JP2003239788A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置

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JP2003239788A JP2002222081A JP2002222081A JP2003239788A JP 2003239788 A JP2003239788 A JP 2003239788A JP 2002222081 A JP2002222081 A JP 2002222081A JP 2002222081 A JP2002222081 A JP 2002222081A JP 2003239788 A JP2003239788 A JP 2003239788A
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料噴射機構での燃料の液相状態を好適に維持
することのできる内燃機関の燃料供給装置を提供する。 【解決手段】この燃料供給装置では、燃料タンク31に
貯留された燃料が燃料噴射機構34に圧送供給される。
また、燃料噴射機構34(35,INJ)の下流側と燃
料タンク31の気相部とが還流経路R2により接続され
ており、還流経路R2にはプライマリプレッシャレギュ
レータ36及びセカンダリプレッシャレギュレータ37
が設けられている。また、還流経路R2のセカンダリプ
レッシャレギュレータ37の上流と下流とは電磁弁38
が設けられている補助還流経路R3により連通されてい
る。そして、内燃機関1の停止にともない電磁弁38が
閉弁状態とされ、内燃機関1の停止から所定の期間が経
過するまでは燃料ポンプ32の駆動が継続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に燃料を
噴射供給する燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液化石油ガス(LPG)を燃料と
する内燃機関が実用化されているが、その燃料供給装置
としての構成は、ガソリンを燃料とする内燃機関の燃料
供給装置と基本的にほぼ同様である。即ち、燃料タンク
に貯留されている燃料を燃料ポンプによってデリバリパ
イプに圧送し、このデリバリパイプに圧送された燃料を
燃料噴射機構を通じて内燃機関の吸気通路等に噴射供給
する構成となっている。
【0003】ところで、ガソリンを燃料とする内燃機関
の燃料供給装置においては、通常、図33に模式的に示
すフューエルリターン式と呼ばれる燃料の循環方式が採
用されている。
【0004】即ち、この燃料循環方式では、図33に示
されるように、燃料タンク101に貯留された燃料は、
その液相部が燃料ポンプ102により汲み取られ、供給
経路R10を介して燃料噴射機構を構成するデリバリパ
イプ103に圧送される。そして、このデリバリパイプ
103に圧送供給された燃料のうち、同じく燃料噴射機
構を構成する燃料噴射弁104から内燃機関への噴射供
給に使用されなかった燃料は、デリバリパイプ103の
下流部に接続された還流経路R11を介して、燃料タン
ク101に還流される。なお、この還流経路R11に
は、その経路途中にプレッシャレギュレータ105が設
けられており、上記デリバリパイプ103に圧送供給さ
れる燃料の圧力は、このプレッシャレギュレータ105
によって一定の値に調圧されている。
【0005】そして従来、上記液化石油ガスを燃料とす
る内燃機関の燃料供給装置においても、基本的にはこう
した燃料の循環方式が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記液化石
油ガスは通常、加圧され、液相と気相が共存した状態で
燃料タンクに貯留されており、そのうちの液相燃料が燃
料ポンプによって燃料噴射機構へ圧送される。しかし、
内燃機関の停止時には、燃料タンクに貯留されている燃
料(液化石油ガス)が燃料ポンプにより圧送されず、燃
料供給装置内を循環しなくなるため、上記燃料タンクに
貯留されている比較的温度の低い燃料により燃料噴射機
構が冷却されないようになる。また、上記燃料噴射機構
が高温の状態にある機関各部からの熱を受けることもあ
わせて、上記燃料が気化してベーパ(気化燃料)が発生
するようになる。このため、内燃機関の始動直後に燃料
噴射機構からベーパを含む燃料が噴射されるといった事
態が起こることもあり、こうした場合に、同燃料が液相
であるという前提のもとに燃料噴射が行われると、実際
には密度の低い燃料が噴射されるために必要とされる燃
料量が確保できず、機関始動性の悪化をまねきかねな
い。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、燃料噴射機構での燃料の液
相状態を好適に維持することのできる内燃機関の燃料供
給装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1記載の発明は、燃料タンクに貯留された燃料を燃料
ポンプにより燃料噴射機構に圧送し、この圧送された燃
料の圧力を調圧設定値が可変である可変調圧機構により
調圧しつつ、前記燃料噴射機構を介して内燃機関に対す
る燃料の噴射供給を行う内燃機関の燃料供給装置におい
て、前記内燃機関の停止直後、前記可変調圧機構による
調圧設定値を同内燃機関の運転中における調圧設定値よ
りも高い値に設定維持する制御手段を備えることを要旨
としている。
【0009】上記構成によれば、燃料ポンプにより燃料
噴射機構に圧送された燃料は、調圧設定値が可変である
可変調圧機構によりその圧力が調圧されつつ、内燃機関
に対して噴射供給される。また、内燃機関の停止後は、
可変調圧機構による調圧設定値として同内燃機関の運転
中における調圧設定値よりも高い値に設定維持される。
ちなみに、一般の燃料供給装置においては、調圧機構
(プレッシャレギュレータ等)により燃料噴射機構に圧
送された燃料の圧力を一定に維持しつつ、内燃機関に対
しての噴射供給を行っている。このように、上記圧送さ
れた燃料が調圧機構により一定の加圧状態に維持される
ことにより、同燃料が燃焼室等からの熱を受けた場合で
あってもその気化が抑制されるようになる。即ち、調圧
機構による調圧設定値が高い値となるほど、燃料の受熱
に起因する気化抑制の効果が高められるようになる。一
方、調圧機構による調圧設定値が高い値となるほど、燃
料ポンプによる燃料の圧送に際して圧送抵抗が増大する
ため、同燃料ポンプにかかる負荷が大きくなる。即ち、
調圧機構による調圧設定値が低くなるほど、燃料ポンプ
の負荷が軽減されるようになる。このように、燃料の気
化抑制と燃料ポンプの負荷軽減とは互いに相反するトレ
ードオフ関係にあり、通常はこうした事態をふまえ両者
のバランスを考慮して、調圧機構による調圧設定値が設
定される。換言すれば、調圧機構による調圧設定値は、
燃料が気化すると想定される種々の状況に対応できるよ
うに設定されるものではないということである。従っ
て、例えば内燃機関の停止直後のように、 ・機関各部が高温の状態であるため、燃料噴射機構の温
度が上昇しやすい。 ・燃料が循環されていないため、燃料の循環による燃料
噴射機構の冷却作用がない。 といった場合には、上記通常の調圧機構により燃料噴射
機構の圧力が一定に維持されたところで、燃料が気化し
てしまう場合もある。そして、こうした問題は特に液化
石油ガスを燃料とする内燃機関において顕著である。こ
の点、上記構成においては、内燃機関の停止直後、調圧
機構による調圧設定値として同内燃機関の運転中の調圧
設定値よりも高い値に設定するようにしているため、機
関停止中に燃料噴射機構の圧力がより高い圧力に維持さ
れるようになる。これにより、機関停止中における燃料
の気化を好適に抑制することができるようになり、ひい
ては機関始動性が好適に確保されるようにもなる。ま
た、内燃機関の停止直後に、同機関が停止されることの
みに基づいて調圧設定値の設定を行うようにしているた
め、例えば燃料噴射機構の温度をモニタする等の制御が
不要となり、上記調圧設定値の設定に関する制御性が良
好となる。
【0010】請求項2記載の発明は、燃料タンクに貯留
された燃料を燃料ポンプにより燃料噴射機構に圧送し、
この圧送された燃料の圧力を調圧設定値が可変である可
変調圧機構により調圧しつつ、前記燃料噴射機構を介し
て内燃機関に対する燃料の噴射供給を行う内燃機関の燃
料供給装置において、前記内燃機関の停止直後、及び始
動後の所定期間、前記可変調圧機構による調圧設定値を
同内燃機関の運転中における調圧設定値よりも高い値に
設定維持する制御手段を備えることを要旨としている。
【0011】上記構成によれば、燃料ポンプにより燃料
噴射機構に圧送された燃料は、調圧設定値が可変である
可変調圧機構によりその圧力が調圧されつつ、内燃機関
に対して噴射供給される。また、内燃機関の停止後、及
び始動後の所定期間は、可変調圧機構による調圧設定値
として同内燃機関の運転中における調圧設定値よりも高
い値に設定維持される。こうした構成によっても、請求
項1記載の発明と同様に、機関停止中における燃料の気
化を好適に抑制することができるようになり、ひいては
機関始動性が好適に確保されるようにもなる。また、内
燃機関の始動後の所定期間においても、調圧機構による
調圧設定値として同内燃機関の運転中の調圧設定値より
も高い値に設定するようにしているため、同所定期間も
燃料噴射機構の圧力がより高い圧力に維持されるように
なる。これにより、例えば、内燃機関の運転が停止され
た後から十分な期間が経過しておらず、同内燃機関の各
部が高温である状態から再度機関を始動するいわゆる高
温再始動が行われるような場合であっても、燃料の気化
を好適に抑制することができるようになる。さらに、予
め設定されている所定期間に基づいて、可変調圧機構に
よる調圧設定値を内燃機関の運転中における調圧設定値
よりも高い値に設定するようにしているため、例えば燃
料噴射機構の温度をモニタする等の制御が不要となり、
上記調圧設定値の設定に関する制御性が良好となる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記制御手段
は、少なくとも前記内燃機関の停止直後、前記可変調圧
機構による調圧設定値をその最大値に設定維持すること
を要旨としている。
【0013】上記構成によれば、内燃機関の停止にとも
ない、可変調圧機構による調圧設定値がその最大値に設
定される。こうした構成の採用により、内燃機関の停止
中における燃料噴射機構の燃料の圧力がより高い圧力に
維持されるようになる。これにより、機関停止中におけ
る燃料の気化をより好適に抑制することができるように
なり、ひいては機関始動性が好適に確保されるようにも
なる。
【0014】なお、上記可変調圧機構による調圧設定値
の最大値は、内燃機関の停止中において、燃料噴射機構
が受熱してその温度が上昇した場合に、そうした温度上
昇において予測される平均的な上昇後の温度あるいは最
も高い上昇後の温度に対して、燃料噴射機構の燃料の飽
和蒸気温度がそれら各温度のいずれかを上回るように同
燃料の圧力を維持すべく設定される調圧設定値である。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記
制御手段は、前記内燃機関の停止後、前記燃料噴射機構
における燃料の圧力が、前記可変調圧機構に対して設定
した調圧設定値に達するまで、前記燃料ポンプの駆動を
継続させることを要旨としている。
【0016】上記構成によれば、内燃機関の停止後にお
ける燃料噴射機構の圧力が、内燃機関の停止直後に設定
された可変調圧機構による調圧設定値に達するまでは、
燃料ポンプの駆動が継続される。ここで、内燃機関の停
止直後、可変調圧機構による調圧設定値が同内燃機関の
運転中における調圧設定値より高い値に設定されたこと
を想定すると、この調圧設定値が設定された直後におけ
る燃料噴射機構の圧力は、内燃機関の運転中における調
圧設定値にほぼ等しい。このとき、内燃機関の各部は高
温の状態であるため、燃料噴射機構はそうした高温状態
にある機関各部からの熱を受けることになる。従って、
燃料ポンプによる燃料の加圧を行わずとも、上記燃料噴
射機構の圧力は燃料の膨張により除々に上昇し、最終的
には機関停止中における調圧設定値に達するようにな
る。しかし、このように受熱により燃料噴射機構の圧力
が昇圧されることには、次のような懸念がある。即ち、
燃料噴射機構の圧力が内燃機関の運転中における調圧設
定値から同機関停止中における調圧設定値に達するまで
の期間は、燃料噴射機構が受熱により昇圧されると同時
に、受熱により燃料が気化するおそれもある。従って、
内燃機関の停止直後、可変調圧機構による調圧設定値が
同内燃機関の運転中における調圧設定値より高い値に設
定されたとしても、燃料噴射機構の受熱によりその圧力
が昇圧されるような場合には、燃料の気化が十分に抑制
されるとは言い難く、機関始動性の悪化もまねきかねな
い。この点、上記構成においては、機関停止後も燃料ポ
ンプの駆動を継続し、燃料噴射機構の圧力を積極的に昇
圧するようにしているため、その圧力が内燃機関の運転
中における調圧設定値から同機関停中における調圧設定
値に達するまでの時間が短縮されるようになる。これに
より、機関停止中における燃料の気化をより好適に抑制
することができるようになり、ひいては機関始動性が好
適に確保されるようにもなる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記
制御手段は、前記内燃機関の停止から所定の期間だけ前
記燃料ポンプの駆動を継続させることを要旨としてい
る。
【0018】上記構成によれば、内燃機関の停止から所
定の期間は、燃料ポンプの駆動が継続される。こうした
構成によっても、燃料噴射機構の圧力が内燃機関の停止
直後に設定される調圧設定値に達するまでの時間を短縮
することができるようになる。これにより、機関停止中
における燃料の気化をより好適に抑制することができる
ようになり、ひいては機関始動性が好適に確保されるよ
うにもなる。また、この場合は、予め定められた所定の
期間に基づいて燃料ポンプの駆動を継続するようにして
いるため、例えば機関停止中の燃料噴射機構の圧力をモ
ニタする等の制御が不要となり、同燃料ポンプの駆動の
継続に関する制御性が良好となる。
【0019】なお、上記所定の期間は、内燃機関の停止
直後における燃料噴射機構の圧力を、同内燃機関の停止
直後に設定される調圧設定値まで昇圧するために必要と
される燃料ポンプの駆動時間であり、実験等により予め
定められた値として採用されるものである。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項5記載の内
燃機関の燃料供給装置において、前記制御手段は、前記
内燃機関の停止直前の前記可変調圧機構による調圧設定
値と前記内燃機関の停止直後に設定する前記可変調圧機
構による調圧設定値との差に基づいて前記燃料ポンプの
駆動を継続させる所定の期間を決定することを要旨とし
ている。
【0021】上記構成によれば、内燃機関の停止直前の
可変調圧機構による調圧設定値と、同内燃機関の停止直
後に設定される可変調圧機構による調圧設定値との差に
基づいて、燃料ポンプの駆動を継続する所定の期間が決
定される。ちなみに、燃料供給装置に備えられる燃料ポ
ンプは、基本的にはその吐出量が一定であるため、所定
容積下における圧力を任意の目標圧力まで昇圧させるた
めに要する時間は、同目標圧力と現在の圧力との差に応
じたものとなる。そこで上記構成のように、上記各調圧
設定値の差に基づいて燃料ポンプの駆動を継続する所定
の期間を決定することにより、機関停止後における同燃
料ポンプの駆動の継続が的確に行われるようになる。
【0022】請求項7記載の発明は、請求項5または6
記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記制御手段
は、前記内燃機関の停止直前の前記燃料噴射機構におけ
る前記燃料の温度とこの燃料の飽和蒸気温度との差に基
づいて前記燃料ポンプの駆動を継続させる所定の期間を
決定することを要旨としている。
【0023】上記構成によれば、内燃機関の停止直前の
燃料噴射機構における燃料の温度と、この燃料の飽和蒸
気温度との差に基づいて、燃料ポンプの駆動を継続する
所定の期間が決定される。ちなみに、飽和蒸気温度と
は、任意の圧力である流体が液相あるいは気相(気液2
相を含む)のいずれであるかを示す流体の温度の閾値温
度である。即ち、任意の圧力である流体の温度が飽和蒸
気温度以上であれば、その流体は気相状態にあり、一
方、同流体の温度が飽和蒸気温度未満であれば、その流
体は液相状態にあるといえる。ここで、燃料噴射機構の
燃料が液相状態にある場合に、燃料ポンプにより同燃料
噴射機構の圧力を所定圧力PAだけ昇圧させるために要
する時間をT1とする。また、燃料噴射機構の燃料にベ
ーパが含まれている場合に、燃料ポンプにより同燃料噴
射機構の圧力を所定圧力PAだけ昇圧させるために要す
る時間をT2とすると、ベーパが含まれる燃料は液相燃
料よりも圧縮性が高いため、T2はT1よりも長い時間
となる。さらには、この時間(T2)はベーパの含まれ
る度合いにより変化する。そこで上記構成のように、内
燃機関の停止直前の燃料噴射機構における燃料の温度
と、この燃料の飽和蒸気温度との差に基づいて、燃料ポ
ンプの駆動を継続させる所定の期間を決定することによ
り、機関停止後における同燃料ポンプの駆動の継続がよ
り的確に行われるようになる。また、燃料ポンプの駆動
が継続される所定の期間が過度に長いことに起因して、
同燃料ポンプに過大な負荷がかかるといった事態が好適
に回避されるようにもなる。
【0024】請求項8記載の発明は、請求項1〜7のい
ずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記
燃料を前記燃料噴射機構を介して前記燃料タンクに還流
させる主還流経路を備え、前記可変調圧機構は前記主還
流経路に備えられることを要旨としている。
【0025】上記構成によれば、燃料ポンプにより圧送
された燃料は、燃料噴射機構及び主還流経路を介して燃
料タンクに還流され、その圧力は同主還流経路に備えら
れるに可変調圧機構により調圧される。このように、燃
料ポンプにより圧送された燃料が燃料噴射機構を介して
燃料タンクに還流されることにより、同燃料噴射機構が
圧送された燃料により冷却されるとともに、ベーパを含
む燃料が同燃料噴射機構の下流から燃料タンクに還流さ
れるようにもなる。これにより、内燃機関の停止中には
上記請求項1〜7のいずれかに記載の発明と同様の効果
が得られるとともに、同機関運転中において燃料の液相
状態の好適な維持が図られるようにもなる。
【0026】請求項9記載の発明は、請求項8記載の内
燃機関の燃料供給装置において、前記可変調圧機構は、
前記主還流経路に設けられるプライマリプレッシャレギ
ュレータと、前記主還流経路の前記プライマリプレッシ
ャレギュレータより上流もしくは下流に設けられる電磁
弁と、前記主還流経路の前記電磁弁の上流と下流とを前
記電磁弁を迂回する態様で連通し経路途中にセカンダリ
プレッシャレギュレータが設けられる補助還流経路とを
備えて構成されることを要旨としている。
【0027】上記構成によれば、燃料ポンプにより圧送
された燃料は、電磁弁の開閉操作を通じて、・電磁弁が
開弁状態にある場合は、プライマリプレッシャレギュレ
ータによる調圧を通じて燃料タンクに還流される。即
ち、燃料の圧力は、プライマリプレッシャレギュレータ
による調圧設定値に維持される。・電磁弁が閉弁状態に
ある場合は、セカンダリプレッシャレギュレータ及びプ
ライマリプレッシャレギュレータによる調圧を通じて燃
料タンクに還流される。即ち、燃料の圧力は、プライマ
リプレッシャレギュレータによる調圧設定値とセカンダ
リプレッシャレギュレータによる調圧設定値との加算値
に維持される。といった態様をもって調圧されるように
なる。そして、こうした構成においても、内燃機関の停
止直後に電磁弁を閉弁する、即ち上記各プレッシャレギ
ュレータの調圧機能をともに能動とすることにより、同
機関停止中における燃料噴射機構の圧力が高められるよ
うになるため、燃料の気化が好適に抑制されるようにな
る。
【0028】請求項10記載の発明は、請求項8記載の
内燃機関の燃料供給装置において、前記可変調圧機構
は、前記主還流経路に設けられるプライマリプレッシャ
レギュレータと、前記主還流経路の前記プライマリプレ
ッシャレギュレータより上流もしくは下流に設けられる
電磁弁と、前記主還流経路の前記電磁弁の上流と前記燃
料タンクとを連通し経路途中に前記プライマリプレッシ
ャレギュレータによる調圧設定値よりも高い値を有する
ハイプレッシャレギュレータが設けられる補助還流経路
とを備えて構成されることを要旨としている。
【0029】上記構成によれば、燃料ポンプにより圧送
された燃料は、電磁弁の開閉操作を通じて、 ・電磁弁が開弁状態にある場合は、プライマリプレッシ
ャレギュレータによる調圧を通じて燃料タンクに還流さ
れる。即ち、燃料の圧力は、プライマリプレッシャレギ
ュレータによる調圧設定値に維持される。 ・電磁弁が閉弁状態にある場合は、ハイプレッシャレギ
ュレータによる調圧を通じて燃料タンクに還流される。
即ち、燃料の圧力は、ハイプレッシャレギュレータによ
る調圧設定値に維持される。 といった態様をもって調圧されるようになる。そして、
こうした構成においても、内燃機関の停止直後に電磁弁
を閉弁する、即ち上記ハイプレッシャレギュレータの調
圧機能を能動とすることにより、同機関停止中における
燃料噴射機構の圧力が高められるようになるため、燃料
の気化が好適に抑制されるようになる。
【0030】請求項11記載の発明は、請求項8記載の
内燃機関の燃料供給装置において、前記可変調圧機構
は、前記主還流経路に設けられるプライマリプレッシャ
レギュレータと、前記主還流経路の前記プライマリプレ
ッシャレギュレータより上流もしくは下流に設けられる
