値算出手段を備えることができる。
【0016】
このように構成されたガスセンサの劣化判定装置では、入ガスセンサ若しくは出ガスセンサに劣化が発生しているものの出力信号を補正可能な場合には、該センサの補正値を算出して補正を行うことができる。
【0017】
本発明においては、前記補正値算出手段は、前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第2の所定値よりも大きく且つ前記第1の所定値よりも小さい場合に、入ガスセンサ又は出ガスセンサの少なくとも一方の出力の補正値を算出することができる。
【0018】
このように構成されたガスセンサの劣化判定装置では、入ガスセンサ若しくは出ガスセンサに劣化が発生しているものの出力信号を補正可能な場合には、該センサの補正を行うことができる。また、センサの公差範囲内やノイズ等の影響による出力差となる第2の所定値以下では出力の補正を行わないことにより、無用な補正を抑制することが可能となる。
【0019】
本発明においては、前記入ガスセンサ又は出ガスセンサの一方を基準とし、他方を前記補正値算出手段により算出された補正値に基づいて出力補正する出力補正手段を備えることができる。
【0020】
ここで、両センサ出力信号を同時に補正することが困難な場合がある。このような場合、先ず一方のセンサの出力を補正し、その後に他方のセンサの出力を一方のセンサの出力を基準として補正することにより、両センサの出力補正を行うことが可能となる。
【0021】
本発明においては、前記未燃燃料成分量判定手段による判定は、内燃機関の燃焼運転中において行われることができる。
【0022】
未燃燃料成分量が少ない運転状態は、好ましくは燃料供給停止時であるが、このような運転状態で両センサの出力補正を行うことは困難である。そこで、機関の燃焼運転中においても未燃燃料成分量判定手段は判定を行う。ここで、未燃燃料が少ない状態には、燃料供給停止時をも含む。このようにして、センサ出力補正の機会を増加させることが可能となる。
【0023】
本発明においては、内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、前記燃料供給手段によりよる燃料の供給を停止させる燃料供給停止手段と、を更に備え、前記補正値算出手段は前記燃料供給停止手段により燃料の供給が停止されているときの前記入ガスセンサ又は前記出ガスセンサの一方の出力信号に基づいて他方の出力信号を補正することができる。
【0024】
燃料供給停止時には、排気の成分は大気と略等しくなり、この排気を基準とすることにより大気の成分を学習することが可能となる。しかし、このような学習を両センサ同時に行うことが困難な場合がある。そこで、一方のセンサで大気の成分を学習し、他方のセンサは一方のセンサを基準として出力補正を行うことにより両センサで大気成分による補正が可能となる。
【0025】
本発明においては、排気の圧力を検出する排気圧力検出手段を更に備え、前記補正値算出手段は、排気圧力検出手段により検出された排気の圧力に応じて前記入ガスセンサ又は前記出ガスセンサの出力を補正することができる。
【0026】
入ガスセンサに及び出ガスセンサの中には、排気の圧力に影響を受けて出力信号が変動するものがある。この変動を排気圧力検出手段により検出された圧力に応じて推定することにより、排気圧力の変動を考慮したセンサの補正が可能となる。
【0027】
本発明においては、前記補正値算出手段は、予め求められた排気の圧力と該圧力による前記入ガスセンサ若しくは前記出ガスセンサの出力変化分との関係から前記入ガスセンサ若しくは前記出ガスセンサの出力値の中の排気圧力による変化分を求め、この変化分を除去しつつ補正値を算出することができる。
【0028】
入ガスセンサに及び出ガスセンサの中には、排気の圧力に影響を受けて出力信号が変動するものがある。この変動分を排気圧力検出手段により検出された圧力に応じて求めて、これを除去することにより、排気圧力の変動を除去したセンサの補正が可能となる。
【0029】
上記課題を達成するために本発明のガスセンサの劣化判定方法は、以下の手段を採用した。即ち、
内燃機関の運転状態からガス成分量を算出し、この算出値と排気浄化触媒上流の入ガスセンサ及び触媒下流の出ガスセンサの検出値とに基づいて入ガスセンサ若しくは出ガスセンサの少なくとも一方の劣化を判定することを特徴とする。
【0030】
本発明の最大の特徴は、運転状態から得られるガス成分量と入ガスセンサ若しくは出ガスセンサの出力値とから入ガスセンサ若しくは出ガスセンサの少なくとも一方の劣化を検出することにより、燃料供給停止時以外であっても前記センサの劣化を検出することを可能とすることにある。
【0031】
排気浄化触媒の上流及び下流の排気中のガス成分を検出する入ガスセンサ及び出ガスセンサは、互いの出力信号を比較することによりセンサの劣化の判定及び出力信号の補正を行うことができる。しかし、このようなガスセンサの劣化判定方法では、排気浄化触媒に流入した排気は該排気浄化触媒を通過の際にそのガス成分が変化することがある。このような場合には、入ガスセンサと出ガスセンサとでは、出力が異なり、従って出力信号の補正が困難となる。一方、運転状態が変化すると排気中のガス成分が変化して入ガスセンサ及び出ガスセンサの出力信号が夫々変化して、出力信号の補正が困難となる。そこで、算出されたガス成分量、並びに入ガスセンサ及び出ガスセンサの検出値に基づいてセンサの劣化を判定する。このようにセンサ出力に影響を及ぼすガス成分量と、そのときのセンサの出力とを考慮することにより、何れか一方のセンサの出力を補正することが可能となる。
