JP2004034330A - 炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具および人工石材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】吊り金具が的確な位置や埋設深さから外れないで、且つ石材上面に対し垂直を保つことができるような炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具および人工石材の製造方法を提供する。
【解決手段】粉粒状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材用原料の稠密充填層を形成し、該充填層を炭酸化反応により固結させることにより人工石材を製造する際に、下部が前記充填層の上面に埋め込まれた吊り金具を保持するための保持具であって、充填層の上面に当接する着座面を有する本体と、該本体に設けられ、前記吊り金具の充填層上面から突出した金具部分を着脱可能に保持する保持手段とを備えたことを特徴とする炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具。
【選択図】 図1
【解決手段】粉粒状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材用原料の稠密充填層を形成し、該充填層を炭酸化反応により固結させることにより人工石材を製造する際に、下部が前記充填層の上面に埋め込まれた吊り金具を保持するための保持具であって、充填層の上面に当接する着座面を有する本体と、該本体に設けられ、前記吊り金具の充填層上面から突出した金具部分を着脱可能に保持する保持手段とを備えたことを特徴とする炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CaOまたはCa(OH)2分含有廃材や鉄鋼製造プロセスで発生したスラグなどの未炭酸化Caまたは水酸化Ca含有原料を炭酸化反応により固結させて得られた石材の吊り金具保持具に関するもので、製造された人工石材(炭酸固化体)は、漁礁・藻礁造成用石材、築磯用石材、水質浄化用石材、通水性舗装用石材、通水性被覆ブロック、埋設排水溝用ブロック、水耕栽培用ベース材、浄水用フィルター、給水用容器をはじめとする種々の用途に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ等を主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材とする方法は、一般に原料の水分調整と原料の撹拌を行う工程と、この工程を経た原料を型枠内に所要の稠密度にまで充填する工程と、型枠内の原料充填層に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程と、この工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程とを有している。
【0003】
このような工程を経て製造される石材(スラグブロックともいう)の外面には、石材を移動させる際のハンドリング性を考慮して、通常、吊り上げ手段(例えば、クレーンのフック等)を係止できる把手を設けている。把手の構造は通常、把手を構成すべき金具の下部を石材中に埋め込み、石材面から突出した金具部分により把手を構成している。また、把手の設け方も任意であり、製造された石材に対して適当な金具等を取付け固定することにより把手を設けてもよいが、簡便で且つ高い取付強度が確保されるという面からは、石材の製造に金具等を原料充填層に埋め込む方法がもっとも好ましい。
【0004】
特開2000−157094号には、上記原料を型枠内に充填する工程において、水中沈設用石材外面に、水中に沈設する際等のハンドリング性を考慮して、吊り上げ手段(例えばクレーンのフック等)を係止できる把手を設けることが示されている。
【0005】
また、特開2000−203923号には、上記原料を型枠内に充填する工程において、原料が装入された型枠および/または原料層を振動させつつ、吊り金具を脱着可能に取り付けた加圧手段を用いて原料層を上部から静的に加圧することにより、原料層を所定の嵩密度に充填するとともに、前記加圧手段による原料層の加圧により吊り金具の一部を原料層中に埋入させ、加圧終了後、吊り金具と加圧手段との連結を解除し、吊り金具を原料充填層に残したまま同工程を終了することが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−157094号には把手となる金具等を埋め込むことが記載されているだけであり、具体的な手段・方法は記載されていない。
【0007】
また、特開2000−203923号に示された吊り金具では、吊り金具が加圧手段により倒され、または傾いて埋め込まれてしまう恐れがある。また、加圧と振動により原料が減容する際に、吊り金具が必要以上に原料層に埋没したり、あるいは原料粒子が密なる方から粗なる方へ移動するにつれて吊り金具も一緒に移動する恐れがある。
【0008】
