JP2004032135A - 撮像装置、手振れ検出方法、画像処理方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

撮像装置、手振れ検出方法、画像処理方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】デジタルスチルカメラなどの撮像装置において、手振れ検出及び手振れ補償を低コストで実現する。
【解決手段】画像圧縮/伸長部116は静止画撮影画像データの圧縮過程で2次元ウェーブレット変換を行う。システムコントローラ122は、その2次元ウェーブレット変換で得られたLH,HLサブバンド係数から水平、垂直方向の高周波成分量を算出し、それに基づいて水平、垂直又は斜め方向の手振れ検出を行う。手振れを検出した場合には、表示装置12に手振れ警告を表示させるほか、手振れの影響を目立ちにくくするために、画像プロセッサ110によって画像データに対し手振れ方向に強いエッジ強調をかけさせる等の制御を行う。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラ、静止画撮影機能を有するデジタルビデオカメラなどの撮像装置に係り、特に、この種の撮像装置の手振れ検出及びそれに関連した画像処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルスチルカメラや静止画機能を有するデジタルビデオカメラによる静止画撮影においては、手振れによる画質劣化がしばしば問題となる。
【0003】
この手振れの問題に対処するため、加速度センサによって手振れを検出する技術と、検出した手振れを補正するため被写体の結像位置を光学的に調整する技術が知られている(例えば特開2001−154226)。
【0004】
また、メモリ上の画像データと次の画像データの相関演算により手振れ補正量を求め、手振れ補正量に応じて両画像データをシフトして合成する処理を繰り返すことにより、手振れを補正した画像データをメモリ上に得る技術が知られている(特開2000−341577)。
【0005】
また、この種の撮像装置においては、一般に画像データは圧縮されてから記録媒体に記録される。現在は、静止画の圧縮アルゴリズムとしてはJPEGが、動画データの圧縮アルゴリズムとしてはMPEGまたはモーションJPEGが、それぞれ用いられることが多い。
【0006】
なお、JPEGの後継アルゴリズムと目されるJPEG2000は、その基本方式(JPEG2000 Part1)の標準化作業を終了し2001年1月に勧告されている。その拡張方式のモーション(Motion)JPEG2000(JPEG Part3)の勧告化も目前である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、手振れ検出に関連した新規な構成を有する撮像装置を提供することにある。本発明のもう1つの目的は、手振れ補償に関連した新規な構成を有する撮像装置を提供することにある。本発明のもう1つの目的は、JPEG2000に準拠した画像圧縮アルゴリズムを利用する撮像装置に好適な新規な手振れ検出方法及びそれに関連した画像処理方法を提供することにある。このような本発明の目的及びその他の目的について、以下の実施の形態に関連して具体的に説明する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、請求項1に記載のように、静止画撮影された画像データのウェーブレット変換を行うウェーブレット変換手段と、前記ウェーブレット変換により得られたウェーブレット係数から方向別の高周波成分量を算出し、算出した方向別の高周波成分量に基づいて画像データの手振れ検出を行う手振れ検出手段とを有する撮像装置にある。
【0009】
本発明のもう1つの特徴は、請求項2に記載のように、請求項1記載の構成において、前記ウェーブレット変換手段は2次元ウェーブレット変換を行い、前記手振れ検出手段は前記2次元ウェーブレット変換により得られたHLサブバンド係数から水平方向の高周波成分量を、LHサブバンド係数から垂直方向の高周波成分量をそれぞれ算出し、算出した各方向の高周波成分量に基づいて少なくと水平方向及び垂直方向の手振れを検出することにある。
【0010】
本発明のもう1つの特徴は、請求項3に記載のように、請求項1記載の構成において、前記手振れ検出手段は画像の中心領域に対応するウェーブレット係数のみを高周波成分量の算出に用いることにある。
【0011】
本発明のもう1つの特徴は、請求項4に記載のように、請求項1記載の構成において、静止画撮影された画像データの直前に撮影されたモニタリング画像データに対しても前記ウェーブレット変換手段によりウェーブレット変換を行い、前記手振れ検出手段はモニタリング画像データのウェーブレット係数から方向別の高周波成分量を算出し、算出した方向別の高周波成分量も静止画記録された画像データの手振れ検出に利用することにある。
【0012】
本発明のもう1つの特徴は、請求項5に記載のように、請求項1記載の構成に加え、前記手振れ検出手段により手振れが検出された場合に警告を発するための手段を有することにある。
【0013】
本発明のもう1つの特徴は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5のいずれか1項記載の構成に加え、静止画撮影された画像データをJPEG2000準拠の画像圧縮アルゴリズムにより圧縮する画像圧縮処理手段を有し、前記ウェーブレット変換手段は前記画像圧縮処理手段に含まれるウェーブレット変換手段であることにある。
【0014】
本発明のもう1つの特徴は、請求項7に記載のように、請求項6記載の構成に加え、前記手振れ検出手段によりある方向の手振れが検出された画像データに対する前記画像圧縮処理の当該手振れの方向の圧縮率を下げる制御を行う手段を有することにある。
【0015】
本発明のもう1つの特徴は、請求項8に記載のように、請求項7記載の構成において、前記制御を行う手段は、手振れ方向の圧縮率を下げる程度を前記手振れ検出手段により検出された手振れ量に応じて調整することにある。
【0016】
本発明のもう1つの特徴は、請求項9に記載のように、請求項1乃至8のいずれか1項記載の構成に加え、静止画撮影された画像データのエッジ強調処理を行う手段と、前記手振れ検出手段によりある方向の手振れが検出された画像データに対する前記エッジ強調処理の当該手振れの方向のエッジ強調を強める制御を行う手段を有することにある。
