JP2004035724A - ポリマー溶液の脱溶媒方法及び脱溶媒装置 - Google Patents

ポリマー溶液の脱溶媒方法及び脱溶媒装置 Download PDF

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Akiro Shirato
白戸 顕朗
Katsunori Ishii
石井 克則
Nobuaki Katayama
片山 信明
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Abstract

【課題】残留溶媒濃度及び脱溶媒に要する単位スチーム量を大幅に低減することができるポリマー溶液の脱溶媒方法及び装置を提供する。
【解決手段】本装置は、ポリマー溶液を収容するタンク1と、このタンク内に設けられる攪拌翼とを備え、この攪拌翼が、攪拌翼の反回転方向に向って湾曲する攪拌羽6根を有するコーンケーブ翼2又はスカバー翼である。本装置によると、攪拌羽根の裏側でのキャビティの発生が抑制され、ガス分散性及び接触効率が向上される。尚、上記攪拌羽根が3〜12枚であることが好ましく。また、上記攪拌羽根の羽根幅(b)と羽根深さ(e)との比(b/e)が0.3〜10.0であることが好ましい。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマー溶液の脱溶媒方法及び脱溶媒装置に関し、更に詳しくは、溶液重合により生成するポリマー溶液から溶媒を効率よく除去する脱溶媒方法及び脱溶媒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般に、溶液重合法により生成するポリマー溶液にスチームを供給して脱溶媒を行うスチームストリッピング方法が知られている。このスチームストリッピング方法では、ポリマー溶液を収容するタンク内に設けられる攪拌翼としてディスクタービン翼が汎用的に使用されている。このディスクタービン翼は、通常、タンク内で上下方向の軸心回りに回転する回転ディスクと、この回転ディスクの外周側に設けられる複数枚の平板状の攪拌羽根とを備えて構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ディスクタービン翼を用いるスチームストリッピング方法では、ポリマー溶液の攪拌中に攪拌翼を構成する平板状の各攪拌羽根の裏側に大量のキャビティ(空洞)が生じており、ポリマー溶液中へのスチームのガス分散性が比較的悪いものであると共に、撹拌動力が大幅に減少して攪拌羽根からポリマー溶液への動力伝達が低下することでポリマー溶液とスチームとの接触効率が比較的悪いものであった。その結果、残留溶媒濃度が高くなると共に、脱溶媒に要する単位スチーム量が多くなってしまうといった問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記問題の改善を図るため、攪拌羽根の裏側でのキャビティの発生を抑制でき、ガス分散性及び接触効率が共に良好となる撹拌翼の検討を鋭意実施した。その結果、攪拌羽根の縦断面が、攪拌の反回転方向に向かって湾曲及び/又は屈曲する形状である攪拌翼を用いることで、攪拌羽根の裏側でのキャビティの発生を抑制でき、ガス分散性及び接触効率を共に向上させ得ることを見出し、本発明に繋がった。
【0005】
本発明のポリマー溶液の脱溶媒方法は、ポリマー溶液に気体を供給して脱溶媒を行う脱溶媒方法において、上記ポリマー溶液を収容するタンク内に攪拌翼を備え、該攪拌翼を構成する攪拌羽根の縦断面が、該攪拌翼の反回転方向に向って湾曲及び/又は屈曲した形状であることを特徴とする。
また、上記気体がスチームであることができる。
また、上記攪拌翼がコーンケーブ翼及び/又はスカバー翼であることができる。
また、上記攪拌羽根が3〜12枚であることができる。
また、上記攪拌羽根の羽根幅(b)と羽根深さ(e)との比(b/e)が0.3〜10.0であることができる。
また、上記攪拌翼の外径(d)と上記タンクの内径(D)との比(d/D)が0.2〜0.7であることができる。
また、上記ポリマー溶液に含有されるポリマーが、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・イソプレンゴム、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、ブタジエン樹脂又はアクリル樹脂であることができる。
さらに、上記ポリマー溶液に含有される溶媒が、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプタン、トルエン、ベンゼン、キシレン、n−ヘキサン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ジクロロメタンのうちの少なくとも1種であることができる。