電磁弁と、前記主還流経路の前記プライマリプレッシャ
レギュレータ及び前記電磁弁から構成される直列部の上
流と下流とを連通し経路途中に前記プライマリプレッシ
ャレギュレータによる調圧設定値よりも高い値を有する
ハイプレッシャレギュレータが設けられる補助還流経路
とを備えて構成されることを要旨としている。
【0031】上記構成によれば、燃料ポンプにより圧送
された燃料は、電磁弁の開閉操作を通じて、 ・電磁弁が開弁状態にある場合は、プライマリプレッシ
ャレギュレータによる調圧を通じて燃料タンクに還流さ
れる。即ち、燃料の圧力は、プライマリプレッシャレギ
ュレータによる調圧設定値に維持される。 ・電磁弁が閉弁状態にある場合は、ハイプレッシャレギ
ュレータによる調圧を通じて燃料タンクに還流される。
即ち、燃料の圧力は、ハイプレッシャレギュレータによ
る調圧設定値に維持される。 といった態様をもって調圧されるようになる。そして、
こうした構成においても、内燃機関の停止直後に電磁弁
を閉弁する、即ち上記ハイプレッシャレギュレータの調
圧機能を能動とすることにより、同機関停止中における
燃料噴射機構の圧力が高められるようになるため、燃料
の気化が好適に抑制されるようになる。
【0032】請求項12記載の発明は、請求項8記載の
内燃機関の燃料供給装置において、前記可変調圧機構
は、前記主還流経路に設けられる少なくとも2段階の調
圧設定値を有する可変プレッシャレギュレータであるこ
とを要旨としている。
【0033】上記構成によれば、燃料ポンプにより圧送
された燃料は、燃料噴射機構を介し可変プレッシャレギ
ュレータによる調圧を通じて燃料タンクに還流される、
即ちその圧力が可変プレッシャレギュレータによる調圧
設定値に維持される。そして、こうした構成において
も、内燃機関が停止されることに基づいて、可変プレッ
シャレギュレータによる調圧設定値を同機関運転中にお
ける調圧設定値よりも高い値に設定することにより、同
機関停止中における燃料噴射機構の圧力が高められるよ
うになるため、燃料の気化が好適に抑制されるようにな
る。
【0034】請求項13記載の発明は、請求項1〜7の
いずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前
記燃料を前記燃料噴射機構の上流から前記燃料タンクに
還流させる主迂回経路を備え、前記可変調圧機構は前記
主迂回経路に備えられることを要旨としている。
【0035】上記構成によれば、燃料ポンプにより圧送
された燃料は、燃料噴射機構の上流から主迂回経路を介
して燃料タンクに還流され、その圧力は同主迂回経路に
備えられるに可変調圧機構により調圧される。このよう
に、燃料ポンプにより圧送された燃料が燃料噴射機構の
上流から燃料タンクに還流されることにより、内燃機関
の運転中は、燃料噴射機構にはそこから噴射供給される
燃料量のみが供給される。換言すれば、燃焼室からの熱
を受けやすい燃料噴射機構に供給される燃料量が減量さ
れるということになる。これにより、内燃機関の停止中
には上記請求項1〜7のいずれかに記載の発明と同様の
効果が得られるとともに、同機関運転中においては燃料
タンクの温度上昇の好適な抑制が図られるようにもな
る。
【0036】請求項14記載の発明は、請求項13記載
の内燃機関の燃料供給装置において、前記可変調圧機構
は、前記主迂回経路に設けられるプライマリプレッシャ
レギュレータと、前記主迂回経路の前記プライマリプレ
ッシャレギュレータより上流もしくは下流に設けられる
電磁弁と、前記主迂回経路の前記電磁弁の上流と下流と
を前記電磁弁を迂回する態様で連通し経路途中にセカン
ダリプレッシャレギュレータが設けられる補助迂回経路
とを備えて構成されることを要旨としている。
【0037】上記構成によれば、燃料ポンプにより圧送
された燃料は、電磁弁の開閉操作を通じて、 ・電磁弁が開弁状態にある場合は、プライマリプレッシ
ャレギュレータによる調圧を通じて燃料タンクに還流さ
れる。即ち、燃料の圧力はプライマリプレッシャレギュ
レータによる調圧設定値に維持される。 ・電磁弁が閉弁状態にある場合は、セカンダリプレッシ
ャレギュレータ及びプライマリプレッシャレギュレータ
による調圧を通じて燃料タンクに還流される。即ち、燃
料の圧力はプライマリプレッシャレギュレータによる調
圧設定値とセカンダリプレッシャレギュレータによる調
圧設定値との加算値に維持される。といった態様をもっ
て調圧されるようになる。そして、こうした構成におい
ても、内燃機関の停止直後に電磁弁を閉弁する、即ち上
記各プレッシャレギュレータの調圧機能をともに能動と
することにより、同機関停止中における燃料噴射機構の
圧力が高められるようになるため、燃料の気化が好適に
抑制されるようになる。
【0038】請求項15記載の発明は、請求項13記載
の内燃機関の燃料供給装置において、前記可変調圧機構
は、前記主迂回経路に設けられるプライマリプレッシャ
レギュレータと、前記主迂回経路の前記プライマリプレ
ッシャレギュレータより上流もしくは下流に設けられる
電磁弁と、前記主迂回経路の前記電磁弁の上流と前記燃
料タンクとを連通し経路途中に前記プライマリプレッシ
ャレギュレータによる調圧設定値よりも高い値を有する
ハイプレッシャレギュレータが設けられる補助迂回経路
とを備えて構成されることを要旨としている。
【0039】上記構成によれば、燃料ポンプにより圧送
された燃料は、電磁弁の開閉操作を通じて、 ・電磁弁が開弁状態にある場合は、プライマリプレッシ
ャレギュレータによる調圧を通じて燃料タンクに還流さ
れる。即ち、燃料の圧力はプライマリプレッシャレギュ
レータによる調圧設定値に維持される。 ・電磁弁が閉弁状態にある場合は、ハイプレッシャレギ
ュレータによる調圧を通じて燃料タンクに還流される。
即ち、燃料の圧力はハイプレッシャレギュレータによる
調圧設定値に維持される。 といった態様をもって調圧されるようになる。そして、
こうした構成においても、内燃機関の停止直後に電磁弁
を閉弁する、即ち上記ハイプレッシャレギュレータの調
圧機能を能動とすることにより、同機関停止中における
燃料噴射機構の圧力が高められるようになるため、燃料
の気化が好適に抑制されるようになる。
【0040】請求項16記載の発明は、請求項13記載
の内燃機関の燃料供給装置において、前記可変調圧機構
は、前記主迂回経路に設けられるプライマリプレッシャ
レギュレータと、前記主迂回経路の前記プライマリプレ
ッシャレギュレータより上流もしくは下流に設けられる
電磁弁と、前記主迂回経路の前記プライマリプレッシャ
レギュレータ及び前記電磁弁から構成される直列部の上
流と下流とを連通し経路途中に前記プライマリプレッシ
ャレギュレータによる調圧設定値よりも高い値を有する
ハイプレッシャレギュレータが設けられる補助迂回経路
とを備えて構成されることを要旨としている。
【0041】上記構成によれば、燃料ポンプにより圧送
された燃料は、電磁弁の開閉操作を通じて、 ・電磁弁が開弁状態にある場合は、プライマリプレッシ
ャレギュレータによる調圧を通じて燃料タンクに還流さ
れる。即ち、燃料の圧力はプライマリプレッシャレギュ
レータによる調圧設定値に維持される。 ・電磁弁が閉弁状態にある場合は、ハイプレッシャレギ
ュレータによる調圧を通じて燃料タンクに還流される。
即ち、燃料の圧力はハイプレッシャレギュレータによる
調圧設定値に維持される。 といった態様をもって調圧されるようになる。そして、
こうした構成においても、内燃機関の停止直後に電磁弁
を閉弁する、即ち上記ハイプレッシャレギュレータの調
圧機能を能動とすることにより、同機関停止中における
燃料噴射機構の圧力が高められるようになるため、燃料
の気化が好適に抑制されるようになる。
【0042】請求項17記載の発明は、請求項13記載
の内燃機関の燃料供給装置において、前記可変調圧機構
は、前記主迂回経路に設けられる少なくとも2段階の調
圧設定値を有する可変プレッシャレギュレータであるこ
とを要旨としている。
【0043】上記構成によれば、燃料ポンプにより圧送
された燃料は、燃料噴射機構の上流から可変プレッシャ
レギュレータによる調圧を通じて燃料タンクに還流され
る、即ちその圧力が可変プレッシャレギュレータによる
調圧設定値に維持される。そして、こうした構成におい
ても、内燃機関の停止直後に、可変プレッシャレギュレ
ータによる調圧設定値を同機関運転中における調圧設定
値よりも高い値に設定することにより、同機関停止中に
おける燃料噴射機構の圧力が高められるようになるた
め、燃料の気化が好適に抑制されるようになる。
【0044】請求項18記載の発明は、請求項1〜17
のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、
前記制御手段は、前記内燃機関の運転中、前記燃料噴射
機構における前記燃料の飽和蒸気圧力に応じて、同飽和
蒸気圧力以上で且つ、同飽和蒸気圧力に最も近い調圧設
定値となるように、前記可変調圧機構による調圧設定値
を設定することを要旨としている。
【0045】上記構成によれば、内燃機関の運転中にお
いて、可変調圧機構による調圧設定値は、燃料噴射機構
内の燃料の飽和蒸気圧力に応じて、同飽和蒸気圧力以上
で且つ、同飽和蒸気圧力に最も近い調圧設定値となるよ
うに設定される。即ち、例えば、第1の調圧設定値及び
第2の調圧設定値を有する調圧機構においては(第1の
調圧設定値>第2の調圧設定値)、 ・燃料噴射機構内の燃料の飽和蒸気圧力が第2の調圧設
定値未満であるときには、第2の調圧設定値が有効とさ
れる。 ・燃料噴射機構内の燃料の飽和蒸気圧力が第2の調圧設
定値以上であるときには、第1の調圧設定値が有効とさ
れる。 といった態様をもって調圧設定値が設定される。ちなみ
に、燃料噴射機構内の燃料の飽和蒸気圧力が調圧設定値
(燃料噴射機構の圧力)未満、即ち燃料噴射機構の圧力
が飽和蒸気圧力以上である場合には燃料が気化するおそ
れはない。そこで上記構成のように、可変調圧機構によ
る調圧設定値を上述の条件のもとに設定することによ
り、内燃機関の運転中において、燃料ポンプへ過度に負
荷をかけることなく燃料の気化を抑制することができる
ようになる。
【0046】請求項19記載の発明は、請求項1〜18
のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、
前記内燃機関の運転に要求される燃料量が前記燃料ポン
プの燃料吐出量以上となるとき、前記可変調圧機構の調
圧設定値をより低い調圧設定値に変更する調圧設定値低
減手段をさらに備えることを要旨としている。
【0047】上記構成によれば、内燃機関の運転に要求
される燃料量が燃料ポンプの燃料吐出量以上となると
き、可変調圧機構の調圧設定値がより低い調圧設定値に
変更される。ちなみに、内燃機関の運転に要求される燃
料量、即ち燃料噴射機構を通じて内燃機関に噴射供給さ
れる燃料量が燃料ポンプの燃料吐出量以上となるときに
は、同噴射供給される燃料量が燃料噴射機構内に供給さ
れる燃料量を上回っていることになるため、同燃料噴射
機構内の燃料の圧力が次第に調圧機構の調圧設定値に応
じた圧力に維持されなくなることが考えられる。そし
て、この場合、燃料噴射機構内の燃料の圧力が不安定な
状態となり、同燃料噴射機構を通じて内燃機関の運転に
要求される燃料量を適切に噴射することが困難となるこ
とに起因して運転性の悪化をまねくようになる。一方
で、燃料ポンプの燃料吐出量は、燃料ポンプの下流側の
圧力が低くなるほど増量する傾向にある。そこで、上記
構成においては、上記態様をもって可変調圧機構の調圧
設定値をより低い調圧設定値に変更することで、燃料ポ
ンプの下流側の圧力が低くされることにともなって同燃
料ポンプの燃料吐出量が増量されるようにしている。こ
れにより、燃料噴射機構内に供給される燃料量が増量さ
れて同燃料噴射機構内の燃料の圧力が可変調圧機構の調
圧設定値に応じた圧力に維持される、即ち同燃料噴射機
構内の燃料の圧力が安定した状態に維持されるようにな
るため、内燃機関の運転性の悪化を好適に抑制すること
ができるようになる。
【0048】請求項20記載の発明は、請求項1〜18
のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、
前記内燃機関の運転に要求される燃料量が前記燃料ポン
プの燃料吐出量以上となるとき、前記可変調圧機構の調
圧設定値をより低い調圧設定値に変更し、前記内燃機関
の運転に要求される燃料量が前記燃料ポンプの燃料吐出
量よりも小さく設定される所定の燃料吐出量未満となる
とき、前記可変調圧機構の調圧設定値をより低い調圧設
定値に変更する処理を停止する調圧設定値低減手段をさ
らに備えることを要旨としている。
【0049】上記構成によれば、内燃機関の運転に要求
される燃料量が燃料ポンプの燃料吐出量以上となると
き、可変調圧機構の調圧設定値がより低い調圧設定値に
変更され、上記燃料量が上記燃料吐出量よりも小さく設
定される所定の燃料吐出量未満となるとき、上記可変調
圧機構の調圧設定値をより低い調圧設定値に変更する処
理が停止される。これにより、上記請求項19記載の発
明の作用効果に準じた作用効果が得られるようになると
ともに、制御ハンチングを好適に抑制することができる
ようになる。
【0050】請求項21記載の発明は、請求項1〜18
のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、
前記内燃機関の運転に要求される燃料量が前記燃料ポン
プの燃料吐出量よりも小さく設定される所定の燃料吐出
量以上となるとき、前記可変調圧機構の調圧設定値をよ
り低い調圧設定値に変更する調圧設定値低減手段をさら
に備えることを要旨としている。
【0051】上記構成によれば、内燃機関の運転に要求
される燃料量が燃料ポンプの燃料吐出量よりも小さく設
定される所定の燃料吐出量以上となるとき、可変調圧機
構の調圧設定値がより低い調圧設定値に変更される。こ
れにより、上記請求項19記載の発明の作用効果に準じ
た作用効果が得られるようになるとともに、燃料噴射機
構内の燃料の圧力が不安定な状態となることに起因する
内燃機関の運転性の悪化をより好適に抑制することがで
きるようになる。
【0052】請求項22記載の発明は、請求項1〜18
のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、
前記内燃機関の運転に要求される燃料量が前記燃料ポン
プの燃料吐出量よりも小さく設定される所定の燃料吐出
量以上となるとき、前記可変調圧機構の調圧設定値をよ
り低い調圧設定値に変更し、前記内燃機関の運転に要求
される燃料量が前記所定の燃料吐出量よりも小さく設定
される燃料吐出量未満となるとき、前記可変調圧機構の
調圧設定値をより低い調圧設定値に変更する処理を停止
する調圧設定値低減手段をさらに備えることを要旨とし
ている。
【0053】上記構成によれば、内燃機関の運転に要求
される燃料量が燃料ポンプの燃料吐出量よりも小さく設
定される所定の燃料吐出量未満となるとき、可変調圧機
構の調圧設定値がより低い調圧設定値に変更され、上記
燃料量が上記所定の燃料吐出量よりも小さく設定される
燃料吐出量未満となるとき、上記可変調圧機構の調圧設
定値をより低い調圧設定値に変更する処理が停止され
る。これにより、上記請求項19記載の発明の作用効果
に準じた作用効果が得られるようになるとともに、燃料
噴射機構内の燃料の圧力が不安定な状態となることに起
因する内燃機関の運転性の悪化をより好適に抑制するこ
とができるようになる。また、制御ハンチングを好適に
抑制することができるようにもなる。
【0054】請求項23記載の発明は、請求項1〜22
のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、
前記内燃機関が液化ガス燃料を燃料とする液化ガス内燃
機関であることを要旨としている。
【0055】上記構成によれば、例えば液化石油ガス
(LPG)といった液化ガス燃料を燃料とする内燃機関
に対して上記請求項1〜22のいずれかに記載の発明が
適用される。これにより、液化ガス燃料を燃料とする内
燃機関において、上記請求項1〜22のいずれかに記載
の発明の作用効果に準じた作用効果が得られるようにな
るため、同内燃機関の実用性がより高いものとされるよ
うになる。
【0056】請求項24記載の発明は、請求項23記載
の内燃機関の燃料供給装置において、前記燃料噴射機構
内の燃料の圧力と前記内燃機関の吸気通路の圧力とを監
視し、それら圧力差が所定の圧力差未満となるとき、前
記可変調圧機構の調圧設定値をより高い調圧設定値に変
更する調圧設定値増大手段をさらに備えることを要旨と
している。
【0057】上記構成によれば、燃料噴射機構内の燃料
の圧力と内燃機関の吸気通路の圧力との圧力差が所定の
圧力差未満となるとき、可変調圧機構の調圧設定値がよ
り高い調圧設定値に変更される。ちなみに、従来の液化
石油ガス(LPG)を燃料とする内燃機関の燃料供給装
置にあっては、次のような構成が一般的に採用されてい
る。即ち、従来の燃料供給装置にあっては、燃料タンク
内の液相燃料を燃料ポンプにより燃料供給経路へ圧送し
て、燃料噴射弁とともに燃料噴射機構を構成するデリバ
リパイプ内に供給する。そして、圧力センサを通じて検
出されるデリバリパイプ内の燃料の圧力と、例えば吸入
空気量等を通じて推定される内燃機関の吸気通路の圧力
との圧力差等に基づいて燃料噴射弁の開弁時間を決定す
るとともに、同開弁時間だけ燃料噴射弁を開弁してデリ
バリパイプ内の燃料を内燃機関に噴射供給する一方で、
燃料噴射弁により噴射供給されない燃料を還流経路を介
して燃料タンクに還流する構成となっている。また、上
記燃料供給装置においては、還流経路に調圧機構を備え
ることで、デリバリパイプ(燃料噴射機構)内の燃料の
圧力が燃料タンク内の燃料の圧力を基準として設定され
る調圧機構の調圧設定値に応じた圧力に維持されるよう
にしている。即ち、調圧機構の背圧室に燃料タンク内の
燃料の圧力が導入される構成とすることで、燃料噴射機
構内の燃料の圧力が燃料タンク内の燃料の圧力よりも一
定の値だけ高い圧力(調圧機構の調圧設定値)に維持さ
れるようにしている。これにより、燃料噴射機構が内燃
機関から受熱するような場合にあっても、同燃料噴射機
構内の燃料の液相状態が維持されるようになる。一方
で、LPGは加圧されて液化した状態で燃料タンク内に
貯留される液化ガス燃料であるため、燃料タンク内に貯
留されているLPGの圧力は外気温度や燃料の組成によ
って大きく異なる値を示す傾向にある。従って、例えば
外気温度等の影響により燃料タンク内の燃料の温度が過
度に低いときには、それに応じて同燃料タンク内の燃料
の圧力も低くなっているため、調圧機構の調圧設定値が
低い値に設定されて燃料噴射機構内の燃料の圧力もそれ
に応じた圧力に維持されることになる。そして、この場
合、燃料噴射機構内の燃料の圧力と内燃機関の吸気通路
の圧力との圧力差が小さくなることにより、同圧力差に
占める圧力センサの検出誤差の割合が大きくなるため、
燃料噴射弁の開弁時間が適切に算出されなくなるととも
に同燃料噴射弁による燃料噴射量のばらつきが増大する
ようになる。このように、上記燃料供給装置にあって
は、燃料タンク内の燃料の圧力(温度)が過度に低いと
き、圧力センサの検出誤差等に起因する運転性の悪化が
懸念される。また、LPGを燃料とする内燃機関の燃料
供給装置でなくとも、常温・常圧のとき気相状態にあり
加圧により液化された状態で燃料タンク内に貯留される
液化ガス燃料を燃料として用いる液化ガス内燃機関の燃
料供給装置であれば、上記同様の問題をまねくことが考
えられる。そこで、上記構成においては、燃料噴射機構
内の燃料の圧力と内燃機関の吸気通路の圧力との圧力差
が所定の圧力差未満となるとき、可変調圧機構の調圧設
定値をより高い調圧設定値に変更することで、上記圧力
差が大きくなるようにしている。これにより、上記各圧
力を監視する場合であれ、それら圧力差に占める圧力監
視誤差の割合が小さくされて同圧力監視誤差等に起因す
る燃料噴射量のばらつきが抑制されるため、燃料噴射機
構の燃料噴射精度の低下を好適に回避することができる
ようになる。
【0058】請求項25記載の発明は、請求項24記載
の内燃機関の燃料供給装置において、前記調圧設定値増
大手段は、前記燃料噴射機構内の燃料の圧力が所定の圧
力未満となることに基づいて、前記圧力差が所定の圧力
差未満である旨判定することを要旨としている。
【0059】上記構成によれば、燃料噴射機構内の燃料
の圧力が所定の圧力未満となることに基づいて、燃料噴
射機構内の燃料の圧力と内燃機関の吸気通路の圧力との
圧力差が所定の圧力差未満である旨判定される。ちなみ
に、内燃機関の吸気通路の圧力が変動する領域は、燃料
噴射機構内の燃料の圧力が変動する領域に比べて十分に
小さいため、上記圧力差を簡易的に燃料噴射機構内の燃
料の圧力のみに基づいて推定することも可能となる。そ
こで、上記態様をもって上記圧力差が所定の圧力差未満
である旨判定することによっても、上記請求項24記載
の発明の作用効果に準じた作用効果が得られるようにな
る。
【0060】請求項26記載の発明は、請求項24記載
の内燃機関の燃料供給装置において、前記調圧設定値増
大手段は、前記燃料タンク内の燃料の圧力が所定の圧力
未満となることに基づいて、前記圧力差が所定の圧力差
未満である旨判定することを要旨としている。
【0061】上記構成によれば、燃料タンク内の燃料の
圧力が所定の圧力未満となることに基づいて、燃料噴射
機構内の燃料の圧力と内燃機関の吸気通路の圧力との圧
力差が所定の圧力差未満である旨判定される。ちなみ
に、内燃機関の吸気通路の圧力が変動する領域は、燃料
噴射機構内の燃料の圧力が変動する領域に比べて十分に
小さいため、上記圧力差を簡易的に燃料噴射機構内の燃
料の圧力のみに基づいて推定することも可能となる。ま
た、燃料噴射機構内の燃料の圧力は、基本的には調圧機
構の調圧設定値に応じた圧力に維持されており、この調
圧設定値は燃料タンク内の燃料の圧力に応じて決定され
