JP2004036367A - 水抜きボーリングの排水量アップ - Google Patents
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Abstract
【課題】地すべり防止用水抜きボーリングの強制排水による地下水位低下方法
【解決手段】地すべり地等の地下水を、水抜きパイプ(9)から排水される地下水(14)の、流動エネルギーを利用して、螺旋パイプ(17)で強制排水し地下水位(32)を低下し、斜面の安定を図る方法。
【選択図】 図4
【解決手段】地すべり地等の地下水を、水抜きパイプ(9)から排水される地下水(14)の、流動エネルギーを利用して、螺旋パイプ(17)で強制排水し地下水位(32)を低下し、斜面の安定を図る方法。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地すべり等の防止方法の一つである、水抜きボーリングの排水量のアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
水抜きボーリングは、地すべり等の防止方法として、地すべりの規模を問わず、多くの場所で採用され、本工法の対策箇所も多くある。しかし、水抜きボーリングには、まだ解決されていない課題が残されている。それは、水抜きボーリングを実施しても、地下水があまり排出されず、地下水位が低下しないことである。つまり、水抜きボーリング本来の目的が達せられていない。それは、地すべりの安全性の面から非常に由々しき問題である。これまで、斜面の安全率を確保するために、水抜きボーリングを含めた、地すべり防止工事を追加し補っていた。その結果工事費を膨大にすることになり、非常に不経済なことである。
【0003】
原因は、地山の透水性にも関係するが、従来の水抜きボーリングは、一般的に上向き+5°の傾斜で布設されているので、その落差の自然排水のみに頼っているところにある。と言って、ポンプ等で人工的に吸引することは非常に不経済である。最近その解決手段として、自然エネルギーを利用して、水抜きパイプ内を強制的に吸引排水する、特願平11−246026水洗式サイフォンと転倒式サイフォン、特願2000−107303エゼクター方式とが開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の強制排水方法は以下の課題があった。水洗式サイフォンは、水抜きボーリングから大量の排水が必要であり、転倒式サイフォンは、排水の少ない時に効率的である。エゼクター方式は、地表の高い位置に大量の呼び水が必要である。従って、各強制排水装置はその特性は一長一短あり、すべての排水条件を満足することができない。なお、水洗式サイフォン方式は全ての条件に使用できるかのように思えるが、排水量が少ないとサイフォン機能が働かなかったり、水が溜まるのに時間を要するので、土壌微生物が空気中の酸素と長時間接触した結果繁殖して、パイプが詰まることがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、最低数量の水抜きボーリングの施工で、地すべりの安全水位を満足できる、経済的な排水技術を提供するものである。
【0007】
本発明において、地下水を抜水する装置の考案に際し色々考えた。そして、上記課題を満足すべき必要条件を以下に定め検討した。水抜きパイプを介して強制排水する。吸引装置の動力源は、水抜きボーリングから排出される地下水を利用する。装置は排水量が少量〜大量の広い条件で使用でき、安定した負圧状態を保てることとした。
【0008】
ただし、本装置をうまく作動させるための課題が、一つでてきた。ボーリング孔と水抜きパイプとには隙間がある。また、地表付近の地山はゆるんでいて亀裂や空隙があり、パイプ内に負圧が造られても、地表の空気を吸引する可能性があり、事実上負圧にならない。そこで、水抜きパイプの周囲に長大な空気の流入防止措置を講ずる必要がある。
【0009】
