JP2004033168A - 茶粉製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】石臼2によって挽き潰された茶粉を回収する回収ホッパー4の下方をテーパー状に傾斜させ、この傾斜面41を対向させて回収ホッパー4を配置する。そして、この傾斜面41の隙間Sに石臼2を回転させる回転駆動機構3を設けるようにする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、茶葉を石臼で挽き潰し、抹茶などの茶粉を製造するための茶粉製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、抹茶を大量生産するために石臼を大量に並べた茶粉製造装置が種々用いられている。この茶粉製造装置は、図8に示すように、漏斗71から供給されてくる茶葉74を挽き潰す石臼72と、この石臼72を上方から回転させるべく、一端側にモータ73aを取り付けたシャフト73bと、このシャフト73bに取り付けられたプーリ73cと、石臼回転用のアーム73dおよびそのアーム73dに取り付けられたプーリ73eと、これらのプーリ73c、73eに架け渡されたベルト73fとを具備する回転駆動機構73とによって構成されるものである。そして、これら2つのプーリ73c、73eによってシャフト73bの回転方向を変換し、列方向に沿って設けられた複数台の石臼72を回転させるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような茶粉製造装置は、石臼の上側にモータなどの回転駆動機構を設けるようにしているため、この機構を高い所に安定して取り付けるための支持部材や固定部材などが必要となり、装置が大型化してしまうばかりでなく、部品点数の増加に伴って装置全体がコスト高なものになってしまう。また、このようにモータを石臼の上側に設ける構成であると、モータにオイル漏れなどの故障が生じた場合、製品である抹茶に異物が混入してその抹茶の商品価値がなくなってしまう。
【0004】
かかる問題を解決すべく、回転駆動機構を最下部に設け、その上に回収ホッパーや石臼などを載せるように配置することも考えられるが、このように構成すると、その分だけ回収ホッパーや石臼の取り付け位置が高くなり、装置が大型化してしまう。一方、モータなどを回収ホッパーの側方もしくは前方に設けるようにした場合も装置が大型化してしまい、一台当たりの占有面積が大きくなって工場における石臼の配置台数が少なくなってしまう。
【0005】
そこで、本発明は上記問題に着目すべく、モータなどの回転駆動機構の配置を工夫することによって茶粉製造装置を可能な限り小型なものにすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の茶粉製造装置は上記課題を解決すべく、テーパー状の傾斜面を下方に設けた回収ホッパーを対向させて配置し、それぞれの傾斜面の間に形成された隙間に回転駆動機構を設けるように構成したものである。すなわち、回収ホッパーと回転駆動機構をオーバーラップさせて配置させ、装置全体を小型化させるようにしたものである。
【0007】
また、別の発明では、一台のモータを用いて複数台の石臼を回転させるように構成する。これによって、モータの台数を減らして装置のより小型化を図れるようにするとともに、部品点数を減らしてコストの低減をも図れるようにする。
【0008】
更に、平面視において複数台の石臼の中心位置にモータを設けるようにする。すなわち、円形に構成された石臼を正方形状もしくは長方形状に並べた場合、これらの石臼の対角中心位置に隙間を生じることになるが、この隙間を利用してモータなどの回転駆動機構を配置することによって、より装置の小型化を図るようにする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。この実施形態における抹茶製造装置100は、図1から図7に示すように、4台の石臼2と、2つの回収ホッパー4と、一の回転駆動機構3とを設けて構成されるものである。具体的には、漏斗1から供給された茶葉を挽き潰すための上臼20および下臼21からなる4台の石臼2と、これら石臼2における上臼20側を回転させる回転駆動機構3と、挽き潰された抹茶を回収すべく2列に設けられた回収ホッパー4とを設けてなるものである。そして、図2に示すように、回収ホッパー4をそれぞれ対向させて傾斜面41を突き合わせ、これらの傾斜面41の間に三角形状の隙間空間Sを設けて石臼回転用のモータ34などの回転駆動機構3を配置するようにしたものである。以下、この抹茶製造装置100の構成について具体的に説明する。
【0010】
漏斗1は、テーパー状の中空回転体に形成したものであり、抹茶の原料となる茶葉を投入できるように上端部分に大径の開口部11を設け、また、下端部分に小径の開口部10を設けて石臼2に茶葉を供給できるようにしたものである。この漏斗1は、上臼20の上端外周部に着脱可能に取り付けられる載置部材12によってその上端開口部11近傍が固定され、一方、下端開口部10側は上臼20の中央開口部20aの外周に接触して固定される。
【0011】
石臼2は、上臼20と下臼21とから構成されるもので、上臼20と下臼21との境界接触面に図4に示すような斜め方向の溝22を設けて茶葉を挽き潰せるようにするとともに、それぞれの溝22の外周部分に平坦部23を設けて溝22で挽き潰された茶葉を更にきめ細かく挽き潰せるようにしたものである。この下臼21の中心部分には、上方向に突出する芯木21aを設け、上臼20の中央開口部20aにこの芯木21aを嵌め込んで上臼20を回転させられるようにしている。この芯木21aはその上端部を尖出させるような傾斜部21bを設けており、また、その直径を上臼20の中央開口部20aの内径よりも若干小径にすることで漏斗1から境界接触面に供給できるようにしている。この茶葉の挽き潰し動作は、上臼20を回転させることによって行われ、この上臼20は上臼20の外周側面に突出して設けられた引き手20bを引っ張ることによって回転させられる。一方、下臼21は回収ホッパー4内に起立する円柱状の支持部材40に固定される。