るため、上記燃料噴射機構内の燃料の圧力の相当値とし
て燃料タンク内の燃料の圧力を採用することもできる。
そこで、上記態様をもって上記圧力差が所定の圧力差未
満であることを判定することによっても、上記請求項2
4記載の発明の作用効果に準じた作用効果が得られるよ
うになる。
【0062】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明を具
体化した第1の実施の形態について、図1〜図9を参照
して説明する。
【0063】なお、この実施の形態にかかる内燃機関の
燃料供給装置は、液化石油ガス(LPG)を内燃機関に
噴射供給する燃料供給装置である。まず、図1を参照し
て、同実施の形態にかかる内燃機関の燃料供給装置につ
いてその概要を説明する。なお、図1は、内燃機関とと
もに燃料供給装置の全体構成の概略を模式的に示してい
る。
【0064】図1に示されるように、この実施の形態の
装置は、混合気の燃焼を通じて出力を得る内燃機関1に
対して燃料を噴射供給する燃料供給装置3、及び内燃機
関1をはじめとして、この燃料供給装置3等の制御を統
括して実行する電子制御装置(ECU)4を備えてい
る。なお、このECU4には、内燃機関1の運転状態、
及び燃料供給装置3の動作状態を示す各種検出データ
が、検出系5を通じて入力される。また、上記燃料供給
装置3、ECU4を含め内燃機関1の始動及び停止は、
「オフ」「アクセサリ」「オン」「スタート」の4つの
位置に切り替えが可能であるイグニッションスイッチS
Wの切替操作を通じて行われる。
【0065】ここで、内燃機関1にあって、そのシリン
ダブロック11には、混合気の燃焼がその内部で行われ
るシリンダ12が複数備えられ、それら各シリンダ12
の上部には、混合気の点火を行うイグニッションプラグ
13や、吸気を行う吸気弁14及び排気を行う排気弁1
5等を備えるシリンダヘッド16が配設されている。ま
た、上記シリンダ12内には、内燃機関1の出力軸であ
るクランクシャフト17にコネクティングロッド18を
介して連結されるピストン19が摺動可能に収容されて
いる。そして、このピストン19と上記シリンダヘッド
16とが対峙してなす燃焼室20において混合気が燃焼
され、これによる同ピストン19の往復運動が上記コネ
クティングロッド18により回転運動に変換された後、
クランクシャフト17へ伝達される。なお、上記シリン
ダ12の周囲に設けられるウォータージャケット12a
内を循環する冷却水により、各シリンダ12及びシリン
ダヘッド16等の冷却が行われる。
【0066】また、上記燃焼室20には、吸入空気の浄
化装置であるエアクリーナ21、及び吸入空気の調量機
構であるスロットルバルブ22等を備える吸気通路23
が接続されており、吸入空気は同エアクリーナ21によ
る浄化、及び同スロットルバルブ22による調量を通じ
て燃焼室20へ供給される。また、上記スロットルバル
ブ22は、その開度が図示しないアクセルペダルの踏み
込み量等に応じたものとなるように開閉駆動される。
【0067】ここで、上記燃料供給装置3は、同装置3
に備えられる燃料噴射弁INJを通じて上記吸気通路2
3に対して燃料の噴射供給を行い、この噴射供給された
燃料と吸入空気との混合気が燃焼室20に供給される。
そして、上記供給された混合気がピストン19により圧
縮され高圧となった後に、イグニッションプラグ13に
よる点火を通じて燃焼され、このときに生じた燃焼エネ
ルギによりクランクシャフト17が回転される。また、
燃焼後の排気ガスは、排気弁15の開弁にともない、燃
焼室20に接続される排気通路24に排出され、触媒装
置25により浄化された後、内燃機関1の外部へ排出さ
れる。
【0068】次に、上記燃料供給装置3について、その
構成をより詳細に説明する。この燃料供給装置3に備え
られる燃料タンク31に貯留された燃料は、その液相部
が燃料ポンプ32により汲み取られ、フィルタ33が設
けられた供給経路R1を介して燃料噴射弁INJととも
に燃料噴射機構34を構成するデリバリパイプ35に圧
送される。そして、このデリバリパイプ35に供給され
た燃料は、燃料噴射弁INJがECU4からの信号に応
じて所定時間開弁されることにより、この開弁時間に対
応した量だけ、各対応するシリンダに噴射供給される。
また、上記デリバリパイプ35の下流側と上記燃料タン
ク31の気相部とは還流経路R2により接続されてお
り、同還流経路R2には、燃料の調圧機構であるプライ
マリプレッシャレギュレータ36、及びその上流にセカ
ンダリプレッシャレギュレータ37が設けられている。
なお、本実施の形態においては、上記各プレッシャレギ
ュレータ36,37として、背圧室(図示略)に燃料タ
ンク31の燃料の圧力が導入されるとともに同じ性能を
有するものが採用されているものとする。また、還流経
路R2のセカンダリプレッシャレギュレータ37の上流
と下流とは、その経路途中に電磁弁38が設けられてい
る補助還流経路R3により連通されており、この補助還
流経路R3は上記電磁弁38の開閉状態により能動ある
いは非能動とされる。これにより、燃料ポンプ32によ
り圧送された燃料は電磁弁38の開閉状態に応じて、プ
ライマリプレッシャレギュレータ36のみ、あるいは各
プレッシャレギュレータ36,37によりその圧力が所
定に維持されつつ、デリバリパイプ35に供給される。
そして、燃料噴射機構34に供給された燃料のうち、噴
射供給に使用されなかった分は還流経路R2を介して燃
料タンク31に還流される。なお、本実施の形態におい
ては、上記電磁弁38として、常時閉弁、即ち非通電時
には閉弁されており、通電によって開弁されるものが採
用されている。そして実際には、電磁弁38は、 ・ECU4を通じてデリバリパイプ35内の燃料が気化
している旨判定されたとき。 ・イグニッションスイッチSWが「オン」から「オフ
(アクセサリ)」に切り替えられたとき。 といった条件のもとにECU4からの指令信号に応じて
閉弁される。
【0069】また、本実施の形態にあって、検出系5
は、燃料の状態を検出するためのタンク燃温センサ5
1、タンク燃圧センサ52、パイプ燃温センサ53及び
パイプ燃圧センサ54等を備える構成となっている。
【0070】ここで、タンク燃温センサ51及びタンク
燃圧センサ52は、それぞれ上記燃料タンク31に設け
られて、同燃料タンク31内における燃料の温度及び圧
力(タンク燃温Tt及びタンク燃圧Pt)を検出するセ
ンサである。また、パイプ燃温センサ53及びパイプ燃
圧センサ54は、それぞれ上記デリバリパイプ35に設
けられて、同デリバリパイプ35内の燃料の温度及び圧
力(パイプ燃温Tp及びパイプ燃圧Pp)を検出するセ
ンサである。ECU4は、これら各センサ51,52,
53,54により検出されたデータに基づいてデリバリ
パイプ35内における燃料の相状態を判定する。そし
て、この判定の結果に基づいて上述した電磁弁38の開
閉操作を行い、以下に説明する各燃料経路のいずれかを
能動とする。また、ECU4は、上記パイプ燃圧センサ
54を通じて検出されるデリバリパイプ35内の燃料の
圧力(パイプ燃圧Pp)と、エアフローメータ(図示
略)の検出値等を通じて推定される吸気通路23の圧力
との差(圧力差DfP)に基づいて、上記燃料噴射弁I
NJの開弁時間、即ち燃料噴射量Qiを決定する。
【0071】次に、電磁弁38の開閉操作を通じて選択
的に切り替えられる各燃料経路について、図2及び図3
を参照して説明する。なお、以降では、電磁弁38が開
弁されているときの燃料経路を第1の経路、同電磁弁3
8が閉弁されているときの燃料経路を第2の経路とす
る。ちなみに、図2は燃料供給装置3の第1の経路が能
動とされている場合を示し、図3は燃料供給装置3の第
2の経路が能動とされている場合を示している。また、
これら図2及び図3において、破線で図示する経路(還
流経路R2及び補助還流経路R3の一部)は、燃料の流
れが遮断された状態を示している。
【0072】まず、燃料経路の第1の経路が能動とされ
ている場合(図2)について説明する。この場合は、電
磁弁38が開弁されているため、プライマリプレッシャ
レギュレータ36による燃料の調圧機能のみが働く。こ
のため、燃料ポンプ32により圧送される燃料は、その
圧力が上記プライマリプレッシャレギュレータ36によ
る第1の調圧値Pst(調圧設定値)に維持されつつデ
リバリパイプ35に供給される。そして、上記供給され
た燃料のうち燃料噴射弁INJにより噴射供給されなか
った燃料は、開弁されている電磁弁38(補助還流経路
R3)を介して燃料タンク31に還流される。
【0073】次に、燃料経路の第2の経路が能動とされ
ている場合(図3)について説明する。この場合は、電
磁弁38が閉弁されているため、プライマリプレッシャ
レギュレータ36及びセカンダリプレッシャレギュレー
タ37による燃料の調圧機能がともに働く。このため、
燃料ポンプ32により圧送される燃料は、その圧力が上
記プライマリプレッシャレギュレータ36及びセカンダ
リプレッシャレギュレータ37による第2の調圧値Pn
d(調圧設定値)に維持されつつデリバリパイプ35に
供給される。そして、上記供給された燃料のうち燃料噴
射弁INJにより噴射供給されなかった燃料は、還流経
路R2のみを介して燃料タンク31に還流される。
【0074】なお、本実施の形態において、上記第1の
調圧値Pstは一般に採用される調圧設定値に相当す
る。また、上記各プレッシャレギュレータ36,37と
して同じ性能を有するものが採用されているため、上記
第2の調圧値Pndは、燃料タンク31内の燃料の圧力
を基準として上記第1の調圧値Pstの2倍に相当する
値となる。
【0075】ここで、図4に、燃料の相状態の判定に用
いられる飽和蒸気圧曲線とともに、上記第1の調圧値P
stと第2の調圧値Pndとの関係を示す。以下、図4
を参照して、この飽和蒸気圧曲線による燃料の相状態の
判定について説明する。
【0076】まず、電磁弁38の開閉操作を通じて、 ・上記第1の経路が能動とされている場合は、デリバリ
パイプ35の圧力(パイプ燃圧Pp)は、ほぼ上記第1
の調圧値Pstに維持される。 ・上記第2の経路が能動とされている場合は、デリバリ
パイプ35の圧力(パイプ燃圧Pp)は、ほぼ上記第2
の調圧値Pndに維持される。 といった態様をもって燃料の調圧状態が設定される。
【0077】ここで、図4に示すように、第1の調圧値
Pstに対応する燃料の飽和蒸気温度を第1の飽和温度
Tst、上記第2の調圧値Pndに対応する燃料の飽和
蒸気温度を第2の飽和温度Tndとする。ちなみに、飽
和蒸気温度とは、任意の圧力である流体が液相あるいは
気相(気液2相を含む)のいずれであるかを示す流体の
温度の閾値温度である。即ち、任意の圧力である流体の
温度が飽和蒸気温度以上であれば、その流体は気相状態
にあり、一方、同流体の温度が飽和蒸気温度未満であれ
ば、その流体は液相状態にあるといえる。
【0078】従って、図4に示されるように、例えばデ
リバリパイプ35の圧力(パイプ燃圧Pp)が、それぞ
れ第1の調圧値Pstあるいは第2の調圧値Pndに維
持されている場合において、同デリバリパイプ35の温
度(パイプ燃温Tp)が燃焼室20等からの受熱により
温度Tpa(図4:点A1、点A2)から温度Tpb
(図4:点B1、点B2)に上昇したことを想定する
と、 ・上記第1の経路が能動とされている場合は、点B1の
状態において温度Tpbが第1の飽和温度Tst以上で
あるため燃料は気化する。 ・上記第2の経路が能動とされている場合は、点B2の
状態において温度Tpbが第2の飽和温度Tnd未満で
あるため燃料は気化しない。 といったように、能動とされている燃料経路に応じて燃
料の気化態様が異なったものとなる。即ち、上記第2の
経路が能動とされる(電磁弁38が閉弁される)という
ことは、燃料の温度上昇による気化に対しての耐性が高
められることに相当する。そして、本実施の形態におい
ては、以下に示す処理に基づいて、こうした各燃料経路
の選択的な切り替えを行うようにしている。
【0079】次に、電磁弁38の開閉制御について図5
〜図7を参照して説明する。なお、図5は、機関の始動
処理を示し、図6は、機関運転中の電磁弁開閉処理(制
御手段)を示し、図7は、機関停止時の電磁弁開閉処理
(制御手段)を示している。
【0080】最初に、図5を参照して機関の始動処理に
ついて説明する。ちなみに、本処理は、ECU4の機能
が能動とされている期間において内燃機関1の運転が開
始されるまで、所定の時間周期をもって繰り返し行われ
るものである。
【0081】まずステップS101では、イグニッショ
ンスイッチSWが「オン」位置にあることを示すイグニ
ッション信号IGがオンであるか否かが判断される。イ
グニッション信号IGがオンである旨判断された場合
は、ステップS102へ移り、一方、イグニッション信
号IGがオフである旨判断された場合は、本処理を一旦
終了する。
【0082】次にステップS102では、燃料ポンプ3
2を駆動し、ステップS103へ移る。次にステップS
103では、イグニッションスイッチSWが「スター
ト」位置にあることを示すスタータ信号STAがオンで
あるか否かが判断される。スタータ信号STAがオンで
ある旨判断された場合は、ステップS104へ移り、一
方、スタータ信号STAがオフである旨判断された場合
は、本処理を一旦終了する。
【0083】次にステップS104では、内燃機関1の
運転を開始し、本処理を終了する。即ち、この機関の始
動処理(図5)を通じて、イグニッションスイッチSW
が「オン」にされると燃料ポンプ32による燃料の圧送
が開始され、イグニッションスイッチSWが「スター
ト」とされると内燃機関1の運転が開始される。
【0084】次に、図6を参照して機関運転中の電磁弁
開閉処理について説明する。ちなみに、本処理は、内燃
機関1の運転中において、所定の時間周期をもって繰り
返し行われるものである。
【0085】次にステップS201では、タンク燃温T
t、タンク燃圧Pt、パイプ燃温Tp、パイプ燃圧Pp
をそれぞれ読み込み、ステップS202へ移る。次にス
テップS202では、これら各検出データに基づいて現
在の燃料の状態に応じた飽和蒸気圧曲線を決定し、この
決定された飽和蒸気圧曲線から飽和蒸気圧力PVPを算
出して、ステップS203へ移る。
【0086】そしてステップS203では、飽和蒸気圧
力PVPが第1の調圧値Pst未満であるか否かが判断
される。飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst未満
である旨判断された場合は、ステップS204へ移り、
電磁弁38を開弁し、本処理を一旦終了する。一方、飽
和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst未満でない旨判
断された場合は、ステップS205へ移り、電磁弁38
を閉弁し、本処理を一旦終了する。
【0087】即ち、この機関運転中の電磁弁開閉処理
(図6)を通じて、各センサ51,52,53,54に
よる検出データに基づいて飽和蒸気圧力PVPが算出さ
れ、この算出された飽和蒸気圧力PVPとプライマリプ
レッシャレギュレータ36による第1の調圧値Pstと
の対比のもとに、電磁弁38の開閉制御が行われる。
【0088】次に、図7を参照して機関停止時の電磁弁
開閉処理について説明する。ちなみに、本処理は、内燃
機関1の停止後においても燃料ポンプ32の駆動が停止
されるまで、所定の時間周期をもって繰り返し行われる
ものである。
【0089】まずステップS301では、イグニッショ
ンスイッチSWが「オン」位置にあることを示すイグニ
ッション信号IGがオンからオフにされたか否かが判断
される。イグニッション信号IGがオンからオフにされ
た旨判断された場合は、ステップS302へ移り、一
方、イグニッション信号IGがオンからオフにされてな
い旨判断された場合は、本処理を一旦終了する。
【0090】次にステップS302では、電磁弁38を
閉弁し、ステップS303へ移る。そしてステップS3
03では、内燃機関1の停止直後からの経過時間が所定
継続時間TdrvA未満である否かが判断される。経過
時間が所定継続時間TdrvA未満である旨判断された
場合は、ステップS304へ移って、燃料ポンプ32の
駆動を継続し、本処理を一旦終了する(再度、本処理を
実行する)。一方、経過時間が所定継続時間TdrvA
未満でない旨判断された場合は、本処理を終了する(通
常の機関停止状態へ移行する)。
【0091】即ち、この機関停止時の電磁弁開閉処理
(図7)を通じて、内燃機関1の停止にともない電磁弁
38が閉弁され、同内燃機関1の停止直後から所定継続
時間TdrvAが経過するまでは燃料ポンプ32の駆動
が継続される。
【0092】ここで、上記各電磁弁開閉処理(図6及び
図7)について総括すると、 (A)内燃機関1の停止にともなう電磁弁38の閉弁操
作(図7)。 (B)内燃機関1の停止後における燃料ポンプ32の駆
動継続操作(図7)。 (C)内燃機関1の運転中における電磁弁38の開閉操
作(図6)。 といった各操作が上述した所定の条件のもとに行われ
る。なお、上記(A)を換言すれば、デリバリパイプ3
5の圧力を第2の調圧値Pndに維持するということで
あり、上記(C)を換言すれば、デリバリパイプ35の
圧力を適宜、第1の調圧値Pstあるいは第2の調圧値
Pndのいずれかに維持するということである。
【0093】以下、上記(A)〜(C)の操作を通じて
奏される効果について、一般に想定される所定の状況に
基づいてそれぞれ詳細な説明をする。まず、上記(A)
の操作を通じて奏される効果について説明する。
【0094】一般に、液化石油ガスを燃料とする内燃機
関は、燃料の気化に起因する運転性の悪化といった問題
を抱えているため、燃料の気化が抑制されることが望ま
しいが、 ・プレッシャレギュレータによる調圧設定値が高くなる
ほど、燃料の飽和蒸気温度も高い値に維持されるように
なるため、燃料の気化が抑制されるようになる。 ・プレッシャレギュレータによる調圧設定値が高くなる
ほど、燃料ポンプによる燃料の圧送に際して圧送抵抗が
増大するため、同燃料ポンプにかかる負荷が大きくな
る。 といったように、燃料の気化抑制と燃料ポンプの負荷軽
減とは互いに相反するトレードオフ関係にあり、通常は
こうした事態をふまえ両者のバランスを考慮して、プレ
ッシャレギュレータによる調圧設定値が設定される。従
って、例えば内燃機関の停止直後のように、 ・機関各部が高温の状態であるため、燃料噴射機構の温
度が上昇しやすい。 ・燃料が循環されていないため、燃料の循環による燃料
噴射機構の冷却作用がない。 といった場合には、燃料噴射機構の圧力が上記通常の調
圧設定値に維持されたとしても、燃料が気化することも
考えられる。
【0095】この点、本実施の形態では、内燃機関1が
停止されることに基づいてプライマリプレッシャレギュ
レータ36及びセカンダリプレッシャレギュレータ37
の調圧機能をともに能動とする(電磁弁38を閉弁す
る)、即ちデリバリパイプ35の圧力を第2の調圧値P
ndに維持するようにしている。このため、機関停止中
におけるデリバリパイプ35の圧力が、第1の調圧値P
st(一般に採用される調圧設定値)よりも十分に高い
圧力に維持され、機関停止中における燃料の気化が抑制
されるようになる。また、これにともない機関始動性が
確保されるようにもなる。さらには、内燃機関1が停止
されることのみに基づいてデリバリパイプ35の圧力を
第2の調圧値Pndに維持するようにしているため(図
7:ステップS301及びS302)、例えば同デリバ
リパイプ35の温度をモニタする等の制御が不要とな
り、調圧設定値の設定に関する制御性が良好となる。
【0096】次に、上記(B)の操作を通じて奏される
効果について説明する。ここで、内燃機関1の停止直
後、デリバリパイプ35の圧力を維持する調圧設定値が
第1の調圧値Pstから第2の調圧値Pndへ切り替え
られたことを想定する。図8を参照すると、この調圧設
定値が切り替えられた直後におけるデリバリパイプ35
の圧力(パイプ燃圧Pp)は、ほぼ第1の調圧値Pst
に等しい。このとき、内燃機関1の各部は高温の状態に
あるため、デリバリパイプ35はそうした高温状態にあ
る機関各部からの熱を受けることになる。従って、燃料
ポンプ32による燃料の加圧を行わずとも、同デリバリ
パイプ35の圧力(パイプ燃圧Pp)は燃料の膨張によ
り除々に上昇するようになり、最終的には第2の調圧値
Pndに達するようになる。そして、以降、デリバリパ
イプ35の圧力はこの第2の調圧値Pndに維持される
ようになるものの、このようにデリバリパイプ35の圧
力が受熱により昇圧される場合には、以下に示すような
ことが懸念される。
【0097】例えば、内燃機関1の停止後、デリバリパ
イプ35内の燃料が受熱により点C1(図8:温度Tp
c1、圧力Pst)から点C2(図8:温度Tpc2、
圧力Pnd)、及び点C1(図8:温度Tpc1、圧力
Pst)から点C3(図8:温度Tpc3、圧力Pn
d)へそれぞれ移行したとする(点C1から点C2及び
点C3への移行の経路は直線的でなくともよい)。この
とき、・上記燃料の状態が点C1から点C2に移行した
場合には、燃料の温度が上昇しているものの、最終的な
温度Tpc2が第2の飽和温度Tnd未満であるため、
ベーパは発生しない。・上記燃料の状態が点C1から点
C3に移行した場合には、燃料の温度上昇により最終的
な温度Tpc3が第2の飽和温度Tnd以上であるた
め、ベーパが発生する。といったように、燃料の圧力は
第1の調圧値Pstから第2の調圧値Pndへと昇圧さ
れるものの、この昇圧されている期間にベーパが発生す
ることもある。このように、内燃機関1の停止直後、調
圧設定値が第1の調圧値Pstから第2の調圧値Pnd
へ切り替えられたとしても、デリバリパイプ35の受熱
によりその圧力が昇圧されるような場合には、燃料の気
化が十分に抑制されるとは言い難く、機関始動性の悪化
もまねきかねない。この点、本実施の形態では、内燃機
