JP2004034642A - インクジェット記録用シート - Google Patents

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Ryuta Miyake
三宅 竜太
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Abstract

【課題】光透過型の表示シートであっても、密着性に優れるインクジェット記録用シートを提供することにある。
【解決手段】基材と、この基材の少なくとも一方の面に形成された接着層と、この接着層の上に形成されたインク受容層とで構成されているシートであって、前記接着層がウレタン系樹脂及びビニル系重合体から選択された少なくとも一種の接着性樹脂で構成され、かつ前記インク受容層が、水性ウレタン系樹脂及び水性ポリエステル系樹脂から選択された少なくとも一種の水系樹脂と酢酸ビニル系重合体のケン化物とを含む水性溶液中で、親水性ビニル単量体及び共重合性ビニル単量体を、前者/後者=100/0〜60/40程度の割合(重量比)で含有する単量体組成物を重合した水性重合体組成物(A1)、及び/又は架橋性基含有カチオン性ビニル系重合体(A2)で構成されたインクジェット記録用シートを調製する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンターで記録画像を形成するための記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、時計文字盤や電飾看板、計器パネル等の表示シート(特に光透過型の表示シート)は、プラスチックで構成されたパネルに直接印刷を施したり、予め印刷を施したシートをパネルに固定して製造されている。一方、プラスチックシートの印刷方法として、近年、インクジェット記録方式が注目されている。インクジェット記録方式は、フルカラー化が容易であり、低騒音で印字品質に優れているため、前記表示シートの画像記録において用いられている。インクジェット記録には、安全性、記録適性の点から主に水系インクが使用され、ノズルからシートにむけてインク小滴を飛翔させることにより記録が行われる。
【0003】
例えば、特開平10−151850号公報には、光透過性基材の上に、ポリビニルアルコールなどで構成されたインキ受容層が形成された電飾看板用記録材が開示されている。この文献には、基材とインキ受容層との密着性を向上させるために、ポリエステル系樹脂やポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂等で構成されたアンカーコート層を設けてもよいことが記載されている。しかし、この記録材では耐熱性や接着性が充分でない。
【0004】
特開平10−228252号公報には、工程シートに支持されたインク受理層の表面に印刷を施し、その印刷面上に透明保護シートを積層する電飾看板用の表示シートの製造方法が開示されている。前記工程シートは、インク受理層と透明保護シートが積層された後に除去されるため、シリコーン樹脂などによって剥離処理がなされている。従って、このシートは接着性が充分でなく、また耐熱性も充分でない。
【0005】
特開平11−273433号公報には、光拡散層とインクジェット記録層とを備えた電飾看板用透過表示板作製シートが開示されている。しかし、このシートも接着性及び耐熱性が充分でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、光透過型の表示シートであっても、密着性に優れるインクジェット記録用シートを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、光透過型の表示シートであっても、高温で保存しても着色の少ないインクジェット記録用シートを提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、透明性に優れるとともに、耐候性にも優れるインクジェット記録用シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討の結果、基材と特定の成分で構成されたインク受容層との間に、特定の成分で構成された接着層を設けた構造を有するインクジェット記録用シートを光透過型の表示シートに用いると、密着性に優れ、かつ高温で保存しても着色の少ないことを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明のインクジェット記録用シートは、基材と、この基材の少なくとも一方の面に形成された接着層と、この接着層の上に形成されたインク受容層とで構成されているシートであって、前記接着層が、ウレタン系樹脂及びビニル系重合体から選択された少なくとも一種の接着性樹脂で構成され、前記インク受容層が、水性重合体組成物(A1)及び架橋性基含有カチオン性ビニル系重合体(A2)から選択された少なくとも一種で構成されており、前記水性重合体組成物(A1)が、水性ウレタン系樹脂及び水性ポリエステル系樹脂から選択された少なくとも一種の水系樹脂と酢酸ビニル系重合体のケン化物とを含む水性溶液中で、親水性ビニル単量体及び共重合性ビニル単量体を、前者/後者=100/0〜60/40程度の割合(重量比)で含有する単量体組成物を重合した組成物である。前記基材は、ポリカーボネート系樹脂で構成されていてもよい。前記接着層は、水性アクリル系ウレタン樹脂で構成されていてもよい。印字の鮮明性を向上する観点から、前記接着層は白色顔料を含有していてもよい。前記インク受容層は、さらに変性酢酸ビニル系重合体又はそのケン化物(A3)を含んでいてもよい。インク受容層保護の観点から、前記インク受容層の上に、さらに保護層を形成してもよい。前記記録用シートは、光源からの光を照射可能な基板の他方の面に光拡散層が形成されていてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の記録用シートは、基材と、この基材の少なくとも一方の面に形成された接着層と、この接着層の上に形成されたインク受容層とで構成されている。