【0017】
本発明のもう1つの特徴は、請求項10に記載のように、請求項9記載の構成において、前記制御を行う手段は、手振れの方向のエッジ強調を強める程度を前記手振れ検出手段により検出された手振れ量に応じて調整することにある。
【0018】
本発明のもう1つの特徴は、請求項11に記載のように、請求項1乃至10のいずれか1項記載の構成に加え、前記手振れ検出により手振れが検出された画像データに手振れに関するマーキング情報を付加する手段を有することにある。
【0019】
本発明のもう1つの特徴は、請求項12に記載のように、請求項1乃至6のいずれか1項記載の構成に加え、前記手振れ検出手段により手振れが検出された画像データの記録を抑止する手段を有することにある。
【0020】
本発明のもう1つの特徴は、請求項13に記載のように、撮像装置により撮影された画像データのウェーブレット変換を行って方向別の高周波成分量を求め、その方向別の高周波成分量に基づき手振れを検出する手振れ検出方法にある。
【0021】
本発明のもう1つの特徴は、請求項14に記載のように、請求項13記載の手振れ検出方法において、画像データの2次元ウェーブレット変換を行い、得られたHLサブバンド係数から水平方向の高周波成分量を、LHサブバンド係数から垂直方向の高周波成分量をそれぞれ算出し、算出した各方向の高周波成分量に基づいて少なくとも水平方向及び垂直方向の手振れを検出することにある。
【0022】
本発明のもう1つの特徴は、請求項15に記載のように、請求項13記載の手振れ検出方法において、画像の中心領域に対応するウェーブレット係数のみを手振れ検出に利用することにある。
【0023】
本発明のもう1つの特徴は、請求項16に記載のように、請求項13記載の手振れ検出方法において、手振れ検出の対象となる画像データの手振れ検出に、当該画像データの直前に撮影された画像データの方向別の高周波成分量も利用することにある。
【0024】
本発明のもう1つの特徴は、請求項18に記載のように、撮像装置によって撮影された画像データに対する圧縮処理を含む画像処理方法において、画像データのウェーブレット変換を行って方向別の高周波成分量を算出し、算出した方向別の高周波成分量に基づいて画像データの手振れ検出を行い、ある方向の手振れが検出された場合には、圧縮処理の当該手振れ方向の圧縮率を下げることにある。本発明のもう1つの特徴は、請求項19に記載のように、請求項18記載の画像処理方法において、手振れ方向の圧縮率を下げる程度を前記手振れ検出により検出された手振れ量に応じて調整することにある。
【0025】
本発明のもう1つの特徴は、請求項20に記載のように、撮像装置によって撮影された画像データに対するエッジ強調処理を含む画像処理方法において、画像データのウェーブレット変換を行って方向別の高周波成分量を算出し、算出した方向別の高周波成分量に基づいて画像データの手振れ検出を行い、ある方向の手振れが検出された場合には、エッジ強調処理の当該手振れ方向のエッジ強調を強めることにある。
【0026】
本発明のもう1つの特徴は、請求項21に記載のように、請求項20記載の画像処理方法において、手振れ方向のエッジ強調を強める程度を前記手振れ検出により検出された手振れ量に応じて調整することにある。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照し本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明による撮像装置の実施の形態を説明するための簡略されたブロック図である。ここでは、静止画撮影を主機能としたデジタルスチルカメラとして説明するが、動画撮影を主機能とし静止画撮影も可能なデジタルビデオカメラを除外することを意図するものではない。この撮像装置は、本発明の手振れ検出方法及び画像処理方法の実施の形態でもある。
【0028】
この撮像装置の全体的構成を説明する。被写界の光学像が撮像光学系102によりイメージセンサ104に結像され、電気信号に変換される。撮像光学系102は光学レンズ、絞り機構、シャッター機構などから構成される。イメージセンサ104は、結像された光学像を色フィルタにより色分解し、各色成分の光量に応じた画像信号を出力するもので、一般にCCD型もしくはMOS型のイメージセンサが用いられる。
【0029】
イメージセンサから出力される画像信号は、アナログ信号処理部106で相関二重サンプリング、ガンマ補正、ホワイトバランス調整などの処理を施されたのち、アナログ・デジタル変換部108でデジタル画像データに変換されて画像プロセッサ110に入力される。画像プロセッサ110は、画像データに対するエッジ強調処理などの画像処理を行うほか、イメージセンサ104、アナログ信号処理部106、A/D変換部108、表示装置112の制御、オートフォーカス制御や自動露出制御などのための情報の検出などを行う部分である。この画像プロセッサ110は、1フレーム以上の画像データなどを一時的に保存するためのメモリ114を有する。表示装置112は、例えば液晶表示装置であり、モニタリング時の撮影画像(スルー画像)や記録画像の再生表示、各種情報の表示に利用される。なお、ガンマ補正やホワイトバランス調整などの処理を画像プロセッサ110で行う構成としてもよく、そのような態様も本発明に包含される。
【0030】
撮影された画像データは各種メモリカードなどの記録媒体120に記録される。記録媒体120に対する画像データの記録又は再生のために、画像圧縮/伸長部116と記録再生処理部118がある。本発明の手振れ検出方法においては、手振れ検出のために画像データのウェーブレット変換を行う。このウェーブレット変換のための手段を独立した手段として設けることも可能であるが、この実施の形態においては、画像圧縮/伸長部116はJPEG2000に準拠した画像圧縮アルゴリズムを利用する構成であり、ウェーブレット変換手段を含むため、この手段が手振れ検出のためのウェーブレット変換にも利用される。このように、ウェーブレット変換JPEG2000準拠の画像圧縮アルゴリズムを利用する構成の撮像装置においては、ウェーブレット検出のためのウェーブレット検出手段を別途設ける必要がない点で本発明の手振れ検出方法は最適である。