地すべり地等の地下水を、水抜きパイプ(9)から排水される地下水(14)の、流動エネルギーを利用して、螺旋パイプ(17)で強制排水し地下水位(32)を低下し、斜面の安定を図るものである。まず、強制排水方法として次の装置を考えてみた、パイプまたはホース(18)を螺旋形状にし、両端に止水用ボールベアリング(21)を取付け、螺旋パイプ格納ケース(17)に挿入セットして、水が流れる程度に曲げたエルボ1(16)を介して水抜きパイプ(9)の吐出し口へ差込つなぐ。次に、ボーリング孔(8)の口元や地山(5)の空隙から、地表(1)の空気を吸込まないように、膨張性薬液(29)注入してボーリング孔(8)と水抜きパイプ(9)の空隙に導水用樋(27)を造った。
【作用】
【0010】
水抜きパイプ(9)の水(14)が自然落差で螺旋パイプ(18)内を、捩れながら流れると、水(14)は遠心力を得て螺旋パイプは、両側の止水用ボールベアリング(21)を軸に回転をする。つまり、螺旋パイプ(18)は水車でありポンプでもあるので、水抜きパイプ(9)内は負圧になる。そして、導水用樋の形成で負圧は守られた。
【発明の実施の形態】
【0011】
本発明は、前記した課題を解決したものであって、次のとおりである。まず、水抜きパイプ(9)内を負圧にして強制排水する装置並びに方法は、一つは、図に示すように、パイプまたはホースを数回以上螺旋状に軸パイプ(19)に巻き付け、軸パイプ(19)の中に止水用(22)の栓をして、その両端側にほぼ近い横に出したパイプ差込口(20)へ差し込む。そして、軸パイプ(19)の両端に止水用ベアリング(21)はめ込み、螺旋サイフォン格納パイプ(17)に挿入セットする。その時、パイプ差込口(20)は、螺旋の飲み口側と吐出し口は反対方向にする。二つは、図8に示すように、螺旋パイプ(18)両端延長線が直線状になるように加工し、その両端へ止水用ベアリング(21)をはめ込み、螺旋サイフォン格納パイプへ挿入セットする。その螺旋サイフォン格納パイプ(17)を、水抜きパイプ(9)または導水パイプ1(13)へエルボ(16)を介してつなぐ。その際、格納パイプ(17)は、螺旋パイプ(18)一つ目の山部が、螺旋パイプ(18)呑み口のパイプ底より低い勾配になるよう取付ける。そして、螺旋サイフォン格納パイプの吐出し口へエルボ2(24)を下向きに取り付け、その先に導水パイプ2(25)をつなぎ、集水井溜め桝の水面(4)下に挿入する。
【0012】
螺旋パイプ(17)の部材は、軸パイプ(19)に巻き付ける場合は比較的軟質なホースでもよいが、螺旋パイプ(17)の両端を直接止水用ベアリング(21)はめ込む場合は、塩化ビニールパイプ,ガラス管などの堅い部材とする。
【0013】
次に、地表(1)からの空気の流入防止は、止水を兼ねた導水樋(27)を水抜きパイプ(9)の周りに、膨張性薬液(29)を注入して造る方法。しかし、水抜きパイプには新設と既設の場合がある。
【0014】
新設用導水樋は図9・図10に示すように、水抜きパイプ(9)へ伸縮性に富むフィルター(28)を任意の位置まで2重に被せ、フィルター(28)の先端をバンド(31)で固定する。その内側外側フィルター(28)の間に、注入パイプ(30)をフィルター(28)のバンド手前まで入れる。フィルター(28)を被せた水抜きパイプ(9)をボーリング孔(8)内へ挿入し、口元部のパイプ(9)とボーリング孔との間に、薬液が流れ出ないようにウェス等の込め物(26)を詰める。次に、ポンプで膨張性薬液(29)を注入パイプ(30)を介してフィルター(28)の先端へ送り、図11に示すように、注入の様子をみながら注入パイプ(30)を徐々に引き抜き、口元まで膨張した薬液(29)で充填する方法。なお、フィルター(28)を被せた水抜きパイプ(9)の挿入深さは、ボーリング孔(8)内またはパイプ(9)内に地下水(14)が流れている所までとする。その決定は調査ボーリングの地下水位をみてか、ボアーホールカメラで確認して決める。なお、薬液は(29)2液用か、水と反応膨張するものを使用する。そして、2液用は注入パイプ(30)を2本フィルターの間、および、パイプ(9)とボーリング孔(8)の間に挿入する。
【0015】
既に水抜きパイプ(9)が布設されている時は、図12へ示すように、既設の水抜きパイプ(9)の内側へ、一回り細い導水パイプ(13)を、地下水の流れている位置まで挿入する。そして、ボーリング孔(8)と水抜きパイプ(9)及び導水パイプ(13)との間へ、薬液が流れでないようにウェス等で込め物をする。ボーリング孔(8)と水抜きパイプとの間へ、高圧水を送りながら薬液注入パイプを、導水パイプ(13)の少し手前まで挿入する。引続き膨張性薬液(29)をポンプで注入パイプ(30)を介して注入ながら、様子をみて徐々に引き抜き、ボーリング孔とパイプの間を膨張した薬液で充填する方法。なお、水と反応する1液型薬液か、2液反応型かのどちらかを使用する。したがって、注入パイプは1液型は1本で2液型は2本必要となる。
