JP2004032472A - ネットワーク端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規にネットワークに接続した端末に、自動且つ迅速に論理ネットワークアドレスを割り当てる。
【解決手段】ネットワーク端末10のデータ保持部14は、自己のデバイスアドレス(DA)の値、および、当該DAが自己と同じネットワークアドレス(NA)に所属するDAのうちの最大の値であるか否かを示す情報を保持する。ネットワークに新規に接続した端末が、アドレスの付与を要求するアドレス要求データをネットワーク上に送信すると、その時点で最大のDAを有する端末は、その応答として自己のアドレス(即ち、最大のDA)を示すDA付与データを送信する。DA付与データを受信した新規の端末はその最大のDAよりも大きい値を自己のDAに設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】ネットワーク端末10のデータ保持部14は、自己のデバイスアドレス(DA)の値、および、当該DAが自己と同じネットワークアドレス(NA)に所属するDAのうちの最大の値であるか否かを示す情報を保持する。ネットワークに新規に接続した端末が、アドレスの付与を要求するアドレス要求データをネットワーク上に送信すると、その時点で最大のDAを有する端末は、その応答として自己のアドレス(即ち、最大のDA)を示すDA付与データを送信する。DA付与データを受信した新規の端末はその最大のDAよりも大きい値を自己のDAに設定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク端末が新規にネットワークに接続された際に、当該ネットワーク端末に個別の論理ネットワークアドレスを割当てるための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般住宅やオフィス等に電源を供給するために配線された電力線を通信線として利用する通信方式である電力線通信技術の研究、開発が行われている。電力線通信によれば一般の電源コンセントをネットワークへの接続コネクタとして使用することが可能となるため、情報通信ネットワークを家庭やオフィスに浸透させる技術として注目されている。例えば家庭内において、電源コンセントはほぼ全て部屋に備わっており、それらをLANへの接続コネクタとして利用できるとなると非常に便利である。わが国でも既に電力線通信技術に対応した幾つかの製品が販売されており、実用化されつつある。
【0003】
ところで、LAN等のネットワークに接続してデータ通信を行う端末(ネットワーク端末)には、それぞれ個別の論理ネットワークアドレスを設定しておく必要がある。一般に、論理ネットワークアドレスは、自己が所属するネットワークを示すネットワークアドレス部(以下「NA」)と、当該ネットワーク内における自己のアドレスを示すデバイスアドレス部(以下「DA」)とから成る。例えば、一般家庭における電力線通信ネットワークに接続する機器に付される論理ネットワークアドレスは、自己が所属する家あるいは部屋を示すハウスアドレスと、ハウスアドレスの下の各機器のアドレスを示すユニットアドレスとから成り、ハウスアドレスはNAに、ユニットアドレスはDAにそれぞれ相当する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図8は、従来の電力線通信ネットワークに接続されるネットワーク端末に設けられている論理ネットワークアドレス設定装置の外観を示す図である。論理ネットワークアドレス設定装置100には、ハウスアドレス設定用のロータリスイッチ101と、ユニットアドレス設定用のロータリスイッチ102が設けられている。ネットワーク端末をネットワークに接続する際、ユーザは、まずハウスアドレス設定用のロータリスイッチ101を用い、各家あるいは部屋毎に一意的に割り当てられたハウスアドレス(即ち、NA)を当該ネットワーク端末に設定し、続いてユニットアドレス設定用のロータリスイッチを用い、当該ネットワーク装置固有のユニットアドレス(即ち、DA)を与えていた。つまり、ユーザはネットワーク端末のNAおよびDAの両方を設定する必要があった。
【0005】
新規にネットワークに接続する端末のDA設定の際は、既に使用済み(他の端末に割当て済み)のDAと重複しないように、未使用のDAを選択する必要がある。従って、ユーザは自分の家あるいは部屋に割り当てられたNAを記憶しておくと共に、当該NAの下におけるDAの使用状況を管理しておく必要がある。しかし、DAの範囲を、ユーザが容易に管理できる範囲に留めてしまうと、ネットワークの拡張性は乏しいものになってしまう。DAの範囲は広い方が望ましいが、ユーザのDAの管理が困難になってしまう。
【0006】
そこで、ユーザによるDAの使用状況の管理を必要とせず、各端末に論理ネットワークアドレスを自動的に設定する方法が望まれている。そのような方法の1つとして、ネットワーク端末とは別に、それら端末のアドレスを管理するアドレスサーバと呼ばれる機器を使って、各端末へのアドレス付与を行う方法がある。しかしこの手法では、アドレスサーバという特別な機器を必要とするので、その分コスト高になる。
【0007】
また、アドレスサーバを使わずに論理ネットワークアドレスの自動設定を行う方法もある。その方法では、アドレスの設定が必要な端末が、まず、ブロードキャスト(即ち、全ての端末が受信するアドレスへの送信)によりLAN上の全ての端末に対して現在使用しているアドレスを問い合わせる。その問い合わせに対して、各端末は、自己のアドレスをブロードキャストにより返答する。これにより、上記アドレスの設定が必要な端末は、当該LANにおける使用済みのアドレスが分かるので、逆に未使用のアドレスも分かる。その未使用のアドレスの1つを選んで自己のアドレスとする。しかしながらこの方法では、問い合わせに対して、LAN上の全ての端末が自己のアドレスをブロードキャストにより一斉に返答するので、LAN媒体が輻輳状態になって通信がスムーズに行われなくなる恐れがある。
【0008】
さらに、アドレスサーバを使わない別の方法として、確認フレームを用いる方法が提案されている。その方法では、アドレスの設定が必要な端末は、まず暫定的なアドレス(暫定アドレス)を適宜選定し、当該暫定アドレスが既に使用されているか否かを確認するための確認フレームをブロードキャストにより送信する。確認フレームを受信した端末は、暫定アドレスと自己のアドレスが一致している場合のみ、暫定アドレスが使用済であることを示す拒否フレームを返信する。確認フレームを送信した端末は、拒否フレーム戻って来なくなるまで上記動作を繰り返す。そして拒否フレーム戻って来ない場合は、当該暫定アドレスは未使用であると判定し、自己のアドレスとして設定する。この方法では、確認フレームに対する応答は、暫定アドレスと同一のアドレスを有する端末のみが行うので、LAN媒体が輻輳状態になることは防止される。しかし、暫定アドレスは例えば乱数や所定の関数等によって選択されるため、必ずしも未使用のアドレスを早急に選択することができるとは限らない。その場合、暫定アドレスの選択、確認フレームの送信、各端末からの応答待ちが繰り返し行われるため、アドレス決定までの所要時間が長くなる恐れがある。
【0009】
本発明は、以上のような課題を解決するために成されたものであって、新規にネットワークに接続したネットワーク端末に、自動且つ迅速に論理ネットワークアドレスを割り当てることが可能なネットワーク端末およびアドレス割当方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のネットワーク端末は、ネットワークに接続してデータの送受信を行うネットワーク端末であって、前記データの送信を行う送信部と、前記データの受信を行う受信部と、前記ネットワーク上での自己のアドレス並びに前記自己のアドレスが前記ネットワーク上で最も大きいアドレスか否かを示す情報を保持するデータ保持部とを備え、前記受信部が他のネットワーク端末から送信されたアドレスの付与を要求するアドレス要求データを受信した場合に、前記送信部は、前記データ保持部が保持する情報に基づき、前記自己のアドレスが前記ネットワーク上で最も大きいアドレスであれば、前記自己のアドレスを示すアドレスデータを前記ネットワーク上に送信することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載のネットワーク端末は、請求項1に記載のネットワーク端末であって、前記送信部は、前記ネットワークへ新規に接続する際に、前記アドレス要求データを送信し、前記受信部は、他のネットワーク端末から送信された前記アドレスデータを受信し、前記データ保持部は、前記アドレスデータが示すアドレスよりも大きいアドレスを自己のアドレスとして保持することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載のアドレス割当方法は、請求項1または請求項2に記載のネットワーク端末であって、前記アドレス要求データは、ACK(Acknowledgement)要求フレームによるデータであり、前記最大アドレスデータは、前記ACK要求フレームに対する応答であるACKフレームによるデータであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係るネットワーク端末の要部の構成を示すブロック図である。