JP2004034478A - キャップユニット及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】破損を少なくするキャップユニットを提供する。
【解決手段】インクを吐出するヘッドに設けられた吐出口を覆うキャッピング部材72と、吐出口を払拭するワイピング部材80と、キャッピング部材72及びワイピング部材80を摺動可能に載置するブラケット164とを備えるキャップユニット161であって、キャッピング部材72が吐出口を覆う場合にブラケット164に対して許容されるキャッピング部材72の可動範囲を、ワイピング部材80が吐出口を払拭する場合にブラケット164に対して許容されるワイピング部材80の可動範囲よりも大きくする。
【選択図】 図13

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャップユニット及び液体噴射装置に関する。特に本発明は、溶液を吐出する噴射口を封止及び払拭するキャップユニット及び液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射装置の一例としてのインクジェット式記録装置は、記録ヘッドに設けられた吐出口からインクを吐出することにより被記録物に印刷する。インクジェット式記録装置は、記録ヘッドの吐出口が形成された吐出口形成面を覆うことによって封止するキャッピング部材を有するキャップユニットを備える。キャッピング部材は、キャップユニットのブラケットに対して摺動可能に載置される。キャッピングユニットは、記録ヘッドの移動に伴い駆動されることにより、記録ヘッドに対して当接または離間する方向に摺動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
記録ヘッドの吐出口形成面を覆う場合にキャッピング部材を記録ヘッドに対して正確に位置決めするために、キャッピング部材がインクジェット式記録装置の本体に対してキャッピング部材の摺動方向に交差する方向に動ける範囲を小さくすることが好ましい。一方、キャッピング部材がその摺動方向に交差する方向に動ける範囲が小さくされると、記録ヘッドがキャッピング部材を駆動するときにキャッピング部材が摺動方向に対して傾いた場合、キャップ部材が傾いた姿勢のまま記録ヘッドにより摺動されることがあった。この場合に、記録ヘッドがキャッピング部材を駆動する力がキャッピング部材とブラケットが接する一点に集中し、キャップユニットが破損することがあった。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるキャップユニット及び液体噴射装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、溶液を吐出するヘッドに設けられた噴射口を覆うキャッピング部材と、噴射口を払拭するワイピング部材と、キャッピング部材及びワイピング部材を摺動可能に載置するブラケットとを備えるキャップユニットであって、キャッピング部材が噴射口を覆う場合にブラケットに対して許容されるキャッピング部材の可動範囲を、ワイピング部材が噴射口を払拭する場合にブラケットに対して許容されるワイピング部材の可動範囲よりも大きくした。
【0006】
キャッピング部材とブラケットの間に設けられ、キャッピング部材とブラケットとに対して摺動可能である規制部材を更に備え、規制部材は、ワイピング部材が噴射口を払拭する場合に、キャッピング部材の可動範囲をキャッピング部材の摺動方向に交差する方向に対して制限してもよい。また、キャップユニットは、キャッピング部材とブラケットを載置しブラケットに対して摺動するスライダを更に備え、規制部材は、キャップ部材の摺動方向に漸次幅広のテーパ部を有し、ワイピング部材が噴射口を払拭する場合に、テーパ部における幅が広くなる方向へスライダが移動し、テーパ部がスライダに当接することによりスライダの可動範囲を制限してもよい。
【0007】
キャッピング部材は記録ヘッドのブラケットに対する移動によって駆動され、規制部材がブラケットに対して移動することによって、テーパ部はキャッピング部材の可動範囲を制限してもよい。ワイピング部材が噴射口を払拭する場合に、ブラケットと規制部材とが係合してブラケットに対して規制部材が固定されることにより、スライダが移動した場合に、スライダは規制部材のテーパ部に当接するとともに、規制部材は、テーパにおける幅が広くなる方向へ付勢されており、ワイピング部材が噴射口を払拭しない場合には、ブラケットが規制部材の摺動を許容することにより、規制部材がブラケットに対して摺動して、規制部材がスライダとテーパ部との当接を解放してもよい。
【0008】
スライダは摺動方向に沿った側面から突出する支持ピンを有し、規制部材は、テーパ−部を貫通するとともに摺動方向に延び、スライダの支持ピンが摺動可能に挿入される長穴を有し、ブラケットはスライダの摺動方向に延び、規制部材の長穴を貫通したスライダの支持ピンを摺動可能に支持する案内溝を有し、ワイピング部材が噴射口を払拭する場合に、ブラケットに対して規制部材が固定され、スライダの支持ピンがテーパにおける幅が広くなる方向へ規制部材の長穴を摺動することにより、スライダが規制部材のテーパ部に当接するとともに、ワイピング部材が噴射口を払拭しない場合には、スライダの支持ピンがテーパにおける幅が広くなる方向とは反対方向へ規制部材の長穴を摺動することにより、スライダがテーパ部との当接を解放してもよい。
【0009】
本発明の第2の形態によると、溶液を吐出する噴射口を有するヘッドと、噴射口を覆うキャッピング部材と、噴射口を払拭するワイピング部材と、キャッピング部材およびワイピング部材を摺動可能に載置する本体とを備え、キャッピング部材が噴射口を覆う場合に本体に対して許容されるキャッピング部材の可動範囲を、ワイピング部材が噴射口を払拭する場合に本体に対して許容されるワイピング部材の可動範囲よりも大きくした。
