JP2004034001A - Method for improving water quality - Google Patents
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Abstract
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水質改善方法に関する技術分野に属し、特には、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水の水質改善方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
逆浸透装置を用いた海水の淡水化法は、淡水が得られにくい離島や臨海地帯などで海水から塩分などを除去し、飲料に適した水を得る方法として広く利用されている。
【０００３】
飲料用に用いられる水道水には、必ず適合しなくてはならない項目として「基準項目（基準値：４６項目）」（「水質基準に関する省令」、平成４年１２月２１日付、厚生省令第６９号）が定められており、さらに、おいしい水道水など、より質の高い水道水を目指し、水質基準を補完する項目として「快適水質（目標値：１３項目）」（厚生省生活衛生局水道環境部長通知「水道水質に関する基準の制定について」、平成４年１２月２１日付、衛水第２６４号）が定められている。
【０００４】
この内、「快適水質」は水道水に対するニーズの高度化に応えるためのものであり、この中ではランゲリア指数は「−１程度とし、極力０に近づける」、ｐＨは７．５ 程度、カルシウム・マグネシウム等（硬度）は「１０ｍｇ／リットル（以下、Ｌという）以上、１００ｍｇ ／Ｌ以下」とされている。
【０００５】
ランゲリア指数とは、水の腐食性の指標であり、特に水道水の場合、配管や機器類の腐食、スケール（水垢）の形成に深く係わっている。ランゲリア指数の値がプラスであると炭酸カルシウムが水中から析出し、この値がマイナスであると炭酸カルシウムが水中に溶解し、この値がゼロであると析出も溶解もしない状態であるとされる。水のランゲリア指数を−１以上とすることにより、配管の腐食を防止できるとされている。
【０００６】
ランゲリア指数は、飽和度指数（ＳＩ）とも呼ばれ、その基本となる化学方程式は、
ＣａＣＯ３（ｓ） ＋ Ｈ＋ ＝ Ｃａ２＋ ＋ＨＣＯ３ − −−−−−−−− （１）
であり、この式に基づいて次の式が得られる。
ｐＨＳ ＝ｐＣａ２＋ ＋ ｐＡｌｋ − ｐＫ（１） −−−−−−−− （２）
ＳＩ ＝ ｐＨ− ｐＨＳ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− （３）
【０００７】
ここで、 ｐＨＳ は、カルシウムイオンとアルカリ（ここでは［ＨＣＯ３ − ］）とがＣａＣＯ３（ｓ）の生成によって平衡となっている状態の ｐＨ値で、 ｐＫ（１） は （１）式に対する平衡定数の ｐＫ値である。ｐＣａ２＋ はＣａ２＋の濃度、 ｐＡｌｋ はアルカリの濃度である。 （３）式の ｐＨ値は実測による値を意味し、 ｐＨ＞ ｐＨＳ 即ちＳＩの値が正の値であれば ＣａＣＯ３のスケールが沈殿する傾向があり、反対に負であれば ＣａＣＯ３が溶解し、 （１）式の反応は左→右に進み、腐食が起こりやすいことを示す。ＳＩ＝０の場合、溶解平衡が保たれていることになる（合田健 編著「水質環境科学」、丸善株式会社、ＩＳＢＮ ４−６２１−０３０３７−Ｘ Ｃ３０５１）。
【０００８】
ＳＩを求める方法としては、ランゲリア（Ｌａｎｇｅｌｉｅｒ）の提案による計算用グラフによる方法、Ｎｏｒｄｅｌｌ らによる換算式による方法、次式による方法等が提案されている。
【０００９】
ＳＩ ＝ ｐＨ− ｐＨＳ
＝ ｐＨ−８．３１３ ＋ｌｏｇ［Ｃａ２＋］ ＋ｌｏｇ［Ａｌｋ］
−［２（２．５×１０−５ Ｓｄ）−１／２］／［１＋（２．５×１０−５ Ｓｄ）−１／２］ −−−− （４）
ｐＨ：水の実際の ｐＨ値
ｐＨＳ ：理論上の ｐＨ値
ｌｏｇ ［Ｃａ２＋］ ：Ｃａ２＋濃度［ｍｅ／Ｌ］の対数、［ｍｅ／Ｌ］＝［ｍｇ／Ｌ ａｓ Ｃａ２＋］ ÷４０×２
ｌｏｇ ［Ａｌｋ］：総アルカリ度［ｍｅ／Ｌ］の対数、［ｍｅ／Ｌ］＝［ｍｇ／Ｌ ａｓ ＣａＣＯ３］÷１００ ×２
Ｓｄ ：溶解性物質量［ｍｇ／Ｌ］
【００１０】
一般に逆浸透膜にて淡水化された海水（海水の膜透過水）は、膜が２価のイオンを通しにくい性質もあって、カルシウム硬度が極端に低く、また、スケール防止のため注入する酸や透過水中の遊離炭酸の影響もあり、ｐＨも４〜５．５ 程度しかない。そのため、ランゲリア指数の引き上げには、炭酸カルシウムの飽和指数の引き上げが不可欠であり、水中のカルシウムおよび炭酸濃度引き上げを目的として消石灰等の硬度成分の注入や、消石灰等の硬度成分と炭酸ガスの組合せ注入処理が行われている。
【００１１】
平成１２年度の水道法改正では、飲料水中のホウ素も規制（１ｍｇ／Ｌ以下）されることになり、膜透過水を更に膜処理（膜による２段化処理）する必要が生じている。ホウ素は、２段目の膜供給水のｐＨを上げることにより効率的に除去できる（例えば、特開平１１−１０１４６号公報）。しかし、このようにして得られた２段処理淡水は従来の１段処理淡水よりも更に硬度成分が少なく、逆にｐＨが高い淡水となる。
【００１２】
この２段処理淡水の水質調整は、従来の１段処理淡水よりも更に困難であり、酸と硬度成分の同時注入等、多種多量の薬品を適切に添加する後処理工程が必要となる。
【００１３】
このような膜処理淡水を水道水として使用するために、ｐＨ（適正範囲：５．８ 〜８．６ ）、全硬度（＜１００ｍｇ／Ｌ ）、塩素濃度（＜２００ｍｇ／Ｌ ）等を、同時に且つ安価・簡便な方法により、許容範囲内に納める工業的手法が必要となっている。
【００１４】
これまで、水道管腐食対策のために、水の処理方法として種々の方法が提案されており、それらの方法としては例えば特開平０５−１３８１８０ 号公報、特開平０６−２８７７７号公報、特開平０６−８６９８９号公報、特開２００１−１２９５６３ 号公報に記載の方法などがある。
【００１５】
これらの方法の中、特開平０５−１３８１８０ 号公報に記載の方法は、「水道水の処理方法」に関するものであり、この公報には、「消石灰を使用して水道水のランゲリア指数を改善する方法において、消石灰水溶液もしくはスラリーを原水に注入しながら炭酸ガスを吹き込み、炭酸水素ナトリウムを生成させる」という方法が開示されており、これによれば、「原水に直接炭酸ガスを吹き込む場合に比し、処理中に酸性の水の存在する領域がなく、配管等に腐食を生じることがない」という旨の記載がある。しかし、この方法においては、炭酸ガスを効率良く溶解させるためには、空気中に存在する炭酸ガス（約３５０ｐｐｍ）だけでは不十分なため、溶解量を増やすために炭酸ガス分圧を高めるための加圧操作あるいは炭酸ガスボンベの使用が必要になる。
【００１６】
特開平０６−２８７７７号公報に記載の方法は、「各種用水又は排水用の管路の腐食防止のために水の腐食性を低下させようとするもの」であり、この公報には、「ランゲリア指数が小さく腐食性の高い水に溶解度の高いカルシウム塩およびアルカリ剤の両者あるいは一方を注入して腐食性を低下させる方法」、更に、「この方法において溶解度の高いカルシウム塩として塩化カルシウムを用いること」、また、「この方法においてアルカリ剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム等を用いること」が開示されている。そして、実施例の項には、「アルカリ度や硬度の低い河川水（ｐＨ６．９ ）に塩化カルシウムを添加した後、アルカリ剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウムのいずれか１種を用いてｐＨ調整（ｐＨ７．５ 〜７．７ に調整）したところ、何れのアルカリ剤を用いても、ランゲリア指数は−１．０ 程度（−０．８１〜−１．０６）となり、腐食性の低い水に変化していることが分かった」と記載されている。
【００１７】
しかし、本発明者らが、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水や、精密ろ過膜、限外ろ過膜または逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水を被処理水とし、これら被処理水について、上記特開平０６−２８７７７号公報の実施例の項に記載の方法と同様に、塩化カルシウムを添加した後、アルカリ剤として水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムを添加してｐＨを調整すると共にランゲリア指数を調整するという実験をしたところ、飲料用水道水の水質基準補完項目としての快適水質の基準のｐＨおよびランゲリア指数を同時に満たすことが極めて難しかった。即ち、このｐＨを７．０ 〜８．０ 、ランゲリア指数を−１〜０に設定したが、このｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件（塩化カルシウムの添加量、アルカリ剤の添加量など）の範囲が極めて狭く、このため、ｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満足するように調整することが極めて困難であり、再現性に乏しくてｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満たす水を確実に得ることが極めて困難であった。中でも、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水を被処理水とした場合に、このような傾向が顕著であった。
【００１８】
特開平０６−８６９８９号公報に記載の方法は、「水道水の処理方法」に関するものであり、この公報には、「水道水に含まれる遊離炭酸を有効に利用しながら、水道水のランゲリア指数を改善すると共に、含まれる低級有機塩素化合物を除去すること」を目的とした方法であって、「低級有機塩素化合物および遊離炭酸を含む水道水にランゲリア指数が−１〜＋０．８ になる量の消石灰または炭酸カルシウムを溶解させたあと、この水を曝気処理する」という方法が記載されている。しかし、この方法においては、水の曝気処理により水道水中の低級有機塩素化合物は除去できるものの、炭酸ガスが飽和溶解する際、溶存量が変動し、溶存量が増加あるいは場合により減少するため、水のｐＨ・温度に応じて曝気処理に用いる空気の圧力あるいは炭酸ガス分圧を調整する必要がある。また、曝気処理のためにラシヒリング充填塔の様な気液接触装置が必要となる。
【００１９】
特開２００１−１２９５６３ 号公報に記載の方法は、「水（水道水、一般産業用水、工業用水、排水など）のｐＨ調整方法」に関するものであり、この公報には、「被処理水に消石灰水溶液を添加して被処理水のｐＨを上昇させた後、被処理水に炭酸を添加して被処理水のｐＨを低下させる水のｐＨ調整方法」が記載されている。この方法では、ｐＨを一旦上げることで炭酸の溶解量を上げることができるが、炭酸の溶解効率を高めるために空気ではなく炭酸ガスを使用する必要がある。また、ガス透過膜を有する専用の溶解装置が必要となる。
【００２０】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の水の処理方法すなわちランゲリア数の調整技術において、消石灰あるいは炭酸カルシウムと炭酸ガスの併用による方法（特開平０５−１３８１８０ 号公報、特開平０６−８６９８９号公報、特開２００１−１２９５６３ 号公報に記載の方法）では、炭酸ガスの溶解操作を行うに専用の溶解装置を必要とするために装置コストが高くなる、あるいは、炭酸ガス溶解量の制御が困難であるという問題点があった。また、塩化カルシウムと水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ剤による方法（特開平０６−２８７７７号公報に記載の方法）では、炭酸ガスの溶解操作は不要となるものの、飲料用水道水の水質基準補完項目としての快適水質の基準のｐＨとランゲリア指数（例えばｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０）を満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて狭いため、このようなｐＨとランゲリア指数を同時に満足するように調整することが極めて困難であり、従って、このようなｐＨとランゲリア指数を同時に満たす水を確実に得ることが極めて困難であるという問題点があった。
【００２１】
特に、海水の逆浸透膜処理により得られた淡水（逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水）は、脱塩処理されているため、ｐＨ緩衝能が小さく、少量の薬剤添加でもｐＨが変化し易いため、ｐＨとランゲリア数を同時に満足するように調整することがより一層困難になるという問題点があった。また、近年、水道法の改定により水質基準に加えられた飲料水中のホウ素濃度規制値（１ｍｇ／Ｌ以下）に対応するため、ｐＨ８〜１０のアルカリ性下での逆浸透膜処理が提案（特開平１１−１０１４６号公報）されているが、この方法では得られる淡水のｐＨが８〜１０ともなり、このため、ｐＨとランゲリア数を同時に満足するように調整することが更に困難になるという問題点がある。
【００２２】
本発明は、このような事情に着目してなされたものであって、その目的は、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水や、精密ろ過膜、限外ろ過膜または逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水の水質改善方法であって、炭酸ガスの溶解操作を必要とすることなく、上記淡水を快適水質の基準のｐＨとランゲリア指数（例えばｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０）を同時に満足するように調整することが容易であり、このようなｐＨとランゲリア指数を同時に満たす水を確実に得ることが容易である水質改善方法を提供しようとするものである。
【００２３】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る水質改善方法は、請求項１〜５記載の水質改善方法（第１発明〜第５発明に係る水質改善方法）としており、それは次のような構成としたものである。
【００２４】
即ち、請求項１記載の水質改善方法は、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水の水質改善方法であって、前記淡水のｐＨが７．０ 以下の場合はこの淡水に、前記淡水のｐＨが７．０ 超の場合はこの淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整した後に、塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整することを特徴とする水質改善方法である（第１発明）。