ネットワーク端末10は、送信部11、受信部12、データ作成部13、データ保持部14、判断部15およびこれらの動作を制御する制御部16を有し、ネットワーク回線20に接続される。送信部11は、データ作成部13が作成したデータを、ネットワーク回線20を介して他の端末へ送信する。また、データ作成部13が作成するデータのヘッダには、当該データが「暫定NAが使用済みか否かの問い合わせに関するデータ」であることを示す制御ビット(以下「暫定NA問い合わせ制御ビット」と称する)、並びに当該データが「NAの通知に関するデータ」であることを示す制御ビット(以下「NA通知制御ビット」)、当該データが「DAの付与に関するデータ」であることを示す制御ビット(以下「DA付与制御ビット」)が含まれる。
【0014】
受信部12は、ネットワーク回線20を介して他の端末からのデータを受信する。データ保持部14は、自己の論理ネットワークアドレス(NA並びにDA)の値、および、自己が保持するDAが自己と同じNAに所属する端末が保持するDAのうちの最大の値であるか否かを示す情報(以下「最大DAフラグ」と称する)を保持する。判断部15は、受信部12が受信したデータに含まれる情報並びにデータ保持部14が保持する情報に基づき、その受信データが自分宛てか否か、並びに、それに応答するか否か等を判断する。
【0015】
図2は、本実施の形態に係るネットワーク端末の動作を説明するための図である。ここでは、ネットワークの例として電力線通信ネットワークを示す。但し、本発明の適用はそれに限定されるものではなく、あらゆる通信形態のネットワークにも適用可能である。
【0016】
以下、図1および図2に基づいて、本実施の形態に係るネットワーク端末の動作を説明する。マンション22にはA号室〜D号室の部屋があり、それらの部屋はネットワーク回線(共通電力線)20を共有している。A号室〜D号室にはそれぞれ、共通電力線から分岐した屋内配線20a〜20dがブレーカ(回路遮断器)A〜Dを介して配設されている。即ち、共通電力線20および屋内配線20a〜20dにより電力線通信ネットワークの回線網が構成されている。また各部屋が有する、ノードA1〜A4,B1〜B4,C1〜C4,D1〜D4はそれぞれ図1に示した本実施の形態に係るネットワーク端末10である。電力通信ネットワークの端末としては、パーソナルコンピュータの他、電話機、FAX等の通信機器に加え、例えばエアコン、ビデオ、照明等の一般家電機器等、様々な電気機器が考えられる。それらの端末は電源コンセントを介してネットワークに接続する。
【0017】
ここで、A号室のネットワークは未だ起動しておらず(即ち、ブレーカAはOFF)、これから新規にネットワークを起動して各ノードの論理ネットワークアドレスを設定しようとする部屋であると仮定する。また、それ以外の部屋(B号室〜D号室)は既にネットワークに接続し、各端末は論理ネットワークアドレスが設定済みであると仮定する。また、論理ネットワークアドレスのNAは各部屋毎に個別に定めるものとする。
【0018】
そして、A号室のブレーカAがONになると、屋内配線20aに電力が供給されると共に、A号室内ネットワークが起動し、ノードA1〜A4が当該ネットワークに接続される。ノードA1〜A4は、自己が新規にネットワークに接続したことを検出すると、自己の論理ネットワークアドレス(NA並びにDA)の設定動作を開始する。
【0019】
図3は、ネットワーク起動時における本実施の形態に係るネットワーク端末(ノード)の動作を示すフローチャートである。ネットワークが起動してノードA1〜A4がネットワークに接続すると、各ノードA1〜A4の制御部16は、まず自己のNAを”Don’t Care”に設定し、自身がデータ送信を開始するタイミングであるタイムスロットを定める(S11)。このとき、同一のタイムスロットに多くのノードが割当てられると、データの衝突が生じやすく、円滑なデータ送信の妨げとなる。そのため、各タイムスロットに均一にノードが割当てられるように、タイムスロットの割当てには乱数を用いる。
【0020】
そしてノードA1〜A4の中で最も早いタイムスロットが割当てられたノードは、乱数により暫定的なNA(暫定NA)を決定する(S12,S13)。そしてデータ作成部13で当該暫定NAが使用済みか否かの問い合わせを行うデータとして、NA問い合わせ制御ビットがONの暫定NA問い合わせデータを作成し、送信部11を介してブロードキャストする(S14)。即ち、暫定NA問い合わせデータは、暫定NA問い合わせ制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドが”Don’t Care”であるデータである。
【0021】
一方、それ以外のノードは、NAが決定するのを待機する(S20)。なお、上記ステップS12における自身が最も早いタイムスロットか否かの判定は、例えば自身が暫定NA問い合わせデータをブロードキャストしようとする前に、既に他のノードからの暫定NA問い合わせデータを受信したか否かにより判定可能である。
【0022】
以下、説明の便宜上、ノードA1〜A4のうちノードA1が最も早いタイムスロットが割当てられたと仮定して説明を行う。
【0023】
暫定NA問い合わせデータはノードA1からブロードキャストにより送信されるので、B号室〜D号室の全てのノードに受信される。それら各ノードは受信部12を介して暫定NA問い合わせデータを受信する。判断部15は、暫定NA問い合わせ制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドが”Don’t Care”であることから、受信したデータが暫定NA問い合わせデータであると判断する。そして当該暫定NA問い合わせデータが示す暫定NAを抽出して、データ保持部14が保持している自己のNAと一致するか否かを調べる。暫定NAと自己のNAとが一致した場合、当該暫定NAが重複して設定されることを拒否するためのデータとして、暫定NA問い合わせ制御ビットがONである暫定NA拒否データをデータ作成部13で作成し、送信部11を介してブロードキャストにより返信する。即ち、暫定NA拒否データは、暫定NA問い合わせ制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドがその時の暫定NAであるデータである。
【0024】
このとき、暫定NAと同一のNAを有する全てのノードが暫定NA拒否データ返信すると、LAN媒体が輻輳状態になって通信がスムーズに行われなくなる恐れがあるため、所定の1つのノードのみが返信することが望ましい。返信を行う1つのノードとしては、例えば、暫定NAと同一のNAを有するノードのうち最も早いタイムスロットのノードや、最大のDAを有しているノード(即ち「最大DAフラグ」がONのノード)等が考えられる。
【0025】
暫定NAの問い合わせを行ったノードA1は、他のノードからの応答を所定の待ち時間だけ待つ(S15)。その間に他のノードから応答として暫定NA拒否データを受信した場合、その応答が無くなるまで上記ステップS13〜S15の動作を繰り返す。ここで、S15における待ち時間は、少なくともネットワーク上の全てのノードからの応答が無いことを確認できるだけの長さが必要である。例えば、各ノードは図4に示すような一連のタイムスロットTS1〜TSnのうちの何れかのタイミングでデータの送信を開始し、タイムスロットTS1〜TSnの前後にデータ送信禁止期間Taが存在する場合、上記待ち時間は図4に示す期間Tpの長さ以上に定めればよい。
【0026】
一方、所定の待ち時間だけ待機しても暫定NA拒否フレーム戻って来ない場合、ノードA1は、当該暫定NAは未使用であると判定し、自己のNAとして設定する(S16)。設定されたNAはデータ保持部14に保持される。以上の動作により、A号室のNAが設定される。
