JP3609616B2 - 酸素濃度検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、被測定ガス中に含まれる酸素の濃度を検出するための酸素濃度検出装置に係り、特に、固体電解質体に配設された一対の電極によるポンピング作用に基づいて、被測定ガスに含まれる酸素の濃度、或いは被測定ガス中の構成成分(例えば窒素酸化物等)に含まれる酸素の濃度を検出するようにした酸素濃度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、こうした酸素濃度検出装置に関する技術としては、例えば特開平9−288084号公報に記載された「窒素酸化物センサ」を挙げることができる。
【0003】
この窒素酸化物センサは、ジルコニア(ZrO2 )等の酸素イオンが通過可能な固体電解質材からなり、その内部には、被測定ガスが導入される第1室、拡散律速部を介して第1室と連通された第2室、大気が導入される基準ガス導入空間がそれぞれ形成されている。
【0004】
第1室と外部とを区画する隔壁部分には、第1室内の酸素イオンを外部に汲み出す、即ちポンピングするための主ポンプセルが設けられており、第1室の内部に導入された被測定ガスは、この主ポンプセルのポンピングによって酸素分圧が極めて低い所定圧に制御されるようになっている。また、こうして酸素分圧が制御された被測定ガスは、拡散律速部を介して更に第2室に導入される。
【0005】
第2室と基準ガス導入空間とを区画する隔壁部分には、第2室内の酸素イオンを基準ガス導入空間にポンピングするための測定用ポンプセルが設けられている。この測定用ポンプセルは、第2室の内面に設けられた検出電極と、基準ガス導入空間の内面に設けられた基準電極とにより構成されている。上記検出電極は、被測定ガス中に含まれる窒素酸化物(以下、「NOx 」と略記する)の還元触媒としても機能するものであり、例えばロジウム(Rh)等によって形成されている。
【0006】
上記構成を備えた窒素酸化物センサにあっては、第2室内に導入された被測定ガス中のNOx が検出電極によって還元分解されることにより、そのNOx の濃度に応じた量の酸素が生成される。そして、検出電極と基準電極との間に所定電圧が印加されることにより、その生成された酸素(酸素イオン)が検出電極から基準電極へとポンピングされ、これら両電極間にはポンプ電流が流れるようにようになる。従って、このポンプ電流の大きさを測定することにより、第2室内に存在する酸素の濃度が検出され、この酸素濃度から間接的に被測定ガス中に含まれるNOx の濃度を検出することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両・船舶用エンジン等の内燃機関から排出される排出ガス中には、上記NOx の他、通常、炭化水素(HC)等の、酸素と極めて反応性の高い成分(以下、「未燃成分」という)が含まれている。このため、こうした未燃成分を含んだ排出ガスの雰囲気下で上記窒素酸化物センサを使用した場合、検出電極に未燃成分が付着し、その付着した未燃成分が排出ガス中のNOx や検出電極のNOx 還元作用によって生じた酸素と反応してしまうことがあった。その結果、長期間の使用により検出電極に多量の未燃成分が付着するようなことがあると、排出ガスのNOx 濃度とポンプ電流値との相関性が大きく低下し、NOx 濃度の検出精度の悪化を招くおそれがあった。
【0008】
また、こうした検出精度の悪化は、上記のような窒素酸化物センサに限られず、例えば、排出ガス中に含まれる酸素そのものの濃度を検出するようにした酸素センサでも同様に発生し得る。即ち、こうした酸素センサにおいても、検出電極に多量の未燃成分が付着することがあると、各電極間でポンピングされるはずの酸素が検出電極に付着した未燃成分と反応してしまい、ポンプ電流値が本来の値よりも減少してしまうおそれがあるからである。
【0009】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被測定ガス中の未燃成分が酸素濃度測定用の電極に付着することに起因した検出精度の悪化を防止することのできる酸素濃度検出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、固体電解質体に第1の電極及び第2の電極が配設され、第1の電極に接触する被測定ガス中の酸素を当該第1の電極から固体電解質体を介して第2の電極に移動させるべく各電極間に電圧を印加するとともに、酸素の移動により各電極間に流れる電流値に基づいて被測定ガス中の酸素の濃度を検出するようにした酸素濃度検出装置において、固体電解質体を介して第1の電極へ酸素を移動させ第1の電極に付着している未燃成分と反応させるべく当該第1の電極との間で電極処理用電圧が印加される第3の電極と、所定の電圧印加条件が満たされたときにのみ前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記電極処理用電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記被測定ガスは燃焼機器の排出ガスであり、前記電圧印加手段は前記被測定ガス中における未燃成分の濃度が所定値以下であることを前記電圧印加条件とし、前記燃焼機器に対する燃焼用燃料の供給が停止されているときに前記未燃成分の濃度が所定値以下であると判断するようにしている。
【0013】
上記構成によれば、第1の電極と第3の電極間に電極処理用電圧が印加されることにより、第3の電極から固体電解質体を介して第1の電極へと酸素が移動する。そして、第1の電極に付着している未燃成分は、この移動した酸素と反応して燃焼し除去されるようになる。
【0019】
また、所定の電圧印加条件が満たされたときにのみ第1の電極と第3の電極との間に電極処理用電圧を印加する電圧印加手段を備えるようにしている。
【0020】
こうした構成によれば、電圧印加条件を適宜設定することにより、第1の電極に付着している未燃成分が適正なタイミングで除去されるようになる。
ところで、第1の電極の近傍に未燃成分を多量に含む被測定ガスが存在していると、第1の電極側に移動した酸素が第1の電極に付着している未燃成分と反応することなく、その被測定ガス中の未燃成分と反応してしまうことが懸念される。
【0021】
そこで、電圧印加手段は被測定ガス中における未燃成分の濃度が所定値以下であることを前記電圧印加条件とするものとしている。このような構成によれば、第1の電極側に移動する酸素のうち、被測定ガス中の未燃成分と反応する酸素の量が減少するようになる。
【0022】
更に、被測定ガスが燃焼機器の排出ガスである場合には、上記請求項1に記載した発明のように、電圧印加手段は燃焼機器に対する燃焼用燃料の供給が停止されているときに未燃成分の濃度が所定値以下であると判断する、といった構成とすることにより、また、被測定ガスが希薄燃焼を実行可能な燃焼機器の排出ガスである場合には、請求項2に記載した発明のように、電圧印加手段は燃焼機器における燃焼状態が希薄燃焼状態であるときに未燃成分の濃度が所定値以下であると判断する、といった構成とすることにより、被測定ガス、即ち排出ガス中における未燃成分の濃度が所定値以下であることが確実に判断され、その判断に基づいて第1の電極に付着している未燃成分の除去処理が実行されるようになる。尚、上記燃焼機器には、例えばガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関も含まれるものとする。
【0023】
更に、請求項3に記載した発明は、第1の電極に対する未燃成分の付着量を被測定ガスと第1の電極との接触時間に基づいて推定する推定手段を更に備え、電圧印加手段は推定される未燃成分の付着量が所定量以上であることを電圧印加条件とするようにしている。
【0024】
上記構成によれば、第1の電極に付着した未燃成分が所定量未満であって検出精度への影響が小さいときには、未燃成分の除去処理が実行されないようになる。
【0025】
また、請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した酸素濃度検出装置において、電圧印加手段は推定手段により推定される未燃成分の付着量が所定量以上であり且つ未燃成分の濃度が所定値以下であることを電圧印加条件とするようにしている。
【0026】
上記構成によれば、請求項3に記載した発明の作用に加えて、第1の電極側に移動する酸素のうち、被測定ガス中の未燃成分と反応する酸素の量が減少するようになる。
【0027】
また、請求項5に記載した発明は、請求項3又は4に記載した酸素濃度検出装置において、被測定ガスは燃焼機器の排出ガスであり、推定手段は燃焼機器の作動時間及び始動回数の少なくとも一方に基づいて第1の電極に対する未燃成分の付着量を推定するものとしている。
【0028】
第1の電極に付着する未燃成分の量は、同電極が燃焼機器の排出ガスに接触している時間、換言すれば、燃焼機器の作動時間が長くなるほど増大する。また、一般に、燃焼機器の始動時には、燃焼状態が不安定となって排出ガス中の未燃成分が増大する傾向があり、更に、始動性を向上させるために燃焼用燃料の供給量が増量された場合にはこの傾向が顕著となる。このため、第1の電極に付着している未燃成分の量は、燃焼機器の始動回数が多くなるほど、換言すれば、多量の未燃成分を含む排出ガスに接触している時間が長くなるほど増大する。
【0029】
上記構成によれば、請求項3又は4に記載した発明の作用に加え、第1の電極に対する未燃成分の付着量との相関性が高い燃焼機器の作動時間及び始動回数の少なくとも一方に基づいて、第1の電極に対する未燃成分の付着量が容易に且つ正確に推定されるようになる。