【００２５】
請求項２記載の水質改善方法は、精密ろ過膜、限外ろ過膜または逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水の水質改善方法であって、前記淡水のｐＨが７．０ 以下の場合はこの淡水に、前記淡水のｐＨが７．０ 超の場合はこの淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整した後に、塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整することを特徴とする水質改善方法である（第２発明）。
【００２６】
請求項３記載の水質改善方法は、前記酸添加によるｐＨの調整に際し、そのｐＨを４．０ 〜７．０ に調整する請求項１または２記載の水質改善方法である（第３発明）。
【００２７】
請求項４記載の水質改善方法は、前記酸添加によるｐＨの調整に際し、その酸として塩酸または硫酸を用いる請求項１〜３のいずれかに記載の水質改善方法である（第４発明）。
【００２８】
請求項５記載の水質改善方法は、前記塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムの注入によるｐＨとランゲリア数の調整に際し、そのｐＨを７．０ 〜８．０ に調整すると共に、ランゲリア数を−１〜０に調整する請求項１〜４のいずれかに記載の水質改善方法である（第５発明）。
【００２９】
【発明の実施の形態】
本発明は例えば次のようにして実施する。
逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水のｐＨが７．０ 以下の場合は、この淡水に塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整する。前記淡水のｐＨが７．０ 超の場合は、この淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整した後に、塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整する。このｐＨおよびランゲリア数としては、例えば、ｐＨ：７．０ 〜８．０ に調整すると共にランゲリア数：−１〜０に調整する。
【００３０】
精密ろ過膜、限外ろ過膜または逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水が被処理水である場合も、上記の場合と同様の方法により行う。即ち、精密ろ過膜、限外ろ過膜または逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水のｐＨが７．０ 以下の場合は、この淡水に塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整する。前記淡水のｐＨが７．０ 超の場合は、この淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整した後に、塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整する。このｐＨおよびランゲリア数としては、例えば、ｐＨ：７．０ 〜８．０ に調整すると共にランゲリア数：−１〜０に調整する。
【００３１】
このような形態で本発明が実施される。以下、本発明について主にその作用効果を説明する。
【００３２】
本発明の第１発明に係る水質改善方法（請求項１記載の水質改善方法）は、前述の如く、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水の水質改善方法であって、前記淡水のｐＨが７．０ 以下の場合はこの淡水に、前記淡水のｐＨが７．０ 超の場合はこの淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整した後に、塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整するようにしている。即ち、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水のｐＨが７．０ 以下の場合は、この淡水に塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整するようにし、一方、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水のｐＨが７．０ 超の場合は、この淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整した後に、塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整するようにしている。
【００３３】
上記水質改善方法によれば、炭酸ガスの溶解操作を必要としないので、炭酸ガスの昇圧設備、ボンベ、水中への溶解装置等が必要でない。簡便な薬液注入設備による薬液注入により水質調整を行うことができるため、操作が簡単である。また、装置コストが安くなる。
【００３４】
上記水質改善方法において、塩化カルシウムはカルシウム源であり、炭酸水素ナトリウム（重曹）は炭酸源であると共に弱アルカリ性のアルカリ剤である。炭酸水素ナトリウムはｐＨ緩衝作用を有する。水質調整に際し、かかるｐＨ緩衝作用を有する炭酸水素ナトリウムを水質調整に使用するため、ｐＨ変化が緩やかとなり、ｐＨ調整が容易になる。特に、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水は、脱塩処理されているため、ｐＨ緩衝能が小さいが、このようなｐＨ緩衝能が小さい淡水でも容易にｐＨ調整できる。
【００３５】
塩化カルシウム（カルシウム源）と炭酸水素ナトリウム（炭酸源）の濃度を直接調整でき、そのため、炭酸カルシウムの飽和指数の制御がし易く、ランゲリア数を確実に調整できる。
【００３６】
逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水のｐＨが７．０ 以下の場合は、この淡水に塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入することにより、ｐＨとランゲリア数を確実に調整することができる。逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水のｐＨが７．０ 超の場合は、この淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整した後に、塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入することにより、ｐＨとランゲリア数を確実に調整することができる。従って、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水のｐＨが７．０ 超の場合でも、ｐＨとランゲリア数を確実に調整することができる。即ち、調整快適水質の基準のｐＨとランゲリア指数（例えばｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０）を同時に満足するように調整することが容易にできる。
【００３７】
本発明の第２発明に係る水質改善方法（請求項２記載の水質改善方法）は、前述の如く、精密ろ過膜、限外ろ過膜または逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水の水質改善方法であって、前記淡水のｐＨが７．０ 以下の場合はこの淡水に、前記淡水のｐＨが７．０ 超の場合はこの淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整した後に、塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整するようにしている。
【００３８】
上記水質改善方法は、被処理水として前述の第１発明に係る水質改善方法での淡水（逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水）に代えて上記のような淡水（精密ろ過膜、限外ろ過膜または逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水）を用いるものであり、この点を除き前述の第１発明に係る水質改善方法の場合と同様の方法によるものである。従って、前述の第１発明に係る水質改善方法の場合と同様の作用効果を奏する。
【００３９】
本発明は、前述の本発明の目的を達成すべく、種々の条件で実験を重ね、得られたデータを解析するという研究を鋭意行い、その結果、得られた知見に基づき完成されたものである。
【００４０】
即ち、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水や、精密ろ過膜または限外ろ過膜あるいは逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水であつてｐＨが７．０ 以下のものを被処理水とし、これら被処理水について、塩化カルシウムを添加した後、アルカリ剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウムのいずれか１種を添加してｐＨを調整すると共にランゲリア指数を調整するという実験を行った。
【００４１】
その結果、アルカリ剤として水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムを添加した場合も、水酸化カルシウムを添加した場合も、飲料用水道水の水質基準補完項目としての快適水質の基準のｐＨとランゲリア指数を同時に満たすことが極めて難しいことがわかった。即ち、このｐＨを７．０ 〜８．０ 、ランゲリア指数を−１〜０に設定したが、このｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件（塩化カルシウムの添加量、アルカリ剤の添加量等）の範囲が極めて狭く、このため、ｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満足するように調整することが極めて困難であり、再現性に乏しくてｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満たす水を確実に得ることが極めて困難であることがわかった。中でも、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水を被処理水とした場合に、このような傾向が顕著であることがわかった。
【００４２】
これに対し、アルカリ剤として炭酸水素ナトリウムを添加した場合は、ｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件（塩化カルシウムの添加量、アルカリ剤の添加量など）の範囲が極めて広く、このため、ｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満足するように調整することが容易であり、再現性に優れてｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満たす水を確実に得ることが容易であることがわかった。なお、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水を被処理水とした場合においても、このような水質調整が容易であることがわかった。
【００４３】
また、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水や、精密ろ過膜または限外ろ過膜あるいは逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水であつてｐＨが７．０ 超のものを被処理水とし、これら被処理水について、前記のｐＨ７．０ 以下の淡水の場合と同様の実験を行った。その結果、ｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満足するように調整することが困難であることがわかった。
【００４４】
そこで、上記のｐＨ７．０ 超の淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整した後に、前記のｐＨ７．０ 以下の淡水の場合と同様の実験を行った。その結果、前記のｐＨ７．０ 以下の淡水の場合と同様の結果が得られた。即ち、アルカリ剤として水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムを添加した場合も水酸化カルシウムを添加した場合も、ｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満足するように調整することが極めて困難であるが、これに対し、アルカリ剤として炭酸水素ナトリウムを添加した場合は、ｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて広く、このため、ｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満足するように調整することが容易であり、再現性に優れてｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満たす水を確実に得ることが容易であることがわかった。
【００４５】
本発明は、以上のような知見に基づき完成されたものである。即ち、本発明の第１発明に係る水質改善方法は、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水の水質改善方法であって、前記淡水のｐＨが７．０ 以下の場合はこの淡水に、前記淡水のｐＨが７．０ 超の場合はこの淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整した後に、塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整するようにした。また、本発明の第２発明に係る水質改善方法は、精密ろ過膜、限外ろ過膜または逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水の水質改善方法であって、前記淡水のｐＨが７．０ 以下の場合はこの淡水に、前記淡水のｐＨが７．０ 超の場合はこの淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整した後に、塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムを注入してｐＨとランゲリア数を調整するようにした。
