JP2004035911A - レニウム含有合金皮膜を被着してなる耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】アルミニウム溶融塩浴から、電気めっきにより、レニウム含有合金皮膜を耐熱合金基材側に被着し、アルミニウム含有合金皮膜を表面側に被着してなる皮膜を形成し、続いて、この皮膜を被着した耐熱合金部材を高温で熱処理してなる複層構造の皮膜を被着した耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジェットエンジン、ガスタービン、宇宙往還機、化学プラント、産業用燃焼炉、等の高温腐食環境で使用される耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法、特に、アルミニウム溶融塩浴から電気めっきにより得られる皮膜を被着してなる耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐熱合金材料は、通常、保護的アルミナスケールを表面に形成して、高温の腐食環境から保護されている。この保護的アルミナスケールを形成・維持するためには、通常、15原子%以上のアルミニウムが含有されていることが必要であると言われている。
【0003】
しかしながら、耐熱合金材料に多量のAlを添加することは、合金材料の機械的特性と加工性を低下させるため、得策ではない。現在の合金材料の製造技術では、保護的アルミナスケールを形成するのに必要な15原子%以上のアルミニウムを含有させることは難しい。
【0004】
従って、高温・腐食環境で使用される耐熱合金材料には、耐酸化性を付与するためにアルミナイジング処理、溶射、電子ビーム蒸着法、化学蒸着法、溶融塩めっき法、等により高アルミニウムを含有する皮膜が施されている。
通常、耐高温酸化性皮膜は、アルミニウム拡散処理とMCrAlY合金皮膜を溶射、電子ビーム蒸着、スパッタリング、等の方法で形成する方法が使われるのが一般的である。
【0005】
前記のガスタービン、ジェットエンジン、燃焼炉、等ではエネルギー効率の改善のため、燃焼ガス温度はますます高温化する傾向にある。従って、高温での使用中に、皮膜は耐熱合金基材との反応拡散と酸化消耗のため、その組成と構造が変化して保護的機能を喪失することが問題となっている。
従って、従来技術の延長や改良ではない、新規な概念に基づく耐高温酸化性皮膜を被着した耐熱合金部材の開発が求められている。
【0006】
本発明者は、永年に亘って、耐高温酸化性に優れた皮膜の開発を進めている。
その過程で、レニウム・クロム・ニッケル系のσ相は低い拡散係数を有することを発見し、日本金属学会北海道支部大会講演概要第20ページ講演番号A23「Re−Cr−Ni系の相互拡散」(2001年7月、室蘭市)および日本金属学会春期大会講演概要第183ページ講演番号110「高融点金属系(Re−Cr−Ni系)の相互拡散」(2002年3月、東京都)で発表している。
【0007】
前記レニウム・クロム・ニッケル系のσ相は2300℃を越える高融点を有し、かつ、低い拡散係数を有することから、耐高温腐食性に優れた皮膜の構成層、例えば、拡散障壁層として優れた特性を有していることを見いだし、本発明者らは、レニウム合金を主体とする皮膜を基材側に、アルミニウムを含む合金相を外層とする複層皮膜を被着してなる耐酸化性金属部材に関する発明を特許出願した(特願2001−63686号、特開2001−323332号公報)。
前記、特願2001−63686号明細書に記載の皮膜は、拡散障壁を目的としたレニウム基合金層とアルミニウムの貯留を目的としたニッケル基合金層の複層構造を有し、これら各層は連続層であることが望ましい。しかし、その複層構造の皮膜の製造方法については、未だ完成されていない。
【0008】
レニウム又はレニウム合金、及びそれらの皮膜を形成してなる金属部材の製造法については、多くのプロセスが提案されている。例えば、特開平9−143667号公報には、マンドレル基体の表面にレニウム又はレニウム合金の皮膜を低圧真空プラズマ溶射法で形成した後、マンドレル基体を除去してなることを特徴とする製造方法が開示されている。この方法では、最大60重量%のモリブデン又は最大60重量%のタングステンを含むレニウム合金が製造できる。学術雑誌(S.A.Kuzbetsov et al.,Refractory Metals in Molten Salts,1998,