【0031】
システムコントローラ122は、操作部124から入力される操作情報や画像プロセッサ110から与えられる情報などに応答して、撮像光学系102のシャッター機構、絞り機構、ズーミング機構の制御、画像プロセッサ110の制御、画像圧縮/伸長部116や記録再生処理部118の制御などを行う部分である。このシステムコントローラ122は、さらに、撮影画像データの二次元ウェーブレット変換により得られるウェーブレット係数を利用して手振れ検出を行う処理と、その検出結果に応じた制御も行う。つまり、ウェーブレット係数を利用した手振れ検出手段と、その検出結果に応じた制御のための手段がシステムコントローラに含まれている。このようなシステムコントローラ122は、プロセッサ(CPU)、プログラムメモリ(ROMなど)、データメモリ(RAMなど)などからなり、上に述べた各手段はプログラムとしてプログラムメモリに置かれ、同プログラムをプロセッサで実行することによって各手段の機能が実現される。ただし、ASICなどのハードウェアによりシステムコントローラ122を実現することも可能であり、そのような態様も本発明に包含される。
【0032】
ここで、画像圧縮/伸長部116について説明する。本実施の形態においては、JPEG2000に準拠した画像圧縮アルゴリズムが採用される。JPEG2000の画像圧縮アルゴリズムについては、例えば、書籍「次世代画像符号化方式 JPEG2000」(野水泰之著、株式会社トリケップス)などに詳しいが、その概略を以下に説明する。
【0033】
図2はJPEG2000の画像圧縮アルゴリズムを説明するための簡略化されたブロック図である。圧縮処理の対象となる画像データ(動画を扱う場合には各フレーム画像データ)は、タイルと呼ばれる重複しない矩形領域に分割されてDCレベル・色空間変換/逆変換部200に入力される。
【0034】
DCレベル・色空間変換/逆変換部200においては、圧縮率の向上を目的として、入力画像データに対しレベルシフト操作と色空間変換処理を施す。レベルシフトは、RGB値のような符号無し整数値からダイナミックレンジの半分を減算する操作である。入力画像データが例えばYCrCbデータの場合、Cr,Cbコンポーネントのような符号付き整数値に対してレベルシフトは行われない。色空間変換処理は、入力画像データがRGBデータやCMYデータの場合に、YCrCbデータに変換する処理である。
【0035】
DCレベル・色空間変換/逆変換部200により処理後の各コンポーネントの各タイルの画像データは、2次元ウェーブレット変換/逆変換部202により2次元のウェーブレット変換(離散ウェーブレット変換:DWT)を施される。
【0036】
図3はデコンポジション・レベル数が3の場合のウェーブレット変換の説明図である。図3(a)に示すタイル画像に対する2次元ウェーブレット変換により、図3(b)に示すような1LL,1HL,1LH,1HHの各サブバンドに分割される。1LLサブバンドの係数に対し2次元ウェーブレット変換が適用されることにより、図3(c)に示すように2LL,2HL,2LH,2HHのサブバンドに分割される。2LLサブバンドの係数に対し2次元ウェーブレット変換が適用されることにより、図3(d)に示すように3LL,3HL,3LH,3HHのサブバンドに分割される。
【0037】
このような低周波成分(LLサブバンド係数)の再帰的分割(オクターブ分割)により得られた各サブバンドの係数は、量子化/逆量子化部204によって量子化された後にエントロピー符号化部206により符号化されるが、最も階層の深いLLサブバンド係数(図3の例では3LLサブバンド係数)は符号化されない。JPEG2000では可逆圧縮と非可逆圧縮のいずれも可能であり、可逆圧縮の場合には量子化ステップ幅は常に1であり、この段階では実質的に量子化されない。
【0038】
エントロピー符号化/復号化部206はウェーブレット係数のエントロピー符号化を行う。このエントロピー符号化には、ブロック分割、係数モデリング及び2値算術符号化からなるEBCOT(Embedded Block Coding with Optimized
Truncation)と呼ばれるブロックベースのビットプレーン符号化方式が用いられる。符号化対象となるウェーブレット係数は正負の符号を持つ整数(あるいは実数表現された整数)であり、それらを決められた順序で走査しながら、係数を絶対値表現したものに対し上位ビットから下位ビットへとビットプレーン単位で符号化処理が実行される。
【0039】
エントロピー符号化部206で生成された符号はタグ処理部208に送られ、1本の符号ストリームにまとめられるとともにタグ情報を付加され、図4に示すようなフォーマットの符号データが作成される。図4に見られるように、符号データの始まりを示すSOCマーカの後に符号化のパラメータや量子化のパラメータ等を記述したメインヘッダが続き、その後に各タイル毎の実際の符号データが続く。実際の符号データは、SOTマーカで始まり、タイルヘッダ、SODマーカ、タイルデータ(符号)で構成される。最後のタイルデータの後に、終了を示すEOCマーカが置かれる。
【0040】
このJPEG2000画像圧縮アルゴリズムは高圧縮率(低ビットレート)での画質が良好であるほか、多くの特徴を有する。
【0041】
その1つは、符号化後に、下位ビットプレーンの符号の廃棄(切り捨て:トランケーション)による量子化(ポスト量子化)によって、再圧縮を行うことなく全体の符号量(圧縮率)を調整できることであり、また、水平方向と垂直方向の圧縮率を個別に調整することもできる。JPEG2000では、コードブロック毎に係数のビットプレーンに順序付けを行い、1つ又は2つのビットプレーンからなるレイヤを構成することができる。複数レイヤ構成をとる場合には下位のレイヤからレイヤ単位で符号のトランケーションを行うことにより、よりきめ細かな符号量調整が可能である。
【0042】
もう1つは、画像の選択した領域の画質をそれ以外の領域より上げる選択的領域画質向上(ROI:Region of Interest)と呼ばれる機能である。基本方式では、ウェーブレット係数の符号化前に、選択した領域のウェーブレット係数値を上位ビット側へシフトし、その領域外のウェーブレット係数値を下位ビット側へシフトするROI方式が採用されている。このROI機能により、画像の注目したい部分の画質を落とさずに全体の符号量を減らすことが可能となる。