【0027】
ノードA1はNAが確定すると、データ作成部13により当該NAを通知するためのデータとしてNA通知制御ビットがONであるNA通知データを作成し、獲得したNAをブロードキャストにより送信する。即ち、NA通知データは、NA通知制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドが”Don’t Care”ではないデータである。
【0028】
各ノードの判定部15は、自己のNAが”Don’t Care”の場合にのみ、NA通知データを受信するように判断する。つまり、ノードA1が送信したNA通知データは、NAが未設定のノードA2〜A4のみに受信される。ノードA2〜A4はNA通知データを受信すると、通知されたNAを自己のアドレスとして設定する(S21,S22)。NAが設定されたノードA2〜A4は、続いてDAを設定するためのモードへ移行する。
【0029】
一方、NA通知データを送信したノードA1は、自己のDAをDAが取り得る最小値(DAmin)に設定すると共に(S18)、自己のデータ保持部の最大DAフラグをONにする(S19)。
【0030】
図5および図6は、本実施の形態に係るネットワーク端末のDA設定動作を示すフローチャートである。図5はDAを設定しようとするノードの動作を示しており、図6は最大DAフラグがONのノードの動作を示している。これらの図に基づいてノードA2〜A4におけるDA設定の動作について説明する。
【0031】
ノードA2〜A4のうち最も早いタイムスロットのものから、DAを設定するための動作を行う。ここでは、DAを設定しようとするネットワーク端末はノードA2であるとして説明する。ノードA2は、データ作成部13においてDAの付与を要求するためのデータとしてDA付与制御ビットをONにしたDA要求データ作成する。即ち、DA要求データは、DA付与制御ビットがONであり、送信元のDAフィールドが”Don’t Care”であるデータである。
【0032】
そして、ノードA2は、送信部11を介してDA要求データを応答(ACK:Acknowledgement)要求フレームとして送信する(S31)。このとき送信先のNAフィールドは、上述した動作により自己に設定されたNA(即ちA号室のNA)にする。よって、ノードA2が送信したDA要求データは、ノードA2と同じNAを有するノードA1,A3,A4のみに受信される。
【0033】
DA要求データを受信した各ノードの判断部15は、自己のデータ保持部14の最大DAフラグがONであるかを確認し(S41)、ONであれば応答(ACK)フレームを返信するように判断する。そしてデータ作成部13で自己のDA(”da1”と仮定する)、即ちその時点で最大のDAを示すデータとしてDA付与制御ビットがONのDA付与データ作成する。即ち、DA付与データは、DA付与制御ビットがONであり、送信元のDAフィールドが”Don’t Care”でないデータである。
【0034】
そして、ノードA2は、送信部11を介してDA要求データをACKフレームとして送信する(S42)。ここでは、ノードA1の最大DAフラグがONであるので、ノードA1が自己のDA(=DAmin)を示すDA付与データをACKフレームとして送信する。そして、ACKフレームを送信したノード(ノードA1)は、自己の最大DAフラグをOFFにする(S43)。
【0035】
ACKフレームは、ACK要求フレームを送信したノードにのみ受信されるので、ノードA1が送信したDA付与データはノードA2のみに受信される(S32)。ノードA2は、受信したDA付与データからda1(DAmin)を抽出し、自己のDAをda1+1(DAmin+1)として設定する(S33)。即ち、自己のDAをda1よりも大きい値に設定する。その後、自己の最大DAフラグをONにする(S34)。以上の動作により、ノードA2のDAの設定が完了する。
【0036】
ここで、DA要求データおよびその応答であるDA付与データは、それぞれACK要求フレームおよびACKフレームとして送信する理由を説明する。例えば、上の例でノードA2がDA要求データをACK要求フレームでない通常のデータとして送信した場合、その応答としてノードA1が送信するDA付与データもACKフレームでない通常のデータとなる。このとき、DA付与データの送信は、DA未定のノードA2が受信可能なようにブロードキャストにより行う必要がある。但し、DA付与データはブロードキャストにより送信すると、ノードA2以外にもDA未定のノードA3、ノードA4にも受信される。ノードA3およびノードA4は、それがノードA2宛てのものであることを認識できない。その結果、ノードA2〜A4は同一のDA付与データに基づき同一のDAを自己に割当ててしまう。つまり、新規にネットワークに接続してDAを設定しようとするノードが複数個ある場合に不具合が生じてしまう。
【0037】
それに対し、本実施の形態のようにDA要求データおよびDA付与データを、それぞれACK要求フレームおよびACKフレームとすれば、DA付与データはDA要求データを送信した端末のみに受信される。つまり、DA要求データおよびDA付与データを1対1でやりとりできる。よって、新規にネットワークに接続してDAを設定しようとする端末が、複数個存在する場合であっても、それら複数の端末が同一のDA付与データを受信することを防止でき、同一のDAが複数個の端末に重複して設定されることを防止することができる。
【0038】
ノードA2のDAの設定が完了した後、続いてノードA3が自己のDAの設定を開始したとする。ノードA3がDA要求データをACK要求フレームとして送信すると、この時点で最大DAフラグがONであるノードA2がDA付与データをACKフレームとして送信する。その結果、ノードA2の最大DAフラグはOFFになり、一方、ノードA3のDAはDAmin+2、最大DAフラグはONになる。このときの動作は上記と同様であるので、説明は省略する。そして最後にノードA4が自己のDAの設定を同様に行うと、ノードA4においてDAがDAmin+3、最大DAフラグがONになる。
【0039】
以上の動作により、A号室の全てのノードに対する論理ネットワークアドレスの割当てが完了する。
【0040】
このように、本実施の形態においては各ノードが、自身が最大のDAを有していることを示す最大DAフラグを保持し、DA要求データに対して最大DAフラグがONのノードのみが応答するので、DA割当ての際のデータの衝突およびネットワーク回線が輻輳状態になることを抑えることができる。また、DA付与信号により付与されたDAはその時点での最大値であるので、それよりも大きい値を自己のDAに割当てることで、当該DAが使用済みか否かを確認あるいは問い合わせするまでも無く、DAが重複して付与されることは防止される。よって、迅速な論理ネットワークアドレスの付与を行うことができる。
【0041】
また、本実施の形態においては、DA要求データおよびその応答であるDA付与データは、それぞれACK要求フレームおよびACKフレームとして送信されるので、DA付与データはDA要求データを送信した端末のみに受信される。よって、新規にネットワークに接続してDAを設定しようとする端末(DAが未設定の端末)が、同じネットワーク上に複数個存在する場合であっても、それら複数の端末が同一のDA付与データを受信することを防止できる。つまり、同一のDAが複数個の端末に重複して設定されることを防止することができる。
【0042】
ところで、ノードがネットワークとの接続および切断を繰り返した場合、DAを上記の手法で付与し続けると、ネットワークに接続しているノードの数が増えなくても最大のDAの値がその取り得る最大値に到達してしまう。そうなると、未使用のDAが存在するにも関わらず、新たなDAの割当てが不可能になる。そこで、定期的にノード間でDAの情報交換を行い、現在ネットワークに接続されているノード数を確認し、その確認したノード数に応じて再度DAを割り振り直すことで、最大のDAをリセットするよう構成するとよい。
【0043】
<実施の形態2>
上記したように、実施の形態1では、DAを設定しようとする端末は、DA要求データをACK要求フレームとして送信し、その応答として最大DAフラグがONの端末が、自己のDA(即ちその時点で使用されているDAの最大の値)を示すDA付与データをACKフレームとして送信する構成とした。それにより、新規にネットワークに接続してDAを設定しようとする端末(DAが未設定の端末)が複数個存在する場合であっても、それら複数の端末が同一のDA付与データを受信することを防止でき、同一のDAが複数個の端末に重複して設定されることを防止することができる。