Kluwer Academic Publishers,printed in Netherlands,pp.219)に、溶融塩からレニウム金属を電気メッキする方法が開示され、純レニウム金属皮膜の形成が行われている。
【0009】
前記の特開平9−143667号公報や学術雑誌に記載のレニウム又はレニウム合金はいずれも優れた耐熱性を有することが期待される材料である。しかし、高温における耐酸化性は著しく劣るため、高真空雰囲気での使用に限定され、本発明で目的とする高温腐食環境では使用することはできない。
さらに、レニウムを含む合金の皮膜を、電気メッキにより製造する方法が開発されている。特開昭54−93453号公報には、水溶液からの電気めっきによる、35〜85重量%レニウムを含むニッケル合金皮膜の形成が開示されている。特開平9−302496号公報には、水溶液からの電気めっきによる、モリブデンを主体とし、ニッケル、クロム、レニウムを含む合金皮膜の形成方法が開示されている。
【0010】
学術雑誌(福島ら、金属表面技術、35巻、p.247、(1984))及び金属表面技術、36巻、p.18、(1985))に、水溶液からの電気メッキによる、レニウム−ニッケル合金メッキの形成方法が報告されている。
前記の水溶液から電析したレニウム含有合金は、半導体電極表面のパッシベーション皮膜として、又は、塩水噴霧雰囲気での耐食性向上を目的に開発されたものであり、アルミニウムを含有していないことから、保護的アルミナスケールを形成することはできない。
【0011】
アルミニウムは非水溶媒浴又は溶融塩浴から電気分解によって析出することが可能であり、さらに、クロム等を含有するアルミニウム合金の電気めっきも可能である。例えば、特開平7−157891号公報に、塩化アルミニウムを添加した非水溶媒液から、アルミニウム合金めっきによる皮膜の形成方法が開示されている。特開昭47−42536号公報には、クロムを1.0〜27.0重量%含むアルミニウム合金めっきが開示されている。
【0012】
本発明者らは、特願2000−1703号において、NaCl−KCl−AlCl3溶融塩からのAl−Cr−X(第3元素)合金めっき皮膜の形成方法について開示した。このめっき皮膜では、第3元素Xとして、0.01〜50Ti、0.01〜15Mo、0.01〜15Ta、0.01〜15W、0.01〜15Zr、0.01〜5Y、0.01〜5Ceを用いている。しかし、めっき皮膜には、ReとNiは含まれていない。
【0013】
前記の特開平7−157891号公報と特開昭47−42536号公報に記載されている皮膜は塩化物を含む水溶液による腐食から基材を保護するために被着したものであり、本発明で目的とする耐高温酸化性皮膜としての機能を有しない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来技術では、アルミニウム溶融塩メッキによる、レニウム−クロム−アルミニウム、レニウム−クロム−ニッケル−アルミニウム、ニッケル−アルミニウム−クロム−活性金属、ニッケル−アルミニウム−クロム−レニウム−活性金属を主体とする皮膜の製造方法は未だ報告されていない。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、耐熱性と耐高温酸化性を兼ね備えた皮膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、アルミニウム溶融塩浴から、電気めっきにより、レニウム含有合金皮膜を耐熱合金基材側に被着し、アルミニウム含有合金皮膜を表面側に被着してなる皮膜を形成し、続いて、この皮膜を被着した耐熱合金部材を高温で熱処理してなる複層構造の皮膜を被着した耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法を提供する。
【0016】
すなわち、本発明は、耐熱合金基体表面に、レニウムを0.01〜5.0重量%、クロムを0.01〜5.0重量%含むアルミニウム溶融塩メッキ浴を用いて、15.1〜60.0原子%のレニウム、20.0〜60.0原子%のクロム、残部アルミニウムを含む合金を電気めっきし、
続いて、ニッケルを0.01〜5.0重量%、クロムを0.01〜5.0重量%、活性金属を0.001〜1.0重量%含むアルミニウム溶融塩メッキ浴を用いて、
25.0〜75.0原子%のニッケル、5.0〜30.0原子%のクロム、0.01〜1.0原子%の活性金属、残部アルミニウムを含む合金を電気めっきし、この複層皮膜を被着してなる基材を高温で熱処理して、40.0〜70.0原子%のレニウム、25.0〜55.0原子%のクロム、0.1〜30.0原子%のニッケル、5原子%以下のアルミニウムを含む合金相が連続層を形成してなる内層と、
