JP2004036458A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バイフューエルエンジン等、2種の異種燃料を使用する内燃機関の燃料供給装置として、各タンク内燃料の温度上昇を抑制しつつ、それら燃料の噴射供給性能についてもこれを好適に維持可能な内燃機関の燃料供給装置を提供する。
【解決手段】LPGおよびガソリンを燃料として使用するバイフューエルエンジンは、それぞれの燃料の供給系統として各別に設けられたLPG燃料系20とガソリン燃料系30とを有する。各燃料の供給系統はそれぞれ、デリバリパイプ21,31、インジェクタ22,32、燃料タンク23,33、および燃料ポンプ24,34等を備える。デリバリパイプ21,31にはそれぞれに滞留する燃料の温度を検出する温度センサ26,36が設けられ、エンジンの燃焼燃料として使用されていない供給系統のデリバリパイプに滞留している燃料の温度が上限設定値に到達すると、電子制御ユニット40はその供給系統の燃料ポンプを駆動する。
【選択図】 図2
【解決手段】LPGおよびガソリンを燃料として使用するバイフューエルエンジンは、それぞれの燃料の供給系統として各別に設けられたLPG燃料系20とガソリン燃料系30とを有する。各燃料の供給系統はそれぞれ、デリバリパイプ21,31、インジェクタ22,32、燃料タンク23,33、および燃料ポンプ24,34等を備える。デリバリパイプ21,31にはそれぞれに滞留する燃料の温度を検出する温度センサ26,36が設けられ、エンジンの燃焼燃料として使用されていない供給系統のデリバリパイプに滞留している燃料の温度が上限設定値に到達すると、電子制御ユニット40はその供給系統の燃料ポンプを駆動する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に燃料を噴射供給する内燃機関の燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
使用燃料を切り替えて作動させることのできる内燃機関、いわゆるバイフューエルエンジンが知られている。このバイフューエルエンジンにあっては、使用する燃料をその運転情況等に応じて適宜選択することによって、燃料経費や出力特性、あるいは始動性など、それぞれの燃料の利点を生かした機関稼働を可能としている。
【0003】
そして従来、こうしたバイフューエルエンジンとしては、たとえばガソリンと液化石油ガス(LPG)とを燃料として使用する車両用エンジンがある(たとえば特開平1−216034号公報参照)。この場合、ガソリンおよびLPGの各燃料のためにそれぞれ各別の燃料供給系統が設けられており、それら各燃料がそれぞれ専用の燃料供給系統を介してエンジンに噴射供給される。
【0004】
また一方で、LPG等の液化ガス燃料を使用するエンジンにおいても、従来の気相状態ではなく、ガソリンと同様、液相状態にて燃料を噴射供給する燃料供給装置が用いられるようになってきている。こうした燃料供給装置では、燃料噴射弁(インジェクタ)とともに燃料噴射機構を構成するデリバリパイプに対して、燃料タンクに貯留されている燃料が燃料ポンプにより圧送され、この圧送された燃料がインジェクタを通じてエンジンの吸気通路等に噴射供給される構成となっている。
【0005】
ここで、上記バイフューエルエンジンの燃料供給装置として、たとえば上述のLPGおよびガソリンの燃料供給系統が各別に設けられる場合、ガソリンが燃料として使用されるガソリン運転時には、ガソリン用燃料ポンプが作動されて、その専用の燃料噴射機構からガソリンが当該エンジンに噴射供給される。なおこのとき、LPG用燃料ポンプは停止されている。また、LPGが燃料として使用されるLPG運転時には、LPG用燃料ポンプが作動されて、その専用の燃料噴射機構から液相のLPGが同エンジンに噴射供給される。またこのときには、ガソリン用燃料ポンプが停止されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記デリバリパイプおよびインジェクタを有して構成される燃料噴射機構は通常、エンジンに燃料を噴射供給する目的から自ずとエンジンの燃焼室近傍に配設されるため、エンジンからの輻射熱等を受けてその温度が上昇しやすい環境にある。したがって、上記バイフューエルエンジンの燃料供給装置の場合、使用されていない側の燃料の供給系統においては、その対応する燃料ポンプが作動していないためにデリバリパイプ内に燃料が滞留されたまま、その温度上昇が促進されるようになる。そして、こうした状態で使用燃料の切替えが行われると、この温度上昇により気化した燃料(ベーパ)がその対応する燃料噴射機構のインジェクタから噴射されることになる。すなわち、本来、液相にて燃料が噴射されるべく設けられたインジェクタから気相の燃料が噴射されることとなり、所望とされる燃料噴射量が確保できなくなる。その結果、エンジンの空燃比が意図せずリーン(希薄燃焼)側に移行することとなり、内燃機関としての運転性を損なうことにもなる。こうした問題は、燃料をガソリンからLPGに切り替えるときに、そしてデリバリパイプ内が高温になっている状態でエンジンが停止され、そののちにエンジンが再始動されるような場合に特に顕著となる。
【0007】
なお、上記問題を回避するために、
(イ)上記各燃料供給系統を、デリバリパイプに滞留している燃料をその下流から対応する燃料タンクに帰還させる、いわゆるフューエルリターン式の構造とする。
(ロ)そして、使用されていない側の燃料の燃料ポンプについてもこれを、使用されている側の燃料の燃料ポンプと同様に作動させておく。
といった対策も考えられる。しかしこの場合には、デリバリパイプにて加熱されて温度の上昇した燃料がすべて燃料タンクに戻されることともなるため、燃料タンクの温度や圧力が設計値を超えて上昇してしまったり、燃料タンク内でのベーパの発生量が許容量を超えてしまったりすることが新たに懸念されるようになる。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バイフューエルエンジン等、2種の異種燃料を使用する内燃機関の燃料供給装置として、各タンク内燃料の温度上昇を抑制しつつ、それら燃料の噴射供給性能についてもこれを好適に維持することのできる内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の燃料供給装置として、第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成されるものであって、前記第1および第2の燃料の一方を使用しての前記内燃機関の運転中、他方の燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値を監視し、該監視する温度もしくはその相当値が当該燃料の気化を促す所定の条件を満たすとき、該他方の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備えることをその要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、上記一方の燃料を使用して内燃機関を運転中に、他方の燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値が当該燃料の気化を促す所定の条件を満たすとき、使用されていない他方の燃料の燃料循環機構が能動とされる。このため、この燃料循環機構が能動とされている期間、上記他方の燃料の燃料噴射機構内にはそれに対応する燃料供給系統の燃料タンク内の燃料が循環され、燃料噴射機構内の燃料は気化が抑制されて液相に維持されるようになる。これにより、上記第1および第2の異なる燃料のいずれに対しても、使用されていない側の燃料についてタンク内燃料の温度上昇を抑制しつつも、内燃機関への燃料供給性能の好適な維持が可能となる。なお、上記他方の燃料についての燃料噴射機構内の温度の相当値として、たとえば燃料噴射機構そのものの温度等を使うことができる。また、これら温度のみを使う構成に限らず、上記他方の燃料がその燃料供給系統に密閉した態様にて封入されている場合には、その燃料の飽和蒸気圧特性に基づく温度と圧力とから上記気化を促す所定の条件を設定してもよい。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、内燃機関の燃料供給装置として、第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成されるものであって、前記第1の燃料を使用しての前記内燃機関の運転中、前記第2の燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値を監視し、該監視する温度もしくはその相当値が該第2の燃料の気化を促す所定の条件を満たすとき、該第2の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備えることをその要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、上記第1の燃料を使用して内燃機関を運転中に、上記第2の燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値が当該燃料の気化を促す所定の条件を満たすとき、使用されていない第2の燃料の燃料循環機構が能動とされる。このため、この燃料循環機構が能動とされている期間、第2の燃料の燃料噴射機構内にはそれに対応する燃料タンク内の燃料が循環され、燃料噴射機構内の第2の燃料は気化が抑制されて液相に維持されるようになる。これにより、上記第2の燃料に対して、タンク内燃料の温度上昇を抑制しつつも、内燃機関への燃料供給性能の好適な維持が可能となる。