関1の停止後も燃料ポンプ32の駆動を継続し、デリバ
リパイプ35の圧力を積極的に昇圧するようにしている
ため、その圧力が第2の調圧値Pndに達するまでの時
間が短縮されるようになる。これは、例えば図8に示す
ように、燃料が点C1から点C4(図8:温度Tpc
1、圧力Pnd)へと移行することに相当する(実際に
は、移行の経路及び移行した後の燃料の温度がそれぞれ
若干変動することもある)。これにより、内燃機関1の
停止中における燃料の気化抑制、及び機関始動性の確保
をより有効に行うことができるようになる。
【0098】次に、上記(C)の操作を通じて奏される
効果について説明する。ここで、例えば図8に示すよう
に、デリバリパイプ35内の燃料が点Xの状態(温度T
px、圧力Pnd)であることを想定する。このとき、 ・燃料の飽和蒸気圧力は飽和蒸気圧力PVPxである。 ・この飽和蒸気圧力PVPxは第1の調圧値Pst未満
である。 といった理由により、デリバリパイプ35の圧力を第1
の調圧値Pstに維持しても燃料が気化するおそれはな
い。従って、デリバリパイプ35の温度が第1の飽和温
度Tst未満であるにもかかわらず、デリバリパイプ3
5の圧力が第2の調圧値Pndに維持されている場合は
(図8:点X)、燃料ポンプ32に余分な負荷がかかっ
ている状態といえる。
【0099】この点、本実施の形態では、内燃機関1の
運転中において、 ・飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst未満(デリ
バリパイプ35の温度が第1の飽和温度Tst未満)で
ある場合には、デリバリパイプ35の圧力を第1の調圧
値Pstに維持する(図6:ステップS203において
Yes)。 ・飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst以上(デリ
バリパイプ35の温度が第1の飽和温度Tst以上)で
ある場合には、デリバリパイプ35の圧力を第2の調圧
値Pndに維持する(図6:ステップS203において
No)。 といった態様をもって燃料の調圧状態を切り替えるよう
にしているため、燃料ポンプ32に余分な負荷がかかる
といった事態が回避されるようになる。
【0100】次に、図9をあわせ参照して、上記各電磁
弁開閉処理(図6及び図7)の態様についてさらに詳細
に説明する。なお、この図9は、内燃機関1の運転が停
止された後から十分な時間が経過しておらず、同内燃機
関1の各部が高温である状態から再度機関を始動するい
わゆる高温再始動、及びこの高温再始動以降の機関運転
状態を想定し、そうした運転状態における各フラグ等
((a)〜(g))の動作態様を示している。
【0101】いま、イグニッションスイッチSWによる
イグニッション信号IGがオンである旨検出されたとす
ると、時刻t1において燃料ポンプ32の駆動が開始さ
れる(図9(a),(b))。これにより、燃料タンク
31内の比較的温度の低い燃料がデリバリパイプ35へ
圧送されるようになるため、同デリバリパイプ35内が
冷却され、それにともない飽和蒸気圧力PVPが徐々に
下降しはじめる。そして、時刻t2においてイグニッシ
ョンスイッチSWが「スタート」とされ、スタータ信号
STAがオンである旨検出されたとすると、内燃機関1
の運転が開始される(図9(c),(d))。そして、
上記燃料ポンプ32の駆動にともない上記飽和蒸気圧力
PVPがプライマリプレッシャレギュレータ36による
第1の調圧値Pst未満となった旨が時刻t3において
検出されたとすると、ECU4により電磁弁38が開弁
され、セカンダリプレッシャレギュレータ37の調圧機
能が非能動とされる(図9(g),(e),(f))。
これにより、デリバリパイプ35に圧送される燃料がプ
ライマリプレッシャレギュレータ36のみにより調圧さ
れるようになる。即ち、デリバリパイプ35(正確には
燃料ポンプ32からプライマリプレッシャレギュレータ
36までの燃料経路内)の圧力は、第1の調圧値Pst
に維持されるようになる。そして、時刻t3以降、例え
ば燃焼室20等からの受熱によるデリバリパイプ35の
温度(パイプ燃温Pt)上昇に起因して、飽和蒸気圧力
PVPが第1の調圧値Pst以上となった旨が時刻t4
において検出されたとすると、ECU4により電磁弁3
8が閉弁される(図9(g),(e))。これにより、
セカンダリプレッシャレギュレータ37の調圧機能が能
動とされ、デリバリパイプ35に圧送される燃料がプラ
イマリプレッシャレギュレータ36及びセカンダリプレ
ッシャレギュレータ37により調圧されるようになる
(図9(f))。即ち、デリバリパイプ35の圧力は、
第2の調圧値Pndに維持されるようになる。そして、
デリバリパイプ35の温度(パイプ燃温Pt)の下降に
より、飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst未満と
なった旨が時刻t5において検出されたとすると、電磁
弁38が開弁され、再度セカンダリプレッシャレギュレ
ータ37の調圧機能が非能動とされる(図9(g),
(e),(f))。そして、この時刻t5以降におい
て、飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst以上とな
るようなことがあれば、そのたびに上記時刻t4から時
刻t5までの処理が繰り返し行われる。また、飽和蒸気
圧力PVPが第1の調圧値Pst以上となるようなこと
がなければ、内燃機関1の運転が停止されるまでデリバ
リパイプ35の圧力が第1の調圧値Pstに維持される
(図9(g))。そして、時刻t6においてイグニッシ
ョンスイッチSWが「オフ」とされ、イグニッション信
号IGがオフである旨検出されたとすると、内燃機関1
の運転が停止されるとともに電磁弁38が閉弁される
(図9(a),(d),(e))。これにより、デリバ
リパイプ35に圧送される燃料がプライマリプレッシャ
レギュレータ36及びセカンダリプレッシャレギュレー
タ37により調圧されるようになる(図9(f))。ま
た、この時刻t6から予め設定されている所定継続時間
TdrvAが経過するまでは、燃料ポンプ32の駆動が
継続される(図9(b))。そして、燃料ポンプ32が
所定継続時間TdrvA駆動された旨が時刻t7におい
て検出されると、燃料ポンプ32の駆動が停止される
(図9(b))。
【0102】このように、デリバリパイプ35の圧力が
第2の調圧値Pndに維持される、即ち燃料ポンプ32
の負荷が増大される状況は、燃料の気化のおそれがある
場合に限られるため、同燃料ポンプ32へ過度に負荷を
かけることなく燃料の気化を抑制することができるよう
になる。
【0103】以上詳述したように、この第1の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、以下に列
記するような優れた効果が得られるようになる。 (1)内燃機関1の停止直後、プライマリプレッシャレ
ギュレータ36及びセカンダリプレッシャレギュレータ
37の調圧機能をともに能動とする(電磁弁38を閉弁
する)、即ちデリバリパイプ35の圧力を第2の調圧値
Pndに維持するようにしている。これにより、機関停
止中において、デリバリパイプ35の圧力が第1の調圧
値Pst(一般に採用される調圧設定値)よりも十分に
高い圧力に維持されるようになるため、機関停止中にお
ける燃料の気化を好適に抑制することができるようにな
る。また、これにともない機関の始動性が確保されるよ
うにもなる。
【0104】(2)内燃機関1が停止されることにのみ
に基づいて、調圧設定値を第1の調圧値Pstから第2
の調圧値Pndへ切り替えるようにしているため、例え
ば同デリバリパイプ35の温度をモニタする等の制御が
不要となり、調圧設定値の設定に関する制御性が良好と
なる。
【0105】(3)内燃機関1の停止後も燃料ポンプ3
2の駆動を継続し、デリバリパイプ35の圧力を積極的
に昇圧するようにしているため、その圧力が第2の飽和
温度Tndに達するまでの時間が短縮されるようにな
る。これにより、内燃機関1の停止中における燃料の気
化抑制、及び機関始動性の確保をより好適に行うことが
できるようになる。
【0106】(4)内燃機関1の運転中において、 ・飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst未満である
場合には、デリバリパイプ35の圧力を第1の調圧値P
stに維持する。 ・飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst以上である
場合には、デリバリパイプ35の圧力を第2の調圧値P
ndに維持する。 といった態様をもって燃料の調圧状態を切り替えるよう
にしている。これにより、デリバリパイプ35の圧力が
第2の調圧値Pndに維持される、即ち燃料ポンプ32
の負荷が増大される状況は、燃料の気化のおそれがある
場合に限られるようになり、燃料ポンプ32へ過度に負
荷をかけることなく燃料の気化を抑制することができる
ようになる。
【0107】なお、上記第1の実施の形態は、これを適
宜変更した、例えば次のような形態として実施すること
もできる。 ・上記第1の実施の形態では、プライマリプレッシャレ
ギュレータ36及びセカンダリプレッシャレギュレータ
37として、同じ性能を有するものを採用するとした
が、例えば、次のように変更することもできる。即ち、
セカンダリプレッシャレギュレータ37としてプライマ
リプレッシャレギュレータ36による調圧設定値(第1
の調圧値Pst)よりも高い値を有するものを採用して
もよく、これら各プレッシャレギュレータ36,37の
調圧設定値を必ずしも同じ値とする必要はない。
【0108】・上記第1の実施の形態では、還流経路R
2のセカンダリプレッシャレギュレータ37の上流と下
流とが、その経路途中に電磁弁38が設けられている補
助還流経路R3により連通されている構成としたが、例
えば、次のように変更することもできる。即ち、還流経
路R2のプライマリプレッシャレギュレータ36の上流
と下流とが、その経路途中に電磁弁38が設けられてい
る補助還流経路R3により連通されている構成とするこ
ともできる。
【0109】・上記第1の実施の形態においては、プラ
イマリプレッシャレギュレータ36、セカンダリプレッ
シャレギュレータ37及び電磁弁38(補助還流経路R
3)により、デリバリパイプ35の圧力の調圧を可変で
行うといった機能を実現する構成としたが、例えば、次
のように変更することもできる。即ち、これら各構成に
代えて、少なくとも2段階の調圧設定値を有する可変プ
レッシャレギュレータを還流経路R2に設ける構成とし
てもよい。
【0110】・上記第1の実施の形態では、還流経路R
2に対して2つのプレッシャレギュレータ(36,3
7)を直列に設ける構成としたが、例えば、さらにプレ
ッシャレギュレータを設け、同還流経路R2に対して3
つ以上のプレッシャレギュレータを直列に設ける構成と
してもよい。また、こうした変更を加えた場合には、補
助還流経路R3と同一構成の経路を、新たに追加された
プレッシャレギュレータを迂回する態様で上記還流経路
R2に接続することもできる。こうした構成を採用した
場合には、デリバリパイプ35に圧送される燃料の圧力
をより多段階に渡って調圧することができるようにな
る。要するに、内燃機関1の運転中及び停止中におい
て、デリバリパイプ35の圧力を要求される圧力に適宜
維持することができる構成であれば、プレッシャレギュ
レータ及び電磁弁を設ける数や経路途中における配置場
所は適宜変更可能である。
【0111】(第2の実施の形態)本発明を具体化した
第2の実施の形態について、先の第1の実施の形態との
相違点を中心に図1及び図10〜図12を参照して説明
する。
【0112】本実施の形態においては、装置全体の基本
的な構成は前記第1の実施の形態(図1)と同様である
ものの、図1における燃料供給装置3の構成が図10
(図11)示すものに変更されている。
【0113】以下、図10及び図11を参照して、前記
第1の実施の形態における燃料経路と対比のもとに、燃
料供給装置3の構成について説明する。なお、同図10
及び図11は、同一構成の燃料経路を示しており、それ
ぞれ能動とする燃料経路が異なる場合を示している。
【0114】本実施の形態の装置においては、前記第1
の実施の形態における還流経路R2からセカンダリプレ
ッシャレギュレータ37及び補助還流経路R3が除外さ
れ、プライマリプレッシャレギュレータ36の上流に電
磁弁38が設けられている。さらに、還流経路R2の電
磁弁38より上流と燃料タンク31の気相部とが高圧還
流経路R4により接続されており、この高圧還流経路R
4には上記プライマリプレッシャレギュレータ36によ
る調圧設定値より高い値を有するハイプレッシャレギュ
レータHPが設けられている。
【0115】従って、電磁弁38の開閉操作を通じて、 ・還流経路R2の電磁弁38より下流の経路が能動とさ
れる燃料経路、即ちプライマリプレッシャレギュレータ
36の調圧機能のみが能動とされる燃料経路。 ・高圧還流経路R4が能動とされる燃料経路、即ちハイ
プレッシャレギュレータHPの調圧機能のみが能動とさ
れる燃料経路。 のいずれかが選択される。そして、燃料ポンプ32から
圧送された燃料は、各プレッシャレギュレータ36,H
Pのいずれか一方によりその圧力が維持されつつ、燃料
噴射機構34に供給される。また、この供給された燃料
のうち、噴射供給に使用されなかった分は還流経路R2
のみを介して、あるいは高圧還流経路R4を介して燃料
タンク31に還流される。
【0116】なお、本実施の形態においても、前記検出
系5を通じて検出されたデータに基づいて電磁弁38の
開閉操作が行われ、以下に説明する各燃料経路のいずれ
かが能動とされる。
【0117】次に、電磁弁38の開閉操作を通じて選択
的に切り替えられる各燃料経路について説明する。な
お、以降では、電磁弁38が開弁されているときの燃料
経路を第1の経路、同電磁弁38が閉弁されているとき
の燃料経路を第2の経路とする。ちなみに、図10は燃
料供給装置3の第1の経路が能動とされている場合を示
し、図11は燃料供給装置3の第2の経路が能動とされ
ている場合を示している。また、これら図10及び図1
1において、破線で図示する経路(高圧還流経路R4及
び還流経路R2の一部)は、燃料の流れが遮断された状
態を示している。
【0118】まず、燃料経路の第1の経路が能動とされ
ている場合(図10)について説明する。この場合は、
電磁弁38が開弁されているため、プライマリプレッシ
ャレギュレータ36による燃料の調圧機能のみが働く。
このため、燃料ポンプ32により圧送される燃料は、そ
の圧力が上記プライマリプレッシャレギュレータ36に
よる第1の調圧値Pst(調圧設定値)に維持されつつ
デリバリパイプ35に供給される。そして、上記供給さ
れた燃料のうち燃料噴射弁INJにより噴射供給されな
かった燃料は、開弁されている電磁弁38を介して燃料
タンク31に還流される。
【0119】次に、燃料経路の第2の経路が能動とされ
ている場合(図11)について説明する。この場合は、
電磁弁38が閉弁されているため、ハイプレッシャレギ
ュレータHPによる燃料の調圧機能のみが働く。このた
め、燃料ポンプ32により圧送される燃料は、その圧力
が上記ハイプレッシャレギュレータHPによる第3の調
圧値Prd(調圧設定値)に維持されつつデリバリパイ
プ35に供給される。そして、上記供給された燃料のう
ち燃料噴射弁INJにより噴射供給されなかった燃料
は、還流経路R2のみを介して燃料タンク31に還流さ
れる。
【0120】そして、前記第1の実施の形態と同様に、
前記機関運転中の電磁弁開閉処理(図6)及び機関停止
時の電磁弁開閉処理(図7)を通じて、これら各燃料経
路の選択的な切り替えが行われる。
【0121】要するに、 ・内燃機関1の停止直後、ハイプレッシャレギュレータ
HPの調圧機能を能動とする(電磁弁38を閉弁す
る)、即ちデリバリパイプ35の圧力を第3の調圧値P
rdに維持する(図7:ステップS301及びS30
2)。 ・内燃機関1の停止後も燃料ポンプ32の駆動を継続
し、デリバリパイプ35の圧力を積極的に昇圧する(図
7:ステップS303及びS304)。 ・内燃機関1の運転中においては、飽和蒸気圧力PVP
が第1の調圧値Pst未満であれば、デリバリパイプ3
5の圧力を第1の調圧値Pstに維持し、また、飽和蒸
気圧力PVPが第1の調圧値Pst以上であれば、デリ
バリパイプ35の圧力を第3の調圧値Prdに維持する
(図6:ステップS203〜S205)。 といった態様をもって燃料の調圧状態が切り替えられる
ということである。
【0122】なお、上記第3の調圧値Prdは、前記第
1の実施の形態における前記第2の調圧値Pndに相当
する値、即ち上記第1の調圧値Pstよりも十分に高い
値であるものとする。
【0123】次に、図12をあわせ参照して、上記各電
磁弁開閉処理(図6及び図7)の態様についてさらに詳
細に説明する。なお、この図12も、前記第1の実施の
形態と同様に、高温再始動、及びそれ以降の機関運転状
態を想定し、そうした運転状態における各フラグ等
((a)〜(g))の動作態様を示している。
【0124】ここで、図12に示される(a)〜(e)
及び(g)は、それぞれ前記第1の実施の形態(図9)
と同じ態様をもって変化するため、重複する部分につい
てはその説明を割愛する。
【0125】以下、図12に示される(f)プレッシャ
レギュレータの動作態様について説明する。内燃機関1
の始動後、飽和蒸気圧力PVPがプライマリプレッシャ
レギュレータ36による第1の調圧値Pst未満となっ
た旨が時刻t3において検出されたとすると、電磁弁3
8が開弁される(図12(g),(e))。これによ
り、プライマリプレッシャレギュレータ36の調圧機能
のみが能動とされ、デリバリパイプ35に圧送される燃
料がプライマリプレッシャレギュレータ36により調圧
されるようになる(図12(f))。即ち、デリバリパ
イプ35(正確には燃料ポンプ32からプライマリプレ
ッシャレギュレータ36までの燃料経路内)の圧力は、
第1の調圧値Pstに維持されるようになる。そして、
時刻t3以降において、飽和蒸気圧力PVPが第1の調
圧値Pst以上となった旨が時刻t4において検出され
たとすると、電磁弁38が閉弁され、ハイプレッシャレ
ギュレータHPの調圧機能のみが能動とされる(図12
(g),(e),(f))。即ち、デリバリパイプ35
の圧力が第3の調圧値Prdに維持されるようになる。
そして、飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst未満
となった旨が時刻t5において検出されたとすると、電
磁弁38が開弁され、再度プライマリプレッシャレギュ
レータ36の調圧機能のみが能動とされる(図12
(g),(e),(f))。そして、この時刻t5以降
から内燃機関1の運転が停止されるまでは、飽和蒸気圧
力PVPと第1の調圧値Pstとの対比のもとに、上記
時刻t4から時刻t5までの処理が繰り返し行われる。
そして、時刻t6においてイグニッション信号IGがオ
フである旨検出されたとすると、内燃機関1の運転が停
止されるとともに電磁弁38が閉弁され、ハイプレッシ
ャレギュレータHPの調圧機能のみが能動とされる(図
12(a),(d),(e),(f))。
【0126】以上詳述したように、この第2の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によっても、先の第
1の実施の形態による前記(1)〜(4)に準じた効果
が得られるようになる。
【0127】なお、上記第2の実施の形態は、これを適
宜変更した、例えば次のような形態として実施すること
もできる。 ・上記第2の実施の形態では、還流経路R2のプライマ
リプレッシャレギュレータ36より上流に電磁弁38が
設けられている構成としたが、例えば次のように変更す
ることもできる。即ち、還流経路R2のプライマリプレ
ッシャレギュレータ36より下流に電磁弁38が設けら
れている構成とすることもできる。
【0128】・上記第2の実施の形態では、還流経路R
2及び高圧還流経路R4の下流部がそれぞれ燃料タンク
31の気相部に接続されている構成としたが、例えば次
のように変更することもできる。即ち、還流経路R2の
プライマリプレッシャレギュレータ36及び電磁弁38
から構成される直列部の上流と下流とが高圧還流経路R
4により接続されている構成とすることもできる。
【0129】・上記第2の実施の形態においては、プラ
イマリプレッシャレギュレータ36、ハイプレッシャレ
ギュレータHP及び電磁弁38により、デリバリパイプ
35の圧力調圧を可変で行うといった機能を実現する構
成としたが、例えば、次のように変更することもでき
る。即ち、これら各構成に代えて、少なくとも2段階の
調圧設定値を有する可変プレッシャレギュレータを還流
経路R2に設ける構成としてもよい。
【0130】・上記第2の実施の形態では、還流経路R
2に対してそれぞれ調圧設定値の異なる2つのプレッシ
ャレギュレータ(36,HP)を並列に設ける構成とし
たが、例えば、次のように変更してもよい。即ち、還流
経路R2に対してそれぞれ調圧設定値の異なる3つ以上
のプレッシャレギュレータを並列に設け、これら各プレ
ッシャレギュレータの調圧機能をそれぞれ能動、非能動
とする電磁弁を上記各プレッシャレギュレータの上流に
設ける構成としてもよい。こうした構成を採用した場合
には、デリバリパイプ35に圧送される燃料の圧力をよ
り多段階に渡って調圧することができるようになる。要
するに、内燃機関1の運転中及び停止中において、デリ
バリパイプ35の圧力を要求される圧力に適宜維持する
ことができる構成であれば、プレッシャレギュレータ及
び電磁弁を設ける数や経路途中における配置場所は適宜
変更可能である。
【0131】(第3の実施の形態)本発明を具体化した
第3の実施の形態について、先の第1の実施の形態との
相違点を中心に図1と図7及び図13に従って説明す
