JP2004032863A - インバータ付き電気機械 - Google Patents

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Haruaki Motoda
元田 晴晃
Yutaka Tajima
田島 豊
Takeo Shimada
嶋田 武夫
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Abstract

【課題】共締め構造とすることによりボルト等の締結作業を減らして作業者の負担を軽減でき、組立時の作業性を向上できるようにする。
【解決手段】インバータ付き電気機械のハウジング1を、電動モータ11を収容するモータケース2と、自動変速機8を収容する筒状の変速機ケース3と、モータケース2と変速機ケース3との間に設けられた仕切板4とにより構成する。インバータ装置15のパワーモジュール17、電源コンデンサ20および通電用バスバ21,22は、ハウジング1内の仕切板4に仮止めして取付ける。モータケース2内の電動モータ11には、ステータ12側に複数の突出部14を設ける。そして、インバータ装置15は、これらの突出部14によりモータケース2と仕切板4との間にボルト6、ナット7等を用いて共締めして固定する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用自動変速機、制動装置または操舵装置等の回転源として好適に用いられるインバータ付き電気機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乗用車等の車両には、油圧ポンプ、制動装置または操舵装置等の回転源として誘導電動機が搭載される。そして、このような誘導電動機は多相交流式の電動モータであるから、この電動モータに給電を行うためには、バッテリ等の直流電源を交流に変換するインバータ装置が必要となる。
【0003】
そして、従来技術によるインバータ装置は、電動モータの外殻を構成するハウジングの外側面に取付けられ、外部の直流電源から供給される電流または電圧を交流に変換して前記電動モータの巻線部(通常はステータ)へと給電する構成となっている(例えば、特開平7−115778号公報等)。
【0004】
この場合、インバータ装置は、直流電源を交流に変換する大電流型の半導体素子が実装された所謂パワー部としてのパワーモジュールと、電流の脈動を抑制する電源コンデンサと、該電源コンデンサおよびパワーモジュールを前記直流電源に接続する通電用の配線部等とを備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、ハウジングの外側面等にインバータ装置を取付ける構成としているため、ハウジング内に設けた電動モータの巻線部と外部のインバータ装置との配線構造が複雑化し、これにより装置全体が大型化する上に、配線作業に手間がかかり、組立時の作業性が低下するという問題がある。
【0006】
また、インバータ装置のパワーモジュールおよび電源コンデンサは、外部の直流電源を通じて大電流が供給されるので発熱源となる。そして、これらの発熱を抑えるためには放熱フィン等をインバータ装置に付設する必要があり、これによってもインバータ装置がハウジングの外部に大きく張り出すことになり、装置全体を小型化するのが難しいという問題がある。
【0007】
また、インバータ装置のパワーモジュール等をハウジングに固定するために、例えばビス、ボルト等の締結具を用いる場合には、このような締結具を取付けるために複数の挿通穴等をパワーモジュールに穿設する必要が生じる上に、このためのスペースを特別に確保しなければならず、これによってパワーモジュールの寸法、サイズ等が余分に大きくなるという問題がある。
【0008】
さらに、ビス、ボルト等の締結具を取付ける作業は、例えば車両のエンジンルーム内等のように狭所での作業が要求されることが多く、作業者の負担が増大する上に、特別な工具を用意する必要があり、結果的に作業工数が増える等の問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、インバータ装置からの発熱をハウジングを通じて効率的に放熱することができ、全体をコンパクトに形成して小型化を図ることができるようにしたインバータ付き電気機械を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、共締め構造とすることによりボルト等の締結作業を減らして作業者の負担を軽減することができ、組立時の作業性を向上できるようにしたインバータ付き電気機械を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、ハウジングを、電動モータを収容する第1の筒状ケースと、前記電動モータにより回転軸を介して駆動される駆動対象物を収容する第2の筒状ケースと、前記第1,第2の筒状ケース間に衝合して設けられ前記第1,第2の筒状ケース間を仕切る熱伝導性の高い材料からなる仕切板とから構成し、インバータ装置は、該仕切板に予め仮止めした状態で前記第1の筒状ケース内の空きスペースに配置するため、前記第1の筒状ケースと仕切板とを衝合して締結するときに該第1の筒状ケースと仕切板との間に共締めする構成としたことにある。
【0012】
このように構成することにより、第1の筒状ケースと仕切板とを衝合して締結するときに該仕切板に対し予め仮止めしたインバータ装置を、前記第1の筒状ケースと仕切板との間に共締めすることができ、インバータ装置に締結具用の挿通穴等を設ける必要がなくなる。そして、モータケースとなる第1の筒状ケース内には空きスペースを利用してインバータ装置を配置でき、インバータ装置が電気機械のハウジングから外部へと張り出すのを防止できる。
【0013】
従って、共締め構造を採用することにより、ボルト等の締結作業を減らして作業者の負担を軽減することができ、組立時の作業性を向上できると共に、全体をコンパクトに形成して小型化を図ることができる。また、熱伝導性の高い金属材料等からなる仕切板を放熱板として活用でき、インバータ装置から発生する熱を仕切板を介してハウジング側へと効率的に放熱することができる。
【0014】
また、請求項2の発明によると、インバータ装置は、大電流型の半導体素子を実装してなるパワーモジュールと、電流の脈動を抑制する電源コンデンサと、該電源コンデンサおよび前記パワーモジュールを直流電源に接続する通電用バスバとを備え、第1の筒状ケース内に位置する電動モータには、前記インバータ装置を第1の筒状ケースと仕切板との間に共締めするときに前記パワーモジュールを仕切板に向けて押付ける共締め用の押付け部を設けてなる構成としている。