このように従来法では、加圧と振動により原料が大きく減容し、また原料粒子の初期の粗密ムラを均一化するための原料自身の動きに追随して、吊り金具が本来の平面位置や埋没深さから外れ、または石材上面に対し垂直を保つことができないことが多い。
【0009】
吊り金具が的確な位置から外れ、また埋設深さから外れて設置されると、吊り金具として使用できないことになり、また製品の商品性を損なうことになる。
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、吊り金具が的確な位置や埋設深さから外れないで、且つ石材上面に対し垂直を保つことができるような炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具および人工石材の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の特徴は以下の通りである。
【0012】
(1)粉粒状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材用原料の稠密充填層を形成し、該充填層を炭酸化反応により固結させることにより人工石材を製造する際に、下部が前記充填層の上面に埋め込まれた吊り金具を保持するための保持具であって、充填層の上面に当接する着座面を有する本体と、該本体に設けられ、前記吊り金具の充填層上面から突出した金具部分を着脱可能に保持する保持手段とを備えたことを特徴とする炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具。
【0013】
(2)本体が、下面が着座面となる円板状板材と、該円板状板材に立設された短筒体とからなり、該短筒体の内側に吊り金具を着脱可能に保持する保持手段を設けたことを特徴とする上記(1)に記載の炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具。
【0014】
(3)粉粒状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材用原料の稠密充填層を形成し、該充填層を炭酸化反応により固結させることにより人工石材を製造する際に、前記充填層の上面に当接する加圧面を有し、この加圧面に保持具収納用の凹部を有する加圧具を上記(1)または(2)に記載の保持具に被せ、該保持具の水平方向への変位を拘束して、前記充填層を加圧、加振することを特徴とする人工石材の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は、本発明の吊り金具の保持具の一実施形態を示すもので、図1は斜視図、図2は縦断面図、図3は吊り金具の側面図、図4は型枠内に設置された吊り金具の保持具の縦断面図である。
【0016】
前述のように、粉粒状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材とする方法は、一般に原料の水分調整と原料の撹拌を行う工程と、この工程を経た原料を型枠内に所要の稠密度にまで加圧・振動充填する工程と、型枠内の原料充填層に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程と、この工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程とからなる。
【0017】
このうち原料を型枠内に所要の稠密度にまで充填する工程において、石材の外面には、石材を移動させる際のハンドリング性を考慮して、通常把手を設けている。把手の構造は通常、吊り金具の下部が原料充填層に埋め込まれ、吊り金具の金具部分が原料充填層上面から突出している。
【0018】
図4に示す型枠7は、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ等を主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより所定の大きさの塊状石材とするためのもので、上面板と底板と、4面からなる側面板によって囲まれた構造になっている。
【0019】
図1〜図4に示す保持具2は、下部が原料充填層の上面に埋め込まれた吊り金具を定位置に保持するためのもので、原料充填層の上面に当接する着座面を有する本体3と、この本体3に設けられ、吊り金具1を着脱可能に保持する保持手段4とを備えている。
【0020】
前記本体3は、その下面が着座面となる円板状板材31と、この円板状板材31に立設された短筒体32とからなり、この短筒体32の内側に吊り金具を着脱可能に保持する保持手段4を備えている。
【0021】
前記吊り金具1は、例えば鉄筋棒を曲げ加工したもので、例えば直径10〜15mm程度の鉄筋棒(軟鋼)が用いられる。
【0022】
前記円板状板材31は、保持具2に吊り金具1を保持した組み立て構造を原料充填層に押し込むときに、原料充填層に埋まらない程度の着座面の面積を有する必要がある。
【0023】
前記短筒体32の筒面には、吊り金具を着脱可能に保持する保持手段を操作するための作業孔33が開けられている。また、筒面はテーパを有しており、短筒体32の上部に被せられる加圧具6と、例えば約10mmの適切な空隙を有して嵌め合わされる。