また、請求項6に記載した発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載した酸素濃度検出装置において、第3の電極は第2の電極と同一の電極として固体電解質体に配設されているものとしている。
更に、請求項7に記載した発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載した酸素濃度検出装置において、第3の電極は第2の電極と各別の電極として固体電解質体に配設されているものとしている。
請求項8に記載した発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載した酸素濃度検出装置において、固体電解質体は大気が導入される大気導入空間を有し、第3の電極は大気導入空間の大気に接触するように固体電解質体に配設されるものとしている。
このように構成すれば、請求項1乃至7のいずれかに記載した発明の作用に加えて、より多量の酸素が第3の電極から第1の電極へと移動するようになる。
請求項9に記載した発明は、第1の電極を被測定ガス中に含まれる窒素酸化物の還元触媒として機能する還元触媒材料により形成し、同第1の電極の還元作用に基づき窒素酸化物から分解される酸素が同第1の電極から固体電解質体を介して第2の電極に移動するときに各電極間に流れる電流値に基づいて被測定ガス中の酸素の濃度を検出するようにしている。
上記構成によれば、請求項1乃至8のいずれかに記載した発明の作用に加え、特に、第1の電極と第3の電極間に流れる電流値に基づいて排出ガスに含まれる窒素酸化物の濃度が検出されるようになる。
また、請求項10に記載した発明のように、上記還元触媒材料は酸化触媒材料を所定量含む、といった構成とすれば、請求項9に記載した発明の作用に加えて、還元触媒材料に含まれる酸化触媒材料によって上記未燃成分と酸素との酸化反応が促進されるようになる。ここで、請求項10に記載した発明の具体的な態様としては、請求項11に記載した発明のように、還元触媒材料をロジウム、酸化触媒材料を白金とした構成が好ましい。
更に、請求項12に記載した発明のように、ロジウムに対する白金の重量比を1〜5%とすることにより、ロジウムにおける還元作用の低下が極力抑えられたうえで、白金による未燃成分の酸化促進作用が確実に奏せられるようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下、本発明に係る酸素濃度検出装置を窒素酸化物(以下、「NOx 」という)の濃度を検出するNOx 濃度検出装置として具体化した第1の実施形態について説明する。
【0031】
図1は、車両用ガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略記する)10、同エンジン10に備えられた排出ガス再循環装置19及びNOx 濃度検出装置をそれぞれ示す概略構成図である。
【0032】
エンジン10は、複数の燃焼室(図示略)を有するシリンダブロック10a及びシリンダヘッド10bと、各燃焼室に接続された吸気通路11及び排気通路12とを備えている。吸気通路11には、同通路11内を通過する吸入空気の量を調節するスロットルバルブ16が設けられている。シリンダヘッド10bには、デリバリパイプ15を通じて燃料が供給されるインジェクタ23が設けられている。排気通路12の下流側部分には同通路12を通過する排出ガスを浄化するための触媒コンバータ17が設けられている。
【0033】
上記エンジン10において、インジェクタ23から燃焼室内に高圧の燃料が噴射されると、その噴射燃料は吸気通路11を通じて燃焼室内に導入された吸入空気と混合されて混合気となる。更に、この混合気は、点火プラグ(図示略)にて点火されることによって燃焼室内で燃焼される。
【0034】
ここで、本実施形態のエンジン10においては、その燃焼室における燃焼方式が、混合気の空燃比を理論空燃比に設定して燃焼を行う通常燃焼方式と、同空燃比を理論空燃比よりも大きい希薄空燃比に設定して燃焼を行う希薄燃焼方式との間で切り替えられるようになっている。こうした燃焼方式の切り替えは、エンジン10の機関運転状態に基づいて行われる。
【0035】
そして、燃焼室で燃焼された混合気は、排出ガスとして排気通路12に導入され、触媒コンバータ17を通過する際に、前記CO、NOx 、HCの各成分がそれぞれ浄化された後、大気中に排出される。
【0036】
尚、この排出ガス中には、通常、二酸化炭素(CO2 )、一酸化炭素(CO)、酸素(O2 )、窒素酸化物(NOx )の他、炭化水素(HC)等の燃料の未燃成分が含まれている。また、排出ガス中における未燃成分の濃度は、上記燃焼方式によって大きく異なっている。即ち、燃焼室における燃焼方式として希薄燃焼方式が選択されている場合には、噴射燃料に対して吸入空気量が過剰な状態にあるため、燃焼方式として通常燃焼方式が選択されている場合と比較すると、その未燃成分の濃度は低下するようになる。
【0037】
次に、排出ガス再循環装置(以下、「EGR(EGR:Exaust Gas Recircuration)装置」という)19の構成について説明する。
このEGR装置19は周知のように、排気通路12を通過する排出ガスの一部を吸気通路11に再循環させることにより、燃焼室(図示略)内の燃焼温度を低下させて、排出ガスに含まれるNOx の量(NOx 濃度)を減少させるためのものである。
【0038】
より詳細に説明すると、このEGR装置19は、排気通路12と吸気通路11においてスロットルバルブ16より下流側の部分とを接続するEGR通路20、同EGR通路20の途中に設けられた制御弁21、機関運転状態を検出するための各種センサ、及びこれら各種センサからの検出信号に基づいて制御弁21の開度を制御する電子制御装置(以下、「ECU」という)30によって構成されている。
【0039】
前記制御弁21は、EGR通路20を通じて再循環される排出ガス(EGRガス)の量(EGR量)をその開度に応じて調節するためのものであり、例えばステッピングモータ等の開度調節用のアクチュエータを有して構成されている。
【0040】
また、上記各種センサには、例えば、回転数センサ22及びアクセルセンサ24が含まれる。回転数センサ22は、エンジン10のクランクシャフト(図示略)近傍に設けられ、同クランクシャフトの回転速度、即ち機関回転数NEに応じた検出信号をECU30に出力する。一方、アクセルセンサ24は、運転者によって操作されるアクセルペダル18の近傍に設けられ、同ペダル18の踏込量、即ちアクセル開度ACCPに応じた検出信号をECU30に出力する。
【0041】
ECU30は、図1に示すように、演算処理を実行する中央演算処理装置(CPU)31、各種制御プログラムや制御用関数データ等が予め記憶されるとともに、CPU31の演算処理結果等が記憶されるメモリ32、各種センサからの検出信号が入力される入力回路33、インジェクタ23及び制御弁21等を駆動するための駆動回路34を備えている。
【0042】
このように構成されたEGR装置19において、ECU30は、機関回転数NE及びアクセル開度ACCPに基づき目標となるEGR率(吸入空気量に対するEGR量の比)を算出するとともに、上記NOx 濃度検出装置により検出される排出ガスのNOx 濃度に基づき実際のEGR率を推定する。そして、ECU30は、これら両者が等しくなるように、制御弁21の開度をフィードバック制御することにより、EGR率を運転状態に適合する値に調節する。尚、NOx 濃度検出装置によるNOx 濃度の検出手順については後述する。
【0043】
また、ECU30は、上記のようなEGR率に係る制御の他、スロットルバルブ16の開度制御、燃料噴射制御、点火時期制御等を実行しており、これら各種制御の開始及び停止は、運転者により操作されるイグニッションスイッチ28のオフ・オフ操作に基づいて行われている。
【0044】
即ち、図1に示すように、ECU30には、イグニッションスイッチ28が接続されており、同スイッチ28から入力回路33を通じてイグニッション信号IGSWTが入力されている。そして、ECU30は、イグニッションスイッチ28がオフ位置からオン位置に操作されることにより、イグニッション信号IGSWTが「OFF」から「ON」に切り替わった時点から、上記各種制御を開始する。一方、ECU30は、イグニッションスイッチ28がオン位置からオフ位置に操作されることにより、イグニッション信号IGSWTが「ON」から「OFF」に切り替わると、燃料噴射及び混合気の点火を中止してエンジン10の運転を停止させるとともに、故障診断結果や制御学習値等をメモリ32に書き込んだ後に各種制御を停止する。
【0045】
次に、NOx 濃度検出装置の構成について説明する。このNOx 濃度検出装置は、排出ガスのNOx 濃度を検出するためのNOx センサ500と、同NOx センサ500と接続されて、その検出信号が入力されるとともに、同NOx センサ500の動作を制御する前記ECU30とにより構成されている。NOx センサ500は、その先端側部分が排気通路12を通過する排出ガスと接触するように、同排気通路12においてEGR通路20の接続部分よりも下流側の部分に取り付けられている。
【0046】
以下、このNOx センサ500の構成について説明する。
図2は、NOx センサ500において排出ガスに接触する先端側部分の断面図である。また、図3は図2の3−3線に沿った断面図であり、図4は図2の4−4線に沿った断面図である。
【0047】
これら各図に示すように、NOx センサ500は、全体が矩形板状をなし、ヒータ部510と同ヒータ部510上に積層された検出部550とを有して構成されている。
【0048】