【００４６】
従って、本発明の第１発明に係る水質改善方法によれば、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水を水質調整するに際し、炭酸ガスの溶解操作を必要とすることなく、快適水質の基準のｐＨとランゲリア指数（例えばｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０）を同時に満足するように調整することが容易であり、このようなｐＨとランゲリア指数を同時に満たす水を確実に得ることが容易である。本発明の第２発明に係る水質改善方法によれば、精密ろ過膜、限外ろ過膜または逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水を水質調整するに際し、炭酸ガスの溶解操作を必要とすることなく、快適水質の基準のｐＨとランゲリア指数（例えばｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０）を同時に満足するように調整することが容易であり、このようなｐＨとランゲリア指数を同時に満たす水を確実に得ることが容易である。
【００４７】
本発明の第１発明に係る水質改善方法および第２発明に係る水質改善方法において、被処理水の淡水のｐＨが７．０ 超の場合は、この淡水に酸を添加してｐＨを７．０ 以下に調整するが、この酸添加によるｐＨの調整に際し、下限値は特には制限されるものではない。しかし、水質調整上の必要（ｐＨを大きく下げるには多量の酸が必要となり、再びｐＨを上げるには多量のアルカリ剤が必要となる。水質調整装置の運転費の上昇の抑制や、薬品注入に対する水道水ユーザへの配慮の点等から、酸やアルカリ剤の添加は少ないほうが望ましい。）や、薬剤（炭酸水素ナトリウム）の必要量をできるだけ少なくするためには、ｐＨの下限値を４．０ にし、ｐＨを４．０ 〜７．０ に調整するようにすることが望ましい（第３発明）。なお、後述の実施例２に記載のように、ｐＨを７．０ に調整した場合よりも、ｐＨを５．０ に調整した場合の方が、ｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が広い。この例のように、ｐＨは７．０ 以下で低い方が快適水質の基準のｐＨとランゲリア指数（例えばｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０）を同時に満足する水を得ることが可能な処理条件の範囲が広い。このような点からすると、ｐＨは７．０ 以下のできるだけ小さい値に調整することが望ましい。
【００４８】
前記酸添加によるｐＨの調整に際し、その酸としては特には限定されず、種々のものを用いることができ、例えば、塩酸または硫酸を用いることができる（第４発明）。
【００４９】
飲料用水道水の水質基準補完項目としての快適水質の基準のｐＨとランゲリア指数については、ｐＨは７．５ 程度、ランゲリア指数は−１程度とし、極力０に近づけることとされている。本発明の第１発明に係る水質改善方法も第２発明に係る水質改善方法も、これによれば、ｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０を同時に満足するように調整することは容易にでき、従って、飲料用水道水の水質基準補完項目としての快適水質の基準のｐＨとランゲリア指数を同時に満たす水を確実に得ることが容易にできる。この点から、本発明の適用例の一つとして、ｐＨを７．０ 〜８．０ に調整すると共に、ランゲリア数を−１〜０に調整することを挙げることができる（第５発明）。
【００５０】
【実施例】
本発明の実施例及び比較例を以下説明する。なお、本発明は本実施例に限定されるものではない。比較例は本発明の実施例に対する比較のための例であり、従来技術の例に限定されるものではない。
【００５１】
〔実施例１〕
ｐＨ：６．５ 、Ｃａ濃度：４４５ｍｇ／Ｌ（リットル）、ホウ素濃度：４．５６ｍｇ／Ｌ、全炭酸濃度：７５ｍｇ／Ｌ、温度：１５．６℃の海水を、逆浸透膜装置により、圧力：８．０Ｍｐａ、回収率：６０％の条件で、逆浸透処理して淡水を製造した。この淡水の水質を表１に示す。このように海水の逆浸透膜処理により製造される淡水は、Ｃａ、Ｍｇ、Ｎａ等のアルカリイオンが排除される一方、水中に溶存する遊離炭酸の排除率が低いため、ｐＨ５程度の酸性となり、ランゲリア指数−６．０ であり、極めて高い腐食性を示すものである。
【００５２】
この淡水を被処理水とし、塩化カルシウム５％水溶液を被処理水１Ｌ（リットル）当たり０．５ｍｌ 、１．０ｍｌ 、１．５ｍｌ 、２．０ｍｌ のレベルで添加した後に、炭酸水素ナトリウム（重曹）２％水を添加してｐＨ、ランゲリア指数、全硬度、塩素濃度の変化を調べた。この結果を表２に示す。なお、飲料用水道水の水質基準補完項目としての快適水質の基準のｐＨおよびランゲリア指数を、ｐＨは７．０ 〜８．０ 、ランゲリア指数は−１〜０に設定した。つまり、ｐＨの目標値を７．０ 〜８．０ 、ランゲリア指数の目標値を−１〜０とした（以下、同様）。
【００５３】
表２に示すように、塩化カルシウムと炭酸水素ナトリウム（重曹）を添加し、水中のカルシウム量および炭酸量を調整することにより、炭酸カルシウムの飽和指数を調整し、ランゲリア指数を−１〜０の間に調整することが可能である。また、弱アルカリ性で緩衝作用を有する炭酸水素ナトリウム（重曹）を添加することによって、緩やかにｐＨを調整することができる。このため、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水を得ることができる。
【００５４】
そして、このようなｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて広い。従って、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満足するように調整することが容易であり、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水を確実に得ることが容易であることがわかる。
【００５５】
即ち、表２からわかるように、塩化カルシウム５％水の添加量：０．５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の場合、重曹２％水の添加量：２０〜６０ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）のとき、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水が得られており、それ故に、重曹２％水の添加量を２０〜６０ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の範囲内の量にすれば、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能である。特に、重曹２％水の添加量を２５〜５５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）程度にすれば、塩化カルシウム５％水の塩化カルシウム濃度や塩化カルシウム５％水の秤量（添加量）、重曹２％水の重曹濃度や重曹２％水の秤量（添加量）に誤差が多少あっても、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることが可能である。このように、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて広い。このため、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることが容易である。
【００５６】
塩化カルシウム５％水の添加量：１ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の場合、重曹２％水の添加量：１５〜４０ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）のとき、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水が得られており、それ故に、重曹２％水の添加量を１５〜４０ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の範囲内にすれば、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能である。特に、重曹２％水の添加量を２０〜３５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）程度にすれば、重曹２％水の重曹濃度や重曹２％水の秤量（添加量）に誤差が多少あっても、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることが可能である。このように、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて広い。このため、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることが容易である。
【００５７】
また、塩化カルシウム５％水の添加量：１．５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の場合、重曹２％水の添加量：１０〜３０ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）のとき、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水が得られており、それ故に、重曹２％水の添加量を１０〜３０ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の範囲内にすれば、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能である。このように、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて広い。このため、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることが容易である。
【００５８】
更に、塩化カルシウム５％水の添加量：２ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の場合、重曹２％水の添加量：１０〜２５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）のとき、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水が得られており、それ故に、重曹２％水の添加量を１０〜２５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の範囲内にすれば、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能である。このように、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて広い。このため、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることが容易である。
【００５９】
以上のようにｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて広い。従って、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満足するように調整することが容易であり、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水を確実に得ることが容易であることがわかる。
【００６０】
なお、塩化カルシウム添加量が高い場合（表２においては１．０ｍｌ／Ｌ 以上添加の場合）、ｐＨとランゲリア指数を目標値（範囲内）に調整することはできるが、全硬度が高くなりすぎ、快適水質基準の硬度の目標値（全硬度１０〜１００ｍｇ ／Ｌ）を超える傾向がある。このため、塩化カルシウムの添加量は全硬度、塩素イオン濃度が過剰にならない範囲（全硬度１０〜１００ｍｇ／Ｌ、塩素イオン濃度＜２００ｍｇ／Ｌ）にとどめ、炭酸水素ナトリウムによりｐＨ、ランゲリア指数を調整するのが望ましい。
【００６１】
〔比較例１〕
実施例１の場合と同様の方法により製造された淡水に同様の塩化カルシウム５％水溶液を添加した後に、アルカリ剤として炭酸水素ナトリウム（重曹）２％水に代えて炭酸ナトリウム０．１ ％水または苛性ソーダ（水酸化ナトリウム）０．１ ％水を添加して、水質変化を調べた。この結果を表３および４に示す。なお、表３はアルカリ剤として炭酸ナトリウム０．１ ％水を添加した場合の結果、表４はアルカリ剤として水酸化ナトリウムを添加した場合の結果である。実施例１の場合と同様、ｐＨの目標値は７．０ 〜８．０ 、ランゲリア指数の目標値は−１〜０である。
【００６２】
表３および４に示すように、アルカリ剤として炭酸ナトリウム０．１ ％水を添加した場合も、水酸化ナトリウムを添加した場合も、ランゲリア指数を目標値の−１〜０の間に調整することは可能なものの、ランゲリア指数の上昇よりもｐＨの上昇の方が早く、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて狭い。従って、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満足するように調整することが極めて困難であり、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水を確実に得ることが極めて困難であることがわかる。
【００６３】