【0015】
これにより、インバータ装置を第1の筒状ケースと仕切板との間に共締めするときには、第1の筒状ケース内に設けた押付け部を用いてパワーモジュールを仕切板に強く押付けつつ固定することができ、パワーモジュールに締結具を取付けることなく、インバータ装置の固定作業を行うことができる。また、インバータ装置のパワーモジュールを第1の筒状ケース内で電動モータの巻線部(例えば、ステータ)に接続することができ、配線構造等を簡略化できると共に、ハウジング内での配線作業を容易に行うことができる。
【0016】
このため、組立時の作業性を向上することができ、インバータ付き電気機械全体を小型化することができる。また、熱伝導性の高い金属材料等からなる仕切板を放熱板として活用でき、大電流型の半導体素子が実装されたパワーモジュールが発熱源となっても、該パワーモジュールからの熱を仕切板を介してハウジング側へと効率的に放熱することができる。
【0017】
また、請求項3の発明によると、押付け部はインバータ装置のパワーモジュールを第1の筒状ケースの内周面に対し当接状態に保持する構成としている。これにより、インバータ装置のパワーモジュールが発熱源となっても、該パワーモジュールからの熱を仕切板側に加えて第1の筒状ケース側にも放熱することができ、インバータ装置をより効率的に冷却することができる。
【0018】
一方、請求項4の発明によると、仕切板にはインバータ装置のパワーモジュールを仮止めするための仮止め部を設ける構成としている。これにより、インバータ装置のパワーモジュール等を仕切板に対し予め仮止めしておくことができ、その後の共締め作業を容易に行うことができる。
【0019】
一方、請求項5の発明によると、インバータ装置のパワーモジュールと仕切板との間には、前記パワーモジュールを冷却するための放熱シートと、該放熱シートを覆う金属膜とを設ける構成としている。
【0020】
この場合には、放熱シートに粘着性を与えることにより、少なくともパワーモジュールを仕切板に仮止めすることができる。また、放熱シートを金属膜で覆うことによって、外部からの水分、油分等から放熱シートを保護でき、これらの水分、油分等が放熱シートの接着面に浸入したりするのを防止できる。
【0021】
さらに、請求項6の発明によると、パワーモジュールは、多相交流式の電動モータに対応して各相毎に分割された複数の分割モジュールからなり、ハウジング内の空きスペースには、これらの分割モジュールを互いに離間して配置する構成としている。
【0022】
これにより、インバータ装置のパワーモジュールを各分割モジュール毎に互いに離した状態で、それぞれをハウジング内の空きスペースに収納でき、ハウジング内の空きスペースを有効に活用できると共に、設計の自由度を高めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるインバータ付き電気機械を、車両用の自動変速装置に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0024】
ここで、図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1はインバータ付き電気機械の外殻となる筒状のハウジングで、このハウジング1は、図1に示す如く段付筒状に形成され、後述の電動モータ11を収容する第1の筒状ケースとしてのモータケース2と、駆動対象物となる後述の自動変速機8を収容する第2の筒状ケースとしての変速機ケース3と、モータケース2と変速機ケース3との間に設けられた後述の仕切板4とにより大略構成されている。
【0025】
そして、ハウジング1のモータケース2および変速機ケース3は、後述の仕切板4と共にそれぞれ良好な熱伝導性を有する金属材料、例えばアルミニウム合金または鉄系合金等を用いて形成され、内部の発熱源から発生する熱を外部に放熱する構成となっている。
【0026】
また、ハウジング1のモータケース2は、軸方向の一側が車両用エンジンのフライホイールケース(図示せず)に連結される大径筒部2Aとなり、軸方向の他側は、該大径筒部2Aの端部からテーパ筒部2Bを介して縮径された小径筒部2Cとなっている。そして、小径筒部2Cの端部には、径方向外向きに突出した環状のフランジ部2Dが形成され、このフランジ部2Dは仕切板4の外周側に衝合されている。
【0027】
また、モータケース2のテーパ筒部2Bおよび小径筒部2C内には、図1に示すように後述する電動モータ11のステータ12、ロータ13と仕切板4との間に位置して環状空間(以下、空きスペースSa という)が形成され、この空きスペースSa 内には、後述のインバータ装置15が配置されるものである。
【0028】
一方、ハウジング1の変速機ケース3には、軸方向一側の端部から径方向外向きに突出した環状のフランジ部3Aが形成され、このフランジ部3Aも仕切板4の外周側に衝合されている。そして、仕切板4は、これらのフランジ部2D,3A間に挟持された状態で後述のボルト6、ナット7等によりモータケース2と変速機ケース3との間に着脱可能に固着されている。
【0029】
4はハウジング1の一部を構成する金属製の仕切板で、該仕切板4は、モータケース2等とほぼ同様に熱伝導性の高い材料、例えばアルミニウム合金または鉄系合金等を用いて形成され、後述するインバータ装置15から発生する熱を放熱させる放熱板としても機能するものである。
【0030】
そして、仕切板4は、ハウジング1内をモータケース2側のモータ室(以下、室Aという)と変速機ケース3側の他の室Bとに画成(分離)し、例えば自動変速機8内に収容した潤滑油(図示せず)の一部等が、室Bから室A(後述の空きスペースSa を含む)内へと浸入するの防止している。
【0031】
5,5,…は仕切板4に設けられた仮止め部となる仮止め突起で、該各仮止め突起5は、図4に示す如く仕切板4の表面から一定長さをもって突出し、後述する分割モジュール17A〜17Cの嵌合凹部19に着脱可能に嵌合する。これにより、各仮止め突起5は、分割モジュール17A〜17Cを仕切板4に対して仮止めするものである。
【0032】
また、これらの仮止め突起5は、図2に示す如く後述の各嵌合凹部19に対応して、例えば合計12個設けられ、後述する電源コンデンサ20の各分割コンデンサ20A〜20Cをも分割モジュール17A〜17Cと共に仕切板4上に仮止めするものである。