【0010】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、インクジェット式記録装置10の内部構成を示す側面概略図である。ここで、インクジェット式記録装置10は、液体噴射装置の一例である。また、インクジェット式記録装置10の記録ヘッドは、液体噴射装置の液体噴射ヘッドの一例である。記録ヘッドに設けられる吐出口は、液体噴射ヘッドの噴射口の一例である。また、被記録物は、ターゲットの一例である。
【0013】
しかしながら、本発明はこれらに限られない。液体噴射装置の他の例は、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置である。この場合、カラーフィルタ製造装置の色材噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置である。この場合、電極形成装置の電極材(電導ペースト)噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、バイオチップを製造するバイオチップ製造装置である。この場合、バイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッドおよび精密ピペットとしての試料噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。本発明の液体噴射装置は、産業用途を有するその他の液体噴射装置も含む。
【0014】
インクジェット式記録装置10は、図1に示すように、複数の被記録物11を保持する載置部12、一の被記録物11を載置部12から取り出して印刷するために給送する給送部20、給送部20により給送された被記録物11に給送方向の動力を伝える搬送部30、被記録物11に印刷を行う印刷部40、及び印刷された被記録物11に排出方向の動力を伝える排出部50を、給送方向においてこの順に備える。
【0015】
給送部20は、例えば図示しないモータにより駆動軸とともに回転する給送ローラ22、及び分離パッド24を有する。給紙ローラ22は略扇形であり、駆動軸26は扇を構成する円弧の中心に設けられる。給紙ローラ22が回動することにより、給紙ローラ22は分離パッド24に対し、当接状態と乖離状態とを繰り返す。当接状態において、給送ローラ22と分離パッド24は、載置部12から給送部20に給送された被記録物11の束のうち、最上位に位置する被記録物11を互いの間に挟むことで、被記録物11を一つずつ分離して搬送部30に給送する。この給送時の途中のタイミングで、給紙ローラ22及び載置部12の一部であるホッパは互いに離間し、給送されなかった被記録物11を載置部12に戻して整位することができるようにする。
【0016】
搬送部30は、モータ60により回転する搬送ローラ32、搬送ローラ32に連れ回る搬送従動ローラ34を有し、搬送ローラ32と搬送従動ローラ34との当接点に被記録物11を挟むことで、給送部20により給送された被記録物11を印刷部40の下部に給送する。
【0017】
印刷部40は、インクカートリッジを載置するキャリッジ42、キャリッジ42の被記録物11に対向する面に設けられ、インクを吐出する記録ヘッド44、キャリッジ42に設けられた軸穴46、軸穴46を挿通しキャリッジ42を給送方向に対して略垂直な方向にスライド可能に支持するガイド軸48、及び印刷の制御を行う印刷制御部49を有する。なお、記録ヘッド44は、被記録物11の給送方向に沿って配列された複数の吐出口を有する。
【0018】
排出部50は、モータ60により回転する排出ローラ52、及び排出ローラ52に連れ回る排出従動ローラ54を有し、排出ローラ52と排出従動ローラ54との当接点に被記録物11を挟むことで、印刷後の被記録物11を排出する。
【0019】
なお、搬送従動ローラ34は、搬送ローラ32の上側に、搬送ローラ32より記録ヘッド44側に設けられ、排出従動ローラ54は、排出ローラ52の上側に、排出ローラ52より記録ヘッド44側に設けられる。これにより、被記録物11は、印刷部40に対向する位置において下側にたわむ。
【0020】
上記した構成において、インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド44をガイド軸48に沿って往復させつつインクを吐出する。インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド44が一走査する毎に被記録物11を給送することで、被記録物11の全体に印刷を行う。なお、記録ヘッド44は、往路及び復路の双方で印刷を行う場合もあるし、一方のみで印刷を行う場合もある。
【0021】
なお、搬送部30及び排出部50には、モータ60から一本のベルト62を介して動力が伝達される。ベルト62には、テンショナ64により張力が与えられている。モータ60、テンショナ64、搬送部30、及び排出部50は、ベルト62の流れ方向に沿ってこの順に配置される。
【0022】
図2は、インクジェット式記録装置10の部分斜視図である。印刷部40は、更にタイミングベルト402、キャリッジモータ404、ブラックインクカートリッジ406及びカラーインクカートリッジ408を有する。
【0023】
キャリッジモータ404がタイミングベルト402を駆動することにより、キャリッジ42は、ガイド軸48に案内されて被記録物11の給送方向に対し略直角に往復移動する。キャリッジ42の被印刷物に対向する側には、ブラックインク用吐出口及びカラーインク用吐出口を含む記録ヘッド44が搭載される。キャリッジ42の上部には、記録ヘッド44にインクを供給するブラックインクカートリッジ406及びカラーインクカートリッジ408が着脱可能に装着されている。
【0024】
インクジェット式記録装置10は、更に排出されたインクを搬送するインク搬送部70とワイピング手段80とを備える。インク搬送部70は、記録ヘッド44の吐出口を封止するキャッピング手段72と、吐出口がキャッピング手段72に吐出したインクを搬送するチューブ75と、チューブの一部を弾性変形させ、チューブ内部のインクを搬送するポンプ76と、ポンプ76が搬送したインクを蓄積する廃液ボックス79とをインクの搬送方向においてこの順に有する。
