JP2004036427A - ファンの構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成でオイルミストの粒子を分離できる。少ない動力で大きな風量が確保できる。
【解決手段】モータ軸1に固定する円板部2の前方に中央部が気流が流入する開口部3となったリング状板部4を対向配置する。リング状板部4と円板部2との間に羽根部5を放射状に複数枚架設する。羽根部5を、前面視において外端程回転方向と反対側にずれるように傾斜した第1の羽根片5aと、第1の羽根片5aに沿って流れる気流の向きを遠心力方向に変えるための第1の羽根片5aの外端縁部から外方向に突出した第2の羽根片5bと、第2の羽根片5bにより遠心力方向に向きを変えられた気流がほぼ垂直に衝突するための第2の羽根片5bから回転方向に向けて突出した第3の羽根片5cとで構成する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心ファンに軸流を生じさせるための機能を設けたファンの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、遠心ファンに軸流を生じさせるための機能を設けたファンによりオイルミストを除去するためのファン装置を特公平7−107397号公報、特公平7−18432号公報等により提案している。
【0003】
この特公平7−107397号公報、特公平7−18432号公報等により提案しているファン6は、図12、図13に示すようなものであり、モータ軸1を固定する円板部2の前方に中央部が開口部3となったリング状板部4を対向配置し、リング状板部4と円板部2との間に羽根部5を放射状に複数枚架設して構成してある。羽根部5は前面視でく字状に屈曲しており、羽根部5の屈曲部5Aよりも外側部分5Bを円板部2よりも外方に突出させると共に該羽根部5の屈曲部5Aよりも外側部分5Bを屈曲部5Aよりも内側部分5Cに対して捩って回転方向に対して屈曲部5Aよりも外側部分5Bの前端部と後端部とがずれるように傾斜させる構成となっており、このファン6をオイルミスト除去装置内に内装してファン6によりオイルミストの除去を行うようにしている。
【0004】
すなわち、上記オイルミスト除去のためのファン6は、遠心ファンの外周に軸流ファンを組み合わせたようなものであり、ファン6を回転するとリング状板部4の中央の開口部3(これが排気の流入口となっている)からオイルミストを含んだ排気が吸入され、羽根部5の内側部分5C間を流れ、ファン6の遠心力により外側部分5Bに衝突して排気よりも重いオイルミストを分離し、分離されたオイルミストは外側部分5Bに沿って外側部分5Bの端部に移動し、外側部分5Bの端部からファン6の遠心力によりファン6の外周方向に飛ばされるようになっている。
【0005】
ところが、従来にあっては、羽根部5は前面視でく字状に屈曲してあり、ファン6の遠心力により外側部分5Bに衝突する場合、図14に示すように遠心力方向と外側部分5Bとのなす角度αがほぼ90°とならず、したがって、遠心力で衝突した場合におけるオイルミストの分離効率に限界があった。そこで、遠心力方向と外側部分5Bとのなす角度αがほぼ90°に近づけるように図14に示す角度βを小さくすることが考えられるが、角度βを小さくすればするほど風量が小さくなってしまうという問題があり、必要な風量を得ようとするとファンの動力を大にする必要があり、省エネルギーの点で問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でオイルミストの粒子を分離できると共に少ない動力で大きな風量が確保できて省エネルギーが図れるファンの構造を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るファンの構造は、モータ軸1に固定する円板部2の前方に中央部が気流が流入する開口部3となったリング状板部4を対向配置し、リング状板部4と円板部2との間に羽根部5を放射状に複数枚架設して羽根部5間を上記リング状板部4の開口部3から流