【0033】
6,6,…はモータケース2と変速機ケース3との間に仕切板4を締結する締結具としてのボルトで、これらのボルト6は、図1に示す如くモータケース2のフランジ部2Dと変速機ケース3のフランジ部3Aとの間に仕切板4を衝合した状態で、これらのフランジ部2D,3A間をナット7を用いて締結し、モータケース2と変速機ケース3とを仕切板4と共に一体的に固定するものである。
【0034】
また、これらのボルト6、ナット7によりモータケース2と変速機ケース3とを一体化するときには、後述の突出部14がインバータ装置15の分割モジュール17A〜17C等を仕切板4に向けて押付けるため、インバータ装置15は、これらのボルト6、ナット7によりモータケース2と仕切板4との間に共締めされるものである。
【0035】
8は変速機ケース3内に収容された駆動対象物となる自動変速機で、該自動変速機8は、公知のトルクコンバータおよび変速歯車機構(いずれも図示せず)等からなり、ハウジング1内に設けた回転軸としての入力軸9の回転を、外部からの制御信号等に応じて変速しつつ、変速した回転を出力軸10に伝達するものである。
【0036】
この場合、回転軸としての入力軸9は、モータケース2内を軸方向に伸長し、前記フライホイールケース側でエンジンのクランク軸またはフライホイールにクラッチ(いずれも図示せず)等を介して連結される。そして、このクラッチが連結状態のときには、前記エンジンの回転出力が入力軸9に伝えられ、入力軸9はエンジンにより回転駆動される。
【0037】
一方、前記クラッチの連結を解除したときには、後述する電動モータ11の回転が入力軸9に伝えられ、このときには電動モータ11が入力軸9の回転駆動源となるものである。そして、自動変速機8の出力軸10は、車両の駆動輪(図示せず)に連結され、これらの駆動輪を回転駆動することにより車両を路上走行させるものである。
【0038】
11はハウジング1のモータケース2内に設けられた多相交流式の電動モータで、該電動モータ11は、例えば誘導電動機等の3相交流モータにより構成されている。そして、電動モータ11は、モータケース2のテーパ筒部2B内に固定して設けられた複数の巻線部からなる環状のステータ12と、該ステータ12の径方向内側に位置して入力軸9の外周側に設けられた永久磁石等からなるロータ13とにより構成されている。
【0039】
そして、電動モータ11のロータ13は、ステータ12と径方向で小さな隙間を介して対向するように配設され、入力軸9と一体回転するものである。この場合、入力軸9が前記エンジンによって駆動される間は、ロータ13がステータ12に対して回転されることによりステータ12には誘導起電力が発生し、電動モータ11は後述のバッテリ16に対する充電器として機能する。
【0040】
また、前記エンジンを停止させてクラッチを解除し、電動モータ11を回転源として用いる場合には、後述のインバータ装置15から電動モータ11のステータ12に交流が給電されてロータ13が駆動されることにより、このロータ13と一緒に入力軸9が回転されるものである。
【0041】
14,14,…はモータケース2内で電動モータ11のステータ12に設けられた共締め用の押付け部となる突出部で、該各突出部14は、ステータ12の端面から後述のインバータ装置15側に向け予め決められた寸法をもって軸方向に突出し、その突出端側でインバータ装置15の分割モジュール17A〜17C、分割コンデンサ20A〜20C等を仕切板4側に向けて軸方向に押付けるものである。
【0042】
15はモータケース2内に設けられたインバータ装置で、このインバータ装置15は、図3に示すように直流電源としてのバッテリ16と電動モータ11との間に配設され、バッテリ16からの直流電源を交流に変換して電動モータ11に給電を行うものである。そして、インバータ装置15は、後述のパワーモジュール17、電源コンデンサ20および通電用バスバ21,22等により構成されている。
【0043】
また、これらのパワーモジュール17、電源コンデンサ20および通電用バスバ21,22は、図1に示すようにモータケース2のテーパ筒部2Bおよび小径筒部2C内に位置する空きスペースSa (具体的には、電動モータ11のステータ12、ロータ13と仕切板4との間の空きスペースSa )内にコンパクトに配置されている。
【0044】
17はインバータ装置15の主要部を構成するパワーモジュールで、該パワーモジュール17は、図1、図2に示すように3相交流モータである電動モータ11に対応して各相(例えば、U相、V相、W相)毎に分割された3個の分割モジュール17A,17B,17Cにより構成されている。
【0045】
そして、これらの分割モジュール17A〜17Cは、図2に示す如く一定高さをもった扇状体として形成され、図4に示す如く仮止め突起5等を介して仕切板4上に取付けられている。この場合、分割モジュール17A〜17Cは、後述の分割コンデンサ20A〜20Cと共にモータケース2の小径筒部2C内に位置してロータ13の周囲に、例えば60度程度の間隔をもって互いに離間した状態で配設されている。
【0046】
また、分割モジュール17A〜17Cは、図3に例示するように大電流型の半導体素子であるFET等のパワートランジスタ18,18をそれぞれの基板(図示せず)に実装することにより構成されている。そして、これらのパワートランジスタ18は、図3に示す如くゲートG、ドレインDおよびソースSを有し、ドレインDとソースSが後述の通電用バスバ21,22を介してバッテリ16に接続されている。
【0047】
また、分割モジュール17A〜17C内にそれぞれ設けた各パワートランジスタ18は、バッテリ16から後述の通電用バスバ21,22を介して大電流が供給されることにより発熱する。そして、これらの分割モジュール17A〜17Cに発生する熱は、後述の放熱シート24等を通じて仕切板4、モータケース2および変速機ケース3側へと伝えられ、放熱されるものである。
【0048】
19,19,…はパワーモジュール17の各分割モジュール17A〜17Cに設けられた嵌合凹部で、該各嵌合凹部19は、図4に示す如く分割モジュール17A〜17C等の裏面側に形成された有底穴からなり、図2中に点線で示すようにほぼ同一の円周上に間隔をもって配設されている。
【0049】
そして、これらの嵌合凹部19には、仕切板4に設けた各仮止め突起5が着脱可能に嵌合し、これによりインバータ装置15(例えば、分割モジュール17A〜17C等)は仕切板4に対して仮止めされるものである。また、これらの嵌合凹部19は、後述の分割コンデンサ20A〜20Cにも設けられ、これらの分割コンデンサ20A〜20Cも各仮止め突起5、嵌合凹部19により仕切板4に対して仮止めされるものである。