【0012】
回転駆動機構3は、支持部材40の内側に位置する円柱状の回転部材30と、この回転部材30の上端、すなわち下臼21の真下部分に設けた回転板31と、この回転板31の外周から上方へ起立して延びるアーム32と、このアーム32と上臼20の引き手20b側に架け渡されたベルト33と、これらの部材を回転駆動させるモータ34及び共通のベルト35、プーリ36とを具備して構成されるものである。このモータ34は、共通のベルト35を用いて複数の石臼2を回転させられるように複数の石臼2の中心位置に設けられ、この実施形態においては図3に示すように、平面視正方形状に配置された4台の石臼2の対角中央部分(中心位置)にその出力軸34aを石臼2の回転軸と平行にして取り付けている。また、この回転駆動機構3は、それぞれの回収ホッパー4の傾斜面41によって形成された隙間S内に設けられ、これによって装置全体を小型化できるようにしている。
【0013】
回収ホッパー4は、石臼2によって挽き潰された抹茶の回収作業を容易に行えるように構成したもので、漸次下方に向けて奥行幅を狭くする傾斜面41(図2参照)を設け、更にその下端に開閉可能なスライド式の底板42を設けて抹茶を図示しないトレイなどに落下回収できるようにしている。そして、この回収ホッパー4をそれぞれ対向させてそれぞれの傾斜面41を突き合わせ、これらの傾斜面41によって形成された側面視三角形状の隙間空間Sを設けるようにしている。
【0014】
5は、漏斗1内に投入された茶葉を定期的に撹拌して茶葉の詰まりを防止するための撹拌機構を示したものであり、漏斗1の内部に差し込まれる撹拌部材50と、この撹拌部材50の従動回転を定期的に停止させる制御機構6とを備えてなる。この撹拌機構5も同様に複数の石臼2に対して使用される。
【0015】
この撹拌機構5を構成する撹拌部材50は、上端部を漏斗1と同じ回転軸上にフック部52(図7参照)を設けて吊下部材53に軸支し、また、下端部を漏斗1の下端開口部10から退避させた位置に設けるようにして茶葉の排出に支障を来さないようにしている。また、この撹拌部材50の略中央部分には、漏斗1内に供給された茶葉を撹拌するための屈曲部51を設けている。このフック部52は、吊下部材53に設けられた溝部53aに対して着脱可能に設けられており、別の撹拌部材50への交換を容易にするとともに、漏斗1の取り外し時に必要となる作業空間を形成しうるようにしている。
【0016】
吊下部材53は、漏斗1の上方に設けられた筐体支持フレーム54に回転可能に軸支され、回転軸と直交する方向に突出する停止アーム53bを筐体支持フレーム54の上側に位置させて自由回転を可能にしている。また、この停止アーム53bの近傍には、図5および図6に示すように吊下部材53の従動回転を定期的に停止させるための制御機構6を設けている。
【0017】
この制御機構6は、停止アーム53bに当接しうる突出部材60(図6参照)を有するシャフト61と、このシャフト61を定期的に回転させるシャフト回転機構62および図示しないタイマ装置などを具備して構成される。このシャフト61は、長手方向に隣接して設けられた撹拌部材50の従動回転をも同時に停止させるもので、横長状の一本の部材で構成され、また、平行に隣接して設けられたシャフト61にブリッジ63を橋渡しして平行するシャフト61を同時に回転させられるようにしている。また、突出部材60はブラケット60aを介してシャフト61にネジ止めされ、このネジ止めの位置を変更することによって取り付け位置や突出部材60の角度を調整できるようにしている。そして、このシャフト61は、モータなどによって構成されるシャフト回転機構62およびタイマ装置などによって構成される制御機構6によって定期的に回転させられ、通常時、突出部材60を停止アーム53bから離間させて撹拌部材50の従動回転を許容するとともに、定期的にシャフト回転機構62を用いてシャフト61を軸回転させ、突出部材60を停止アーム53bに当接させることによって複数の撹拌部材50の従動回転を一時的に停止させるようにしている。
【0018】
次に、このように構成された抹茶製造装置100の茶葉挽き潰し動作について説明する。
【0019】
まず、漏斗1内に茶葉を投入した状態でモータ34駆動用の電源を投入し、回収ホッパー4の下方に設けたモータ34を駆動する。そして、その出力軸34aを一方向に回転させてプーリ36に架け渡した4本のベルト35を回転させ、それぞれの石臼2の下方に設けた回転部材30、アーム32、ベルト35を介して上臼20を同一方向に回転させる。そして、これによって漏斗1内から順次供給されてくる茶葉を挽き潰していく。
【0020】
また、このように漏斗1内の茶葉を供給していく際、茶葉の重なり合いなどに基づく空臼状態を回避すべく、制御機構6などによって定期的にシャフト61を回転させ、突出部材60をそれぞれの停止アーム53bに当接させる。これによって、茶葉とともに従動回転していたそれぞれの撹拌部材50を停止させ、漏斗1内の茶葉を撹拌して詰まり状態を除去する。そして、一定時間経過後シャフト61の回転を元に戻して突出部材60と停止アーム53bとを離間させて撹拌部材50の従動回転を許容する。
【0021】
このように上記実施の形態によれば、それぞれ対向する回収ホッパー4の下方に傾斜面41を設けてその隙間空間Sに回転駆動機構3を設けるようにしたので、回収ホッパー4を持ち上げたり側方や前方に配置したりすることなく装置全体を小型化することができるようになる。また、この実施形態ではそれぞれの傾斜面41の下方に回転駆動機構3を設けるようにしたため、工場内に飛散する茶粉からモータ34を保護することもできるようになる。