ヒータ部510は、検出部550を所定温度にまで加熱するためのものである。このヒータ部510は、第1の基板層511、この第1の基板層511の上面に積層された第2の基板層512、これら両基板層511,512の間に介在された発熱体513、同発熱体513を被覆する絶縁層514によって構成されている。上記各基板層511,512はいずれも、ジルコニア(ZrO2 )等の酸素イオン伝導性を有した固体電解質材料によって形成されており、発熱体513は、白金(Pt)等の電導性材料によって形成されている。また、絶縁層514は、アルミナ(Al2 O3 )等の絶縁性セラミック材料により形成されている。
【0049】
一方、検出部550は、第1のスペーサ層551、第1の固体電解質層552、第2のスペーサ層553、第2の固体電解質層554が上記第2の基板層512の上面に順次積層されることにより構成されている。これら各層551〜554はいずれも、ヒータ部510の各基板層511,512と同様の固体電解質材料によって形成されている。
【0050】
図3に示すように、第2のスペーサ層553には、第1の矩形孔553a及び第2の矩形孔553b、第1の矩形孔553aと外部とを連通する第1の連通部553c、両矩形孔553a,553bを連通する第2の連通部553dがそれぞれ形成されている。また、第1のスペーサ層551には矩形状の凹部551aが形成されている。
【0051】
第2の基板層512と第1の固体電解質層552との間には、基準ガス導入空間560が設けられている。この基準ガス導入空間560は、第2の基板層512の上面、前記凹部551aの内壁面、第1の固体電解質層552の下面によって区画形成されており、その基端側部分(図2の右側部分)が開放されることにより、その内部に酸素分圧が既知の大気が基準ガスとして導入されるようになっている。
【0052】
第1の固体電解質層552と第2の固体電解質層554との間には、第1室561、第2室562、第1の拡散律速孔563、及び第2の拡散律速孔564がそれぞれ設けられている。
【0053】
第1の拡散律速孔563は、排出ガスが存在する外部と第1室561とを連通することにより、排出ガスを所定の拡散抵抗のもとで第1室561内に導入させるためのものであり、第1の固体電解質層552の上面、前記第1の連通部553cの内壁面、第2の固体電解質層554の下面によって区画形成されている。
【0054】
第1室561は、第1の拡散律速孔563を通じて導入される排出ガスの酸素分圧を所定圧に調節するためのものであり、第1の固体電解質層552の上面、第1の矩形孔553aの内壁面、第2の固体電解質層554の下面によって区画形成されている。
【0055】
また、第2の拡散律速孔564は、第1室561及び第2室562を連通することにより、第1室561内の排出ガスを所定の拡散抵抗のもとで第2室562に移動させるためのものであり、第1の固体電解質層552の上面、第2の連通部553dの内壁面、第2の固体電解質層554の下面によって区画形成されている。
【0056】
第2室562は、第1室561から導入される排出ガスのNOx 濃度を検出するためのものであり、第1の固体電解質層552の上面、第2の矩形孔553bの内壁面、第2の固体電解質層554の下面によって区画形成されている。
【0057】
第2の固体電解質層554の下面において第1室561の内部に位置する部分には、Pt等の金属とZrO2 等のセラミックスとからなる多孔質サーメット材料により矩形板状に形成された内側ポンプ電極570が設けられている。また、第2の固体電解質層554の上面において内側ポンプ電極570と対応する部分には、同内側ポンプ電極570と同様の多孔質サーメット材料により矩形板状に形成された外側ポンプ電極571が設けられている。
【0058】
内側ポンプ電極570及び外側ポンプ電極571と、第2の固体電解質層554において両電極570,571に挟まれた部分とにより、第1室561と外部との間で酸素を移動(ポンピング)させるための主ポンプセル572が構成されている。
【0059】
この主ポンプセル572において、内側ポンプ電極570と外側ポンプ電極571との間に制御電圧(ポンプ電圧)Vp1が印加されると、その制御電圧Vp1の大きさに応じた量の酸素が第2の固体電解質層554を介して第1室561から外部に、或いは外部から第1室561にポンピングされる。従って、この制御電圧Vp1を制御することにより、第1室561内における酸素分圧(酸素濃度)を所望の値に調節することができる。
【0060】
また、第1の固体電解質層552の上面において第2室562の内部に位置する部分には、検出電極580が設けられている。一方、第1の固体電解質層552の下面において検出電極580と対応する部分には、基準ガス導入空間560内の大気と接触する基準電極581が設けられている。
【0061】
検出電極580は、基準電極581とともにポンピング電極として機能する他、NOx 還元触媒としての機能を併せ有するものであり、ロジウム(Rh)に対して重量比が1〜5%のPtが均一に添加された金属と、ZrO2 等のセラミックスとからなる多孔質サーメット材料によって矩形板状に形成されている。一方、基準電極581は、前記各ポンプ電極570,571と同様、Pt等の金属とZrO2 等のセラミックスとからなる多孔質サーメット材料によって矩形板状に形成されている。
【0062】
検出電極580及び基準電極581と、第1の固体電解質層552において両電極580,581に挟まれた部分とにより、第2室562と基準ガス導入空間560との間で酸素をポンピングするための測定用ポンプセル582が構成されている。
【0063】
前述したように、第1室561において酸素分圧が所定圧に調節された排出ガスは、第2の拡散律速孔564を通じて第2室562に導入され、検出電極580に接触する。そして、この排出ガスが検出電極580の還元作用によって窒素(N2 )とO2 とに分解されることにより、検出電極580の近傍における酸素分圧は排出ガス中に含まれるNOx 濃度に応じた圧力値となる。
【0064】
更に、測定用ポンプセル582において、検出電極580と基準電極581との間に一定の検出用電圧(ポンプ電圧)Vp2が印加されると、検出電極580近傍のO2 が酸素イオン(O2−)となって検出電極580から基準電極581にポンピングされる。その結果、検出電極580及び基準電極581間には、NOx の還元分解によって生成されたO2 の濃度に応じたポンプ電流Ip2が流れるようになる。従って、このポンプ電流Ip2の値に基づいてNOx 濃度を検出することができる。
【0065】
因みに、この場合、検出電極580近傍の酸素イオンを基準電極581にポンピングするため、検出用電圧Vp2は検出電極580を負極、基準電極581を正極として両電極580,581間に印加される。
【0066】
また、内側ポンプ電極570及び基準電極581と、第2の固体電解質層554、第2のスペーサ層553、第1の固体電解質層552の各層とにより、第1室561内の酸素分圧を検出するための制御用酸素分圧検出セル590が構成されている。
【0067】
この制御用酸素分圧検出セル590では、第1室561の排出ガスが内側ポンプ電極570に接触するとともに、基準ガス導入空間560の大気が基準電極581に接触することにより、これら排出ガスと大気との酸素分圧差に基づいた起電力V1が両電極570,581間に発生する。従って、この起電力V1の大きさに基づいて第1室561内の酸素分圧を検出することができる。
【0068】
次に、NOx 濃度検出装置によるNOx 濃度の検出手順について説明する。
NOx 濃度の検出を開始するのに先立ち、ECU30は駆動回路34を通じてヒータ部510の発熱体513を通電制御することにより、同発熱体513を発熱させ、その熱により検出部550を所定温度(例えば、400〜900℃)にまで加熱する。その結果、検出部550の各層551〜554は、酸素イオンが移動可能な状態、即ち、活性化された状態になる。
【0069】
次に、ECU30は、駆動回路34を通じて主ポンプセル572の内側ポンプ電極570及び外側ポンプ電極571間に制御電圧Vp1を印加するとともに、その制御電圧Vp1の大きさを制御用酸素分圧検出セル590の起電力V1に基づいて制御する。より具体的に説明すると、ECU30のメモリ32には、第1室561内の酸素分圧が極めて低い所定値(例えば、1×10^−8 〜1.7×10^−4 atm)となるときの起電力V1の値が記憶されており、ECU30は、起電力V1がこの値と等しくなるように、制御電圧Vp1の大きさをフィードバック制御する。その結果、第1室561における排出ガスの酸素分圧は低下し、同第1室561から第2の拡散律速孔564を通じて第2室562に導入される排出ガスは、分子単体としての酸素を殆ど含まない状態となる。
【0070】
更に、ECU30は、駆動回路34を通じて測定用ポンプセル582の検出電極580及び基準電極581間に検出用電圧Vp2を印加するとともに、これら両電極間580,581に流れるポンプ電流Ip2を入力回路33を通じて読み込む。前述したように、このポンプ電流Ip2は、NOx の還元分解によって生成されたO2 の濃度に応じて変化するものであるため、ECU30は、このポンプ電流Ip2の大きさに基づいてNOx 濃度を検出することができる。
【0071】
ところで、本実施形態のNOx センサ500は、エンジン10の排気通路12に取り付けられているため、同エンジン10の運転中は、HC等の未燃成分を含む排出ガスに常に晒された状態にある。このため、排出ガスに接触した総時間が長くなると、多量の未燃成分がNOx センサ500の検出電極580に付着することがある。
【0072】
そして、検出電極580に多量の未燃成分が付着すると、図5に示すように、その未燃成分(同図ではHCとして例示)と第2室562中のNOx (同図では一酸化窒素(NO)として例示)とが反応することにより、NOx と比較して反応性が極めて低い、水蒸気(H2 0)、CO2 、N2 が生成されるようになる。その結果、これらH2 OやCO2 は検出電極580によって還元されることは殆どないため、ポンプ電流Ip2が減少し、同ポンプ電流Ip2とNOx 濃度との相関性が低下することにより、NOx 濃度検出の精度悪化を招くこととなる。