【0006】
本発明のポリマー溶液の脱溶媒装置は、ポリマー溶液にスチームを供給して脱溶媒を行う脱溶媒装置において、上記ポリマー溶液を収容するタンクと、該タンク内に設けられる攪拌翼とを備え、該攪拌翼を構成する攪拌羽根の縦断面が、該攪拌翼の反回転方向に向って湾曲及び/又は屈曲した形状であることを特徴とする。
また、上記攪拌翼がコーンケーブ翼及び/又はスカバー翼であることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
上記「ポリマー溶液」としては、溶液重合により生成するポリマーと溶媒とを含有する溶液を使用することができる。
このポリマーとしては、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等のスチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・イソプレンゴム等のスチレン・イソプレン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム等のエチレン・α−オレフィン系共重合体、ブチルゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、ブタジエン樹脂又はアクリル樹脂等が挙げられる。これらのうち好ましくはブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体が挙げられる。
尚、効率よく脱溶媒するためには、ポリマーの数平均分子量(Mn)が5,000〜5,000,000、特に20,000〜1,000,000、更には50,000〜500,000であることが好ましい。
【0008】
また、溶媒の種類は特に限定されないが、溶液重合において一般に用いられるシクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプタン等の脂環族炭化水素溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒、n−ヘキサン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素溶媒、及びジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。これらのうち好ましくはn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン及びトルエンが挙げられる。この溶媒は1種のみであってもよく、2種以上の溶媒を含む混合溶媒であってもよい。
この溶媒は、圧力0.1MPaにおける沸点が60〜150℃、特に65〜120℃であることが好ましい。この範囲の沸点を有する溶媒であれば、脱溶媒時に水と容易に共沸し、より容易に十分な脱溶媒を行うことができる。
【0009】
更に、脱溶媒に供する際のポリマー溶液の粘度は特に限定されないが、効率よく脱溶媒するためには、0.001〜300Pa・秒、特に0.005〜200Pa・秒、更には0.01〜100Pa・秒であることが好ましい。また、ポリマーの含有量も特に限定されないが、ポリマー溶液を100質量%とした場合に、0.1〜80質量%、特に1〜50質量%、更には5〜30質量%であることが好ましい。この含有量が過多であると配管等が閉塞することがあり、過少であるとポリマーを効率よく回収するという観点から好ましくない。
【0010】
上記「攪拌翼」は、例えば、タンク内に1つのみ設けたり、タンク内に上下2段以上の多段で設けたりできる。また、上記攪拌翼は、例えば、周知の攪拌翼と組み合わせてタンク内に上下2段以上の多段で設けることができる。上記周知の攪拌翼としては、軸流翼又は幅流翼の何れのタイプであってもよい。この軸流翼としては、例えば、プロペラ翼、パドル翼、ハイドロフォイル翼、ディスクタービン翼等を挙げることができる。さらに、上記幅流翼としては、例えば、パドル翼、ディスクタービン翼等を挙げることができる。
また、上記攪拌翼としては、例えば、コーンケーブ翼、スカバー翼、コーンケーブ翼及びスカバー翼を併用した翼等を挙げることができる。また、上記攪拌翼は、例えば、図6(a)に示すように、その縦断面が、直線部8a、8bを連接してなる屈曲形状である攪拌羽根6を有する翼であったり、図6(b)に示すように、その縦断面が、直線部8a〜8dと円弧部7とを連接してなる形状である攪拌羽根6を有する翼であったりできる。尚、上記攪拌翼がコーンケーブ翼及び/又はスカバー翼である場合、脱溶媒時にスチーム使用量を低減するほど、ディスクタービン翼である場合と比べ残留溶媒濃度の差が大きなものとなる(図9参照)。