る。なお、本実施の形態においては、装置全体の基本的
な構成は前記第1の実施の形態(図1)と同様であるた
め、その説明を省略する。
【0132】ここで、本実施の形態にて行われる機関停
止時の電磁弁開閉処理は、前記第1の実施の形態にて行
われる機関停止時の電磁弁開閉処理(図7)の前記ステ
ップS303が、以下に示すような処理に変更されたも
のとなっている。
【0133】以下、この変更された処理について、図1
3を参照して説明する。まず、前記ステップS301
(図7)にてイグニッション信号IGがオンからオフに
された旨判断された場合に、前記ステップS302(図
7)にて電磁弁38を閉弁し、ステップS303(図1
3)へ移る。
【0134】次にステップS303aでは、内燃機関1
の停止直前におけるデリバリパイプ35の圧力(パイプ
燃圧Pp)と第2の調圧値Pndとの差に基づいて燃料
ポンプ32の駆動継続時間TdrvBを算出し、ステッ
プS303bへ移る。なお、この駆動継続時間Tdrv
Bは、パイプ燃圧Ppと第2の調圧値Pndと差が小さ
くなるほどその値も小さくなるといった傾向を示すもの
である。
【0135】そしてステップS303bでは、内燃機関
1の停止直後からの経過時間が駆動継続時間TdrvB
未満である否かが判断される。経過時間が駆動継続時間
TdrvB未満である旨判断された場合は、前記ステッ
プS304(図7)へ移って、燃料ポンプ32の駆動を
継続し、一方、経過時間が駆動継続時間TdrvB未満
でない旨判断された場合は、機関停止時の電磁弁開閉処
理を終了する。
【0136】即ち、上記処理(図13)及び機関停止時
の電磁弁開閉処理(図7)を通じて、内燃機関1の停止
にともない電磁弁38が閉弁され、同内燃機関1の停止
から駆動継続時間TdrvBが経過するまでは燃料ポン
プ32の駆動が継続される。
【0137】ここで、例えば内燃機関1の停止前にすで
にセカンダリプレッシャレギュレータ37の調圧機能が
能動とされていた場合を想定すると、このとき、デリバ
リパイプ35の圧力はほぼ第2の調圧値Pndに等し
い。そして、内燃機関1の停止直後から予め設定されて
いる所定時間が経過するまで燃料ポンプ32の駆動を継
続したとすると、デリバリパイプ35の圧力は第2の調
圧値Pndに維持されているにもかかわらず、燃料ポン
プ32により同圧力を昇圧しようとすることになる。即
ち、燃料ポンプ32に余分な負荷がかかっている状態と
いえる。
【0138】この点、本実施の形態では、内燃機関1の
停止直前のデリバリパイプ35の圧力と第2の調圧値P
ndとの差に基づいて駆動継続時間TdrvBを算出す
るようにしているため、燃料ポンプ32の駆動継続時間
が適切に設定され、同燃料ポンプ32に余分な負荷がか
かるといった事態が好適に回避されるようになる。
【0139】以上詳述したように、この第3の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、先の第1
の実施の形態による前記(1)〜(4)の効果に加え
て、さらに以下に示すような効果が得られるようにな
る。
【0140】(5)内燃機関1の停止後における燃料ポ
ンプ32の駆動を駆動継続時間TdrvBに基づいて行
うようにしているため、同燃料ポンプ32の駆動が的確
に行われ、燃料ポンプ32に余分な負荷がかかるといっ
た事態を好適に回避することができるようになる。
【0141】なお、上記第3の実施の形態は、これを適
宜変更した、例えば次のような形態として実施すること
もできる。・上記第3の実施の形態では、内燃機関1の
停止直前におけるデリバリパイプ35の圧力(パイプ燃
圧Pp)と第2の調圧値Pndとの差に基づいて燃料ポ
ンプ32の駆動継続時間TdrvBを算出するとしたが
(図13:ステップS303a)、例えば、次のように
変更することもできる。即ち、内燃機関1の停止直前に
おいて能動とされているプレッシャレギュレータによる
調圧設定値と、内燃機関1の停止直後に能動とするプレ
ッシャレギュレータによる調圧設定値との差に基づいて
燃料ポンプ32の駆動継続時間TdrvBを算出する構
成とすることもできる。
【0142】(第4の実施の形態)本発明を具体化した
第4の実施の形態について、図15〜図19を参照して
説明する。
【0143】本実施の形態において、装置全体の構成は
前記第1の実施の形態(図1)の装置と同様であるが、
内燃機関1の運転中、前記第1の実施の形態における機
関運転中の電磁弁開閉処理(図6)にあわせて、さらに
以下に説明する処理を行う構成となっている。以下、図
15及び図16を参照して機関運転中の電磁弁開閉処理
にあわせて行われる第2の電磁弁開閉処理(調圧設定値
低減手段)について説明する。
【0144】同図15に示すように、この処理では、ま
ずエアフローメータの検出データ等に基づいて算出され
た燃料噴射量Qi、即ち内燃機関1の運転に要求される
燃料量を読み込む(ステップS401)。次に、この燃
料噴射量Qiが、第2の調圧値Pndが有効とされてい
るときの燃料ポンプ32の燃料吐出量(第2の燃料吐出
量Qpnd)を基準として設定されている第1の判定流
量Qhig以上であるか否かを判定する(ステップS4
02)。燃料噴射量Qiが第1の判定流量Qhig以上
のとき(ステップS402:Yes)、図16に示すマ
ップに基づいて電磁弁38の開閉操作を行う、即ち電磁
弁38を開弁する(ステップS403)。一方、燃料噴
射量Qiが第1の判定流量Qhig未満のとき(ステッ
プS402:No)、調圧設定値として第2の調圧値P
ndが有効とされているか否かを判定する(ステップS
404)。第2の調圧値Pndが無効とされているとき
は本処理を一旦終了し(ステップS404:No)、第
2の調圧値Pndが有効とされているときはさらに次の
判定を行う(ステップS404:Yes)。即ち、燃料
噴射量Qiが上記第1の判定流量Qhigよりも低く設
定されている第2の判定流量Qlow未満であるか否か
を判定する(ステップS405)。燃料噴射量Qiが第
2の判定流量Qlow未満のとき(ステップS405:
Yes)、図16に示されるマップに基づいて電磁弁3
8の開閉操作を行い、燃料噴射量Qiが第2の判定流量
Qlow以上のときは(ステップS405:No)、本
処理を一旦終了する。
【0145】このように、上記処理によれば、燃料噴射
量Qiが第1の判定流量Qhig以上のときは、先の電
磁弁開閉処理(図6)の判定結果にかかわらず電磁弁3
8が開弁される。
【0146】ここで、図17及び図18を参照して、上
記各判定流量Qhig,Qlowの設定態様について説
明する。同図17に示すように、一般に燃料ポンプの燃
料吐出量は同燃料ポンプの下流側の圧力、即ちプレッシ
ャレギュレータの調圧設定値が高くなるにつれ減量する
傾向にある。そして、本実施の形態にあって燃料ポンプ
32は、基本的には第1の調圧値Pstに対応する第1
の燃料吐出量Qpst及び第2の調圧値Pndに対応す
る第2の燃料吐出量Qpndのいずれかで駆動されるよ
うになる。
【0147】従って、図18に示すように上記第2の燃
料吐出量Qpndよりも所定の流量だけ小さい値が第1
の判定流量Qhigとして設定され、この第1の判定流
量Qhigよりも所定の流量だけ小さい値が第2の判定
流量Qlowとして設定されることになる。
【0148】これにより、燃料ポンプ32が第2の燃料
吐出量Qpndで駆動されているときにあって、燃料噴
射量Qiが第1の判定流量Qhigを上回ったとすると
(図18:時刻t181)、燃料ポンプ32は第1の燃
料吐出量Qpstで駆動されるようになる。そして、燃
料噴射量Qiが第2の判定流量Qlowを下回るととも
に(図18:時刻t182)、飽和蒸気圧力PVPが第
1の調圧値Pst以上であったとすると(図6:ステッ
プS203:NO)、燃料ポンプ32は再度、第2の燃
料吐出量Qpndで駆動されるようになる。
【0149】ところで、燃料噴射弁INJを通じて内燃
機関1に噴射供給される燃料量が燃料ポンプ32の燃料
吐出量以上となるときには、次のようなことが懸念され
る。即ち、同噴射供給される燃料量がデリバリパイプ3
5(燃料噴射機構34)内に供給される燃料量を上回っ
ていることになるため、同デリバリパイプ35内の燃料
の圧力が次第にプレッシャレギュレータの調圧設定値に
応じた圧力に維持されなくなることが考えられる。そし
て、この場合、デリバリパイプ35内の燃料の圧力が不
安定な状態となることに起因して、燃料噴射弁INJを
通じて内燃機関1から要求される燃料量を適切に噴射す
ることが困難になるとともに運転性の悪化をまねくよう
になるといえる。一方で、燃料ポンプ32の燃料吐出量
は、上述のように調圧設定値が低くなるほど増量する傾
向にある。
【0150】そこで、本実施の形態では、燃料噴射量Q
iが第1の判定流量Qhig以上となるとき、第1の調
圧値Pstを有効にすることで燃料ポンプ32が第1の
燃料吐出量Qpstで駆動されるようにしている。これ
により、デリバリパイプ35内に供給される燃料量が増
量されて同デリバリパイプ35内の燃料の圧力が第1の
調圧値Pstに応じた圧力に維持される、即ちデリバリ
パイプ35内の燃料の圧力が安定した状態に維持される
ようになる。そして、デリバリパイプ35内の燃料の圧
力が不安定な状態となることに起因する内燃機関1の運
転性の悪化が好適に抑制されるようになる。
【0151】次に、図19を参照して、第3の電磁弁開
閉処理(図15)による調圧設定値の変更態様の一例を
説明する。例えば、時刻t191において燃料噴射量Q
iが第1の判定流量Qhig以上である旨検出されたと
すると、ECU4により電磁弁38が開弁されて、セカ
ンダリプレッシャレギュレータ37が無効とされる(図
19(a),(b),(f))。これにより、調圧設定
値として第1の調圧値Pstが有効とされるとともに、
燃料ポンプ32が第1の燃料吐出量Qpstで駆動され
るようになる(図19(c),(d))。そして、時刻
t192において燃料噴射量Qiが第2の判定流量Ql
ow未満、且つ飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Ps
t以上である旨検出されたとすると、電磁弁38が閉弁
されてセカンダリプレッシャレギュレータ37が有効と
される(図19(a),(b),(e),(f))。こ
れにより、調圧設定値として第2の調圧値Pndが有効
となり、燃料ポンプ32が第2の燃料吐出量Qpndで
駆動されるようになる(図19(c),(d))。そし
て、時刻t193において、飽和蒸気圧力PVPが第1
の調圧値Pst未満となった旨検出されたとすると、E
CU4により電磁弁38が開弁されて、セカンダリプレ
ッシャレギュレータ37が無効とされる(図19
(a),(b),(f))。これにより、調圧設定値と
して第1の調圧値Pstが有効とされるとともに、燃料
ポンプ32が第1の燃料吐出量Qpstで駆動されるよ
うになる(図19(c),(d))。
【0152】以上詳述したように、この第4の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、先の第1
の実施の形態による前記(1)〜(4)の効果に準じた
効果に加えて、さらに以下に列記するような効果が得ら
れるようになる。
【0153】(5)本実施の形態では、燃料噴射量Qi
が第1の判定流量Qhig以上となるとき、第1の調圧
値Pstを有効にすることで燃料ポンプ32が第1の燃
料吐出量Qpstで駆動されるようにしている。これに
より、デリバリパイプ35内に供給される燃料が増量さ
れるようになるため、同デリバリパイプ35内の燃料の
圧力が不安定な状態となることに起因する内燃機関1の
運転性の悪化を好適に抑制することができるようにな
る。
【0154】(6)本実施の形態では、燃料噴射量Qi
が燃料ポンプ32の第1の燃料吐出量Qpstよりも低
く設定される第1の判定流量Qhig以上となること、
及び同第1の判定流量Qhigよりも低く設定される第
2の判定流量Qlow未満となることを電磁弁38の開
閉操作を行うための条件としている。これにより、電磁
弁38の開閉操作にかかる制御ハンチングを好適に回避
することができるようになる。
【0155】なお、上記第4の実施の形態は、これを適
宜変更した、例えば次のような形態として実施すること
もできる。 ・上記第4の実施の形態では、予め設定されている第1
の判定流量Qhig及び第2の判定流量Qlowに基づ
いて燃料吐出量の変更を行う構成としたが、例えば次の
ように変更することも可能である。即ち、上記各判定流
量Qhig,Qlowを内燃機関1の運転パラメータに
基づいて補正しつつ燃料吐出量の変更を行うこともでき
る。
【0156】・上記第4の実施の形態では、第2の電磁
弁開閉処理(図15)を通じて電磁弁38の開閉操作を
行う構成としたが、同処理に代えて以下に説明する処理
(図20)を行う構成とすることもできる。
【0157】同図20に示すように、この処理では、ま
ずエアフローメータの検出データ等に基づいて算出され
た燃料噴射量Qiを読み込む(ステップS401a)。
次に、この燃料噴射量Qiが、第1の判定流量Qhig
以上であるか否かを判定し(ステップS402a)、燃
料噴射量Qiが第1の判定流量Qhig以上のとき(ス
テップS402a:Yes)、図16に示すマップに基
づいて電磁弁38の開閉操作を行う、即ち電磁弁38を
開弁する(ステップS403a)。一方、燃料噴射量Q
iが第1の判定流量Qhig未満のとき(ステップS4
02a:No)、図16に示すマップに基づいて電磁弁
38の開閉操作を行う。
【0158】・上記第4の実施の形態では、第2の電磁
弁開閉処理(図15)を通じて電磁弁38の開閉操作を
行う構成としたが、同処理に代えて以下に説明する処理
(図21)を行う構成とすることもできる。
【0159】同図21に示すように、この処理では、ま
ずエアフローメータの検出データ等に基づいて算出され
た燃料噴射量Qiを読み込む(ステップS401b)。
次に、この燃料噴射量Qiが、第2の燃料吐出量Qpn
d以上であるか否かを判定し(ステップS402b)、
燃料噴射量Qiが第2の燃料吐出量Qpnd以上のとき
(ステップS402b:Yes)、図16に示すマップ
に基づいて電磁弁38の開閉操作を行う、即ち電磁弁3
8を開弁する(ステップS403b)。一方、燃料噴射
量Qiが第2の燃料吐出量Qpnd未満のとき(ステッ
プS402b:No)、図16に示すマップに基づいて
電磁弁38の開閉操作を行う。
【0160】・上記第4の実施の形態では、第2の電磁
弁開閉処理(図15)を通じて電磁弁38の開閉操作を
行う構成としたが、同処理に代えて以下に説明する処理
(図22)を行う構成とすることもできる。
【0161】同図22に示すように、この処理では、ま
ずエアフローメータの検出データ等に基づいて算出され
た燃料噴射量Qiを読み込む(ステップS401c)。
次に、この燃料噴射量Qiが第2の燃料吐出量Qpnd
以上であるか否かを判定し(ステップS402c)、燃
料噴射量Qiが第2の燃料吐出量Qpnd以上のとき
(ステップS402c:Yes)、図16に示すマップ
に基づいて電磁弁38の開閉操作を行う、即ち電磁弁3
8を開弁する(ステップS403c)。一方、燃料噴射
量Qiが第2の燃料吐出量Qpnd未満のとき(ステッ
プS402c:No)、調圧設定値として第2の調圧値
Pndが有効とされているか否かを判定する(ステップ
S404c)。第2の調圧値Pndが無効とされている
ときは本処理を一旦終了し(ステップS404c:N
o)、第2の調圧値Pndが有効とされているときはさ
らに次の判定を行う(ステップS404c:Yes)。
即ち、燃料噴射量Qiが上記第1の判定流量Qhig未
満であるか否かを判定する(ステップS405c)。燃
料噴射量Qiが第1の判定流量Qhig未満のとき(ス
テップS405c:Yes)、図16に示されるマップ
に基づいて電磁弁38の開閉操作を行い、燃料噴射量Q
iが第1の判定流量Qhig以上のときは(ステップS
405c:No)、本処理を一旦終了する。
【0162】・上記第4の実施の形態では、機関運転中
の電磁弁開閉処理(図6)及び機関停止時の電磁弁開閉
処理(図7)にあわせて第2の電磁弁開閉処理(図1
5)を行う構成としたが、例えば次のように変更するこ
とも可能である。即ち、機関停止時の電磁弁開閉処理
(図7)を行わない構成とすることもできる。
【0163】・上記第4の実施の形態では、機関運転中
の電磁弁開閉処理(図6)及び機関停止時の電磁弁開閉
処理(図7)にあわせて第2の電磁弁開閉処理(図1
5)を行う構成としたが、例えば次のように変更するこ
とも可能である。即ち、機関運転中の電磁弁開閉処理
(図6)を行わない構成とすることもできる。なお、こ
うした構成を採用する場合には、第2の電磁弁開閉処理
(図15)のステップS406において、電磁弁38の
閉弁操作を行うものとする。
【0164】・上記第4の実施の形態では、機関運転中
の電磁弁開閉処理(図6)及び機関停止時の電磁弁開閉
処理(図7)にあわせて第2の電磁弁開閉処理(図1
5)を行う構成としたが、例えば次のように変更するこ
とも可能である。即ち、機関運転中の電磁弁開閉処理
(図6)及び機関停止時の電磁弁開閉処理(図7)を行
わない構成とすることもできる。なお、こうした構成を
採用する場合にも、第2の電磁弁開閉処理(図15)の
ステップS406において、電磁弁38の閉弁操作を行
うものとする。
【0165】(第5の実施の形態)本発明を具体化した
第5の実施の形態について、図23〜図25を参照して
説明する。
【0166】本実施の形態において、装置全体の構成は
前記第1の実施の形態(図1)の装置と同様であるが、
内燃機関1の運転中、前記第1の実施の形態における機
関運転中の電磁弁開閉処理(図6)に代えて、以下に説
明する処理を行う構成となっている。以下、図23を参
照して機関運転中の電磁弁開閉処理に代えて行われる第
3の電磁弁開閉処理(調圧設定値増大手段)について説
明する。
【0167】同図23に示すように、この処理では、ま
ずパイプ燃圧センサ54により検出されたパイプ燃圧P
pとエアフローメータの検出値を通じて推定された吸気
通路23内の圧力との差である圧力差DfPを読み込む
(ステップS501)。次に、この圧力差DfPが予め
設定されている所定の圧力差DfPct未満であるか否
かを判定する(ステップS502)。そして、圧力差D
fPが所定の圧力差DfPct未満のとき電磁弁38を
閉弁し(ステップS503)、圧力差DfPが所定の圧
力差DfPct未満でないときは電磁弁38を開弁する
(ステップS504)。
【0168】このように、上記処理によれば、圧力差D
fPが所定の圧力差DfPct未満のとき、セカンダリ
プレッシャレギュレータ37の調圧機能が有効とされ、
圧力差DfPが所定の圧力差DfPct以上のときには
同レギュレータ37の調圧機能が無効とされる。
【0169】従って、調圧設定値は上記第3の電磁弁開
閉処理(図23)を通じて図24に示すような態様をも
って設定されることになる。同図24に示すように、圧
力差DfPが所定の圧力差DfPct未満のとき、調圧
設定値として第2の調圧値Pndが有効とされるため、
デリバリパイプ35内の燃料の圧力はタンク燃圧Ptを
基準として、第1の調圧値Pstが有効とされていると
きのほぼ2倍に相当する圧力に維持されることになる。
ちなみに、上記第2の電磁弁開閉処理(図23)が行わ
れない場合には、圧力差DfPが所定の圧力差DfPc
t未満のとき、一点鎖線にて示すように調圧設定値とし
て第1の調圧値Pstが有効とされるとともに、デリバ
リパイプ35内の燃料の圧力は同第1の調圧値Pstに
応じた圧力に維持されることになる。
【0170】一方、圧力差DfPが所定の圧力差DfP
ct以上のとき、調圧設定値として第1の調圧値Pst
が有効とされて、デリバリパイプ35内の燃料の圧力は
この第1の調圧値Pstに応じた圧力に維持されるよう
になる。
【0171】ところで、従来のLPG機関の燃料供給装
置、即ち圧力センサを通じて検出されるデリバリパイプ
内の燃料の圧力と例えばエアフローメータの検出値から
推定される吸気通路の圧力との圧力差に基づいて燃料噴
射弁の開弁時間を決定する燃料供給装置にあっては次の
ようなことが懸念される。
【0172】LPGは加圧されて液化した状態で燃料タ
ンク内に貯留される液化ガス燃料であるため、燃料タン
ク内に貯留されているLPGの圧力は外気温度や燃料の
組成によって大きく異なる値を示す傾向にある。従っ
て、例えば外気温度等の影響により燃料タンク内の燃料
の温度が過度に低いときには、それに応じて同燃料タン
ク内の燃料の圧力も低くなっているため、調圧機構(プ
レッシャレギュレータ)の調圧設定値が低い値に設定さ
れてデリバリパイプ内の燃料の圧力もそれに応じた圧力
に維持されることになる。
【0173】そして、この場合、デリバリパイプ内の燃
料の圧力と内燃機関の吸気通路の圧力との圧力差が小さ
くなることにより、同圧力差に占める圧力センサの検出
誤差の割合が大きくなるため、燃料噴射弁の開弁時間が
適切に算出されなくなるとともに同燃料噴射弁による燃
料噴射量のばらつきが増大するようになる。
【0174】このように、従来の燃料供給装置にあって
は、燃料タンク内の燃料の圧力(温度)が過度に低いと
き、圧力センサの検出誤差等に起因する運転性の悪化が
懸念される。
【0175】そこで、本実施の形態では、圧力差DfP
が所定の圧力差DfPct未満となるとき、パイプ燃圧
センサ54の圧力測定誤差等の影響により燃料噴射弁I
NJを通じて適切な燃料噴射を行うことができない状況
にあると判定して、第2の調圧値Pndを有効とするよ
うにしている。これにより、デリバリパイプ35内の燃
料の圧力が第2の調圧値Pndに応じた圧力に維持され
るとともに、上記圧力差DfPが大きくされることにな
る。従って、同圧力差DfPに占める圧力センサ(パイ
プ燃圧センサ54)の検出誤差の割合が小さくされるた
め、同検出誤差等に起因する燃料噴射弁INJの燃料噴
射量のばらつきが抑制されるとともに、燃料噴射弁IN