【0022】
また、この実施形態では、複数の石臼2を一台のモータ34で回転させるようにしたため、コストを低減させることが可能となる。
【0023】
更に、この実施形態では、4台の石臼2の中心位置にモータ34を設けるようにしたので、各回転部材30を回転させる際に同じ種類のベルト35を用いることができ、部品の共用化に伴ってコストの低減を図ることができるようになる。
【0024】
なお、本発明は上記実施形態を一例として実現されるが、これと異なる種々の方法によっても実現させることもできる。
【0025】
例えば、上記実施の形態では、一台のモータ34を用いて複数の石臼2を回転させるようにしているが、これに限らず隙間空間Sに石臼2ごとに対応した独立のモータを設けるようにしても良い。
【0026】
また、回収ホッパー4の傾斜面41の形状として、直線上の傾斜を有するものを例に挙げて説明したが、これに限らず漸次下方に向けて奥行き幅を狭くするような傾斜面を設けたものであれば、例えば、湾曲した形状のものであっても良い。
【0027】
【発明の効果】
このように本発明によれば、列方向に沿って設けられた複数の石臼と、この石臼を構成する上臼もしくは下臼の少なくともいずれかを回転させる回転駆動機構と、この石臼の下方に設けられ、石臼の回転によって挽き潰された茶粉を回収するためにテーパー状の傾斜面を有する回収ホッパーとを備え、前記石臼および回収ホッパーを複数列設けてなるものであって、それぞれの回収ホッパーの傾斜面を、下方に向けて互いの隙間距離が広がるように対向させて配置し、当該傾斜面の間に形成された隙間空間に前記回転駆動機構を設けるように構成したので、装置全体を小型化することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す抹茶製造装置の正面概略図
【図2】同形態における側面概略図
【図3】図1におけるA−A断面概略図
【図4】同形態における下臼の平面図
【図5】本発明の制御機構を示す平面概略図
【図6】本発明の制御機構を示す側面概略図
【図7】本発明の撹拌部材および吊下部材を示す図
【図8】従来技術を示す抹茶製造装置の漏斗を示す図
【符号の説明】
2(20、21)・・・石臼(上臼、下臼)
3・・・回転駆動機構
4・・・回収ホッパー
34・・・モータ
41・・・傾斜面
S・・・隙間空間
Claims (3)
- 列方向に沿って設けられた複数の石臼と、この石臼を構成する上臼もしくは下臼の少なくともいずれかを回転させる回転駆動機構と、この石臼の下方に設けられ、石臼の回転によって挽き潰された茶粉を回収するためにテーパー状の傾斜面を有する回収ホッパーとを備え、前記石臼および回収ホッパーを複数列設けてなる茶粉製造装置であって、それぞれの回収ホッパーの傾斜面を、下方に向けて互いの隙間距離が広がるように対向させて配置し、当該傾斜面の間に形成された隙間空間に前記回転駆動機構を設けてなることを特徴とする茶粉製造装置。
- 前記回転駆動機構が、複数の石臼を回転させるモータを含むものである請求項1に記載の茶粉製造装置。
- 前記モータを平面視における複数台の石臼の中心位置に配置した請求項2に記載の茶粉製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002198212A JP2004033168A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 茶粉製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002198212A JP2004033168A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 茶粉製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004033168A true JP2004033168A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31705726
Family Applications (1)
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JP2002198212A Pending JP2004033168A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 茶粉製造装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004033168A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105057031A (zh) * | 2015-08-18 | 2015-11-18 | 梁文涟 | 一种抹茶碾磨装置 |
JP2023027499A (ja) * | 2021-08-17 | 2023-03-02 | ▲禎▼友 荒川 | 連結式電動粉挽き機及びそれを用いた粉体製造システム |
-
2002
- 2002-07-08 JP JP2002198212A patent/JP2004033168A/ja active Pending
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JP2023027499A (ja) * | 2021-08-17 | 2023-03-02 | ▲禎▼友 荒川 | 連結式電動粉挽き機及びそれを用いた粉体製造システム |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090410 |
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