また、上記攪拌翼の単位攪拌動力が好ましくは0.8〜5.0kW/m、より好ましくは1.3〜3.5kW/mである。上記攪拌翼の単位攪拌動力が0.8kW/mより小さい場合にはガス分散性が低下してしまい、単位攪拌動力が5.0kW/mより大きい場合にはガス拡散性は良好であるが動力消費量が大きく経済的でない。さらに、上記攪拌翼の回転数が好ましくは50〜200rpm、より好ましくは80〜180rpmである。
【0011】
上記「攪拌羽根」は、縦断面が攪拌翼の回転方向後方に向って湾曲及び/又は屈曲する形状である限り、その形状、枚数、大きさ、材質等は特に問わない。上記攪拌羽根の羽根長さ(a)と攪拌翼の外径(d)との比(a/d)が好ましくは0.1〜1.0、より好ましくは0.2〜0.4である。また、上記攪拌羽根の羽根幅(b)と羽根長さ(a)との比(b/a)が好ましくは0.3〜1.0、より好ましくは0.5〜0.9である。また、上記攪拌羽根の羽根幅(b)と羽根深さ(e)との比(b/e)が好ましくは0.3〜10.0、より好ましくは0.6〜4.0である。また、上記回転ディスクの直径(c)と上記攪拌翼の最大外径(d)との比が好ましくは0.4〜0.9、より好ましくは0.5〜0.8である。さらに、上記攪拌翼の最大外径(d)と上記タンクの内径(D)との比(d/D)が好ましくは0.2〜0.7、より好ましくは0.3〜0.5である。また、上記攪拌羽根の枚数が好ましくは3〜12枚であり、より好ましくは4〜6枚である。
また、上記攪拌羽根の正面形状としては、例えば、長方形、台形、扇形、異形等であることができる。上記正面形状とは、攪拌翼の回転方向から見た形状を意味する。さらに、上記攪拌羽根の縦断面は、例えば、攪拌翼の遠心方向に沿って連続する同じ形状であったり、攪拌翼の遠心方向に沿って連続する異なる形状であったりできる。
上記「湾曲及び/又は屈曲する形状」とは、例えば、所定の曲率を有する円弧部の1又は2以上を連接してなる湾曲形状であったり、所定の傾斜角度を有する直線部の2以上を連接してなる屈曲形状であったり、上記湾曲形状と上記屈曲形状とを組合わせてなる形状であったりすることを意味する。
【0012】
上記「コーンケーブ翼」とは、攪拌羽根の縦断面が攪拌翼の回転方向後方に向って湾曲する形状であり、上記攪拌羽根の羽根幅(b)と羽根深さ(e)との比(b/e)が1.0以上の値である攪拌翼を意味する。通常、比(b/e)は2が多用される。また、上記「スカバー翼」とは、攪拌羽根の縦断面が攪拌翼の回転方向後方に向って湾曲する形状であり、上記攪拌羽根の羽根幅(b)と羽根深さ(e)との比(b/e)が1.0より小さな値である攪拌翼を意味する。通常、比(b/e)は0.8〜0.99が多用される。
また、上記ポリマー溶液に気体を供給する手段としては、例えば、単一の供給孔を有するパイプノズル、多数の供給孔を有するリングノズル等を挙げることができる。より良好な気体分散性といった観点から、上記リングノズルであることが好ましい。
【0013】
(参考例)
参考例1−1
参考例1−1に係る装置は、図1に示すように、透明アクリル樹脂製の40リットル槽であるタンク1と、このタンク1内に気体を供給する気体供給手段と、タンク内に回転自在に支持されるコーンケーブ翼2(本発明に係る攪拌翼として例示する。)と、このコーンケーブ翼2を回転駆動させる変速機付きの駆動モータ3とを備えて基本的に構成される。上記タンク1は、所定の内径D(400mm)を有している。また、上記気体供給手段は、気体として窒素を供給可能な上下方向に延びる複数(図中2つ)のパイプノズル4を有している。また、上記駆動モータ3は、コーンケーブ翼2を所定の回転方向に所望の回転数で回転駆動させ、その単位攪拌動力を所望の値に変動させ得るようになっている。
尚、上記パイプノズル4の先端側(下端側)が屈曲され、その先端ノズル部が羽根回転と同じタンクの半径接線方向である。
【0014】
上記コーンケーブ翼2は、図2、図3及び図4に示すように、上記駆動モータ3の駆動軸と連結した回転軸3aに装着される所定の直径c(140mm)を有する回転ディスク5と、この回転ディスク5の外周側に等ピッチ間隔で装着される複数枚(図中6枚)の攪拌羽根6とを備えて基本的に構成される。このコーンケーブ翼2は所定の最大外径d(200mm)を有している。また、上記各攪拌羽根6は、所定の羽根長さa(50mm)、所定の羽根幅b(40mm)及び所定の羽根深さe(20mm)を有している。また、各攪拌羽根6の縦断面は、コーンケーブ翼2の回転方向後方に向かって湾曲する所定の曲率の円弧部7からなる湾曲形状となっている。