即ち、表３からわかるように、塩化カルシウム５％水の添加量：０．５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の場合、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量：３２．５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）のとき、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水が得られているが、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量が上記の３２．５ｍｌより僅か少なくなる（３０．０ｍｌになる）と、ランゲリア指数の目標値：−１〜０を満たすことができず、また、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量が上記の３２．５ｍｌより僅か多くなる（３５．０ｍｌになる）と、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ を満たすことができない。それ故に、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得るべく、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量を３２．５ｍｌに設定したとしても、塩化カルシウム５％水の塩化カルシウム濃度や秤量（添加量）、炭酸ナトリウム０．１ ％水の炭酸ナトリウム濃度や秤量（添加量）に誤差があると、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることが極めて困難である。このように、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて狭い。このため、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることは極めて困難である。
【００６４】
塩化カルシウム５％水の添加量：１ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の場合、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量：３２．５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）のとき、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水が得られているが、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量が上記の３２．５ｍｌよりも僅か少なくなる（３０．０ｍｌになる）と、ランゲリア指数の目標値：−１〜０を満たすことができず、また、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量が上記の３２．５ｍｌよりも僅か多くなる（３５．０ｍｌになる）と、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ を満たすことができない。それ故に、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得るべく、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量を３２．５ｍｌに設定したとしても、塩化カルシウム５％水の塩化カルシウム濃度や秤量（添加量）、炭酸ナトリウム０．１ ％水の炭酸ナトリウム濃度や秤量（添加量）に誤差があると、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることが極めて困難である。このように、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて狭い。このため、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることは極めて困難である。
【００６５】
塩化カルシウム５％水の添加量：１ｍｌ（ 被処理水１Ｌ当たり）の場合も、前述の塩化カルシウム５％水の添加量：０．５ｍｌ の場合と同様である。また、塩化カルシウム５％水の添加量：１．５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の場合も、前述の塩化カルシウム５％水の添加量：０．５ｍｌ の場合と同様である。
【００６６】
塩化カルシウム５％水の添加量：２ｍｌ（ 被処理水１Ｌ当たり）の場合、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量：３０．０〜３２．５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）のとき、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水が得られているが、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量が上記の３０．０〜３２．５ｍｌより僅か少なくなる（２７．５ｍｌになる）と、ランゲリア指数の目標値：−１〜０を満たすことができず、また、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量が上記の３０．０〜３２．５ｍｌより僅か多くなる（３５．０ｍｌになる）と、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ を満たすことができない。このように、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて狭い。このため、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることは極めて困難である。
【００６７】
また、表４からわかるように、塩化カルシウム５％水の添加量が ０．５ｍｌ，１．０ｍｌ， １．５ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）の場合、水酸化ナトリウム０．１ ％水の添加量を如何にしてもｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水が得られていない。塩化カルシウム５％水の添加量：１ｍｌ（ 被処理水１Ｌ当たり）の場合、水酸化ナトリウム０．１ ％水の添加量：２０．０ｍｌ（被処理水１Ｌ当たり）のとき、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水が得られているが、水酸化ナトリウム０．１ ％水の添加量が上記の２０．０ｍｌより僅か少なくなる（１８．０ｍｌになる）と、ランゲリア指数の目標値：−１〜０を満たすことができず、また、水酸化ナトリウム０．１ ％水の添加量が上記の２０．０ｍｌより僅か多くなる（２２．０ｍｌになる）と、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ を満たすことができない。このように、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて狭く、もしくは、そのような処理条件が存在しない。このため、上記ｐＨの目標値とランゲリア指数の目標値を同時に満たす水を確実に得ることは極めて困難である。
【００６８】
以上のようにｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が極めて狭い。従って、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満足するように調整することが極めて困難であり、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水を確実に得ることが極めて困難であることがわかる。
【００６９】
また、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たすことが可能な処理条件の場合でも、全硬度は快適水質基準の全硬度の目標値（１０〜１００ｍｇ ／Ｌ）を超えており、好ましい水質にはなりえないことが分かる。
【００７０】
なお、表３において、塩化カルシウム添加量が１．０ｍｌ／Ｌ 以上の場合、炭酸ナトリウム０．１ ％水の添加量がいずれのときも、全硬度は快適水質基準の硬度の目標値（全硬度１０〜１００ｍｇ ／Ｌ）を超えている。また、表４において、塩化カルシウム添加量が１．０ｍｌ／Ｌ 以上の場合、水酸化ナトリウム０．１ ％水の添加量がいずれのときも、全硬度は快適水質基準の硬度の目標値（全硬度１０〜１００ｍｇ ／Ｌ）を超えている。
【００７１】
図１に、被処理水（実施例１の場合と同様の方法により製造された淡水）に塩化カルシウム５％水溶液を被処理水１Ｌ当たり０．５ｍｌ を添加した水に、重曹（炭酸水素ナトリウム）、炭酸ナトリウム、苛性ソーダの各水溶液を添加した際のｐＨ変化の様子を比較して示す。いずれのアルカリ剤の場合も、その添加量の増大に伴ってｐＨが上昇するが、炭酸水素ナトリウム（重曹）の場合は、その添加量の増大に伴うｐＨの上昇が緩やかである。従って、炭酸水素ナトリウムを添加する本発明の水質改善方法によれば、ｐＨを過大に上昇させることなく確実に調整できることが分かる。
【００７２】
〔実施例２〕
ホウ素濃度を規制値以下にするために、表１に示す水質の淡水（実施例１の場合と同様の方法により製造された淡水）をアルカリ性下で更に逆浸透膜処理して淡水を製造し、この淡水（２段処理淡水）の水質調整を試みた。
【００７３】
このとき、逆浸透膜膜処理は、表１に示す水質の淡水に苛性ソーダを添加してｐＨ９．１ に調整した後、温度：１５．６℃、圧力：１．４Ｍｐａ、回収率：８５％条件で逆浸透処理するという方法により行った。このようにして製造した淡水（２段処理淡水）の水質を表５に示す。この２段処理淡水は、ホウ素濃度は０．４ｍｇ ／Ｌであって規制値以下であるが、ｐＨは８．５ であってｐＨの目標値（：７．０ 〜８．０ ）を超え、アルカリ性であり、また、極めて低い硬度、全炭酸濃度、ランゲリア指数を示すものである。
【００７４】
この２段処理淡水を被処理水とし、これに塩酸を添加してｐＨ７．０ に調製した後に、塩化カルシウム５％水溶液を被処理水１Ｌ当たり１．０ｍｌ 、２．０ｍｌ 、３．０ｍｌ のレベルで添加し、更に、炭酸水素ナトリウム（重曹）０．２ ％水を添加してｐＨ、ランゲリア指数、全硬度、塩素濃度の変化を調べた。この結果を表６に示す。
【００７５】
表６に示すように、全硬度、塩素イオン濃度が快適水質範囲あるいは基準値（全硬度：１０〜１００ｍｇ ／Ｌ、塩素イオン濃度：２００ｍｇ／Ｌ 未満）を超えることなく、ｐＨおよびランゲリア指数を目標値（ｐＨ：７．０ 〜８．０ 、ランゲリア指数：−１〜０）に調製することができる。
【００７６】
また、上記と同様の被処理水（２段処理淡水）に塩酸を添加してｐＨ５．０ に調整した後に、上記と同様の水質調整（塩化カルシウム５％水溶液の添加、重曹０．２ ％水の添加）を行い、ｐＨ、ランゲリア指数、全硬度、塩素濃度の変化を調べた。この結果を表７に示す。この場合にも全硬度、塩素イオン濃度が快適水質範囲あるいは基準値を超えることなく、ｐＨとランゲリア指数を目標値に調製することができるが、この場合の方がｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満たす水を得ることが可能な処理条件の範囲が広く、従って、ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満足するように調整することが、より一層容易であることがわかる。即ち、予めｐＨを５．０ に調整することによって、目標水質が得られる処理条件の範囲を拡大でき、目標水質を得るための水質調整をより容易に行えることが分かる。
【００７７】
このように、２段膜処理によって得られるホウ素濃度の低い淡水においても、予めｐＨを７．０ 以下に調整した後に、塩化カルシウムと重曹（炭酸水素ナトリウム）を添加することにより、ｐＨ、ランゲリア指数、全硬度等の快適水質項目の目標値を満足させることが可能である。なお、ｐＨの調整には硫酸を用いても塩酸と同様の効果を得ることができる。酸によるｐＨ調整の下限値は特にはないが、水質調整上の必要、薬剤使用量等の観点から、ｐＨ４．０ 以上とするのが好ましい。
【００７８】
また、塩化カルシウムと重曹（炭酸水素ナトリウム）の添加に当たっては、被処理水の全硬度値に応じて全硬度値が快適水質項目以下となるように、好ましくは８０〜９５ｍｇ／Ｌとなるように、塩化カルシウム水溶液を添加した後に、ｐＨ７．０ 〜８．０ となるように重曹水を添加すれば、ランゲリア指数を容易に調整することができる。
【００７９】
〔比較例２〕
前記実施例２における炭酸水素ナトリウム（重曹）水に代えて炭酸ナトリウムの水溶液を用い、実施例２の場合と同様の水質調整を行った。この結果を表８および９に示す。即ち、実施例２の場合と同様の２段処理淡水を被処理水とし、これに塩酸を添加してｐＨ７．０ に調製した後に、塩化カルシウム５％水溶液を被処理水１Ｌ当たり１．０ｍｌ 、２．０ｍｌ 、３．０ｍｌ のレベルで添加し、更に、炭酸ナトリウム０．０１％水を添加して、ｐＨ、ランゲリア指数、全硬度、塩素濃度の変化を調べた結果を表８に示す。上記と同様の被処理水（２段処理淡水）に塩酸を添加してｐＨ５．０ に調整した後、上記と同様の水質調整（塩化カルシウム５％水溶液の添加、炭酸ナトリウム０．０１％水の添加）を行い、ｐＨ、ランゲリア指数、全硬度、塩素濃度の変化を調べた結果を表９に示す。
【００８０】
ｐＨの目標値：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数の目標値：−１〜０を同時に満足するように調整することができなかった。即ち、２段膜処理によって得られるホウ素濃度の低い淡水では、塩化カルシウムと炭酸ナトリウムを如何に用いても、快適水質を達成することができなかった。
【００８１】
【表１】
【表２】
【表３】
【表４】
【表５】
【表６】
【表７】
【表８】
【表９】
【発明の効果】
本発明に係る水質改善方法によれば、逆浸透膜装置により海水を処理して得られた淡水や、精密ろ過膜、限外ろ過膜または逆浸透膜装置により河川水を処理して得られた淡水を水質調整するに際し、炭酸ガスの溶解操作を必要とすることなく、快適水質の基準のｐＨとランゲリア指数（例えばｐＨ：７．０ 〜８．０ とランゲリア指数：−１〜０）を同時に満足するように調整することが容易であり、このようなｐＨとランゲリア指数を同時に満たす水を確実に得ることが容易にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施例及び比較例に係る被処理水への各種溶液（重曹２％水、炭酸ナトリウム ０．１％水、苛性ソーダ ０．１％水）の添加量と被処理水のｐＨとの関係を示す図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention belongs to a technical field related to a method for improving water quality, and more particularly to a method for improving water quality of fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device.