【0050】
20はインバータ装置15の一部を構成する電源コンデンサで、該電源コンデンサ20は、図3に示す如く後述の通電用バスバ21,22等を介してバッテリ16に接続され、バッテリ16からパワーモジュール17に通電する電流に脈動が発生するのを抑制するものである。
【0051】
ここで、電源コンデンサ20は、パワーモジュール17の分割モジュール17A〜17Cに対応して、例えば3個の分割コンデンサ20A,20B,20Cに分割され、これらの分割コンデンサ20A〜20Cは、それぞれが分割モジュール17A〜17Cと同様に仕切板4上に仮止めした後に、突出部14等を用いて共締め状態で取付けられている。
【0052】
また、電源コンデンサ20の分割コンデンサ20A〜20Cは、図2に示す如くそれぞれが扇形状体として形成され、分割モジュール17A〜17Cと共にモータケース2の小径筒部2C内でロータ13の周囲に、例えば60度の間隔をもって配設されている。
【0053】
即ち、電源コンデンサ20の分割コンデンサ20Aは分割モジュール17A,17B間に配置され、分割コンデンサ20Bは分割モジュール17B,17C間に配置され、分割コンデンサ20Cは分割モジュール17A,17C間に配置されている。そして、これらの分割コンデンサ20A〜20Cからの発熱も、前記放熱シート24等を通じて仕切板4側へと放熱されるものである。
【0054】
また、電源コンデンサ20の分割コンデンサ20A〜20Cは、図3に示す如く通電用バスバ21,22間に分割モジュール17A〜17Cと並列になるように接続され、バッテリ16から分割モジュール17A〜17Cに通電する電流に脈動が発生するのを抑制するものである。
【0055】
21,22は分割モジュール17A〜17Cおよび分割コンデンサ20A〜20Cをバッテリ16に接続する通電用バスバで、該通電用バスバ21,22は、例えば導電性の金属板等を用いてほぼ同一形状のリングとして形成されている。そして、通電用バスバ21は、例えば図3に示す如くバッテリ16の陽極側に接続され、通電用バスバ22はバッテリ16の陰極側に接続されるものである。
【0056】
また、通電用バスバ21,22は、図4に示す如く絶縁材23を介して互いに積層化され、仕切板4上に絶縁性の放熱シート24を介して取付けられている。そして、通電用バスバ21,22は、分割モジュール17A,17B,17Cに対しそれぞれ接続ピン(図示せず)等を介して接続されると共に、分割コンデンサ20A,20B,20Cに対しても同様に他の接続ピン(図示せず)等を介して接続されている。
【0057】
また、通電用バスバ21,22には、図4に示す如く仕切板4の各仮止め突起5と対応する位置に貫通穴21A,22Aがそれぞれ穿設され、これらの貫通穴21A,22Aと各仮止め突起5との間には絶縁用の筒体25,25,…が設けられている。そして、通電用バスバ21,22は、絶縁材23を介して互いに絶縁されると共に、仕切板4に対しても絶縁性の放熱シート24を介して絶縁されているものである。
【0058】
この場合、通電用バスバ21,22は、分割モジュール17A〜17Cおよび分割コンデンサ20A〜20Cと共に仮止め突起5等を介して仕切板4に仮止めされ、モータケース2内の空きスペースSa 内で入力軸9、ロータ13を径方向外側から取囲むようにリング状に配置される。
【0059】
そして、モータケース2内(例えば、電動モータ11のステータ12)に設けた各突出部14により、インバータ装置15の分割モジュール17A〜17C、分割コンデンサ20A〜20C等を仕切板4に向けて、例えば図4中の矢示C方向に押付けるときには、両者の間に通電用バスバ21,22が強く挟持され、例えば分割モジュール17A〜17C、分割コンデンサ20A〜20Cから発生する熱は、通電用バスバ21,22、放熱シート24を介して仕切板4側に放熱されるものである。
【0060】
本実施の形態によるインバータ付き電気機械は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0061】
まず、ハウジング1内の入力軸9を車両用エンジン(内燃機関)で回転駆動するときには、入力軸9の回転が自動変速機8により変速され、変速した回転が出力軸10から車両の駆動輪に伝達される。これにより、車両は前記エンジンの回転出力(トルク)に従って路上走行を行う。
【0062】
また、このように入力軸9が前記エンジンによって回転駆動される間は、電動モータ11のロータ13がステータ12に対して回転されることにより、ステータ12側には誘導起電力が発生する。そして、この誘導起電力を利用してバッテリ16への充電が行われるものである。
【0063】
一方、前記エンジンと入力軸9との間のクラッチ等を解除し、電動モータ11を回転源として用いる場合には、バッテリ16からの直流電源がインバータ装置15のパワーモジュール17(分割モジュール17A〜17C)により交流に変換され、3相交流モータからなる電動モータ11には、ステータ12に交流が給電されてロータ13が駆動される。
【0064】
これにより、電動モータ11のロータ13は、前記エンジンに替わって入力軸9を回転駆動するようになり、このときには電動モータ11が入力軸9の回転駆動源となって、自動変速機8の出力軸10を回転させつつ、車両を路上走行させる。そして、電源コンデンサ20の分割コンデンサ20A〜20Cは、図3に示すようにバッテリ16からパワーモジュール17の各パワートランジスタ18に通電する電流に脈動が発生するのを抑制し、電動モータ11への給電を安定した状態に保つ機能を有する。
【0065】
ここで、本実施の形態にあっては、電動モータ11をステータ12とロータ13とにより構成し、インバータ装置15のパワーモジュール17を3つの分割モジュール17A〜17Cに分割すると共に、電源コンデンサ20も3つの分割コンデンサ20A〜20Cに分割する構成としている。
【0066】
そして、これらの分割モジュール17A〜17C、分割コンデンサ20A〜20Cおよび通電用バスバ21,22を、電動モータ11のステータ12、ロータ13と仕切板4との間に位置してモータケース2内の空きスペースSa に配置する構成としている。
【0067】