なお、上記第2の燃料についての燃料噴射機構内の温度の相当値として、たとえば燃料噴射機構そのものの温度等を使うことができる。また、これら温度のみを使う構成に限らず、上記第2の燃料がその燃料供給系統に密閉した態様にて封入されている場合には、その第2の燃料の飽和蒸気圧特性に基づく温度と圧力とから上記気化を促す所定の条件を設定してもよい。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記制御手段は、前記監視対象とする燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値を検出するセンサを備え、該センサを通じて検出される燃料の温度もしくはその相当値が、当該燃料が気化される上限設定値に達する条件で前記監視対象とする燃料の燃料循環機構を能動とし、当該燃料の気化が抑制される下限設定値に達する条件で同監視対象とする燃料の燃料循環機構を非能動とすることをその要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、上記監視対象とされる燃料噴射機構内の燃料の温度もしくはその相当値が上記センサを通じて確実に検出される。そして、そのセンサを通じて検出される値に基づいて当該燃料が気化される上限設定値に達する条件で監視対象とする燃料の燃料循環機構が能動とされるとともに、同燃料の気化が抑制される下限設定値に達する条件で同燃料循環機構が非能動とされる。したがって、監視対象とする燃料の燃料循環機構が、的確な時期に的確な期間、能動とされるようになる。なお、上記センサとしては、たとえば燃料温度を直接検出する燃料温度センサがある。また、この燃料温度の相当値として燃料噴射機構そのものの温度が用いられる場合には、該燃料噴射機構に配設した温度センサを用いてもよい。さらに、同相当値として当該燃料の圧力が用いられる場合には、同燃料噴射機構等に配設した圧力センサを用いてもよい。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記制御手段は、当該燃料供給装置近傍の環境温度を監視する手段をさらに備え、該監視する環境温度に基づいて前記上限設定値および下限設定値の少なくとも一方を可変設定することをその要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、上記燃料供給装置近傍の環境温度を監視する手段、たとえば外気温度あるいは上記内燃機関の冷却水温度を検出する手段等によって検出された環境温度に基づき、上記上限設定値および下限設定値の少なくとも一方が可変設定される。このため、上記燃料噴射機構を能動とする時期や期間をより的確なものとすることができるようになる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、内燃機関の燃料供給装置として、第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成されるものであって、前記第1および第2の燃料の一方を使用しての前記内燃機関の運転中、あらかじめ設定した第1の時間が経過することに基づいて、あらかじめ設定した第2の時間だけ、他方の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備えることをその要旨とする。
【0018】
上記構成によれば、上記一方の燃料を使用して内燃機関を運転中に、所定時間の経過毎にあらかじめ設定された時間だけ、使用されていない他方の燃料の燃料循環機構が能動とされる。このため、この燃料循環機構が能動とされている期間、上記他方の燃料の燃料噴射機構内にはそれに対応する燃料供給系統の燃料タンク内の燃料が循環され、燃料噴射機構内の燃料は気化が抑制されて液相に維持されるようになる。これにより、上記第1および第2の異なる燃料のいずれに対しても、使用されていない側の燃料についてタンク内燃料の温度上昇を抑制しつつも、内燃機関への燃料供給性能の好適な維持が各種センサを必ずしも必要としない簡素な構成にて可能となる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、内燃機関の燃料供給装置として、第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成されるものであって、前記第1の燃料を使用しての前記内燃機関の運転中、あらかじめ設定した第1の時間が経過することに基づいて、あらかじめ設定した第2の時間だけ、前記第2の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備えることをその要旨とする。
【0020】
上記構成によれば、上記第1の燃料を使用して内燃機関を運転中に、所定時間の経過毎にあらかじめ設定された時間だけ、使用されていない第2の燃料の燃料循環機構が能動とされる。このため、この燃料循環機構が能動とされている期間、第2の燃料の燃料噴射機構内にはそれに対応する燃料タンク内の燃料が循環され、燃料噴射機構内の第2の燃料は気化が抑制されて液相に維持されるようになる。これにより、上記第2の燃料に対して、タンク内燃料の温度上昇を抑制しつつも、内燃機関への燃料供給性能の好適な維持が各種センサを必ずしも必要としない簡素な構成にて可能となる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記制御手段は、当該燃料供給装置近傍の環境温度を監視する手段をさらに備え、該監視する環境温度に基づいて前記第1および第2の時間の少なくとも一方を可変設定することをその要旨とする。
【0022】
上記構成によれば、上記燃料供給装置近傍の環境温度を監視する手段、たとえば外気温度あるいは上記内燃機関の冷却水温度を検出する手段等によって検出された環境温度に基づき、上記第1および第2の時間の少なくとも一方が可変設定される。このため、上記燃料噴射機構を能動とする時期や期間をより的確なものとすることができるようになる。
【0023】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記制御手段は、前記第1および第2の燃料の切替えに際し、その切替えに先だって所定の期間だけ、切替え後に使用対象となる燃料の燃料循環機構をあらかじめ能動とする手段をさらに備えることをその要旨とする。
【0024】
上記構成によれば、上記第1および第2の燃料の切替えに際し、切替え後に使用対象となる燃料の燃料噴射機構がその切替えに先だってあらかじめ所定の時間、能動とされる。このため、切替えの時点で当該燃料循環機構内の燃料がより確実に液相状態とされる。これにより、内燃機関へのそれら燃料の噴射供給性能の維持がより確実なものとなる。
【0025】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記燃料循環機構は、該当する燃料タンク内の燃料を前記燃料噴射機構に圧送するための燃料ポンプ、および前記燃料噴射機構の下流から該燃料噴射機構内の滞留燃料を前記燃料タンクに還流させるための還流経路を備えて構成され、前記制御手段は、前記燃料ポンプを駆動することによって前記燃料循環機構を能動とし、同燃料ポンプの駆動を停止することによって同燃料循環機構を非能動とすることをその要旨とする。
【0026】
上記構成によれば、上記燃料循環機構が、燃料タンク内の燃料を燃料噴射機構に圧送するための燃料ポンプ、およびその燃料噴射機構の下流から燃料噴射機構内の滞留燃料を燃料タンクに還流させるための還流経路を備えて、燃料の循環を確実に行うようになる。そして、上記制御手段により、上記燃料ポンプの駆動と停止とが制御され、燃料循環機構の能動と非能動との切替えも容易に行われるようになる。
【0027】
そして、請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記選択的に内燃機関に噴射供給される前記第1の燃料がガソリンであり、前記第2の燃料が液化ガスであることをその要旨とする。
【0028】
上記構成によれば、請求項1〜9のいずれかの構成が、ガソリンと液化ガスとを使用する内燃機関に適用される。こうして本発明の構成を、気化しやすい液化ガスを上記第2の燃料としてその燃料供給系統に適用することで、それに対応する燃料噴射機構内の燃料が、特に好適に液相状態に維持されるようになる。なお、上記内燃機関の燃料として用いられる液化ガスとしては液化石油ガスをはじめとして、液化水素やジメチルエーテル等がある。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置を、ガソリンおよび液化石油ガス(LPG)を燃料として使用する車載内燃機関(エンジン)に適用した一実施の形態について図1〜図4を使って説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態のエンジンの構成を模式的に例示する説明図である。
図1に示されるように、このエンジン11は4つの気筒を有して構成される。このエンジン11を稼働させるために、吸気口から吸入された空気はエアクリーナ12を介して吸気通路13に導入され、さらにスロットルバルブ14の開度によりその流量が調整されつつサージタンク15に流入する。そして、サージタンク15に流入した空気は、各気筒に対応して分岐形成された吸気マニホールド16に分流する。この吸気マニホールド16には燃料噴射機構が配設されており、この燃料噴射機構により噴射供給された燃料が上記分流した空気と混合されて各気筒に吸入される。
【0031】