[0002]
[Prior art]
BACKGROUND ART A seawater desalination method using a reverse osmosis device is widely used as a method of removing salt and the like from seawater on remote islands or seaside zones where freshwater is difficult to obtain to obtain water suitable for drinking.
[0003]
For tap water used for drinking water, "standard items (standard values: 46 items)" ("Ministry Ordinance on Water Quality Standards", December 21, 1992, Ministry of Health and Welfare Ordinance No. 69) must be met. No.), and aiming at higher quality tap water, such as delicious tap water, as a supplement to water quality standards, "Comfortable water quality (target value: 13 items)" The notice “On establishment of standards for tap water quality”, Dec. 21, 1992, No. 264 of Emizu) has been established.
[0004]
Among these, "comfortable water quality" is for responding to the sophistication of needs for tap water. Among them, the Langeria index is "approximately -1 and as close to 0 as possible", the pH is approximately 7.5%, and calcium Magnesium and the like (hardness) is described as "not less than 10 mg / liter (hereinafter referred to as L) and not more than 100 mg / L".
[0005]
The Langeria index is an index of corrosiveness of water, and particularly in the case of tap water, is deeply involved in the corrosion of pipes and equipment and the formation of scale (scale). If the value of the Langeria index is positive, calcium carbonate precipitates out of water, and if this value is negative, calcium carbonate dissolves in water, and if this value is zero, it is assumed that neither precipitation nor dissolution occurs . It is said that by setting the Langerial index of water to -1 or more, corrosion of piping can be prevented.
[0006]
The Langeria index is also called the saturation index (SI), and its basic chemical equation is
CaCO3(S) + H+= Ca2++ HCO3 −−−−−−−−−− (1)
And the following equation is obtained based on this equation.
pHS= PCa2++ PAlk− PK(1)−−−−−−−−− (2)
SI = pH- pHS{−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−} (3)
[0007]
Where pHSRepresents calcium ion and alkali (here [HCO3 −]) Is CaCO3PK at the pH value in equilibrium due to the formation of (s)(1)Is the pK value of the equilibrium constant for (1). pCa2+Is Ca2+Concentration of pAlkIs the concentration of the alkali. The pH value in equation (3) means a value obtained by actual measurement, and pH> pHSThat is, if the value of SI is a positive value,3Scale tends to precipitate, and if negative, CaCO3Dissolves, and the reaction of equation (1) proceeds from left to right, indicating that corrosion is likely to occur. When SI = 0, the dissolution equilibrium is maintained ("Water and Environmental Science", edited by Takeda Goda, Maruzen Co., Ltd., ISBN 4-621-03037-X @ C3051).
[0008]
As a method for obtaining SI, a method using a calculation graph proposed by Langelier, a method using a conversion formula by Nordell et al., A method using the following formula, and the like have been proposed.
[0009]
SI = pH- pHS
= {PH-8.313} + log [Ca2+] + Log [Alk]
− [2 (2.5 × 10-5Sd)-1/2] / [1+ (2.5 × 10-5Sd)-1/2] -−- (4)
pH: actual pH value of water
pHS: Theoretical pH value
log @ [Ca2+]: Ca2+Logarithm of concentration [me / L], [me / L] = [mg / L as Ca2+] ÷ 40 × 2
log [Alk]: logarithm of total alkalinity [me / L], [me / L] = [mg / L as CaCO3] {100} × 2
Sd: Amount of soluble substance [mg / L]
[0010]
In general, seawater desalinated by a reverse osmosis membrane (seawater permeated water) has the property that the membrane is difficult to pass divalent ions, has extremely low calcium hardness, and has an acid injected to prevent scale. Also, there is an effect of free carbonic acid in the permeated water, and the pH is only about 4 to 5.5. Therefore, it is essential to raise the saturation index of calcium carbonate in order to raise the Langeria index, and to inject a hardness component such as slaked lime or a combination of a hardness component such as slaked lime and carbon dioxide gas for the purpose of raising the concentration of calcium and carbonic acid in water. An injection process has been performed.
[0011]
With the revision of the Water Supply Law of 2000, the amount of boron in drinking water is also regulated (1 mg / L or less), and it is necessary to further treat the permeated water with a membrane (two-stage treatment with a membrane). Boron can be efficiently removed by increasing the pH of the second-stage membrane supply water (for example, JP-A-11-10146). However, the two-stage treated fresh water obtained in this way has a lower hardness component than the conventional one-stage treated fresh water, and on the contrary, has a higher pH.
[0012]
The water quality adjustment of the two-stage treated fresh water is more difficult than the conventional one-stage treated fresh water, and requires a post-treatment step of appropriately adding a large amount of various chemicals, such as simultaneous injection of an acid and a hardness component.
[0013]
In order to use such membrane-treated fresh water as tap water, pH (appropriate range: 5.8 to 8.6), total hardness (<100 mg / L), chlorine concentration (<200 mg / L), etc. In addition, there is a need for an industrial technique that is within an allowable range by a cheap and simple method.
[0014]
Until now, various methods have been proposed as water treatment methods for countermeasures against water pipe corrosion. Examples of such methods include JP-A-05-138180, JP-A-06-28777, and JP-A-06-27777. -86989, and the method described in JP-A-2001-129563.
[0015]
Among these methods, the method described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 05-138180 relates to a “method of treating tap water”. In this method, carbon dioxide gas is blown into the raw water while the slaked lime aqueous solution or slurry is injected into the raw water to generate sodium bicarbonate, and according to the method, `` compared to blowing carbon dioxide gas directly into the raw water '' There is no region where acidic water is present during the treatment, and there is no possibility of causing corrosion in piping and the like. " However, in this method, the carbon dioxide gas (about 350 ppm) present in the air is not enough to efficiently dissolve the carbon dioxide gas. Pressurization operation or use of carbon dioxide gas cylinder is required.
[0016]
The method described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 06-28777 is "to reduce the corrosiveness of water in order to prevent corrosion of various water or drainage pipelines". A method of lowering the corrosiveness by injecting both or one of a highly soluble calcium salt and an alkali agent into water having a low index and high corrosiveness ", and" using calcium chloride as the highly soluble calcium salt in this method " And "using sodium hydroxide, sodium carbonate, sodium hydrogen carbonate, calcium hydroxide, etc. as an alkali agent in this method". And, in the section of Examples, "After adding calcium chloride to river water having low alkalinity and hardness (pH 6.9), any of sodium hydroxide, sodium carbonate, sodium hydrogen carbonate, and calcium hydroxide is used as an alkaline agent. The pH was adjusted (adjusted to pH 7.5 to 7.7) by using either one of them, and even when any of the alkalis was used, the Langeria index was about -1.0 (-0.81 to -1.06). And it turned out to be water with low corrosiveness. "
[0017]
However, the present inventors cover freshwater obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device or freshwater obtained by treating river water with a microfiltration membrane, ultrafiltration membrane, or reverse osmosis membrane device. As treated water, calcium chloride was added to the water to be treated in the same manner as described in the section of Examples in JP-A-06-28777, and then sodium hydroxide or sodium carbonate was added as an alkaline agent. An experiment was conducted in which the pH and the Langeria index were adjusted together. As a result, it was extremely difficult to simultaneously satisfy the standard pH and the Langeria index for comfortable water quality as supplementary items for the water quality standard for drinking tap water. That is, the pH was set to 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index was set to −1 to 0, but water satisfying this pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langerian index: −1 to 0 simultaneously was obtained. The range of processing conditions (addition amount of calcium chloride, addition amount of alkali agent, etc.) is extremely narrow, so that the pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index: −1 to 0 are simultaneously satisfied. It was extremely difficult to adjust the pH, and it was extremely difficult to reliably obtain water that had poor reproducibility and simultaneously satisfied the pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index: −1 to 0 at the same time. In particular, when fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device was used as the water to be treated, such a tendency was remarkable.
[0018]
The method described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 06-86989 relates to a "method of treating tap water". This publication describes "the Langerian index of tap water while effectively utilizing free carbonic acid contained in tap water." And removing the lower organochlorine compound contained therein, the method comprising the steps of: "amount of tap water containing a lower organochlorine compound and free carbonic acid having a Langerial index of -1 to + 0.8%; After dissolving the slaked lime or calcium carbonate of the above, the water is aerated. " However, in this method, although lower organic chlorine compounds in tap water can be removed by aeration treatment of water, the dissolved amount fluctuates when carbon dioxide gas is dissolved and saturated, and the dissolved amount increases or decreases in some cases. It is necessary to adjust the pressure of air used for aeration or the partial pressure of carbon dioxide according to the pH and temperature of the air. In addition, a gas-liquid contact device such as a Raschig ring packed tower is required for aeration.