29.0〜75.0原子%のニッケル、5.0〜25.0原子%のクロム、15.0〜60.0原子%のアルミニウム、1.0原子%以下の活性金属、5原子%以下のレニウムを含む合金相が連続層を形成してなる外層の複層構造を有する皮膜を形成することを特徴とする耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法である。
【0017】
また、本発明は、耐熱合金基体表面に、レニウムを0.01〜5.0重量%、クロムを0.01〜5.0重量%含むアルミニウム溶融塩メッキ浴を用いて、0.1〜30.0原子%のレニウム、20.0〜60.0原子%のクロム、残部アルミニウムを含む合金を電気めっきし、
続いて、ニッケルを0.01〜5.0重量%、クロムを0.01〜5.0重量%、活性金属を0.001〜1.0重量%含むアルミニウム溶融塩メッキ浴を用いて、
25.0〜75.0原子%のニッケル、5.0〜30.0原子%のクロム、0.01〜1.0原子%の活性金属、残部アルミニウムを含む合金を電気めっきし、この複層皮膜を被着してなる基材を高温で熱処理して、0.1〜30.0原子%のレニウム、60.1〜99.0原子%のクロム、0.1〜30.0原子%のニッケル、5原子%以下のアルミニウムを含む合金相が連続層を形成してなる内層と、
29.0〜75.0原子%のニッケル、5.0〜25.0原子%のクロム、15.0〜60.0原子%のアルミニウム、1原子%以下の活性金属、5原子%以下のレニウムを含む合金相が連続層を形成してなる外層の複層構造を有する皮膜を形成することを特徴とする耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法である。
【0018】
また、本発明は、前記活性金属が、イットリウム、セリウム、ランタン、ジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記の耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法である。
【0019】
すなわち、本発明は、熱処理を真空、不活性ガス,窒素ガス、又は大気中で、600〜1300℃の温度範囲で行うことを特徴とする上記の耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法である。
【0020】
前記複層構造の皮膜は内層(拡散障壁層)と外層(アルミニウム貯留層)から構成され、拡散障壁層は耐熱合金基材とアルミニウム貯留層の間に連続層として存在し、耐熱合金基材とアルミニウム貯留層との相互拡散を抑制することを特徴とするものである。
前記アルミニウム貯留層は拡散障壁層よりも酸化雰囲気側に位置し、保護的アルミナを形成・維持、再生するための充分な量のアルミニウムを含んでいることが必須である。
【0021】
内層(拡散障壁層)は、40.0〜70.0原子%のレニウム、25.0〜55.0原子%のクロム、0.1〜30.0原子%のニッケル、5.0原子%以下のアルミニウムを含むσ(シグマ)相(Ni−Re−Cr系)の範囲又は0.1〜30.0原子%のレニウム、60.1〜99.0原子%のクロム、0.1〜30.0原子%のニッケル、5.0原子%以下のアルミニウムを含むα(アルファ)相(Ni−Re−Cr系)の範囲にあることが肝要であり、1000℃以上の温度域で優れた耐高温腐食性を発揮する。
【0022】
外層(アルミニウム貯留層)は、29.0〜75.0原子%のニッケル、5.0〜25.0原子%のクロム、15.0〜60.0原子%のアルミニウム、1.0原子%以下の活性金属、5.0原子%以下のレニウムを含むNi−Al−Cr系のNi2Al3相、β(ベータ)−NiAl相、及びγ’(ガンマプライム)−Ni3Al相の組成範囲にあり、保護的アルミナスケールを形成・維持、再生するためは、アルミニウム濃度は15原子%以上が必要である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のアルミニウム溶融塩浴の電気めっき法では、予め、板、管、線、ボルト、ナット、その他適宜の形状に形成した耐熱合金部材を陰極として電気めっきすることによって、目的形状の皮膜を有する耐高温酸化性耐熱合金部材を製造することができる。
【0024】
耐熱合金部材は特に限定されず、従来から知られているNi基、Co基、Fe基、Nb基、Ir基、Re基等の超合金、耐熱チタン合金やTiAl金属間化合物などの耐熱性Ti合金等を対象とすることができる。