【0032】
本発明においては、未燃燃料成分の量を算出し、この算出値が所定量よりも小さいときに劣化の判定を行うことができる。
【0033】
排気中の未燃燃料成分量が小さいときには、排気が排気浄化触媒を通過しても成分変化が小さくなり、従ってセンサの出力変動が小さくなるため、センサの劣化判定精度を向上させることが可能となる。
【0034】
本発明においては、前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差に基づいて劣化を判定することができる。
【0035】
入ガスセンサと出ガスセンサとでは、運転状態によりその出力値が異なることがあるが、両センサの出力信号には相関関係がある。何れかのセンサが劣化して出力信号が変化すると前記相関関係が崩れることになる。従って、両センサの出力差に基づいてセンサの劣化判定を行うことが可能となる。
【0036】
本発明においては、前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第1の所定値よりも大きい場合に、何れかのセンサが劣化していると判定することができる。
【0037】
入ガスセンサ又は出ガスセンサの何れかが劣化すると、両センサの出力差が大きくなっていく。そこで、劣化が発生しているときの出力差を予め第1の所定値として求めておくことで、両センサの出力差がこの第1の所定値よりも大きくなった場合に、センサが劣化していると判定することが可能となる。
【0038】
本発明においては、前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第1の所定値以下である場合には、入ガスセンサ又は出ガスセンサの少なくとも一方の出力の補正を行うことができる。
【0039】
入ガスセンサ若しくは出ガスセンサに劣化が発生しているものの出力信号を補正可能な場合には、該センサの補正値を算出して補正を行うことができる。
【0040】
本発明においては、前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第2の所定値よりも大きく且つ前記第1の所定値よりも小さい場合に、入ガスセンサ又は出ガスセンサの少なくとも一方の出力の補正を行うことができる。
【0041】
入ガスセンサ若しくは出ガスセンサに劣化が発生しているものの出力信号を補正可能な場合には、該センサの補正を行うことができる。また、センサの公差範囲内やノイズ等の影響による出力差となる第2の所定値以下では出力の補正を行わないことにより、無用な補正を抑制することが可能となる。
【0042】
本発明においては、前記入ガスセンサ又は出ガスセンサの一方を基準とし、他方を出力補正することができる。
【0043】
ここで、両センサ出力信号を同時に補正することが困難な場合がある。このような場合、先ず一方のセンサの出力を補正し、その後に他方のセンサの出力を一方のセンサの出力を基準として補正することにより、両センサの出力補正を行うことが可能となる。
【0044】
本発明においては、内燃機関の燃焼運転中において判定が行われてもよい。
【0045】
未燃燃料成分量が少ない運転状態は、好ましくは燃料供給停止時であるが、このような運転状態で両センサの出力補正を行うことは困難である。そこで、機関の燃焼運転中においても判定を行う。ここで、未燃燃料が少ない状態には、燃料供給停止時をも含む。このようにして、センサ出力補正の機会を増加させることが可能となる。
【0046】
本発明においては、燃料の供給が停止されているときの前記入ガスセンサ又は前記出ガスセンサの一方の出力信号に基づいて他方の出力信号を補正することができる。
【0047】
燃料供給停止時には、排気の成分は大気と略等しくなり、この排気を基準とすることにより大気の成分を学習することが可能となる。しかし、このような学習を両センサ同時に行うことが困難な場合がある。そこで、一方のセンサで大気の成分を学習し、他方のセンサは一方のセンサを基準として出力補正を行うことにより両センサで大気成分による補正が可能となる。
【0048】
本発明においては、排気の圧力に応じて前記入ガスセンサ又は前記出ガスセンサの出力を補正することができる。
【0049】
入ガスセンサに及び出ガスセンサの中には、排気の圧力に影響を受けて出力信号が変動するものがある。この変動を排気の圧力に応じて推定することにより、排気圧力の変動を考慮したセンサの補正が可能となる。
【0050】
本発明においては、予め求められた排気の圧力と該圧力による前記入ガスセンサ若しくは前記出ガスセンサの出力変化分との関係から前記入ガスセンサ若しくは前記出ガスセンサの出力値の中の排気圧力による変化分を求め、この変化分を除去しつつ補正値を算出することができる。
【0051】
入ガスセンサに及び出ガスセンサの中には、排気の圧力に影響を受けて出力信号が変動するものがある。この変動分を排気圧力検出手段により検出された圧力に応じて求めて、これを除去することにより、排気圧力の変動を除去したセンサの補正が可能となる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガスセンサの劣化判定方法及びその装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。ここでは、本発明に係るガスセンサの劣化判定方法及びその装置をリーン空燃比で運転される車両駆動用のディーゼルエンジンに適用した場合を例に挙げて説明する。