ここで、本実施の形態のエンジン11は、燃料供給系統としてガソリン燃料系とLPG燃料系とが各別に設けられ、それら燃料が選択的に使用される、いわゆるバイフューエルエンジンとして構成されている。すなわち、吸気マニホールド16には、LPGの燃料噴射機構としてLPG用デリバリパイプ21とLPG用インジェクタ22とが、またガソリンの燃料噴射機構としてガソリン用デリバリパイプ31とガソリン用インジェクタ32とがそれぞれ取り付けられている。そして、これら各燃料噴射機構から選択的に噴射供給された燃料が吸気マニホールド16内にて空気と混合されてエンジン11の各気筒に吸入されるようにしている。
【0032】
こうして選択的に噴射供給された燃料は各気筒の燃焼室で燃焼され、それら各気筒に対応して分岐形成された排気マニホールド17を通って所定の排気通路に排出される。
【0033】
つぎに、上記燃料供給系統について図2を使って説明する。
図2に示されるように、このエンジン11は、上記2種の燃料に対応して上述したLPG燃料系20およびガソリン燃料系30の2つの燃料供給系統を有している。
【0034】
LPG燃料系20は、LPGを液相にて貯留する燃料タンク23と、上述したLPG用デリバリパイプ21およびLPG用インジェクタ22と、燃料タンク23に貯留されている液相のLPGをデリバリパイプ21に圧送する燃料ポンプ24とを有して構成されている。燃料ポンプ24は、デリバリパイプ21にLPGを圧送し、そのデリバリパイプ21の下流側からはインジェクタ22から噴射されずに滞留しているLPGが還流経路として設けられた還流管27を通って燃料タンク23に還流される。これら燃料ポンプ24および還流管27は、LPG燃料系20にあってLPGを循環させる燃料循環機構として機能する。なおこのとき、デリバリパイプ21内の圧力はプレッシャレギュレータ25により所望の値に調圧されており、インジェクタ22からの燃料の噴射供給が安定して行われるようにしている。また、デリバリパイプ21には、その内部に滞留するLPGの温度を検出する温度センサ26が配設されている。
【0035】
一方、ガソリン燃料系30は、ガソリンを液相にて貯留する燃料タンク33と、上述したガソリン用デリバリパイプ31およびガソリン用インジェクタ32と、燃料タンク33に貯留されている液相のガソリンをデリバリパイプ31に圧送する燃料ポンプ34とを有して構成されている。このガソリン燃料系30についてもLPG燃料系20と同様に、燃料ポンプ34がデリバリパイプ31にガソリンを圧送し、そのデリバリパイプ31の下流側からはインジェクタ32から噴射されずに滞留しているガソリンが還流経路として設けられた還流管37を通って燃料タンク33に還流される。これら燃料ポンプ34および還流管37は、ガソリン燃料系30にあってガソリンを循環させる燃料循環機構として機能する。なお、ガソリン燃料系30においてもデリバリパイプ31内の圧力はプレッシャレギュレータ35により所望の値に調圧されており、インジェクタ32からの燃料の噴射供給が安定して行われるようにしている。また、このデリバリパイプ31にも、その内部に滞留するガソリンの温度を検出する温度センサ36が設けられている。
【0036】
そして、上記2つの燃料供給系統からエンジン11に燃料を選択的に噴射供給する制御手段の構成要素として、この燃料供給装置は電子制御ユニット40を備えている。この電子制御ユニット40は、各燃料供給系統の燃料噴射機構を構成するLPG用インジェクタ22およびガソリン用インジェクタ32の各々に対して噴射指令を出力する。この出力された噴射指令に応じて各燃料噴射機構による各気筒への燃料の噴射供給が行われる。
【0037】
ところで、上記各デリバリパイプ21および31は、吸気マニホールド16に取り付けられることから、エンジン11の輻射熱等により温度が上昇する。したがって、上記バイフューエルエンジンにおいては、使用されていない側の燃料について、その供給系統の燃料ポンプが停止しているとそれに対応するデリバリパイプ内に滞留している燃料は加熱されて温度が上昇する。そして、そのデリバリパイプ内が、当該燃料の液相から気相への変態温度に近づくにつれて、同デリバリパイプ内ではそこに滞留している液相燃料が盛んに気化するようになる。この状態で、使用する燃料の切替えが行われて電子制御ユニット40からこの燃料用のインジェクタに対して噴射指令が出力されると、該インジェクタからは気相の燃料(ベーパ)が噴射される。
【0038】
こうしてデリバリパイプからベーパの噴射が行われると、エンジン11に供給される混合気が意図せずリーン(希薄)となりその燃焼態様が変化してしまう。その結果、エンジン11の出力が変化して車両としての運転性を損なうことになる。これを防止するためには、使用されていない燃料の供給系統の燃料循環機構を常時、能動としておけばよい。ところが、燃料循環機構を常時能動としておくと、デリバリパイプにて加熱された燃料がすべて燃料タンクに戻される。その結果、燃料タンクの温度上昇が大きくなってしまうとともに、燃料ポンプを継続的に駆動させるための電力消費量も大きくなってしまう。
【0039】
そこで、本実施の形態の燃料供給装置では、デリバリパイプ内に滞留している燃料の温度を検出して、その検出された温度に基づき必要に応じて、使用されていない側の燃料供給系統の燃料循環機構も能動とするようにしている。
【0040】
図3は、上記使用されていない燃料供給系統の燃料循環機構を能動とするために、電子制御ユニット40がLPG用燃料ポンプ24およびガソリン用燃料ポンプ34を駆動する手順を例示するフローチャートである。
【0041】
まず、電子制御ユニット40は、エンジン11がLPG運転中か否かを判定する(ステップS301)。LPG運転中であると判定された場合、デリバリパイプ31内のガソリン温度Tgを評価してこれが上限設定値Tg1を超えているか否かを判定する(ステップS302a)。ここでガソリン温度Tgが上限設定値Tg1を超えていると判定されると、電子制御ユニット40はガソリン用燃料ポンプ34に対する駆動指令GPENを出力して同ポンプ34を駆動する(ステップS303a)。また、ガソリン温度Tgが上限設定値Tg1を超えていないと判定されると、電子制御ユニット40はガソリン温度Tgが下限設定値Tg2を下回っているか否かを判定する(ステップS304a)。ここでガソリン温度Tgが下限設定値Tg2を下回っていると判定されると、電子制御ユニット40はガソリン用燃料ポンプ34に対する駆動指令GPENの出力を停止して同ポンプ34の駆動を停止する(ステップS305a)。
【0042】
一方、ステップS301にて電子制御ユニット40が、LPG運転中ではない、すなわちガソリン運転中である判定した場合には、デリバリパイプ21内のLPG温度Tlを評価してこれが上限設定値Tl1を超えているか否かを判定する(ステップS302b)。ここでLPG温度Tlが上限設定値Tl1を超えていると判定されると、電子制御ユニット40はLPG用燃料ポンプ24に対する駆動指令LPENを出力して同ポンプ24を駆動する(ステップS303b)。また、LPG温度Tlが上限設定値Tl1を超えていないと判定されると、電子制御ユニット40はLPG温度Tlが下限設定値Tl2を下回っているか否かを判定する(ステップS304b)。ここでLPG温度Tlが下限設定値Tl2を下回っていると判定されると、電子制御ユニット40はLPG用燃料ポンプ24に対する駆動指令LPENの出力を停止して同ポンプ24の駆動を停止する(ステップS305b)。
【0043】
なおここで、上限設定値Tg1およびTl1は、ガソリンおよびLPGの気化が活発化する温度よりも低い温度にそれぞれ設定されている。また、下限設定値Tg2およびTl2は、上限設定値Tg1およびTl1よりもそれぞれ低い温度に設定されて、それら燃料温度に基づく各燃料ポンプの駆動制御が履歴特性を有して安定的に行われるようにしている。
【0044】
こうして、エンジン11の燃焼に使用されていない燃料についても、その燃料供給系統においてデリバリパイプ内の燃料の温度に応じて適宜、燃料ポンプが駆動されてそこに滞留している燃料の気化が未然に防止されるようになる。
【0045】
図4は、図3の手順にしたがってLPG運転時にガソリン用燃料ポンプ34の駆動動作が行われる場合の時間的推移を例示するタイミングチャートである。
図4に示されるように、LPG運転中にはガソリン燃料系30においてデリバリパイプ31内のガソリン温度Tgが徐々に上昇する。そしてその温度Tgが上述したガソリンの上限設定値Tg1を超えると、電子制御ユニット40は停止していたガソリン用燃料ポンプ34を駆動する(時刻t1)。これにより、ガソリン燃料系30ではガソリンが燃料タンク33とデリバリパイプ31との間を循環して流通するようになり、デリバリパイプ31内のガソリン温度Tgが低下する。そして、同温度Tgが上限設定値Tg1を下回り、さらに下限設定値Tg2を下回ったら、駆動していたガソリン用燃料ポンプ34を停止する(時刻t2)。これにより、ガソリン燃料系30におけるガソリンの循環が行われなくなり、ふたたびガソリン温度Tgが徐々に上昇する。こうして、使用されていない燃料であるガソリンの燃料ポンプ34の駆動制御を行うことによって、デリバリパイプ31内に滞留しているガソリンの気化の防止が燃料タンク33の過度な温度上昇を招くことなく実現される。
【0046】
同様に、ガソリン運転中には、LPG燃料系20においてデリバリパイプ21内のLPG温度Tlが上限設定値Tl1を超えるとLPG用燃料ポンプ24が駆動され、LPG温度Tlが下限設定値Tl2を下回るとLPG用燃料ポンプ24が停止される。そして、デリバリパイプ21内に滞留しているLPGの気化の防止が燃料タンク23の過度な温度上昇を招くことなく実現される。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、以下のような効果を得ることができるようになる。