入した気流が流れる通気路とし、該羽根部5を、前面視において外端程回転方向と反対側にずれるように傾斜した第1の羽根片5aと、第1の羽根片5aに沿って流れる気流の向きを遠心力方向に変えるための第1の羽根片5aの外端縁部から外方向に突出した第2の羽根片5bと、第2の羽根片5bにより遠心力方向に向きを変えられた気流がほぼ垂直に衝突するための第2の羽根片5bから回転方向に向けて突出した第3の羽根片5cとで構成して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、第1の羽根片5aに沿って流れる気流の向きを第2の羽根片5bによりファン6の遠心力方向に変え、遠心力方向に変えられた気流を第3の羽根片5cにほぼ垂直に衝突させることで、遠心力で衝突した気流に含まれるオイルミストが垂直に衝突して気流から最も効果的に分離されることになる。また、第2の羽根片5bに衝突して遠心力方向に気流の向きを変える際にも気流中に含まれるオイルミストが分離され、この点でも分離効果が向上する。更に、第1の羽根片5aに沿って流れる気流の向きを遠心力方向に変えるための第2の羽根片5bを設けることで、ファン6を回転してほぼ遠心方向を向いた第2の羽根片5bにより風を起こすことができて少ない動力で大きな風量を確保することができるものである。
【0008】
また、第2の羽根片5bを円板部2の外周端、リング状板部4の外周端から外方に突出させ、第2の羽根片5bの突出先端縁の円板部2側の端部又はリング状板部4側の端部のいずれかの描く回転軌跡の半径が他方よりも大きくなるように突出先端縁を傾斜させることが好ましい。このような構成とすることで、リング状板部4に設けた開口から流入する気流を上記のようにしてオイルミストを分離しながら羽根部5間の通気路を介して円板部2の後方側又はリング状板部4の前方側のいずれかに流すことができるものである。
【0009】
また、第2の羽根片5bの突出先端縁を弧状とし、この弧状をした第2の羽根片5bの突出先端縁を円板部2側の端部又はリング状板部4側の端部のいずれかの描く回転軌跡が他方よりも大きくなるように弧状に傾斜させ、第3の羽根片5cを上記第2の羽根片5bの突出先端縁とほぼ平行となるように弧状面に形成してあることが好ましい。このような構成とすることで、第2の羽根片5bに遠心力方向に略垂直に衝突した気流を軸流方向にスムーズ且つ急激に変化させることができて第3の羽根片5cへの遠心力による衝突によるバッフル効果を最大に発揮することができて、効果的にオイルミストの分離ができるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1乃至図7には本発明のファン6の一実施形態が示してある。本発明におけるファン6はモータ軸1に固定する円板部2の前方に中央部が気流が流入する開口部3となったリング状板部4を対向配置し、リング状板部4と円板部2との間に羽根部5を放射状に複数枚架設して構成してある。ファン6の羽根部5と羽根部5との間はリング状板部4の開口部3から流入した気流が流れる通気路となっている。羽根部5は図7に示すように、第1の羽根片5aと、第1の羽根片5aの外端縁から突出した第2の羽根片5bと、第2の羽根片5bの突出先端縁から突出した第3の羽根片5cとで構成してある。
【0012】
第1の羽根片5aは前面視において外端程回転方向(図1、図2、図3において矢印方向がファン6の回転方向)と反対側にずれるように傾斜しており、更に前面視において回転方向の面が凸となるように弧状となっている。第1の羽根片5aの前後方向(モータ軸1の軸方向と同方向)の両外端はそれぞれ円板部2の外周端、リング状板部4の外周端とほぼ一致している。
【0013】