【0053】
図1は、本実施の形態に係る内燃機関を適用するエンジンとその排気系の概略構成を示す図である。本実施の形態では、4つの気筒2を備えた気筒内直接噴射式ディーゼルエンジンを採用した。
【0054】
エンジン1には、排気枝管3が接続され、排気枝管3の各枝管が排気ポート(図示省略)を介して各気筒2の燃焼室と連通している。前記排気枝管3には、排気管4が接続されている。
【0055】
前記排気管4の途中には、吸蔵還元型NOx触媒を担持したパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタという。)5が設けられている。フィルタ5は、例えばコージェライトのような多孔質材料から形成され、例えば、アルミナを担体とし、その担体上に、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、もしくはセシウム(Cs)等のアルカリ金属と、バリウム(Ba)もしくはカルシウム(Ca)等のアルカリ土類と、ランタン(La)もしくはイットリウム(Y)等の希土類とから選択された少なくとも1つと、白金(Pt)等の貴金属とを担持して構成されている。尚、本実施の形態では、アルミナからなる担体上にバリウム(Ba)と白金(Pt)とを担持し、更に酸素貯蔵(O2ストレージ)能のある例えばセリア(CeO2)等の遷移金属を添加して構成される吸蔵還元型NOx触媒(以下、単に「NOx触媒」という。)を担持させている。
【0056】
このNOx触媒は、該NOx触媒に流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、一方、該NOx触媒に流入する排気の酸素濃度が低下したときは吸蔵していた窒素酸化物(NOx)を放出する。その際、排気中に炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の還元成分が存在していれば、該NOx触媒から放出された窒素酸化物(NOx)が還元される。また、セリア(CeO2)等の遷移金属は、排気の特性に応じて酸素を一時的に保持し、活性化酸素として放出する能力を有する。このときに放出される活性酸素によりフィルタ5に捕集されたPMを酸化させ、フィルタ5の目詰まりを防止することができる。
【0057】
フィルタ5より上流の排気管4には、該排気管4内を流通する排気の圧力に対応した電気信号を出力する排気圧力センサ6及び排気の酸素濃度に対応した電気信号を出力する入ガスセンサ7が取り付けられている。一方、フィルタ5より下流の排気管4には、該排気管4内を流通する排気の酸素濃度に対応した電気信号を出力する出ガスセンサ8が取り付けられている。
【0058】
このように構成された排気系では、エンジン1の各気筒2で燃焼された混合気(既燃ガス)が排気ポートを介して排気枝管3へ排出される。排気枝管3から排気管4を介してフィルタ5へ流入した排気は、該フィルタ5においてパティキュレートマター(以下、単にPMという。)及び有害ガス成分が除去又は浄化される。
【0059】
ところで、エンジン1が希薄燃焼運転されている場合は、エンジン1から排出される排気の空燃比がリーン雰囲気となり排気の酸素濃度が高くなるため、排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)がNOx触媒に吸蔵されることになるが、エンジン1の希薄燃焼運転が長期間継続されると、NOx触媒のNOx吸蔵能力が飽和し、排気中の窒素酸化物(NOx)がNOx触媒にて除去されずに大気中へ放出されてしまう。
【0060】
特に、エンジン1のようなディーゼル機関では、大部分の運転領域においてリーン空燃比の混合気が燃焼され、それに応じて大部分の運転領域において排気の空燃比がリーン空燃比となるため、NOx触媒のNOx吸蔵能力が飽和し易い。尚、ここでリーン空燃比とは、ディーゼル機関にあっては例えば20乃至50で、三元触媒ではNOxを浄化できない領域を意味する。
【0061】
従って、エンジン1が希薄燃焼運転されている場合は、NOx触媒のNOx吸蔵能力が飽和する前にNOx触媒に流入する排気中の酸素濃度を低下させるとともに還元剤の濃度を高め、NOx触媒に吸蔵された窒素酸化物(NOx)を還元させる必要がある。
【0062】
このように酸素濃度を低下させる方法としては、排気中への燃料添加や、再循環するEGRガス量を増大させて煤の発生量が増加して最大となった後に、更にEGRガス量を増大させる低温燃焼(特許第3116876号)、気筒2内への膨張行程中の燃料噴射等の方法が考えられる。
【0063】
以上述べたように構成されたエンジン1には、該エンジン1を制御するための電子制御ユニット(ECU:ElectronicControl Unit)9が併設されている。このECU9は、エンジン1の運転条件や運転者の要求に応じてエンジン1の運転状態を制御するユニットである。
【0064】
ECU9には、排気圧力センサ6、入ガスセンサ7、出ガスセンサ8等の各種センサが電気配線を介して接続され、上記した各種センサの出力信号がECU9に入力されるようになっている。
【0065】