Jの燃料噴射が適切に行われないことによる運転性の悪
化が好適に回避されるようになる。
【0176】次に、図25を参照して、第3の電磁弁開
閉処理(図23)による調圧設定値の変更態様の一例を
説明する。例えば、時刻t251において圧力差DfP
が所定の圧力差DfPct未満である旨検出されたとす
ると、ECU4により電磁弁38が閉弁されて、セカン
ダリプレッシャレギュレータ37が有効とされる(図2
5(a),(b),(d))。これにより、調圧設定値
として第2の調圧値Pndが有効とされるとともに、デ
リバリパイプ35内の燃料の圧力が同第2の調圧値Pn
dに応じた圧力に維持されるようになる(図25
(c))。そして、圧力差DfPが所定の圧力差DfP
ct以上となったことが時刻t252において検出され
たとすると、ECU4により電磁弁38が閉弁されて、
セカンダリプレッシャレギュレータ37が無効とされる
(図25(a),(b),(d))。これにより、調圧
設定値として第1の調圧値Pstが有効とされるととも
に、デリバリパイプ35内の燃料の圧力が同第1の調圧
値Pstに応じた圧力に維持されるようになる(図25
(c))。そして、時刻t253において、再度、圧力
差DfPが所定の圧力DfPct未満となったことが検
出されたとすると、上記同様の態様をもって調圧設定値
の変更が行われ、以降も上記処理態様に準じた処理が継
続される。
【0177】以上詳述したように、この第5の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、先の第1
の実施の形態による前記(1)〜(3)の効果に準じた
効果に加えて、さらに以下に列記するような効果が得ら
れるようになる。
【0178】(4)本実施の形態では、圧力差DfPが
所定の圧力差DfPct未満となるとき、セカンダリプ
レッシャレギュレータ37とともに第2の調圧値Pnd
を有効とするようにしている。これにより、デリバリパ
イプ35内の燃料の圧力と吸気通路23の圧力との圧力
差DfPが大きくされるため、燃料噴射弁INJの燃料
噴射量のばらつきを抑制して内燃機関1の運転性の悪化
を好適に回避することができるようになる。
【0179】(5)本実施の形態では、圧力差DfPが
所定の圧力差DfPct未満となるとき、第2の調圧値
Pndを有効とし、圧力差DfPが所定の圧力差DfP
ct以上となるときは第1の調圧値Pstを有効とする
ようにしている。これにより、第1の調圧値Pstが有
効とされているときよりも燃料ポンプ32の負荷が増大
する第2の調圧値Pndは、燃料噴射弁INJの燃料噴
射量のばらつきが懸念されるときにのみ有効とされるこ
とになるため、燃料ポンプ32の寿命の低下や燃費の悪
化等を好適に抑制することができるようになる。
【0180】(6)本実施の形態では、圧力差DfPが
所定の圧力差DfPct未満となるとき、第2の調圧値
Pndを有効とするようにしている。ちなみに、吸気通
路23の圧力が変動する領域の大きさは、デリバリパイ
プ35内の燃料の圧力(パイプ燃圧Pp)が変動する領
域の大きさに対して十分に小さい傾向にあるため、圧力
差DfPが所定の圧力差DfPct未満となるときは、
基本的にはパイプ燃圧Ppが低いときに限られるように
なる。従って、本実施の形態にあっては、パイプ燃圧P
pが低い領域において、第2の調圧値Pndが有効にさ
れることによりパイプ燃圧Ppが本来の値(第2の調圧
値Pndが有効とされないときの値)よりも高められる
ことになる。これにより、調圧設定値として第1の調圧
値Pstのみが有効とされる場合に比べてパイプ燃圧P
pの変動領域が小さくされるとともに、燃料噴射弁IN
Jに要求されるダイナミックレンジが小さくされるよう
になる。そして、燃料噴射弁INJとしてより低い性能
を有するものを採用することが可能となるため、燃料供
給装置をより容易に実現することができるようになる。
【0181】なお、上記第5の実施の形態は、これを適
宜変更した、例えば次のような形態として実施すること
もできる。 ・上記第5の実施の形態では、圧力差DfPが所定の圧
力差DfPct未満となるとき、第2の調圧値Pndを
有効にし、圧力差DfPが所定の圧力差DfPct以上
となるとき、第1の調圧値Pstを有効にする構成とし
たが、例えば次のように変更することも可能である。即
ち、圧力差DfPが所定の圧力差DfPctよりも大き
く設定される第2の所定の圧力差となることに基づい
て、調圧設定値を第2の調圧値Pndから第1の調圧値
Pstへ変更する構成とすることもできる。
【0182】・上記第5の実施の形態では、予め設定さ
れている所定の圧力差DfPctに基づいて調圧設定値
の変更を行う構成としたが、例えば次のように変更する
ことも可能である。即ち、上記所定の圧力差DfPct
を内燃機関1の運転パラメータに基づいて補正しつつ調
圧設定値の変更を行うこともできる。
【0183】・上記第5の実施の形態では、機関停止時
の電磁弁開閉処理(図7)にあわせて第3の電磁弁開閉
処理(図23)を行う構成としたが、例えば次のように
変更することも可能である。即ち、機関停止時の電磁弁
開閉処理(図7)の処理を行わない構成とすることもで
きる。
【0184】・上記第5の実施の形態では、機関停止時
の電磁弁開閉処理(図7)にあわせて第3の電磁弁開閉
処理(図23)を行う構成としたが、例えば次のように
変更することも可能である。即ち、内燃機関1の運転
中、さらに機関運転中の電磁弁開閉処理(図6)を行う
構成とすることもできる。なお、こうした構成を採用し
た場合には、機関運転中の電磁弁開閉処理(図6)のス
テップS203の判定結果及び第3の電磁弁開閉処理
(図23)のステップS502の判定結果から得られる
以下の判定結果、即ち、 〔a〕飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst未満、
且つ圧力差DfPが所定の圧力差DfPct未満。 〔b〕飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst未満、
且つ圧力差DfPが所定の圧力差DfPct以上。 〔c〕飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst以上、
且つ圧力差DfPが所定の圧力差DfPct未満。 〔d〕飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst以上、
且つ圧力差DfPが所定の圧力差DfPct以上。 といった各判定結果に対してそれぞれ電磁弁38の開閉
操作を設定した所定のマップに基づいて同電磁弁38の
開閉操作を行うものとする。また、内燃機関1の運転
中、同内燃機関1の運転パラメータ等に基づいて上記マ
ップの内容を変更することもできる。
【0185】・また、上記変更例において、機関停止時
の電磁弁開閉処理(図7)を行わない構成とすることも
可能である。 (第6の実施の形態)本発明を具体化した第6の実施の
形態について、図26〜図29を参照して説明する。
【0186】本実施の形態において、装置全体の構成は
前記第1の実施の形態(図1)の装置と同様であるが、
内燃機関1の運転中、前記第1の実施の形態における機
関運転中の電磁弁開閉処理(図6)に代えて、以下に説
明する処理を行う構成となっている。以下、図26を参
照して機関運転中の電磁弁開閉処理に代えて行われる第
4の電磁弁開閉処理(調圧設定値増大手段)について説
明する。
【0187】同図26に示すように、この処理では、ま
ずタンク燃圧センサ52により検出されたデータ(タン
ク燃圧Pt)を読み込む(ステップS601)。次に、
タンク燃圧Ptが予め設定されている所定の圧力Pct
未満であるか否かを判定する(ステップS602)。そ
して、タンク燃圧Ptが所定の圧力Pct未満のとき電
磁弁38を閉弁し(ステップS603)、タンク燃圧P
tが所定の圧力Pct未満でないときは電磁弁38を開
弁する(ステップS604)。
【0188】このように、上記処理によれば、タンク燃
圧Ptが所定の圧力Pct未満のとき、セカンダリプレ
ッシャレギュレータ37の調圧機能が有効とされ、タン
ク燃圧Ptが所定の圧力Pct以上のときには同レギュ
レータ37の調圧機能が無効とされる。
【0189】ここで、図27を参照して、燃料タンク3
1内の燃料の圧力(タンク燃圧Pt)と各調圧値Ps
t,Pndとの関係について説明する。セカンダリプレ
ッシャレギュレータ37の調圧機能が無効とされている
とき、調圧設定値として第1の調圧値Pstが有効とさ
れるとともに、この第1の調圧値Pstは一点鎖線にて
示されるように燃料タンク31内の燃料の圧力よりも一
定の値だけ高い圧力に設定される。
【0190】一方、セカンダリプレッシャレギュレータ
37の調圧機能が有効とされているとき、調圧設定値と
して第2の調圧値Pndが有効とされるとともに、この
第2の調圧値Pndは二点鎖線にて示されるように燃料
タンク31内の燃料の圧力よりも一定の値だけ高い圧力
に設定される。
【0191】従って、調圧設定値は、上記第4の電磁弁
開閉処理(図26)を通じて図28に示すような態様を
もって設定されることになる。同図28に示されるよう
に、タンク燃圧Ptが所定の圧力Pct未満のときは第
2の調圧値Pndが有効とされるため、デリバリパイプ
35内の燃料の圧力はタンク燃圧Ptを基準として、第
1の調圧値Pstが有効とされているときのほぼ2倍に
相当する圧力に維持されるようになる。ちなみに、上記
第4の電磁弁開閉処理(図26)が行われない場合に
は、一点鎖線にて示すように調圧設定値として第1の調
圧値Pstが有効とされるとともに、デリバリパイプ3
5内の燃料の圧力は同第1の調圧値Pstに応じた圧力
に維持されることになる。
【0192】一方、タンク燃圧Ptが所定の圧力Pct
以上のときは第1の調圧値Pstが有効とされるため、
デリバリパイプ35内の燃料の圧力はこの第1の調圧値
Pstに応じた圧力に維持されるようになる。
【0193】ところで、吸気通路23の圧力が変動する
領域の大きさはデリバリパイプ35内の燃料の圧力(パ
イプ燃圧Pp)が変動する領域の大きさに対して十分に
小さい傾向にある。このため、圧力差DfPが内燃機関
1の運転性の悪化をまねくおそれがある圧力差(所定の
圧力差DfPct)未満であることを、簡易的にデリバ
リパイプ35内の燃料の圧力のみに基づいて判定するこ
ともできる。また、デリバリパイプ35内の燃料の圧力
は、基本的にはプレッシャレギュレータの調圧設定値に
応じた圧力に維持されており、この調圧設定値は上述の
ように燃料タンク31内の燃料の圧力に応じて決定され
るため、パイプ燃圧Ppの相当値としてタンク燃圧Pt
を採用することも可能となる。なお、上記デリバリパイ
プ35内の燃料の圧力が変動する領域とは、以下のよう
に説明される。即ち、例えばデリバリパイプ35内の燃
料の圧力が第1の調圧値Pstのみに応じた圧力に維持
される場合、そのときの最大圧力(図28:圧力Pma
x)と最小圧力(図28:圧力Pmin)との差が上記
圧力が変動する領域となる。
【0194】こうしたことから、上記態様をもって調圧
設定値の変更を行うことによっても、前記第5の実施の
形態の作用効果に準じた作用効果が得られるようにな
る。次に、図29を参照して、第4の電磁弁開閉処理
(図26)による調圧設定値の変更態様の一例を説明す
る。
【0195】例えば、時刻t291においてタンク燃圧
Ptが所定の圧力Pct未満である旨検出されたとする
と、ECU4により電磁弁38が閉弁されて、セカンダ
リプレッシャレギュレータ37が有効とされる(図29
(a),(b),(d))。これにより、調圧設定値と
して第2の調圧値Pndが有効とされるとともに、デリ
バリパイプ35内の燃料の圧力が同第2の調圧値Pnd
に応じた圧力に維持されるようになる(図29
(c))。そして、タンク燃圧Ptが所定の圧力Pct
以上となったことが時刻t292において検出されたと
すると、ECU4により電磁弁38が閉弁されて、セカ
ンダリプレッシャレギュレータ37が無効とされる(図
29(a),(b),(d))。これにより、調圧設定
値として第1の調圧値Pstが有効とされるとともに、
デリバリパイプ35内の燃料の圧力が同第1の調圧値P
stに応じた圧力に維持されるようになる(図29
(c))。そして、時刻t292以降も上記処理態様に
準じた処理が継続される。
【0196】以上詳述したように、この第6の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、先の第1
の実施の形態による前記(1)〜(3)の効果に準じた
効果に加えて、さらに以下に列記するような効果が得ら
れるようになる。
【0197】(4)本実施の形態では、タンク燃圧Pt
が所定の圧力Pct未満となるとき、セカンダリプレッ
シャレギュレータ37とともに第2の調圧値Pndを有
効とするようにしている。これにより、デリバリパイプ
35内の燃料の圧力と吸気通路23の圧力との圧力差D
fPが大きくされるため、燃料噴射弁INJの燃料噴射
量のばらつきを抑制して内燃機関1の運転性の悪化を好
適に回避することができるようになる。
【0198】(5)本実施の形態では、タンク燃圧Pt
が所定の圧力Pct未満となるとき、第2の調圧値Pn
dを有効とし、タンク燃圧Ptが所定の圧力Pct以上
となるときは第1の調圧値Pstを有効とするようにし
ている。これにより、第1の調圧値Pstが有効とされ
ているときよりも燃料ポンプ32の負荷が増大する第2
の調圧値Pndは、燃料噴射弁INJの燃料噴射量のば
らつきが懸念されるときにのみ有効とされることになる
ため、燃料ポンプ32の寿命の低下や燃費の悪化等を好
適に抑制することができるようになる。
【0199】(6)本実施の形態では、タンク燃圧Pt
が所定の圧力Pct未満となるとき、第2の調圧値Pn
dを有効とするようにしている。ちなみに、例えば調圧
設定値として第1の調圧値Pstのみが有効とされる場
合には、図28に示されるデリバリパイプ35内の燃料
の圧力(パイプ燃圧Pp)の変動領域(圧力Pmaxか
ら圧力Pmin)に対応して適切な燃料噴射を行うこと
ができる燃料噴射弁INJを備える必要が生じる。これ
に対して、本実施の形態では、上記態様をもって第2の
調圧値Pndを有効とするようにしているため、パイプ
燃圧Ppの変動領域が上記第1の調圧値Pstのみが有
効とされる場合よりも小さくされる(圧力Pmaxから
圧力Pct)。即ち、燃料タンク31内の燃料の圧力
(タンク燃圧Pt)の変動に対してパイプ燃圧Ppの変
動が小さくされるため、燃料噴射弁INJに要求される
ダイナミックレンジが小さくされるようになる。このよ
うに、燃料噴射弁INJとしてより低い性能を有するも
のを採用することが可能となるため、燃料供給装置をよ
り容易に実現することができるようになる。
【0200】(7)本実施の形態では、タンク燃圧Pt
が所定の圧力Pct未満となるとき、第2の調圧値Pn
dを有効とするようにしている。ちなみに、燃料タンク
内の燃料の圧力に応じて調圧設定値が設定されるプレッ
シャレギュレータが採用されている場合にあっては、次
のようなことが懸念される。即ち、例えばタンク燃圧P
tが過度に低いことに起因して、調圧設定値とともにデ
リバリパイプ35内の燃料の圧力が吸気通路23の圧力
よりも低くなるとき、燃料噴射弁INJによる燃料噴射
を行うことができなくなることが考えられる。この点、
本実施の形態では、上記態様をもって第2の調圧値Pn
dが有効とされてデリバリパイプ35内の燃料の圧力が
高められるため、上記懸念を好適に回避することができ
るようになる。
【0201】なお、上記第6の実施の形態は、これを適
宜変更した、例えば次のような形態として実施すること
もできる。 ・上記第6の実施の形態では、タンク燃圧Ptが所定の
圧力Pct未満となるとき、第2の調圧値Pndを有効
にし、タンク燃圧Ptが所定の圧力Pct以上となると
き、第1の調圧値Pstを有効にする構成としたが、例
えば次のように変更することも可能である。即ち、タン
ク燃圧Ptが所定の圧力Pctよりも大きく設定される
第2の所定の圧力となることに基づいて、調圧設定値を
第2の調圧値Pndから第1の調圧値Pstへ変更する
構成とすることもできる。
【0202】・上記第6の実施の形態では、予め設定さ
れている所定の圧力Pctに基づいて調圧設定値の変更
を行う構成としたが、例えば次のように変更することも
可能である。即ち、上記所定の圧力Pctを内燃機関1
の運転パラメータに基づいて補正しつつ調圧設定値の変
更を行うこともできる。
【0203】・上記第6の実施の形態では、機関停止時
の電磁弁開閉処理(図7)にあわせて第4の電磁弁開閉
処理(図26)を行う構成としたが、例えば次のように
変更することも可能である。即ち、機関停止時の電磁弁
開閉処理(図7)の処理を行わない構成とすることもで
きる。
【0204】・上記第6の実施の形態では、機関停止時
の電磁弁開閉処理(図7)にあわせて第4の電磁弁開閉
処理(図26)を行う構成としたが、例えば次のように
変更することも可能である。即ち、内燃機関1の運転
中、さらに機関運転中の電磁弁開閉処理(図6)を行う
構成とすることもできる。なお、こうした構成を採用し
た場合、機関運転中の電磁弁開閉処理(図6)のステッ
プS203の判定結果及び第4の電磁弁開閉処理(図2
6)のステップS602の判定結果から得られる以下の
判定結果、即ち、 〔a〕飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst未満、
且つタンク燃圧Ptが所定の圧力Pct未満。 〔b〕飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst未満、
且つタンク燃圧Ptが所定の圧力Pct以上。 〔c〕飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst以上、
且つタンク燃圧Ptが所定の圧力Pct未満。 〔d〕飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst以上、
且つタンク燃圧Ptが所定の圧力Pct以上。 といった各判定結果に対してそれぞれ電磁弁38の開閉
操作を設定した所定のマップに基づいて同電磁弁38の
開閉操作を行うものとする。また、内燃機関1の運転
中、同内燃機関1の運転パラメータ等に基づいて上記マ
ップの内容を変更することもできる。
【0205】・また、上記変更例において、機関停止時
の電磁弁開閉処理(図7)を行わない構成とすることも
可能である。 (その他の実施の形態)その他、上記各実施の形態に共
通に変更可能な要素としては、次のようなものがある。
【0206】・上記第2の実施の形態に、上記第3の実
施の形態にて例示した変更処理(図13)を適用する構
成としてもよい。こうした構成を採用した場合にも、内
燃機関1の停止後における燃料ポンプ32の駆動が的確
に行われ、燃料ポンプ32に余分な負荷がかかるといっ
た事態が好適に回避されるようになる。
【0207】・上記第2の実施の形態に上記第4〜第6
の実施の形態を適用することも可能である。 ・上記第3の実施の形態に上記第4〜第6の実施の形態
を適用することも可能である。
【0208】・上記第4の実施の形態に上記第5あるい
は第6の実施の形態を適用することも可能である。即
ち、上記第4の実施の形態において、内燃機関1の運転
中、さらに第3の電磁弁開閉処理(図23)あるいは第
4の電磁弁開閉処理(図26)のいずれかを行う構成と
することもできる。なお、こうした構成を採用する場
合、以下の各処理、即ち 〔a〕機関運転中の電磁弁開閉処理(図6) 〔b〕第2の電磁弁開閉処理(図15) 〔c〕第3あるいは第4の電磁弁開閉処理(図23また
は図26) といった各処理を通じて得られる電磁弁38の開閉操作
にかかる判定結果の各組み合わせに対してそれぞれ電磁
弁38の開閉操作を設定した所定のマップに基づいて同
電磁弁38の開閉操作を行うものとする。
【0209】・また、上記変更例において、機関運転中
の電磁弁開閉処理(図6)及び機関停止時の電磁弁開閉
処理(図7)の少なくとも一方を行わない構成とするこ
とも可能である。
【0210】・上記第5の実施の形態では、圧力差Df
Pが所定の圧力差DfPct未満である、上記第6の実
施の形態ではタンク燃圧Ptが所定の圧力Pct未満で
あるといった条件に基づいて電磁弁38の閉弁操作を行
う構成としたが、同条件を例えば次のように変更するこ
とも可能である。即ち、 〔a〕デリバリパイプ35内の燃料の圧力(パイプ燃圧
Pp)が所定の圧力未満である。 〔b〕燃料タンク31内の燃料の温度(タンク燃温T
t)が所定の温度未満である。 〔c〕外気の温度が所定の温度未満である。 〔d〕吸入空気の温度が所定の温度未満である。 といった条件が満たされるときに、電磁弁38の閉弁操
作を行う構成とすることもできる。
【0211】・上記第1及び第3〜第6の実施の形態に
おける可変調圧機構、即ち還流経路R2に設けられる各
プレッシャレギュレータ36,37と電磁弁38が設け
られている補助還流経路R3とから構成される可変調圧
機構を、例えば次のように変更することも可能である。
即ち、還流経路R2に設けられるとともに、背圧室に燃
料タンク31内の燃料の圧力と同圧力よりも高い圧力と
のいずれかを選択的に導入することができるプレッシャ
レギュレータを可変調圧機構として採用することもでき
る。
【0212】・上記第2の実施の形態における可変調圧
機構、即ちプライマリプレッシャレギュレータ36、そ
の上流に設けられる電磁弁38及び高圧還流経路R4に
設けられるハイプレッシャレギュレータHPから構成さ
れる可変調圧機構についても、上記変更例と同様に変更
することができる。
【0213】・上記各実施の形態では、第1の調圧値P
stとして一般に用いられる調圧設定値を採用する構成
としたが、この調圧設定値をさらに低い値に変更するこ
ともできる。ちなみに、上記各実施の形態は、デリバリ