そして、上記攪拌羽根6の羽根長さaとコーンケーブ翼2の最大外径dとの比(a/d)が0.25、攪拌羽根6の羽根幅bと羽根長さaとの比(b/a)が0.8、攪拌羽根6の羽根幅bと羽根深さeとの比(b/e)が2、回転ディスク5の直径cとコーンケーブ翼2の最大外径dとの比(c/d)が0.7、コーンケーブ翼2の最大外径dとタンク1内径Dとの比(d/D)が0.5に設定されている。
【0015】
参考例1−1の試験条件では、タンク1内に、ポリマー溶液として、常温の水とクラムとを混合した混合液を収容する。このとき、液面レベルは実機の30%相当とされている。また、上記クラムの品種としては、スチレン−ブタジエン共重合体(密度:0.94g/cm、スラリー濃度:8質量%、クラム粒径:4〜8mm)を用いた。この状態よりパイプノズル4からタンク1内に所定流量(通気時空塔速度:1.7cm/s)で窒素ガスを供給する。その後、駆動モータ3を駆動して、回転数を徐々に上げながらコーンケーブ翼2を所定の回転方向に回転させ、攪拌翼の攪拌動力を変えて(攪拌動力:0.5〜3.0kW/m)、ガス分散状態、クラムの流動状態及びタンク内全体の流動状態等を外部から観察した。
その結果、ガス分散状態としては、ガスの吹き抜けは大幅に少なく、ガス気泡も細かいものであった。また、クラム混合状態としては、液上面部にクラム滞留は見られず、また羽根吐出流が強く上下循環が良好であった。さらに、通気時の動力としては、無通気時に比べ約1割低下した。
【0016】
参考例1−2
参考例1−2では、液レベルの影響を検討するため、液面レベルが実機の50%相当とした以外は、参考例1−1と同じ条件にて実施した。
その結果、参考例1−1に比べて液レベルが増加したにも関わらず、液上面部にクラム滞留は見られず、また上下循環も良好であった。
【0017】
参考例1−3
参考例1−3では、クラム密度の影響を検討するため、クラムの品種として、エチレン−プロピレン共重合体(密度:0.86g/cm、スラリー濃度:5質量%、クラム粒径:4〜8mm)を用いた以外は、参考例1−1と同じ条件にて実施した。
その結果、参考例1−1に比べてクラム密度が低下したにも関わらず、液上面部にクラム滞留は殆ど見られなかった。
【0018】
参考例1−4
参考例1−4では、通気方法の違いによる影響を検討するため、気体供給手段として、リングノズルを用いた以外は、参考例1−1と同じ条件にて実施した。
その結果、参考例1−1のパイプノズルに比べて、ガス分散性が良好であり、気泡も細かいものであった。また、クラム分散性としては、拡散羽根によるクラム分散効果が大きく、通気方法による差異は小さなものであった。
【0019】
参考例2−1
参考例2−1では、上述のコーンケーブ翼の代わりに、スカバー翼(最大外径d=200mm、回転ディスク直径c=140mm、羽根長さa=50mm、羽根幅b=25mm、羽根深さe=30mm、b/e=0.83)を設けて装置を構成した以外は、参考例1−1と同じ条件にて実施した。
その結果、参考例1−1と同様にして、ガス分散状態としては、ガスの吹き抜けは大幅に少なく、ガス気泡も細かいものであった。また、クラム混合状態としては、液上面部にクラム滞留は見られず、また羽根吐出流が強く上下循環が良好であった。さらに、通気時の動力としては、無通気時に比べ約1割低下した。
【0020】
参考例2−2
参考例2−2では、液レベルの影響を検討するため、液面レベルが実機の50%相当とした以外は、参考例2−1と同じ条件にて実施した。
その結果、参考例2−1に比べて液レベルが増加したにも関わらず、液上面部にクラム滞留は見られず、また上下循環も良好であった。
【0021】
参考例2−3
参考例2−3では、クラム密度の影響を検討するため、クラムの品種として、エチレン−プロピレン共重合体(密度:0.86g/cm、スラリー濃度:5質量%、クラム粒径:4〜8mm)を用いた以外は、参考例2−1と同じ条件にて実施した。
その結果、参考例2−1に比べてクラム密度が低下したにも関わらず、液上面部にクラム滞留は殆ど見られなかった。
【0022】
参考例2−4
参考例2−4では、通気方法の違いによる影響を検討するため、気体供給手段として、リングノズルを用いた以外は、参考例2−1と同じ条件にて実施した。
その結果、参考例2−1のパイプノズルに比べて、ガス分散性が良好であり、気泡も細かいものであった。また、クラム分散性としては、拡散羽根によるクラム分散効果が大きく、通気方法による差異は小さなものであった。
【0023】
比較参考例1−1
比較参考例1−1では、上述のコーンケーブ翼2の代わりに、公知の攪拌翼であるディスクタービン翼(図示せず)を設けて装置を構成した以外は、参考例1−1と同じ条件にて実施した。尚、上記ディスクタービン翼は、攪拌羽根の羽根数は6枚であり、ディスクタービン翼の最大外径dとタンクの内径Dとの比が0.36に設定されている。