【0073】
そこで、本実施形態のNOx 濃度検出装置では、こうした未燃成分を除去するための処理(以下、「未燃成分除去処理」という)を実行するようにしている。以下、この「未燃成分除去処理」に関する処理手順について説明する。
【0074】
まず、ECU30は、この「未燃成分除去処理」を行うのに先立ち、NOx 濃度の検出を一時的に停止する。即ち、ECU30は、主ポンプセル572に対する制御電圧Vp1の印加、測定用ポンプセル582に対する検出用電圧Vp2の印加、制御用酸素分圧検出セル590における起電力V1の検出、及び測定用ポンプセル582におけるポンプ電流Ip2の検出をいずれも停止する。
【0075】
次に、ECU30は、駆動回路34を通じて測定用ポンプセル582の各電極580,581間に、検出用電圧Vp2とはその極性が反転された所定の大きさ(例えば、0.5〜1.0V)の電極処理用電圧Vrを連続的に印加する。この場合、電極処理用電圧Vrは、検出電極580を正極、基準電極581を負極として両電極間580,581に印加される。そして、このように両電極580,581の間に電極処理用電圧Vrが印加される結果、基準ガス導入空間560内の大気に含まれるO2 は、酸素イオンとなって基準電極581から検出電極580にポンピングされるようになる。このため、図6に示すように、検出電極580に付着している未燃成分(HC)は、検出電極580にポンピングされたO2 と反応(酸化)して燃焼し、H2 O及びCO2 (気体)となって検出電極580から除去される。
【0076】
従って、本実施形態によれば、上記のような「未燃成分除去処理」を定期的に実行することにより、排出ガス中の未燃成分が検出電極580に付着することに起因した検出精度の悪化を防止することができる。
【0077】
また、本実施形態では、Ptを含む多孔質サーメット材料により検出電極580を形成するようにしているが、このPtは、酸化反応速度を増大させる酸化触媒としての機能を有しているため、検出電極580にポンピングされたO2 と未燃成分との酸化反応が、このPtの触媒作用によって促進されるようになる。その結果、「未燃成分除去処理」に要する電力消費量を増大させることなく、未燃成分を速やかに且つ確実に除去することができる。
【0078】
ところで、検出電極580におけるPtの含有量が多い場合、上記のような酸化反応を促進させる点では有効であるものの、Rhの還元作用がPtによって阻害されることから、NOx センサ500のS/N比(Signal−to−Noise ratio)が低下するおそれがある。一方、検出電極580におけるPtの含有量が少ない場合、こうしたS/N比の低下は抑えられるものの、未燃成分を十分に除去することができなくおそれがある。従って、NOx センサ500の本来の機能を維持しつつ、未燃成分を確実に除去するうえでは、検出電極580におけるPtの含有量、特に還元触媒であるRhに対するPtの重量比を適宜設定することが重要になる。
【0079】
この点、本実施形態では、上記PtのRhに対する重量比を1〜5%に設定するようにしている。従って、Rhにおける還元作用の低下が極力抑えられたうえで、Ptによる未燃成分の酸化促進作用が確実に奏せられるようになる。その結果、本実施形態によれば、還元作用の低下に起因した上記S/N比の低下を抑制しつつ、未燃成分を確実に除去することができる。
【0080】
また、本実施形態の構成とは異なり、第2の固体電解質層554の上面に排出ガスに接触する別の電極を設け、この電極と検出電極580との間に電極処理用電圧Vrを印加することにより、排出ガス中のO2 を検出電極580側にポンピングして、同電極580上の未燃成分を燃焼させることも可能である。しかしながら、こうした構成にあっては、排出ガス中に含まれるO2 が大気と比較して少ないため、短時間に多量のO2 を検出電極580側にポンピングするためには、電極処理用電圧Vrを相対的に大きく設定しなければならず、「未燃成分除去処理」に要する電力消費量の増大を招くこととなる。
【0081】
一方、本実施形態では、大気に接触する基準電極581と検出電極580との間に電極処理用電圧Vrを印加することにより、その大気に含まれるO2 を検出電極580側にポンピングするようにしているため、こうした電力消費量を極力抑えつつ、未燃成分を速やかに且つ確実に除去することができる。
【0082】
次に、上記「未燃成分除去処理」を適切なタイミングで実行するための制御手順について説明する。
まず、「未燃成分除去処理」の実行時期を判定する際の判定手順について説明する。
【0083】
図7は、ECU30により所定時間間隔毎の割込処理として実行される「除去処理時期判定ルーチン」の各処理を示すフローチャートである。
処理がこのルーチンに移行すると、ECU30は、ステップ100においてメモリ32に記憶されている経過時間CTIME及び始動回数CSTATをそれぞれ読み込む。
【0084】
ここで、経過時間CTIMEは、「未燃成分除去処理」が終了してからのエンジン10の総運転時間に相当するものであり、「未燃成分除去処理」が実行されていないときには「1」ずつインクリメントされ、同「未燃成分除去処理」が終了して所定時間が経過したときに「0」にリセットされるカウンタ値である。
【0085】
また、始動回数CSTATは、「未燃成分除去処理」が終了してからのエンジン10の始動回数を示すものであり、エンジン10が始動される度に「1」ずつインクリメントされ、「未燃成分除去処理」が終了して所定時間が経過したときに「0」にリセットされるカウンタ値である。尚、これら経過時間CTIME及び始動回数CSTATの各値は、イグニッションスイッチ28がオフ操作されてエンジン10の運転が停止された後も、ECU30のメモリ32に記憶保持されている。
【0086】
次に、ECU30は、ステップ102においてイグニッション信号IGSWTが「OFF」から「ON」に切り替わったか否か、即ち、今回の制御周期がエンジン10の始動時であるか否かを判断する。ここで始動時である旨判断された場合、ECU30は、ステップ103において、前記始動回数CSTATを「1」だけインクリメントする。このステップ103の処理を実行した後、又はステップ102において始動時ではない旨判断された場合、ECU30は、処理をステップ104に移行する。
【0087】
ステップ104において、ECU30は、前記始動回数CSTATと判定値JCSTATとを比較する。ここで始動回数CSTATが判定値JCSTAT未満である旨判断された場合、ECU30は、処理をステップ106に移行する。そして、ステップ106において、ECU30は、前記経過時間CTIMEと判定値JCTIMEとを比較する。
【0088】
ここで、上記各判定値JCSTAT,JCTIMEはいずれも、測定用ポンプセル582の検出電極580に付着した未燃成分が所定量以上に達したか否かを判断するためのものであり、未燃成分に対する検出電極580の親和性や排出ガスの成分特性等を考慮した実験によって求められ、予めメモリ32に記憶されている値である。
【0089】
エンジン10の始動時には、燃焼室における燃焼状態が不安定となって排出ガス中の未燃成分が増大する傾向がある。特に、始動時においては燃焼状態を安定させるために、インジェクタ23から噴射される燃料が始動完了後と比較して増量されることから、排出ガス中の未燃成分が更に増大するようになる。
【0090】
このため、始動回数CSTATが大きくなるほど、未燃成分を多く含む排出ガスが検出電極580に接触している時間が長くなることになるため、検出電極580に対する未燃成分の付着量が増大していると推定できる。
【0091】
また、経過時間CTIMEに関しても同様に、同経過時間CTIMEが長くなるほど、検出電極580が排出ガスに接触している時間が長くなることから、検出電極580に対する未燃成分の付着量が増大していると推定できる。
【0092】
従って、始動回数CSTATや経過時間CTIMEが適宜求められた上記判定値JCSTAT,JCTIME以上となった場合には、未燃成分の付着量が所定量に達したものと判断することができる。即ち、ステップ104において始動回数CSTATが判定値JCSTAT以上である旨判断された場合や、ステップ106において経過時間CTIMEが判定値JCTIME以上である旨判断された場合はいずれも、ECU30は、未燃成分の付着量が所定量に達したものとして、処理をステップ110に移行する。
【0093】
ステップ110において、ECU30は、除去処理実行フラグXHCRMVが「0」に設定されている否かを判断する。この除去処理実行フラグXHCRMVは、「未燃成分除去処理」を開始する条件が満たされているか否かを判断するためのものであり、検出電極580に対する未燃成分の付着量が増大していると判断されたとき(ステップ104,106で否定判断されたとき)に「1」に設定され、「未燃成分除去処理」が終了して所定時間が経過したときに「0」に設定されるフラグである。
【0094】
ステップ110において除去処理実行フラグXHCRMVが「0」に設定されている旨判断された場合、ECU30は、ステップ112において、この除去処理実行フラグXHCRMVを「1」に設定する。一方、ステップ110において除去処理実行フラグXHCRMVが「1」に設定されている旨判断された場合、ECU30は、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0095】