【0043】
符号データの伸長処理は圧縮処理と逆の処理となる。タグ処理部208によって、入力した符号データはタグ情報が解釈され、各コンポーネントの各タイルの符号列に分解され、エントロピー符号化/復号化部206によってタグ情報に基づく順番でウェーブレット係数に復号される。復号されたウェーブレット係数は量子化/逆量子化部204で逆量子化を施されたのち、2次元ウエーブレット変換/逆変換部202で2次元ウェーブレット逆変換を施されることにより、各コンポーネントの各タイルの画像が再生される。各コンポーネントの各タイル画像は、DCレベル・色空間変換/逆変換部200で圧縮時と逆の変換処理を施されてから出力される。
【0044】
次に、本実施の形態の撮像装置の静止画記録動作について説明する。静止画記録動作は、手振れが検出された場合の動作内容が異なる複数のモードを操作部124で指定することが可能である。以下、モード別に説明する。
【0045】
《静止画記録モード1》 この動作モードが指定された場合の動作を図5を参照して説明する。
【0046】
操作部124のレリーズボタン(静止画撮影指示ボタン)126が押下されると、静止画撮影指示がシステムコントローラ122より画像プロセッサ110に与えられ、画像プロセッサ110は静止画記録の条件でイメージセンサ104を駆動する。撮影された画像データは、画像プロセッサ110より各コンポーネント毎にタイル分割されて画像圧縮/伸長部116へ送られ、圧縮処理される。この圧縮処理の過程で得られたウェーブレット係数に基づいて、システムコントローラ122で手振れ検出処理を行う(ステップS100)。
【0047】
手振れ検出処理により一定量を超える手振れが検出された場合には(ステップS102,Yes)、システムコントローラ122は手振れ警告指示を画像プロセッサ110に与え、画像プロセッサ110は表示装置112に手振れ警告用のマークや文字などを表示させ、手振れであることを撮影者に警告する(ステップS106)。記録再生処理部118は、システムコントローラ122から画像廃棄指示を与えられるため、撮影画像の符号データを破棄し記録媒体120には記録しない。
【0048】
このように、手振れ警告によって撮影者は手振れの発生を認識できる。また、手振れの発生した画像データは記録されないため、手振れの影響で画質の悪化した画像データにより記録媒体120の空き容量が無用に減少することがない。なお、手振れ警告表示に代えて、あるいは手振れ警告表示とともに警告音を発生させるようにしてもよく、そのような態様も本発明に包含される。
【0049】
一定量を超える手振れが検出されなかった場合は(ステップS102,No)、システムコントローラ122は記録再生処理部118に記録指示を与え、記録再生処理部118は画像圧縮/伸長部116により生成された撮影画像の符号データを、設定された圧縮率になるようにポスト量子化を行ってから記録媒体120に記録する(ステップS104)。このように、本実施の形態ではポスト量子化を記録再生処理部118で行うため、記録再生処理部118も画像圧縮手段の一部を構成している。ただし、ポスト量子化を画像圧縮/伸長部116で行ってもよく、そのような態様も本発明に包含される。
【0050】
《静止画記録モード2》 この動作モードが指定された場合の動作を図6を参照して説明する。
【0051】
操作部124のレリーズボタン126が押下されると、静止画撮影指示がシステムコントローラ122より画像プロセッサ110に与えられ、画像プロセッサ110は静止画記録の条件でイメージセンサ104を駆動する。撮影された画像データは、画像プロセッサ110より各コンポーネント毎にタイル分割されて画像圧縮/伸長部116へ送られ、圧縮処理される。この圧縮処理の過程で得られたウェーブレット係数に基づいて、システムコントローラ122で手振れ検出処理を行う(ステップS200)。
【0052】
手振れ検出処理により一定量を超える手振れが検出された場合には(ステップS202,Yes)、システムコントローラ122から手振れマーキング情報付き記録指示が記録再生処理部118に与えら、記録再生処理部118は、画像圧縮/伸長部116により生成された撮影画像の符号データに対し設定された圧縮率となるようにポスト量子化を行い、ポスト量子化後の符号データを、例えばそのヘッダ情報に手振れとその方向を示すマーキング情報を付加したうえで記録媒体120に記録する(ステップS206)。この時にシステムコントローラ122から画像プロセッサ110に手振れ警告指示が与えられ、画像プロセッサ110は表示装置112に手振れ警告用のマークや文字などを表示させ、手振れであることを撮影者に警告する。
【0053】
一定量を超える手振れが検出されなかった場合は(ステップS202,No)、システムコントローラ122は記録再生処理部118に通常の記録指示を与え、記録再生処理部118は撮影画像の符号データをポスト量子化したのち記録媒体120に記録する(ステップS204)。
【0054】
このような画像記録処理の後、システムコントローラ122は記録再生処理部118の媒体管理情報を参照し、記録媒体120の空き容量が十分かチェックする(ステップS208)。空き容量が所定値に満たない場合には、記録されている画像の削除か符号量削減を行って空き容量を拡大する必要があるが、この処理は手振れマーキング情報が付加された画像のみを対象として実行される。すなわち、記録媒体120上に手振れのマーキング情報の付加された画像が記録されているかチェックする(ステップS210)。例えば、記録再生処理部118で、記録媒体120上の最も古い画像から、ヘッダ情報などをチェックさせる。あるいは、記録再生処理部118の媒体管理情報中に記録された各画像の手振れのマーキング情報の有無が含まれている場合には、システムコントローラ122はその媒体管理情報を参照することによって手振れのマーキング情報の付加された画像の有無をチェックする。
【0055】
手振れのマーキング情報が付加された画像が存在しない場合には、システムコントローラ122は空き容量不足の警告指示を画像プロセッサ110に与えることにより、表示装置112に空き容量不足警告のためのマーク又は文字を表示させる(ステップS212)。
【0056】