【0025】
本発明で使用する電解浴は、通常の溶融塩によるアルミニウム溶融塩浴である。アルミニウム溶融塩浴は、塩化アルミニウムを主体とし、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウムの少なくとも1種を含む共融点近傍の組成を有する融解塩である。
例えば、塩化アルミニウムを50〜65mo1%、塩化ナトリウムを10〜30mol%、塩化カリウムを5〜25mol%含む融解塩を使用する。
融解塩中で、陽極にAlを使用し、耐熱合金基材を陰極として通電することによりアルミニウムを耐熱合金基材に電気めっきする。前記溶融塩浴におけるアルミニウムの電気めっきは、150℃〜200℃の範囲で可能である。
【0026】
前記アルミニウム溶融塩へのレニウムの供給は、レニウム微粉末又はレニウム塩化物として添加されるか、又は、レニウム補助電極を用いてレニウムをイオン化せしめて、浴中にレニウムイオンを存在せしめる。
【0027】
前記レニウム微粉末のサイズは30μm〜0.1μmが好ましいが、取り扱いの容易さから、5μm〜1μmサイズの微粒子がより望ましい。
【0028】
前記アルミニウム溶融塩へのクロムの供給は、クロム微粉末又はクロム塩化物として添加されるか、又は、クロム補助電極を用いてクロムをイオン化せしめて、浴中にクロムイオンを存在せしめる。
【0029】
前記クロム微粉末のサイズは30μm〜0.1μmが好ましいが、取り扱いの容易さから、5μm〜0.5μmサイズの微粒子がより望ましい。
【0030】
前記アルミニウム溶融塩への活性金属の供給は、活性金属又はその合金の微粉末、又は活性金属の塩化物として添加される。 活性金属は、イットリウム、セリウム、ランタン、ジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種である。イツトリウム、セリウム、ランタン、ジルコニウム等の金属は 活性金属と総称し、この活性金属を微量添加するとAl2O3スケ−ルの密着性が改善され、加熱冷却時に発生する熱応力や外力によるスケ−ルの破壊に対して強い抵抗力を発揮する。1.0原子%以下が適正な濃度である。この効果を発揮させるには少なくとも0.01原子%は必要である。1.0原子%より多すぎると活性金属を含む化合物が形成してスケ−ルの剥離を助長し、耐酸化性に悪影響を与える。
【0031】
前記活性金属又はその合金の微粉末のサイズは5μm〜0.05μmが好ましいが、取り扱いの容易さから、2μm〜0.01μmサイズの微粒子がより望ましい。
【0032】
前記皮膜を電気めっきにより形成するためには、電流密度と電極電位及びその他のめっき条件の影響を受けるが、浴中の各元素の濃度管理もまた重要である。溶融塩浴中のレニウム濃度が0.01重量%未満であると、めっき皮膜中にレニウムは殆ど含まれず、5重量%を超えるとでは皮膜中のレニウム濃度は60原子%を超える。
【0033】
溶融塩浴中のクロム濃度が0.01重量%未満では、めっき皮膜中のクロム濃度が20原子%以下となり、5重量%以上では、皮膜中のクロム濃度は60原子%以上になる。
【0034】
前記アルミニウム溶融塩浴からの電気めっきでは、溶融塩中に存在する各種金属とその濃度、電析電位、電流密度を制御することによって、レニウムの他に、クロム、ニッケル、活性金属、を単独又は複合して含むアルミニウム合金をめっきすることができる。なお、本発明の効果はめっき皮膜の厚さに特に規制されることはない。
【0035】
前記の複層皮膜を被着した耐熱合金基材を真空、不活性ガス、窒素ガス、大気中で、600〜1300℃の温度範囲、0.1〜100時間、の加熱処理を施すことによって、目的の元素と組成を有する皮膜を被着した耐高温酸化性耐熱合金部材を提供することができる。
【0036】
加熱温度が低すぎると、目的の皮膜構造を形成するのに長時間を要する。また、加熱温度が高すぎると、内層と外層の反応が進行して、複層構造が破壊される。望ましいのは1000〜1200℃の温度範囲である。なお、時間は、加熱温度にも依存するが、0.1〜100時間であればよく、望ましくは1〜20時間である。
【0037】
複層構造の内層に存在するアルミニウムは高温の加熱によって除去される。5原子%Al以下の濃度で、レニウム・クロム・ニッケル・アルミニウムを主体とする合金層となるが1原子%以下であることが望ましい。
【0038】