その結果、ガス分散状態としては、ガスの吹き抜けは攪拌動力の増加と共に減少し、ガス気泡は細かいものであった。また、クラム混合状態としては、液上面部にクラム滞留が見られ、上下循環がやや弱いものであった。さらに、通気時の動力としては、無通気時に比べ約4割低下した。
【0024】
比較参考例1−2
比較参考例1−2では、液レベルの影響を検討するため、液面レベルが実機の50%相当とした以外は、比較参考例1−1と同じ条件にて実施した。
その結果、比較参考例1−1に比べて、液レベルの増加により液上面部のクラム滞留が増加し、上下循環流も弱くなった。
【0025】
比較参考例1−3
比較参考例1−3では、クラム密度の影響を検討するため、クラムの品種として、エチレン−プロピレン共重合体(密度:0.86g/cm、スラリー濃度:5質量%、クラム粒径:4〜8mm)を用いた以外は、比較参考例1−1と同じ条件にて実施した。
その結果、比較参考例1−1に比べて同じ攪拌動力であっても、このように比重の軽いクラムが液上面部に滞留し易いものであった。
【0026】
比較参考例1−4
比較参考例1−4は、通気方法の違いによる影響を検討するため、気体供給手段として、リングノズルを用いた以外は、比較参考例1−1と同じ条件にて実施した。
その結果、比較参考例1−1のパイプノズルに比べて、ガス分散性が良好であり、気泡も細かいものであった。また、クラム分散性としては、リングノズルの方が攪拌への寄与があり、クラム分散が良好であった。
【0027】
比較参考例2−1
比較参考例2−1では、上述のコーンケーブ翼2の代わりに、公知の攪拌翼であるフルゾーン翼を設けて装置を構成し、このフルゾーン翼の攪拌動力を0.5〜1.5kW/mの範囲で変化させた以外は、参考例1−1と同じ条件にて実施した。尚、上記フルゾーン翼9は、図7に示すように、攪拌羽根6の羽根数は上下に2枚であり、このフルゾーン翼の最大外径dとタンクの内径Dとの比が0.55に設定されている。
その結果、ガス分散状態としては、ガスの吹き抜けは少なく、気泡がやや大きいが良く分散していた。羽根の垂直方向での気泡の再分散に寄与している。また、クラム混合状態としては、タンク全体での流動が良好であった。羽根による上下流が強いものであった。さらに、通気時の動力としては、無通気時に比べ約1割低下した。
【0028】
比較参考例2−2
比較参考例2−2では、液レベルの影響を検討するため、液面レベルが実機の50%相当とした以外は、比較参考例2−1と同じ条件にて実施した。
その結果、比較参考例2−1に比べて液面レベルが増加するが、羽根が液面近くまであるので、液上面部にクラム滞留は見られない。
【0029】
比較参考例2−3
比較参考例2−3では、クラム密度の影響を検討するため、クラムの品種として、エチレン−プロピレン共重合体(密度:0.86g/cm、スラリー濃度:5質量%、クラム粒径:4〜8mm)を用いた以外は、比較参考例2−1と同じ条件にて実施した。
その結果、比較参考例2−1に比べてクラム密度が低下したにも関わらず、液上面部にクラム滞留は見られない。
【0030】
比較参考例2−4
比較参考例2−4では、通気方法の違いによる影響を検討するため、気体供給手段として、リングノズルを用いた以外は、比較参考例2−1と同じ条件にて実施した。
その結果、比較参考例2−1のパイプノズルに比べて、ガス分散性が良好であり、気泡も細かいものであった。また、クラム分散性としては、拡散羽根によるクラム分散効果が大きく、通気方法による差異は小さなものであった。
【0031】
以上のような参考例及び比較参考例により、ガス分散、混合状態及び通気時の撹拌動力から見て、コーンケーブ翼及びスカバー翼がもっともスチームストリッピング方法の撹拌羽根として適していることが分かった。以下に、その詳細な理由を列記する。
(a)スチームストリッピングでは大量のスチームを使用してポリマー溶液からの脱溶媒操作を行う為、脱溶媒の高効率化にはガス分散性が第1のポイントである。この点から、より細かな気泡分散が得られるコーンケーブ翼及びスカバー翼が既存のディスクタービン翼やフルゾーン翼より優れており、脱溶媒効果の向上が期待される。
(b)スチームストリッピングでは大量のスチームを使用することからスチーム通気による動力低下が少ないコーンケーブ翼及びスカバー翼が撹拌動力低下の大きなディスクタービン翼より安定した撹拌を行うことが出来る利点がある。また単位撹拌動力を大きく保つことでクラムとガスの接触効果向上が期待され、脱溶媒効果向上の点でより好ましい。
(c)コーンケーブ翼及びスカバー翼では、液レベルを上昇させても撹拌槽内の上下循環が強く、運転時の液位を高く保つことが容易である。このことは、スチームストリッピングの滞留時間を長くでき、脱溶媒効果を向上できる利点がある。