【0016】
【発明の効果】
水抜きパイプ(9)の水(14)が自然落差で、螺旋パイプ内を流れると、図7で示すように、水(14)は螺旋パイプ(18)谷部を徐徐に満たし、山部に達して溢れでて、軸の反対方向に移動すると伴に谷部に、再び落下しながら螺旋パイプ(18)の下流へ移動し、その流動を繰り返す。螺旋パイプ(18)内を捩れながら流れことは、水(14)が外側へ働く遠心力となり、軸パイプ(19)に回転力となり、両端に止水用ボールベアリング(21)を軸として回転をする。つまり、螺旋パイプ(18)は水車でありポンプでもあるので、水抜きパイプ(9)内は負圧となる。
【0017】
もし、水抜き(9)から排出される水が少(14)ない場合、水の流れる力が働かないので回転はしないが、螺旋パイプ(18)の各谷部には水が溜まり、山部には空気が挟まる状態となる。その空気は、水抜きパイプ(9)から供給される水(14)が溜まると伴に徐徐に圧縮される。また、谷部の水位は上昇して山部まで達し、ある水位までになると、螺旋パイプ(18)の水は、パイプ内の空気を押しつぶし、一気に低い谷部へ流れ、また、螺旋パイプ(18)の吐出し口から排出されるが、その時、サイフォン現象が起こり、螺旋パイプ(18)または水抜きパイプ内に負圧が発生する。
【0018】
地表(1)からの空気の流入は、止水を兼ねた導水用樋(27)を水抜きパイプ(9)の周りに、膨張性薬液(29)を注入して造った結果起こらなかった。そして、サイフォンで造られた負圧は、水抜きパイプの周りへ導水用樋を形成することで維持された。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の集水井の模式断面図
【図2】従来の集水井の模式断面図のアップ
【図3】螺旋式サイフォンを取付けた集水井の模式断面図
【図4】螺旋式サイフォンを取付けた集水井の模式断面図のアップ
【図5】軸パイプ付螺旋パイプ側断面図
【図6】軸パイプ付螺旋パイプ平断面図
【図7】軸パイプ付螺旋正断面図
【図8】螺旋パイプ側断面図
【図9】新設導水用樋側断面図
【図10】新設導水用樋正断面図
a.薬液注入前
b.薬液注入後
【図11】新設導水用樋施工手順図
a.薬液注入前
b.薬液注入中
c.薬液注入完了
【図12】既設導水用樋側断面図
【符号の説明】
1,地表 21,止水用ベアリング
2,集水井 22,止水用栓
3,溜め桝 23,排水
4,集水井溜め桝の水面 24,エルボ2
5,移動土塊 25,導水パイプ2
6,すべり面 26,込め物
7,基盤(不動地盤) 27,導水用樋
8,水抜きボーリング孔 28−1,内側のフィルター
9,水抜きパイプ 28−2,外側のフィルター
10,ストレーナー 29,膨張薬液
11,排水ボーリング孔 30,注入パイプ
12,排水パイプ 31,バンド
13,導水パイプ1 32,地下水位
14,水
15,水抜きパイプ内の水面
16,エルボ1
17,螺旋納入パイプ
18,螺旋パイプ(ホース)
19,軸パイプ
20,パイプ差込口
【発明の属する技術分野】
本発明は、地すべり等の防止方法の一つである、水抜きボーリングの排水量のアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
水抜きボーリングは、地すべり等の防止方法として、地すべりの規模を問わず、多くの場所で採用され、本工法の対策箇所も多くある。しかし、水抜きボーリングには、まだ解決されていない課題が残されている。それは、水抜きボーリングを実施しても、地下水があまり排出されず、地下水位が低下しないことである。つまり、水抜きボーリング本来の目的が達せられていない。それは、地すべりの安全性の面から非常に由々しき問題である。これまで、斜面の安全率を確保するために、水抜きボーリングを含めた、地すべり防止工事を追加し補っていた。その結果工事費を膨大にすることになり、非常に不経済なことである。
【0003】