【0025】
インク搬送部70は、印刷領域(被記録物11の給送経路)外の非印刷領域(ホームポジション)に配置されている。ワイピング手段80は、弾性を有しており、キャッピング手段72の印刷領域側の端部近傍に配置される。ワイピング手段80は、二色成形法により、キャッピング手段72と一体に射出成形される。しかし、これに限らずキャッピング手段72とワイピング手段80とは、別体に成形されてもよい。
【0026】
以上の構成において、インクジェット式記録装置10が印刷を行わない場合に、キャリッジ42は、印刷領域から非印刷領域へ移動する。キャリッジ42に設けられた記録ヘッド44が直上に移動してきた場合に、キャッピング手段72は、キャリッジ42側に上昇し、記録ヘッド44の吐出口を有する面を封止する。
【0027】
ここで、この封止状態において、ポンプ76が、記録ヘッド44とキャッピング部材72により形成される内部空間の空気を吸引することにより、記録ヘッド44の吐出口からインクが強制的に吸引排出され、吐出口のクリーニングを行うことができる。キャッピング手段72は、記録ヘッド44の吐出口を有する面を封止することにより、吐出口の乾燥を抑えることができる。また、キャッピング手段72は、記録ヘッド44にインク滴を空吐出させるフラッシング時に、空吐出されたインクを受け取る。このフラッシングは、印刷とは関係のない駆動信号を記録ヘッド44に印加して行う。
【0028】
キャリッジ42は、非印刷領域から印刷領域に戻る場合、まずキャッピング部材72から離脱する。さらにキャリッジ42が非印刷領域側に移動するのに伴い、ワイピング手段80が記録ヘッド44の移動経路上に進出し、記録ヘッド44の吐出口形成面のインクを払拭する。
【0029】
図3、図4、及び図5は、インクジェット式記録装置10にかかるキャップユニット161の構成を示す。図3は、キャップユニット161の斜視図である。図4は、キャップユニット161の平面図であり、図4は、ヘッドクリーニング161機構の側断面を示す。なお、説明を簡単にするために、これらの図においてチューブ75、ポンプ76、及び廃液ボックス79の記載を省略する。
【0030】
図3に示すように、キャップユニット161は、キャップホルダ170、ブラケット164及びレバー200を備える。キャップホルダ170は、キャッピング部材72及びワイピング部材80と一体に成形される。キャップホルダ170は、ブラケット164に対して摺動可能なスライダ167と接続される。キャップホルダ170は、スライダ167と共にブラケット164に対して摺動することができる。ブラケット164は、インクジェット式記録装置10において、記録ヘッド44の非印刷領域付近に配置され、インクジェット式記録装置10に対して固定される。
【0031】
図4に示すように、ブラケット164は、案内溝165、166を一方の側壁に有し、案内溝165、166が設けられた側壁に対向する側壁に、案内溝165、166と略同一形状である案内溝195、196とを有する。以下、説明を簡単にするために、特に断らない限り案内溝195、196の構成の説明を省略する。
【0032】
スライダ167は、両側面から突出する支持ピン168、198、169、199を有する。支持ピン168は、スライダ167の本体に近く、先端部よりも径の大きい基部168aを有する。支持ピン198、169、199は、同様にそれぞれ先端部よりも径の大きい基部198a、169a、199aを有する。スライダ167はさらに、スライダ167の上部から突出する被係合部180を有する。
【0033】
レバー200は、スライダ167とブラケット164との間およびキャップホルダ170とブラケット164との間に配される。後述するように、レバー200は、レバー200を貫通する長穴183を有する。
【0034】
スライダ167の支持ピン168の先端部は、レバー200の長穴182を挿通して、ブラケット164の案内溝165に挿入される。スライダ167の支持ピン169の先端部は、ブラケット164の案内溝166に挿通される。同様に、スライダ167の支持ピン198、199の先端部は、それぞれブラケット164の案内溝195及び196に挿通される。これにより、スライダ167は、ブラケット164に対して図4の左右方向へ摺動可能に保持される。
【0035】
ブラケット164の案内溝165、166、195、196が設けられた下側壁は、案内溝165、166、195、196が設けられた上側壁に対してスライダ167本体に近い方向にずれた位置に設けられている。また、ブラケット164の案内溝165、166は、それぞれの端部(図中の右端部)に、上方に開放された切り欠き165f、166fを含む。
【0036】
スライダ167がブラケット164に組み付けられる場合、まず、スライダ167の支持ピン198、199がそれぞれブラケット164の案内溝195、196の端部(図中の右端部)に挿入される。次に、スライダ167の支持ピン168、169がそれぞれ切り欠き165f、166fから案内溝165、166に挿入される。ブラケット164の案内溝165、166は、それぞれの端部(図中の右端部)に切り欠き165f、166fを含むとともに、反対側の案内溝195、196の端部近傍の下側壁がそれぞれ案内溝195、196の端部近傍の上側壁よりもスライダ167本体に近い方向にずれた位置に設けられていることによって、スライダ167をブラケット164へ容易に組み付けることができる。
【0037】
ブラケット164、スライダ167およびレバー200が図4に示す位置関係の場合に、スライダ167の支持ピン198の基部198aとブラケット164の案内溝195が設けられる下側壁との間には隙間が存在する。さらに、スライダ167の支持ピン168の基部168aとレバー200との間にも隙間が存在する。よって、図4に示す位置関係において、スライダ167は、ブラケット164に対し、スライダ167の摺動方向に直角方向にその両隙間の合計分だけ動くことができる。
【0038】