第2の羽根片5bは上記の第1の羽根片5aに沿って流れる気流の向きを遠心力方向に変えるためものであり、第1の羽根片5aの外端縁部から外方向に突出しており、その突出方向は気流の向きを遠心力方向に変えることができるようにファン6の遠心力方向(つまり前面視においてモータ軸1を通る任意の放射方向)とほぼ等しくなっている。このように第2の羽根片5bは円板部2の外周端、リング状板部4の外周端から外方に突出させるのであるが、この第2の羽根片5bの突出先端縁の円板部2側の端部又はリング状板部4側の端部のいずれかの描く回転軌跡の半径が他方よりも大きくなるように突出先端縁を前後方向に傾斜させてある(つまりモータ軸1に対して傾斜させてある)。また、この前後方向に傾斜した第2の羽根片5bの突出先端縁は図7に示すように前後方向において直線ではなく弧状となった弧状縁50となっている。
【0014】
第3の羽根片5cは第2の羽根片5bにより遠心力方向に向きを変えられた気流がほぼ垂直に衝突するように第2の羽根片5bから回転方向に向けて突出したもので、図4に示すようにモータ軸1と垂直に切断した断面形状がファン6の遠心力方向とほぼ垂直となっている。また、第3の羽根片5cは図7に示すように前後方向において上記第2の羽根片5bの弧状となった弧状縁50とほぼ平行となるように弧状面に形成してある。
【0015】
添付図面に示す実施形態では、第2の羽根片5bの突出先端縁の円板部2側の端部の描く回転軌跡の半径がリング状板部4側の端部の描く回転軌跡の半径よりも大きくなるように突出先端縁を前後方向に傾斜させてあり、このため、第3の羽根片5cは正面視で円板部2側に行くほど外側となるようになっており、第3の羽根片5cの後端縁(円板部2側の端縁部)と、隣りあう第2の羽根片5bの後端縁(円板部2側の端縁部)とに囲まれた部分が気流の出口40となっていて、ファン6の外周部の後端から後方に気流が流れるようにできるものである。
【0016】
もちろん、本発明において、第2の羽根片5bの突出先端縁のリング状板部4側の端部の描く回転軌跡の半径が円板部2側の端部の描く回転軌跡の半径よりも大きくなるように突出先端縁を前後方向に傾斜させてもよく、この場合にはファン6の外周部から前方に気流が流れ出るようにできるものである。
【0017】
上記のような構成のファン6は例えば、図8乃至図11に示すようなオイルミスト除去装置7に内装して使用することができる。図8乃至図11に示すオイルミスト除去装置7は、箱体8内には前部に前室9、中央部にファン収納室10、後部にフィルタ収納室11とモータ収納室12とが設けてある。モータ収納室12は箱体8の後部中央に設けてあってモータ13が収納して取付けてある。モータ収納室12は周壁12aと前壁12bとで有底筒状に形成してあり、このモータ収納室12の周壁12aにより箱体8の後部の内部を仕切り、箱体8内の後部の周壁12aの外側の空間がフィルタ収納室11となっている。
【0018】
フィルタ収納室11の前後方向の両側壁(実施例では後述の仕切り板14と箱体8の後面板)には環状をした図8、図9に示すように、内側受け片21が突設してあり、内側受け片21は上記モータ収納室12の周壁12aの外方に周壁12aを隙間を介して囲むように設けてある。フィルタ収納室11の前後方向の両側壁には更に上記環状をした内側受け片21の外側に略半円状の外側受け片22が突設してあり、この外側受け片22の上部両端部から上方に一対のガイドレール23が連出してある。箱体8のフィルタ収納室11の上面部に相当する部位には開口部24が設けてあり、実施形態においては開口部24に多数の孔よりなる排気口25を有する排気口蓋26が着脱ねじ27により着脱自在に取付けてある。上記前側の一対のガイドレール23、後側の一対のガイドレール23の上端部はぞれぞれ開口部24の前の巾方向の両端部、後の巾方向の両端部付近に位置している。
【0019】
環状をした内側受け片21にはフィルタ28が巻装してある。このフィルタ28は面状をしたものを環状をした内側受け片21に沿って円筒状に曲げて両端部を接合手段により接合したものである。
【0020】