(d)クラムの密度が小さいクラム程液面上に浮き易くマット化等安定運転の障害になり、この改善の為には、クラム密度の小さいクラムでも上手く混合することが重要である。この点でもコーンケーブ翼及びスカバー翼の方がディスクタービン翼よりクラムの浮き易さは少なく、コーンケーブ翼及びスカバー翼の優位性が確認できた。
【0032】
(実施例1)
実施例1−1
本発明に係る脱溶媒方法及び装置をポリマー回収システム(プラント)に用いた一例について説明する。この回収システム10は、図8に示すように、第1及び第2脱溶媒装置11,12(ストリッパーともいう。)と、この第1脱溶媒装置11のタンク11a(内容積2.5m)にポリマー溶液を移送するための配管13と、この配管13の途中にスチーム(0.3MPaゲージ圧、160℃)を供給するためのスチーム供給用配管14と、第2脱溶媒装置のタンク12a(内容積2.5m)にスチームを供給するための配管19とを備えて基本的に構成される。上記第1及び第2脱溶媒装置11,12は、ポリマー溶液を攪拌するためのコーンケーブ翼2を夫々備えている。
【0033】
配管13内を移送されるポリマー溶液には、スチーム供給用配管14から供給されるスチームがフラッシュされ、溶液とスチームとが十分に接触した状態で脱溶されつつ、第1脱溶媒装置11のタンク11a内に投入される。このタンク11a内で、コーンケーブ翼2の攪拌により、ポリマー溶液、温水及びスチームが混合されてより効率良く脱溶が行われる。この第1脱溶媒装置11によりポリマー溶液からの脱溶はほぼ完了するが、まだクラム中に残留している溶媒が多いので、このクラムをポンプ16の作用で第2脱溶媒装置12のタンク12aへ移送して再度脱溶媒を行った後、固形のクラムを水スラリー液で仕上工程(乾燥工程)へ移送する。また、第1脱溶媒装置11で、ポリマー溶液から脱溶された溶媒は、蒸気としてタンク11a上部から抜け出し配管15を介して凝縮器17で凝縮後、デカンター18に移送される。このデカンター18内で溶媒と固形分とが分離され、溶媒は精製された後、回収される。
【0034】
尚、上記実施例では、配管13内を移送されるポリマー溶液にスチームを接触させて配管内で脱溶媒するようにしたが、それらの配管の連結部に気液混合器を設け、この気液混合器でポリマー溶液とスチームとを接触させれば、より効率良く脱溶することができる。さらに、第1脱溶媒装置11のタンク11aの液相部にスチームを直接供給するようにすれば、さらに効率良く脱溶を行うことができる。
【0035】
上記第1脱溶媒装置11のコーンケーブ翼2は、攪拌羽根の羽根長さa(112mm)とコーンケーブ翼の最大外径d(445mm)との比(a/d)が0.25、攪拌羽根の羽根幅b(90mm)と羽根長さaとの比(b/a)が0.80、攪拌羽根の羽根幅bと羽根深さe(45mm)との比(b/e)が2、回転ディスクの直径c(300mm)とコーンケーブ翼2の最大外径dとの比(c/d)が0.67、コーンケーブ翼の最大外径dとタンク11aの内径D(1200mm)との比(d/D)が0.37、羽根枚数が6枚に設定されている。また、コーンケーブ翼の単位攪拌動力が2.6kW/mであり、運転液レベルが35%に設定した。
上記第2脱溶媒装置12のコーンケーブ翼2は、攪拌羽根の羽根長さa(104mm)とコーンケーブ翼の最大外径d(417mm)との比(a/d)が0.25、攪拌羽根の羽根幅b(83mm)と羽根長さaとの比(b/a)が0.8、攪拌羽根の羽根幅bと羽根深さe(42mm)との比(b/e)が2、回転ディスクの直径c(280mm)とコーンケーブ翼の最大外径dとの比(c/d)が0.67、コーンケーブ翼の最大外径dとタンク内径D(1200mm)との比(d/D)が0.34、羽根枚数が6枚に設定されている。また、コーンケーブ翼の単位攪拌動力が1.3kW/mであり、運転液レベルが45%に設定した。
【0036】
上記構成の回収システム10において、溶液重合代表品種の1種類であるスチレン−ブタジエン共重合体(15質量%)溶液に所定の供給量でスチーム(0.3MPaゲージ圧、160℃)を供給して脱溶媒を行った。ポリマー溶液の供給量は100kg/hr、スチーム供給量68kg/hr、スチーム/溶媒比0.80で行なった。尚、溶媒としてシクロヘキサンを使用した。
その結果、クラム流動状態は良好であり、スチーム通気時の液面からのスチーム吹き抜けによる液面盛り上がりも少ないことが観測された。また、第2脱溶媒装置のタンク出口におけるクラムの残留溶媒濃度が0.7質量%であった。尚、本実施例1において、脱溶媒後のポリマーの残留溶媒濃度とは乾燥ポリマー中の溶媒濃度のことであり、例えば、ガスクロマトグラフィー(FIDを備える装置等を用いる)により求めることができる。これは、以下の比較例でも同様である。