【0012】
[基材]
基材としては、不透明や半透明、透明な基材が使用でき、紙や合成紙、化学繊維紙であってもよいが、通常、透明なプラスチックフィルム又はシートなどの光透過性基材が好ましい。基材の全光線透過率は、50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
【0013】
プラスチックフィルムを構成するポリマーとしては、種々の樹脂(熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂)が使用でき、通常、熱可塑性樹脂が使用される。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレンなどのポリC2−4オレフィン系樹脂など)、ハロゲン系重合体(例えば、ポリ塩化ビニルなど)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレンなど)、セルロース誘導体(酢酸セルロースなどのセルロースエステル等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレートなどのポリアルキレンアリレートなど)、ポリカーボネート系樹脂(例えば、ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6などの脂肪族ポリアミドなど)、ビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等)等が挙げられる。さらに、透明性に問題がなければ、これらの共重合体、ブレンド物、架橋物も使用することができる。これらのフィルムのうち、通常、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が使用され、特に、接着性、耐熱性、耐光性、機械的強度等の点からポリカーボネート系樹脂が好ましい。
【0014】
ポリカーボネート系樹脂としては、ジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応によって得られたポリカーボネートであってもよく、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(ジフェニルカーボネートやジメチルカーボネート等)とのエステル交換によって得られたポリカーボネートであってもよい。
【0015】
ジヒドロキシ化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン等のビスフェノール化合物などが挙げられる。これらのうち、通常、ビスフェノールAが使用される。これらのポリカーボネート系樹脂のうち、ビスフェノールA型ポリカーボネートが特に好ましい。
【0016】
これらの樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて単層フィルムまたは積層フィルムとして使用できる。
【0017】
プラスチックフィルムもしくはシートには必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、滑材、顔料、紫外線吸収剤等を添加してもよい。また、接着性を向上させるため、コロナ放電処理やアンダーコート処理等も行うこともできる。
【0018】
基材の厚みは、用途に応じて選択でき、通常、50〜3000μm、好ましくは100〜2500μm、さらに好ましくは300〜2000μm(特に400〜1500μm)程度である。
【0019】
[接着層]
接着層は、前記基材とインク受容層との密着性を改良するために設けられ、少なくとも接着性樹脂を含む。インク受容層に印字された画像を鮮明にするためには、白色顔料を含んでもよい。
【0020】
(接着性樹脂)
接着性樹脂としては、ウレタン系樹脂及び/又はビニル系重合体を使用することができる。
【0021】
ウレタン系樹脂としては、例えば、ジイソシアネート成分と、ジオール成分との反応により得られるウレタン系重合体が例示できる。
【0022】
ジイソシアネート成分としては、芳香族ジイソシアネート(例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等)、芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、キシリレンジイソシアネートなど)、脂環式ジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネートなど)、脂肪族ジイソシアネート(例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等)等が例示できる。ジイソシアネート成分は、アダクト体であってもよく、必要によりトリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート成分と併用してもよい。ジイソシアネート成分は、単独で又は二種以上で組み合わせて使用できる。
【0023】
ジオール成分としては、例えば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール等が例示できる。ジオール成分は、単独で又は二種以上で組み合わせて使用できる。
【0024】