手振れのマーキング情報が付加された画像が存在する場合には、その1つの画像について、符号データの削除処理又は符号量削減処理を行う(ステップS214)。いずれの処理かは予め操作部124により設定される。削除処理が設定されている場合には、システムコントローラ122は、記録再生処理部118に該当画像の符号データの削除処理を行わせる。符号量削減処理が設定されている場合には、システムコントローラ122は、記録再生処理部118に該当画像の符号データを読み出させ、その符号データの符号量削減のためのポスト量子化処理を実行させ、処理後の符号データを記録媒体120に上書きさせる。その後、ステップS208に戻る。なお、同じ画像に符号量削減処理を繰り返すと、その画像の画質が極端に悪化する可能性があるので、再び符号量削除処理が必要な場合には、複数の手振れ画像が記録されているならば、まだ処理されたことのない画像に対して符号量削除処理を行うのがよい。
【0057】
なお、ステップS208〜S214の処理を独立した動作として定義し、操作部124からの指示に従って実行させるようにしてもよく、そのような態様も本発明に包含される。
【0058】
また、手振れマーキング情報の付加された画像の削除又は符号量削減の際に、例えば表示装置112に確認メッセージを表示して撮影者に確認操作を要求し、操作部124より確認信号が入力されたときに削除又は符号量削減を実行するようにしてもよく、そのような態様も本発明に包含される。
【0059】
《静止画記録モード3》 この動作モードが指定された場合の動作を図7を参照して説明する。
【0060】
操作部124のレリーズボタン126が押下されると、静止画撮影指示がシステムコントローラ122より画像プロセッサ110に与えられ、画像プロセッサ110は静止画記録の条件でイメージセンサ104を駆動する。撮影された画像データは、画像プロセッサ110より各コンポーネント毎にタイル分割されて画像圧縮/伸長部116へ送られ、圧縮処理される。この圧縮処理の過程で得られたウェーブレット係数に基づいて、システムコントローラ122で手振れ検出処理を行う(ステップS300)。
【0061】
一定量を超える手振れが検出され(ステップS302,Yes)、その手振れの方向が垂直方向又は水平方向の場合には(ステップS306,Yes)、システムコントローラ122は、記録再生処理部118において、画像圧縮/伸長部116で生成された符号データに対し、検出された手振れ量に対応した割合だけ手振れ方向の圧縮率を設定された圧縮率より下げるようにポスト量子化処理を行わせ、処理後の符号データを、例えばそのヘッダに手振れの方向を示すマーキング情報を付加したうえで記録媒体120に記録させる(ステップS308)。なお、手振れ方向の圧縮率を変更せず、手振れ方向と反対方向(例えば、水平方向の手振れの場合は垂直方向)の圧縮率を設定された圧縮率より上げる、あるいは、手振れ方向の圧縮率を下げるとともに反対方向の圧縮率を上げるように制御することも可能である。要は手振れ方向の圧縮率を相対的に下げればよく、いずれの圧縮率調整方法も本発明に包含される。このような方向別の圧縮率調整を行うことができる点も、JPEG2000準拠の画像圧縮アルゴリズムを用いる利点である。
【0062】
斜め方向の手振れの場合には(ステップS306,No)、システムコントローラ122は、記録再生処理部118において、画像圧縮/伸長部116で生成された符号データに対し、検出された手振れ量に対応した割合だけ垂直方向及び水平方向の圧縮率を設定された圧縮率より下げるようにポスト量子化処理を行わせ、処理後の符号データを、例えばそのヘッダに手振れの方向を示すマーキング情報を付加したうえで記録媒体120に記録させる(ステップS310)。
【0063】
一定量を超える手振れが検出されない場合には(ステップS302,No)、システムコントローラ122は記録再生処理部118に通常の記録指示を与え、記録再生処理部118は、撮影画像の符号データを垂直方向及び水平方向ともに設定された圧縮率となるようにポスト量子化処理を行い、処理後の符号データを記録媒体120に記録する(ステップS304)。
【0064】
このように、一定量を超える手振れが生じた画像については、手振れ方向及び手振れ量に応じた圧縮率の調整を行ってから記録媒体に記録することにより、それを再生した場合に、そのような圧縮率調整を行わないときに比べ、手振れによる画質劣化が目立ちにくくなる。
【0065】
なお、一定量を超える手振れが検出された場合に、動作モード1と同様に手振れ警告表示などによって撮影者に手振れを警告するようにしてもよく、このような態様も本発明に包含される。
【0066】
また、この動作モードにおいても、記録媒体120の空き容量確保のために、図6のステップS208〜S214と同様の処理を行うようにしてもよく、そのような態様も本発明に包含される。
【0067】
《静止画記録モード4》 この動作モードが指定された場合の動作を図8を参照して説明する。
【0068】
操作部124のレリーズボタン126が押下されると、静止画撮影指示がシステムコントローラ122より画像プロセッサ110に与えられ、画像プロセッサ110は静止画記録の条件でイメージセンサ104を駆動する。撮影された画像データは、画像プロセッサ110より各コンポーネント毎にタイル分割されて画像圧縮/伸長部116へ送られ、圧縮処理される。この圧縮処理の過程で得られたウェーブレット係数に基づいて、システムコントローラ122で手振れ検出処理を行う(ステップS400)。
【0069】
一定量を超える手振れが検出され(ステップS402,Yes)、その手振れの方向が垂直方向又は水平方向の場合には(ステップS304,Yes)、システムコントローラ122は、記録再生処理部118に生成済みの撮影画像の符号データを破棄させた後、画像プロセッサ110でメモリ114に保存されている撮影画像データに対し、手振れ量に対応した程度だけ手振れ方向のエッジ強調を強めるための(あるいは反対方向のエッジ強調を弱めるための)処理を実行させ、処理後の画像データに対し画像圧縮/伸長部116により画像圧縮処理を再度実行させる(ステップS406)。なお、手振れ方向のエッジ強調を強めず、手振れ方向と反対方向(例えば、水平方向の手振れの場合は垂直方向)のエッジ強調を弱め、あるいは、手振れ方向のエッジ強調を強めるとともに反対方向のエッジ強調を弱めるように制御することも可能である。要は、手振れ方向のエッジ強調を相対的に強めればよく、いずれのエッジ強調の調整方法も本発明に包含される。