【0037】
実施例1−2
実施例1−2では、実施例1−1より多いスチーム供給量82kg/hr(実施例1−1の1.2倍、スチーム/溶媒比0.96)でスチーム(0.3MPaゲージ圧、160℃)を供給して脱溶媒を行う以外は、実施例1−1と同じ条件にて実施した。
その結果、第2脱溶媒装置のタンク出口におけるクラムの残留溶媒濃度が0.6質量%であった。
【0038】
実施例1−3
実施例1−3では、実施例1−1より少ないスチーム供給量54kg/hr(実施例1−1の0.8倍、スチーム/溶媒比0.64)でスチーム(0.3MPaゲージ圧、160℃)を供給して脱溶媒を行う以外は、実施例1−1と同じ条件にて実施した。
その結果、第2脱溶媒装置のタンク出口におけるクラムの残留溶媒濃度が0.8質量%であった。
【0039】
比較例1−1
比較例1−1では、上述の回収システム10において、第1及び第2脱溶媒装置11,12の構成を変更した以外は、実施例1−1と同じ構成及び条件にて実施した。スチーム供給量は68kg/hr(スチーム/溶媒比0.80)とした。
即ち、第1脱溶媒装置11は、タンク11a内にディスクタービン翼を有している。このディスクタービン翼は、その最大外径d(433mm)とタンク内径D(1200mm)との比(d/D)が0.36に設定されている。また、攪拌羽根の枚数が6枚に設定されている。さらに、ディスクタービン翼の単位攪拌動力が1.7kW/mであり、運転液レベルが35%に設定されている。また、第2脱溶媒装置12は、タンク内にディスクタービン翼を有している。このディスクタービン翼は、その最大外径d(407mm)とタンク内径D(1200mm)との比(d/D)が0.33に設定されている。また、攪拌羽根の枚数が6枚に設定されている。また、ディスクタービン翼の単位攪拌動力が0.9kW/mであり、運転液レベルが45%に設定した。
その結果、実施例1−1と比べて、クラム流動状態は悪く、スチーム通気時の液面からのスチーム吹き抜けによる液面盛り上がりも多く観測された。また、第2脱溶媒装置のタンク出口におけるクラムの残留溶媒濃度が1.0質量%であった。
【0040】
比較例1−2
比較例1−2では、比較例1−1より多いスチーム供給量82kg/hr(比較例1−1の1.2倍、スチーム/溶媒比0.96)でスチームを供給して脱溶媒を行う以外は、比較例1−1と同じ条件で実施した。
その結果、第2脱溶媒装置のタンク出口におけるクラムの残留溶媒濃度が0.7質量%であった。
【0041】
比較例1−3
比較例1−3では、比較例1−1より少ないスチーム供給量54kg/hr(比較例1−1の0.8倍、スチーム/溶媒比0.64)でスチームを供給して脱溶媒を行う以外は、比較例1−1と同じ条件で実施した。
その結果、第2脱溶媒装置のタンク出口におけるクラムの残留溶媒濃度が1.5質量%であった。
【0042】
以上のような実施例及び比較例により、図9に示すように、コーンケーブ翼を使用した脱溶媒では、ディスクタービン翼を使用した脱溶媒に比べて、スチームを低減した場合でもクラム中の残留溶媒濃度が少なく、また残留溶媒濃度の上昇率も小さいことがポリマー溶液の代表品種で確認できた。また、スチーム使用量68kg/hr(スチーム/溶媒比0.80)における残留溶媒濃度を比較すると、ディスクタービン翼の場合の残留溶媒濃度1.0%からコーンケーブ翼の場合では0.7%と約30%低下することを確認した。さらに、スチーム低減時に心配された第1脱溶媒装置でのクラムのマット化(クラムが凝集してマット状となり、運転不能になる現象)も発生せず、安定した運転が出来ることが確認できた。
【0043】
【発明の効果】
本発明のポリマー溶液の脱溶媒方法によれば、攪拌羽根の縦断面が、攪拌翼の反回転方向に向って湾曲又は屈曲する形状であるので、攪拌中の攪拌羽根の裏側でのキャビティの発生が抑制され、気体のガス分散性及びポリマー溶液と気体との接触効率を向上させることができる。その結果、残留溶媒濃度及び脱溶媒に要する単位スチーム量を大幅に低減することができ、効率良く脱溶媒を行うことができる。
上記気体がスチームである場合は、ガス分散性及び接触効率をより向上させることができる。
また、上記攪拌翼がコーンケーブ翼及び/又はスカバー翼である場合は、ガス分散性及び接触効率をより向上させることができる。
また、上記攪拌羽根が3〜12枚である場合は、ガス分散性及び接触効率をより向上させることができる。
また、上記攪拌羽根の羽根幅(b)と羽根深さ(e)との比(b/e)が0.3〜10.0である場合は、ガス分散性及び接触効率をより向上させることができる。