これにより、ハウジング1のモータケース2内でステータ12、ロータ13と仕切板4との間に形成される空きスペースSa を活用して、インバータ装置15の分割モジュール17A〜17C、分割コンデンサ20A〜20Cおよび通電用バスバ21,22を空きスペースSa 内にコンパクトに配置することができ、ハウジング1からインバータ装置15が外部に張り出すのを防止できる。
【0068】
特に、インバータ装置15の分割モジュール17A〜17C、分割コンデンサ20A〜20Cおよび通電用バスバ21,22は、ハウジング1内の仕切板4に各仮止め突起5、嵌合凹部19等を介して仮止めし、この状態でハウジング1のモータケース2と仕切板4との間にモータケース2側の各突出部14により、ボルト6、ナット7等を用いて共締めする構成としている。
【0069】
即ち、ハウジング1のモータケース2、変速機ケース3および仕切板4をフランジ部2D,3Aの位置で複数のボルト6、ナット7により締結するときには、モータケース2内(例えば、電動モータ11のステータ12)に設けた各突出部14により、インバータ装置15の分割モジュール17A〜17C、分割コンデンサ20A〜20C等を仕切板4に向け、例えば図4中の矢示C方向に押付けつつ、モータケース2と仕切板4との間にインバータ装置15全体を共締めすることができる。
【0070】
この結果、インバータ装置15の分割モジュール17A〜17C、分割コンデンサ20A〜20Cには、従来技術で述べたビス、ボルト等のような締結具用の挿通穴等を設ける必要がなくなり、締結具用のスペース分だけ分割モジュール17A〜17Cおよび分割コンデンサ20A〜20Cをコンパクトに形成でき、小型化を図ることができる。
【0071】
また、このような共締め構造を採用することによって、パワーモジュール17の分割モジュール17A〜17C等にビス、ボルト等の締結具を取付けることなく、インバータ装置15の固定作業を容易に行うことができる。そして、ボルト等の締結作業を減らして作業者の負担を軽減することができ、インバータ装置15を含めた機械全体の組立作業を効率的に行うことができる。
【0072】
また、インバータ装置15をモータケース2と仕切板4との間に共締めするときには、モータケース2内に設けたステータ12の各突出部14により分割モジュール17A〜17C、分割コンデンサ20A〜20Cを仕切板4の表面側に強く押付けつつ固定することができるので、例えば分割モジュール17A等に反りが生じて仕切板4との間に隙間が発生する等の不具合も解消できる。
【0073】
このため、インバータ装置15の分割モジュール17A〜17C、分割コンデンサ20A〜20C等から発生する熱を、金属製の仕切板4側に効率的に放熱することができ、パワーモジュール17および電源コンデンサ20等を良好に冷却することができる。
【0074】
また、モータケース2内の空きスペースSa には、分割モジュール17A〜17Cと分割コンデンサ20A〜20Cとをほぼ60度程度の間隔で互い違いとなるように配置しているので、モータケース2の空きスペースSa を有効に活用でき、分割モジュール17A〜17Cおよび分割コンデンサ20A〜20Cを通電用バスバ21,22と一緒に空きスペースSa 内にコンパクトに配置できると共に、設計の自由度を高めることができる。
【0075】
そして、仕切板4に対する分割モジュール17A,17B,17Cの接触面積(取付面積)を増やすことができ、分割モジュール17A〜17Cの熱を仕切板4を通じて良好に放熱させ、分割モジュール17A〜17Cに対する冷却性能を高めることができる。この点は分割コンデンサ20A〜20Cについても同様である。
【0076】
また、パワーモジュール17の分割モジュール17A〜17Cおよび分割コンデンサ20A〜20Cを、モータケース2の室A内で電動モータ11の巻線部(例えば、ステータ12側)に近付けて配置できるので、両者の接続作業、配線作業を容易に行うことができ、配線構造等の簡略化も図ることができる。
【0077】
従って、本実施の形態によれば、車両用の自動変速機8を内蔵するインバータ付き電気機械全体を、コンパクトに形成して小型化を図ることができると共に、組立時の作業性を大幅に向上することができる。
【0078】
また、金属製の仕切板4を放熱板として活用でき、分割モジュール17A〜17C等からの熱を仕切板4を介してモータケース2、変速機ケース3側へと効率的に放熱することができ、これによっても全体をコンパクトに形成して小型化を図ることができる。
【0079】
そして、仕切板4にはパワーモジュール17等を予め仮止めする構成としているため、その後のボルト6等を用いた共締め作業を容易に行うことができ、組立時の作業性を向上できると共に、ボルト6等の締結作業を減らして作業者の負担を確実に軽減することができる。
【0080】
さらに、3つの分割コンデンサ20A〜20Cを用いることにより、電源コンデンサ20全体の容量を大きくすることができ、所謂寄生インピーダンス(寄生抵抗)を低減できると共に、ジュール熱の発生を良好に抑えることができる。
【0081】
次に、図5は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態にあっては、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0082】
しかし、本実施の形態の特徴は、モータケース2内に位置して電動モータ11のステータ12側に設ける共締め用の押付け部を、前記第1の実施の形態と同様の突出部31,31,…と、これらの突出部31よりも径方向内側に位置したテーパ状突部32とにより構成したことにある。
【0083】
ここで、各突出部31は、第1の実施の形態で述べた突出部14とほぼ同様に構成され、インバータ装置15のパワーモジュール17(分割モジュール17A〜17C)および電源コンデンサ20(分割コンデンサ20A〜20C)等を仕切板4に向けて軸方向に押付けるものである。
【0084】
しかし、本実施の形態の場合、押付け部の一部となるテーパ状突部32は、内周側が電動モータ11のロータ13を環状に取囲むと共に、外周側がテーパ状に漸次縮径した円錐面として形成されている。そして、テーパ状突部32は、ボルト6等による共締め作業を行うときにインバータ装置15のパワーモジュール17と電源コンデンサ20とを径方向外向き(例えば、図5中の矢示D,D方向)に押圧し、これらをモータケース2の小径筒部2C内周面に対して当接状態に保持するものである。
【0085】