【0070】
その手振れ方向が斜め方向の場合には(ステップS404,No)、記録再生処理部118に生成済みの撮影画像の符号データを破棄させた後、画像プロセッサ110で手振れ量に対応した程度だけ垂直方向及び水平方向のエッジ強調を強めるための処理を実行させ、処理後の画像データに対し画像圧縮/伸長部116により画像圧縮処理を再度実行させる(ステップS407)。そして、記録再生処理部118において、生成された符号データに対し設定された圧縮率となるようにポスト量子化処理を実行させ、処理後の符号データを、例えばそのヘッダに手振れの方向を示すマーキング情報を付加したうえで記録媒体120に記録させる(ステップS408)。
【0071】
一定量を超えた手振れが検出されない場合には(ステップS402,No)、システムコントローラ122は記録再生処理部118に通常の記録指示を与え、記録再生処理部118は、撮影画像の符号データを設定された圧縮率となるようにポスト量子化処理を行い、処理後の符号データを記録媒体120に記録する(ステップS410)。
【0072】
このように、一定量を超える手振れが生じた画像については、撮影画像データを、手振れ方向のエッジ強調を強める処理を行ってから再圧縮して記録することにより、それを再生した場合に、そのようなエッジ強調処理を行わないときに比べ、手振れによる画質劣化が目立ちにくくなる。
【0073】
なお、ステップS406,S407において、ステップS308,S310(図7)と同様の圧縮率の調整を併せて行ってもよく、そのような態様も本発明に包含される。
【0074】
また、一定量を超える手振れが検出された場合に、動作モード1と同様に手振れ警告表示などによって撮影者に手振れを警告するようにしてもよく、このような態様も本発明に包含される。
【0075】
また、この動作モードにおいても、記録媒体120の空き容量確保のために、図6のステップS208〜S214と同様の処理を行ってもよく、そのような態様も本発明に包含される。
【0076】
次に、手振れ検出処理(ステップS102,S202,S302,S402)について具体的に説明する。手振れ検出処理についても、2つのモードを選択することができる。以下、モード別に手振れ検出処理の内容を説明する。
【0077】
《手振れ検出モード1》 このモードでは、レリーズボタン126の押下に応答して静止画撮影された画像データのウェーブレット係数のみを利用して手振れ検出を行う。手振れ検出処理の内容について図9、図11及び図3を参照して説明する。
【0078】
画像圧縮/伸長部116における画像データの2次元ウェーブレット変換により得られるHLサブバンド係数は画像の垂直方向の高周波成分であり、LHサブバンド係数は水平方向の高周波成分である。そこで、例えば、図3に示す各レベルのHLサブバンド係数を用いて垂直方向の高周波成分の多さを表す尺度としての高周波成分量Yvを(1)式により計算し、図3に示す各レベルのLHサブバンド係数を用いて水平方向の高周波成分の多さを表す尺度としての高周波成分量Yhを(2)式により計算する(ステップS500)。
【0079】
Yv = av・Σ|1HL| + bv・Σ|2HL| + cv・Σ|3HL|    (1)式
Yh = ah・Σ|1LH| + bh・Σ|2LH| + ch・Σ|3LH|    (2)式
ただし、av,bv,cv,ah,bh,chは0以上の定数である。
【0080】
ここでは、デコンポジション・レベル数が3の場合を想定しているが、レベル数が4以上又は2以下の場合にも同様の計算式によって高周波成分量を計算することができる。また、レベル1など一部のレベルのHL,LHサブバンド係数だけを用いることも可能である。また、計算式も変更し得る。
【0081】
なお、一般的に主要な被写体は画像の中央部分にあり、それ以外の被写体や背景はピントが合わないことが多い。したがって、本実施の形態において、高周波成分量の計算には画像の中央部分の所定領域に対応したウェーブレット係数だけを利用する。ただし、画像全体の係数を用いることを排除することを意図するものではない。
【0082】
このようにして算出される高周波成分量と手振れとの間には図11に示すような関係が認められる。手振れがない場合には、図11(d)のように、水平方向と垂直方向の高周波成分量Yh,Yvはいずれも大きく、その違いもそれほど大きくない。水平方向の手振れが生じた場合には、図11(a)のように水平方向の高周波成分量Yhが手振れのない場合に比べ大きく減少する。垂直方向の手振れが生じた場合には、図11(b)に示すように垂直方向の高周波成分量Yvが大きく減少する。斜め方向の手振れが生じた場合には、図11(c)のように高周波成分量Yh,Yvがともに減少する。このような性質に着目し、以下の手順によって手振れの方向及び手振れ量を検出する。
【0083】
まず、算出した高周波成分量の小さいほうの値(Yv又はYh)と、その最大値(Yvmax又はYhmax)との差(Yvmax−Yv又はYhmax−Yh)が所定値TH1より小さいか調べる(ステップS502)。なお、各方向の高周波成分量の最大値は、使用されるイメージセンサ104の特性から決定することができる。その差がTH1より小さいときは、水平方向、垂直方向の高周波成分量の最大値からの落ち込みが少ないので、一定量を超える手振れはないと判定する(ステップS506)。
【0084】
その差がTH1以上ならば、一定量を超える手振れがあると判断されるので、手振れ方向を知るため、大きいほうの高周波成分量の小さいほうの高周波成分量に対する比(Yv/Yh又はYh/Yv)が所定値TH2を超えるか調べる(ステップS504)。その比がTH2を超えるときには、高周波成分量の小さいほうの方向(水平又は垂直)の一定量以上の手振れがあると判定する(ステップS508)。ステップS504で比がTH2以下であるときには、斜め方向の手振れがあると判定する(ステップS510)。いずれの場合でも、例えばステップS502で計算した差(Yvmax−Yv又はYhmax−Yh)、あるいは、その差を最大値(Yvmax又はYhmax)で除した値を手振れ量として検出する。
【0085】
なお、水平方向と垂直方向の手振れだけを検出するのであれば、ステップS504を省き、高周波成分量が小さい方向を手振れ方向として検出してもよく、そのような態様も本発明に包含される。