【0024】
前記保持手段4は、短筒体32の内部に挿入された吊り金具1をピン41で固定するための側板42、43および図示しない前後の側板および上面板44とを備えている。吊り金具1を側板42、43および前後の側板および上面板44に囲まれた中に挿入してピン41で固定することにより、吊り金具1を原料充填層の上面に対して垂直に保持し、且つ埋設深さを一定にすることができる。
【0025】
以下、上記構成を用いた保持具2の吊り金具保持方法および人工石材の製造方法を説明する。
【0026】
まず、図2に示すように、原料充填層の上面に当接する着座面を有する本体3と、本体3に設けられた保持手段4とからなる保持具2に、図3に示す吊り金具1を挿入してピン41を差し込んで一体として組み立てる。
【0027】
次にこの組み立てられた構造を、型枠内の原料充填層の上面の所定位置に押し込み、次の加圧・振動充填の工程に送る。図5は、原料充填層の上面の所定位置への位置決めが簡便に行える一例を示す。つまり、この例では十字形をした挿入ガイド部材5にこの組み立てられた構造を取り付けて型枠内の原料充填層の中に押し込んでいく。
【0028】
図5に示した例では、十字形の挿入ガイド部材5の下部に箱型の入れ子52を取り付けて、その入れ子52を保持手段の側板42、43および図示しない前後の側板の中に挟み込んでピン41により固定することにより、組み立て構造を挿入ガイド部材5に取り付けている。
【0029】
前記挿入ガイド部材5は、図5に示した例では十字型のフレーム構造50を有し、その十字型のフレーム構造50の4つの端には位置決めローラ51が取り付けられて型枠の内面に沿って、図5に示す挿入ガイド部材5に取り付けられて、組み立て構造を垂直に、且つ型枠の所定の位置に(通常は中心位置に)位置決めしながら、原料充填層の内部に、円板状板材31が原料充填層の上面に当接するまで埋め込んでいく。
【0030】
次に、ピン41を引き抜き、挿入ガイド部材5と保持具2との連結を切り、挿入ガイド5のみ上方に外す。この段階で吊り金具は保持具の4方の側板で拘束されている。次に図4に示すように、保持具2の上部に、保持具2の短筒体32のテーパに適切な隙間を有して嵌め合う、短筒体32と相対する位置に保持具を収納する凹部を有する加圧具6を被せる。
【0031】
前記加圧具6の下面は、型枠の内側の原料充填層の上面をほぼ全面に覆う大きさの加圧面を有しており、加圧具6の上方より加圧手段により加圧される。加圧具6の下面が型枠の内側の原料充填層の上面をほぼ全面に覆う大きさとするのは、原料充填層の上面になるべく自由表面を作らないためである。自由表面があると原料粒子が移動し、結果として粒子が粗いものは上側に、細かいものが下側に分離してしまうからである。また、保持具2の上部に上記特徴を有する加圧具6を被せるのは、加圧具6の上方より原料充填層を静的に加圧しながら型枠および/または原料充填層を振動させる時に、保持具2が水平方向に移動しないように、保持具2の水平方向への変位を拘束して、位置決めをしておく必要があるからである。この時に、保持具2の短筒体32がテーパを有する構造とすれば、それに嵌め合うように加圧具6の内側も凹部を有する構造として、水平方向の位置決めを容易に行うことができる。また、テーパ構造同士を嵌め合うので、保持具2の短筒体32の肩に加圧具6が当たり、保持具2を原料充填層に斜めに押し込むこともなく、両者を傷つける恐れもなくて好ましい。
【0032】
最後に、型枠を図示しない門型フレーム構造の中で、門型フレーム構造に取り付けられたエアーシリンダー等から加圧ロッドを介して、上記の加圧具を上方より加圧するとともに、型枠下部からは偏心機構により型枠および/または原料充填層を加振させて原料を充填させ人工石材を製造する。
【0033】
【発明の効果】
本発明により、吊り金具が的確な位置から外れることなく、且つ石材上面に対し垂直を保ち、さらに埋設深さを的確に保つことができる。これにより製品歩留りが向上し、また作業能率が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吊り金具の保持具の一実施形態を示す斜視図
【図2】本発明の吊り金具の保持具の一実施形態を示す縦断面図
【図3】吊り金具の一例を示す側面図
【図4】本発明の吊り金具の保持具の一実施形態を示す型枠内に設置された吊り金具の保持具の縦断面図
【図5】吊り金具の保持具の原料充填層への挿入の位置決めの一例を示す説明図
【符号の説明】
1 吊り金具
2 保持具
3 本体
31 円板状板材
32 短筒体
33 作業孔
4 保持手段
41 ピン
42 側板
43 側板
【発明の属する技術分野】