【0044】
しかし、DAを設定しようとする端末が1個のみであれば、ACK要求フレームおよびACKフレームを使用するまでもなく、同一のDAが複数個の端末に重複して設定されることを防ぐことができる。本実施の形態においては、そのようなケースの例を示す。
【0045】
図7は、本実施の形態に係るネットワーク端末の動作を説明するための図である。ネットワークの例として電力線通信ネットワークを示す。以下、本実施の形態に係るネットワーク端末の動作を説明する。住宅Eおよび住宅Fは、ネットワーク回線(共通電力線)20を共有しており、共通電力線から分岐した屋内配線20eおよび20fがブレーカ(回路遮断器)E,Fを介してそれぞれ配設されている。即ち、共通電力線20および屋内配線20e,20fにより電力線通信ネットワークの回線網が構成されている。
【0046】
但し、ここでは説明の簡単のため、住宅Eと住宅Fとの間でのデータのやりとりは不可能であると仮定する。実際の電力線通信ネットワークのシステムでも、住宅間の距離が充分離れているために共通電力線を伝達する信号が減衰して通信不可能なケースや、住宅から外部に信号が漏れないようにブロッキングフィルタを設けるケース等、住宅間の信号のやりとりが不可能なケースは多い。
【0047】
住宅Eおよび住宅Fが有するノードE1〜E5,F1〜F4はそれぞれ図1に示した本実施の形態に係るネットワーク端末である。また、本実施の形態においてノードE5は、自身の論理ネットワークアドレス(NA並びにDA)の設定動作を開始するためのスイッチや押しボタン等(不図示)を有しており、ユーザの操作により当該設定動作を開始する。
【0048】
ここで、ノードE1〜E4,F1〜F4は、既にネットワークに接続済みであり、固有の論理ネットワークアドレスが設定されている端末である。一方、ノードE5は、新規にネットワークに接続して論理ネットワークアドレスを設定しようとする端末である。また、論理ネットワークアドレスのNAは各住宅毎に個別に定められているものとする。
【0049】
ノードE5は、ユーザの指示により自身の論理ネットワークアドレスを設定動作を開始すると、まず自己のNAを”Don’t Care”に設定する。続いてデータ作成部13が、NAの通知を要求するデータ(NA通知要求データ)をNA通知制御ビットがONの作成する。即ち、NA通知要求データは、NA通知制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドが”Don’t Care”であるデータである。
【0050】
そして、判断部15はネットワーク上に流れるデータを受信部12を介して逐次モニタし(キャリアセンス)、ネットワーク上に流れるデータが無ければ、データ送信可能と判断し、送信部12を介してNA通知要求データをブロードキャストにより送信する。
【0051】
ノードE5が送信したNA通知要求データは、ノードE1〜E4に受信される。ノードE1〜E4は、NA通知要求データを受信すると、新規のノード(ノードE5)がネットワークに接続されたことを認識する。そして、ノードE1〜E4のうちの所定の1つにおいて、データ作成部13が、自己のNA(即ち住宅EのNA)を新規のノードに通知するためのNA通知データ(即ち、NA通知制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドが”Don’t Care”ではないデータ)を作成し、送信部11は当該NA通知データをブロードキャストにより送信する。
【0052】
ここで、NA通知データを送信する所定の1つのノードとしては、例えば、暫定NAと同一のNAを有するノードのうち最も早いタイムスロットのノードや、最大のDAを有しているノード(即ち「最大DAフラグ」がONのノード)等が考えられる。
【0053】
各ノードの判定部15は、自己のNAが”Don’t Care”の場合にのみ、NA通知データを受信するように判断する。即ちNA通知データはノードE5のみに受信される。ノードE5は、NA通知データを受信すると、当該データから住宅EのNAを抽出し、自己とのNAとして仮決定する。その後、所定の時間待機して再度他のNA通知データが届かなければ、仮決定したNAが自己が属するNA(住宅EのNA)であると判断し、当該NAを正式に自己のNAに設定する。
【0054】
以上の動作によりNAの設定が完了すると、続いてノードE5は実施の形態1で示した図5および図6のフローチャートと同様の手順で、自己のDAの設定を行う。本実施の形態においては、新規にネットワークに接続してDAを設定しようとする端末DAがノードE5の1個のみであるので、ACK要求フレームおよびACKフレームを使用するまでもなく、新規にネットワークに接続したノードと最大DAフラグがONのノードとの間で、一対一のデータ通信が可能である。即ち、DA要求データを受信したノードは、自己の最大DAフラグがONの場合のみ、その応答としてDA付与データを送信し、一方、DA付与データを受信したノードは、自己のDAが”Don’t Care”である場合にのみDAの設定を行えばよい。
【0055】
つまり、本実施の形態のように、新規にネットワークに接続して自己のNAを設定する端末が1個ずつ接続されるケースでは、ACK要求フレームおよびACKフレームを用いない通常のデータ通信でDA要求データおよびDA付与データの送受信を行っても、同一のDAが複数個の端末に重複して設定されることは防止される。
【0056】
【発明の効果】
請求項1に記載のネットワーク端末によれば、受信部が他のネットワーク端末から送信されたアドレスの付与を要求するアドレス要求データを受信した場合に、送信部は、自己のアドレスがネットワーク上で最も大きいアドレスであれば、自己のアドレスを示すアドレスデータをネットワーク上に送信するので、他のネットワーク端末はアドレスデータが示すアドレスよりも大きいアドレスを自己のアドレスに設定しさえすれば、当該アドレスが使用済みか否かを確認あるいは問い合わせするまでも無く、同じアドレスが複数のネットワーク端末に重複して設定されることは防止される。よって、ネットワーク端末へのアドレスの割当てを、自動且つ迅速に行うことが可能になる。
【0057】
請求項2に記載のネットワーク端末によれば、請求項1に記載のネットワーク端末において、送信部は、ネットワークへ新規に接続する際に、アドレス要求データを送信し、受信部は、他のネットワーク端末から送信されたアドレスデータを受信し、データ保持部は、アドレスデータが示すアドレスよりも大きいアドレスを自己のアドレスとして保持するので、当該アドレスが使用済みか否かを確認あるいは問い合わせするまでも無く、他のネットワーク端末と同じアドレスが重複して自己に設定されることは防止される。よって、自己へのアドレスの割当てを、自動且つ迅速に行うことが可能になる。
【0058】
請求項3に記載のアドレス割当方法によれば、請求項1または請求項2に記載のネットワーク端末において、アドレス要求データは、ACK要求フレームによるデータであり、最大アドレスデータは、ACK要求フレームに対する応答であるACKフレームによるデータであるので、ネットワークに新規に接続して自己へのアドレス割当てを行おうとするネットワーク端末がネットワーク上に複数個ある場合においても、それらに同一のアドレスが付与されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るネットワーク端末の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るネットワーク端末の動作を説明するための図である。
【図3】実施の形態1に係るネットワーク端末の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係るネットワーク端末の動作を説明するための図である。
【図5】実施の形態1に係るネットワーク端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係るネットワーク端末の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2に係るネットワーク端末の動作を説明するための図である。
【図8】電力線通信ネットワークに接続される従来のネットワーク端末に設けられている論理ネットワークアドレス設定装置の外観を示す図である。
【符号の説明】