(1)ガソリンとLPGとを使用するバイフューエルエンジンにおいて、使用されていない燃料の供給系統について、デリバリパイプ内に滞留している燃料の気化の防止が燃料タンクの過度な温度上昇を招くことなく実現される。これにより、エンジン11の始動時や燃焼燃料の切替えがなされたとき等にも、燃料が吸気通路13に意図せずベーパ状に噴射されることなく液相にて噴射されて、エンジン11の稼働状態、ひいては車両の運転性を向上させることができるようになる。また、燃料ポンプの駆動制御によりその作動時間を節約することで、同ポンプをより長期にわたって使用することができるようになる。
【0048】
(2)使用されていない燃料について、デリバリパイプ内に滞留している燃料の温度がそれに対応する上限設定値を超えたときに燃料ポンプが駆動され、また下限設定値を下回ったとき同燃料ポンプが停止される。このため、デリバリパイプ内の燃料の状態を確実に反映して、燃料ポンプの駆動および停止が行われるようになる。
【0049】
(3)上記上限設定値が、当該燃料の気化が活発化する温度よりも低い温度に設定されている。このため、デリバリパイプ内の燃料を確実に液相として滞留させることができるようになる。
【0050】
(4)また、上記下限設定値が上記上限設定値よりも低く設定されるため、デリバリパイプ内に滞留する燃料の温度に基づくそれぞれの燃料ポンプの駆動制御が履歴特性をもってより安定的に行われるようになる。
【0051】
(5)デリバリパイプに滞留する燃料の気化を防止するための燃料ポンプの駆動時間が必要最小限となる。このため、同燃料ポンプを駆動するための電力消費量も最小限に抑制され、車両としての燃費悪化も最小限にとどめることができるようになる。
【0052】
なお、上記実施の形態は以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態においては、使用されていない燃料供給系統における燃料ポンプの駆動と停止とをデリバリパイプ内に滞留されている燃料の温度に基づいて切り替える構成としたが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。デリバリパイプ内に滞留されている燃料の温度に限らず、たとえばデリバリパイプそのものの温度や、あるいはその燃料の飽和蒸気圧特性に基づくデリバリパイプ内の圧力等を上記燃料温度の相当値として、これらに基づく上記燃料ポンプの駆動および停止の切替えを行ってもよい。要は、デリバリパイプ内に滞留している燃料の気化が活発化しているか否かを的確に判定して、その判定に基づいて燃料循環機構の能動と非能動とが切替え可能な構成になっていさえすればよい。
【0053】
・上記実施の形態においては、上記燃料ポンプの駆動制御を行う際の境界温度(上限設定値および下限設定値)が固定値である構成について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。上記境界温度を固定値とする構成に限らず、たとえばエンジンの雰囲気温度である外気温やエンジンの冷却水温度等、当該燃料供給装置の環境温度を監視する手段を備えて、その監視された環境温度に基づいてそれら境界温度を適宜、可変値とする構成としてもよい。
【0054】
・上記実施の形態においては、使用されていない燃料供給系統の燃料ポンプが駆動されたのち、デリバリパイプ内に滞留されている燃料の温度が下限設定値を下回ったときに同燃料ポンプを停止させる構成について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。この構成に限らず、たとえば上記燃料温度が上限設定値に達したときに上記燃料ポンプの駆動を開始し、そののちの所定時間、同燃料ポンプを停止させる構成としてもよい。このほか、上記燃料ポンプの停止については、たとえば対象としている燃料の燃料タンクの温度を監視してその温度あるいは温度上昇値が所定の値となることを条件にこれを行う構成としてもよい。
【0055】
・さらには、上記燃料ポンプを駆動させる際にあっても、デリバリパイプ内に滞留する燃料の温度に基づいて制御を行う必要は必ずしもない。たとえば、上記燃料ポンプの駆動制御にそれほど厳密性が要求されない場合には、上記燃料の温度とは無関係に、エンジンの燃料に使用されていない状態が一定期間経過した際にはそのたびごとにその燃料供給系統の燃料ポンプを所定時間、駆動するようにしてもよい。これにより、より簡素な構成にて上記実施の形態に準じた効果を得ることができるようになる。この場合も、ポンプを駆動する所定時間等を必ずしも固定値とする構成にする必要はなく、たとえばエンジンの雰囲気温度である外気温やエンジンの冷却水温度等、当該燃料供給装置の環境温度に基づいて、適宜可変値とする構成としてもよい。
【0056】
・上記実施の形態においては、エンジンの始動時や使用燃料の切替時等、使用されていなかった燃料供給系統が使用開始されるタイミングと同燃料の燃料ポンプが駆動開始されるタイミングとについて特に言及しなかったが、これを考慮した構成としてもよい。すなわち、上記燃料供給系統が使用される際に、それ以前の所定期間、上記燃料ポンプをあらかじめ駆動しておく構成としてもよい。これにより、その燃料が実際にインジェクタから噴射供給される時点において、それに対応するデリバリパイプ内に滞留する燃料が液相に維持されていることがより確実に担保されるようになる。
【0057】
・上記実施の形態においては、ガソリンとLPGのそれぞれに対して各デリバリパイプ内に滞留している燃料の気化を防止するように、使用されていない側の燃料の燃料ポンプの駆動制御を行う場合について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。上記燃料のうちのいずれか一方について、デリバリパイプ内に滞留している燃料の気化が問題とならない場合には、その燃料についての上記燃料ポンプの駆動制御を行う必要は必ずしもない。
【0058】
・上記実施の形態においては、燃料としてガソリンとLPGとが使用されるバイフューエルエンジンについて説明したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。これらガソリンおよびLPGに限らず、たとえばメチルアルコールやエチルアルコール、液体水素、ジメチルエーテル等の他の液体燃料または液化ガス燃料を使用するエンジンにあっても本発明を適用することができる。
【0059】
・上記実施の形態においては、エンジンが車載内燃機関である場合について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。上記(1)および(5)に記載した車両としての効果が必ずしも必要でない場合には、車載内燃機関に限らず、異なる2種の燃料を使用する他の内燃機関の燃料供給装置にあっても本発明を広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した内燃機関の概略構成を例示する図。
【図2】上記内燃機関の燃料供給装置について、その構成を模式的に例示する図。
【図3】同燃料供給装置について、その作動手順を例示するフローチャート。
【図4】同燃料供給装置によるデリバリパイプ内に滞留する燃料温度の時間的推移を例示するタイミングチャート。
【符号の説明】
11…エンジン、12…エアクリーナ、13…吸気通路、14…スロットルバルブ、15…サージタンク、16…吸気マニホールド、17…排気マニホールド、20…LPG燃料系、21…LPG用デリバリパイプ、22…LPG用インジェクタ、23…LPG用燃料タンク、24…LPG用燃料ポンプ、25…LPG用プレッシャレギュレータ、26…LPG用温度センサ、27…還流管、30…ガソリン燃料系、31…ガソリン用デリバリパイプ、32…ガソリン用インジェクタ、33…ガソリン用燃料タンク、34…ガソリン用燃料ポンプ、35…ガソリン用プレッシャレギュレータ、36…ガソリン用温度センサ、37…還流管、40…電子制御ユニット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に燃料を噴射供給する内燃機関の燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
使用燃料を切り替えて作動させることのできる内燃機関、いわゆるバイフューエルエンジンが知られている。このバイフューエルエンジンにあっては、使用する燃料をその運転情況等に応じて適宜選択することによって、燃料経費や出力特性、あるいは始動性など、それぞれの燃料の利点を生かした機関稼働を可能としている。
【0003】
そして従来、こうしたバイフューエルエンジンとしては、たとえばガソリンと液化石油ガス(LPG)とを燃料として使用する車両用エンジンがある(たとえば特開平1−216034号公報参照)。この場合、ガソリンおよびLPGの各燃料のためにそれぞれ各別の燃料供給系統が設けられており、それら各燃料がそれぞれ専用の燃料供給系統を介してエンジンに噴射供給される。
【0004】
また一方で、LPG等の液化ガス燃料を使用するエンジンにおいても、従来の気相状態ではなく、ガソリンと同様、液相状態にて燃料を噴射供給する燃料供給装置が用いられるようになってきている。こうした燃料供給装置では、燃料噴射弁(インジェクタ)とともに燃料噴射機構を構成するデリバリパイプに対して、燃料タンクに貯留されている燃料が燃料ポンプにより圧送され、この圧送された燃料がインジェクタを通じてエンジンの吸気通路等に噴射供給される構成となっている。
【0005】