前記、高温における加熱時に、皮膜の内層には耐熱合金基材に含まれているタングステン、モリブデン、コバルト、チタン、タンタル、ニオブ、などの元素が拡散侵入して、含有される場合がある。これらの元素のうちタングステン、モリブデン、コバルトは好ましい元素である。
【0039】
以下に内層及び外層のめっき皮膜の形成方法を説明する。
耐熱ガラス製電解槽(内容積1l(リットル))1と電解槽2(内容積1l(リットル))を用意し、それぞれの電解槽に収容された下記の組成の電解浴中に、純度99.9%アルミニウム板からなる陽極と、被めっき材である陰極として、Ni基超合金CMSX−4(12.6:Al,9.3:Co,7.6:Cr,2.2:Ta,2.O:W,1.3:Ti,1.O:Re,0.4:Mo,各原子%)の試験片(直径10mm×厚さ1mm)を対向させて配置した。
電解浴組成;AlCl3:63mol%、NaCl:20mol%、KCl:17mol%。
【0040】
前記溶融塩の電位の基準として、純アルミニウム線(径:2mm)を陰極と陽極の中間に配置した。なお、被めっき材は、脱脂・洗浄、乾燥して使用した。
【0041】
内層のめっき皮膜の形成方法
電解槽2内の電解浴中に、0.1〜5重量%のReCl4、0.1〜5重量%のCrCl3を添加した。
【0042】
前記電解槽2を用いて、電解浴を0.3m/秒の攪拌速度で攪拌しながら、電解浴温度160℃で、種々の電解電位でメッキを行った。
【0043】
前記電解槽2内で、被めっき材の表面にレニウム・クロム・アルミニウム合金を50μmの厚さにメッキした。電位の制御には市販のポテンショスタッ卜を用いた。電解槽2で得られた電析物の組成を、下記表1、表2にまとめた。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
上記表1と表2に示すように、塩化物濃度と電解電位を変化させることにより、種々の組成のレニウム・クロム・アルミニウム合金をめっきさせることができる。
【0047】
外層のめっき皮膜の形成方法
前記電解槽1内の電解浴中に、0.1〜5重量%のNiCl2、0.1〜5重量%のCrCl3、0.01〜0.l重量%のYCl3を添加した。前記電解槽1を用いて、電解浴を0.3m/秒の攪拌速度で攪拌しながら、電解浴温度160℃で、種々の電解電位でメッキを行った。
【0048】
前記電解槽1内で、被めっき材の表面にニッケル・クロム・イットリウム・アルミニウム合金を50μmの厚さに電析した。電位の制御には市販のポテンシヨスタットを用いた。電解槽1で得られた電析物の組成を、下記表3、表4、表5にまとめた。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
上記表3、表4、表5に示すように、塩化物濃度と電解電位を変化させることにより、種々の組成のニッケル・クロム・イットリウム・アルミニウム合金をめっきさせることができる。
【0053】
【実施例】
以下に、本発明の方法について実施例に基づいて、より具体的に説明する。
実施例1
上記の電解槽2と電解槽1を用意した。先ず、電解槽2内で、ニッケル基超合金CMSX−4の表面にレニウム・クロム・アルミニウム合金を10μmの厚さにめっきし、続いて、このCMSX−4を電解槽1内に移動して、ニッケル・クロム・活性金属・アルミニウム合金を50μmの厚さにめっきした。前記めっきの条件は、電解槽2の電位は−0.05Vであり、電解層1の電位は−010Vである。
【0054】
前記電気めっきを施した金属部材を膜厚方向に垂直に切断し、その断面を鏡面研磨した後、皮膜の厚さ方向に測定した各元素の濃度を表6に示す。
【0055】
【表6】
【0056】
前記表6に示した結果から、レニウム・クロム・アルミニウム合金の皮膜が基材側に内層として、外層にはニッケル・クロム・イットリウム・アルミニウム合金の皮膜が溶融塩側に形成していることが分かる。
【0057】
作製した外層・内層の複層構造を有する皮膜を被着した金属部材を1100℃、アルゴン雰囲気で5時間、又は100時間加熱した。
【0058】
1100℃で、5時間加熱処理した皮膜を施した基材を切断し、断面を鏡面研磨した後、組織を観察し、EPMA装置を用いて各元素の濃度を測定した。各元素の濃度を表7に示す。
【0059】
【表7】
【0060】
前記表7に示した結果から、1100℃で5時間、加熱処理することによって、内層に含まれるアルミニウムは基材側に拡散し、基材側からニッケルとクロムが内層側に拡散している。
【0061】
1100℃で、100時間加熱処理した皮膜を施した基材を切断し、断面を鏡面研磨した後、組織を観察し、EPMA装置を用いて各元素の濃度を測定した。各元素の濃度を表8に示す。