これに対して、ステップ106において経過時間CTIMEが判定値JCTIME未満である旨判断された場合、検出電極580に対する未燃成分の付着量が未だ所定量に達していないものとして、ECU30は処理をステップ108に移行する。そして、ステップ108において、ECU30は、経過時間CTIMEを「1」だけインクリメントした後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0096】
以上説明した「除去処理時期判定ルーチン」の各処理により、検出電極580に対する未燃成分の付着量が所定量に達した場合には、除去処理実行フラグXHCRMVが「1」に設定される。一方、未燃成分の付着量が所定量に達していない場合には、経過時間CTIMEがインクリメントされるとともに、エンジン10が始動される度に始動回数CSTATがインクリメントされ、それら各カウンタ値CTIME,CSTATがメモリ32に記憶保持されることとなる。
【0097】
次に、「未燃成分除去処理」を実行する際の制御手順について説明する。
図8は、ECU30により所定時間間隔毎の割込処理として実行される「除去処理ルーチン」の各処理を示すフローチャートである。
【0098】
処理がこのルーチンに移行すると、ECU30は、ステップ200においてディレイフラグXDLYが「0」に設定されているか否かを判定する。このディレイフラグXDLYは、後述する「検出モード移行処理」が実行されているか否かを判断するためのものであり、「未燃成分除去処理」が終了したときに「1」に設定され、同処理が終了してから所定時間が経過したときに「0」に設定されるフラグである。
【0099】
ステップ200において、ディレイフラグXDLYが「0」に設定されている旨判断された場合、即ち上記「検出モード移行処理」がまだ開始されていない場合、ECU30は、ステップ202において、前述した除去処理実行フラグXHCRMVが「1」に設定されているか否かを判断する。ここで除去処理実行フラグXHCRMVが「0」に設定されている旨判断された場合、ECU30は本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0100】
一方、ステップ202において除去処理実行フラグXHCRMVが「1」に設定されている旨判断された場合、ECU30は、ステップ204において更に、エンジン10の燃焼室内に供給されている混合気が希薄混合気であるか否かを判断する。ここで、ECU30は、以下の各条件[1],[2]の少なくとも一方が満たされている場合に、混合気が希薄混合気である旨判断する。
[1]燃焼方式として前記希薄燃焼方式が選択されていること
[2]燃料カット制御が実行中であること
上記条件[1]が満たされる場合としては、例えば、暖機運転時ではないこと、急加速時のような高負荷運転時ではないこと等々の条件が全て満たされている場合が挙げられる。因みに、これら各条件の一つが満たされていない場合には、燃焼方式として前記通常燃焼方式が選択されることになる。
【0101】
また、上記条件[2]が満たされる場合としては、例えば、エンジン10が減速中であり、且つ、機関回転数NEが所定回転数以上である場合が挙げられる。ステップ204において混合気が希薄混合気である旨判断された場合、ECU30は、ステップ208において除去処理時間CHCRMVと判定値JCHCRMVとを比較する。
【0102】
ここで、除去処理時間CHCRMVは、「未燃成分除去処理」が開始されてからの経過時間に相当するものであり、「未燃成分除去処理」の実行中は「1」ずつインクリメントされ、「未燃成分除去処理」が終了して所定時間が経過したときに「0」にリセットされるカウンタ値である。
【0103】
また、判定値JCHCRMVは、検出電極580に付着している未燃成分が確実に除去されたか否かを判断するための判定値である。この判定値JCHCRMVは、前記電極処理用電圧Vrの大きさや前述した各判定値JCSTAT,JCTIMEの大きさ等に基づいて実験によって求められ、予めメモリ32に記憶されている値である。
【0104】
例えば、電極処理用電圧Vrが相対的に小さく設定されるほど、この判定値JCHCRMVは大きく設定される。電極処理用電圧Vrが小さくなるほど、検出電極580側にポンピングされるO2 の量が減少して未燃成分の除去速度が低下するため、その除去処理時間を長くする必要があるからである。また、各判定値JCSTAT,JCTIMEが相対的に大きく設定されるほど、この判定値JCHCRMVは大きく設定される。各判定値JCSTAT,JCTIMEが大きく設定されるほど、「未燃成分除去処理」の開始時に、検出電極580に対する未燃成分の付着量が多くなるため、その除去処理時間を長くする必要があるからである。
【0105】
ステップ208において除去処理時間CHCRMVが判定値JCHCRMV以下である旨判断された場合、ECU30は、処理をステップ220に移行して「未燃成分除去処理」を実行する。そして、ECU30は、ステップ222において、除去処理時間CHCRMVを「1」だけインクリメントした後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0106】
一方、ステップ208において除去処理時間CHCRMVが判定値JCHCRMVより大きい旨判断された場合、即ち、「未燃成分除去処理」が継続して所定時間実行されている場合、ECU30は、処理をステップ210に移行する。ステップ210において、ECU30は、ディレイフラグXDLYを「1」に設定する。
【0107】
ステップ210の処理を実行した後、ECU30は、処理をステップ214に移行する。また、前述したステップ200においてディレイフラグXDLYが「0」である旨判断された場合、即ち、今回の制御周期までに「検出モード移行処理」が既に開始されている場合にも同様に、ECU30は、処理をステップ214に移行する。
【0108】
ステップ214において、ECU30は、ディレイ時間CDLYと判定値JCDLYとを比較する。
ここで、ディレイ時間CDLYは、「検出モード移行処理」の実行が開始されてからの経過時間に相当するものであり、この「検出モード移行処理」の実行中は「1」ずつインクリメントされ、同「検出モード移行処理」が終了したときに「0」にリセットされるカウンタ値である。
【0109】
また、判定値JCDLYは、「検出モード移行処理」が開始されてから所定時間が経過したか否か、換言すれば、「未燃成分除去処理」によって一時的に上昇した第1室561及び第2室562の酸素分圧がNOx 濃度の検出可能な圧力値にまで低下したか否かを判断するための値である。この判定値JCDLYは、「検出モード移行処理」において、主ポンプセル572の各電極570,571、測定用ポンプセル582の各電極580,581間にそれぞれ印加される電圧の大きさ等を考慮した実験によって求められ、予めメモリ32に記憶されている値である。
【0110】
ステップ214においてディレイ時間CDLYが判定値JCDLY以下である旨判断された場合、ECU30は、処理をステップ230に移行する。ステップ230において、ECU30は、「検出モード移行処理」を実行する。
【0111】
即ち、ECU30は、NOx 濃度の検出を無効化し、同NOx 濃度に基づいて実行されるEGR率のフィードバック制御をオープンループ制御に切り替える。更に、ECU30は、主ポンプセル572の各電極570,571間、測定用ポンプセル582の各電極580,581間にそれぞれ所定電圧を印加することにより、第1室561及び第2室562内に存在するO2 を強制的に基準ガス導入空間560或いは外部にポンピングする。従って、「未燃成分除去処理」によって一時的に上昇した両室561,562の酸素分圧は、NOx 濃度が検出可能な圧力値にまで徐々に低下するようになる。
【0112】
このように「検出モード以降処理」を実行した後、ECU30は、ステップ232において、前記ディレイ時間CDLYを「1」だけインクリメントし、、本ルーチンの処理を一旦終了する。
一方、ステップ214においてディレイ時間CDLYが判定値JCDLYより大きい旨判断された場合、即ち、「検出モード移行処理」が開始されてから所定時間が経過した場合、ECU30は、ステップ216において、ディレイフラグXDLY及び除去処理実行フラグXHCRMVをいずれも「0」に設定する。更に、ステップ218において、ECU30は、除去処理時間CHCRMV、ディレイ時間CDLY、始動回数CSTAT、及び経過時間CTIMEをいずれも「0」にリセットした後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0113】
また、前述したステップ204において混合気が希薄混合気ではない旨判断された場合、ECU30は、本ルーチンの処理を一旦終了する。従って、今回の制御周期において「未燃成分除去処理」がまだ開始されていない場合には、ステップ204において肯定判断されるまで同処理の開始が遅らされ、「未燃成分除去処理」が既に開始されている場合には、同処理がステップ204において肯定判断されるまで一時的に停止されることとなる。
【0114】
図9及び図10は、上記制御手順に従って「未燃成分除去処理」を実行することによる効果を示す実験結果であり、図9はNOx センサ500からのセンサ出力の時間的推移を、図10はNOx (NO)濃度に対するセンサ出力の大きさをそれぞれ示している。また、これら各図において、実線は本実施形態のセンサ出力を示し、二点鎖線は上記「未燃成分除去処理」を実行しなかった場合のセンサ出力を比較例として示している。
【0115】
これら各図を参照すると、比較例にあっては、時間の経過とともに検出電極580に付着する未燃成分が増大するため、センサ出力はセンサ使用時間(エンジン10の運転時間)の増大とともに徐々に減少しており(図9)、また、センサ出力とNOx 濃度との線形性も失われてしまい、NOx 濃度が1000ppm以上の雰囲気中では、同NOx 濃度が増大してもセンサ出力は殆ど変化しなくなることがわかる(図10)。