図5に示すように、案内溝165は、水平な下段部165a、図中右上がりに傾斜する第1傾斜部165b、水平な中段部165c、図中右上がりに傾斜する第2傾斜部165d、及び水平な上段部165eを連続的に有する。また、案内溝166は、水平な下段部166a、図中右上がりに傾斜する第1傾斜部166b、及び水平な上段部166eを連続的に有する。
【0039】
上記構成を有する案内溝165及び166にスライダ167の支持ピン168及び169が挿通されていることにより、スライダ167は、ブラケット164の案内溝165及び166に沿って、記録ヘッド44の移動方向及び記録ヘッド44の吐出口形成面44aに対して接近及び離間する上下方向に移動することができる。案内溝165及び166並びに支持ピン168及び169は、記録ヘッド44を搭載するキャリッジ42の移動を、キャップホルダ170が接近及び離間する動作に変換する。
【0040】
図4に示すように、ブラケット164は、バネ留め部240を有し、バネ部材232の一端がこのバネ留め部240に留められる。バネ部材232の他端は、スライダ167の支持ピン199に留められる。これにより、バネ部材232がスライダ167の支持ピン199を、ブラケット164のバネ留め部240の方向へ引っ張る。すなわちこのバネ部材232により、スライダ167は、記録ヘッド44の印刷領域側すなわち図5の左側、及び下方側に付勢される。また、バネ部材230が、キャップホルダ170とスライダ167との間に設けられ、スライダ167は、キャップホルダ170を上方に付勢する。
【0041】
図6は、規制部材の一例としてのレバー200の斜視図である。レバー200は、略棒状のレバー本体202と、このレバー本体202から直立した被係合部190とを含み、全体が略L字の形状を有する。レバー200は、レバー本体202に設けられた長穴183と、この長穴183の周囲に設けられるテーパ部210と、レバー本体202において被係合部190と反対の一端に設けられた保持爪182と、保持爪182の近傍に設けられたバネ留め部212とを有する。長穴183は、保持爪182側の端部183aから被係合部190側の端部183bまで、レバー本体202の長手方向に長い孔である。テーパ部210は、長穴183の周囲であって、レバー本体202の長手方向に沿って被係合部190に近い方向へ漸次幅の広い形状を有する。レバー200は、一体に成形されてもよい。レバーの保持爪182、被係合部190、長穴183、テーパ部210及びバネ留め部212を一体に成形することによって、レバー200の製造コストを低くすることができる。
【0042】
図7は、キャップホルダ170の断面図である。図7に示すキャッピング部材72及びワイピング部材80は、キャップホルダ170上に突出して設けられる。キャッピング部材72及びワイピング部材80は、キャップホルダ170よりも弾性率が高い材料を用いて形成される。キャッピング部材72、及びワイピング部材80は、同一の材料、例えばエラストマー等の弾性率が高い軟質性素材を用いて成形される。キャッピング部材72、ワイピング部材80及びキャップホルダ170は、異なる弾性率の材料を用いて2色成形されてもよい。
【0043】
キャッピング部材72の上端外周縁は、ほぼ三角形の断面形状を有する。キャッピング部材72の上端外周縁は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aに対して弾性変形を伴って密接し、キャッピング部材72の内部空間が密閉状態となるように吐出口形成面44aを封止する。ワイピング部材80の上端縁は、ほぼ三角形の断面形状を有する。ワイピング部材80の上端縁は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aに対して弾性変形を伴って摺接し、吐出口形成面44aを払拭して清掃する。キャップホルダ170は、キャッピング部材72と対応する位置に配された漏斗状のインク排出口173と、このインク排出口173の底面に配される接続管174とを有する。接続管174は、インク排出口173と一体成形される。
【0044】
図7に示すように、キャップホルダ170の接続管174の下方にポンプ76が配設される。ポンプ76は、チューブ75を介して接続管174に接続される。キャッピング部材72が記録ヘッド44の吐出口形成面44aを封止した状態で、ポンプ76がチューブ75を介してキャッピング部材72の内部空間に負圧を加えることにより、記録ヘッド44からインクが吸引及び排出される。
【0045】
更に、キャップホルダ170は、上面に、インク受け凹部176を有する。インク受け凹部176は、キャッピング部材72及びワイピング部材80の間に形成される、底部に一対の排出穴177を有する。排出穴177は、図7に示す断面図には表れないので、図中に破線で示した。ワイピング部材80により記録ヘッド44の吐出口形成面44aから掻き取られたインク廃液は、インク受け凹部176内に受け止められ、排出穴177から排出される。ここで、排出穴177の下方に廃液吸収材を配してもよい。この場合には、ワイピング部材80により払拭されたインクが廃液されることによる、被記録物11及び記録装置10の汚染を防止することができる。
【0046】
図8から図12は、キャップユニット161の動作を示す側面図である。また、図13は、図12の状態におけるキャップユニット161の上面図である。図8は、記録ヘッド44が印刷領域に位置するときのキャップユニット161の状態を示す。図9は、記録ヘッド44がフラッシング領域に位置するときのキャップユニット161の状態を示す。フラッシング領域とは、インクジェット式記録装置10がフラッシング工程を実行するときの、記録ヘッド44の配置領域をいう。図10は、記録ヘッド44が非印刷領域に位置するときのキャップユニット161の状態を示す。図11は、記録ヘッド44が吸引領域に位置するときのキャップユニット161の状態を示す。吸引領域とは、記録ヘッド44の吐出口からインクを強制的に吸引排出するクリーニング動作時に、記録ヘッド44が配置される領域をいう。図12は、記録ヘッド44がワイピング領域に位置するときのキャップユニット161の状態を示す。ワイピング領域とは、ワイピング部材80により記録ヘッド44の吐出口形成面のインクを払拭する工程時に、記録ヘッド44が配置される領域をいう。