ポリエステルジオールは、ジオール、ジカルボン酸又はその反応性誘導体(低級アルキルエステル,酸無水物)との反応に限らず、ラクトンから誘導してもよい。ジオールには、例えば、脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のC2−10アルキレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリオキシC2−4アルキレングリコール等)、脂環式ジオール、芳香族ジオール等が含まれる。ジオールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジオールは、必要により、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオールと併用してもよい。
【0025】
ジカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族C4−14脂肪族ジカルボン酸など)、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)等が例示される。これらのジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジカルボン酸は、必要により、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸と併用してもよい。
【0026】
ラクトンには、例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、ラウロラクトン等が含まれ、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0027】
これらのウレタン系樹脂のうち、ジオール成分としてポリエーテルジオール(ポリオキシテトラメチレングリコールなど)を用いたポリエーテル型ウレタン系樹脂や、ポリエステルジオールを用いたポリエステル型ウレタン系樹脂(例えば、1,4−ブタンジオールなどのC2−6アルキレンジオールと、アジピン酸などのC4−12脂肪族ジカルボン酸、及びイソフタル酸又はフタル酸との反応により得られるポリエステルジオールや前記ラクトンから誘導されるポリエステルジオールを用い、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートと反応させたウレタン樹脂など)が好ましい。
【0028】
ウレタン系樹脂は、有機溶媒溶液、水溶液、水性エマルジョンとして用いるのが好ましい。ウレタン系樹脂の水溶液又は水性エマルジョン(水性ウレタン系樹脂)は、ウレタン系樹脂を、乳化剤を用いて、溶解又は乳化分散させて調製してもよく、ウレタン系樹脂の分子内に遊離のカルボキシル基や3級アミノ基等のイオン性官能基を導入し、アルカリや酸を用いて、ウレタン系樹脂を溶解又は分散させることにより調製してもよい。このような分子内に遊離のカルボキシル基や3級アミノ基が導入されたウレタン系樹脂は、ジイソシアネート成分と、遊離のカルボキシル基又は3級アミノを有するジオール(特に高分子ジオール)成分との反応により得られるウレタン系樹脂で構成される。なお、前記遊離のカルボキシル基を有するジオール(特に高分子ジオール)は、例えば、ジオール成分と、3以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸又はその無水物(例えば、無水ピロメリット酸などの4塩基酸無水物など)や、スルホン酸基を有する多価カルボン酸(スルホイソフタル酸など)との反応、ジメチロールプロピオン酸やN−メチルジエタノールアミンなどを用いる方法により調製できる。第3級アミノ基は4級アンモニウム塩を形成してもよい。ポリウレタン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0029】
ビニル系重合体としては、アクリル系重合体[ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、アクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体等]、ビニルエーテル系重合体(ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等のポリビニルC1−6アルキルエーテル、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体などのC1−6アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体等)、スチレン系重合体[スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸C1−10アルキルエステル共重合体、ポリスチレンスルホン酸又はその塩等]、酢酸ビニル系重合体[酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体等]、ビニルアルコール系重合体(ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等)等が例示できる。これらのビニル系重合体のうち、アクリル系重合体やスチレン重合体、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸C1−10アルキルエステル共重合体などが好ましい。これらのビニル系重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0030】