上記フィルタ28の取付けに当たっては、上記排気口蓋26を外して開口部24を開とし、図10に示すように開口部4から面状をしたフィルタ28の下端部の前後端をそれぞれ前後に対向するガイドレール23に沿わせて図10の矢印方向に差し込んで内側受け片21の外面に当てて更に挿入することで内側受け片21と外側受け片22との間の嵌め込み溝29に挿入し、この状態で更に面状をしたフィルタ28を押し込むことで、面状のフィルタ28が内側受け片21と外側受け片22との間の嵌め込み溝29に沿って湾曲されながら挿入先端が外側受け片22の両上端部間の位置(内側受け片21の上端部)まで到るので、この位置でフィルタ28の両端部を重ね又は突き合わせて止め具、接着テープなどの任意の接合手段により接合して筒状とするものである。このフィルタ28を取り外して掃除したり交換する場合には、上記接合手段による接合を解除してフィルタ28の一端部を手に持って引き上げることで開口部24から簡単に取り外すことができるものである。したがって、取付け状態で筒状となるフィルタ28の着脱に当たっては排気口蓋26の着脱のみで簡単に行えるものである。
【0021】
箱体8の中央部には図8に示すように仕切り板14が設けてあり、この仕切り板14の中央部には中央孔部15が設けてあり、中央孔部15の周縁部に前室9内に突出するファンカバー16の後端外周部が固着してあって、ファンカバー16と、前述のモータ収納室12の前壁12bとに囲まれた部分がファン収納室10となっている。仕切り板14の中央孔部15とモータ収納室12の前壁12bの外周端部との間は隙間となっていて該隙間が出口部17を構成している。また、ファンカバー16の前面部中央には入口部18が設けてある。ファン収納室10内にはファン6が収納してあり、該ファン6はファン収納室10内に突出したモータ13のモータ軸1に取付けてある。
【0022】
前室9内においてファンカバー16の前面と箱体8の前面との間に筒状をした前フィルタ19が取付けてあり、筒状をした前フィルタ19の後端開口と入口部18とが連通している。箱体8の前部の側面には吸入口20が設けてあり、この吸入口20は図8、図11に示すように筒状をした前フィルタ19の軸方向と直交する方向に開口しており、しかも、前フィルタ19の中心軸線よりも吸入口20の吸入方向の軸線が下となるように位置している。また、吸入口20から吸入する気流を前室9内に斜め下方にガイドするためのガイド30が吸入口20の前室9への出口部分に設けてある。
【0023】
仕切り板14の下端には油が流れるための小孔31が設けてあり、箱体8の下面には油出口32が設けてあり、この油出口32にはオイルパンが直接又はホースを介して接続される。
【0024】
しかして、上記のような構成のオイルミスト除去装置7により例えば旋盤や研削盤等のオイルミスト発生源から発生するオイルミストを除去するのであるが、本発明のファン6を用いたオイルミストの除去は以下のようにして行われる。
【0025】
すなわち、モータ13を回転してファン6を回転すると、オイルミストを含んだ排気がフード(図示せず)、ダクト(図示せず)を経て吸入口20から前室9に流入するのであるが、この場合、図11のように吸入口20が筒状をした前フィルタ19の軸方向と直交する方向に開口し、且つ、前フィルタ19の中心軸線よりも吸入口20の吸入方向の軸線が下となるように位置し、更に、吸入口20から吸入する気流を前室9内に斜め下方にガイドするためのガイド30が吸入口20の前室9への出口部分に設けてあるので、排気はガイド30にガイドされて図11の矢印イで示す旋回流となって筒状の前フィルタ19の外周を旋回しながら筒状の前フィルタ19外周に対して直角方向から前フィルタ19内に吸引され、一方、排気中に含まれる工作機械から発生する切削屑、切粉、砥粒、粒径の大きなオイルミスト等がガイド30に衝突して排気から分離され、重力により矢印ロで示すように下方に落下する。この時、旋回流にのって筒状をした前フィルタ19の下方位置まで移動するが、この場合における切削屑、切粉、砥粒、粒径の大きなオイルミスト等の重力による下方への落下方向ロが、該切削屑、切粉、砥粒、粒径の大きなオイルミスト等が前フィルタ19へ吸引される方向(矢印ハ)とはほぼ180°正反対方向となるため、気流中より前フィルタ19への吸引力の影響力を受けることなく下方に重力で落下して前室9の底面に溜まることになる。これにより前フィルタ19に到る以前で効果的に切削屑、切粉、砥粒、粒径の大きなオイルミスト等を分離して捕捉することができて、分離回収効率が向上し、切粉や砥石粉によって不織布よりなる前フィルタ19が目詰まりすることがなく、したがって、不織布よりなる前フィルタ19の掃除、交換等までの期間を長くできるものである。