本発明は、CaOまたはCa(OH)2分含有廃材や鉄鋼製造プロセスで発生したスラグなどの未炭酸化Caまたは水酸化Ca含有原料を炭酸化反応により固結させて得られた石材の吊り金具保持具に関するもので、製造された人工石材(炭酸固化体)は、漁礁・藻礁造成用石材、築磯用石材、水質浄化用石材、通水性舗装用石材、通水性被覆ブロック、埋設排水溝用ブロック、水耕栽培用ベース材、浄水用フィルター、給水用容器をはじめとする種々の用途に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ等を主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材とする方法は、一般に原料の水分調整と原料の撹拌を行う工程と、この工程を経た原料を型枠内に所要の稠密度にまで充填する工程と、型枠内の原料充填層に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程と、この工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程とを有している。
【0003】
このような工程を経て製造される石材(スラグブロックともいう)の外面には、石材を移動させる際のハンドリング性を考慮して、通常、吊り上げ手段(例えば、クレーンのフック等)を係止できる把手を設けている。把手の構造は通常、把手を構成すべき金具の下部を石材中に埋め込み、石材面から突出した金具部分により把手を構成している。また、把手の設け方も任意であり、製造された石材に対して適当な金具等を取付け固定することにより把手を設けてもよいが、簡便で且つ高い取付強度が確保されるという面からは、石材の製造に金具等を原料充填層に埋め込む方法がもっとも好ましい。
【0004】
特開2000−157094号には、上記原料を型枠内に充填する工程において、水中沈設用石材外面に、水中に沈設する際等のハンドリング性を考慮して、吊り上げ手段(例えばクレーンのフック等)を係止できる把手を設けることが示されている。
【0005】
また、特開2000−203923号には、上記原料を型枠内に充填する工程において、原料が装入された型枠および/または原料層を振動させつつ、吊り金具を脱着可能に取り付けた加圧手段を用いて原料層を上部から静的に加圧することにより、原料層を所定の嵩密度に充填するとともに、前記加圧手段による原料層の加圧により吊り金具の一部を原料層中に埋入させ、加圧終了後、吊り金具と加圧手段との連結を解除し、吊り金具を原料充填層に残したまま同工程を終了することが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−157094号には把手となる金具等を埋め込むことが記載されているだけであり、具体的な手段・方法は記載されていない。
【0007】
また、特開2000−203923号に示された吊り金具では、吊り金具が加圧手段により倒され、または傾いて埋め込まれてしまう恐れがある。また、加圧と振動により原料が減容する際に、吊り金具が必要以上に原料層に埋没したり、あるいは原料粒子が密なる方から粗なる方へ移動するにつれて吊り金具も一緒に移動する恐れがある。
【0008】
このように従来法では、加圧と振動により原料が大きく減容し、また原料粒子の初期の粗密ムラを均一化するための原料自身の動きに追随して、吊り金具が本来の平面位置や埋没深さから外れ、または石材上面に対し垂直を保つことができないことが多い。
【0009】
吊り金具が的確な位置から外れ、また埋設深さから外れて設置されると、吊り金具として使用できないことになり、また製品の商品性を損なうことになる。
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、吊り金具が的確な位置や埋設深さから外れないで、且つ石材上面に対し垂直を保つことができるような炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具および人工石材の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の特徴は以下の通りである。
【0012】
(1)粉粒状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材用原料の稠密充填層を形成し、該充填層を炭酸化反応により固結させることにより人工石材を製造する際に、下部が前記充填層の上面に埋め込まれた吊り金具を保持するための保持具であって、充填層の上面に当接する着座面を有する本体と、該本体に設けられ、前記吊り金具の充填層上面から突出した金具部分を着脱可能に保持する保持手段とを備えたことを特徴とする炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具。
【0013】
(2)本体が、下面が着座面となる円板状板材と、該円板状板材に立設された短筒体とからなり、該短筒体の内側に吊り金具を着脱可能に保持する保持手段を設けたことを特徴とする上記(1)に記載の炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具。
【0014】