パイプ35の圧力が第1の調圧値Pstに維持されてい
る場合であっても、飽和蒸気圧力PVPが同第1の調圧
値Pst以上となった旨判断された場合には、デリバリ
パイプ35の圧力が第2の調圧値Pndに維持される構
成となっている。即ち、内燃機関1の運転中において、
燃料の気化抑制の効果をより高める必要がある場合に
は、デリバリパイプ35の圧力が通常よりも高い値に維
持され、それ以外の場合には、燃料ポンプ32へ過度に
負荷がかかることないようデリバリパイプ35の圧力が
通常の値に維持される。従って、第1の調圧値Pstを
さらに低い値として設定した場合には、この設定された
第1の調圧値Pstに対応する燃料の飽和蒸気温度も低
くなるものの、上述のように適宜、デリバリパイプ35
の圧力が第2の調圧値Pndに維持されるため、燃料の
気化が好適に抑制されるようになる。そして、このよう
に第1の調圧値Pstをさらに低い値として設定するこ
とにより、内燃機関1の運転中において、デリバリパイ
プ35の圧力がより低い値に維持されるようになる。こ
れにより、燃料ポンプ32の負荷を軽減することができ
るようになり、ひいては燃料の気化抑制と燃料ポンプ3
2の負荷軽減との好適な両立が図られるようにもなる。
【0214】・また、上記第1の調圧値Pstを一般に
用いられる調圧設定値よりもさらに低い値に変更する際
には、燃料噴射弁INJからの燃料の噴射供給において
必要とされる燃料の噴射圧力が得られる範囲内であれ
ば、可能な限り低い値に設定することもできる。
【0215】・上記各実施の形態では、第2の調圧値P
nd(第3の調圧値Prd)として、タンク燃圧Ptを
基準として第1の調圧値Pstの2倍に相当する調圧設
定値を採用する構成としたが、この第2の調圧値Pnd
(第3の調圧値Prd)は上記各実施の形態にて設定さ
れる値に限られるものではない。要するに、内燃機関1
の停止中において、デリバリパイプ35が受熱してその
温度が上昇した場合に、そうした温度上昇において予測
される平均的な上昇後の温度あるいは最も高い上昇後の
温度に対して、デリバリパイプ35に圧送される燃料の
飽和蒸気温度がそれら各温度のいずれかを上回るように
同燃料の圧力を維持することができる値あれば、採用す
る調圧設定値は適宜変更可能である。
【0216】・上記各実施の形態では、機関運転中の電
磁弁開閉処理(図6)において、飽和蒸気圧力PVPを
算出し、この飽和蒸気圧力PVPが第1の調圧値Pst
未満であるか否かを判断し、この判断結果に基づいて電
磁弁38の開閉操作を行う構成としたが(図6:ステッ
プS202〜S205)、例えば次のように変更するこ
ともできる。即ち、前記ステップS202による処理に
代えて、第1の飽和温度Tstを算出する処理とし、前
記ステップS203による判断に代えて、デリバリパイ
プ35の温度(パイプ燃温Tp)が第1の飽和温度Ts
t未満であるか否かを判断する処理とし、これら変更さ
れた処理を通じて、 [a1]デリバリパイプ35の温度が第1の飽和温度T
st未満である旨判断された場合には、電磁弁38を開
弁する。 [a2]デリバリパイプ35の温度が第1の飽和温度T
st未満でない旨判断された場合には、電磁弁38を閉
弁する。といった態様をもって電磁弁38の開閉操作を
行う構成としてもよい。
【0217】・上記各実施の形態においては、機関停止
時の電磁弁開閉処理(図7)を通じて内燃機関1の停止
後も燃料ポンプ32の駆動を継続する構成としたが(図
7:ステップS303及びS304)、この機関停止後
における燃料ポンプ32の駆動処理を行わない構成とす
ることもできる。こうした構成を採用した場合には、内
燃機関1の停止後における燃料ポンプ32の駆動に関す
る制御を行う必要がなくなるため、制御性が良好とな
る。
【0218】・上記各実施の形態においては、機関運転
中の電磁弁開閉処理(図6)を通じて、内燃機関1の運
転中における電磁弁38の開閉処理を行う構成とした
が、例えば、この処理に代えて、以下に示す処理を行う
ようにしてもよい。
【0219】即ち、内燃機関1の始動後から予め設定さ
れている所定時間が経過するまでは、デリバリパイプ3
5の圧力を第2の調圧値Pnd(第3の調圧値Prd)
に維持し、同所定時間が経過した後に、第1の調圧値P
stを有効とする構成としてもよい。こうした構成を採
用した場合には、内燃機関1の始動後における第2の調
圧値Pndから第1の調圧値Pstへの切り替えに際し
て、デリバリパイプ35の温度をモニタする等の制御が
不要となり、各センサ51〜54を備える必要がなくな
る。これにより、装置の簡略化が図られるとともに、装
置のコスト上昇が抑制されるようにもなる。また、こう
した構成の採用により次のような効果が得られるように
もなる。即ち、一般に内燃機関1の始動時にあっては、
燃料噴射量を増量するいわゆる始動時増量補正が行われ
るため、こうした補正により燃料噴射弁に対してはより
多くの燃料を噴射することが要求されることになる。し
かし、従来の燃料供給装置にあっては、燃料噴射弁の開
弁時間の調整することでしか燃料噴射量を増量すること
ができないため、十分な増量補正を行うことが困難とな
ることも考えられる。この点、上記構成にあっては、内
燃機関1の始動時、デリバリパイプ35内の燃料の圧力
がより高い圧力に維持されるため、燃料噴射弁INJを
通じてより多くの燃料を噴射供給することが可能となり
上記懸念を好適に解消することができるようになる。
【0220】・また、内燃機関1の始動後から予め設定
されている所定時間が経過するまでは、デリバリパイプ
35の圧力を第2の調圧値Pnd(第3の調圧値Pr
d)に維持し、同所定時間の経過にともない第1の調圧
値Pstを有効とした後は、機関運転中の電磁弁開閉処
理(図6)を行う構成とすることもできる。
【0221】・上記各実施の形態においては、機関運転
中の電磁弁開閉処理(図6)を通じて、内燃機関1の運
転中における電磁弁38の開閉処理を行う構成とした
が、例えば次のように変更してもよい。即ち、内燃機関
1の始動後、最初に第1の調圧値Pstが有効とされた
以降の機関運転中においては、上記機関運転中の電磁弁
開閉処理(図6)を行わず、デリバリパイプ35の圧力
を第1の調圧値Pstに維持する構成としてもよい。こ
うした構成を採用した場合には、内燃機関1の運転中に
おいて電磁弁38の開閉操作、及びそれにともなう各処
理が省略されるため、制御が簡略化されるようになる。
【0222】・また、上述のように機関運転中の電磁弁
開閉処理(図6)を省略する構成を採用した場合には、
機関停止時の電磁弁開閉処理(図7)を以下のように変
更した構成とすることもできる。以下、機関停止時の電
磁弁開閉処理(図7)の変更例について、図14を参照
して説明する。なお本処理は、前記第1の実施の形態に
て行われる機関停止時の電磁弁開閉処理(図7)の前記
ステップS303が、以下に示すような処理に変更され
たものとなっている。
【0223】まず、前記ステップS301(図7)にて
イグニッション信号IGがオンからオフにされた旨判断
された場合に、前記ステップS302(図7)にて電磁
弁38を閉弁し、ステップS303(図14)へ移る。
次にステップS303cでは、内燃機関1の停止直前に
おけるデリバリパイプ35の温度(パイプ燃温Tp)と
第1の飽和温度Tstとの差に基づいて燃料ポンプ32
の駆動継続時間TdrvBを算出し、ステップS303
dへ移る。なお、この駆動継続時間TdrvBは、デリ
バリパイプ35の温度が第1の飽和温度Tst以上であ
るときに、両者の差が大きくなるほどその値も大きくな
るといった傾向を示すものである。そしてステップS3
03dでは、内燃機関1の停止直後からの経過時間が駆
動継続時間TdrvB未満であるか否かが判断される。
経過時間が駆動継続時間TdrvB未満である旨判断さ
れた場合は、前記ステップS304(図7)へ移って、
燃料ポンプ32の駆動を継続し、一方、経過時間が駆動
継続時間TdrvB未満でない旨判断された場合は、機
関停止時の電磁弁開閉処理を終了する。
【0224】ここで、内燃機関1の運転中における電磁
弁38の開閉処理が省略されている場合には、例えば図
4に示されるように、燃料が点B1の状態にあったとし
てもデリバリパイプ35の圧力は第1の調圧値Pstに
維持されたままであるため、燃料は気化するようにな
る。また、この点B1における温度Tpbと第1の飽和
温度Tstとの差が大きくなるほどベーパの発生量も多
くなる。そして、内燃機関1の停止直前に、燃料が上述
のような気化した状態にあると、同内燃機関1の停止後
にデリバリパイプ35の圧力を第2の調圧値Pndまで
昇圧するために必要とされる時間が気化の度合いに応じ
て異なったものとなる。そこで、上記にて例示した構成
のように、内燃機関1の停止直前におけるデリバリパイ
プ35の温度と第1の飽和温度Tstとの差に基づいて
駆動継続時間TdrvBを算出することにより、燃料ポ
ンプ32の駆動の継続を的確に行うことができるように
なる。
【0225】・上記各実施の形態では、各センサ51〜
54の検出データに基づいて、デリバリパイプ35内の
燃料が液相であるか気相であるかを判定したが、例えば
より簡易的に、パイプ燃温センサ53、パイプ燃圧セン
サ54による検出データのみに基づいて上記デリバリパ
イプ35内の燃料の相状態を判定することもできる。要
するに、デリバリパイプ35における燃料の相状態を判
定することができる方法であれば、その判定方法は適宜
変更可能である。
【0226】・上記各実施の形態では、エアフローメー
タ(図示略)の検出値等を通じて吸気通路23の圧力を
推定する構成としたが、例えば吸気通路23の圧力をモ
ニタするための吸気圧センサを通じて同圧力を検出する
構成とすることもできる。
【0227】・上記各実施の形態の燃料供給装置3の構
成を、以下に例示する(イ)の燃料供給装置に変更する
こともできる。なお、以下の変更例の説明に際して、上
記各実施の形態と同一の構成要素に関しては同一の符号
を付し、重複する説明を省略する。
【0228】(イ)変更可能な燃料供給装置の一例を、
先の第1の実施の形態にかかる燃料供給装置との対比の
もとに図1及び図30を参照して説明する。前記第1の
実施の形態においては、還流経路R2の上流部がデリバ
リパイプ35の下流部と接続される構成であるのに対し
(図1)、図30に示す燃料供給装置においては、還流
経路R2の上流部がデリバリパイプ35の上流の燃料経
路(供給経路R1)に接続される構成となっている。こ
うした構成によれば、燃料ポンプ32により圧送された
燃料がデリバリパイプ35(燃料噴射機構34)の上流
から燃料タンク31に還流されるようになる。これによ
り、燃焼室20等からの熱を受けやすいデリバリパイプ
35に供給される燃料量が減量され、燃料タンク31の
温度上昇を抑制することができるようになる。
【0229】・また、上記(イ)の燃料供給装置におい
ては、還流経路R2のセカンダリプレッシャレギュレー
タ37の上流と下流とが、その経路途中に電磁弁38が
設けられている補助還流経路R3により連通されている
構成としたが、例えば、次のように変更することもでき
る。即ち、還流経路R2のプライマリプレッシャレギュ
レータ36の上流と下流とが、その経路途中に電磁弁3
8が設けられている補助還流経路R3により連通されて
いる構成とすることもできる。
【0230】・上記各実施の形態の燃料供給装置3の構
成を、以下に例示する(ロ)の燃料供給装置に変更する
こともできる。なお、以下の変更例の説明に際して、上
記各実施の形態と同一の構成要素に関しては同一の符号
を付し、重複する説明を省略する。
【0231】(ロ)変更可能な燃料供給装置の一例を、
先の第2の実施の形態にかかる燃料供給装置との対比の
もとに図10(図11)及び図31を参照して説明す
る。前記第2の実施の形態においては、還流経路R2の
上流端がデリバリパイプ35の下流部と接続される構成
であるのに対し(図10)、図31に示す燃料供給装置
においては、還流経路R2の上流端がデリバリパイプ3
5の上流の燃料経路(供給経路R1)に接続される構成
となっている。こうした構成によっても、燃料タンク3
1の温度上昇を抑制することができるようになる。
【0232】・また、上記(ロ)の燃料供給装置におい
ては、還流経路R2のプライマリプレッシャレギュレー
タ36より上流に電磁弁38が設けられている構成とし
たが、例えば次のように変更することもできる。即ち、
還流経路R2のプライマリプレッシャレギュレータ36
より下流に電磁弁38が設けられている構成とすること
もできる。
【0233】・また、上記(ロ)の燃料供給装置におい
ては、還流経路R2及び高圧還流経路R4の下流部がそ
れぞれ燃料タンク31の気相部に接続されている構成と
したが、例えば次のように変更することもできる。即
ち、還流経路R2のプライマリプレッシャレギュレータ
36及び電磁弁38から構成される直列部の上流と下流
とが高圧還流経路R4により接続されている構成とする
こともできる。
【0234】・上記各実施の形態の燃料供給装置3の構
成を、以下に例示する(ハ)の燃料供給装置に変更する
こともできる。なお、以下の変更例の説明に際して、上
記各実施の形態と同一の構成要素に関しては同一の符号
を付し、重複する説明を省略する。
【0235】(ハ)変更可能な燃料供給装置の一例を、
先の第1の実施の形態にかかる燃料供給装置との対比の
もとに図1及び図32を参照して説明する。同図32に
示す燃料供給装置は、図1に示される燃料供給装置にお
いて、 [b1]還流経路R2からプライマリプレッシャレギュ
レータ36、セカンダリプレッシャレギュレータ37及
び補助還流経路R3を除外し、新たにハイプレッシャレ
ギュレータHPを設ける。 [b2]経路途中にプライマリプレッシャレギュレータ
36及び電磁弁38(これらのうちいずれが上流側に配
置されてもよい)が設けられている第2の還流経路R2
aにより、デリバリパイプ35の上流と燃料タンク31
の気相部と接続する。 といった変更が加えられた構成となっている。こうした
構成によれば、電磁弁38の開閉操作を通じて、 [c1]電磁弁38を閉弁した場合には、還流経路R2
及びハイプレッシャレギュレータHPの調圧機能が能動
とされ、デリバリパイプ35の圧力が第3の調圧値Pr
dに維持されるとともに、燃料の循環により同デリバリ
パイプ35の冷却等が行われるようになる。 [c2]電磁弁38を開弁した場合には、第2の還流経
路R2a及びプライマリプレッシャレギュレータ36の
調圧機能が能動とされ、デリバリパイプ35の圧力が第
1の調圧値Pstに維持されるとともに、燃料タンク3
1の温度上昇が抑制されるようになる。といった効果が
奏されるようになる。そして、これら各燃料経路のいず
れかを選択的に能動とすることで、燃料の液相状態をよ
り好適に確保することができるようにもなる。
【0236】・上記各実施の形態では、同各実施の形態
にてそれぞれ例示した燃料供給装置に本発明を適用する
構成としたが、本発明の適用の対象とされる燃料供給装
置は、上記各実施の形態及び(イ)〜(ハ)にて例示し
た燃料供給装置に限られるものではない。要するに、燃
料ポンプにより燃料噴射機構(デリバリパイプ内)に圧
送された燃料の圧力を、少なくとも2段階の調圧設定値
を有する調圧機構により適宜の圧力に維持することがで
きる燃料供給装置であればいずれの構成であっても本発
明の適用は可能である。
【0237】・上記第1〜第3及び第4の実施の形態で
は、液化石油ガス(LPG)を燃料とする内燃機関1を
想定したが、本発明の適用は液化石油ガスを燃料とする
内燃機関に限られるものではなく、例えば、ガソリン等
を燃料とする内燃機関にも適用することができる。ま
た、内燃機関としての構成も上記各実施の形態にて例示
した構成に限られず、任意の構成を採用することができ
る。要するに、吸入空気と燃料との混合気を爆発、燃焼
させて動力を得る内燃機関であれば本発明の適用は可能
であり、そうした場合にも、上記各実施の形態に準じた
効果を奏することができる。
【0238】・上記第5及び第6の実施の形態では、液
化石油ガス(LPG)を燃料とする内燃機関1を想定し
たが、本発明は次のような内燃機関の燃料供給装置であ
ればいずれの燃料供給装置であっても適用可能である。
即ち、例えば液化天然ガス(LNG)、液体水素及びジ
メチルエーテル等といった液化ガスを燃料とする内燃機
関の燃料供給装置であれば本発明を適用することが可能
であり、そうした燃料供給装置に本発明を適用した場合
にあっても上記第5及び第6の実施の形態の作用効果に
準じた作用効果が奏せられるようになる。
【0239】以上の事項も含めて、最後に、この発明に
かかる内燃機関の燃料供給装置は次のような技術思想を
含むものであることを付記しておく。 (1)内燃機関に対して燃料を噴射供給する燃料噴射機
構と、燃料タンク内に飽和状態で貯留されている液相燃
料を前記燃料噴射機構に圧送供給する燃料ポンプと、同
燃料ポンプにより圧送された燃料を前記燃料タンクに還
流するための還流経路と、同還流経路に設けられて前記
燃料噴射機構内の燃料の圧力を可変である調圧設定値に
応じた圧力に維持する可変調圧機構とを備える内燃機関
の燃料供給装置において、前記内燃機関の運転に要求さ
れる燃料量が前記燃料ポンプの燃料吐出量以上となると
き、前記可変調圧機構の調圧設定値をより低い調圧設定
値に変更する調圧設定値低減手段を備えることを特徴と
する内燃機関の燃料供給装置。
【0240】(2)内燃機関に対して燃料を噴射供給す
る燃料噴射機構と、燃料タンク内に飽和状態で貯留され
ている液相燃料を前記燃料噴射機構に圧送供給する燃料
ポンプと、同燃料ポンプにより圧送された燃料を前記燃
料タンクに還流するための還流経路と、同還流経路に設
けられて前記燃料噴射機構内の燃料の圧力を可変である
調圧設定値に応じた圧力に維持する可変調圧機構とを備
える内燃機関の燃料供給装置において、前記内燃機関の
運転に要求される燃料量が前記燃料ポンプの燃料吐出量
以上となるとき、前記可変調圧機構の調圧設定値をより
低い調圧設定値に変更し、前記内燃機関の運転に要求さ
れる燃料量が前記燃料ポンプの燃料吐出量よりも小さく
設定される所定の燃料吐出量未満となるとき、前記可変
調圧機構の調圧設定値をより低い調圧設定値に変更する
処理を停止する調圧設定値低減手段を備えることを特徴
とする内燃機関の燃料供給装置。
【0241】(3)内燃機関に対して燃料を噴射供給す
る燃料噴射機構と、燃料タンク内に飽和状態で貯留され
ている液相燃料を前記燃料噴射機構に圧送供給する燃料
ポンプと、同燃料ポンプにより圧送された燃料を前記燃
料タンクに還流するための還流経路と、同還流経路に設
けられて前記燃料噴射機構内の燃料の圧力を可変である
調圧設定値に応じた圧力に維持する可変調圧機構とを備
える内燃機関の燃料供給装置において、前記内燃機関の
運転に要求される燃料量が前記燃料ポンプの燃料吐出量
よりも小さく設定される所定の燃料吐出量以上となると
き、前記可変調圧機構の調圧設定値をより低い調圧設定
値に変更する調圧設定値低減手段を備えることを特徴と
する内燃機関の燃料供給装置。
【0242】(4)内燃機関に対して燃料を噴射供給す
る燃料噴射機構と、燃料タンク内に飽和状態で貯留され
ている液相燃料を前記燃料噴射機構に圧送供給する燃料
ポンプと、同燃料ポンプにより圧送された燃料を前記燃
料タンクに還流するための還流経路と、同還流経路に設
けられて前記燃料噴射機構内の燃料の圧力を可変である
調圧設定値に応じた圧力に維持する可変調圧機構とを備
える内燃機関の燃料供給装置において、前記内燃機関の
運転に要求される燃料量が前記燃料ポンプの燃料吐出量
よりも小さく設定される所定の燃料吐出量以上となると
き、前記可変調圧機構の調圧設定値をより低い調圧設定
値に変更し、前記内燃機関の運転に要求される燃料量が
前記所定の燃料吐出量よりも小さく設定される燃料吐出
量未満となるとき、前記可変調圧機構の調圧設定値をよ
り低い調圧設定値に変更する処理を停止する調圧設定値
低減手段を備えることを特徴とする内燃機関の燃料供給
装置。
【0243】(5)前記可変調圧機構は、前記還流経路
に設けられる複数の調圧機構と、前記還流経路内の燃料
を該複数の調圧機構のうちの少なくとも1つを介するこ
となく前記燃料タンクへ還流するための迂回還流経路
と、同迂回還流経路を選択的に開閉する切替手段とを備
えて構成され、前記調圧設定値低減手段は、該切替手段
を通じて前記迂回経路を能動とすることで前記可変調圧
機構の調圧設定値をより低い調圧設定値に変更する前記
(1)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給
装置。
【0244】(6)前記可変調圧機構は、前記還流経路
に設けられて前記燃料噴射機構内の燃料の圧力を第1の
調圧設定値に維持する第1の調圧機構と、前記還流経路
から分岐して該還流経路内の燃料を前記第1の調圧機構
を介することなく前記燃料タンクに還流するための副還
流経路と、同副還流経路に設けられて前記燃料噴射機構
内の燃料の圧力を前記第1の調圧機構による前記第1の
調圧設定値よりも低い第2の調圧設定値に維持する第2
の調圧機構と、前記副還流経路に設けられて同副還流経
路を選択的に開閉する制御弁とを備えて構成され、前記
調圧設定値低減手段は、該制御弁を開弁することで前記
可変調圧機構の調圧設定値をより低い調圧設定値に変更
する前記(1)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関の
燃料供給装置。
【0245】(7)前記可変調圧機構は、該可変調圧機
構の背圧室に前記燃料タンク内の燃料の圧力と同圧力よ
りも高い圧力とのいずれかを選択的に導入する背圧変更
手段を備えて構成され、前記調圧設定値低減手段は、該
背圧変更手段を通じて前記調圧機構の背圧室に前記燃料
タンク内の燃料の圧力を導入することで前記可変調圧機
構の調圧設定値をより低い調圧設定値に変更する前記
(1)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給