【0047】
図8に示すように、キャリッジ42は、キャリッジ42の非印刷領域側の下端側部から突出する係合部179を有する。キャリッジ42の係合部179及びスライダ167の被係合部180は、キャリッジ42の移動と、スライダ167の移動とを連動させる連動機構178を構成する。
【0048】
更に、キャリッジ42は、キャリッジ42の非印刷領域側の下端部から突出するように形成された係合部189を有する。また、レバー200は、保持爪182の上部へと突出する被係合部190を有する。キャリッジ42の係合部189は、レバー200の被係合部190に対して係脱可能に設けられる。キャリッジ42の係合部189及びレバー200の被係合部190は、解除機構188を構成する。
【0049】
キャップホルダ170は、ワイピング部材80の直下に配され、キャップホルダ170の下面に突出形成された係合突片186を有する。また、ブラケット164は、端部上面に突出するように形成された被係合突片187を有する。被係合突片187は、係合突片186に対して係脱することができる。キャップホルダ170の係合突片186及びブラケット164の被係合突片187は、キャップホルダ170の下方への変位を抑制する抑制機構185を構成する。なお、係合突片186及び被係合突片187が互いに係合し合う面は、それぞれ斜状に形成される。
【0050】
キャップユニット161は、ブラケット164に対するスライダ167の移動をロックする保持機構181を有する。保持機構181は、レバー200に設けられた保持爪182及びブラケット164に設けられた係止部184を有する。レバー200は、スライダ167の一方の支持ピン168により、長穴183を介して相対移動可能及び回転可能に支持される。係止部184は、保持爪182に対して係脱可能なようにブラケット164に形成される。また、レバー200は、バネ部材234により、記録ヘッド44の印刷領域側、すなわち図8の左側に向けて付勢されると共に、時計回りの方向に回転するよう付勢される。
【0051】
記録ヘッド44が印刷領域に位置している場合に、キャップホルダ170、スライダ167、レバー200、ブラケット164は図8に示す位置関係にある。図8に示す位置関係において、レバー200がバネ部材234により摺動方向における図8の左側に付勢されており、スライダ167の支持ピン165はレバー200の長穴183における保持爪182側の端部183aと当接する。よって、図4に示す位置関係と同様、スライダ167の支持ピン168の基部165aはレバー200のテーパ部210とは当接せず、スライダ167は摺動方向と直交する方向に可動範囲を有する。
【0052】
図9に示すように、記録ヘッド44を搭載したキャリッジ42が印刷領域から非印刷領域に進入移動すると、キャリッジ42の係合部179が、スライダ167の被係合部180に当接する。
【0053】
図10に示すように、キャリッジ42の係合部179がスライダ167の被係合部180に当接しつつ、キャリッジ42がさらに被印刷領域に侵入移動すると、スライダ167は、バネ部材232の付勢力に抵抗してキャップホルダ170と共に非印刷領域に移動する。このとき、スライダ167の支持ピン168は、案内溝165に係合した状態で、案内溝165の下段部165aから、第1傾斜部165b、中段部165c、及び第2傾斜部165dを介して、上段部165eへと摺動する。また、スライダ167の支持ピン169は、案内溝166に係合した状態で、案内溝166の下段部166aから第1傾斜部166bを介して、上段部166eへと摺動する。そのため、スライダ167及びキャップホルダ170は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aへと接近する上方向に移動する。これにより、キャッピング部材72は、吐出口形成面44aと当接して吐出口形成面44aを封止する。
【0054】
図10における、ブラケット164、スライダ167およびレバー200の位置関係においても、図8に示す位置関係と同様、スライダ167の支持ピン168の基部168aはレバー200のテーパ部210とは当接せず、スライダ167は摺動方向と直交する方向に可動範囲を有する。
【0055】
一方、キャリッジ42が図10に示す非印刷領域から図8に示す印刷領域に退出移動すると、スライダ167は、バネ部材232の付勢力によってキャップホルダ170と共に印刷領域に移動する。このとき、スライダ167の支持ピン168は、案内溝165に係合した状態で、案内溝165の上段部165eから、第2傾斜部165d、中段部165c、及び第1傾斜部165bを介して、下段部165aへと摺動する。また、スライダ167の支持ピン169は、案内溝166に係合した状態で、案内溝166の上段部166eから第1傾斜部166bを介して、下段部166aへと摺動する。そのため、スライダ167及びキャップホルダ170が記録ヘッド44の吐出口形成面44aから離れる下方向に移動する。これにより、キャッピング部材72は、吐出口形成面44aから離れて吐出口形成面44aの封止を解放する。
【0056】
図11に示すように、キャリッジ42が図10に示す非印刷領域からさらに吸引領域まで移動すると、レバー200の長穴183の一端183aに支持ピン168が当接し、保持爪182は、案内面184aにより係止部184へと案内され、係止部184に係合する。保持爪182が係止部184に係合した状態で、ポンプ76は、記録ヘッド44からインクを吸引及び排出する。
【0057】
図11における、ブラケット164、スライダ167およびレバー200の位置関係においても、図8に示す位置関係と同様、スライダ167の支持ピン165の基部165aはレバー200のテーパ部210とは当接せず、スライダ167は摺動方向と直交する方向に可動範囲を有する。
【0058】