[0019]
The method described in JP-A-2001-129563２００ relates to “a method for adjusting the pH of water (tap water, general industrial water, industrial water, waste water, etc.)”. A method for adjusting the pH of water by adding an aqueous solution to raise the pH of the water to be treated and then adding carbonic acid to the water to be treated to lower the pH of the water to be treated. " In this method, the dissolved amount of carbonic acid can be increased by increasing the pH once, but it is necessary to use carbon dioxide gas instead of air in order to increase the dissolving efficiency of carbonic acid. In addition, a dedicated melting device having a gas permeable membrane is required.
[0020]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional water treatment method, that is, a technique of adjusting the number of Langerias, a method using a combination of slaked lime or calcium carbonate and carbon dioxide gas (JP-A-05-138180, JP-A-06-86989, JP-A-2001-129563). In the method described in (1), there is a problem in that a dedicated dissolving device is required to perform the dissolving operation of the carbon dioxide gas, so that the cost of the device is increased, or it is difficult to control the dissolved amount of the carbon dioxide gas. Further, in the method using calcium chloride and an alkali agent such as sodium hydroxide or sodium carbonate (the method described in JP-A-06-28777), although the dissolving operation of carbon dioxide gas is not required, the water quality standard for drinking tap water is used. Since the range of treatment conditions that can obtain water satisfying the standard pH and Langerian index (for example, pH: 7.0 ° to 8.0 ° and Langerier index: −1 to 0) of the comfortable water quality as supplementary items is extremely narrow. However, it is extremely difficult to adjust such that the pH and the Langeria index are simultaneously satisfied. Therefore, it is extremely difficult to reliably obtain water that simultaneously satisfies such a pH and the Langeria index. there were.
[0021]
In particular, freshwater obtained by reverse osmosis membrane treatment of seawater (freshwater obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device) is desalinated, and therefore has a low pH buffering capacity and can be used even with a small amount of drug addition. Since the pH is liable to change, there is a problem that it is more difficult to adjust the pH and the number of Langerias to be satisfied simultaneously. In addition, in order to comply with the regulated concentration of boron in drinking water (1 mg / L or less), which has been added to water quality standards in recent years due to the revision of the Water Supply Law, reverse osmosis membrane treatment under
[0022]
The present invention has been made in view of such circumstances, and its purpose is to provide fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device, a microfiltration membrane, an ultrafiltration membrane, or a reverse osmosis membrane. A method for improving the quality of fresh water obtained by treating river water with a membrane device, wherein the fresh water is converted into a standard pH and a Langeria index (for example, pH: 7) of comfortable water quality without the need of dissolving carbon dioxide gas. 0.0 ° to 8.0 ° and the Langerian index: −1 to 0) can be easily adjusted so as to simultaneously satisfy the above conditions, and it is easy to reliably obtain water satisfying such pH and the Langerian index simultaneously. It seeks to provide an improvement.
[0023]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a water quality improvement method according to the present invention is a water quality improvement method according to claims 1 to 5 (water quality improvement methods according to first to fifth inventions). It is configured.
[0024]
That is, the method for improving water quality according to claim 1 is a method for improving water quality of fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device, wherein when the pH of the fresh water is 7.0 ° or less, When the pH of the fresh water is more than 7.0 °, an acid is added to the fresh water to adjust the pH to 7.0 ° or less, and then calcium chloride and sodium hydrogen carbonate are injected to adjust the pH and the number of Langeria. This is a characteristic water quality improvement method (first invention).
[0025]
The method for improving water quality according to claim 2 is a method for improving water quality of fresh water obtained by treating river water with a microfiltration membrane, an ultrafiltration membrane, or a reverse osmosis membrane device, wherein the pH of the fresh water is 7.0. In the following cases, if the pH of the fresh water is more than 7.0 °, an acid is added to the fresh water to adjust the pH to 7.0 ° or less, and then calcium chloride and sodium bicarbonate are poured into the fresh water to adjust the pH. And a method for improving the water quality by adjusting the number of Langerias (second invention).
[0026]
The water quality improving method according to claim 3 is the water quality improving method according to claim 1 or 2, wherein the pH is adjusted to 4.0 ° to 7.0 ° when adjusting the pH by adding the acid (third invention).
[0027]
The method for improving water quality according to
[0028]
In the method for improving water quality according to
[0029]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention is implemented, for example, as follows.
When the pH of fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device is 7.0 ° or less, calcium chloride and sodium hydrogen carbonate are injected into the fresh water to adjust the pH and the number of Langerias. When the pH of the fresh water is more than 7.0 °, an acid is added to the fresh water to adjust the pH to 7.0 ° or less, and then calcium chloride and sodium hydrogen carbonate are injected to adjust the pH and the number of Langeria. The pH and the number of Langerias are adjusted to, for example, pH 7.0 to 8.0 and the number of Langerias to -1 to 0.
[0030]
When fresh water obtained by treating river water with a microfiltration membrane, an ultrafiltration membrane, or a reverse osmosis membrane device is the water to be treated, the treatment is performed in the same manner as described above. That is, when the pH of fresh water obtained by treating river water with a microfiltration membrane, an ultrafiltration membrane or a reverse osmosis membrane device is 7.0 ° or less, calcium chloride and sodium hydrogen carbonate are injected into the fresh water. Adjust pH and number of Langerias. When the pH of the fresh water is more than 7.0 °, an acid is added to the fresh water to adjust the pH to 7.0 ° or less, and then calcium chloride and sodium hydrogen carbonate are injected to adjust the pH and the number of Langeria. The pH and the number of Langerias are adjusted to, for example, pH 7.0 to 8.0 and the number of Langerias to -1 to 0.
[0031]
The present invention is implemented in such a form. Hereinafter, the operation and effect of the present invention will be mainly described.
[0032]
The method for improving water quality according to the first invention of the present invention (the method for improving water quality according to claim 1) is a method for improving water quality of fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device, as described above, When the pH of the fresh water is 7.0 ° or lower, an acid is added to the fresh water to adjust the pH to 7.0 ° or lower when the pH of the fresh water is higher than 7.0 °, and then calcium chloride and carbonic acid are added. Sodium hydrogen is injected to adjust the pH and the Langerial number. That is, when the pH of fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device is 7.0 ° or less, calcium chloride and sodium hydrogen carbonate are injected into the fresh water to adjust the pH and the number of Langerias, On the other hand, when the pH of fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device is more than 7.0 °, an acid is added to the fresh water to adjust the pH to 7.0 ° or less, and then calcium chloride and carbonate are added. Sodium hydrogen is injected to adjust the pH and the Langerial number.
[0033]
According to the method for improving water quality, no operation for dissolving carbon dioxide gas is required, so that a device for increasing the pressure of carbon dioxide, a cylinder, and a device for dissolving in water are not required. The operation is simple because the water quality can be adjusted by injecting the chemical with a simple chemical injection equipment. Also, the equipment cost is reduced.
[0034]
In the above method for improving water quality, calcium chloride is a calcium source, and sodium hydrogen carbonate (baking soda) is a carbonic acid source and a weakly alkaline agent. Sodium bicarbonate has a pH buffering action. In adjusting the water quality, sodium hydrogen carbonate having such a pH buffering action is used for the water quality adjustment, so that the pH change becomes gentle and the pH adjustment becomes easy. In particular, freshwater obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device has a low pH buffering capacity because it has been subjected to desalination treatment, but the pH can be easily adjusted even with such freshwater having a low pH buffering capacity.
[0035]
The concentrations of calcium chloride (calcium source) and sodium bicarbonate (carbonate source) can be adjusted directly, so that the saturation index of calcium carbonate can be easily controlled, and the number of Langeria can be adjusted reliably.
[0036]
When the pH of fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device is 7.0 ° or less, the pH and the number of Langeria are surely adjusted by injecting calcium chloride and sodium hydrogen carbonate into the fresh water. Can be. When the pH of fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device is more than 7.0 °, an acid is added to the fresh water to adjust the pH to 7.0 ° or less, and then calcium chloride and sodium bicarbonate are added. By injecting, the pH and the number of Langerias can be reliably adjusted. Therefore, even when the pH of freshwater obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device is higher than 7.0 °, the pH and the number of Langeria can be reliably adjusted. That is, it can be easily adjusted so as to simultaneously satisfy the standard pH and the Langerian index (for example, pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langerier index: −1 to 0) of the adjusted comfortable water quality.
[0037]
The water quality improvement method according to the second invention of the present invention (the water quality improvement method according to claim 2) is obtained by treating river water with a microfiltration membrane, an ultrafiltration membrane, or a reverse osmosis membrane device as described above. It is a method for improving the quality of fresh water, wherein an acid is added to the fresh water when the pH of the fresh water is 7.0 ° or less, and the pH is adjusted to 7.0 by adding an acid to the fresh water when the pH of the fresh water is more than 7.0 °. After the adjustment described below, calcium chloride and sodium hydrogen carbonate are injected to adjust the pH and the number of Langerias.
[0038]
The above water quality improvement method is the above-described fresh water (microfiltration) in place of fresh water (fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device) in the water quality improvement method according to the first aspect of the present invention as the water to be treated. Fresh water obtained by treating river water with a membrane, an ultrafiltration membrane or a reverse osmosis membrane device), except for this point, using the same method as in the case of the water quality improvement method according to the first invention described above. Things. Therefore, the same operation and effect as in the case of the water quality improvement method according to the first aspect described above can be obtained.
[0039]
In order to achieve the above-described object of the present invention, the present invention has been studied based on repeated experiments under various conditions and analyzing the obtained data. is there.
[0040]
That is, freshwater obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device or freshwater obtained by treating river water with a microfiltration membrane, ultrafiltration membrane, or reverse osmosis membrane device and having a pH of 7.0. The following are treated waters, and calcium chloride is added to these treated waters, and then any one of sodium hydroxide, sodium carbonate, sodium hydrogen carbonate, and calcium hydroxide is added as an alkaline agent to adjust the pH. An experiment was conducted to adjust the Langerian index as well as to adjust.