10 ネットワーク端末、11 送信部、12 受信部、13 データ作成部、14 データ保持部、15 判断部、16 制御部、20 ネットワーク回線(電力線)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク端末が新規にネットワークに接続された際に、当該ネットワーク端末に個別の論理ネットワークアドレスを割当てるための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般住宅やオフィス等に電源を供給するために配線された電力線を通信線として利用する通信方式である電力線通信技術の研究、開発が行われている。電力線通信によれば一般の電源コンセントをネットワークへの接続コネクタとして使用することが可能となるため、情報通信ネットワークを家庭やオフィスに浸透させる技術として注目されている。例えば家庭内において、電源コンセントはほぼ全て部屋に備わっており、それらをLANへの接続コネクタとして利用できるとなると非常に便利である。わが国でも既に電力線通信技術に対応した幾つかの製品が販売されており、実用化されつつある。
【0003】
ところで、LAN等のネットワークに接続してデータ通信を行う端末(ネットワーク端末)には、それぞれ個別の論理ネットワークアドレスを設定しておく必要がある。一般に、論理ネットワークアドレスは、自己が所属するネットワークを示すネットワークアドレス部(以下「NA」)と、当該ネットワーク内における自己のアドレスを示すデバイスアドレス部(以下「DA」)とから成る。例えば、一般家庭における電力線通信ネットワークに接続する機器に付される論理ネットワークアドレスは、自己が所属する家あるいは部屋を示すハウスアドレスと、ハウスアドレスの下の各機器のアドレスを示すユニットアドレスとから成り、ハウスアドレスはNAに、ユニットアドレスはDAにそれぞれ相当する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図8は、従来の電力線通信ネットワークに接続されるネットワーク端末に設けられている論理ネットワークアドレス設定装置の外観を示す図である。論理ネットワークアドレス設定装置100には、ハウスアドレス設定用のロータリスイッチ101と、ユニットアドレス設定用のロータリスイッチ102が設けられている。ネットワーク端末をネットワークに接続する際、ユーザは、まずハウスアドレス設定用のロータリスイッチ101を用い、各家あるいは部屋毎に一意的に割り当てられたハウスアドレス(即ち、NA)を当該ネットワーク端末に設定し、続いてユニットアドレス設定用のロータリスイッチを用い、当該ネットワーク装置固有のユニットアドレス(即ち、DA)を与えていた。つまり、ユーザはネットワーク端末のNAおよびDAの両方を設定する必要があった。
【0005】
新規にネットワークに接続する端末のDA設定の際は、既に使用済み(他の端末に割当て済み)のDAと重複しないように、未使用のDAを選択する必要がある。従って、ユーザは自分の家あるいは部屋に割り当てられたNAを記憶しておくと共に、当該NAの下におけるDAの使用状況を管理しておく必要がある。しかし、DAの範囲を、ユーザが容易に管理できる範囲に留めてしまうと、ネットワークの拡張性は乏しいものになってしまう。DAの範囲は広い方が望ましいが、ユーザのDAの管理が困難になってしまう。
【0006】
そこで、ユーザによるDAの使用状況の管理を必要とせず、各端末に論理ネットワークアドレスを自動的に設定する方法が望まれている。そのような方法の1つとして、ネットワーク端末とは別に、それら端末のアドレスを管理するアドレスサーバと呼ばれる機器を使って、各端末へのアドレス付与を行う方法がある。しかしこの手法では、アドレスサーバという特別な機器を必要とするので、その分コスト高になる。
【0007】
また、アドレスサーバを使わずに論理ネットワークアドレスの自動設定を行う方法もある。その方法では、アドレスの設定が必要な端末が、まず、ブロードキャスト(即ち、全ての端末が受信するアドレスへの送信)によりLAN上の全ての端末に対して現在使用しているアドレスを問い合わせる。その問い合わせに対して、各端末は、自己のアドレスをブロードキャストにより返答する。これにより、上記アドレスの設定が必要な端末は、当該LANにおける使用済みのアドレスが分かるので、逆に未使用のアドレスも分かる。その未使用のアドレスの1つを選んで自己のアドレスとする。しかしながらこの方法では、問い合わせに対して、LAN上の全ての端末が自己のアドレスをブロードキャストにより一斉に返答するので、LAN媒体が輻輳状態になって通信がスムーズに行われなくなる恐れがある。
【0008】
さらに、アドレスサーバを使わない別の方法として、確認フレームを用いる方法が提案されている。その方法では、アドレスの設定が必要な端末は、まず暫定的なアドレス(暫定アドレス)を適宜選定し、当該暫定アドレスが既に使用されているか否かを確認するための確認フレームをブロードキャストにより送信する。確認フレームを受信した端末は、暫定アドレスと自己のアドレスが一致している場合のみ、暫定アドレスが使用済であることを示す拒否フレームを返信する。確認フレームを送信した端末は、拒否フレーム戻って来なくなるまで上記動作を繰り返す。そして拒否フレーム戻って来ない場合は、当該暫定アドレスは未使用であると判定し、自己のアドレスとして設定する。この方法では、確認フレームに対する応答は、暫定アドレスと同一のアドレスを有する端末のみが行うので、LAN媒体が輻輳状態になることは防止される。しかし、暫定アドレスは例えば乱数や所定の関数等によって選択されるため、必ずしも未使用のアドレスを早急に選択することができるとは限らない。その場合、暫定アドレスの選択、確認フレームの送信、各端末からの応答待ちが繰り返し行われるため、アドレス決定までの所要時間が長くなる恐れがある。
【0009】
本発明は、以上のような課題を解決するために成されたものであって、新規にネットワークに接続したネットワーク端末に、自動且つ迅速に論理ネットワークアドレスを割り当てることが可能なネットワーク端末およびアドレス割当方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のネットワーク端末は、ネットワークに接続してデータの送受信を行うネットワーク端末であって、前記データの送信を行う送信部と、前記データの受信を行う受信部と、前記ネットワーク上での自己のアドレス並びに前記自己のアドレスが前記ネットワーク上で最も大きいアドレスか否かを示す情報を保持するデータ保持部とを備え、前記受信部が他のネットワーク端末から送信されたアドレスの付与を要求するアドレス要求データを受信した場合に、前記送信部は、前記データ保持部が保持する情報に基づき、前記自己のアドレスが前記ネットワーク上で最も大きいアドレスであれば、前記自己のアドレスを示すアドレスデータを前記ネットワーク上に送信することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載のネットワーク端末は、請求項1に記載のネットワーク端末であって、前記送信部は、前記ネットワークへ新規に接続する際に、前記アドレス要求データを送信し、前記受信部は、他のネットワーク端末から送信された前記アドレスデータを受信し、前記データ保持部は、前記アドレスデータが示すアドレスよりも大きいアドレスを自己のアドレスとして保持することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載のアドレス割当方法は、請求項1または請求項2に記載のネットワーク端末であって、前記アドレス要求データは、ACK(Acknowledgement)要求フレームによるデータであり、前記最大アドレスデータは、前記ACK要求フレームに対する応答であるACKフレームによるデータであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係るネットワーク端末の要部の構成を示すブロック図である。ネットワーク端末10は、送信部11、受信部12、データ作成部13、データ保持部14、判断部15およびこれらの動作を制御する制御部16を有し、ネットワーク回線20に接続される。送信部11は、データ作成部13が作成したデータを、ネットワーク回線20を介して他の端末へ送信する。また、データ作成部13が作成するデータのヘッダには、当該データが「暫定NAが使用済みか否かの問い合わせに関するデータ」であることを示す制御ビット(以下「暫定NA問い合わせ制御ビット」と称する)、並びに当該データが「NAの通知に関するデータ」であることを示す制御ビット(以下「NA通知制御ビット」)、当該データが「DAの付与に関するデータ」であることを示す制御ビット(以下「DA付与制御ビット」)が含まれる。