ECU9には、入ガスセンサ7及び出ガスセンサ8の劣化判定及び出力補正を行う劣化判定ルーチン等のアプリケーションプログラムを記憶している。また、ECU9は、上記したアプリケーションプログラムに加え、各種の制御マップを記憶している。
【0066】
次に、本実施の形態に係る入ガスセンサ7及び出ガスセンサ8の構造について説明する。
【0067】
図2には、排気管4に設けられた入ガスセンサ7及び出ガスセンサ8の検出素子主要部の断面構造を示す。
【0068】
同図2に示すように、入ガスセンサ7及び出ガスセンサ8の検出素子は、ジルコニア(Zr2O3)等、酸素イオン伝導性及び耐熱性を有する多孔質絶縁材料(板材)7a,7b,7cを積層して形成される。これら板材7a,7b,7cの積層体内部には、大気と連通する大気導入空間S1が形成されている。また、板材7aの両面、すなわち検出素子の外部空間(排気通路内の空間)S2に臨む板面と、検出素子の内部に形成された大気導入空間S1に臨む板面とには、電極7d,7eが取り付けられている。また、板材7cには、図示しない電熱式ヒータが内蔵され、検出素子の温度を所定値に保持する。両電極7d,7eの間に所定電圧が印加されると、両電極7d,7e近傍に存在する酸素分子がイオン化され、矢指α方向に沿って板材7aを透過する。このとき両電極7d,7e間を流れる電流値は、空間S1及び空間S2における酸素濃度の差と、定量的に関連する。また、空間S1内の酸素濃度は、大気中の酸素濃度(例えば21%)として既知であることから、両電極7d,7e間に所定電圧を印加したときに両電極7d,7e間を流れる電流値を観測することにより、空間S2内の酸素濃度(排気中の酸素濃度)を把握することができる。
【0069】
例えば図3は、電極7d,7e間の印加電圧及び電流の関係を示すグラフである。なお、同グラフ中には、空間S2内(検出対象ガス中)の酸素濃度(酸素過剰率)が異なる複数の条件(酸素過剰率λ=a,b,c,d:ただし、a<b<c<d)に対応する印加電圧及び電流間の関係が示されている。
【0070】
同図3に示すように、印加電圧が高くなるほど電流値も高くなる傾向があるものの、印加電圧が特定範囲にある場合には、電流値がほとんど変化しないことがわかる。このような特定範囲における電流値I1,I2,I3,I4を、酸素過剰率λ=a,b,c,dに対応する限界電流値という。そこで、電極7d,7e間を流れる電流値をこのような限界電流値に保持させるための印加電圧(例えば図中に示す電圧値Vx)を適宜設定し、限界電流値を測定することにより、検出対象ガス中の酸素濃度(酸素過剰率)を定量的に把握することができる。
【0071】
図4は、空間S2内の酸素濃度と限界電流値との対応関係を概略的に示すグラフである。同図4に示すように、空間S2内の酸素濃度(排気中の酸素濃度)が高くなるほど限界電流値も高くなる。そこで、同図4中に示す点A、点Bのように、排気中の酸素濃度と限界電流値との対応関係が明らかな2座標を予め決定しておけば、当該2座標を結ぶ線(特性線)を基に、入ガスセンサ7及び出ガスセンサ8の検出信号(限界電流値)から、排気中の酸素濃度を定量することができる
本実施の形態にかかる酸素濃度検出装置は、排気中の酸素濃度と限界電流値との対応関係を決定づけるための検量線の設定に関し、以下の修正を加えることにより、その精度と信頼性を高めている。
【0072】
図5は、ECU9によって学習及び記憶される排気中の酸素濃度と限界電流値との対応関係を詳細に示すグラフである。
【0073】
ECU9は、排気中の酸素濃度と限界電流値との対応関係を示す特性線として、直線A−Bを適宜のタイミングで学習・記憶する。ここで、電流値IAは、排気中の酸素濃度が0%である条件下での限界電流値に相当し、電流値IBは、酸素濃度が21%である条件下での限界電流値IBに相当する。排気中の酸素濃度をモニタするに際しては、2座標A,Bを結ぶ直線A−B(特性線)を参照することになる。
【0074】
ここで、排気中の酸素濃度が0%である条件下(機関燃焼に供される混合気の空燃比が理論空燃比(ストイキ)である条件下)では、センサ素子の個体差や経年変化等に依らず、限界電流値は極めて微弱になる(理論的には「0」となる)。一方、排気中の酸素濃度が21%である条件下(センサ素子を大気に晒した状態)では、限界電流値(絶対値)は比較的大きな値を示し、その値はセンサ素子の個体差や経年変化等によって変動する(ばらつく)。そこでECU9は、適宜、入ガスセンサ7及び出ガスセンサ8のセンサ素子を大気に晒した状態(これと同等の条件下)で限界電流値を測定し、旧値(例えば電流値IB′)から新値(例えば電流値IB)への補正(以下、大気補正という)を行う。ここで、一般に、車両減速中には燃費向上等のために燃料の供給が停止されている。このときには、エンジン1内では燃焼が行われていないので、吸入された新気が排気管4内に流入する。これにより、センサ素子を大気に晒した状態と同等の条件を得ることが可能となる。
【0075】
なお、排気中の酸素濃度が0%である条件下において限界電流値は理論的には「0」となる。しかし実際には、ECU9と入ガスセンサ7及び出ガスセンサ8との間に介在する回路等の存在に依り、微弱な限界電流値が検出される。ECU9は、この微弱な限界電流値を定量するために、入ガスセンサ7及び出ガスセンサ8のセンサ素子自体が全く検出信号を出力しない条件下(例えば、機関始動直後等、入ガスセンサ7及び出ガスセンサ8が不活性な状態(低温状態)にある条件下)において、その限界電流値IA″を検出し、基準値IA(「0」アンペア)との偏差(以下、回路オフセットいう)OSを認識しておく。そして、上記大気補正を実行する場合も含め、入ガスセンサ7及び出ガスセンサ8の検出信号に基づき排気中の酸素濃度を定量する際には、常時この回路オフセットOSを考量することで、酸素濃度検出の精度をさらに高めることができる。