【0086】
《検出モード2》 このモードにおける手振れ検出の内容を図10を参照して説明する。
【0087】
このモードでは、レリーズボタン126が押下される前のアイドリング中においても、システムコントローラ122は、画像プロセッサ110からアイドリング画像データを画像圧縮/伸長部116へ入力し、画像圧縮/伸長部116で2次元ウェーブレット変換処理を実行させるように制御し、得られたHL,LHサブバンド係数を用いて、前記(1)式及び(2)式により垂直方向及び水平方向の高周波成分量を計算し一時的に保存する(ステップS602,S603)。ただし、アイドリング画像データは、レリーズボタン126の押下に応答した静止画撮影画像データに比べ、垂直方向に1/4又は1/8に間引きされることが多いため、前記(1)式の係数av,bv,cvの値を変更することにより、静止画撮影画像データの場合と等価な垂直方向の高周波成分量を算出する。水平方向にも間引きが行われる場合には、前記(2)式の係数ah,bh,chの値も変更する。
【0088】
レリーズスイッチ126が押下されると(ステップS600,Yes)、手振れ検出処理を行う(ステップS606)。このステップS606では図9に示した処理を行うが、垂直、水平方向の高周波成分量の最大値Yvmax,Yhmaxとして、直前のアイドリング画像より算出された垂直、水平方向の高周波成分量を用いる。
【0089】
手振れは一般にレリーズボタン押下操作により生じ、モニタリング時には生じにくいため、レリーズボタン押下直前のモニタリング画像のウェーブレット係数から手振れの影響のない高周波成分量を算出できる。また、被写体によって高周波成分量に違いがあるが、モニタリング画像のウェーブレット係数により算出された高周波成分量には被写体の高周波成分量が反映される。したがって、本モードによれば、被写体による高周波成分量の違いに左右されることなく、より的確な手振れ検出が可能である。
【0090】
なお、ステップS606において高周波成分量の計算には画像の中央領域のウェーブレット係数だけを利用する場合には、ステップS602においても同じ中央領域のウェーブレット係数だけを用いる。
【0091】
また、ステップS606内のステップS502(図9)において、ステップS500で求めた水平、垂直方向の高周波成分量の大小関係と、モニタリング画像データについて求められた水平、垂直方向の高周波成分量の大小関係とを比較し、大小関係が変わらないときに手振れ無しと判定し、大小関係が逆になっているときに手振れがあると判定し、ステップS504の処理に進むような手振れ検出アルゴリズムも可能であり、これも本発明に包含される。
【0092】
なお、画像データに対し3以上の複数方向のウェーブレット変換を行い、得られたウェーブレット係数から3以上の方向の高周波成分量を算出し、それに基づいて3以上の方向の手振れ検出を行うことも可能であり、そのような態様も本発明に包含される。ただし、2次元ウェーブレット変換により水平、垂直方向の高周波成分量を算出して手振れ検出を行う前述の手振れ検出アルゴリズムは、JPEG2000準拠の画像圧縮アルゴリズムの過程で生成されるウェーブレット係数をそのまま利用できる点で有利である。
【0093】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、撮像装置の大型化、重量増加、コストアップの要因となる加速度センサや結像位置を光学的に移動させる機構などを装備することなく、手振れを検出して警告を発したり、手振れによる画質劣化を目立たなくする処理を行うことができる。後者の処理は、撮像装置が一般に装備しているエッジ強調処理手段や画像圧縮処理手段を利用するため、そのための別段のコストも要しない。画像圧縮処理のためのウェーブレット変換手段を手振れ検出に利用できるため、手振れ検出に関連したコストも少ない。静止画撮影画像データの直前のモニタリング画像データの方向別高周波成分量も静止画撮影画像データの手振れ検出に利用することにより、方向によって高周波成分が大きく相違するような被写体を撮影した場合にも確実な手振れ検出が可能になる。記録媒体への手振れ画像データの記録を抑止し、画質の悪い手振れ画像データによる記録媒体容量の無用な消費を防ぐことができる。手振れ画像データにマーキング情報を付加することにより、画質の悪い手振れ画像データの削除又は符号量削減の処理を容易に自動化することができる、等々の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図2】JPEG2000の画像圧縮アルゴリズムを説明するためのブロック図である。
【図3】デコンポジション・レベル数が3のウェーブレット変換の説明図である。
【図4】符号データの構造の説明図である。
【図5】静止画記録動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図6】静止画記録動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図7】静止画記録動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図8】静止画記録動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図9】手振れ検出処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図10】手振れ検出処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図11】手振れと方向別高周波成分量との関係を説明するための図である。
【符号の説明】
102 撮像光学系
104 イメージセンサ
106 アナログ信号処理部
108 アナログ・デジタル変換部
110 画像プロセッサ
112 表示装置
114 メモリ
116 画像圧縮/伸長部
118 記録再生処理部
120 記録媒体
122 システムコントローラ
124 操作部
126 レリーズボタン
202 2次元ウェーブレット変換/逆変換部

Claims (23)

  1. 静止画撮影機能を有する撮像装置であって、