図12に示すように、記録ヘッド44からインクを吸引排出する動作が終了した後に、キャリッジ42が図11に示す吸引領域から印刷領域へと退出移動すると、保持爪182を係止部184に残した状態で、スライダ167及びキャップホルダ170は、図4に示したバネ部材232の付勢力により印刷領域へ移動する。このとき、スライダ167の支持ピン168は、案内溝165の上段部165eから、第2傾斜部165dを介して、中段部165cへと摺動する。また、スライダ167の支持ピン169は、案内溝166の上段部166eから第1傾斜部166bへと摺動する。そのため、スライダ167及びキャップホルダ170は、キャッピング部材72が記録ヘッド44の吐出口形成面44aから離間する中間位置まで下方に移動し、キャッピング部材72による吐出口形成面44aの封止を解放する。また、ワイピング部材80は、吐出口形成面44aと摺接可能なワイピング位置に配置される。
【0059】
ここで、ブラケット164の係止部184にレバー200の保持爪182が係合していることにより、レバー200はブラケット164に対して摺動することができない。よって、キャリッジ42が印刷領域側(図中の左側)に移動するに伴い、スライダ167は、ブラケット164およびこのブラケット164に固定されたレバー200に対して印刷領域側に摺動する。スライダ167がレバー200に対して印刷領域側、すなわちレバー200の被係合部190の側に摺動すると、スライダ167における支持ピン168の基部168aがレバー200のテーパ部210に当接する。
【0060】
キャリッジ42がさらに印刷領域側に移動するのに伴い、スライダ167はレバー200に対してさらにレバー200の被係合部190側に摺動する。よって、スライダ167における支持ピン168の基部168aがレバー200に設けられたテーパ部210に当接しつつ、スライダ167全体がブラケット164に対して摺動方向と直交する方向に移動させられる。その後、キャリッジ42がさらに印刷領域側に移動するのに伴い、スライダ167における支持ピン168の基部168aが、レバー200のテーパ部210を乗り越えてレバー本体202の長手方向と略平行な上段部214に当接する。
【0061】
図13は、図12における、ブラケット164、スライダ167およびレバー200の位置関係を上からみた平面図である。図13に示すように、スライダ167における支持ピン168の基部168aがレバー200の上段部214に当接するとともに、スライダ167の反対側に設けられた支持ピン198の基部198aが案内溝195が設けられた下側壁に当接する。ここでレバー200のレバー本体202は、少なくとも保持爪182側において案内溝165が設けられた下側壁に当接する。スライダ167は摺動方向に直交する方向に関し、レバー200の上段部214と当接するとともに、反対側において案内溝195が設けられた下側壁と当接している。よって、スライダ167およびこれに接続されたキャップホルダ170は摺動方向と直交する方向に移動することができない。
【0062】
スライダ167およびこれに接続されたキャップホルダ170は摺動方向と直交する方向に移動することができない状態で、キャリッジ42がワイピング領域から印刷領域に退出移動するとき、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aに摺接して、吐出口形成面44aを払拭清掃する。このとき、上述のように、レバー200は、スライダ167およびこのスライダ167に接続されたキャッピング部材72およびワイピング部材80が摺動方向に直交する方向について移動する範囲を制限する。よって、ワイピング部材80が記録ヘッド44の吐出口形成面44aをワイピングする場合に、スライダ167と接続されたワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aに対してぶれることなく、より確実に吐出形成面44aを払拭することができる。
【0063】
キャリッジ42が図12に示すワイピング領域に移動すると、抑制機構185の係合突片186が被係合突片187に係合する。すなわち、係合突片186は、被係合突片187の上部に対向し、被係合突片187によって支持される。そのため、ワイピング部材80が、記録ヘッド44の吐出口形成面44aを払拭清掃するときに、記録ヘッド44がキャップホルダ170に対して下方の押圧力を作用しても、被係合突片187によりキャップホルダ170の下方への変位は抑制される。従って、ワイピング部材80は、抑制機構185により吐出口形成面44aに摺接した状態に保持される。
【0064】
キャップホルダ170が記録ヘッド44の移動方向に沿って図12の左方に移動したときは、係合突片186と被係合突片187との係合状態が容易に解除される。一方、ワイピング部材80に対して下方へ向かう力が作用した場合は、互いに係合し合う係合突片186及び被係合突片187の斜面が、下方へ向かう力に抵抗して係合状態を維持する。
【0065】
記録ヘッド44がキャリッジ42と共に図12に示すワイピング領域から印刷領域に退出移動すると、解除機能188の係合部189は、被係合部190に係合する。そのため、レバー200が反時計回りの方向に回転移動して、保持爪182は、係止部184から離脱する。従って、スライダ167及びキャップホルダ170は、保持爪182による係止保持状態から解除される。従って、レバー200は、バネ部材234の付勢力により、図8に示す原位置に移動復帰する。レバー200が図8に示す位置に移動するのに伴い、レバー200の上段部214およびテーパ部210は、スライダ167における支持ピン168の基部168aから離間する。従って、レバー200は、スライダ167が摺動方向に対して直交する方向に移動する規制を解除する。
【0066】
なお、本実施形態では、記録ヘッド44は、所定行数または所定枚数の記録を被記録物11にした後で、キャリッジ42と共に図8に示す印刷領域から図10に示す非印刷領域の直前位置である図9のフラッシング領域まで移動することができる。このとき、連動機構178の係合部179は、被係合部180に係合しない。そのため、キャップホルダ170は、案内溝165及び166に沿って上方に移動せず、支持ピン168及び169は、案内溝165及び166の下段部165a及び166aにとどまる。また、キャッピング部材72は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aから離れた位置にある。