原因は、地山の透水性にも関係するが、従来の水抜きボーリングは、一般的に上向き+5°の傾斜で布設されているので、その落差の自然排水のみに頼っているところにある。と言って、ポンプ等で人工的に吸引することは非常に不経済である。最近その解決手段として、自然エネルギーを利用して、水抜きパイプ内を強制的に吸引排水する、特願平11−246026水洗式サイフォンと転倒式サイフォン、特願2000−107303エゼクター方式とが開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の強制排水方法は以下の課題があった。水洗式サイフォンは、水抜きボーリングから大量の排水が必要であり、転倒式サイフォンは、排水の少ない時に効率的である。エゼクター方式は、地表の高い位置に大量の呼び水が必要である。従って、各強制排水装置はその特性は一長一短あり、すべての排水条件を満足することができない。なお、水洗式サイフォン方式は全ての条件に使用できるかのように思えるが、排水量が少ないとサイフォン機能が働かなかったり、水が溜まるのに時間を要するので、土壌微生物が空気中の酸素と長時間接触した結果繁殖して、パイプが詰まることがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、最低数量の水抜きボーリングの施工で、地すべりの安全水位を満足できる、経済的な排水技術を提供するものである。
【0007】
本発明において、地下水を抜水する装置の考案に際し色々考えた。そして、上記課題を満足すべき必要条件を以下に定め検討した。水抜きパイプを介して強制排水する。吸引装置の動力源は、水抜きボーリングから排出される地下水を利用する。装置は排水量が少量〜大量の広い条件で使用でき、安定した負圧状態を保てることとした。
【0008】
ただし、本装置をうまく作動させるための課題が、一つでてきた。ボーリング孔と水抜きパイプとには隙間がある。また、地表付近の地山はゆるんでいて亀裂や空隙があり、パイプ内に負圧が造られても、地表の空気を吸引する可能性があり、事実上負圧にならない。そこで、水抜きパイプの周囲に長大な空気の流入防止措置を講ずる必要がある。
【0009】
地すべり地等の地下水を、水抜きパイプ(9)から排水される地下水(14)の、流動エネルギーを利用して、螺旋パイプ(17)で強制排水し地下水位(32)を低下し、斜面の安定を図るものである。まず、強制排水方法として次の装置を考えてみた、パイプまたはホース(18)を螺旋形状にし、両端に止水用ボールベアリング(21)を取付け、螺旋パイプ格納ケース(17)に挿入セットして、水が流れる程度に曲げたエルボ1(16)を介して水抜きパイプ(9)の吐出し口へ差込つなぐ。次に、ボーリング孔(8)の口元や地山(5)の空隙から、地表(1)の空気を吸込まないように、膨張性薬液(29)注入してボーリング孔(8)と水抜きパイプ(9)の空隙に導水用樋(27)を造った。
【作用】
【0010】
水抜きパイプ(9)の水(14)が自然落差で螺旋パイプ(18)内を、捩れながら流れると、水(14)は遠心力を得て螺旋パイプは、両側の止水用ボールベアリング(21)を軸に回転をする。つまり、螺旋パイプ(18)は水車でありポンプでもあるので、水抜きパイプ(9)内は負圧になる。そして、導水用樋の形成で負圧は守られた。
【発明の実施の形態】
【0011】
本発明は、前記した課題を解決したものであって、次のとおりである。まず、水抜きパイプ(9)内を負圧にして強制排水する装置並びに方法は、一つは、図に示すように、パイプまたはホースを数回以上螺旋状に軸パイプ(19)に巻き付け、軸パイプ(19)の中に止水用(22)の栓をして、その両端側にほぼ近い横に出したパイプ差込口(20)へ差し込む。そして、軸パイプ(19)の両端に止水用ベアリング(21)はめ込み、螺旋サイフォン格納パイプ(17)に挿入セットする。その時、パイプ差込口(20)は、螺旋の飲み口側と吐出し口は反対方向にする。二つは、図8に示すように、螺旋パイプ(18)両端延長線が直線状になるように加工し、その両端へ止水用ベアリング(21)をはめ込み、螺旋サイフォン格納パイプへ挿入セットする。その螺旋サイフォン格納パイプ(17)を、水抜きパイプ(9)または導水パイプ1(13)へエルボ(16)を介してつなぐ。その際、格納パイプ(17)は、螺旋パイプ(18)一つ目の山部が、螺旋パイプ(18)呑み口のパイプ底より低い勾配になるよう取付ける。そして、螺旋サイフォン格納パイプの吐出し口へエルボ2(24)を下向きに取り付け、その先に導水パイプ2(25)をつなぎ、集水井溜め桝の水面(4)下に挿入する。