【0026】
更に、上記のように重力による落下で分離がなされた後に、この重力による落下で分離できなかった切削屑、切粉、砥粒、オイルミスト等が前フィルタ19を排気が通過する際に捕捉される。
【0027】
前フィルタ19内に吸引された排気にはかなりのオイルミストが分離されずに含まれているが、このオイルミストを含んだ排気はファン収納室10の入口部18からファン収納室10内に入り、ファン6のリング状板部4の中央の開口部3からファン6内部に流入する。
【0028】
開口部3から流れ込んだ排気はファン6の羽根部5間に形成される通気路に流れ込む。ここで、通気路を通過する際、ファン6の回転により第1の羽根片5aの回転方向側の面が負圧になり、この負圧となった面に通気路を流れる排気中のオイルミストの粒子が引きつけられて分離する。この場合、第1の羽根片5aは前面視において外端程回転方向と反対側にずれるように傾斜しているので、第1の羽根片5aがファン6の遠心力が作用する方向(つまり円板部2の半径方向)となったものに比べて第1の羽根片5aの内端から外端までの長さを長くできて上記オイルミストの粒子の捕捉距離を長く取ることができるものである。
【0029】
図4の矢印ニのように第1の羽根片5aに沿って流れる排気は第2の羽根片5bに衝突して矢印ホのようにファン6の遠心力方向に向きを変えられる。ここで、排気が第2の羽根片5bに衝突して遠心力方向に向きを変えられる際に、バッフル効果により排気中のオイルミストの粒子が分離される。更に、遠心力方向に変えられた排気の気流はファン6の遠心力により効果的に第3の羽根片5cにほぼ垂直に衝突する。このようにして排気の気流の向きを遠心力方向に変えると、排気に比べ重いオイルミストの粒子がファン6の遠心力により第3の羽根片5cにほぼ垂直に衝突するので、ファン6の遠心力を最も効果的に利用して排気中に含まれるオイルミストの粒子が気流から最も効果的に分離されることになる。
【0030】
このように第1の羽根片5aにより第1段階におけるオイルミストの粒子の分離捕捉を行い、第2の羽根片5bにより第2段階におけるオイルミストの粒子の分離捕捉を行い、第3の羽根片5cにより第3段階におけるオイルミストの粒子の分離捕捉を行って、効果的に排気中のオイルミストの分離捕捉を行うことができるものである。
【0031】
ここで、第1の羽根片5aで分離されたオイルミストは第1の羽根片5aに沿って気流により第2の羽根片5b側に移動され、更に、第2の羽根片5bで分離されたオイルミストは上記第1の羽根片5aで分離されたオイルミストと共に第2の羽根片5bに沿って気流により第3の羽根片5cに移動され、更に、第3の羽根片5cで分離されたオイルミストは上記第1、第2の羽根片5a、5bで分離されたオイルミストと共に第3の羽根片5cに沿って気流により第3の羽根片5cの後端縁(円板部2側の端縁)に移動される。第3の羽根片5cの後端縁からオイルミストの凝集物がファン6の遠心力によりファン6の外周方向に飛ばされてファンカバー16の内面に当たり、ファンカバー16の内面に沿って流れて、ファンカバー16の下端に設けた排出孔16aから前室9に流下し、油出口32から排出されるようになっている。
【0032】
第2の羽根片5bで遠心力方向に向きを変えられた排気の気流は第3の羽根片5cにほぼ垂直に衝突した後、図4の矢印ヘのように第3の羽根片5cに沿って軸流となってファン6の出口40から後方に排出される。
【0033】
第1の羽根片5aに沿って流れる気流の向きを遠心力方向に変えるための第2の羽根片5bを設けているので、第1の羽根片5aを前面視において外端程回転方向と反対側にずれるように傾斜してオイルミストの粒子の捕捉距離を長く取るようにしたにもかかわらず、ファン6を回転してほぼ遠心方向を向いた第2の羽根片5bを設けることで、このほぼ遠心方向を向いた第2の羽根片5bにより風を起こすことができて少ない動力で大きな風量を確保することができて、省エネルギー化が図れるものである。