    静止画撮影された画像データのウェーブレット変換を行うウェーブレット変換手段と、前記ウェーブレット変換により得られたウェーブレット係数から方向別の高周波成分量を算出し、算出した方向別の高周波成分量に基づいて画像データの手振れ検出を行う手振れ検出手段とを有することを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1記載の撮像装置において、前記ウェーブレット変換手段は2次元ウェーブレット変換を行い、前記手振れ検出手段は前記2次元ウェーブレット変換により得られたHLサブバンド係数から水平方向の高周波成分量を、LHサブバンド係数から垂直方向の高周波成分量をそれぞれ算出し、算出した各方向の高周波成分量に基づいて少なくと水平方向及び垂直方向の手振れを検出することを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項1記載の撮像装置において、前記手振れ検出手段は画像の中心領域に対応するウェーブレット係数のみを高周波成分量の算出に用いることを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項1記載の撮像装置において、静止画撮影された画像データの直前に撮影されたモニタリング画像データに対しても前記ウェーブレット変換手段によりウェーブレット変換を行い、前記手振れ検出手段はモニタリング画像データのウェーブレット係数から方向別の高周波成分量を算出し、算出した方向別の高周波成分量も静止画記録された画像データの手振れ検出に利用することを特徴とする撮像装置。
  5. 前記手振れ検出手段により手振れが検出された場合に警告を発するための手段を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  6. 静止画撮影された画像データをJPEG2000準拠の画像圧縮アルゴリズムにより圧縮する画像圧縮処理手段を有し、前記ウェーブレット変換手段は前記画像圧縮処理手段に含まれるウェーブレット変換手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の撮像装置。
  7. 前記手振れ検出手段によりある方向の手振れが検出された画像データに対する前記画像圧縮処理の当該手振れの方向の圧縮率を下げる制御を行う手段を有することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
  8. 請求項7記載の撮像装置において、前記制御を行う手段は、手振れ方向の圧縮率を下げる程度を前記手振れ検出手段により検出された手振れ量に応じて調整することを特徴とする撮像装置。
  9. 静止画撮影された画像データのエッジ強調処理を行う手段と、前記手振れ検出手段によりある方向の手振れが検出された画像データに対する前記エッジ強調処理の当該手振れの方向のエッジ強調を強める制御を行う手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の撮像装置。
  10. 請求項9記載の撮像装置において、前記制御を行う手段は、手振れの方向のエッジ強調を強める程度を前記手振れ検出手段により検出された手振れ量に応じて調整することを特徴とする撮像装置。
  11. 前記手振れ検出により手振れが検出された画像データに手振れに関するマーキング情報を付加する手段を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載の撮像装置。
  12. 前記手振れ検出手段により手振れが検出された画像データの記録を抑止する手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の撮像装置。
  13. 撮像装置によって撮影された画像データのウェーブレット変換を行って方向別の高周波成分量を求め、その方向別の高周波成分量に基づいて手振れを検出することを特徴とする手振れ検出方法。
  14. 請求項13記載の手振れ検出方法において、画像データの2次元ウェーブレット変換を行い、得られたHLサブバンド係数から水平方向の高周波成分量を、LHサブバンド係数から垂直方向の高周波成分量をそれぞれ算出し、算出した各方向の高周波成分量に基づいて少なくとも水平方向及び垂直方向の手振れを検出することを特徴とする手振れ検出方法。
  15. 請求項13記載の手振れ検出方法において、画像の中心領域に対応するウェーブレット係数のみを手振れ検出に利用することを特徴とする手振れ検出方法。
  16. 請求項13記載の手振れ検出方法において、手振れ検出の対象となる画像データの手振れ検出に、当該画像データの直前に撮影された画像データの方向別の高周波成分量も利用することを特徴とする手振れ検出方法。
  17. 請求項14記載の手振れ検出方法による処理を実行するためのプログラム。
  18. 撮像装置によって撮影された画像データに対する圧縮処理を含む画像処理方法において、
    画像データのウェーブレット変換を行って方向別の高周波成分量を算出し、算出した方向別の高周波成分量に基づいて画像データの手振れ検出を行い、
    ある方向の手振れが検出された場合には、圧縮処理の当該手振れ方向の圧縮率を下げることを特徴とする画像処理方法。
  19. 請求項18記載の画像処理方法において、手振れ方向の圧縮率を下げる程度を前記手振れ検出により検出された手振れ量に応じて調整することを特徴とする画像処理方法。
  20. 撮像装置によって撮影された画像データに対するエッジ強調処理を含む画像処理方法において、
    画像データのウェーブレット変換を行って方向別の高周波成分量を算出し、算出した方向別の高周波成分量に基づいて画像データの手振れ検出を行い、
    ある方向の手振れが検出された場合には、エッジ強調処理の当該手振れ方向のエッジ強調を強めることを特徴とする画像処理方法。
  21. 請求項20記載の画像処理方法において、手振れ方向のエッジ強調を強める程度を前記手振れ検出により検出された手振れ量に応じて調整することを特徴とする画像処理方法。
  22. 請求項18乃至21のいずれか1項記載の画像処理方法による処理を実行するためのプログラム。
  23. 請求項17又は23記載のプログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
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