【0012】
螺旋パイプ(17)の部材は、軸パイプ(19)に巻き付ける場合は比較的軟質なホースでもよいが、螺旋パイプ(17)の両端を直接止水用ベアリング(21)はめ込む場合は、塩化ビニールパイプ,ガラス管などの堅い部材とする。
【0013】
次に、地表(1)からの空気の流入防止は、止水を兼ねた導水樋(27)を水抜きパイプ(9)の周りに、膨張性薬液(29)を注入して造る方法。しかし、水抜きパイプには新設と既設の場合がある。
【0014】
新設用導水樋は図9・図10に示すように、水抜きパイプ(9)へ伸縮性に富むフィルター(28)を任意の位置まで2重に被せ、フィルター(28)の先端をバンド(31)で固定する。その内側外側フィルター(28)の間に、注入パイプ(30)をフィルター(28)のバンド手前まで入れる。フィルター(28)を被せた水抜きパイプ(9)をボーリング孔(8)内へ挿入し、口元部のパイプ(9)とボーリング孔との間に、薬液が流れ出ないようにウェス等の込め物(26)を詰める。次に、ポンプで膨張性薬液(29)を注入パイプ(30)を介してフィルター(28)の先端へ送り、図11に示すように、注入の様子をみながら注入パイプ(30)を徐々に引き抜き、口元まで膨張した薬液(29)で充填する方法。なお、フィルター(28)を被せた水抜きパイプ(9)の挿入深さは、ボーリング孔(8)内またはパイプ(9)内に地下水(14)が流れている所までとする。その決定は調査ボーリングの地下水位をみてか、ボアーホールカメラで確認して決める。なお、薬液は(29)2液用か、水と反応膨張するものを使用する。そして、2液用は注入パイプ(30)を2本フィルターの間、および、パイプ(9)とボーリング孔(8)の間に挿入する。
【0015】
既に水抜きパイプ(9)が布設されている時は、図12へ示すように、既設の水抜きパイプ(9)の内側へ、一回り細い導水パイプ(13)を、地下水の流れている位置まで挿入する。そして、ボーリング孔(8)と水抜きパイプ(9)及び導水パイプ(13)との間へ、薬液が流れでないようにウェス等で込め物をする。ボーリング孔(8)と水抜きパイプとの間へ、高圧水を送りながら薬液注入パイプを、導水パイプ(13)の少し手前まで挿入する。引続き膨張性薬液(29)をポンプで注入パイプ(30)を介して注入ながら、様子をみて徐々に引き抜き、ボーリング孔とパイプの間を膨張した薬液で充填する方法。なお、水と反応する1液型薬液か、2液反応型かのどちらかを使用する。したがって、注入パイプは1液型は1本で2液型は2本必要となる。
【0016】
【発明の効果】
水抜きパイプ(9)の水(14)が自然落差で、螺旋パイプ内を流れると、図7で示すように、水(14)は螺旋パイプ(18)谷部を徐徐に満たし、山部に達して溢れでて、軸の反対方向に移動すると伴に谷部に、再び落下しながら螺旋パイプ(18)の下流へ移動し、その流動を繰り返す。螺旋パイプ(18)内を捩れながら流れことは、水(14)が外側へ働く遠心力となり、軸パイプ(19)に回転力となり、両端に止水用ボールベアリング(21)を軸として回転をする。つまり、螺旋パイプ(18)は水車でありポンプでもあるので、水抜きパイプ(9)内は負圧となる。
【0017】
もし、水抜き(9)から排出される水が少(14)ない場合、水の流れる力が働かないので回転はしないが、螺旋パイプ(18)の各谷部には水が溜まり、山部には空気が挟まる状態となる。その空気は、水抜きパイプ(9)から供給される水(14)が溜まると伴に徐徐に圧縮される。また、谷部の水位は上昇して山部まで達し、ある水位までになると、螺旋パイプ(18)の水は、パイプ内の空気を押しつぶし、一気に低い谷部へ流れ、また、螺旋パイプ(18)の吐出し口から排出されるが、その時、サイフォン現象が起こり、螺旋パイプ(18)または水抜きパイプ内に負圧が発生する。
【0018】
地表(1)からの空気の流入は、止水を兼ねた導水用樋(27)を水抜きパイプ(9)の周りに、膨張性薬液(29)を注入して造った結果起こらなかった。そして、サイフォンで造られた負圧は、水抜きパイプの周りへ導水用樋を形成することで維持された。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の集水井の模式断面図