前記接着性樹脂の中でも、水性アクリル系ウレタン樹脂が特に好ましい。水性アクリル系ウレタン樹脂には、前記水性ウレタン系樹脂において、ポリオール成分として、アクリルポリオールを用いて得られた水性ウレタン系樹脂が含まれる。アクリルポリオールとしては、ヒドロキシ(メタ)アクリレートの重合体や、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと共重合可能なビニル系単量体との共重合体等が使用できる。アクリルポリオールの重量平均分子量は、1000〜100000、好ましくは5000〜50000、さらに好ましくは8000〜30000程度である。
【0031】
ヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸5,6−ジヒドロキシヘキシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2−6アルキルエステルなどが例示できる。これらのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。共重合可能なビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル等の(メタ)アクリル系単量体や、酢酸ビニル、無水マレイン酸、スチレン等のビニル系単量体等が例示できる。
【0032】
ポリオール成分中のアクリルポリオールの含有量は、5重量%以上(例えば、5〜60重量%)、好ましくは7〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%程度である。ポリオール成分は、アクリルポリオールの他に、前記ウレタン系樹脂の項で例示されたジオール成分、ロジン変性ポリオールやダイマージオール等のポリオール成分などを含んでいてもよい。
【0033】
ロジン変性ポリオールとしては、ジエポキシ化合物に対して2倍モル量のロジン類を反応させたロジン変性ポリオールが使用できる。ロジン類としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の天然ロジンや、精製ロジン、不均化ロジン、水添ロジン等の合成ロジン等が例示できる。ジエポキシ化合物としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル等が例示できる。
【0034】
ダイマージオールとしては、不飽和脂肪酸を二量化したダイマー酸を還元して得られたダイマージオールが使用できる。ダイマー酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等のC12−24不飽和脂肪酸等が例示できる。
【0035】
ポリオール成分中のロジン変性ポリオールやダイマージオールの含有量は、それぞれ1〜40重量%、好ましくは2〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%程度である。
【0036】
接着性樹脂は、接着力を有する他の樹脂、例えば、種々の熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース誘導体、ポリカーボネート系樹脂等)、熱硬化性樹脂(エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂等)等と組み合わせて使用してもよい。
【0037】
(白色顔料)
白色顔料としては、チタン系白色顔料[酸化チタン(チタン白)など]、亜鉛系白色顔料(酸化亜鉛、硫化亜鉛等)、複合白色顔料(リトポンなど)、体質顔料[ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミニウム系体質顔料(アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム等)、シリカ、マイカ、ベントナイト等]等が例示できる。これらの白色顔料のうち、チタン系白色顔料、特に酸化チタンが好ましい。
【0038】
酸化チタンの結晶型は、アナターゼ型であってもよいが、屈折力が大きくて隠蔽力に優れる点から、ルチル型が好ましい。
【0039】
白色顔料の平均粒径は3μm以下が好ましく、例えば、0.01〜3μm、好ましくは0.05〜2μm(例えば、0.05〜1μm)、さらに好ましくは0.1〜1μm(例えば、0.1〜0.5μm)程度である。
【0040】
白色顔料の割合は、接着性樹脂100重量部に対して、1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部、さらに好ましくは10〜15重量部程度である。
【0041】
接着層には、慣用の添加剤、例えば、染料定着剤(4級アンモニウム塩などのカチオン性化合物など)、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤等)、染顔料、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、アンチブロッキング剤、充填剤、着色剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤等を含有していてもよい。
【0042】
接着層の厚みは、0.1〜50μm、好ましくは0.5〜30μm、さらに好ましくは1〜10μm(特に2〜5μm)程度である。
【0043】
[インク受容層]
インク受容層は、インクジェット記録用インクを受容可能な樹脂で構成することができる。簡便性の点から、インクジェット記録用インクとしては水性インクが汎用されており、水性インクを使用する場合は、インク受容層も親水性重合体で構成するのが好ましい。
【0044】