【0034】
また、既に述べたように、第2の羽根片5bの突出先端縁を弧状とし、第3の羽根片5cを上記第2の羽根片5bの突出先端縁とほぼ平行となるように弧状面に形成してあるので、第2の羽根片5bに遠心力方向に略垂直に衝突した気流を軸流方向にスムーズ且つ急激に変化させることができて第3の羽根片5cへの遠心力による衝突によるバッフル効果を最大に発揮することができて、効果的にオイルミストの分離ができるものである。
【0035】
ファン6の出口40から後方に排出される排気はファン収納室10の出口部17からフィルタ収納室11内に設けた筒状のフィルタ19の端部開口から筒状のフィルタ19内に入り、筒状のフィルタ19の内部から図9の矢印トのようにフィルタ19を通過して筒状のフィルタ19の外部に流れ、この間フィルタ19により排気中に残ったオイルミストの凝集物を捕捉し、フィルタ19を通過した排気はフィルタ収納室11の上面部に存在する排気口24から外部に排出される。
【0036】
ここで、排気が筒状のフィルタ28の内周から外に通過してフィルタ収納室11の上面部の排気口25に向けて流れる際、円筒状のフィルタ28を通過する排気の大部分はフィルタ収納室11の上面部の排気口25に近い円筒状のフィルタ28の上部及び両側部を主として通過して流れ、この部分を流れる風量が多く、排気口25から最も遠い円筒状のフィルタ28の下端部を流れる排気の風量が最も少ないものである。しかして、円筒状のフィルタ28の上部、両側部を排気の大部分が通過する際にフィルタ28の上部、両側部で捕捉された排気中のオイルミストの粒子は重力により筒状のフィルタ28を伝って筒状のフィルタ28の下端部に集まってオイルミストの凝集物60となり、このオイルミストの凝集物60が筒状のフィルタ28の下端部から図9の矢印チのように重力により下方に落下してフィルタ収納室11の下面部に滴下して収集されることになる。この場合、上記したように筒状のフィルタ28下端部を通過して流れる排気の風量が少ないため、筒状のフィルタ28の下端部に溜まって重力により落下するオイルミストの凝集物60が飛散することなく滴となって重力により落下してそのまま捕捉面であるフィルタ収納室11の下面部に流下して下面部に捕集されるものであり、この結果、オイルミストの凝集物60が気流により再飛散して気流に乗って排気口25側に流れることなく、重力で落下して確実にフィルタ収納室11の下面部に捕集されるのである。
【0037】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、リング状板部と円板部との間に羽根部を放射状に複数枚架設し、該羽根部を、前面視において外端程回転方向と反対側にずれるように傾斜した第1の羽根片と、第1の羽根片に沿って流れる気流の向きを遠心力方向に変えるための第1の羽根片の外端縁部から外方向に突出した第2の羽根片と、第2の羽根片により遠心力方向に向きを変えられた気流がほぼ垂直に衝突するための第2の羽根片から回転方向に向けて突出した第3の羽根片とで構成してあるので、第1の羽根片に沿って流れる気流の向きを第2の羽根片によりファンの遠心力方向に変え、遠心力方向に変えられた気流を第3の羽根片にほぼ垂直に衝突させて、オイルミストを気流から最も効果的に分離することができるものであり、また、第2の羽根片に衝突して遠心力方向に気流の向きを変える際にも気流中に含まれるオイルミストを分離でき、この点でも分離効果が向上し、更に、第1の羽根片に沿って流れる気流の向きを遠心力方向に変えるための第2の羽根片を設けてあるので、ファンを回転してほぼ遠心方向を向いた第2の羽根片により風を起こすことができて少ない動力で大きな風量を確保することができて省エネルギー化が図れるものである。