【0014】
受信部12は、ネットワーク回線20を介して他の端末からのデータを受信する。データ保持部14は、自己の論理ネットワークアドレス(NA並びにDA)の値、および、自己が保持するDAが自己と同じNAに所属する端末が保持するDAのうちの最大の値であるか否かを示す情報(以下「最大DAフラグ」と称する)を保持する。判断部15は、受信部12が受信したデータに含まれる情報並びにデータ保持部14が保持する情報に基づき、その受信データが自分宛てか否か、並びに、それに応答するか否か等を判断する。
【0015】
図2は、本実施の形態に係るネットワーク端末の動作を説明するための図である。ここでは、ネットワークの例として電力線通信ネットワークを示す。但し、本発明の適用はそれに限定されるものではなく、あらゆる通信形態のネットワークにも適用可能である。
【0016】
以下、図1および図2に基づいて、本実施の形態に係るネットワーク端末の動作を説明する。マンション22にはA号室〜D号室の部屋があり、それらの部屋はネットワーク回線(共通電力線)20を共有している。A号室〜D号室にはそれぞれ、共通電力線から分岐した屋内配線20a〜20dがブレーカ(回路遮断器)A〜Dを介して配設されている。即ち、共通電力線20および屋内配線20a〜20dにより電力線通信ネットワークの回線網が構成されている。また各部屋が有する、ノードA1〜A4,B1〜B4,C1〜C4,D1〜D4はそれぞれ図1に示した本実施の形態に係るネットワーク端末10である。電力通信ネットワークの端末としては、パーソナルコンピュータの他、電話機、FAX等の通信機器に加え、例えばエアコン、ビデオ、照明等の一般家電機器等、様々な電気機器が考えられる。それらの端末は電源コンセントを介してネットワークに接続する。
【0017】
ここで、A号室のネットワークは未だ起動しておらず(即ち、ブレーカAはOFF)、これから新規にネットワークを起動して各ノードの論理ネットワークアドレスを設定しようとする部屋であると仮定する。また、それ以外の部屋(B号室〜D号室)は既にネットワークに接続し、各端末は論理ネットワークアドレスが設定済みであると仮定する。また、論理ネットワークアドレスのNAは各部屋毎に個別に定めるものとする。
【0018】
そして、A号室のブレーカAがONになると、屋内配線20aに電力が供給されると共に、A号室内ネットワークが起動し、ノードA1〜A4が当該ネットワークに接続される。ノードA1〜A4は、自己が新規にネットワークに接続したことを検出すると、自己の論理ネットワークアドレス(NA並びにDA)の設定動作を開始する。
【0019】
図3は、ネットワーク起動時における本実施の形態に係るネットワーク端末(ノード)の動作を示すフローチャートである。ネットワークが起動してノードA1〜A4がネットワークに接続すると、各ノードA1〜A4の制御部16は、まず自己のNAを”Don’t Care”に設定し、自身がデータ送信を開始するタイミングであるタイムスロットを定める(S11)。このとき、同一のタイムスロットに多くのノードが割当てられると、データの衝突が生じやすく、円滑なデータ送信の妨げとなる。そのため、各タイムスロットに均一にノードが割当てられるように、タイムスロットの割当てには乱数を用いる。
【0020】
そしてノードA1〜A4の中で最も早いタイムスロットが割当てられたノードは、乱数により暫定的なNA(暫定NA)を決定する(S12,S13)。そしてデータ作成部13で当該暫定NAが使用済みか否かの問い合わせを行うデータとして、NA問い合わせ制御ビットがONの暫定NA問い合わせデータを作成し、送信部11を介してブロードキャストする(S14)。即ち、暫定NA問い合わせデータは、暫定NA問い合わせ制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドが”Don’t Care”であるデータである。
【0021】
一方、それ以外のノードは、NAが決定するのを待機する(S20)。なお、上記ステップS12における自身が最も早いタイムスロットか否かの判定は、例えば自身が暫定NA問い合わせデータをブロードキャストしようとする前に、既に他のノードからの暫定NA問い合わせデータを受信したか否かにより判定可能である。
【0022】
以下、説明の便宜上、ノードA1〜A4のうちノードA1が最も早いタイムスロットが割当てられたと仮定して説明を行う。
【0023】
暫定NA問い合わせデータはノードA1からブロードキャストにより送信されるので、B号室〜D号室の全てのノードに受信される。それら各ノードは受信部12を介して暫定NA問い合わせデータを受信する。判断部15は、暫定NA問い合わせ制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドが”Don’t Care”であることから、受信したデータが暫定NA問い合わせデータであると判断する。そして当該暫定NA問い合わせデータが示す暫定NAを抽出して、データ保持部14が保持している自己のNAと一致するか否かを調べる。暫定NAと自己のNAとが一致した場合、当該暫定NAが重複して設定されることを拒否するためのデータとして、暫定NA問い合わせ制御ビットがONである暫定NA拒否データをデータ作成部13で作成し、送信部11を介してブロードキャストにより返信する。即ち、暫定NA拒否データは、暫定NA問い合わせ制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドがその時の暫定NAであるデータである。
【0024】
このとき、暫定NAと同一のNAを有する全てのノードが暫定NA拒否データ返信すると、LAN媒体が輻輳状態になって通信がスムーズに行われなくなる恐れがあるため、所定の1つのノードのみが返信することが望ましい。返信を行う1つのノードとしては、例えば、暫定NAと同一のNAを有するノードのうち最も早いタイムスロットのノードや、最大のDAを有しているノード(即ち「最大DAフラグ」がONのノード)等が考えられる。
【0025】
暫定NAの問い合わせを行ったノードA1は、他のノードからの応答を所定の待ち時間だけ待つ(S15)。その間に他のノードから応答として暫定NA拒否データを受信した場合、その応答が無くなるまで上記ステップS13〜S15の動作を繰り返す。ここで、S15における待ち時間は、少なくともネットワーク上の全てのノードからの応答が無いことを確認できるだけの長さが必要である。例えば、各ノードは図4に示すような一連のタイムスロットTS1〜TSnのうちの何れかのタイミングでデータの送信を開始し、タイムスロットTS1〜TSnの前後にデータ送信禁止期間Taが存在する場合、上記待ち時間は図4に示す期間Tpの長さ以上に定めればよい。
【0026】
一方、所定の待ち時間だけ待機しても暫定NA拒否フレーム戻って来ない場合、ノードA1は、当該暫定NAは未使用であると判定し、自己のNAとして設定する(S16)。設定されたNAはデータ保持部14に保持される。以上の動作により、A号室のNAが設定される。
【0027】
ノードA1はNAが確定すると、データ作成部13により当該NAを通知するためのデータとしてNA通知制御ビットがONであるNA通知データを作成し、獲得したNAをブロードキャストにより送信する。即ち、NA通知データは、NA通知制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドが”Don’t Care”ではないデータである。
【0028】
各ノードの判定部15は、自己のNAが”Don’t Care”の場合にのみ、NA通知データを受信するように判断する。つまり、ノードA1が送信したNA通知データは、NAが未設定のノードA2〜A4のみに受信される。ノードA2〜A4はNA通知データを受信すると、通知されたNAを自己のアドレスとして設定する(S21,S22)。NAが設定されたノードA2〜A4は、続いてDAを設定するためのモードへ移行する。
【0029】
一方、NA通知データを送信したノードA1は、自己のDAをDAが取り得る最小値(DAmin)に設定すると共に(S18)、自己のデータ保持部の最大DAフラグをONにする(S19)。
【0030】
図5および図6は、本実施の形態に係るネットワーク端末のDA設定動作を示すフローチャートである。図5はDAを設定しようとするノードの動作を示しており、図6は最大DAフラグがONのノードの動作を示している。これらの図に基づいてノードA2〜A4におけるDA設定の動作について説明する。
【0031】