【0067】
この状態で、記録ヘッド44に対して印刷データと関係のない駆動信号を印加することにより、記録ヘッド44からキャップ部80に対してインク滴を空吐出するフラッシング工程が実施される。このフラッシング動作の終了後に、記録ヘッド44は、キャリッジ42と共に、図9に示すフラッシング領域から図8に示す印刷領域に退出移動し、記録ヘッド44による記録動作が再開する。この場合、キャップホルダ170が吐出口形成面44aの下方に位置することにより、ワイピング部材80は記録ヘッド44の吐出口形成面44aと摺接しない位置にあるので、ワイピング部材80は、吐出口形成面44aを払拭清掃しない。
【0068】
次に、キャップユニット161の動作を説明する。例えば、インクジェット式記録装置10が長時間の休止後に記録動作を再開する場合、あるいは、ユーザが記録不良を認識して例えばクリーニングボタンを操作した場合等においては、記録ヘッド44のクリーニング動作が実行される。このクリーニング動作時に、記録ヘッド44は、キャリッジ42と共に図8に示す印刷領域から図10に示す非印刷領域に進入移動する。また、キャリッジ42の移動によりキャリッジ42の係合部179が、スライダ167の被係合部180に当接すると、スライダ167及びキャップホルダ170が案内溝165及び166沿いに上方に移動する。そのため、キャッピング部材72は、吐出口形成面44aと当接して、吐出口形成面44aを封止する。
【0069】
次に、記録ヘッド44が図10に示す非印刷領域から図11に示す吸引領域へ移動し、保持機構181の保持爪182が係止部184に係合すると、キャップホルダ170は、レバー200及びバネ部材232の作用により、吸引領域において安定して保持される。この状態において、ポンプ76によりキャッピング部材72の内部空間に負圧が加えられ、記録ヘッド44からインクが吸引及び排出されるので、記録ヘッド44の吐出口開口部の目詰まりが解消される。
【0070】
次に、記録ヘッド44が図11に示す吸引領域から図8に示す印刷領域に向かって、図12に示すワイピング領域まで退出移動すると、スライダ167及びキャップホルダ170は、案内溝165及び166に沿って、案内溝165の中段部165c及び案内溝166の第1傾斜部166bの位置、すなわち中間位置まで下降する。そして、スライダ167及びキャップホルダ170は、保持機構181により中間位置において保持される。そのため、キャッピング部材72による吐出口形成面44aの封止が解放され、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aと摺接することができるワイピング位置に配置される。
【0071】
次に、記録ヘッド44が図12に示すワイピング領域から図8に示す印刷領域へと退出移動すると、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aを払拭清掃する。記録ヘッド44が印刷領域に退出移動するとき、解除機構188の係合部189が被係合部190に係合すると、レバー200が反時計回りに回転移動し、保持爪182が係止部184から離脱する。これにより、スライダ167及びキャップホルダ170が係止保持状態から解除され、バネ部材232の付勢力により図8に示す原位置に移動復帰する。
【0072】
また、本実施形態のインクジェット式記録装置10は、被記録物11に所定行数又は所定枚数の記録をする毎に、記録ヘッド44を図8に示す印刷領域から図9に示すフラッシング領域まで移動する。このフラッシング領域では、キャップホルダ170は、案内溝165及び166に沿って上昇せず、キャッピング部材72は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aの下方に離れた位置に配置される。また、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aと摺接しない位置に配置される。この状態でフラッシング工程が実施される。フラッシング工程終了後、記録ヘッド44は、ワイピング部材80によって払拭清掃されないまま、図9に示すフラッシング領域から図8に示す印刷領域へ退出移動し、印刷動作が再開する。
【0073】
本実施形態によれば、キャップユニット161のワイピング部材80が記録ヘッド44の吐出口形成面44aをワイピングする場合に、ワイピング部材80と接続されるスライダ167はブラケット164に対して摺動する方向に直交する方向に可動範囲を有しない。よって、スライダ167と接続されたワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aに対してぶれることなく、より確実に吐出形成面44aを払拭することができる。
【0074】
また、レバー200にスライダ167の摺動方向に漸次幅が広いテーパ部210を設けることにより、スライダ167がレバー200に対して摺動するのに伴い、スライダ167の摺動方向と直交する方向の可動範囲を変更することができる。また、レバー200は、記録ヘッド44の移動によってスライダ167を介して駆動され、ブラケット164に対して移動する。従って、レバー200を駆動する駆動部を更に設けることなく、スライダ167の摺動方向と直交する方向の可動範囲を変更することができる。
【0075】
また、キャップユニット161のワイピング時以外の場合に、スライダ167は、ブラケット164に対して摺動する方向に直交する方向に、ワイピング時よりも大きな可動範囲を有する。これにより、スライダ167が摺動するときに摺動方向とは異なる方向への力がスライダ167に付勢された場合であっても、スライダ167が正しい姿勢に復帰することができる。よって、記録ヘッドがキャッピング部材を駆動する力がスライダ167とブラケットが接する一点に集中するのを防ぎ、キャップユニット161が破損することを防ぐことができる。