【0076】
尚、本実施の形態では、入ガスセンサ7又は出ガスセンサ8の何れか一方で大気補正を行う。そして、大気補正を行った一方のセンサを基準として他方のセンサの出力補正を行う。基準となるセンサはどちらでも良い。ここで、入ガスセンサ7は、排気がフィルタ5を流通するときのガス成分の変化に影響を受けないが、フィルタ5による排気圧力の上昇の影響を受ける。即ち、排気圧力センサ6の公差や排気圧力の推定誤差の影響を受け易い。一方、出ガスセンサ8は、フィルタ5の酸素貯蔵能による排気ガス成分の変化による影響を受け易いが、排気の温度や圧力による影響は受け難くなる。以上により、大気補正を安定して行うことができるセンサがどちらかを予め求めておき、このセンサを基準のセンサとしておいても良い。また、大気補正を行うときの排気の状態(圧力、温度等)により基準となるセンサを定めても良い。
【0077】
ところで、従来から、触媒等の上流及び下流に夫々酸素濃度センサ等を取り付けて、触媒へ流入する排気、即ちエンジンから排出される排気、及び、触媒から流出する排気、即ち大気中へ放出される排気の酸素濃度、空燃比、炭化水素(HC)濃度等を検出していた。これらのセンサにより、エンジンコントロールに必要となる燃料噴射量や、エミッションの悪化を抑制するための燃料噴射量を算出することが可能となっていた。また、両センサの出力差から触媒等の酸素貯蔵能を検出し触媒等の劣化を判定することが可能となっていた。しかし、排気通路へ取り付けられた前記酸素濃度センサ等は、排気の熱や排気中に含まれるPM等の付着により劣化してしまう。そして、劣化した酸素濃度センサ等の出力信号は徐々に変化する。また、センサが新品状態であっても、製造時の制約等からセンサ出力には個体差がある。
【0078】
このような出力変化や個体差に対して、触媒等の上流と下流との酸素濃度センサ等の出力信号を比較して、その出力信号を補正することが行われていた。しかし、酸素濃度センサ等は、排気中の酸素等の分圧を測定して濃度を検出するため、排気の圧力の影響を受ける。従来は、この影響を完全に除去しないままセンサの出力補正を行っていたため、正確な出力補正を行うことが困難であった。
【0079】
一方、触媒等が酸素貯蔵能を有している場合には、排気が通過する際に該触媒から酸素が放出されたり貯蔵されたりして排気中の酸素濃度が変化することがある。また、排気中に未燃燃料が含まれている場合には、この未燃燃料が触媒等で反応するため排気中の酸素濃度が変化することがある。酸素濃度が変化しない場合であっても、触媒等により未燃燃料が改質されるとセンサの感受特性が変化して、酸素濃度センサ等の出力信号が変化することがある。
【0080】
以上のような問題を解決するために、車両減速時の燃料供給停止時(フューエルカット時)に酸素センサ等から出力される信号に基づいて大気学習をさせる方法が考えられる。燃料供給停止時には、排気系に大気が流入するため、触媒等による影響をほとんど受けることがない。しかし、大気学習を行うためにはある程度の車両減速時間が要求され、また、車種によっては大気学習が困難な場合がある。例えば、オートマチックトランスミッション(A/T)を搭載した車種では、フューエルカットの頻度が少ない。また、触媒床温を維持するためにフューエルカットを禁止することがある。更に、大気学習をさせる場合であってもセンサの出力信号は前記したような圧力変化の影響を受ける。また、インピーダンス制御機能を有しないセンサ制御系や放熱性の高い素子使用の場合には、センサ素子の温度特性や検出回路の公差も問題となる。そして、触媒等の上流及び下流で酸素濃度センサ等の出力信号を補正するのに適した状態に同時になる必要があるが、このような状態になることは少ない。また、前記したように、触媒前後に酸素濃度センサを取り付けている場合では、大気学習を行うために好適な運転状態が夫々のセンサで異なる。
【0081】
そこで、本実施の形態では、フューエルカット時に予め一方の酸素濃度センサで大気補正を行い、その後、フューエルカット時を含む未燃燃料の排出量が少ない運転状態において、大気圧補正を行った一方のセンサを基準としてセンサの劣化判定及び出力補正を行う。
【0082】
次に、本実施の形態によるセンサ劣化判定方法及び出力補正方法について具体的に説明する。尚、基準となる一方のセンサの大気補正は、本フローとは関係なくフューエルカット時に行われる。
【0083】
図6は、本実施の形態によるセンサ劣化判定及び出力補正のフローを示したフローチャート図である。
【0084】
ステップS101では、排気中に含まれる未燃燃料の量が少ない運転領域であるか否か判定される。リッチ空燃比若しくは理論空燃比近傍の燃焼が不安定となる運転領域では、未燃燃料が排出される。また、本実施の形態をガソリンエンジンに適用した場合には、点火時期が最適となっていない状態で運転がなされると、燃焼が不安定となり未燃燃料が排出される。このように、リッチ空燃比の排気若しくは未燃燃料が含まれている排気が触媒へ流入すると、例えば該触媒の酸素貯蔵能により貯蔵されていた酸素が放出され、出ガスセンサ8により検出される排気の空燃比は大きくなる。このように、入ガスセンサ7と出ガスセンサ8とで検出される排気の空燃比が異なるとセンサの劣化判定が困難となる。そこで、このような運転状態では、センサの劣化判定を行わないようにした。これにより、未燃燃料による出力変化の影響をほとんど受けずに以下に説明するセンサの劣化判定若しくはセンサの出力補正を行うことが可能となる。尚、本実施の形態では、「未燃燃料の量が少ない運転領域」にはフューエルカット時をも含む。