(3)粉粒状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材用原料の稠密充填層を形成し、該充填層を炭酸化反応により固結させることにより人工石材を製造する際に、前記充填層の上面に当接する加圧面を有し、この加圧面に保持具収納用の凹部を有する加圧具を上記(1)または(2)に記載の保持具に被せ、該保持具の水平方向への変位を拘束して、前記充填層を加圧、加振することを特徴とする人工石材の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は、本発明の吊り金具の保持具の一実施形態を示すもので、図1は斜視図、図2は縦断面図、図3は吊り金具の側面図、図4は型枠内に設置された吊り金具の保持具の縦断面図である。
【0016】
前述のように、粉粒状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材とする方法は、一般に原料の水分調整と原料の撹拌を行う工程と、この工程を経た原料を型枠内に所要の稠密度にまで加圧・振動充填する工程と、型枠内の原料充填層に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程と、この工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程とからなる。
【0017】
このうち原料を型枠内に所要の稠密度にまで充填する工程において、石材の外面には、石材を移動させる際のハンドリング性を考慮して、通常把手を設けている。把手の構造は通常、吊り金具の下部が原料充填層に埋め込まれ、吊り金具の金具部分が原料充填層上面から突出している。
【0018】
図4に示す型枠7は、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ等を主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより所定の大きさの塊状石材とするためのもので、上面板と底板と、4面からなる側面板によって囲まれた構造になっている。
【0019】
図1〜図4に示す保持具2は、下部が原料充填層の上面に埋め込まれた吊り金具を定位置に保持するためのもので、原料充填層の上面に当接する着座面を有する本体3と、この本体3に設けられ、吊り金具1を着脱可能に保持する保持手段4とを備えている。
【0020】
前記本体3は、その下面が着座面となる円板状板材31と、この円板状板材31に立設された短筒体32とからなり、この短筒体32の内側に吊り金具を着脱可能に保持する保持手段4を備えている。
【0021】
前記吊り金具1は、例えば鉄筋棒を曲げ加工したもので、例えば直径10〜15mm程度の鉄筋棒(軟鋼)が用いられる。
【0022】
前記円板状板材31は、保持具2に吊り金具1を保持した組み立て構造を原料充填層に押し込むときに、原料充填層に埋まらない程度の着座面の面積を有する必要がある。
【0023】
前記短筒体32の筒面には、吊り金具を着脱可能に保持する保持手段を操作するための作業孔33が開けられている。また、筒面はテーパを有しており、短筒体32の上部に被せられる加圧具6と、例えば約10mmの適切な空隙を有して嵌め合わされる。
【0024】
前記保持手段4は、短筒体32の内部に挿入された吊り金具1をピン41で固定するための側板42、43および図示しない前後の側板および上面板44とを備えている。吊り金具1を側板42、43および前後の側板および上面板44に囲まれた中に挿入してピン41で固定することにより、吊り金具1を原料充填層の上面に対して垂直に保持し、且つ埋設深さを一定にすることができる。
【0025】
以下、上記構成を用いた保持具2の吊り金具保持方法および人工石材の製造方法を説明する。
【0026】
まず、図2に示すように、原料充填層の上面に当接する着座面を有する本体3と、本体3に設けられた保持手段4とからなる保持具2に、図3に示す吊り金具1を挿入してピン41を差し込んで一体として組み立てる。
【0027】
次にこの組み立てられた構造を、型枠内の原料充填層の上面の所定位置に押し込み、次の加圧・振動充填の工程に送る。図5は、原料充填層の上面の所定位置への位置決めが簡便に行える一例を示す。つまり、この例では十字形をした挿入ガイド部材5にこの組み立てられた構造を取り付けて型枠内の原料充填層の中に押し込んでいく。
【0028】
図5に示した例では、十字形の挿入ガイド部材5の下部に箱型の入れ子52を取り付けて、その入れ子52を保持手段の側板42、43および図示しない前後の側板の中に挟み込んでピン41により固定することにより、組み立て構造を挿入ガイド部材5に取り付けている。
【0029】
前記挿入ガイド部材5は、図5に示した例では十字型のフレーム構造50を有し、その十字型のフレーム構造50の4つの端には位置決めローラ51が取り付けられて型枠の内面に沿って、図5に示す挿入ガイド部材5に取り付けられて、組み立て構造を垂直に、且つ型枠の所定の位置に(通常は中心位置に)位置決めしながら、原料充填層の内部に、円板状板材31が原料充填層の上面に当接するまで埋め込んでいく。
【0030】
次に、ピン41を引き抜き、挿入ガイド部材5と保持具2との連結を切り、挿入ガイド5のみ上方に外す。この段階で吊り金具は保持具の4方の側板で拘束されている。次に図4に示すように、保持具2の上部に、保持具2の短筒体32のテーパに適切な隙間を有して嵌め合う、短筒体32と相対する位置に保持具を収納する凹部を有する加圧具6を被せる。