インク受容層を構成する樹脂は、水性ウレタン系樹脂及び水性ポリエステル系樹脂から選択された少なくとも一種の水系樹脂と酢酸ビニル系重合体のケン化物とを含む水性溶液中で、親水性ビニル単量体及び共重合性ビニル単量体を、前者/後者=100/0〜60/40程度の割合(重量比)で含有する単量体組成物を重合した水性重合体組成物(A1)、及び/又は架橋性基含有カチオン性ビニル系重合体(A2)で構成されている。
【0045】
水性重合体組成物(A1)において、水性ウレタン系樹脂は、接着層の項で例示された水性ウレタン系樹脂を使用できる。水性ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分(テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸や、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸等)とジオール成分(エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルキレンジオールなど)との反応により得られるポリエステル樹脂において、親水性基が導入されたポリエステル樹脂が使用できる。親水性基の導入方法としては、例えば、ジカルボン酸成分として、スルホン酸塩基やカルボン酸塩基等を有するジカルボン酸成分を用いる方法が例示できる。このようなジカルボン酸成分には、5−ナトリウムスルホイソフタル酸や、3官能以上の多価カルボン酸等が含まれる。
【0046】
酢酸ビニル系重合体のケン化物としては、例えば、ポリ酢酸ビニルのケン化物、酢酸ビニルとビニル系単量体との共重合体[エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸メチル等]のケン化物などが例示できる。ケン化度は、例えば、75〜100%、好ましくは80〜100%、さらに好ましくは90〜100%程度である。重合度は300〜10000、好ましくは500〜5000、さらに好ましくは1000〜3000程度である。
【0047】
親水性ビニル単量体としては、例えば、カルボキシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸、マレイン酸等]、ヒドロキシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等]、アミド基含有単量体[(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド等]、スルホン酸基含有単量体[ビニルスルホン酸など]等が例示できる。これらの親水性ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0048】
共重合性ビニル単量体としては、例えば、アクリル系単量体[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等]、カチオン性アクリル系単量体[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、4−(2−ジメチルアミノエチル)スチレン等]、芳香族ビニル系単量体[スチレン、ビニルトルエン等]、ビニルエステル系単量体[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等]等が例示できる。これらのうち、カチオン性単量体を使用すると、インク定着性が向上するため好ましい。
【0049】
親水性ビニル単量体と共重合性ビニル単量体との割合(重量比)は、前者/後者=100/0〜60/40、好ましくは100/0〜70/30、さらに好ましくは100/0〜80/20程度である。
【0050】
酢酸ビニル系重合体ケン化物の割合は、水性ウレタン系樹脂及び/又は水性ポリエステル系樹脂100重量部に対して、10〜500重量部、好ましくは20〜300重量部程度である。ビニル性単量体の割合は、水性ウレタン系樹脂及び/又は水性ポリエステル系樹脂100重量部に対して、10〜500重量部、好ましくは20〜300重量部程度である。
【0051】
水性重合体組成物(A1)の製造方法としては、例えば、水性ウレタン系樹脂及び/又は水性ポリエステル系樹脂と、酢酸ビニル系重合体ケン化物とを含む水分散液中にラジカル重合開始剤及び必要に応じて少量の乳化分散剤を添加し、70〜80℃程度でビニル系単量体を攪拌しながら徐々に添加した後、2〜5時間程度熟成する方法などを挙げることができる。このようにして得られた水性重合体組成物(A1)は、グラフト重合体組成物であるのが好ましい。
【0052】
架橋性基含有カチオン性ビニル系重合体(A2)としては、架橋性ビニル単量体とカチオン性ビニル単量体とを重合して得られるビニル系重合体が例示できる。前記重合体を構成する単量体としては、さらに、親水性ビニル単量体や共重合性ビニル単量体、特に親水性ビニル単量体が含まれていてもよい。
【0053】
架橋性ビニル単量体としては、エポキシ基含有ビニル単量体[(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アリルグリシジルエーテル等]、メチロール基含有単量体[N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等]、加水分解縮合性基含有単量体[ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルトリアルコキシシラン、ビニルメトキシジメチルシランなどのビニルアルコキシジアルキルシラン、ビニルジメトキシメチルシランなどのビニルジアルコキシアルキルシラン、アリルトリエトキシシランなどのアリルトリアルコキシシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキルアルコキシシランなど]等が例示できる。これらの架橋性ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの架橋性ビニル単量体のうち、加水分解縮合性基含有単量体、特にアルコキシシリル基(例えば、メトキシシリル基やエトキシシリル基等のC1−4アルコキシシリル基など)を有する単量体が好ましい。