ノードA2〜A4のうち最も早いタイムスロットのものから、DAを設定するための動作を行う。ここでは、DAを設定しようとするネットワーク端末はノードA2であるとして説明する。ノードA2は、データ作成部13においてDAの付与を要求するためのデータとしてDA付与制御ビットをONにしたDA要求データ作成する。即ち、DA要求データは、DA付与制御ビットがONであり、送信元のDAフィールドが”Don’t Care”であるデータである。
【0032】
そして、ノードA2は、送信部11を介してDA要求データを応答(ACK:Acknowledgement)要求フレームとして送信する(S31)。このとき送信先のNAフィールドは、上述した動作により自己に設定されたNA(即ちA号室のNA)にする。よって、ノードA2が送信したDA要求データは、ノードA2と同じNAを有するノードA1,A3,A4のみに受信される。
【0033】
DA要求データを受信した各ノードの判断部15は、自己のデータ保持部14の最大DAフラグがONであるかを確認し(S41)、ONであれば応答(ACK)フレームを返信するように判断する。そしてデータ作成部13で自己のDA(”da1”と仮定する)、即ちその時点で最大のDAを示すデータとしてDA付与制御ビットがONのDA付与データ作成する。即ち、DA付与データは、DA付与制御ビットがONであり、送信元のDAフィールドが”Don’t Care”でないデータである。
【0034】
そして、ノードA2は、送信部11を介してDA要求データをACKフレームとして送信する(S42)。ここでは、ノードA1の最大DAフラグがONであるので、ノードA1が自己のDA(=DAmin)を示すDA付与データをACKフレームとして送信する。そして、ACKフレームを送信したノード(ノードA1)は、自己の最大DAフラグをOFFにする(S43)。
【0035】
ACKフレームは、ACK要求フレームを送信したノードにのみ受信されるので、ノードA1が送信したDA付与データはノードA2のみに受信される(S32)。ノードA2は、受信したDA付与データからda1(DAmin)を抽出し、自己のDAをda1+1(DAmin+1)として設定する(S33)。即ち、自己のDAをda1よりも大きい値に設定する。その後、自己の最大DAフラグをONにする(S34)。以上の動作により、ノードA2のDAの設定が完了する。
【0036】
ここで、DA要求データおよびその応答であるDA付与データは、それぞれACK要求フレームおよびACKフレームとして送信する理由を説明する。例えば、上の例でノードA2がDA要求データをACK要求フレームでない通常のデータとして送信した場合、その応答としてノードA1が送信するDA付与データもACKフレームでない通常のデータとなる。このとき、DA付与データの送信は、DA未定のノードA2が受信可能なようにブロードキャストにより行う必要がある。但し、DA付与データはブロードキャストにより送信すると、ノードA2以外にもDA未定のノードA3、ノードA4にも受信される。ノードA3およびノードA4は、それがノードA2宛てのものであることを認識できない。その結果、ノードA2〜A4は同一のDA付与データに基づき同一のDAを自己に割当ててしまう。つまり、新規にネットワークに接続してDAを設定しようとするノードが複数個ある場合に不具合が生じてしまう。
【0037】
それに対し、本実施の形態のようにDA要求データおよびDA付与データを、それぞれACK要求フレームおよびACKフレームとすれば、DA付与データはDA要求データを送信した端末のみに受信される。つまり、DA要求データおよびDA付与データを1対1でやりとりできる。よって、新規にネットワークに接続してDAを設定しようとする端末が、複数個存在する場合であっても、それら複数の端末が同一のDA付与データを受信することを防止でき、同一のDAが複数個の端末に重複して設定されることを防止することができる。
【0038】
ノードA2のDAの設定が完了した後、続いてノードA3が自己のDAの設定を開始したとする。ノードA3がDA要求データをACK要求フレームとして送信すると、この時点で最大DAフラグがONであるノードA2がDA付与データをACKフレームとして送信する。その結果、ノードA2の最大DAフラグはOFFになり、一方、ノードA3のDAはDAmin+2、最大DAフラグはONになる。このときの動作は上記と同様であるので、説明は省略する。そして最後にノードA4が自己のDAの設定を同様に行うと、ノードA4においてDAがDAmin+3、最大DAフラグがONになる。
【0039】
以上の動作により、A号室の全てのノードに対する論理ネットワークアドレスの割当てが完了する。
【0040】
このように、本実施の形態においては各ノードが、自身が最大のDAを有していることを示す最大DAフラグを保持し、DA要求データに対して最大DAフラグがONのノードのみが応答するので、DA割当ての際のデータの衝突およびネットワーク回線が輻輳状態になることを抑えることができる。また、DA付与信号により付与されたDAはその時点での最大値であるので、それよりも大きい値を自己のDAに割当てることで、当該DAが使用済みか否かを確認あるいは問い合わせするまでも無く、DAが重複して付与されることは防止される。よって、迅速な論理ネットワークアドレスの付与を行うことができる。
【0041】
また、本実施の形態においては、DA要求データおよびその応答であるDA付与データは、それぞれACK要求フレームおよびACKフレームとして送信されるので、DA付与データはDA要求データを送信した端末のみに受信される。よって、新規にネットワークに接続してDAを設定しようとする端末(DAが未設定の端末)が、同じネットワーク上に複数個存在する場合であっても、それら複数の端末が同一のDA付与データを受信することを防止できる。つまり、同一のDAが複数個の端末に重複して設定されることを防止することができる。
【0042】
ところで、ノードがネットワークとの接続および切断を繰り返した場合、DAを上記の手法で付与し続けると、ネットワークに接続しているノードの数が増えなくても最大のDAの値がその取り得る最大値に到達してしまう。そうなると、未使用のDAが存在するにも関わらず、新たなDAの割当てが不可能になる。そこで、定期的にノード間でDAの情報交換を行い、現在ネットワークに接続されているノード数を確認し、その確認したノード数に応じて再度DAを割り振り直すことで、最大のDAをリセットするよう構成するとよい。
【0043】
<実施の形態2>
上記したように、実施の形態1では、DAを設定しようとする端末は、DA要求データをACK要求フレームとして送信し、その応答として最大DAフラグがONの端末が、自己のDA(即ちその時点で使用されているDAの最大の値)を示すDA付与データをACKフレームとして送信する構成とした。それにより、新規にネットワークに接続してDAを設定しようとする端末(DAが未設定の端末)が複数個存在する場合であっても、それら複数の端末が同一のDA付与データを受信することを防止でき、同一のDAが複数個の端末に重複して設定されることを防止することができる。
【0044】
しかし、DAを設定しようとする端末が1個のみであれば、ACK要求フレームおよびACKフレームを使用するまでもなく、同一のDAが複数個の端末に重複して設定されることを防ぐことができる。本実施の形態においては、そのようなケースの例を示す。
【0045】
図7は、本実施の形態に係るネットワーク端末の動作を説明するための図である。ネットワークの例として電力線通信ネットワークを示す。以下、本実施の形態に係るネットワーク端末の動作を説明する。住宅Eおよび住宅Fは、ネットワーク回線(共通電力線)20を共有しており、共通電力線から分岐した屋内配線20eおよび20fがブレーカ(回路遮断器)E,Fを介してそれぞれ配設されている。即ち、共通電力線20および屋内配線20e,20fにより電力線通信ネットワークの回線網が構成されている。
【0046】
但し、ここでは説明の簡単のため、住宅Eと住宅Fとの間でのデータのやりとりは不可能であると仮定する。実際の電力線通信ネットワークのシステムでも、住宅間の距離が充分離れているために共通電力線を伝達する信号が減衰して通信不可能なケースや、住宅から外部に信号が漏れないようにブロッキングフィルタを設けるケース等、住宅間の信号のやりとりが不可能なケースは多い。
【0047】
住宅Eおよび住宅Fが有するノードE1〜E5,F1〜F4はそれぞれ図1に示した本実施の形態に係るネットワーク端末である。また、本実施の形態においてノードE5は、自身の論理ネットワークアドレス(NA並びにDA)の設定動作を開始するためのスイッチや押しボタン等(不図示)を有しており、ユーザの操作により当該設定動作を開始する。