ここで、上記バイフューエルエンジンの燃料供給装置として、たとえば上述のLPGおよびガソリンの燃料供給系統が各別に設けられる場合、ガソリンが燃料として使用されるガソリン運転時には、ガソリン用燃料ポンプが作動されて、その専用の燃料噴射機構からガソリンが当該エンジンに噴射供給される。なおこのとき、LPG用燃料ポンプは停止されている。また、LPGが燃料として使用されるLPG運転時には、LPG用燃料ポンプが作動されて、その専用の燃料噴射機構から液相のLPGが同エンジンに噴射供給される。またこのときには、ガソリン用燃料ポンプが停止されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記デリバリパイプおよびインジェクタを有して構成される燃料噴射機構は通常、エンジンに燃料を噴射供給する目的から自ずとエンジンの燃焼室近傍に配設されるため、エンジンからの輻射熱等を受けてその温度が上昇しやすい環境にある。したがって、上記バイフューエルエンジンの燃料供給装置の場合、使用されていない側の燃料の供給系統においては、その対応する燃料ポンプが作動していないためにデリバリパイプ内に燃料が滞留されたまま、その温度上昇が促進されるようになる。そして、こうした状態で使用燃料の切替えが行われると、この温度上昇により気化した燃料(ベーパ)がその対応する燃料噴射機構のインジェクタから噴射されることになる。すなわち、本来、液相にて燃料が噴射されるべく設けられたインジェクタから気相の燃料が噴射されることとなり、所望とされる燃料噴射量が確保できなくなる。その結果、エンジンの空燃比が意図せずリーン(希薄燃焼)側に移行することとなり、内燃機関としての運転性を損なうことにもなる。こうした問題は、燃料をガソリンからLPGに切り替えるときに、そしてデリバリパイプ内が高温になっている状態でエンジンが停止され、そののちにエンジンが再始動されるような場合に特に顕著となる。
【0007】
なお、上記問題を回避するために、
(イ)上記各燃料供給系統を、デリバリパイプに滞留している燃料をその下流から対応する燃料タンクに帰還させる、いわゆるフューエルリターン式の構造とする。
(ロ)そして、使用されていない側の燃料の燃料ポンプについてもこれを、使用されている側の燃料の燃料ポンプと同様に作動させておく。
といった対策も考えられる。しかしこの場合には、デリバリパイプにて加熱されて温度の上昇した燃料がすべて燃料タンクに戻されることともなるため、燃料タンクの温度や圧力が設計値を超えて上昇してしまったり、燃料タンク内でのベーパの発生量が許容量を超えてしまったりすることが新たに懸念されるようになる。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バイフューエルエンジン等、2種の異種燃料を使用する内燃機関の燃料供給装置として、各タンク内燃料の温度上昇を抑制しつつ、それら燃料の噴射供給性能についてもこれを好適に維持することのできる内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の燃料供給装置として、第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成されるものであって、前記第1および第2の燃料の一方を使用しての前記内燃機関の運転中、他方の燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値を監視し、該監視する温度もしくはその相当値が当該燃料の気化を促す所定の条件を満たすとき、該他方の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備えることをその要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、上記一方の燃料を使用して内燃機関を運転中に、他方の燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値が当該燃料の気化を促す所定の条件を満たすとき、使用されていない他方の燃料の燃料循環機構が能動とされる。このため、この燃料循環機構が能動とされている期間、上記他方の燃料の燃料噴射機構内にはそれに対応する燃料供給系統の燃料タンク内の燃料が循環され、燃料噴射機構内の燃料は気化が抑制されて液相に維持されるようになる。これにより、上記第1および第2の異なる燃料のいずれに対しても、使用されていない側の燃料についてタンク内燃料の温度上昇を抑制しつつも、内燃機関への燃料供給性能の好適な維持が可能となる。なお、上記他方の燃料についての燃料噴射機構内の温度の相当値として、たとえば燃料噴射機構そのものの温度等を使うことができる。また、これら温度のみを使う構成に限らず、上記他方の燃料がその燃料供給系統に密閉した態様にて封入されている場合には、その燃料の飽和蒸気圧特性に基づく温度と圧力とから上記気化を促す所定の条件を設定してもよい。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、内燃機関の燃料供給装置として、第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成されるものであって、前記第1の燃料を使用しての前記内燃機関の運転中、前記第2の燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値を監視し、該監視する温度もしくはその相当値が該第2の燃料の気化を促す所定の条件を満たすとき、該第2の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備えることをその要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、上記第1の燃料を使用して内燃機関を運転中に、上記第2の燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値が当該燃料の気化を促す所定の条件を満たすとき、使用されていない第2の燃料の燃料循環機構が能動とされる。このため、この燃料循環機構が能動とされている期間、第2の燃料の燃料噴射機構内にはそれに対応する燃料タンク内の燃料が循環され、燃料噴射機構内の第2の燃料は気化が抑制されて液相に維持されるようになる。これにより、上記第2の燃料に対して、タンク内燃料の温度上昇を抑制しつつも、内燃機関への燃料供給性能の好適な維持が可能となる。なお、上記第2の燃料についての燃料噴射機構内の温度の相当値として、たとえば燃料噴射機構そのものの温度等を使うことができる。また、これら温度のみを使う構成に限らず、上記第2の燃料がその燃料供給系統に密閉した態様にて封入されている場合には、その第2の燃料の飽和蒸気圧特性に基づく温度と圧力とから上記気化を促す所定の条件を設定してもよい。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記制御手段は、前記監視対象とする燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値を検出するセンサを備え、該センサを通じて検出される燃料の温度もしくはその相当値が、当該燃料が気化される上限設定値に達する条件で前記監視対象とする燃料の燃料循環機構を能動とし、当該燃料の気化が抑制される下限設定値に達する条件で同監視対象とする燃料の燃料循環機構を非能動とすることをその要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、上記監視対象とされる燃料噴射機構内の燃料の温度もしくはその相当値が上記センサを通じて確実に検出される。そして、そのセンサを通じて検出される値に基づいて当該燃料が気化される上限設定値に達する条件で監視対象とする燃料の燃料循環機構が能動とされるとともに、同燃料の気化が抑制される下限設定値に達する条件で同燃料循環機構が非能動とされる。したがって、監視対象とする燃料の燃料循環機構が、的確な時期に的確な期間、能動とされるようになる。なお、上記センサとしては、たとえば燃料温度を直接検出する燃料温度センサがある。また、この燃料温度の相当値として燃料噴射機構そのものの温度が用いられる場合には、該燃料噴射機構に配設した温度センサを用いてもよい。さらに、同相当値として当該燃料の圧力が用いられる場合には、同燃料噴射機構等に配設した圧力センサを用いてもよい。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記制御手段は、当該燃料供給装置近傍の環境温度を監視する手段をさらに備え、該監視する環境温度に基づいて前記上限設定値および下限設定値の少なくとも一方を可変設定することをその要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、上記燃料供給装置近傍の環境温度を監視する手段、たとえば外気温度あるいは上記内燃機関の冷却水温度を検出する手段等によって検出された環境温度に基づき、上記上限設定値および下限設定値の少なくとも一方が可変設定される。このため、上記燃料噴射機構を能動とする時期や期間をより的確なものとすることができるようになる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、内燃機関の燃料供給装置として、第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成されるものであって、前記第1および第2の燃料の一方を使用しての前記内燃機関の運転中、あらかじめ設定した第1の時間が経過することに基づいて、あらかじめ設定した第2の時間だけ、他方の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備えることをその要旨とする。
【0018】