【0054】
カチオン性ビニル単量体としては、例えば、第3級アミノ基含有アクリルアミド系単量体[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド又はそれらの塩など]、第3級アミノ基含有アクリレート系単量体[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート又はそれらの塩など]、第3級アミノ基含有芳香族ビニル系単量体[4−(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、4−(2−ジメチルアミノプロピルスチレン等のアルキルアミノアルキルスチレン又はそれらの塩等]、窒素含有複素環式単量体[ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン又はそれらの塩など]が例示できる。塩としては、例えば、ハロゲン化水素酸塩(塩酸塩、臭化水素塩等)、硫酸塩やアルキル硫酸塩(メチル硫酸塩、エチル硫酸塩等)、アルキルスルホン酸塩やアリールスルホン酸塩、カルボン酸塩(酢酸塩など)が例示できる。また、第3級アミノ基にアルキル化剤(エピクロロヒドリンや塩化メチル、ベンジルクロライド等)を反応させて、第4級アンモニウム塩基を生成してもよい。これらのカチオン性ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。こえらのカチオン性ビニル単量体のうち、ジC1−4アルキルアミノ−C2−3アルキル(メタ)アクリルアミドもしくは(メタ)アクリレート又はそれらの塩などが好ましい。
【0055】
親水性ビニル単量体としては、例えば、水性重合体組成物(A1)の項で例示された親水性ビニル単量体の他、ポリオキシアルキレン基を有する単量体、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のジ乃至ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等が例示できる。これらの親水性ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの親水性ビニル単量体のうち、ポリC2−4アルキレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。
【0056】
共重合性ビニル単量体としては、例えば、水性重合体組成物(A1)の項で例示された共重合性ビニル単量体が使用できる。これらの共重合性ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの共重合性ビニル単量体のうち、(メタ)アクリル酸C1−3アルキル(メタクリル酸メチルなど)や芳香族ビニル単量体(スチレンなど)等の硬質成分と、(メタ)アクリル酸C2−10アルキル(アクリル酸ブチルなど)等の軟質成分とを組み合わせるのが好ましい。
【0057】
架橋性ビニル単量体の含有量は、全ビニル単量体中0.5〜20重量%、好ましくは2〜10重量%程度である。カチオン性ビニル単量体の含有量は、全ビニル単量体成分中1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%程度である。親水性ビニル単量体の含有量は、全ビニル単量体成分中0〜50重量%、好ましくは5〜40重量%程度である。共重合性ビニル単量体の含有量は、全ビニル単量体成分中10〜90重量%、好ましくは20〜70重量%程度である。
【0058】
架橋性基含有カチオン性ビニル系重合体(A2)も、親水性基を含むのが好ましく、水溶液や水分散液、特に水性エマルジョンの形態であるのが好ましい。
【0059】
インク受容層には、さらに、変性酢酸ビニル系重合体又はそのケン化物(A3)が含まれていてもよい。酢酸ビニル系重合体又はそのケン化物としては、前記水性重合体組成物(A1)で例示された酢酸ビニル系重合体又はそのケン化物が使用できる。その変性体としては、前記酢酸ビニル又はそのケン化物を、ポリオキシアルキレン単位、アセトアセチル基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基等から選択された少なくとも一種で変性された重合体、又はそれらの基を有する重合体(例えば、それらの基を有する単量体から得られた重合体など)が例示できる。
【0060】
変性酢酸ビニル系重合体又はそのケン化物(A3)の割合は、水性重合体組成物(A1)、及び架橋性基含有カチオン性ビニル系重合体(A2)の合計100重量部に対して、0〜300重量部、好ましくは5〜100重量部、さらに好ましくは10〜50重量部程度である。
【0061】
インク受容層には、前記重合体の他に、水に対して親和性を有する種々の高分子、例えば、水溶性高分子、水分散性高分子、水不溶性であって吸水性を有する高分子が含まれていてもよい。
【0062】