【0116】
これに対して、本実施形態では、センサ使用時間が増大してもセンサ出力の変化は殆ど見られず、また、センサ使用時間が100時間に達したときでも、センサ出力とNOx 濃度との線形性が保持されていることがわかる。
【0117】
このように本実施形態によれば、上記制御手順に従って適正なタイミングで「未燃成分除去処理」を実行することにより、未燃成分が検出電極580に付着することに起因した検出精度の低下を抑制し、NOx 濃度検出装置の本来の検出能力を長期間維持することができる。
【0118】
ところで、「未燃成分除去処理」において基準ガス導入空間560から検出電極580側にポンピングされたO2 は、必ずしも検出電極580に付着している未燃成分と反応するわけではなく、第2室562の排出ガス中に存在している未燃成分とも反応することがある。従って、ポンピングされたO2 のうち、このように排出ガス中の未燃成分と反応するO2 の量が増大するようになると、未燃成分を除去速度が低下することとなる。
【0119】
この点、本実施形態では、燃焼室にて燃焼される混合気が希薄混合気であるとき、換言すれば、排出ガス中における未燃成分の濃度が所定値以下であるときに「未燃成分除去処理」を実行するようにしているため、基準ガス導入空間560から検出電極580側にポンピングされるO2 のうち、第2室562の排出ガス中に存在する未燃成分と反応してしまうO2 の量が減少する。その結果、本実施形態によれば、検出電極580に付着している未燃成分を効率的に除去することができる。
【0120】
また、本実施形態では、前記条件[1]燃焼方式として希薄燃焼方式が選択されていること、[2]燃料カット制御が実行中であること、の一方が満たされているか否かを判断することにより、燃焼室にて燃焼される混合気が希薄混合気であることを確実に判断することができる。そして、その確実な判断に基づいて「未燃成分除去処理」が実行されるため、未燃成分の除去を更に効率的に行うことができる。
【0121】
更に、本実施形態では、経過時間CTIMEや始動回数CSTATに基づいて検出電極580に対する未燃成分の付着量を容易に且つ正確に推定することができる。
【0122】
そして、これら経過時間CTIMEや始動回数CSTATが判定値JCTIME,JCSTAT以上になったことを「未燃成分除去処理」の開始条件としているため、検出電極580に付着した未燃成分が所定量より少なく検出精度に及ぼす影響が小さいときには、「未燃成分除去処理」が実行されることはなく、従って、NOx 濃度検出装置によるNOx 濃度の検出が中断されてしまうこともない。その結果、本実施形態によれば、「未燃成分除去処理」が頻繁に実行されることに起因して、NOx 濃度検出装置の本来の機能が低下してしまうことを極力抑制することができる。
【0123】
ところで、電極処理用電圧Vrの印加に基づいて基準ガス導入空間560内のO2 が第2室562に強制的にポンピングされることにより、検出電極580近傍における酸素分圧がNOx 濃度の検出時における圧力値よりも一時的に上昇するようになる。従って、こうした状況下でNOx 濃度の検出が実行されると同NOx 濃度の誤検出を招くおそれがある。
【0124】
この点、本実施形態によれば、「未燃成分除去処理」の終了時から前記「検出モード移行処理」を実行することにより、所定時間が経過して第2室562内の酸素分圧がNOx 濃度の検出が可能な圧力値にまで低下するまでは、NOx 濃度の検出を無効化するとともに、EGR率のフィードバック制御をオープンループ制御に切り替えるようにしている。その結果、NOx 濃度の誤検出を防止することができるとともに、誤検出されたNOx 濃度に基づいてEGR率の制御が行われてしまうことを未然に防止することができる。
【0125】
特に、本実施形態では、NOx 濃度の検出を無効化するとともに、主ポンプセル572及び測定用ポンプセル582を用いて第1室561及び第2室562内のO2 を基準ガス導入空間560や外部にポンピングするようにしているため、両室561,562内の酸素分圧をNOx 濃度の検出が可能な圧力値にまで速やかに低下させることができ、「未燃成分除去処理」が終了してからNOx 濃度の検出が可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0126】
以上説明したように、本実施形態のNOx 濃度検出装置によれば、以下に示すような効果を奏することができる。
(1)排出ガス中の未燃成分が検出電極580に付着することに起因した検出精度の悪化を防止することができる。
【0127】
(2)Ptの酸化触媒作用により、未燃成分の除去処理に要する電力消費量の増大を抑えつつ、未燃成分を速やかに且つ確実に除去することができる。
(3)Rhに対するPtの重量比を1〜5%とすることにより、Rhの還元作用の低下に起因したNOx センサ500のS/N比の低下を抑制しつつ、未燃成分を確実に除去することができる。
【0128】
(4)基準ガス導入空間560内の大気に含まれるO2 を第2室562にポンピングさせるようにしたため、未燃成分の除去処理に要する電力消費量を極力抑えつつ、未燃成分を速やかに且つ確実に除去することができる。
【0129】
(5)適正なタイミングで未燃成分の除去処理を実行することができ、NOx濃度検出装置の本来の検出能力を長期間維持することができる。
(6)第2室562にポンピングされるO2 のうち、排出ガス中の未燃成分と反応するO2 の量を極力減少させ、未燃成分を効率的に除去することができる。
【0130】
(7)燃焼室にて燃焼される混合気が希薄混合気であることを確実に判断することができ、その判断に基づいて未燃成分の除去を更に効率的に行うことができる。
【0131】
(8)経過時間CTIMEや始動回数CSTATに基づいて検出電極580に対する未燃成分の付着量を容易に且つ正確に推定することができる。
(9)未燃成分の除去処理が頻繁に実行されることに起因してNOx 濃度検出装置の本来の機能が低下してしまうことを極力抑制することができる。
【0132】
(10)NOx 濃度の誤検出を防止することができ、誤検出されたNOx 濃度に基づいてEGR率の制御が行われてしまうことを未然に防止することができる。
【0133】
(11)未燃成分の除去処理が終了してからNOx 濃度の検出が可能になるまでの時間を短縮することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施形態について上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、上記第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0134】
第1の実施形態では、除去処理実行フラグXHCRMVが「1」に設定された後、混合気が希薄混合気となったときに「未燃成分除去処理」を実行するようにしたが、本実施形態では、除去処理実行フラグXHCRMVが「1」に設定された後、エンジン10の運転が停止されたときに「未燃成分除去処理」を実行するようにしている。以下、こうした制御手順について、「除去処理ルーチン」の各処理を示す図11のフローチャートを参照して説明する。
【0135】
処理がこのルーチンに移行すると、ECU30は、ステップ300において、除去処理実行フラグXHCRMVが「1」に設定されているか否かを判断する。本実施形態においても、この除去処理実行フラグXHCRMVの操作は、前述した「除去処理時期判定ルーチン」にて行われ、検出電極580に対する未燃成分の付着量が所定量に達したと判断された場合(図8に示すステップ104,106の少なくとも一方において否定判断された場合)に「1」に設定される。
【0136】
ここで、本実施形態では、前記各判定値JCSTAT,CTIMEの大きさをいずれも第1の実施形態と比較して小さく設定することにより、前述した未燃成分の付着量に関する所定量を相対的に小さく設定するようにしている。このように各判定値JCSTAT,JCTIMEを設定するようにしたのは、本実施形態では、前述したように除去処理実行フラグXHCRMVが「1」に設定されても、エンジン10の運転が停止されるまでの期間は「未燃成分除去処理」が実行されないため、同期間に検出精度が低下したままNOx 濃度の検出が行われてしまうことを防止するためである。
【0137】
ステップ300において除去処理実行フラグXHCRMVが「1」に設定されている旨判断された場合、ECU30は、ステップ302において更に、イグニッション信号IGSWTが「OFF」であるか否かを判断する。
【0138】
このステップ302においてイグニッション信号IGSWTが「OFF」である旨判断された場合、換言すれば、エンジン10の運転が停止され、EGR装置19による排出ガスの再循環を行う必要がない場合、ECU30は、処理をステップ306に移行する。ステップ306において、ECU30は、除去処理時間CHCRMVと判定値JCHCRMVとを比較する。そして、ここで除去処理時間CHCRMVが判定値JCHCRMV以下である旨判断された場合、ECU30は、処理をステップ320に移行して第1の実施形態と同様、「未燃成分除去処理」を実行する。そして、ECU30は、ステップ322において、除去処理時間CHCRMVを「1」だけインクリメントした後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0139】
一方、ステップ306において除去処理時間CHCRMVが判定値JCHCRMVより大きい旨判断された場合、即ち、「未燃成分除去処理」が継続して所定時間実行されている場合、ECU30は、処理をステップ308に移行する。