【0038】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、第2の羽根片を円板部の外周端、リング状板部の外周端から外方に突出させ、第2の羽根片の突出先端縁の円板部側の端部又はリング状板部側の端部のいずれかの描く回転軌跡の半径が他方よりも大きくなるように突出先端縁を傾斜させてあるので、リング状板部に設けた開口から流入する気流を上記のようにしてオイルミストを分離しながら羽根部間の通気路を介して円板部の後方側又はリング状板部の前方側のいずれかに流すことができ、簡単な構成で遠心方向から軸流方向に向きを変えてオイルミストを分離しながら気流を流すことができるものである。
【0039】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項2記載の発明の効果に加えて、第2の羽根片の突出先端縁を弧状とし、この弧状をした第2の羽根片の突出先端縁を円板部側の端部又はリング状板部側の端部のいずれかの描く回転軌跡が他方よりも大きくなるように弧状に傾斜させ、第3の羽根片を上記第2の羽根片の突出先端縁とほぼ平行となるように弧状面に形成してあるので、第2の羽根片に遠心力方向に略垂直に衝突した気流を軸流方向にスムーズ且つ急激に変化させることができて第3の羽根片への遠心力による衝突によるバッフル効果を最大に発揮することができて、効果的にオイルミストの分離ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファンの斜視図である。
【図2】同上の正面図である。
【図3】同上の背面図である。
【図4】同上の気体の流れを説明するための正面側から見た説明図である。
【図5】同上の気体の流れを説明するための側面から見た説明図である。
【図6】同上のファンの要部斜視図である。
【図7】同上の羽根部の斜視図である。
【図8】本発明のファンを用いたオイルミスト除去装置の側面断面図である。
【図9】同上のフィルタ収納室の断面図である。
【図10】同上のフィルタ収納室内にフィルタを内装している状態を示す説明図である。
【図11】同上の前室の断面図である。
【図12】従来例のファンの斜視図である。
【図13】従来例のファンの気体の流れを示す説明図である。
【図14】従来例のファンの側断面図である。
【符号の説明】
1 モータ軸
2 円板部
3 開口部
4 リング状板部
5 羽根部
5a 第1の羽根片
5b 第2の羽根片
5c 第3の羽根片
6 ファン

Claims (3)

  1. モータ軸に固定する円板部の前方に中央部が気流が流入する開口部となったリング状板部を対向配置し、リング状板部と円板部との間に羽根部を放射状に複数枚架設して羽根部間を上記リング状板部の開口部から流入した気流が流れる通気路とし、該羽根部を、前面視において外端程回転方向と反対側にずれるように傾斜した第1の羽根片と、第1の羽根片に沿って流れる気流の向きを遠心力方向に変えるための第1の羽根片の外端縁部から外方向に突出した第2の羽根片と、第2の羽根片により遠心力方向に向きを変えられた気流がほぼ垂直に衝突するための第2の羽根片から回転方向に向けて突出した第3の羽根片とで構成して成ることを特徴とするファンの構造。
  2. 第2の羽根片を円板部の外周端、リング状板部の外周端から外方に突出させ、第2の羽根片の突出先端縁の円板部側の端部又はリング状板部側の端部のいずれかの描く回転軌跡の半径が他方よりも大きくなるように突出先端縁を傾斜させて成ることを特徴とする請求項1記載のファンの構造。
  3. 第2の羽根片の突出先端縁を弧状とし、この弧状をした第2の羽根片の突出先端縁を円板部側の端部又はリング状板部側の端部のいずれかの描く回転軌跡が他方よりも大きくなるように弧状に傾斜させ、第3の羽根片を上記第2の羽根片の突出先端縁とほぼ平行となるように弧状面に形成して成ることを特徴とする請求項2記載のファンの構造。
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CN104100566A (zh) * 2013-04-10 2014-10-15 台达电子工业股份有限公司 离心式风扇及其扇叶

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