親水性重合体としては、例えば、ポリオキシアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリオキシC2−4アルキレングリコールなど)、アクリル系重合体[ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、アクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体等]、ビニルエーテル系重合体(ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等のポリビニルアルキルエーテル、C1−6アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体等)、スチレン系重合体[スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸又はその塩等]、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル、セルロースアセテート等のセルロースエステル等)、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等)、親水性天然高分子又はその誘導体(アルギン酸又はその塩、アラビアゴム、ゼラチン、カゼイン、デキストリン等)、窒素含有重合体(又はカチオン性ポリマー)又はその塩[ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等]等が挙げられる。親水性重合体の塩(特にカルボキシル基又はスルホン酸基の塩)としては、アンモニウム塩、アミン塩、ナトリウムなどのアルカリ金属塩等が含まれる。これらの親水性重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0063】
インク受容層は、前記接着層と同様の慣用の添加剤を含んでいてもよい。
【0064】
インク受容層の厚みは、1〜100μm、3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μm(特に10〜20μm)程度である。
【0065】
インク受容層と接着層との厚み比は、インク受容層/接着層=1/1〜10/1、好ましくは2/1〜8/1、さらに好ましくは3/1〜6/1程度である。
【0066】
[保護層]
本発明の記録用シートは、前記インク受容層の上に、さらに保護層を設けてもよい。保護層は、インク受容層の表面を保護する役割を有し、耐候性を向上させる。
【0067】
保護層としては、透明で機械的特性に優れた樹脂層が好ましく、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレンやポリエチレン等)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレンなど)、セルロース誘導体(酢酸セルロースなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ハロゲン系重合体(ポリ塩化ビニルなど)等が挙げられる。これらのフィルムのうち、通常、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が好ましい。保護層の厚みは、0.1〜30μm、好ましくは0.3〜20μm、さらに好ましくは0.5〜10μm程度である。
【0068】
[光拡散層]
本発明の記録用シートは、光拡散層を設けてもよい。光拡散層は、接着層及びインク吸収層を設けた側に配設してもよいし、前記層が設けられている側とは反対側に配設してもよい。本発明では、前記層が設けられている側とは反対の基材の面に光拡散層を配設するのが好ましい。この場合、光源は光拡散層を配設した側から照射され、いわゆるバックライト型となる。
【0069】
光拡散層としては、慣用の光拡散シートやフィルムを利用することができ、例えば、前記基材と同様の透明樹脂に、屈折率の異なる他の樹脂や無機粒子を分散させたシートなどを用いることができる。
【0070】
光拡散層の厚みは、1〜300μm、好ましくは3〜200μm、さらに好ましくは5〜100μm程度である。
【0071】
[記録用シート]
本発明の記録用シートは、インクの小滴を飛翔させて記録するインクジェット方式により画像を形成するのに適している。インクとしては、耐熱性や耐水性の点から、顔料タイプ、特に水性顔料タイプのインクが好ましい。また、本発明の記録用シートは、耐熱性に優れ、例えば、高温で保存しても黄変が少ない。さらに、前記成分で構成された各層を組み合わせることにより、各層の密着性に優れている。
【0072】
本発明の記録用シートは、計器パネルやサインディスプレー等に好ましく用いることができる。特に、基材としてポリカーボネートを使用した場合には、光透過性にも優れるため、光透過型表示シートとして、例えば、光源を用いて照射する用途(バックライト型など)に用いるのが好ましい。計器パネルとしては、車両内装用計器パネル(例えば、自動車や航空機、船舶、鉄道車両等の内装パネル(ダッシュボードやリアスポイラー等)など)、各種機器用パネル(測定機器や工作機器等のパネルなど)、家電用計器パネル(洗濯機や冷蔵庫、空調機等のパネルなど)、時計用パネル(文字盤)(腕時計や掛け時計等のパネルなど)等が例示できる。サインディスプレーとしては、電飾看板(店舗や社屋等の建築物に掲げる広告看板、工事用サインディスプレイ、建設現場の建物用ブラインド等)、車両外装用パネル(自動車用ナンバープレートなど)、乗り物用広告品(飛行機や飛行船、バス等の側面広告など)等が例示できる。
【0073】
[製造方法]
本発明の記録用シートは、基材の片面に前記接着層を形成した後、その接着層の上にさらに前記インク受容層を形成することにより製造できる。前記接着層及びインク吸収層は、例えば、基材の片面に、前記成分で構成された接着層用塗布剤を塗布して乾燥した後、前記成分で構成されたインク受容層用塗布剤を塗布することにより形成できる。樹脂成分は、通常、水性溶液又はエマルジョンの形態で使用できる。水性溶液又は水性エマルジョンの溶媒は、水単独であってもよく、必要によりアルコール類などの親水性有機溶媒を含んでいてもよい。