【0076】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0077】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、液体噴射装置のキャップユニットにおいて、ワイピング部材が吐出口形成面を払拭する場合に、吐出口形成面に対するワイピング部材の可動範囲を小さくすることにより吐出口形成面をより確実に払拭するとともに、キャップホルダが摺動する場合にキャップホルダの可動範囲を大きくし、キャップユニットが破損するおそれを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式記録装置10の側面概略図である。
【図2】インクジェット式記録装置10の部分斜視図である。
【図3】キャップユニット161の斜視図である。
【図4】キャップユニット161の上面図である。
【図5】キャップユニット161の側面図である。
【図6】レバー200の斜視図である。
【図7】キャップホルダ170の断面図である。
【図8】キャップユニット161の動作を示す側面図である。
【図9】キャップユニット161の動作を示す側面図である。
【図10】キャップユニット161の動作を示す側面図である。
【図11】キャップユニット161の動作を示す側面図である。
【図12】キャップユニット161の動作を示す側面図である。
【図13】キャップユニット161の上面図である。
【符号の説明】
10 インクジェット式記録装置
20 給送部
30 搬送部
40 印刷部
50 排出部
70 インク搬送部
72 キャッピング部材
75 チューブ
76 ポンプ
79 廃液ボックス
80 ワイピング部材
161 キャッピングユニット
164 ブラケット
167 スライダ
170 キャップホルダ
200 レバー
210 テーパ部

Claims (7)

  1. 溶液を吐出するヘッドに設けられた噴射口を覆うキャッピング部材と、前記噴射口を払拭するワイピング部材と、前記キャッピング部材及び前記ワイピング部材を摺動可能に載置するブラケットとを備えるキャップユニットであって、
    前記キャッピング部材が前記噴射口を覆う場合に前記ブラケットに対して許容される前記キャッピング部材の可動範囲を、前記ワイピング部材が前記噴射口を払拭する場合に前記ブラケットに対して許容される前記ワイピング部材の可動範囲よりも大きくしたことを特徴とするキャップユニット。
  2. 前記キャッピング部材と前記ブラケットの間に設けられ、前記キャッピング部材と前記ブラケットとに対して摺動可能である規制部材を更に備え、
    前記規制部材は、前記ワイピング部材が前記噴射口を払拭する場合に、前記キャッピング部材の前記可動範囲を前記キャッピング部材の摺動方向に交差する方向に対して制限することを特徴とする請求項1に記載のキャップユニット。
  3. 前記キャップユニットは、前記キャッピング部材と前記ブラケットを載置し前記ブラケットに対して摺動するスライダを更に備え、
    前記規制部材は、前記キャップ部材の摺動方向に漸次幅広のテーパ部を有し、前記ワイピング部材が前記噴射口を払拭する場合に、前記テーパ部における幅が広くなる方向へ前記スライダが移動し、前記テーパ部が前記スライダに当接することにより前記スライダの前記可動範囲を制限することを特徴とする請求項2に記載のキャップユニット。
  4. 前記キャッピング部材は前記記録ヘッドの前記ブラケットに対する移動によって駆動され、前記規制部材が前記ブラケットに対して移動することによって、前記テーパ部は前記キャッピング部材の前記可動範囲を制限することを特徴とする請求項3に記載のキャップユニット。
  5. 前記ワイピング部材が前記噴射口を払拭する場合に、前記ブラケットと前記規制部材とが係合して前記ブラケットに対して前記規制部材が固定されることにより、前記スライダが移動した場合に、前記スライダは前記規制部材の前記テーパ部に当接するとともに、
    前記規制部材は、前記テーパにおける幅が広くなる方向へ付勢されており、
    前記ワイピング部材が前記噴射口を払拭しない場合には、前記ブラケットが前記規制部材の摺動を許容することにより、前記規制部材が前記ブラケットに対して摺動して、前記規制部材が前記スライダと前記テーパ部との当接を解放する
    ことを特徴とする請求項4に記載のキャップユニット。
  6. 前記スライダは摺動方向に沿った側面から突出する支持ピンを有し、
    前記規制部材は、前記テーパ−部を貫通するとともに前記摺動方向に延び、前記スライダの前記支持ピンが摺動可能に挿入される長穴を有し、
    前記ブラケットは前記スライダの摺動方向に延び、前記規制部材の前記長穴を貫通した前記スライダの前記支持ピンを摺動可能に支持する案内溝を有し、
    前記ワイピング部材が前記噴射口を払拭する場合に、前記ブラケットに対して前記規制部材が固定され、前記スライダの前記支持ピンが前記テーパにおける幅が広くなる方向へ前記規制部材の前記長穴を摺動することにより、前記スライダが前記規制部材の前記テーパ部に当接するとともに、
    前記ワイピング部材が前記噴射口を払拭しない場合には、前記スライダの前記支持ピンが前記テーパにおける幅が広くなる方向とは反対方向へ前記規制部材の前記長穴を摺動することにより、前記スライダが前記テーパ部との当接から離れる
    ことを特徴とする請求項5に記載のキャップユニット。
  7. 溶液を吐出する噴射口を有するヘッドと、
    前記噴射口を覆うキャッピング部材と、
    前記噴射口を払拭するワイピング部材と、
    前記キャッピング部材および前記ワイピング部材を摺動可能に載置する本体と
    を備え、
    前記キャッピング部材が前記噴射口を覆う場合に前記本体に対して許容される前記キャッピング部材の可動範囲を、前記ワイピング部材が前記噴射口を払拭する場合に前記本体に対して許容される前記ワイピング部材の可動範囲よりも大きくしたことを特徴とする液体噴射装置。
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