【0085】
ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
【0086】
ステップS102では、排気の圧力がセンサの出力に与える影響を除去する。酸素濃度センサは排気中の酸素の分圧を測定して酸素濃度を出力するため、その出力は排気の圧力から影響を受ける。ここで、入ガスセンサ7と出ガスセンサ8との間にはフィルタ5が開設されているため、該フィルタ5が排気の抵抗となってフィルタ5前の圧力が高くなる。このような状態では、同一酸素濃度の排気を計測したとしても入ガスセンサ7と出ガスセンサ8とで出力値が異なることとなる。そこで、本実施の形態では、排気の圧力から酸素濃度センサの出力信号の圧力変化分を求めるマップを予め実験等により求めておき、排気圧力センサにより検出された排気の圧力をこのマップに代入して酸素濃度センサの出力信号の圧力変化分を算出しつつ、この算出値によりセンサ出力の補正を行う。このようにして、排気の圧力の影響を除去することが可能となる。尚、本実施の形態においては、排気圧力センサにより排気の圧力を測定する代わりに、アクセル開度若しくは燃料噴射量から求まる機関負荷と酸素濃度センサの出力変化値との関係を予め実験等により求め、酸素濃度センサの出力信号の圧力変化分を求めても良い。機関負荷と排気の圧力とは相関関係があるため、このような要素によっても酸素濃度センサの出力信号の圧力変化分を除去することが可能である。
【0087】
ステップS103では、ステップS102で排気の圧力の影響を除去した後の入ガスセンサ7と出ガスセンサ8との出力の差を算出する。
【0088】
ステップS104では、ステップS103で算出した出力差が予め定められた補正閾値(第2の所定値)よりも大きいか否か判定される。補正閾値は、センサの応答遅れによる微少差等を考慮して、センサの劣化はないと許容できる範囲内で定める。これにより不必要な出力補正及び劣化判定を行わないようにすることが可能となる。
【0089】
ステップS104で肯定判定がなされた場合にはステップS105へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS106へ進む。
【0090】
ステップS105では、ステップS103で算出した出力差が予め定められた劣化閾値(第1の所定値)よりも大きいか否か判定される。ここで、劣化閾値は、補正閾値よりも大きな値である。また、劣化閾値は、センサ出力の補正により該センサを引き続き使用可能な範囲内で定める。センサの出力補正によりセンサの延命を図ることが可能となり、また、精度の良い酸素濃度の検出が可能となる。
【0091】
ステップS105で肯定判定がなされた場合にはステップS107へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS108へ進む。
【0092】
ステップS106では、入ガスセンサ7と出ガスセンサ8との出力差が小さいために、両センサに劣化はなく出力補正の必要がないと判定される。
【0093】
ステップS107では、センサ劣化を判定するルーチンに入った回数をカウントするカウンタに1が加算される。
【0094】
ステップS108では、基準となるセンサが前回大気学習を行ってから所定時間(有効補正間隔)が経過していないか否か判定される。大気学習を行った後にある程度の時間が経過するとセンサが再度劣化することがある。そこで、本実施の形態では、大気学習から所定時間(有効補正間隔)経過している場合にはセンサの出力補正を行わないこととした。このときの判定条件となる所定時間(有効補正間隔)予め実験等により求めておく。本判定により、誤補正を防止することが可能となる。
【0095】
ステップS108で肯定判定がなされた場合にはステップS111へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS112へ進む。
【0096】
ステップS109では、カウンタの値が閾値よりも大きいか否か判定される。この判定により、複数回連続して本ステップに入ったときに限りセンサの劣化判定を行い、センサ劣化以外の何らかの要因でたまたまセンサの出力差が大きくなったような場合には、劣化判定を行わないようにすることが可能となる。
【0097】
ステップS109で肯定判定がなされた場合にはステップS110へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
【0098】
ステップS110では、入ガスセンサ7又は出ガスセンサ8の何れか一方が劣化していると判定される。出力信号の差が大きすぎるため、出力補正では対応できないとして本ルーチンを終了する。この場合、警告灯を点灯させる等により運転者にその旨を警告するようにしても良い。
【0099】