[0041]
As a result, even when sodium hydroxide or sodium carbonate is added as an alkaline agent, or when calcium hydroxide is added, the water quality standard for drinking tap water simultaneously satisfies the standard pH of comfortable water quality and the Langeria index as supplementary items. It turned out to be extremely difficult. That is, the pH was set to 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index was set to −1 to 0, but water satisfying this pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langerian index: −1 to 0 simultaneously was obtained. The range of processing conditions (addition amount of calcium chloride, addition amount of alkali agent, etc.) is extremely narrow, so that the pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index: −1 to 0 are simultaneously satisfied. It was found that it was extremely difficult to adjust the pH, and it was extremely difficult to reliably obtain water that had poor reproducibility and simultaneously satisfied the pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index: −1 to 0 at the same time. . In particular, it was found that such a tendency was remarkable when fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device was used as water to be treated.
[0042]
On the other hand, when sodium bicarbonate is added as an alkaline agent, treatment conditions under which water that simultaneously satisfies the pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index: −1 to 0 (addition of calcium chloride) Amount, the amount of an alkali agent added, etc.) is extremely wide, and therefore, it is easy to adjust to simultaneously satisfy the pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index: −1 to 0, and it is easy to reproduce. It has been found that it is easy to reliably obtain water that simultaneously satisfies pH: 7.0 ° to 8.0 ° and Langerier index: −1 to 0 at the same time. In addition, even when fresh water obtained by treating seawater with the reverse osmosis membrane device was used as the water to be treated, it was found that such water quality adjustment was easy.
[0043]
In addition, freshwater obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device or freshwater obtained by treating river water with a microfiltration membrane, ultrafiltration membrane or reverse osmosis membrane device and having a pH of 7.0. Excess water was treated as water to be treated, and an experiment similar to the above-described case of fresh water having a pH of 7.0 ° or less was performed on the treated water. As a result, it was found that it was difficult to adjust pH: 7.0 ° to 8.0 ° and Langerial index: −1 to 0 simultaneously.
[0044]
Then, after adjusting the pH to 7.0 ° or less by adding an acid to the above-mentioned freshwater having a pH of more than 7.0 °, the same experiment as in the case of the above-described freshwater having a pH of 7.0 ° or less was conducted. As a result, the same result as in the case of the above-mentioned fresh water having a pH of 7.0 ° or less was obtained. That is, in both cases where sodium hydroxide or sodium carbonate is added as an alkaline agent and where calcium hydroxide is added, the pH is adjusted so as to simultaneously satisfy 7.0 to 8.0 ° and the Langeria index: -1 to 0. On the other hand, when sodium bicarbonate is added as an alkaline agent, it is possible to obtain water that simultaneously satisfies pH 7.0 to 8.0 and Langereria index -1 to 0. The range of the processing conditions is extremely wide, and therefore, it is easy to adjust the pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index: −1 to 0 simultaneously, and the pH is excellent in reproducibility. It has been found that it is easy to reliably obtain water satisfying the conditions of 7.0 ° to 8.0 ° and the langeria index: -1 to 0 at the same time.
[0045]
The present invention has been completed based on the above findings. That is, the method for improving water quality according to the first invention of the present invention is a method for improving water quality of fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device, wherein the pH of the fresh water is 7.0 ° or less. When the pH of the fresh water is more than 7.0 °, the acid is added to the fresh water to adjust the pH to 7.0 ° or less, and then calcium chloride and sodium hydrogen carbonate are injected to adjust the pH and the number of Langeria. I did it. The method for improving water quality according to the second invention of the present invention is a method for improving water quality of fresh water obtained by treating river water with a microfiltration membrane, an ultrafiltration membrane, or a reverse osmosis membrane device, wherein An acid is added to the fresh water when the pH is 7.0 ° or less to adjust the pH to 7.0 ° or less by adding an acid to the fresh water when the pH exceeds 7.0 °, and then calcium chloride and sodium hydrogen carbonate are added. Was injected to adjust the pH and the number of Langerias.
[0046]
Therefore, according to the method for improving water quality according to the first invention of the present invention, when adjusting the water quality of freshwater obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device, it is not necessary to perform a dissolving operation of carbon dioxide gas, and it is comfortable. It is easy to simultaneously adjust the standard pH of water quality and the Langeria index (for example, pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index: −1 to 0). It is easy to reliably obtain water to fill at the same time. According to the water quality improvement method according to the second invention of the present invention, when adjusting the water quality of fresh water obtained by treating river water with a microfiltration membrane, an ultrafiltration membrane, or a reverse osmosis membrane device, a dissolving operation of carbon dioxide gas is performed. It is easy to adjust so as to simultaneously satisfy the standard pH of comfortable water quality and the Langerian index (for example, pH: 7.0 ° to 8.0 ° and Langerier index: −1 to 0) without requiring It is easy to reliably obtain water that satisfies such pH and the Langeria index at the same time.
[0047]
In the method for improving water quality according to the first invention and the method for improving water quality according to the second invention, when the pH of fresh water to be treated is more than 7.0 °, an acid is added to the fresh water to adjust the pH to 7.0. The pH is adjusted to 0 ° or less, but the lower limit is not particularly limited in adjusting the pH by adding the acid. However, it is necessary to adjust the water quality (a large amount of acid is required to greatly reduce the pH, and a large amount of alkaline agent is required to increase the pH again. In order to minimize the required amount of acid or alkali agent from the viewpoint of consideration for tap water users, etc.), and to minimize the required amount of chemical (sodium bicarbonate), the lower limit of pH should be set at 4. It is preferable that the temperature be 0 ° and the pH be adjusted to 4.0 ° to 7.0 ° (third invention). In addition, as described in Example 2 described later, the pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index were higher when the pH was adjusted to 5.0 ° than when the pH was adjusted to 7.0 °. : A wide range of treatment conditions is possible to obtain water satisfying -1 to 0 at the same time. As shown in this example, the lower the pH is 7.0 ° or less, the lower is the water which simultaneously satisfies the standard pH of comfortable water quality and the Langerian index (for example, pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index: −1 to 0). The range of processing conditions that can obtain From this point, it is desirable to adjust the pH to a value as small as 7.0 ° or less.
[0048]
In adjusting the pH by adding the acid, the acid is not particularly limited, and various acids can be used, for example, hydrochloric acid or sulfuric acid (the fourth invention).
[0049]
Regarding the standard pH and the Langeria index of comfortable water quality as supplementary items of the drinking water standard, the pH is set to about 7.5 ° and the Langeria index is set to about −1 to be as close to 0 as possible. According to the water quality improving method according to the first invention and the water quality improving method according to the second invention of the present invention, according to this, the pH: 7.0 to 8.0 ° and the Langeria index: -1 to 0 are simultaneously satisfied. Adjustment can be easily performed, and therefore, it is possible to easily obtain water that simultaneously satisfies the standard pH of comfortable water quality and the Langelia index as supplementary items of water quality standard for drinking tap water. From this point, as one of application examples of the present invention, it is possible to adjust the pH to 7.0 ° to 8.0 ° and adjust the Langeria number to −1 to 0 (fifth invention).
[0050]
【Example】
Examples of the present invention and comparative examples will be described below. Note that the present invention is not limited to the present embodiment. The comparative example is an example for comparison with the example of the present invention, and is not limited to the example of the related art.
[0051]
[Example 1]
pH: 6.5, Ca concentration: 445 mg / L (liter), boron concentration: 4.56 mg / L, total carbonic acid concentration: 75 mg / L, temperature: 15.6 ° C. : 8.0 Mpa, recovery rate: 60% under the condition of reverse osmosis to produce fresh water. Table 1 shows the quality of the fresh water. Fresh water produced by reverse osmosis membrane treatment of seawater in this way, while excluding alkali ions such as Ca, Mg, and Na, has a low rejection rate of free carbonic acid dissolved in water, and thus becomes acidic at about
[0052]
This fresh water is used as the water to be treated, and a 5% aqueous solution of calcium chloride is added at a level of 0.5 ml, 1.0 ml, 1.5 ml, and 2.0 ml per liter of the water to be treated. 2% water was added, and changes in pH, Langeria index, total hardness, and chlorine concentration were examined. Table 2 shows the results. In addition, the pH and the Langería index of the comfortable water quality as the supplemental items of the drinking water tap water quality standard were set to 7.0 ° to 8.0 ° and the Langería index to −1 to 0. That is, the target value of the pH was set to 7.0 to 8.0, and the target value of the Langeria index was set to -1 to 0 (the same applies hereinafter).
[0053]
As shown in Table 2, calcium chloride and sodium bicarbonate (baking soda) were added to adjust the amount of calcium in water and the amount of carbonic acid, thereby adjusting the saturation index of calcium carbonate, and setting the Langeria index to -1 to 0. It is possible to adjust in between. Further, by adding sodium bicarbonate (baking soda) having a weak alkaline property and having a buffering action, the pH can be gently adjusted. For this reason, it is possible to obtain water that simultaneously satisfies the target value of pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the target value of Langeria index: −1 to 0.
[0054]
And the range of the processing conditions which can obtain the water which simultaneously satisfies such a target value of pH: 7.0 ° to 8.0 ° and a target value of Langerial index: −1 to 0 is extremely wide. Therefore, it is easy to adjust so as to simultaneously satisfy the target value of pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the target value of Langerial index: −1 to 0, and the target value of pH: 7.0 ° to 8.0 °. It can be seen that it is easy to reliably obtain water that simultaneously satisfies 0 ° and the target value of the Langeria index: -1 to 0.
[0055]
That is, as can be seen from Table 2, when the added amount of
[0056]
When the addition amount of
[0057]
In addition, when the added amount of
[0058]
Further, when the addition amount of
[0059]
As described above, the range of treatment conditions that can obtain water that simultaneously satisfies the target value of pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the target value of Langeria index: −1 to 0 is extremely wide. Therefore, it is easy to adjust so as to simultaneously satisfy the target value of pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the target value of Langerial index: −1 to 0, and the target value of pH: 7.0 ° to 8.0 °. It can be seen that it is easy to reliably obtain water that simultaneously satisfies 0 ° and the target value of the Langeria index: -1 to 0.