【0074】
塗布剤は、慣用の方法、例えば、ロールコーター、エヤナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビアコーターなどにより基材の少なくとも一方の面に塗布できる。塗膜を、50〜150℃(好ましくは80〜120℃)程度の温度で乾燥させることにより形成ができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録用シートは、密着性に優れるとともに、高温で保存しても着色が少ないため、光透過型表示シートとして用いるのに適している。また、透明性に優れるとともに、耐熱性や耐湿性、耐薬品性、耐光性等の耐候性にも優れる。従って、本発明の記録用シートは、特に計器パネルや電飾看板に適している。
【0076】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、文中、特に断わりのない限り、「部」は重量基準である。また、実施例及び比較例で用いた成分の内容は次の通りである。さらに、実施例及び比較例で得られた記録用シートの各種特性の評価法は次の通りである。
【0077】
[成分]
(接着層)
スチレン−アクリル酸エステル共重合体:昭和高分子(株)製
水性アクリル系ウレタン樹脂:日華化学(株)製
アクリル系エマルジョン:旭化成(株)製。
【0078】
(インク受容層)
ウレタン系グラフト重合体(A1−1):高松油脂(株)製
ポリエステル系グラフト重合体(A1−2):高松油脂(株)製
架橋性基含有カチオン性ビニル系重合体(A2−1):ダイセル化学工業(株)製
架橋性基含有カチオン性ビニル系重合体(A2−2):ダイセル化学工業(株)製
変性ポリビニルアルコール1:日本合成化学工業(株)製。
【0079】
[耐熱性]
得られたシートを90℃、100℃、110℃、120℃、130℃の各条件で、それぞれ24時間放置し、密着性(JIS K5400に準じた碁盤目試験)及び黄変の有無を以下の基準で評価した。
【0080】
○:碁盤目試験にて8点を超え、かつ色差ΔEabが1.0未満
△:碁盤目試験にて6〜8点で、かつ色差ΔEabが1.0〜3.0
×:碁盤目試験にて6点未満で、かつ色差ΔEabが3.0を超える。
【0081】
[耐湿性]
得られたシートを、65℃、90〜95%RHで8日間放置した後、密着性をJIS K5400に準じた碁盤目試験(クロスカット法)で以下の基準で評価した。
【0082】
○:碁盤目試験にて8点を超える
△:碁盤目試験にて6〜8点
×:碁盤目試験にて6点未満。
【0083】
実施例1〜7及び比較例1〜4
ポリカーボネート基材(厚み400μm)に、表1に示す接着性成分を乾燥後の厚みが3〜4μmとなるように塗布して乾燥することにより、接着層を有するシートを得た。この接着層の上に、表1に示す組成物を乾燥後の厚みが10〜15μmとなるように塗布して乾燥して、記録用シートを得た。得られたシートの評価結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
Figure 2004034642
【0085】
表1の結果から明らかなように、実施例のシートは耐熱性及び耐湿性が良好であるが、比較例のシートは耐熱性及び耐湿性ともに充分でない。

Claims (8)

  1. 基材と、この基材の少なくとも一方の面に形成された接着層と、この接着層の上に形成されたインク受容層とで構成されているシートであって、前記接着層が、ウレタン系樹脂及びビニル系重合体から選択された少なくとも一種の接着性樹脂で構成され、前記インク受容層が、水性重合体組成物(A1)及び架橋性基含有カチオン性ビニル系重合体(A2)から選択された少なくとも一種で構成されており、前記水性重合体組成物(A1)が、水性ウレタン系樹脂及び水性ポリエステル系樹脂から選択された少なくとも一種の水系樹脂と酢酸ビニル系重合体のケン化物とを含む水性溶液中で、親水性ビニル単量体及び共重合性ビニル単量体を、前者/後者=100/0〜60/40の割合(重量比)で含有する単量体組成物を重合した組成物であるインクジェット記録用シート。
  2. 基材が、ポリカーボネート系樹脂で構成されている請求項1記載の記録用シート。
  3. 接着層が、水性アクリル系ウレタン樹脂で構成されている請求項1記載の記録用シート。
  4. 接着層が、白色顔料を含有する請求項1記載の記録用シート。
  5. インク受容層が、さらに変性酢酸ビニル系重合体又はそのケン化物(A3)を含む請求項1記載の記録用シート。
  6. インク受容層の厚みが1〜100μmで、接着層の厚みが0.1〜50μmであり、かつインク受容層と接着層との厚み比が、インク受容層/接着層=1/1〜10/1である請求項1記載の記録用シート。
  7. インク受容層の上に、さらに保護層が形成されている請求項1記載の記録用シート。
  8. 光源からの光を照射可能な基板の他方の面に、光拡散層が形成されている請求項1記載の記録用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3755753B1 (de) * 2018-02-21 2022-07-27 Basf Se Verfahren zur herstellung von mit klebstoff beschichteten artikeln

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