ステップ308において、ECU30は、除去処理実行フラグXHCRMVを「0」に設定する。更に、ステップ218において、ECU30は、除去処理時間CHCRMV、始動回数CSTAT、及び経過時間CTIMEをいずれも「0」にリセットした後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0140】
また、前述したステップ300において、除去処理実行フラグXHCRMVが「0」である旨判断された場合、或いは、ステップ302においてイグニッション信号IGSWTが「ON」である旨判断された場合はいずれも、ECU30は、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0141】
以上説明したような制御手順に従って「未燃成分除去処理」を実行することにより、本実施形態においても上記第1の実施形態の(1)〜(5),(8)に記載した効果に加え、更に以下のような効果を奏することができる。
【0142】
(12)即ち、本実施形態によれば、エンジン10の運転が停止された後に、未燃成分の除去処理を行うようにしているため、同処理の実行によってEGR率のフィードバック制御が中断されてしまうことがない。従って、エンジン10におけるEGR量を常に精度良く制御することができるようになり、エミッションの向上を図ることができる。
【0143】
(13)更に、本実施形態によれば、未燃成分の除去処理後にNOx 濃度の検出を短時間のうちに再開する必要がないため、NOx 濃度の誤検出を未然に防止することができる。
【0144】
以上、本発明を具体化した実施形態について説明したが、上記各実施形態は以下のように構成を変更して実施することもできる。
・第1の実施形態では、「検出モード移行処理」において、主ポンプセル572及び測定用ポンプセル582により第1室561及び第2室562内のO2 を基準ガス導入空間560又は外部にポンピングするようにしたが、例えば、以下のような構成を採用することもできる。
【0145】
即ち、図12に示すように、第2の固体電解質層554の下面において第2室562の内部に位置する部分に、内側補助ポンプ電極670を設けるとともに、第2の固体電解質層554の上面において内側補助ポンプ電極670と対応する部分に外側補助ポンプ電極671を設けるようにする。そして、これら内側補助ポンプ電極670及び外側補助ポンプ電極671と、第2の固体電解質層554において各電極670,671に挟まれた部分とにより、補助ポンプセル672を構成する。そして、「検出モード移行処理」において、主ポンプセル572及び測定用ポンプセル582に加え、この補助ポンプセル672により第1室561及び第2室562内のO2 を基準ガス導入空間560又は外部にポンピングするようにしてもよい。
【0146】
こうした構成によれば、短時間のうちに第1室561及び第2室562の酸素分圧を低下させることができ「未燃成分除去処理」が終了してからNOx 濃度の検出が可能になるまでの時間を更に短縮することができる。
【0147】
・第1の実施形態では、混合気が希薄混合気であることを条件として「未燃成分除去処理」を実行するようにしたが、例えば、吸気通路11のエアフローメータ(図示略)により検出される吸入空気量が所定値以下であることを更に実行条件に加えるようにしてもよい。排気通路12に排出される排出ガスの量は吸入空気量に応じて変化するものであり、同空気量が少ないほど前記第2室562中における未燃成分の絶対量が少なくなる傾向があるからである。
【0148】
また、EGR装置19による排出ガスの再循環が停止されたこと(EGR率=0)を条件として「未燃成分除去処理」を実行するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、「未燃成分除去処理」において測定用ポンプセル582の各電極580,581間に、電極処理用電圧Vrを連続的に印加するようにしたが、この電極処理用電圧Vrの印加態様を、排出ガス中に含まれる未燃成分の濃度等に応じて、例えば、ステップ状或いはパルス状に変更することもできる。
【0149】
・上記各実施形態において、「未燃成分除去処理」を実行する際に前記ヒータ部510の発熱体513に対する供給電力を一時的に増大させることにより、検出部550、特に、検出電極580近傍の温度を更に上昇させるようにしてもよい。このような構成によれば、検出電極580に付着している未燃成分とO2 との酸化反応を更に促進させることができ、未燃成分を速やかに且つ確実に除去することができる。特に、第2の実施形態では、エンジン10の運転が停止した後に「未燃成分除去処理」を実行するようにしているため、排出ガスの熱によって検出電極580の近傍が加熱されることがないため、上記のような構成は特に有効である。
【0150】
・上記各実施形態では、検出電極580の形成材料に酸化触媒としてPtを均一に混合するようにしたが、所定の酸化触媒作用を奏し得るものであれば、上記酸化触媒はこのPtに限定されるものではない。更に、上記各実施形態のように検出電極580の形成材料中にPtを均一に添加する構成の他、例えば、ドット状やストライブ状をなすように、検出電極580の一部をPtによって形成するようにしてもよい。
【0151】
・上記各実施形態では、測定用ポンプセル582の検出電極580及び基準電極581間に検出用電圧Vp2を印加し、これら両電極間580,581に流れるポンプ電流Ip2に基づきNOx 濃度を検出するようにしたが、例えば、検出電極580と主ポンプセル572の外側ポンプ電極571との間に検出用電圧Vp2を印加し、このときに両電極571,580間に流れるポンプ電流Ip2に基づいてNOx 濃度を検出するようにしてもよい。更に、第2の固体電解質層554の上面に別の電極を設け、この電極と検出電極580との間に検出用電圧Vp2を印加したときのポンプ電流Ip2に基づいてNOx 濃度を検出することもできる
・上記各実施形態では、NOx 濃度検出装置により検出されるNOx 濃度に基づいて、EGR率をフィードバック制御するようにした。これに対して、NOx センサ500を触媒コンバータ17の下流側に設け、NOx 濃度装置により検出されるNOx 濃度に基づいて触媒コンバータ17の劣化判定を行うようにしてもよい。このような構成によれば、触媒コンバータ17の劣化判定を行う際の誤判定が防止でき、その劣化を確実に判定することができる。
【0152】
・上記各実施形態では、車両用ガソリンエンジン10に備えられたNOx 濃度検出装置として本発明を具体化するようにしたが、例えば、定置動力用、船舶用のエンジンやその他の燃焼機器用のNOx 濃度検出装置として具体化することもできる。また、ガソリンエンジンに限られずディーゼルエンジンのNOx 濃度検出装置として適用することもできる。更に、NOx 濃度検出装置に限られず、排出ガス中の酸素濃度を直接検出する酸素濃度検出装置として本発明を具体化することもできる。
【0153】
上記各実施形態から把握できる技術的思想についてその効果とともに以下に記載する。
(1)請求項1乃至12に記載した酸素濃度検出装置において、前記電極処理用電圧の印加が終了したときから所定時間が経過するまで前記電流値に基づく酸素濃度の検出を無効化する無効化手段を更に備えたことを特徴とする。
【0154】
第1の電極及び第2の電極間に電極処理用電圧が印加され、第2の電極から第1の電極へと酸素が移動すると、第1の電極近傍における酸素濃度は被測定ガス中に含まれる酸素の濃度よりも一時的に上昇するようになる。従って、こうした状況下で酸素濃度の検出が実行されると、被測定ガス中に含まれる酸素の濃度を誤検出するおそれがある。
【0155】
この点、上記構成によれば、各電極間への電極処理用電圧の印加が終了したときから所定時間が経過して、第1の電極近傍における酸素濃度が再び本来の酸素濃度にまで戻った後に酸素濃度の検出が行われるようになる。その結果、未燃成分の除去処理が行われることに起因した酸素濃度の誤検出を回避することができる。
【0156】
【発明の効果】
請求項1乃至12に記載した発明によれば、電極処理用電圧が第1の電極と第3の電極間に印加されることにより、第3の電極から固体電解質を介して第1の電極へと酸素が移動し、第1の電極に付着している未燃成分はこの酸素と反応して燃焼し除去されるようになる。その結果、未燃成分を多量に含む被測定ガス雰囲気下で使用されたとしても、その未燃成分が第1の電極に付着することに起因した検出精度の悪化を防止することができる。
【0161】
請求項1乃至5に記載した発明によれば、電圧印加条件を適宜設定することにより、第1の電極に付着している未燃成分を適正なタイミングで除去することができ、酸素濃度検出装置における本来の検出能力を長期間維持することができる。
【0162】
特に、請求項1又は2に記載した発明によれば、被測定ガスにおける未燃成分の濃度が所定値以下であるときに未燃成分の除去処理が行われるため、第1の電極側に移動する酸素のうち、被測定ガス中の未燃成分と反応する酸素の量が減少するようになる。その結果、第1の電極に付着している未燃成分を効率的に除去することができる。
【0163】
更に、請求項1又は2に記載した発明によれば、被測定ガス、即ち排出ガスにおける未燃成分の濃度が所定値以下となったことが確実に判断され、その判断に基づいて未燃成分の除去処理が実行されるようになるため、未燃成分を更に効率的に除去することができる。
【0164】
また、請求項3乃至5に記載した発明によれば、第1の電極に付着した未燃成分が所定量未満であって検出精度への影響が小さいときには、未燃成分の除去処理が実行されないようになる。その結果、未燃成分の除去処理が必要以上に実行されて酸素濃度の検出が頻繁に中断されるような状況を回避することができ、酸素濃度検出装置の本来の機能が低下してしまうことを極力抑制することができる。