【0062】
【表8】
【0063】
前記表8に示すように、1100℃で100時間、加熱処理すると、内層のアルミニウムの大部分は基材側に拡散する。一方、基材側からはタングステン、クロム、コバルトが内層に移行している。前記表7で観察されたニッケルは、その濃度が減少する傾向にある。コバルトの一部は外層にも達している。
【0064】
前記表7と表8に示した結果から、1100℃で加熱処理すると、内層にはレニウム、クロム、タングステン、コバルトの各原子が濃縮することが分かる。一方、アルミニウムは内層から排斥され、基材に含まれているタンタル、チタン、ニッケルは内層に侵入することができないことが分かる
【0065】
1100℃で5時間、加熱処理したCMSX−4の酸化量を測定した。酸化量の測定は、大気中、1100℃で10時間と100時間保持し、前後の重量変化から酸化増量を求めた。なお、比較例として、無処理のCMSX−4、ハステロイ−X合金についても同様の酸化量を求めた。その結果を表9に示す。
【0066】
【表9】
【0067】
前記表9から、無処理のCMSX−4はアルミニウムを約12原子%含んでいることから初期酸化量は比較的低い。しかし、長時間では、スケールの剥離による質量減少が観察される。ハステロイ−Xは大きな酸化量とスケール剥離を生じている。
【0068】
1100℃で100時間酸化した試料の断面について測定した各元素の濃度をまとめて表10に示す。
【0069】
【表10】
【0070】
前記表10に示した内層と外層の各元素の濃度は、表8に示した結果と比較すると、ほとんど変化が見られない。すなわち、アルゴン雰囲気と大気中ではアルミナ皮膜の厚さにわずかな違いがみられたものの、皮膜の構造と組成には変化が見られない。
【0071】
特に、特記すべき事項して、外層のアルミニウムは比較的高い値に維持されている。これは、内層にはアルミニウムがほとんど含まれていないことに起因している。
【0072】
以上の結果から、本発明の方法で製造した皮膜を施してなるニッケル基超合金のNi−Cr−Re系のσ(シグマ)相は優れた拡散障壁として作用していることが確認された。
【0073】
従って、前記表10に示した内層と外層の各元素の濃度は、表8に示した結果と比較すると、小さな変化が見られる程度である。すなわち、アルゴン雰囲気と大気中では、アルミナ皮膜の厚さにわずかな違いがみられたものの、皮膜の内部構造と組成の変化は無視できる程度である
【0074】
実施例2
上記の電解槽2と電解槽1を用意した。先ず、電解槽2内で、ニッケル基超合金CMSX−4の表面にレニウム・クロム・アルミニウム合金を10μmの厚さにめっきし、続いて、このCMSX−4を電解槽1内に移動して、ニッケル・クロム・活性金属・アルミニウム合金を50μmの厚さにめっきした。前記めっきの条件は、電解槽2の電位は表1の−0.05Vであり、電解層1の電位は表3の−0.05Vである。
【0075】
前記電気めっきを施した金属部材を膜厚方向に垂直に切断し、その断面を鏡面研磨した後、皮膜の厚さ方向に測定した各元素の濃度を表11に示す。
【0076】
【表11】
【0077】
前記表11に示した結果から、レニウム・クロム・アルミニウム合金の皮膜が基材側に内層として、外層にはニッケル・クロム・イットリウム・アルミニウム合金の皮膜が溶融塩側に形成していることが分かる。
【0078】
作製した外層・内層の複層構造を有する皮膜を被着した金属部材を1000℃、アルゴン雰囲気で5時間、又は100時間加熱した。
【0079】
1000℃で、5時間加熱処理した皮膜を施した基材を切断し、断面を鏡面研磨した後、組織を観察し、EPMA装置を用いて各元素の濃度を測定した。各元素の濃度を表12に示す。
【0080】
【表12】
【0081】
前記表12に示した結果から、1000℃で5時間、加熱処理することによって、ニッケルが基材側と外層側から内層へ移行し、外層のアルミニウムの一部は内層へ移行している。
【0082】
1000℃で、100時間加熱処理した皮膜を施した基材を切断し、断面を鏡面研磨した後、組織を観察し、EPMA装置を用いて各元素の濃度を測定した。各元素の濃度を表13に示す。
【0083】
【表13】
【0084】
前記表13に示すように、1000℃で100時間、加熱処理すると、基材側から内層にタングステン、コバルトが移行し、逆に、内層のアルミニウムとニッケルの濃度は減少する。
【0085】