上記構成によれば、上記一方の燃料を使用して内燃機関を運転中に、所定時間の経過毎にあらかじめ設定された時間だけ、使用されていない他方の燃料の燃料循環機構が能動とされる。このため、この燃料循環機構が能動とされている期間、上記他方の燃料の燃料噴射機構内にはそれに対応する燃料供給系統の燃料タンク内の燃料が循環され、燃料噴射機構内の燃料は気化が抑制されて液相に維持されるようになる。これにより、上記第1および第2の異なる燃料のいずれに対しても、使用されていない側の燃料についてタンク内燃料の温度上昇を抑制しつつも、内燃機関への燃料供給性能の好適な維持が各種センサを必ずしも必要としない簡素な構成にて可能となる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、内燃機関の燃料供給装置として、第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成されるものであって、前記第1の燃料を使用しての前記内燃機関の運転中、あらかじめ設定した第1の時間が経過することに基づいて、あらかじめ設定した第2の時間だけ、前記第2の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備えることをその要旨とする。
【0020】
上記構成によれば、上記第1の燃料を使用して内燃機関を運転中に、所定時間の経過毎にあらかじめ設定された時間だけ、使用されていない第2の燃料の燃料循環機構が能動とされる。このため、この燃料循環機構が能動とされている期間、第2の燃料の燃料噴射機構内にはそれに対応する燃料タンク内の燃料が循環され、燃料噴射機構内の第2の燃料は気化が抑制されて液相に維持されるようになる。これにより、上記第2の燃料に対して、タンク内燃料の温度上昇を抑制しつつも、内燃機関への燃料供給性能の好適な維持が各種センサを必ずしも必要としない簡素な構成にて可能となる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記制御手段は、当該燃料供給装置近傍の環境温度を監視する手段をさらに備え、該監視する環境温度に基づいて前記第1および第2の時間の少なくとも一方を可変設定することをその要旨とする。
【0022】
上記構成によれば、上記燃料供給装置近傍の環境温度を監視する手段、たとえば外気温度あるいは上記内燃機関の冷却水温度を検出する手段等によって検出された環境温度に基づき、上記第1および第2の時間の少なくとも一方が可変設定される。このため、上記燃料噴射機構を能動とする時期や期間をより的確なものとすることができるようになる。
【0023】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記制御手段は、前記第1および第2の燃料の切替えに際し、その切替えに先だって所定の期間だけ、切替え後に使用対象となる燃料の燃料循環機構をあらかじめ能動とする手段をさらに備えることをその要旨とする。
【0024】
上記構成によれば、上記第1および第2の燃料の切替えに際し、切替え後に使用対象となる燃料の燃料噴射機構がその切替えに先だってあらかじめ所定の時間、能動とされる。このため、切替えの時点で当該燃料循環機構内の燃料がより確実に液相状態とされる。これにより、内燃機関へのそれら燃料の噴射供給性能の維持がより確実なものとなる。
【0025】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記燃料循環機構は、該当する燃料タンク内の燃料を前記燃料噴射機構に圧送するための燃料ポンプ、および前記燃料噴射機構の下流から該燃料噴射機構内の滞留燃料を前記燃料タンクに還流させるための還流経路を備えて構成され、前記制御手段は、前記燃料ポンプを駆動することによって前記燃料循環機構を能動とし、同燃料ポンプの駆動を停止することによって同燃料循環機構を非能動とすることをその要旨とする。
【0026】
上記構成によれば、上記燃料循環機構が、燃料タンク内の燃料を燃料噴射機構に圧送するための燃料ポンプ、およびその燃料噴射機構の下流から燃料噴射機構内の滞留燃料を燃料タンクに還流させるための還流経路を備えて、燃料の循環を確実に行うようになる。そして、上記制御手段により、上記燃料ポンプの駆動と停止とが制御され、燃料循環機構の能動と非能動との切替えも容易に行われるようになる。
【0027】
そして、請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記選択的に内燃機関に噴射供給される前記第1の燃料がガソリンであり、前記第2の燃料が液化ガスであることをその要旨とする。
【0028】
上記構成によれば、請求項1〜9のいずれかの構成が、ガソリンと液化ガスとを使用する内燃機関に適用される。こうして本発明の構成を、気化しやすい液化ガスを上記第2の燃料としてその燃料供給系統に適用することで、それに対応する燃料噴射機構内の燃料が、特に好適に液相状態に維持されるようになる。なお、上記内燃機関の燃料として用いられる液化ガスとしては液化石油ガスをはじめとして、液化水素やジメチルエーテル等がある。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置を、ガソリンおよび液化石油ガス(LPG)を燃料として使用する車載内燃機関(エンジン)に適用した一実施の形態について図1〜図4を使って説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態のエンジンの構成を模式的に例示する説明図である。
図1に示されるように、このエンジン11は4つの気筒を有して構成される。このエンジン11を稼働させるために、吸気口から吸入された空気はエアクリーナ12を介して吸気通路13に導入され、さらにスロットルバルブ14の開度によりその流量が調整されつつサージタンク15に流入する。そして、サージタンク15に流入した空気は、各気筒に対応して分岐形成された吸気マニホールド16に分流する。この吸気マニホールド16には燃料噴射機構が配設されており、この燃料噴射機構により噴射供給された燃料が上記分流した空気と混合されて各気筒に吸入される。
【0031】
ここで、本実施の形態のエンジン11は、燃料供給系統としてガソリン燃料系とLPG燃料系とが各別に設けられ、それら燃料が選択的に使用される、いわゆるバイフューエルエンジンとして構成されている。すなわち、吸気マニホールド16には、LPGの燃料噴射機構としてLPG用デリバリパイプ21とLPG用インジェクタ22とが、またガソリンの燃料噴射機構としてガソリン用デリバリパイプ31とガソリン用インジェクタ32とがそれぞれ取り付けられている。そして、これら各燃料噴射機構から選択的に噴射供給された燃料が吸気マニホールド16内にて空気と混合されてエンジン11の各気筒に吸入されるようにしている。
【0032】
こうして選択的に噴射供給された燃料は各気筒の燃焼室で燃焼され、それら各気筒に対応して分岐形成された排気マニホールド17を通って所定の排気通路に排出される。
【0033】
つぎに、上記燃料供給系統について図2を使って説明する。
図2に示されるように、このエンジン11は、上記2種の燃料に対応して上述したLPG燃料系20およびガソリン燃料系30の2つの燃料供給系統を有している。
【0034】
LPG燃料系20は、LPGを液相にて貯留する燃料タンク23と、上述したLPG用デリバリパイプ21およびLPG用インジェクタ22と、燃料タンク23に貯留されている液相のLPGをデリバリパイプ21に圧送する燃料ポンプ24とを有して構成されている。燃料ポンプ24は、デリバリパイプ21にLPGを圧送し、そのデリバリパイプ21の下流側からはインジェクタ22から噴射されずに滞留しているLPGが還流経路として設けられた還流管27を通って燃料タンク23に還流される。これら燃料ポンプ24および還流管27は、LPG燃料系20にあってLPGを循環させる燃料循環機構として機能する。なおこのとき、デリバリパイプ21内の圧力はプレッシャレギュレータ25により所望の値に調圧されており、インジェクタ22からの燃料の噴射供給が安定して行われるようにしている。また、デリバリパイプ21には、その内部に滞留するLPGの温度を検出する温度センサ26が配設されている。
【0035】
一方、ガソリン燃料系30は、ガソリンを液相にて貯留する燃料タンク33と、上述したガソリン用デリバリパイプ31およびガソリン用インジェクタ32と、燃料タンク33に貯留されている液相のガソリンをデリバリパイプ31に圧送する燃料ポンプ34とを有して構成されている。このガソリン燃料系30についてもLPG燃料系20と同様に、燃料ポンプ34がデリバリパイプ31にガソリンを圧送し、そのデリバリパイプ31の下流側からはインジェクタ32から噴射されずに滞留しているガソリンが還流経路として設けられた還流管37を通って燃料タンク33に還流される。これら燃料ポンプ34および還流管37は、ガソリン燃料系30にあってガソリンを循環させる燃料循環機構として機能する。なお、ガソリン燃料系30においてもデリバリパイプ31内の圧力はプレッシャレギュレータ35により所望の値に調圧されており、インジェクタ32からの燃料の噴射供給が安定して行われるようにしている。また、このデリバリパイプ31にも、その内部に滞留するガソリンの温度を検出する温度センサ36が設けられている。
【0036】
そして、上記2つの燃料供給系統からエンジン11に燃料を選択的に噴射供給する制御手段の構成要素として、この燃料供給装置は電子制御ユニット40を備えている。この電子制御ユニット40は、各燃料供給系統の燃料噴射機構を構成するLPG用インジェクタ22およびガソリン用インジェクタ32の各々に対して噴射指令を出力する。この出力された噴射指令に応じて各燃料噴射機構による各気筒への燃料の噴射供給が行われる。