装置。
【0246】(8)液化ガス燃料を燃料とする液化ガス
内燃機関に対して燃料を噴射供給する燃料噴射機構と、
燃料タンク内に飽和状態で貯留されている液相燃料を前
記燃料噴射機構に圧送供給する燃料ポンプと、同燃料ポ
ンプにより圧送された燃料を前記燃料タンクに還流する
ための還流経路と、同還流経路に設けられて前記燃料噴
射機構内の燃料の圧力を可変である調圧設定値に応じた
圧力に維持する可変調圧機構とを備える液化ガス内燃機
関の燃料供給装置において、前記燃料噴射機構内の燃料
の圧力と前記内燃機関の吸気通路の圧力とを監視し、そ
れら圧力差が所定の圧力差未満となるとき、前記可変調
圧機構の調圧設定値をより高い調圧設定値に変更する調
圧設定値増大手段を備えることを特徴とする液化ガス内
燃機関の燃料供給装置。
【0247】(9)前記可変調圧機構は、前記還流経路
に設けられる複数の調圧機構と、前記還流経路内の燃料
を該複数の調圧機構のうちの少なくとも1つを介するこ
となく前記燃料タンクへ還流するための迂回還流経路
と、同迂回還流経路を選択的に開閉する切替手段とを備
えて構成され、前記調圧設定値増大手段は、該切替手段
を通じて前記迂回経路を非能動とすることで前記可変調
圧機構の調圧設定値をより高い調圧設定値に変更する前
記(8)記載の液化ガス内燃機関の燃料供給装置。
【0248】(10)前記可変調圧機構は、前記還流経
路に設けられて前記燃料噴射機構内の燃料の圧力を第1
の調圧設定値に維持する第1の調圧機構と、前記還流経
路から分岐して該還流経路内の燃料を前記第1の調圧機
構を介することなく前記燃料タンクに還流するための副
還流経路と、同副還流経路に設けられて前記燃料噴射機
構内の燃料の圧力を前記第1の調圧機構による前記第1
の調圧設定値よりも低い第2の調圧設定値に維持する第
2の調圧機構と、前記副還流経路に設けられて同副還流
経路を選択的に開閉する制御弁とを備えて構成され、前
記調圧設定値増大手段は、該制御弁を開弁することで前
記可変調圧機構の調圧設定値をより高い調圧設定値に変
更する前記(8)記載の液化ガス内燃機関の燃料供給装
置。
【0249】(11)前記可変調圧機構は、該可変調圧
機構の背圧室に前記燃料タンク内の燃料の圧力と同圧力
よりも高い圧力とのいずれかを選択的に導入する背圧変
更手段を備えて構成され、前記調圧設定値増大手段は、
該背圧変更手段を通じて前記調圧機構の背圧室に前記燃
料タンク内の燃料の圧力を導入することで前記可変調圧
機構の調圧設定値をより高い調圧設定値に変更する前記
(8)記載の液化ガス内燃機関の燃料供給装置。
【0250】(12)前記調圧設定値増大手段は、前記
燃料タンク内の燃料の圧力が所定の圧力未満となること
に基づいて、前記圧力差が所定の圧力差未満である旨判
定する前記(8)〜(11)のいずれかに記載の液化ガ
ス内燃機関の燃料供給装置。
【0251】(13)前記調圧設定値増大手段は、前記
燃料噴射機構内の燃料の圧力が所定の圧力未満となるこ
とに基づいて、前記圧力差が所定の圧力差未満である旨
判定する前記(8)〜(11)のいずれかに記載の液化
ガス内燃機関の燃料供給装置。
【0252】(14)前記調圧設定値増大手段は、前記
燃料タンク内の燃料の温度が所定の温度未満となること
に基づいて、前記圧力差が所定の圧力差未満である旨判
定する前記(8)〜(11)のいずれかに記載の液化ガ
ス内燃機関の燃料供給装置。
【0253】(15)前記調圧設定値増大手段は、外気
の温度が所定の温度未満となることに基づいて、前記圧
力差が所定の圧力差未満である旨判定する前記(8)〜
(11)のいずれかに記載の液化ガス内燃機関の燃料供
給装置。
【0254】(16)前記調圧設定値増大手段は、前記
内燃機関の吸入空気の温度が所定の温度未満となること
に基づいて、前記圧力差が所定の圧力差未満である旨判
定する前記(8)〜(11)のいずれかに記載の液化ガ
ス内燃機関の燃料供給装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第1
の実施の形態についてその全体構成を模式的に示す概略
図。
【図2】同実施の形態にかかる燃料経路の一切替状態を
模式的に示す図。
【図3】同実施の形態にかかる燃料経路の一切替状態を
模式的に示す図。
【図4】飽和蒸気圧曲線の一例を示す図。
【図5】同実施の形態にかかる機関の始動処理を示すフ
ローチャート。
【図6】同実施の形態にかかる機関運転中の電磁弁開閉
処理を示すフローチャート。
【図7】同実施の形態にかかる機関停止時の電磁弁開閉
処理を示すフローチャート。
【図8】飽和蒸気圧曲線の一例を示す図。
【図9】同実施の形態にかかる機関運転中及び停止中の
態様を示すタイミングチャート。
【図10】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第
2の実施の形態について燃料経路の一切替状態を模式的
に示す図。
【図11】同実施の形態にかかる燃料経路の一切替状態
を模式的に示す図。
【図12】同実施の形態にかかる機関運転中及び停止中
の態様を示すタイミングチャート。
【図13】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第
3の実施の形態について機関停止時の電磁弁開閉処理の
一部を示すフローチャート。
【図14】機関停止時の電磁弁開閉処理の一部を示すフ
ローチャート。
【図15】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第
4の実施の形態について第2の電磁弁開閉処理を示すフ
ローチャート。
【図16】同実施の形態にかかる第2の電磁弁開閉処理
にて用いられる電磁弁の開閉態様を示すマップ。
【図17】調圧機構の調圧設定値と燃料ポンプの燃料吐
出量との関係を示すグラフ。
【図18】同実施の形態にかかる燃料吐出量と判定流量
との関係を示すグラフ。
【図19】同実施の形態にかかる第2の電磁弁開閉処理
による制御態様を示すタイミングチャート。
【図20】同実施の形態にかかる第2の電磁弁開閉処理
の一変更例を示すフローチャート。
【図21】同実施の形態にかかる第2の電磁弁開閉処理
の一変更例を示すフローチャート。
【図22】同実施の形態にかかる第2の電磁弁開閉処理
の一変更例を示すフローチャート。
【図23】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第
5の実施の形態について第3の電磁弁開閉処理を示すフ
ローチャート。
【図24】同実施の形態にかかる圧力差と調圧設定値と
の関係を示すグラフ。
【図25】同実施の形態にかかる第3の電磁弁開閉処理
による制御態様を示すタイミングチャート。
【図26】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第
6の実施の形態について第4の電磁弁開閉処理を示すフ
ローチャート。
【図27】同実施の形態にかかる燃料タンク圧力とデリ
バリパイプ圧力との関係を示すグラフ。
【図28】同実施の形態にかかる燃料タンク圧力と調圧
設定値との関係を示すグラフ。
【図29】同実施の形態にかかる第4の電磁弁開閉処理
による制御態様を示すタイミングチャート。
【図30】その他、変更可能な燃料経路の一例を模式的
に示す図。
【図31】その他、変更可能な燃料経路の一例を模式的
に示す図。
【図32】その他、変更可能な燃料経路の一例を模式的
に示す図。
【図33】従来のフューエルリターン式の燃料経路を模
式的に示す図。
【符号の説明】
1…内燃機関、3…燃料供給装置、4…電子制御装置
(ECU)、5…検出系、SW…イグニッションスイッ
チ、11…シリンダブロック、12…シリンダ、12a
…ウォータージャケット、13…イグニッションプラ
グ、14…吸気弁、15…排気弁、16…シリンダヘッ
ド、17…クランクシャフト、18…コネクティングロ
ッド、19…ピストン、20…燃焼室、21…エアクリ
ーナ、22…スロットルバルブ、23…吸気通路、24
…排気通路、25…触媒装置、INJ…燃料噴射弁、3
1…燃料タンク、32…燃料ポンプ、33…フィルタ、
34…燃料噴射機構、35…デリバリパイプ、36…プ
ライマリプレッシャレギュレータ、37…セカンダリプ
レッシャレギュレータ、38…電磁弁、51…タンク燃
温センサ、52…タンク燃圧センサ、53…パイプ燃温
センサ、54…パイプ燃圧センサ、R1…供給経路、R
2…還流経路、R3…補助還流経路、R4…高圧還流経
路、HP…ハイプレッシャレギュレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 364 F02D 45/00 364D 364K F02M 21/02 301 F02M 21/02 301A 301K 21/06 21/06 K L 37/00 37/00 Q 331 331D 51/00 51/00 A 55/00 55/00 B D 69/00 340 69/00 340Z (72)発明者 菰田 孝夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 佐藤 亨 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業 株式会社内 (72)発明者 内田 光宣 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 Fターム(参考) 3G084 AA05 BA13 BA14 CA01 CA07 DA02 DA19 DA25 EA07 EA11 FA00 FA07 FA11 FA13 FA36 3G092 AA01 AB02 AB07 AB09 BB01 BB08 DE05S DE09S DG09 EA08 EA17 FA13 FA24 GA01 GA10 HA01Z HA05Z HB03Z HB04Z HF19Z HF20Z 3G301 HA22 JA02 JA06 KA01 KA28 LB06 LB07 LC01 MA11 NA08 NB02 NE23 PA01Z PA07 PB01Z PB03Z PB08Z PF16Z

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンクに貯留された燃料を燃料ポンプ
    により燃料噴射機構に圧送し、この圧送された燃料の圧
    力を調圧設定値が可変である可変調圧機構により調圧し
    つつ、前記燃料噴射機構を介して内燃機関に対する燃料
    の噴射供給を行う内燃機関の燃料供給装置において、 前記内燃機関の停止直後、前記可変調圧機構による調圧
    設定値を同内燃機関の運転中における調圧設定値よりも
    高い値に設定維持する制御手段を備えることを特徴とす
    る内燃機関の燃料供給装置。
  2. 【請求項2】燃料タンクに貯留された燃料を燃料ポンプ
    により燃料噴射機構に圧送し、この圧送された燃料の圧
    力を調圧設定値が可変である可変調圧機構により調圧し
    つつ、前記燃料噴射機構を介して内燃機関に対する燃料
    の噴射供給を行う内燃機関の燃料供給装置において、 前記内燃機関の停止直後、及び始動後の所定期間、前記
    可変調圧機構による調圧設定値を同内燃機関の運転中に
    おける調圧設定値よりも高い値に設定維持する制御手段
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、少なくとも前記内燃機関
    の停止直後、前記可変調圧機構による調圧設定値をその
    最大値に設定維持する請求項1または2記載の内燃機関
    の燃料供給装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、前記内燃機関の停止後、
    前記燃料噴射機構における燃料の圧力が、前記可変調圧
    機構に対して設定した調圧設定値に達するまで、前記燃
    料ポンプの駆動を継続させる請求項1〜3のいずれかに
    記載の内燃機関の燃料供給装置。
  5. 【請求項5】前記制御手段は、前記内燃機関の停止から
    所定の期間だけ前記燃料ポンプの駆動を継続させる請求
    項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置。
  6. 【請求項6】前記制御手段は、前記内燃機関の停止直前
    の前記可変調圧機構による調圧設定値と前記内燃機関の
    停止直後に設定する前記可変調圧機構による調圧設定値
    との差に基づいて前記燃料ポンプの駆動を継続させる所
    定の期間を決定する請求項5記載の内燃機関の燃料供給
    装置。
  7. 【請求項7】前記制御手段は、前記内燃機関の停止直前
    の前記燃料噴射機構における前記燃料の温度とこの燃料
    の飽和蒸気温度との差に基づいて前記燃料ポンプの駆動
    を継続させる所定の期間を決定する請求項5または6記
    載の内燃機関の燃料供給装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関
    の燃料供給装置において、 前記燃料を前記燃料噴射機構を介して前記燃料タンクに
    還流させる主還流経路を備え、前記可変調圧機構は前記
    主還流経路に備えられることを特徴とする内燃機関の燃
    料供給装置。
  9. 【請求項9】前記可変調圧機構は、前記主還流経路に設
    けられるプライマリプレッシャレギュレータと、前記主
    還流経路の前記プライマリプレッシャレギュレータより
    上流もしくは下流に設けられる電磁弁と、前記主還流経
    路の前記電磁弁の上流と下流とを前記電磁弁を迂回する
    態様で連通し経路途中にセカンダリプレッシャレギュレ
    ータが設けられる補助還流経路とを備えて構成される請
    求項8記載の内燃機関の燃料供給装置。
  10. 【請求項10】前記可変調圧機構は、前記主還流経路に
    設けられるプライマリプレッシャレギュレータと、前記
    主還流経路の前記プライマリプレッシャレギュレータよ
    り上流もしくは下流に設けられる電磁弁と、前記主還流
    経路の前記電磁弁の上流と前記燃料タンクとを連通し経
    路途中に前記プライマリプレッシャレギュレータによる
    調圧設定値よりも高い値を有するハイプレッシャレギュ
    レータが設けられる補助還流経路とを備えて構成される
    請求項8記載の内燃機関の燃料供給装置。
  11. 【請求項11】前記可変調圧機構は、前記主還流経路に
    設けられるプライマリプレッシャレギュレータと、前記
    主還流経路の前記プライマリプレッシャレギュレータよ
    り上流もしくは下流に設けられる電磁弁と、前記主還流
    経路の前記プライマリプレッシャレギュレータ及び前記
    電磁弁から構成される直列部の上流と下流とを連通し経
    路途中に前記プライマリプレッシャレギュレータによる
    調圧設定値よりも高い値を有するハイプレッシャレギュ
    レータが設けられる補助還流経路とを備えて構成される
    請求項8記載の内燃機関の燃料供給装置。
  12. 【請求項12】前記可変調圧機構は、前記主還流経路に
    設けられる少なくとも2段階の調圧設定値を有する可変
    プレッシャレギュレータである請求項8記載の内燃機関
    の燃料供給装置。
  13. 【請求項13】請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機
    関の燃料供給装置において、 前記燃料を前記燃料噴射機構の上流から前記燃料タンク
    に還流させる主迂回経路を備え、前記可変調圧機構は前
    記主迂回経路に備えられることを特徴とする内燃機関の
    燃料供給装置。
  14. 【請求項14】前記可変調圧機構は、前記主迂回経路に
    設けられるプライマリプレッシャレギュレータと、前記
    主迂回経路の前記プライマリプレッシャレギュレータよ
    り上流もしくは下流に設けられる電磁弁と、前記主迂回
    経路の前記電磁弁の上流と下流とを前記電磁弁を迂回す
    る態様で連通し経路途中にセカンダリプレッシャレギュ
    レータが設けられる補助迂回経路とを備えて構成される
    請求項13記載の内燃機関の燃料供給装置。
  15. 【請求項15】前記可変調圧機構は、前記主迂回経路に
    設けられるプライマリプレッシャレギュレータと、前記
    主迂回経路の前記プライマリプレッシャレギュレータよ
    り上流もしくは下流に設けられる電磁弁と、前記主迂回
    経路の前記電磁弁の上流と前記燃料タンクとを連通し経
    路途中に前記プライマリプレッシャレギュレータによる
    調圧設定値よりも高い値を有するハイプレッシャレギュ
    レータが設けられる補助迂回経路とを備えて構成される
    請求項13記載の内燃機関の燃料供給装置。
  16. 【請求項16】前記可変調圧機構は、前記主迂回経路に
    設けられるプライマリプレッシャレギュレータと、前記
    主迂回経路の前記プライマリプレッシャレギュレータよ
    り上流もしくは下流に設けられる電磁弁と、前記主迂回
    経路の前記プライマリプレッシャレギュレータ及び前記
    電磁弁から構成される直列部の上流と下流とを連通し経
    路途中に前記プライマリプレッシャレギュレータによる
    調圧設定値よりも高い値を有するハイプレッシャレギュ
    レータが設けられる補助迂回経路とを備えて構成される
    請求項13記載の内燃機関の燃料供給装置。
  17. 【請求項17】前記可変調圧機構は、前記主迂回経路に
    設けられる少なくとも2段階の調圧設定値を有する可変
    プレッシャレギュレータである請求項13記載の内燃機
    関の燃料供給装置。
  18. 【請求項18】前記制御手段は、前記内燃機関の運転
    中、前記燃料噴射機構における前記燃料の飽和蒸気圧力
    に応じて、同飽和蒸気圧力以上で且つ、同飽和蒸気圧力
    に最も近い調圧設定値となるように、前記可変調圧機構
    による調圧設定値を設定する請求項1〜17のいずれか
    に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  19. 【請求項19】請求項1〜18のいずれかに記載の内燃
    機関の燃料供給装置において、 前記内燃機関の運転に要求される燃料量が前記燃料ポン
    プの燃料吐出量以上となるとき、前記可変調圧機構の調
    圧設定値をより低い調圧設定値に変更する調圧設定値低
    減手段をさらに備えることを特徴とする内燃機関の燃料
    供給装置。
  20. 【請求項20】請求項1〜18のいずれかに記載の内燃
    機関の燃料供給装置において、 前記内燃機関の運転に要求される燃料量が前記燃料ポン
    プの燃料吐出量以上となるとき、前記可変調圧機構の調
    圧設定値をより低い調圧設定値に変更し、前記内燃機関
    の運転に要求される燃料量が前記燃料ポンプの燃料吐出
    量よりも小さく設定される所定の燃料吐出量未満となる
    とき、前記可変調圧機構の調圧設定値をより低い調圧設
    定値に変更する処理を停止する調圧設定値低減手段をさ
    らに備えることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  21. 【請求項21】請求項1〜18のいずれかに記載の内燃
    機関の燃料供給装置において、 前記内燃機関の運転に要求される燃料量が前記燃料ポン
    プの燃料吐出量よりも小さく設定される所定の燃料吐出
    量以上となるとき、前記可変調圧機構の調圧設定値をよ
    り低い調圧設定値に変更する調圧設定値低減手段をさら
    に備えることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  22. 【請求項22】請求項1〜18のいずれかに記載の内燃
    機関の燃料供給装置において、 前記内燃機関の運転に要求される燃料量が前記燃料ポン
    プの燃料吐出量よりも小さく設定される所定の燃料吐出
    量以上となるとき、前記可変調圧機構の調圧設定値をよ
    り低い調圧設定値に変更し、前記内燃機関の運転に要求
    される燃料量が前記所定の燃料吐出量よりも小さく設定
    される燃料吐出量未満となるとき、前記可変調圧機構の
    調圧設定値をより低い調圧設定値に変更する処理を停止
    する調圧設定値低減手段をさらに備えることを特徴とす
    る内燃機関の燃料供給装置。
  23. 【請求項23】前記内燃機関が液化ガス燃料を燃料とす
    る液化ガス内燃機関である請求項1〜22のいずれかに
    記載の内燃機関の燃料供給装置。
  24. 【請求項24】請求項23記載の内燃機関の燃料供給装
    置において、 前記燃料噴射機構内の燃料の圧力と前記内燃機関の吸気
    通路の圧力とを監視し、それら圧力差が所定の圧力差未
    満となるとき、前記可変調圧機構の調圧設定値をより高
    い調圧設定値に変更する調圧設定値増大手段をさらに備
    えることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  25. 【請求項25】前記調圧設定値増大手段は、前記燃料噴
    射機構内の燃料の圧力が所定の圧力未満となることに基
    づいて、前記圧力差が所定の圧力差未満である旨判定す
    る請求項24記載の内燃機関の燃料供給装置。
  26. 【請求項26】前記調圧設定値増大手段は、前記燃料タ
    ンク内の燃料の圧力が所定の圧力未満となることに基づ
    いて、前記圧力差が所定の圧力差未満である旨判定する
    請求項24記載の内燃機関の燃料供給装置。
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