これにより、インバータ装置15のパワーモジュール17(分割モジュール17A〜17C)および電源コンデンサ20(分割コンデンサ20A〜20C)等は、第1の実施の形態で述べた如く仕切板4に向けて軸方向に押付けられると共に、テーパ状突部32によりモータケース2の小径筒部2C内周面に向けても矢示D方向に押付けられ、ハウジング1に対する放熱面積を拡大できる。
【0086】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、電動モータ11のステータ12側に突出部31と共にテーパ状突部32を設ける構成としているので、下記のような作用効果を得ることができる。
【0087】
即ち、インバータ装置15のパワーモジュール17(分割モジュール17A〜17C)および電源コンデンサ20(分割コンデンサ20A〜20C)を、仕切板4に向けて軸方向に押圧できると共に、テーパ状突部32によりモータケース2の小径筒部2C内周面に向けても押圧できるので、仕切板4と共にモータケース2の小径筒部2C側でもパワーモジュール17からの熱を放熱でき、パワーモジュール17(分割モジュール17A〜17C)および電源コンデンサ20(分割コンデンサ20A〜20C)の冷却性を向上することができる。
【0088】
次に、図6ないし図8は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、粘着性を有する放熱シート等を用いてインバータ装置のパワーモジュール等を仕切板に仮止めする構成としたことにある。なお、本実施の形態でも、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0089】
図中、41は本実施の形態で採用した仕切板で、該仕切板41は、第1の実施の形態で述べた仕切板4とほぼ同様に構成されている。しかし、この場合の仕切板41は、第1の実施の形態で述べた各仮止め突起5が省略され、平坦な板状体として形成されているものである。
【0090】
42は本実施の形態で採用したインバータ装置で、該インバータ装置42は、第1の実施の形態で述べたインバータ装置15とほぼ同様に、分割モジュール43A,43B,43Cからなるパワーモジュール43と、分割コンデンサ44A,44B,44Cからなる電源コンデンサ44等とにより構成されている。
【0091】
しかし、これらの分割モジュール43A〜43Cおよび分割コンデンサ44A〜44Cは、第1の実施の形態で述べた分割モジュール17A〜17Cおよび分割コンデンサ20A〜20Cとは嵌合凹部19が省略されている点で異なるものである。
【0092】
また、インバータ装置42の分割モジュール43A〜43C等は、インバータ装置42をモータケース2と仕切板41との間に共締めするときに、モータケース2内に設けたステータ12の各突出部14により仕切板41の表面側に向け、例えば図8中の矢示C方向へと強く押付けられて固定されるものである。
【0093】
45は仕切板41とインバータ装置42との間に設けられた電気絶縁性の放熱シートで、該放熱シート45は、例えば粘着性、柔軟性および放熱性を有するシリコン系の弾性樹脂材料等により環状のシートとして形成され、その表側または裏側には、例えばアルミニウム材料からなるアルミ箔、または銅箔等の金属膜46が積層化するように設けられている。
【0094】
そして、この金属膜46は、放熱シート45を外側から覆うことにより、パワーモジュール43(分割モジュール43A〜43C)からの熱を外部に放熱させると共に、放熱シート45を外部の水分、油分等から保護するものである。この場合の放熱シート45および金属膜46は、例えば特開2001−110955号公報に記載の放熱部材と同様のものを用いてもよい。
【0095】
また、金属膜46は、例えば図8に示す如く分割モジュール43Bに接着剤(図示せず)等を用いて接合され、放熱シート45は、その粘着性により分割モジュール43Bを金属膜46と共に仕切板41に対して接合(圧着、圧接)しているものである。
【0096】
また、放熱シート45および金属膜46は、他の分割モジュール43A,43Cおよび分割コンデンサ44A〜44Cについても、同様に仕切板41に対して接合し、これによりインバータ装置42のパワーモジュール43等が仕切板41に仮止めされるものである。
【0097】
そして、放熱シート45および金属膜46は、図8中に示す矢示C方向の押圧力により分割モジュール43Bと仕切板41との間で挟持されるときに、放熱シート45の柔軟性(弾性変形)により、例えば仕切板41の表面の凹凸に追従して密に接触し、接触面積(放熱面積)を広げるものである。
【0098】
47は他の放熱シートで、該放熱シート47は金属膜48と共に分割モジュール43A〜43C、分割コンデンサ44A〜44Cの他側面(図8に示す分割モジュール43Bを挟んで放熱シート45とは反対側の面)を覆うものである。そして、これらの放熱シート47、金属膜48は、前記放熱シート45、金属膜46と同様に構成され、モータケース2内での放熱性を高めるものである。
【0099】
そして、この場合の金属膜46,48は、第1の実施の形態で述べた通電用バスバ21,22と同様に、分割モジュール43A〜43Cおよび分割コンデンサ44A〜44Cをバッテリ16に接続する通電用バスバとして用いる構成としてもよい。
【0100】
また、金属膜46,48を放熱シート45、47の保護膜として用い、これらの金属膜46,48とは別に、第1の実施の形態で述べた通電用バスバ21,22と同様のものを、例えば仕切板41と放熱シート45との間に配設する構成としてもよいものである。
【0101】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1,第2の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。しかし、本実施の形態では、粘着性を有する放熱シート45等を用いてインバータ装置42のパワーモジュール43等を仕切板41に仮止めでき、第1の実施の形態で述べた仮止め突起5、嵌合凹部19等を廃止して構造の簡略化を図ることができる。
【0102】
また、放熱シート45,47、金属膜46,48を用いてパワーモジュール43(分割モジュール43A〜43C)、電源コンデンサ44(分割コンデンサ44A〜44C)をサンドイッチ状に挟むことができ、これによって放熱面積をさらに拡大し、冷却性能等を高めることができる。
【0103】
さらに、分割モジュール43A、仕切板41等の表面に凹凸がある場合でも、放熱シート45等が矢示C方向の押圧力で弾性変形することにより、表面の凹凸に追従でき、金属膜46と協働して放熱性を向上できると共に、水分、油分等に対する耐性も確保することができる。そして、これらの点は、放熱シート47側についても同様である。