ステップS111では、センサの出力補正が行われる。ここでは、大気学習をした入ガスセンサ7又は出ガスセンサ8の一方の出力信号に対して、他方のセンサの出力値が同一となるように他方のセンサの出力補正を行う。これにより、酸素濃度に対するセンサ出力感度が同一となり、出力ばらつきを低減することが可能となる。また、排気中の酸素濃度が0%である条件下(機関燃焼に供される混合気の空燃比が理論空燃比(ストイキ)である条件下)での出力信号が両センサで同一となるように出力補正することにより、前記2座標での補正が可能となる。
【0100】
ステップS112では、センサの大気学習を促進させる要求フラグをONにする。これにより、基準となる何れか一方のセンサの大気学習が行われる。
【0101】
このように、本フローによれば、センサの劣化判定若しくは出力補正を行うことができる。
【0102】
ここで、従来のガスセンサの劣化判定方法及びその装置では、触媒等の上流及び下流に備えられた酸素濃度センサ等の出力信号を同時に補正することは困難であった。ガスセンサの補正を行うことができないと、精度の高い空燃比のフィードバック制御が困難となる。
【0103】
その点、本実施の形態によれば、一方のガスセンサを大気学習により補正し、他方のガスセンサを一方のガスセンサの出力信号を基準として補正することができる。これにより、一方のセンサが大気学習することができる条件が揃うと該一方のセンサを大気学習により補正することができ、他方のセンサは、条件の緩やかな未燃燃料成分が少ない運転状態で出力補正を行うことができるため、センサ補正の機会を増加させることができる。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態によれば、大気学習をした一方のセンサを基準として、未燃燃料成分が少ない運転領域で他方のセンサの出力補正を行うことができる。
【0105】
尚、本実施の形態では酸素濃度センサについて説明したが、本願発明はこれに限らず、例えば、空燃比センサ、NOxセンサ、HCセンサ等についても適用することができる。
【0106】
また、本実施の形態では吸蔵還元型NOx触媒を担持したパティキュレートフィルタについて説明したが、本願発明はこれに限らず、例えば、酸化触媒、三元触媒、選択還元型NOx触媒、吸蔵還元型NOx触媒、及びこれらを担持したフィルタ若しくは触媒等を担持しないフィルタ等についても適用することができる。
【0107】
また、本実施の形態では、一方のセンサを大気学習させ、他方のセンサを未燃燃料成分が少ないときに一方のセンサを基準として出力補正しているが、これに代えて、両センサを同時に大気学習させ、その後に両センサの出力信号を比較してセンサの劣化を判定及び出力補正をすることもできる。この場合、圧力センサにより絶対圧を検出し、更に排気の圧力による出力変動分を求め、これを除去して両センサの出力信号を比較する。
【0108】
【発明の効果】
本発明に係るガスセンサの劣化判定方法及びその装置では、触媒等の上流及び下流に設けられた少なくとも2つ以上のセンサの劣化判定若しくは出力補正をフューエルカット時以外であっても行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエンジンとその吸排気系の概略構成を示す図である。
【図2】排気管に設けられた入ガスセンサ及び出ガスセンサの検出素子主要部の断面構造を示す図である。
【図3】電極間の印加電圧及び電流の関係を示すグラフである。
【図4】空間内の酸素濃度と限界電流値との対応関係を概略的に示すグラフである。
【図5】ECUによって学習及び記憶される排気中の酸素濃度と限界電流値との対応関係を詳細に示すグラフである。
【図6】本発明によるセンサ劣化判定及び出力補正のフローを示したフローチャート図である。
【符号の説明】
1・・・エンジン
2・・・気筒
3・・・排気枝管
4・・・排気管
5・・・フィルタ
6・・・排気圧力センサ
7・・・入ガスセンサ
8・・・出ガスセンサ
9・・・ECU
Claims (22)
- 内燃機関の排気通路に設けられ排気中の有害成分を浄化する排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒の上流の排気中のガス成分を検出する入ガスセンサと、
前記排気浄化触媒の下流の排気中のガス成分を検出する出ガスセンサと、
内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記運転状態検出手段の検出値に基づいて前記入ガスセンサ及び前記出ガスセンサの検出対象となるガス成分の量を算出するガス成分量算出手段と、
前記ガス成分量算出手段の算出値並びに前記入ガスセンサ及び前記出ガスセンサの検出値に基づいて入ガスセンサ若しくは出ガスセンサの少なくとも一方の劣化を判定する劣化判定手段と、
を備えたことを特徴とするガスセンサの劣化判定装置。 - 前記ガス成分算出手段は排気中の未燃燃料成分の量を算出し、前記ガス成分算出手段により算出された排気中の未燃燃料成分量が所定量よりも小さいか否か判定する未燃燃料成分量判定手段を更に備え、前記劣化判定手段は未燃燃料成分量判定手段により未燃燃料が所定量よりも小さいときに劣化の判定を行うことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサの劣化判定装置。
- 前記劣化判定手段は、前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差に基づいて劣化を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサの劣化判定装置。