また、上記攪拌翼の外径(d)と上記タンクの内径(D)との比(d/D)が0.2〜0.7である場合は、ガス分散性及び接触効率をより向上させることができる。
また、ポリマー溶液に含有されるポリマーが、特定のものである場合は、より残留溶媒の少ないポリマーが得られる。
さらに、溶媒が特定のものである場合は、より容易に残留溶媒濃度を低減することができる。
本発明のポリマー溶液の脱溶媒装置によれば、スチームのガス分散性及びポリマー溶液とスチームとの接触効率を向上させることができ、その結果、残留溶媒濃度及び脱溶媒に要する単位スチーム量を大幅に低減することができ、効率良く脱溶媒を行うことができる。
上記攪拌翼がコーンケーブ翼及び/又はスカバー翼である場合は、ガス分散性及び接触効率をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例において用いた装置の一例を示す説明模式図である。
【図2】コーンケーブ翼を説明するための斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】スカバー翼を説明するための攪拌羽根の縦断面図である。
【図6】攪拌羽根の他の形態を説明するための縦断面図である。
【図7】フルゾーン翼を説明するための正面図である。
【図8】本発明の実施例1に係る脱溶媒装置を用いたポリマー回収システムを示す説明模式図である。
【図9】本発明の実施例1及び比較例におけるスチーム使用量と残留溶媒濃度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1;タンク、2;コーンケーブ翼、6;攪拌羽根、11;第1脱溶媒装置、11a;タンク、12;第2脱溶媒装置、12a;タンク、a;羽根長さ、b;羽根幅、c;回転ディスクの直径、d;攪拌翼の最大外径、e;羽根深さ。

Claims (10)

  1. ポリマー溶液に気体を供給して脱溶媒を行う脱溶媒方法において、上記ポリマー溶液を収容するタンク内に攪拌翼を備え、該攪拌翼を構成する攪拌羽根の縦断面が、該攪拌翼の反回転方向に向って湾曲及び/又は屈曲した形状であることを特徴とするポリマー溶液の脱溶媒方法。
  2. 上記気体がスチームである請求項1記載のポリマー溶液の脱溶媒方法。
  3. 上記攪拌翼がコーンケーブ翼及び/又はスカバー翼である請求項1又は2記載のポリマー溶液の脱溶媒方法。
  4. 上記攪拌羽根が3〜12枚である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリマー溶液の脱溶媒方法。
  5. 上記攪拌羽根の羽根幅(b)と羽根深さ(e)との比(b/e)が0.3〜10.0である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリマー溶液の脱溶媒方法。
  6. 上記攪拌翼の外径(d)と上記タンクの内径(D)との比(d/D)が0.2〜0.7である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポリマー溶液の脱溶媒方法。
  7. 上記ポリマー溶液に含有されるポリマーが、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・イソプレンゴム、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、ブタジエン樹脂又はアクリル樹脂である請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載のポリマー溶液の脱溶媒方法。
  8. 上記ポリマー溶液に含有される溶媒が、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプタン、トルエン、ベンゼン、キシレン、n−ヘキサン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ジクロロメタンのうちの少なくとも1種である請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載のポリマー溶液の脱溶媒方法。
  9. ポリマー溶液にスチームを供給して脱溶媒を行う脱溶媒装置において、上記ポリマー溶液を収容するタンクと、該タンク内に設けられる攪拌翼とを備え、該攪拌翼を構成する攪拌羽根の縦断面が、該攪拌翼の反回転方向に向って湾曲及び/又は屈曲した形状であることを特徴とするポリマー溶液の脱溶媒装置。
  10. 上記攪拌翼がコーンケーブ翼及び/又はスカバー翼である請求項9のポリマー溶液の脱溶媒装置。
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