[0060]
When the amount of calcium chloride added is high (1.0 ml / L or more in Table 2), the pH and the Langeria index can be adjusted to target values (within the range), but the total hardness is too high. , Tend to exceed the target value of the hardness based on the comfortable water quality standard (total hardness of 10 to 100 mg / L). For this reason, the addition amount of calcium chloride is limited to a range where the total hardness and the chloride ion concentration do not become excessive (
[0061]
[Comparative Example 1]
After adding the same 5% aqueous solution of calcium chloride to fresh water produced by the same method as in Example 1, sodium carbonate 0.1% water or sodium bicarbonate (bicarbonate) 2% water was used as an alkaline agent. Caustic soda (sodium hydroxide) 0.1% by weight water was added, and the change in water quality was examined. The results are shown in Tables 3 and 4. Table 3 shows the results when sodium carbonate 0.1% water was added as an alkaline agent, and Table 4 shows the results when sodium hydroxide was added as an alkaline agent. As in the case of the first embodiment, the target value of the pH is 7.0 ° to 8.0 °, and the target value of the Langeria index is −1 to 0.
[0062]
As shown in Tables 3 and 4, in both cases where sodium carbonate 0.1% water is added as an alkaline agent and in which sodium hydroxide is added, the Langeria index is adjusted to a target value of -1 to 0. Although it is possible, the rise of pH is faster than the rise of the Langeria index, and water that simultaneously satisfies the target value of pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the target value of Langeria index: −1 to 0 can be obtained. The range of possible processing conditions is extremely narrow. Therefore, it is extremely difficult to simultaneously adjust the target value of the pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the target value of the Langeria index: −1 to 0, and the target value of the pH is 7.0 ° to 8 °. It can be seen that it is extremely difficult to reliably obtain water that simultaneously satisfies the target value of 0.0 ° and the target value of the Langeria index: -1 to 0.
[0063]
That is, as can be seen from Table 3, when the added amount of
[0064]
When the added amount of
[0065]
The amount of
[0066]
When the amount of
[0067]
Also, as can be seen from Table 4, when the amount of
[0068]
As described above, the range of processing conditions that can obtain water that simultaneously satisfies the target value of pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the target value of Langeria index: −1 to 0 is extremely narrow. Therefore, it is extremely difficult to simultaneously adjust the target value of the pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the target value of the Langeria index: −1 to 0, and the target value of the pH is 7.0 ° to 8 °. It can be seen that it is extremely difficult to reliably obtain water that simultaneously satisfies the target value of 0.0 ° and the target value of the Langeria index: -1 to 0.
[0069]
In addition, even in the case of processing conditions that can simultaneously satisfy the target value of pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the target value of Langeria index: −1 to 0, the total hardness is the target value of the total hardness based on the comfortable water quality standard. (10-100 mg / L), which indicates that the water quality cannot be improved.
[0070]
In Table 3, when the amount of calcium chloride added is 1.0 ml / L or more, the total hardness is the target value (total hardness) based on the comfortable water quality standard regardless of the amount of 0.1% sodium carbonate water added. 10-100 mg / L). Further, in Table 4, when the amount of calcium chloride added is 1.0 ml / L or more, the total hardness is the target value (the total hardness) based on the comfortable water quality standard regardless of the amount of 0.1% sodium hydroxide added. (
[0071]
In FIG. 1, sodium bicarbonate (sodium bicarbonate) was added to water to be treated (fresh water produced by the same method as in Example 1) and 0.5 ml of a 5% aqueous solution of calcium chloride was added per liter of treated water. PH changes when aqueous solutions of sodium hydroxide, sodium carbonate and caustic soda are added are shown in comparison. In any of the alkali agents, the pH increases with an increase in the amount of addition, but in the case of sodium hydrogen carbonate (baking soda), the increase in the pH with an increase in the amount of addition is slow. Therefore, according to the water quality improving method of the present invention in which sodium hydrogen carbonate is added, it can be seen that the pH can be adjusted without excessively increasing the pH.
[0072]
[Example 2]
In order to reduce the boron concentration to the regulated value or less, fresh water having a water quality shown in Table 1 (fresh water produced by the same method as in Example 1) was further subjected to reverse osmosis membrane treatment under alkalinity to produce fresh water. Water quality adjustment of this fresh water (two-stage treated fresh water) was attempted.
[0073]
At this time, the reverse osmosis membrane treatment was performed by adding caustic soda to water having the quality shown in Table 1 and adjusting the pH to 9.1, and then the temperature: 15.6 ° C., the pressure: 1.4 MPa, and the recovery rate: 85%. And reverse osmosis treatment. Table 5 shows the water quality of the fresh water (two-stage treated fresh water) thus produced. This two-stage treated fresh water has a boron concentration of 0.4 mg / L, which is below the regulation value, but the pH is 8.5, which exceeds the target value of the pH (: 7.0 to 8.0), It is alkaline and exhibits very low hardness, total carbonic acid concentration, and Langeria index.
[0074]
The two-stage treated fresh water is treated water, and hydrochloric acid is added to the treated water to adjust the pH to 7.0. Then, a 5% aqueous solution of calcium chloride is added at a level of 1.0 ml, 2.0 ml, 3.0 ml per liter of treated water. , And 0.2% water of sodium hydrogencarbonate (baking soda) was further added to examine changes in pH, Langeria index, total hardness, and chlorine concentration. Table 6 shows the results.
[0075]
As shown in Table 6, the pH and the Langerial index are targeted without the total hardness and the chloride ion concentration exceeding the comfortable water quality range or the reference value (total hardness: 10 to 100 mg / L, chloride ion concentration: less than 200 mg / L). (PH: 7.0 ° to 8.0 °, Langeria index: −1 to 0).
[0076]
After adjusting the pH to 5.0 ° by adding hydrochloric acid to the same water to be treated (two-stage treated fresh water), the same water quality adjustment as above (adding a 5% aqueous solution of calcium chloride, 0.2% aqueous sodium bicarbonate) Was added, and changes in pH, Langeria index, total hardness and chlorine concentration were examined. Table 7 shows the results. In this case as well, the pH and the Langeria index can be adjusted to the target values without the total hardness and the chloride ion concentration exceeding the comfortable water quality range or the reference value. In this case, the target value of the pH is 7.0. -8.0 ° and the target value of the Langeria index: a wide range of treatment conditions capable of obtaining water satisfying -1 to 0 at the same time. Therefore, the target value of the pH: 7.0 to 8.0 ° and the target value of the Langeria index. It can be seen that it is much easier to adjust so as to simultaneously satisfy the target values: -1 to 0. That is, it can be seen that by adjusting the pH to 5.0 ° in advance, the range of treatment conditions for obtaining the target water quality can be expanded, and water quality adjustment for obtaining the target water quality can be performed more easily.
[0077]
Thus, even in fresh water with a low boron concentration obtained by the two-stage membrane treatment, the pH and the Langerian index can be adjusted by adding calcium chloride and sodium bicarbonate (sodium bicarbonate) after adjusting the pH to 7.0 ° or less in advance. , It is possible to satisfy the target value of the comfortable water quality item such as the total hardness. Note that the same effect as that of hydrochloric acid can be obtained by using sulfuric acid to adjust the pH. Although there is no particular lower limit for pH adjustment by acid, it is preferably pH 4.0 ° or more from the viewpoint of necessity for water quality adjustment and the amount of chemicals used.
[0078]
In addition, when adding calcium chloride and sodium bicarbonate (sodium bicarbonate), the total hardness value should be equal to or less than the comfortable water quality item, preferably 80 to 95 mg / L, according to the total hardness value of the water to be treated. If an aqueous solution of sodium bicarbonate is added so as to have a pH of 7.0 to 8.0 after the addition of the aqueous solution of calcium chloride, the Langeria index can be easily adjusted.
[0079]
[Comparative Example 2]
Water quality was adjusted in the same manner as in Example 2 except that an aqueous solution of sodium carbonate was used instead of the aqueous solution of sodium hydrogencarbonate (baking soda) in Example 2. The results are shown in Tables 8 and 9. That is, the same two-stage treated fresh water as in the case of Example 2 was used as the water to be treated, and hydrochloric acid was added thereto to adjust the pH to 7.0. Then, a 5% aqueous solution of calcium chloride was added in an amount of 1.0 ml per liter of the water to be treated. Table 8 shows the results obtained by adding 2.0 ml {3.0 ml} and further adding 0.01% sodium carbonate water and examining changes in pH, Langeria index, total hardness, and chlorine concentration. Hydrochloric acid was added to the same water to be treated (two-stage treated fresh water) to adjust the pH to 5.0 °, and then the water quality was adjusted as described above (addition of a 5% aqueous solution of calcium chloride, 0.01% aqueous sodium carbonate). Table 9 shows the results obtained by examining changes in pH, Langeria index, total hardness, and chlorine concentration.
[0080]
It could not be adjusted to simultaneously satisfy the target value of pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the target value of Langerial index: −1 to 0. That is, in fresh water having a low boron concentration obtained by the two-stage membrane treatment, no matter how calcium chloride and sodium carbonate are used, comfortable water quality cannot be achieved.
[0081]
[Table 1]
[Table 2]
[Table 3]
[Table 4]
[Table 5]
[Table 6]
[Table 7]
[Table 8]
[Table 9]
【The invention's effect】
According to the method for improving water quality according to the present invention, fresh water obtained by treating seawater with a reverse osmosis membrane device, or microfiltration membrane, obtained by treating river water with an ultrafiltration membrane or a reverse osmosis membrane device. In adjusting the water quality of fresh water, the reference pH and the Langeria index (for example, pH: 7.0 ° to 8.0 ° and the Langeria index: −1 to 0) of the comfortable water quality are simultaneously measured without the need of dissolving carbon dioxide gas. It is easy to adjust to satisfy, and it is possible to easily obtain water that simultaneously satisfies such pH and the Langeria index.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the relationship between the amounts of various solutions (2% aqueous sodium bicarbonate, sodium carbonate 0.1% water, caustic soda 0.1% water) added to the water to be treated and the pH of the water to be treated according to Examples and Comparative Examples. It is a figure showing a relation.
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