【0048】
ここで、ノードE1〜E4,F1〜F4は、既にネットワークに接続済みであり、固有の論理ネットワークアドレスが設定されている端末である。一方、ノードE5は、新規にネットワークに接続して論理ネットワークアドレスを設定しようとする端末である。また、論理ネットワークアドレスのNAは各住宅毎に個別に定められているものとする。
【0049】
ノードE5は、ユーザの指示により自身の論理ネットワークアドレスを設定動作を開始すると、まず自己のNAを”Don’t Care”に設定する。続いてデータ作成部13が、NAの通知を要求するデータ(NA通知要求データ)をNA通知制御ビットがONの作成する。即ち、NA通知要求データは、NA通知制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドが”Don’t Care”であるデータである。
【0050】
そして、判断部15はネットワーク上に流れるデータを受信部12を介して逐次モニタし(キャリアセンス)、ネットワーク上に流れるデータが無ければ、データ送信可能と判断し、送信部12を介してNA通知要求データをブロードキャストにより送信する。
【0051】
ノードE5が送信したNA通知要求データは、ノードE1〜E4に受信される。ノードE1〜E4は、NA通知要求データを受信すると、新規のノード(ノードE5)がネットワークに接続されたことを認識する。そして、ノードE1〜E4のうちの所定の1つにおいて、データ作成部13が、自己のNA(即ち住宅EのNA)を新規のノードに通知するためのNA通知データ(即ち、NA通知制御ビットがONであり、送信元のNAフィールドが”Don’t Care”ではないデータ)を作成し、送信部11は当該NA通知データをブロードキャストにより送信する。
【0052】
ここで、NA通知データを送信する所定の1つのノードとしては、例えば、暫定NAと同一のNAを有するノードのうち最も早いタイムスロットのノードや、最大のDAを有しているノード(即ち「最大DAフラグ」がONのノード)等が考えられる。
【0053】
各ノードの判定部15は、自己のNAが”Don’t Care”の場合にのみ、NA通知データを受信するように判断する。即ちNA通知データはノードE5のみに受信される。ノードE5は、NA通知データを受信すると、当該データから住宅EのNAを抽出し、自己とのNAとして仮決定する。その後、所定の時間待機して再度他のNA通知データが届かなければ、仮決定したNAが自己が属するNA(住宅EのNA)であると判断し、当該NAを正式に自己のNAに設定する。
【0054】
以上の動作によりNAの設定が完了すると、続いてノードE5は実施の形態1で示した図5および図6のフローチャートと同様の手順で、自己のDAの設定を行う。本実施の形態においては、新規にネットワークに接続してDAを設定しようとする端末DAがノードE5の1個のみであるので、ACK要求フレームおよびACKフレームを使用するまでもなく、新規にネットワークに接続したノードと最大DAフラグがONのノードとの間で、一対一のデータ通信が可能である。即ち、DA要求データを受信したノードは、自己の最大DAフラグがONの場合のみ、その応答としてDA付与データを送信し、一方、DA付与データを受信したノードは、自己のDAが”Don’t Care”である場合にのみDAの設定を行えばよい。
【0055】
つまり、本実施の形態のように、新規にネットワークに接続して自己のNAを設定する端末が1個ずつ接続されるケースでは、ACK要求フレームおよびACKフレームを用いない通常のデータ通信でDA要求データおよびDA付与データの送受信を行っても、同一のDAが複数個の端末に重複して設定されることは防止される。
【0056】
【発明の効果】
請求項1に記載のネットワーク端末によれば、受信部が他のネットワーク端末から送信されたアドレスの付与を要求するアドレス要求データを受信した場合に、送信部は、自己のアドレスがネットワーク上で最も大きいアドレスであれば、自己のアドレスを示すアドレスデータをネットワーク上に送信するので、他のネットワーク端末はアドレスデータが示すアドレスよりも大きいアドレスを自己のアドレスに設定しさえすれば、当該アドレスが使用済みか否かを確認あるいは問い合わせするまでも無く、同じアドレスが複数のネットワーク端末に重複して設定されることは防止される。よって、ネットワーク端末へのアドレスの割当てを、自動且つ迅速に行うことが可能になる。
【0057】
請求項2に記載のネットワーク端末によれば、請求項1に記載のネットワーク端末において、送信部は、ネットワークへ新規に接続する際に、アドレス要求データを送信し、受信部は、他のネットワーク端末から送信されたアドレスデータを受信し、データ保持部は、アドレスデータが示すアドレスよりも大きいアドレスを自己のアドレスとして保持するので、当該アドレスが使用済みか否かを確認あるいは問い合わせするまでも無く、他のネットワーク端末と同じアドレスが重複して自己に設定されることは防止される。よって、自己へのアドレスの割当てを、自動且つ迅速に行うことが可能になる。
【0058】
請求項3に記載のアドレス割当方法によれば、請求項1または請求項2に記載のネットワーク端末において、アドレス要求データは、ACK要求フレームによるデータであり、最大アドレスデータは、ACK要求フレームに対する応答であるACKフレームによるデータであるので、ネットワークに新規に接続して自己へのアドレス割当てを行おうとするネットワーク端末がネットワーク上に複数個ある場合においても、それらに同一のアドレスが付与されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るネットワーク端末の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るネットワーク端末の動作を説明するための図である。
【図3】実施の形態1に係るネットワーク端末の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係るネットワーク端末の動作を説明するための図である。
【図5】実施の形態1に係るネットワーク端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係るネットワーク端末の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2に係るネットワーク端末の動作を説明するための図である。
【図8】電力線通信ネットワークに接続される従来のネットワーク端末に設けられている論理ネットワークアドレス設定装置の外観を示す図である。
【符号の説明】
10 ネットワーク端末、11 送信部、12 受信部、13 データ作成部、14 データ保持部、15 判断部、16 制御部、20 ネットワーク回線(電力線)。
Claims (3)
- ネットワークに接続してデータの送受信を行うネットワーク端末であって、
前記データの送信を行う送信部と、
前記データの受信を行う受信部と、
前記ネットワーク上での自己のアドレス並びに前記自己のアドレスが前記ネットワーク上で最も大きいアドレスか否かを示す情報を保持するデータ保持部とを備え、
前記受信部が他のネットワーク端末から送信されたアドレスの付与を要求するアドレス要求データを受信した場合に、前記送信部は、前記データ保持部が保持する情報に基づき、前記自己のアドレスが前記ネットワーク上で最も大きいアドレスであれば、前記自己のアドレスを示すアドレスデータを前記ネットワーク上に送信する
ことを特徴とするネットワーク端末。 - 請求項1に記載のネットワーク端末であって、
前記送信部は、前記ネットワークへ新規に接続する際に、前記アドレス要求データを送信し、
前記受信部は、他のネットワーク端末から送信された前記アドレスデータを受信し、
前記データ保持部は、前記アドレスデータが示すアドレスよりも大きいアドレスを自己のアドレスとして保持する
ことを特徴とするネットワーク端末。 - 請求項1または請求項2に記載のネットワーク端末であって、
前記アドレス要求データは、ACK(Acknowledgement)要求フレームによるデータであり、
前記最大アドレスデータは、前記ACK要求フレームに対する応答であるACKフレームによるデータである
ことを特徴とするネットワーク端末。
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