【0104】
次に、図9は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、粘着性を有する放熱シート内に金属網状体を設け、パワーモジュール等からの放熱性を高める構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第3の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0105】
図中、51は仕切板41とインバータ装置42との間に設けられた絶縁性の放熱シートで、該放熱シート51は、第3の実施の形態で述べた放熱シート45とほぼ同様に構成されるものの、この放熱シート51は、後述の金属網状体52を有している点で異なっている。
【0106】
52は放熱シート51内に配置された金属網状体で、該金属網状体52は、例えば特開2001−291810号公報に記載のエキスパンドメタル等を用いて形成され、粘着性を有する弾性樹脂材料からなる放熱シート51内に埋設されている。そして、金属網状体52は、外力を加えることにより放熱シート51内で厚さ方向等に弾性変形するものである。
【0107】
ここで、放熱シート51の製造時には、後述の金属膜53上にエキスパンドメタル等の金属網状体52を配置し、これに放熱シート51の素材(例えば、シリコン系の弾性樹脂材料)を金属網状体52よりも厚い層で形成し、その表層にはパワーモジュール43(分割モジュール43A〜43C)に接合するための粘着層を形成するものである。
【0108】
53は放熱シート51に積層化された金属膜で、この金属膜53は、第3の実施の形態で述べた金属膜46と同様に構成され、放熱シート51を外側から覆っている。そして、金属膜51は、パワーモジュール43(分割モジュール43A〜43C)からの熱を外部に放熱させると共に、放熱シート51を外部の水分、油分等から保護するものである。
【0109】
また、金属膜53は、例えば図9に示す如く仕切板41に接着剤(図示せず)等を用いて接合される。そして、これらの放熱シート51、金属膜53を用いることにより、インバータ装置42のパワーモジュール43等が仕切板41に対して仮止めされるものである。
【0110】
54は他の放熱シートで、該放熱シート54は、前述した放熱シート51と同様に金属網状体55を内包し、金属膜56と共に分割モジュール43A〜43C、分割コンデンサ44A〜44Cの他側面(図9に示す分割モジュール43Bを挟んで放熱シート51とは反対側の面)を覆うものである。そして、これらの放熱シート54、金属網状体55および金属膜56は、前記放熱シート51、金属網状体52および金属膜53と同様に構成され、モータケース2内での放熱性を高めるものである。
【0111】
なお、この場合の金属膜53,56についても、第1の実施の形態で述べた通電用バスバ21,22と同様に、分割モジュール43A〜43Cおよび分割コンデンサ44A〜44Cをバッテリ16に接続する通電用バスバを兼用する構成としてもよい。
【0112】
また、金属膜53,56を放熱シート51、54の保護膜として用い、これらの金属膜53,56とは別に、第1の実施の形態で述べた通電用バスバ21,22と同様のものを、例えば仕切板41と放熱シート45との間に配設する構成としてもよいものである。
【0113】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記3の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。しかし、本実施の形態では、放熱シート51,54内に金属網状体52,55を埋設する構成としているので、放熱シート51,54による放熱性をさらに高めることができる。
【0114】
即ち、図9中に示す矢示C方向の押圧力により放熱シート51が分割モジュール43Aと仕切板41との間で挟持されるときには、金属網状体52が放熱シート51内で矢示C方向に弾性変形し、例えば分割モジュール43Aに近接することにより、放熱シート51の放熱性を高めることができる。
【0115】
また、分割モジュール43A、仕切板41等の表面に凹凸がある場合でも、放熱シート51、金属網状体52が弾性変形することにより、表面の凹凸に追従でき、金属膜53と協働して放熱性を向上できると共に、水分、油分等に対する耐性も確保することができる。そして、これらの点は、放熱シート54側についても同様である。
【0116】
なお、前記第1の実施の形態では、仕切板4に複数の仮止め突起5を設け、インバータ装置15の分割モジュール17A〜17Cおよび分割コンデンサ20A〜20Cには、各仮止め突起5に嵌合する嵌合凹部19をそれぞれ設ける構成としている。しかし、これらの嵌合凹部19は、分割モジュール17A〜17Cと分割コンデンサ20A〜20Cのいずれかに選択的に設け、これに対応して仕切板4には複数の仮止め突起5を設ける構成としてもよい。
【0117】
また、第1の実施の形態では、インバータ装置15の分割モジュール17A〜17Cおよび分割コンデンサ20A〜20Cを、モータケース2内の空きスペースSa に配置する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばパワーモジュールの各分割モジュールをモータケース2内に配置し、電源コンデンサの分割コンデンサをモータケース2の外部に設ける構成としてもよい。そして、この点は、第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0118】
また、前記各実施の形態では、電動モータ11のステータ12をモータケース2のテーパ筒部2B内に固定して設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばモータケース2の大径筒部2A内に電動モータ11のステータ12を設ける構成としてもよいものである。
【0119】
一方、前記第3の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様に電動モータ11のステータ12に突出部31とテーパ状突部32とを設け、該テーパ状突部32によりインバータ装置42のパワーモジュール43(分割モジュール43A〜43C)および電源コンデンサ44(分割コンデンサ44A〜44C)をモータケース2の小径筒部2C内周面に向けて押圧する構成としてもよい。