【0037】
ところで、上記各デリバリパイプ21および31は、吸気マニホールド16に取り付けられることから、エンジン11の輻射熱等により温度が上昇する。したがって、上記バイフューエルエンジンにおいては、使用されていない側の燃料について、その供給系統の燃料ポンプが停止しているとそれに対応するデリバリパイプ内に滞留している燃料は加熱されて温度が上昇する。そして、そのデリバリパイプ内が、当該燃料の液相から気相への変態温度に近づくにつれて、同デリバリパイプ内ではそこに滞留している液相燃料が盛んに気化するようになる。この状態で、使用する燃料の切替えが行われて電子制御ユニット40からこの燃料用のインジェクタに対して噴射指令が出力されると、該インジェクタからは気相の燃料(ベーパ)が噴射される。
【0038】
こうしてデリバリパイプからベーパの噴射が行われると、エンジン11に供給される混合気が意図せずリーン(希薄)となりその燃焼態様が変化してしまう。その結果、エンジン11の出力が変化して車両としての運転性を損なうことになる。これを防止するためには、使用されていない燃料の供給系統の燃料循環機構を常時、能動としておけばよい。ところが、燃料循環機構を常時能動としておくと、デリバリパイプにて加熱された燃料がすべて燃料タンクに戻される。その結果、燃料タンクの温度上昇が大きくなってしまうとともに、燃料ポンプを継続的に駆動させるための電力消費量も大きくなってしまう。
【0039】
そこで、本実施の形態の燃料供給装置では、デリバリパイプ内に滞留している燃料の温度を検出して、その検出された温度に基づき必要に応じて、使用されていない側の燃料供給系統の燃料循環機構も能動とするようにしている。
【0040】
図3は、上記使用されていない燃料供給系統の燃料循環機構を能動とするために、電子制御ユニット40がLPG用燃料ポンプ24およびガソリン用燃料ポンプ34を駆動する手順を例示するフローチャートである。
【0041】
まず、電子制御ユニット40は、エンジン11がLPG運転中か否かを判定する(ステップS301)。LPG運転中であると判定された場合、デリバリパイプ31内のガソリン温度Tgを評価してこれが上限設定値Tg1を超えているか否かを判定する(ステップS302a)。ここでガソリン温度Tgが上限設定値Tg1を超えていると判定されると、電子制御ユニット40はガソリン用燃料ポンプ34に対する駆動指令GPENを出力して同ポンプ34を駆動する(ステップS303a)。また、ガソリン温度Tgが上限設定値Tg1を超えていないと判定されると、電子制御ユニット40はガソリン温度Tgが下限設定値Tg2を下回っているか否かを判定する(ステップS304a)。ここでガソリン温度Tgが下限設定値Tg2を下回っていると判定されると、電子制御ユニット40はガソリン用燃料ポンプ34に対する駆動指令GPENの出力を停止して同ポンプ34の駆動を停止する(ステップS305a)。
【0042】
一方、ステップS301にて電子制御ユニット40が、LPG運転中ではない、すなわちガソリン運転中である判定した場合には、デリバリパイプ21内のLPG温度Tlを評価してこれが上限設定値Tl1を超えているか否かを判定する(ステップS302b)。ここでLPG温度Tlが上限設定値Tl1を超えていると判定されると、電子制御ユニット40はLPG用燃料ポンプ24に対する駆動指令LPENを出力して同ポンプ24を駆動する(ステップS303b)。また、LPG温度Tlが上限設定値Tl1を超えていないと判定されると、電子制御ユニット40はLPG温度Tlが下限設定値Tl2を下回っているか否かを判定する(ステップS304b)。ここでLPG温度Tlが下限設定値Tl2を下回っていると判定されると、電子制御ユニット40はLPG用燃料ポンプ24に対する駆動指令LPENの出力を停止して同ポンプ24の駆動を停止する(ステップS305b)。
【0043】
なおここで、上限設定値Tg1およびTl1は、ガソリンおよびLPGの気化が活発化する温度よりも低い温度にそれぞれ設定されている。また、下限設定値Tg2およびTl2は、上限設定値Tg1およびTl1よりもそれぞれ低い温度に設定されて、それら燃料温度に基づく各燃料ポンプの駆動制御が履歴特性を有して安定的に行われるようにしている。
【0044】
こうして、エンジン11の燃焼に使用されていない燃料についても、その燃料供給系統においてデリバリパイプ内の燃料の温度に応じて適宜、燃料ポンプが駆動されてそこに滞留している燃料の気化が未然に防止されるようになる。
【0045】
図4は、図3の手順にしたがってLPG運転時にガソリン用燃料ポンプ34の駆動動作が行われる場合の時間的推移を例示するタイミングチャートである。
図4に示されるように、LPG運転中にはガソリン燃料系30においてデリバリパイプ31内のガソリン温度Tgが徐々に上昇する。そしてその温度Tgが上述したガソリンの上限設定値Tg1を超えると、電子制御ユニット40は停止していたガソリン用燃料ポンプ34を駆動する(時刻t1)。これにより、ガソリン燃料系30ではガソリンが燃料タンク33とデリバリパイプ31との間を循環して流通するようになり、デリバリパイプ31内のガソリン温度Tgが低下する。そして、同温度Tgが上限設定値Tg1を下回り、さらに下限設定値Tg2を下回ったら、駆動していたガソリン用燃料ポンプ34を停止する(時刻t2)。これにより、ガソリン燃料系30におけるガソリンの循環が行われなくなり、ふたたびガソリン温度Tgが徐々に上昇する。こうして、使用されていない燃料であるガソリンの燃料ポンプ34の駆動制御を行うことによって、デリバリパイプ31内に滞留しているガソリンの気化の防止が燃料タンク33の過度な温度上昇を招くことなく実現される。
【0046】
同様に、ガソリン運転中には、LPG燃料系20においてデリバリパイプ21内のLPG温度Tlが上限設定値Tl1を超えるとLPG用燃料ポンプ24が駆動され、LPG温度Tlが下限設定値Tl2を下回るとLPG用燃料ポンプ24が停止される。そして、デリバリパイプ21内に滞留しているLPGの気化の防止が燃料タンク23の過度な温度上昇を招くことなく実現される。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、以下のような効果を得ることができるようになる。
(1)ガソリンとLPGとを使用するバイフューエルエンジンにおいて、使用されていない燃料の供給系統について、デリバリパイプ内に滞留している燃料の気化の防止が燃料タンクの過度な温度上昇を招くことなく実現される。これにより、エンジン11の始動時や燃焼燃料の切替えがなされたとき等にも、燃料が吸気通路13に意図せずベーパ状に噴射されることなく液相にて噴射されて、エンジン11の稼働状態、ひいては車両の運転性を向上させることができるようになる。また、燃料ポンプの駆動制御によりその作動時間を節約することで、同ポンプをより長期にわたって使用することができるようになる。
【0048】
(2)使用されていない燃料について、デリバリパイプ内に滞留している燃料の温度がそれに対応する上限設定値を超えたときに燃料ポンプが駆動され、また下限設定値を下回ったとき同燃料ポンプが停止される。このため、デリバリパイプ内の燃料の状態を確実に反映して、燃料ポンプの駆動および停止が行われるようになる。
【0049】
(3)上記上限設定値が、当該燃料の気化が活発化する温度よりも低い温度に設定されている。このため、デリバリパイプ内の燃料を確実に液相として滞留させることができるようになる。
【0050】
(4)また、上記下限設定値が上記上限設定値よりも低く設定されるため、デリバリパイプ内に滞留する燃料の温度に基づくそれぞれの燃料ポンプの駆動制御が履歴特性をもってより安定的に行われるようになる。
【0051】
(5)デリバリパイプに滞留する燃料の気化を防止するための燃料ポンプの駆動時間が必要最小限となる。このため、同燃料ポンプを駆動するための電力消費量も最小限に抑制され、車両としての燃費悪化も最小限にとどめることができるようになる。
【0052】
なお、上記実施の形態は以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態においては、使用されていない燃料供給系統における燃料ポンプの駆動と停止とをデリバリパイプ内に滞留されている燃料の温度に基づいて切り替える構成としたが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。デリバリパイプ内に滞留されている燃料の温度に限らず、たとえばデリバリパイプそのものの温度や、あるいはその燃料の飽和蒸気圧特性に基づくデリバリパイプ内の圧力等を上記燃料温度の相当値として、これらに基づく上記燃料ポンプの駆動および停止の切替えを行ってもよい。要は、デリバリパイプ内に滞留している燃料の気化が活発化しているか否かを的確に判定して、その判定に基づいて燃料循環機構の能動と非能動とが切替え可能な構成になっていさえすればよい。
【0053】
・上記実施の形態においては、上記燃料ポンプの駆動制御を行う際の境界温度(上限設定値および下限設定値)が固定値である構成について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。上記境界温度を固定値とする構成に限らず、たとえばエンジンの雰囲気温度である外気温やエンジンの冷却水温度等、当該燃料供給装置の環境温度を監視する手段を備えて、その監視された環境温度に基づいてそれら境界温度を適宜、可変値とする構成としてもよい。
【0054】