【図2】従来の集水井の模式断面図のアップ
【図3】螺旋式サイフォンを取付けた集水井の模式断面図
【図4】螺旋式サイフォンを取付けた集水井の模式断面図のアップ
【図5】軸パイプ付螺旋パイプ側断面図
【図6】軸パイプ付螺旋パイプ平断面図
【図7】軸パイプ付螺旋正断面図
【図8】螺旋パイプ側断面図
【図9】新設導水用樋側断面図
【図10】新設導水用樋正断面図
a.薬液注入前
b.薬液注入後
【図11】新設導水用樋施工手順図
a.薬液注入前
b.薬液注入中
c.薬液注入完了
【図12】既設導水用樋側断面図
【符号の説明】
1,地表 21,止水用ベアリング
2,集水井 22,止水用栓
3,溜め桝 23,排水
4,集水井溜め桝の水面 24,エルボ2
5,移動土塊 25,導水パイプ2
6,すべり面 26,込め物
7,基盤(不動地盤) 27,導水用樋
8,水抜きボーリング孔 28−1,内側のフィルター
9,水抜きパイプ 28−2,外側のフィルター
10,ストレーナー 29,膨張薬液
11,排水ボーリング孔 30,注入パイプ
12,排水パイプ 31,バンド
13,導水パイプ1 32,地下水位
14,水
15,水抜きパイプ内の水面
16,エルボ1
17,螺旋納入パイプ
18,螺旋パイプ(ホース)
19,軸パイプ
20,パイプ差込口
Claims (6)
- 地すべり地等の地下水を、水抜きパイプ(9)から排水される地下水(14)の、流動エネルギーを利用して、螺旋パイプ(17)で強制排水し地下水位(32)を低下し、斜面の安定を図る方法。
- パイプまたはホースを数回以上螺旋状に軸パイプ(19)に巻き付け、軸パイプ(19)の中に止水用(22)の栓をして、その両端側にほぼ近い横に出したパイプ差込口(20)へ差し込む。そして、軸パイプ(19)の両端に止水用ベアリング(21)はめ込み、螺旋サイフォン格納パイプ(17)に挿入セットする。
- 螺旋パイプ(18)両端延長線が直線状になるように加工し、その両端へ止水用ベアリング(21)をはめ込み、螺旋サイフォン格納パイプへ挿入セットする。
- 螺旋サイフォン格納パイプ(17)を、水抜きパイプ(9)または導水パイプ1(13)へエルボ(16)を介してつなぐ。その際、格納パイプ(17)は、螺旋パイプ(18)一つ目の山部が、螺旋パイプ(18)呑み口のパイプ底より低い勾配になるよう取付ける。そして、螺旋サイフォン格納パイプの吐出し口へエルボ2(24)を下向きに取り付け、その先に導水パイプ2(25)をつなぎ、集水井溜め桝の水面(4)下に挿入する。
- 水抜きパイプ(9)へ伸縮性に富むフィルター(28)を任意の位置まで2重に被せ、フィルター(28)の先端をバンド(31)で固定する。その内側外側フィルター(28)の間に、注入パイプ(30)をフィルター(28)のバンド手前まで入れる。フィルター(28)を被せた水抜きパイプ(9)をボーリング孔(8)内へ挿入し、口元部のパイプ(9)とボーリング孔との間に、薬液が流れ出ないようにウェス等の込め物(26)を詰める。次に、ポンプで膨張性薬液(29)を注入パイプ(30)を介してフィルター(28)の先端へ送り、注入の様子をみながら注入パイプを徐々に引き抜き、口元まで膨張した薬液で充填する方法。
- 既設の水抜きパイプ(9)の内側へ、一回り細い導水パイプ(13)を、地下水の流れている位置まで挿入する。そして、ボーリング孔(8)と水抜きパイプ(9)及び導水パイプ(13)との間へ、薬液が流れでないように込め物を詰める。ボーリング孔(8)と水抜きパイプとの間へ、高圧水を送りながら薬液注入パイプを、導水パイプ(13)の少し手前まで挿入する。引続き膨張性薬液(29)をポンプで注入パイプ(30)を介して注入ながら、様子をみて徐々に引き抜き、ボーリング孔とパイプの間を膨張した薬液で充填する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002229305A JP2004036367A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | 水抜きボーリングの排水量アップ |
Applications Claiming Priority (1)
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