- 前記劣化判定手段は、前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第1の所定値よりも大きい場合に、何れかのセンサが劣化していると判定することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のガスセンサの劣化判定装置。
- 前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第1の所定値以下である場合には、入ガスセンサ又は出ガスセンサの少なくとも一方の出力の補正値を算出する補正値算出手段を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載のガスセンサの劣化判定装置。
- 前記補正値算出手段は、前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第2の所定値よりも大きく且つ前記第1の所定値よりも小さい場合に、入ガスセンサ又は出ガスセンサの少なくとも一方の出力の補正値を算出することを特徴とする請求項5に記載のガスセンサの劣化判定装置。
- 前記入ガスセンサ又は出ガスセンサの一方を基準とし、他方を前記補正値算出手段により算出された補正値に基づいて出力補正する出力補正手段を備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載のガスセンサの劣化判定装置。
- 前記未燃燃料成分量判定手段による判定は、内燃機関の燃焼運転中において行われることを特徴とする請求項2から7の何れかに記載のガスセンサの劣化判定装置。
- 内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、前記燃料供給手段によりよる燃料の供給を停止させる燃料供給停止手段と、を更に備え、前記補正値算出手段は前記燃料供給停止手段により燃料の供給が停止されているときの前記入ガスセンサ又は前記出ガスセンサの一方の出力信号に基づいて他方の出力信号を補正することを特徴とする請求項8に記載のガスセンサの劣化判定装置。
- 排気の圧力を検出する排気圧力検出手段を更に備え、前記補正値算出手段は、排気圧力検出手段により検出された排気の圧力に応じて前記入ガスセンサ又は前記出ガスセンサの出力を補正することを特徴とする請求項1から9の何れかに記載のガスセンサの劣化判定装置。
- 前記補正値算出手段は、予め求められた排気の圧力と該圧力による前記入ガスセンサ若しくは前記出ガスセンサの出力変化分との関係から前記入ガスセンサ若しくは前記出ガスセンサの出力値の中の排気圧力による変化分を求め、この変化分を除去しつつ補正値を算出することを特徴とする請求項10に記載のガスセンサの劣化判定装置。
- 内燃機関の運転状態からガス成分量を算出し、この算出値と排気浄化触媒上流の入ガスセンサ及び触媒下流の出ガスセンサの検出値とに基づいて入ガスセンサ若しくは出ガスセンサの少なくとも一方の劣化を判定することを特徴とするガスセンサの劣化判定方法。
- 未燃燃料成分の量を算出し、この算出値が所定量よりも小さいときに劣化の判定を行うことを特徴とする請求項12に記載のガスセンサの劣化判定方法。
- 前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差に基づいて劣化を判定することを特徴とする請求項12又は13に記載のガスセンサの劣化判定方法。
- 前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第1の所定値よりも大きい場合に、何れかのセンサが劣化していると判定することを特徴とする請求項12から14の何れかに記載のガスセンサの劣化判定方法。
- 前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第1の所定値以下である場合には、入ガスセンサ又は出ガスセンサの少なくとも一方の出力の補正を行うことを特徴とする請求項14又は15に記載のガスセンサの劣化判定方法。
- 前記入ガスセンサと前記出ガスセンサとの出力差が第2の所定値よりも大きく且つ前記第1の所定値よりも小さい場合に、入ガスセンサ又は出ガスセンサの少なくとも一方の出力の補正を行うことを特徴とする請求項16に記載のガスセンサの劣化判定方法。
- 前記入ガスセンサ又は出ガスセンサの一方を基準とし、他方を出力補正することを特徴とする請求項16又は17に記載のガスセンサの劣化判定方法。
- 内燃機関の燃焼運転中において判定が行われることを特徴とする請求項13から18の何れかに記載のガスセンサの劣化判定方法。
- 燃料の供給が停止されているときの前記入ガスセンサ又は前記出ガスセンサの一方の出力信号に基づいて他方の出力信号を補正することを特徴とする請求項19に記載のガスセンサの劣化判定方法。
- 排気の圧力に応じて前記入ガスセンサ又は前記出ガスセンサの出力を補正することを特徴とする請求項12から20の何れかに記載のガスセンサの劣化判定方法。
- 予め求められた排気の圧力と該圧力による前記入ガスセンサ若しくは前記出ガスセンサの出力変化分との関係から前記入ガスセンサ若しくは前記出ガスセンサの出力値の中の排気圧力による変化分を求め、この変化分を除去しつつ補正値を算出することを特徴とする請求項21に記載のガスセンサの劣化判定方法。
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