【0165】
特に、請求項4によれば、上記効果に加えて、未燃成分の除去処理に要する電力消費量を抑えつつ、第1の電極に付着している未燃成分を効率的に除去することができる。
【0166】
また、請求項5に記載した発明によれば、第1の電極に対する未燃成分の付着量との相関性が高い燃焼機器の作動時間及び始動回数の少なくとも一方に基づいて、第1の電極に対する未燃成分の付着量が容易に且つ正確に推定されるようになる。その結果、酸素濃度検出装置の本来の機能を極力抑制するといった効果をより確実に奏することができる。
また、請求項8に記載した発明によれば、より多量の酸素が第3の電極から第1の電極へと移動するようになるため、未燃成分の除去処理に要する電力消費量を抑えつつ、未燃成分を速やかに且つ確実に除去することができる。
請求項9乃至12に記載した発明によれば、第1の電極及び第3の電極間に流れる電流値に基づいて排出ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を検出することができる。
特に、請求項10乃至12に記載した発明によれば、還元触媒材料に含まれる酸化触媒材料によって上記未燃成分と酸素との酸化反応が促進されるようになる。その結果、未燃成分の除去処理に要する電力消費量を抑えつつ、未燃成分を速やかに且つ確実に除去することができる。
また更に、請求項12に記載した発明によれば、ロジウムにおける還元作用の低下が極力抑えられたうえで、白金による未燃成分の酸化促進作用が確実に奏せられるようになる。その結果、還元作用の低下に起因した検出精度(S/N比)の低下を抑制しつつ、未燃成分を確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】NOx 濃度検出装置を示す概略構成図。
【図2】NOx センサの断面図。
【図3】図2の3−3線に沿った断面図。
【図4】図2の4−4線に沿った断面図。
【図5】検出電極に付着した未燃成分と排出ガス中のNOx とが反応する様子を示す説明図。
【図6】検出電極に付着した未燃成分が除去される様子を示す説明図。
【図7】未燃成分の除去処理時期を判定する際の手順を説明するためのフローチャート。
【図8】第1の実施形態における未燃成分の除去処理手順を説明するためのフローチャート。
【図9】センサ使用時間とセンサ出力との関係を示すグラフ。
【図10】NOx 濃度とセンサ出力との関係を示すグラフ。
【図11】第2の実施形態における未燃成分の除去処理手順を説明するためのフローチャート。
【図12】NOx センサの構成変更例を示す断面図。
【符号の説明】
10…エンジン、17…触媒コンバータ、19…EGR装置、20…EGR通路、21…制御弁、28…イグニッションスイッチ、30…ECU、500…NOx センサ、510…ヒータ部、550…検出部、552…第1の固体電解質層、560…基準ガス導入空間、580…検出電極、581…基準電極、582…測定用ポンプセル。
Claims (12)
- 固体電解質体に第1の電極及び第2の電極が配設され、前記第1の電極に接触する被測定ガス中の酸素を当該第1の電極から前記固体電解質体を介して前記第2の電極に移動させるべく前記各電極間に電圧を印加するとともに、前記酸素の移動により前記各電極間に流れる電流値に基づいて前記被測定ガス中の酸素の濃度を検出するようにした酸素濃度検出装置において、
前記固体電解質体を介して前記第1の電極へ酸素を移動させ前記第1の電極に付着している未燃成分と反応させるべく当該第1の電極との間で電極処理用電圧が印加される第3の電極と、
所定の電圧印加条件が満たされたときにのみ前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記電極処理用電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記被測定ガスは燃焼機器の排出ガスであり、
前記電圧印加手段は前記被測定ガス中における未燃成分の濃度が所定値以下であることを前記電圧印加条件とし、前記燃焼機器に対する燃焼用燃料の供給が停止されているときに前記未燃成分の濃度が所定値以下であると判断する
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 固体電解質体に第1の電極及び第2の電極が配設され、前記第1の電極に接触する被測定ガス中の酸素を当該第1の電極から前記固体電解質体を介して前記第2の電極に移動させるべく前記各電極間に電圧を印加するとともに、前記酸素の移動により前記各電極間に流れる電流値に基づいて前記被測定ガス中の酸素の濃度を検出するようにした酸素濃度検出装置において、
前記固体電解質体を介して前記第1の電極へ酸素を移動させ前記第1の電極に付着している未燃成分と反応させるべく当該第1の電極との間で電極処理用電圧が印加される第3の電極と、
所定の電圧印加条件が満たされたときにのみ前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記電極処理用電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記被測定ガスは希薄燃焼を実行可能な燃焼機器の排出ガスであり、
前記電圧印加手段は前記被測定ガス中における未燃成分の濃度が所定値以下であることを前記電圧印加条件とし、前記燃焼機器における燃焼状態が希薄燃焼状態であるときに前記未燃成分の濃度が所定値以下であると判断する
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 固体電解質体に第1の電極及び第2の電極が配設され、前記第1の電極に接触する被測定ガス中の酸素を当該第1の電極から前記固体電解質体を介して前記第2の電極に移動させるべく前記各電極間に電圧を印加するとともに、前記酸素の移動により前記各電極間に流れる電流値に基づいて前記被測定ガス中の酸素の濃度を検出するようにした酸素濃度検出装置において、
前記固体電解質体を介して前記第1の電極へ酸素を移動させ前記第1の電極に付着している未燃成分と反応させるべく当該第1の電極との間で電極処理用電圧が印加される第3の電極と、
所定の電圧印加条件が満たされたときにのみ前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記電極処理用電圧を印加する電圧印加手段と、
前記第1の電極に対する未燃成分の付着量を前記被測定ガスと前記第1の電極との接触時間に基づいて推定する推定手段とを備え、
前記電圧印加手段は推定される前記未燃成分の付着量が所定量以上であることを前記電圧印加条件とする
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 請求項3に記載した酸素濃度検出装置において、
前記電圧印加手段は前記推定手段により推定される前記未燃成分の付着量が所定量以上であり且つ前記未燃成分の濃度が所定値以下であることを前記電圧印加条件とする
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 請求項3又は4に記載した酸素濃度検出装置において、
前記被測定ガスは燃焼機器の排出ガスであり、
前記推定手段は前記燃焼機器の作動時間及び始動回数の少なくとも一方に基づいて前記第1の電極に対する前記未燃成分の付着量を推定する
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載した酸素濃度検出装置において、
前記第3の電極は前記第2の電極と同一の電極として前記固体電解質体に配設されている
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載した酸素濃度検出装置において、
前記第3の電極は前記第2の電極と各別の電極として前記固体電解質体に配設されている
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 請求項1〜7のいずれかに記載した酸素濃度検出装置において、
前記固体電解質体は大気が導入される大気導入空間を有し、
前記第3の電極は前記大気導入空間の大気に接触するように前記固体電解質体に配設される
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載した酸素濃度検出装置において、
前記第1の電極を前記被測定ガス中に含まれる窒素酸化物の還元触媒として機能する還元触媒材料により形成し、同第1の電極の還元作用に基づき前記窒素酸化物から分解される酸素が同第1の電極から前記固体電解質体を介して前記第2の電極に移動するときに前記各電極間に流れる電流値に基づいて前記被測定ガス中の酸素の濃度を検出する
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 請求項9に記載した酸素濃度検出装置において、
前記還元触媒材料は酸化触媒材料を所定量含む
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 請求項10に記載した酸素濃度検出装置において、
前記還元触媒材料はロジウムであり、
前記酸化触媒材料は白金である
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 請求項11に記載した酸素濃度検出装置において、
前記ロジウムに対する前記白金の重量比が1〜5%である
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
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