1000℃で5時間、加熱処理したCMSX−4の酸化量を測定した。酸化量の測定は、大気中、1000℃で10時間と100時間保持し、前後の重量変化から酸化増量を求めた。なお、比較例として、無処理のCMSX−4、ハステロイ−X合金についても同様の酸化量を求めた。その結果を表14に示す。
【0086】
【表14】
【0087】
前記表14から、皮膜を被着したCMSX−4の酸化量は非常に小さく、酸化時間による増加も少ない。無処理のCMSX−4はアルミニウムを約12原子%含んでいることから初期酸化量は比較的低い。しかし、長時間では、スケールの剥離による質量減少が観察される。ハステロイ−Xは大きな酸化量とスケール剥離を生じている。
【0088】
1000℃で100時間酸化した試料の断面について測定した各元素の濃度をまとめて表15に示す。
【0089】
【表15】
【0090】
前記表15に示した内層と外層の各元素の濃度は、表8に示した結果と比較すると、ほとんど変化が見られない。すなわち、アルゴン雰囲気と大気中ではアルミナ皮膜の厚さにわずかな違いがみられたものの、皮膜の構造と組成には変化が見られない。
【0091】
特に、特記すべき事項して、外層のアルミニウムは比較的高い値に維持されている。これは、内層にはアルミニウムがほとんど含まれていないことに起因している。
【0092】
以上の結果から、本発明の方法で製造した皮膜を施してなるニッケル基超合金のNi−Cr−Re系のα(アルファ)相は優れた拡散障壁として作用していることが確認された。
Claims (4)
- 耐熱合金基体表面に、レニウムを0.01〜5.0重量%、クロムを0.01〜5.0重量%含むアルミニウム溶融塩メッキ浴を用いて、15.1〜60.0原子%のレニウム、20.0〜60.0原子%のクロム、残部アルミニウムを含む合金を電気めっきし、
続いて、ニッケルを0.01〜5.0重量%、クロムを0.01〜5.0重量%、活性金属を0.001〜1.0重量%含むアルミニウム溶融塩メッキ浴を用いて、
25.0〜75.0原子%のニッケル、5.0〜30.0原子%のクロム、0.01〜1.0原子%の活性金属、残部アルミニウムを含む合金を電気めっきし、この複層皮膜を被着してなる基材を高温で熱処理して、40.0〜70.0原子%のレニウム、25.0〜55.0原子%のクロム、0.1〜30.0原子%のニッケル、5原子%以下のアルミニウムを含む合金のシグマ相が連続層を形成してなる内層と、
29.0〜75.0原子%のニッケル、5.0〜25.0原子%のクロム、15.0〜60.0原子%のアルミニウム、1.0原子%以下の活性金属、5原子%以下のレニウムを含む合金相が連続層を形成してなる外層の複層構造を有する皮膜を形成することを特徴とする耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法。 - 耐熱合金基体表面に、レニウムを0.01〜5.0重量%、クロムを0.01〜5.0重量%含むアルミニウム溶融塩メッキ浴を用いて、
0.1〜30.0原子%のレニウム、20.0〜60.0原子%のクロム、残部アルミニウムを含む合金を電気めっきし、
続いて、ニッケルを0.01〜5.0重量%、クロムを0.01〜5.0重量%、活性金属を0.001〜1.0重量%含むアルミニウム溶融塩メッキ浴を用いて、
25.0〜75.0原子%のニッケル、5.0〜30.0原子%のクロム、0.01〜1.0原子%の活性金属、残部アルミニウムを含む合金を電気めっきし、この複層皮膜を被着してなる基材を高温で熱処理して、0.1〜30.0原子%のレニウム、60.1〜99.0原子%のクロム、0.1〜30.0原子%のニッケル、5原子%以下のアルミニウムを含む合金のアルファ相が連続層を形成してなる内層と、
29.0〜75.0原子%のニッケル、5.0〜25.0原子%のクロム、15.0〜60.0原子%のアルミニウム、1原子%以下の活性金属、5原子%以下のレニウムを含む合金相が連続層を形成してなる外層の複層構造を有する皮膜を形成することを特徴とする耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法。 - 前記活性金属が、イットリウム、セリウム、ランタン、ジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法。
- 熱処理を真空、不活性ガス,窒素ガス、又は大気中で、600〜1300℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の耐高温酸化性耐熱合金部材の製造方法。
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