・上記実施の形態においては、使用されていない燃料供給系統の燃料ポンプが駆動されたのち、デリバリパイプ内に滞留されている燃料の温度が下限設定値を下回ったときに同燃料ポンプを停止させる構成について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。この構成に限らず、たとえば上記燃料温度が上限設定値に達したときに上記燃料ポンプの駆動を開始し、そののちの所定時間、同燃料ポンプを停止させる構成としてもよい。このほか、上記燃料ポンプの停止については、たとえば対象としている燃料の燃料タンクの温度を監視してその温度あるいは温度上昇値が所定の値となることを条件にこれを行う構成としてもよい。
【0055】
・さらには、上記燃料ポンプを駆動させる際にあっても、デリバリパイプ内に滞留する燃料の温度に基づいて制御を行う必要は必ずしもない。たとえば、上記燃料ポンプの駆動制御にそれほど厳密性が要求されない場合には、上記燃料の温度とは無関係に、エンジンの燃料に使用されていない状態が一定期間経過した際にはそのたびごとにその燃料供給系統の燃料ポンプを所定時間、駆動するようにしてもよい。これにより、より簡素な構成にて上記実施の形態に準じた効果を得ることができるようになる。この場合も、ポンプを駆動する所定時間等を必ずしも固定値とする構成にする必要はなく、たとえばエンジンの雰囲気温度である外気温やエンジンの冷却水温度等、当該燃料供給装置の環境温度に基づいて、適宜可変値とする構成としてもよい。
【0056】
・上記実施の形態においては、エンジンの始動時や使用燃料の切替時等、使用されていなかった燃料供給系統が使用開始されるタイミングと同燃料の燃料ポンプが駆動開始されるタイミングとについて特に言及しなかったが、これを考慮した構成としてもよい。すなわち、上記燃料供給系統が使用される際に、それ以前の所定期間、上記燃料ポンプをあらかじめ駆動しておく構成としてもよい。これにより、その燃料が実際にインジェクタから噴射供給される時点において、それに対応するデリバリパイプ内に滞留する燃料が液相に維持されていることがより確実に担保されるようになる。
【0057】
・上記実施の形態においては、ガソリンとLPGのそれぞれに対して各デリバリパイプ内に滞留している燃料の気化を防止するように、使用されていない側の燃料の燃料ポンプの駆動制御を行う場合について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。上記燃料のうちのいずれか一方について、デリバリパイプ内に滞留している燃料の気化が問題とならない場合には、その燃料についての上記燃料ポンプの駆動制御を行う必要は必ずしもない。
【0058】
・上記実施の形態においては、燃料としてガソリンとLPGとが使用されるバイフューエルエンジンについて説明したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。これらガソリンおよびLPGに限らず、たとえばメチルアルコールやエチルアルコール、液体水素、ジメチルエーテル等の他の液体燃料または液化ガス燃料を使用するエンジンにあっても本発明を適用することができる。
【0059】
・上記実施の形態においては、エンジンが車載内燃機関である場合について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。上記(1)および(5)に記載した車両としての効果が必ずしも必要でない場合には、車載内燃機関に限らず、異なる2種の燃料を使用する他の内燃機関の燃料供給装置にあっても本発明を広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した内燃機関の概略構成を例示する図。
【図2】上記内燃機関の燃料供給装置について、その構成を模式的に例示する図。
【図3】同燃料供給装置について、その作動手順を例示するフローチャート。
【図4】同燃料供給装置によるデリバリパイプ内に滞留する燃料温度の時間的推移を例示するタイミングチャート。
【符号の説明】
11…エンジン、12…エアクリーナ、13…吸気通路、14…スロットルバルブ、15…サージタンク、16…吸気マニホールド、17…排気マニホールド、20…LPG燃料系、21…LPG用デリバリパイプ、22…LPG用インジェクタ、23…LPG用燃料タンク、24…LPG用燃料ポンプ、25…LPG用プレッシャレギュレータ、26…LPG用温度センサ、27…還流管、30…ガソリン燃料系、31…ガソリン用デリバリパイプ、32…ガソリン用インジェクタ、33…ガソリン用燃料タンク、34…ガソリン用燃料ポンプ、35…ガソリン用プレッシャレギュレータ、36…ガソリン用温度センサ、37…還流管、40…電子制御ユニット。
Claims (10)
- 第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成される内燃機関の燃料供給装置であって、
前記第1および第2の燃料の一方を使用しての前記内燃機関の運転中、他方の燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値を監視し、該監視する温度もしくはその相当値が当該燃料の気化を促す所定の条件を満たすとき、該他方の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備える
ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。 - 第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成される内燃機関の燃料供給装置であって、
前記第1の燃料を使用しての前記内燃機関の運転中、前記第2の燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値を監視し、該監視する温度もしくはその相当値が該第2の燃料の気化を促す所定の条件を満たすとき、該第2の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備える
ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。 - 前記制御手段は、前記監視対象とする燃料の燃料噴射機構内の温度もしくはその相当値を検出するセンサを備え、該センサを通じて検出される燃料の温度もしくはその相当値が、当該燃料が気化される上限設定値に達する条件で前記監視対象とする燃料の燃料循環機構を能動とし、当該燃料の気化が抑制される下限設定値に達する条件で同監視対象とする燃料の燃料循環機構を非能動とする
請求項1または2に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記制御手段は、当該燃料供給装置近傍の環境温度を監視する手段をさらに備え、該監視する環境温度に基づいて前記上限設定値および下限設定値の少なくとも一方を可変設定する
請求項3に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成される内燃機関の燃料供給装置であって、
前記第1および第2の燃料の一方を使用しての前記内燃機関の運転中、あらかじめ設定した第1の時間が経過することに基づいて、あらかじめ設定した第2の時間だけ、他方の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備える
ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。 - 第1および第2の異なる燃料を選択的に内燃機関に噴射供給するための各別の燃料供給系統を備え、それら各燃料供給系統が、前記内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射機構と、燃料タンク内の燃料を該燃料噴射機構を介して液相にて循環させるための燃料循環機構とをそれぞれ備えて構成される内燃機関の燃料供給装置であって、
前記第1の燃料を使用しての前記内燃機関の運転中、あらかじめ設定した第1の時間が経過することに基づいて、あらかじめ設定した第2の時間だけ、前記第2の燃料の燃料循環機構を能動とする制御手段を備える
ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。 - 前記制御手段は、当該燃料供給装置近傍の環境温度を監視する手段をさらに備え、該監視する環境温度に基づいて前記第1および第2の時間の少なくとも一方を可変設定する
請求項5または6に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記制御手段は、前記第1および第2の燃料の切替えに際し、その切替えに先だって所定の期間だけ、切替え後に使用対象となる燃料の燃料循環機構をあらかじめ能動とする手段をさらに備える
請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記燃料循環機構は、該当する燃料タンク内の燃料を前記燃料噴射機構に圧送するための燃料ポンプ、および前記燃料噴射機構の下流から該燃料噴射機構内の滞留燃料を前記燃料タンクに還流させるための還流経路を備えて構成され、前記制御手段は、前記燃料ポンプを駆動することによって前記燃料循環機構を能動とし、同燃料ポンプの駆動を停止することによって同燃料循環機構を非能動とする
請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記選択的に内燃機関に噴射供給される前記第1の燃料がガソリンであり、前記第2の燃料が液化ガスである
請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置。
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