【0031】
前記加圧具6の下面は、型枠の内側の原料充填層の上面をほぼ全面に覆う大きさの加圧面を有しており、加圧具6の上方より加圧手段により加圧される。加圧具6の下面が型枠の内側の原料充填層の上面をほぼ全面に覆う大きさとするのは、原料充填層の上面になるべく自由表面を作らないためである。自由表面があると原料粒子が移動し、結果として粒子が粗いものは上側に、細かいものが下側に分離してしまうからである。また、保持具2の上部に上記特徴を有する加圧具6を被せるのは、加圧具6の上方より原料充填層を静的に加圧しながら型枠および/または原料充填層を振動させる時に、保持具2が水平方向に移動しないように、保持具2の水平方向への変位を拘束して、位置決めをしておく必要があるからである。この時に、保持具2の短筒体32がテーパを有する構造とすれば、それに嵌め合うように加圧具6の内側も凹部を有する構造として、水平方向の位置決めを容易に行うことができる。また、テーパ構造同士を嵌め合うので、保持具2の短筒体32の肩に加圧具6が当たり、保持具2を原料充填層に斜めに押し込むこともなく、両者を傷つける恐れもなくて好ましい。
【0032】
最後に、型枠を図示しない門型フレーム構造の中で、門型フレーム構造に取り付けられたエアーシリンダー等から加圧ロッドを介して、上記の加圧具を上方より加圧するとともに、型枠下部からは偏心機構により型枠および/または原料充填層を加振させて原料を充填させ人工石材を製造する。
【0033】
【発明の効果】
本発明により、吊り金具が的確な位置から外れることなく、且つ石材上面に対し垂直を保ち、さらに埋設深さを的確に保つことができる。これにより製品歩留りが向上し、また作業能率が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吊り金具の保持具の一実施形態を示す斜視図
【図2】本発明の吊り金具の保持具の一実施形態を示す縦断面図
【図3】吊り金具の一例を示す側面図
【図4】本発明の吊り金具の保持具の一実施形態を示す型枠内に設置された吊り金具の保持具の縦断面図
【図5】吊り金具の保持具の原料充填層への挿入の位置決めの一例を示す説明図
【符号の説明】
1 吊り金具
2 保持具
3 本体
31 円板状板材
32 短筒体
33 作業孔
4 保持手段
41 ピン
42 側板
43 側板
Claims (3)
- 粉粒状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材用原料の稠密充填層を形成し、該充填層を炭酸化反応により固結させることにより人工石材を製造する際に、下部が前記充填層の上面に埋め込まれた吊り金具を保持するための保持具であって、充填層の上面に当接する着座面を有する本体と、該本体に設けられ、前記吊り金具の充填層上面から突出した金具部分を着脱可能に保持する保持手段とを備えたことを特徴とする炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具。
- 本体が、下面が着座面となる円板状板材と、該円板状板材に立設された短筒体とからなり、該短筒体の内側に吊り金具を着脱可能に保持する保持手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具。
- 粉粒状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材用原料の稠密充填層を形成し、該充填層を炭酸化反応により固結させることにより人工石材を製造する際に、前記充填層の上面に当接する加圧面を有し、この加圧面に保持具収納用の凹部を有する加圧具を請求項1または2に記載の保持具に被せ、該保持具の水平方向への変位を拘束して、前記充填層を加圧、加振することを特徴とする人工石材の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2002190614A JP2004034330A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 炭酸化処理により製造される人工石材用吊り金具の保持具および人工石材の製造方法 |
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Cited By (2)
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JP2006230341A (ja) * | 2005-02-28 | 2006-09-07 | Jfe Steel Kk | 水中生物着生用器具及びその製造方法 |
CN106744276A (zh) * | 2016-12-26 | 2017-05-31 | 苏州沃森优金电子科技有限公司 | 一种起重机用吊钩 |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002190614A patent/JP2004034330A/ja active Pending
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