【0120】
そして、この場合でも、例えばパワーモジュール43(分割モジュール43A〜43C)からの熱を仕切板4と共にモータケース2の小径筒部2C側でも放熱でき、パワーモジュール43(分割モジュール43A〜43C)および電源コンデンサ44(分割コンデンサ44A〜44C)の冷却性を向上することができる。この点は第4の実施の形態についても同様である。
【0121】
また、前記第1の実施の形態においては、仕切板4の内部に冷却水または冷却油を流通させる冷却通路を設け、仕切板4を水冷却器または油冷却器として用いる構成としてもよい。これにより、インバータ装置15に対する冷却能力をさらに向上できるものである。そして、この点については、前記第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0122】
また、前記第1の実施の形態では、インバータ装置15のパワーモジュール17等を仕切板4に対し先に仮止めしておく場合を前提として説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば電動モータ11のステータ12に設けた突出部14に対してパワーモジュール17等を固定した後に、これらを仕切板4に共締めで固定する構成としてもよい。これにより、パワーモジュール17等の位置決めが容易となり、組立時の作業性をさらに向上することができる。また、この点については、前記第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0123】
さらに、前記各実施の形態では、インバータ付き電気機械を車両用自動変速機に適用した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば制動装置または操舵装置等の回転源として用いられるインバータ付き電気機械に適用してもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるインバータ付き電気機械を示す縦断面図である。
【図2】モータケース内に配置したインバータ装置を図1中の矢示II−II方向からみた拡大断面図である。
【図3】図1中のインバータ装置を介して電動モータにバッテリを接続した状態を示す電気回路図である。
【図4】仕切板に対して仮止めされたインバータ装置のパワーモジュール等を図2中の矢示IV−IV方向からみた拡大断面図である。
【図5】第2の実施の形態によるインバータ付き電気機械を示す縦断面図である。
【図6】第3の実施の形態によるインバータ付き電気機械を示す縦断面図である。
【図7】モータケース内に配置したインバータ装置を図6中の矢示 VII−VII 方向からみた拡大断面図である。
【図8】パワーモジュールを仕切板に放熱シート等を用いて仮止めした状態を図7中の矢示VIII−VIII方向からみた拡大断面図である。
【図9】第4の実施の形態によるインバータ装置のパワーモジュールを仕切板に放熱シート等を用いて仮止めした状態を図8と同様位置で示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 モータケース(第1の筒状ケース)
3 変速機ケース(第2の筒状ケース)
4,41 仕切板
5 仮止め突起(仮止め部)
6 ボルト(締結具)
8 自動変速機
9 入力軸(回転軸)
10 出力軸
11 電動モータ
12 ステータ
13 ロータ
14,31 突出部(押付け部)
15,42 インバータ装置
16 バッテリ(直流電源)
17,43 パワーモジュール
17A〜17C,43A〜43C 分割モジュール
18 パワートランジスタ(半導体素子)
19 嵌合凹部
20,44 電源コンデンサ
20A〜20C,44A〜44C 分割コンデンサ
21,22 通電用バスバ
24 放熱シート
32 テーパ状突部(押付け部)
45,47,51,54 放熱シート
46,48,53,56 金属膜
52,55 金属網状体

Claims (6)

  1. 回転軸が軸方向に伸長して設けられる筒状のハウジングと、該ハウジング内に設けられ前記回転軸を駆動する多相交流式の電動モータと、直流電源と該電動モータとの間に設けられ直流電源を交流に変換するインバータ装置とからなるインバータ付き電気機械において、
    前記ハウジングは、前記電動モータを収容する第1の筒状ケースと、前記電動モータにより回転軸を介して駆動される駆動対象物を収容する第2の筒状ケースと、前記第1,第2の筒状ケース間に衝合して設けられ前記第1,第2の筒状ケース間を仕切る熱伝導性の高い材料からなる仕切板とから構成し、
    前記インバータ装置は、該仕切板に予め仮止めした状態で前記第1の筒状ケース内の空きスペースに配置するため、前記第1の筒状ケースと仕切板とを衝合して締結するときに該第1の筒状ケースと仕切板との間に共締めする構成としたことを特徴とするインバータ付き電気機械。
  2. 前記インバータ装置は、大電流型の半導体素子を実装してなるパワーモジュールと、電流の脈動を抑制する電源コンデンサと、該電源コンデンサおよび前記パワーモジュールを前記直流電源に接続する通電用バスバとを備え、前記第1の筒状ケース内に位置する前記電動モータには、前記インバータ装置を第1の筒状ケースと仕切板との間に共締めするときに前記パワーモジュールを仕切板に向けて押付ける共締め用の押付け部を設けてなる請求項1に記載のインバータ付き電気機械。
  3. 前記押付け部は前記インバータ装置のパワーモジュールを前記第1の筒状ケースの内周面に対し当接状態に保持する構成としてなる請求項2に記載のインバータ付き電気機械。
  4. 前記仕切板には前記インバータ装置のパワーモジュールを仮止めするための仮止め部を設けてなる請求項2または3に記載のインバータ付き電気機械。
  5. 前記インバータ装置のパワーモジュールと仕切板との間には、前記パワーモジュールを冷却するための放熱シートと、該放熱シートを覆う金属膜とを設ける構成としてなる請求項2,3または4に記載のインバータ付き電気機械。
  6. 前記パワーモジュールは、前記多相交流式の電動モータに対応して各相毎に分割された複数の分割モジュールからなり、前記第1の筒状ケース内の空きスペースには、これらの分割モジュールを互いに離間して配置する構成としてなる請求項2,3,4または5に記載のインバータ付き電気機械。
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