JP2004031381A - 半導体製造装置及びその診断装置ならびに半導体製造装置の運用システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原材料を処理して半導体を形成する本体と、この本体が行う動作の情報を所定のデータとして記録する記録手段と、前記本体と遠隔した箇所に設けられ、前記データを利用して前記本体の動作を演算してシミュレートする演算手段のシミュレートした結果を表示する表示手段とを備えた半導体製造装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体の製造装置とこれをメンテナンス,保守するシステムおよび半導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体を製造する製造装置では、従来は、装置にエラーや不具合等といった異常あるいはトラブルが発生した場合には、装置の操作者(オペレータ)または装置の駆動を管理している部署等にブザーや通信手段等を用いて報知することが行われていた。さらに、その装置を製造した企業や納入した企業あるいはこれを保守,メンテナンスする企業、こうしたサービスを提供する企業に、不具合やエラー等の異常の発生が通知される。すると、上記装置のオペレータや技術者が連絡された異常の情報を調べて、可能であれば装置の点検して原因を調べ修復作業を行う。
【0003】
あるいは、高度に専門的な知識に基づいた判断が必要となるような箇所,重要な部分に関する異常に対しては、企業や担当企業,部署の専門のサービス員等が納入先に出向いて装置を調査,点検していた。そして、その結果を製造した企業の設計,製造等の担当部署,メンテナンスする企業の担当部署やサービス部署等へ連絡,報告した上で、検討した結果決められた手順,手段に基づいて装置の修復作業を行うものであった。
【0004】
しかしながら、半導体を製造するために装置が設置された箇所は、国内外を問わず広く点在しており、これらの装置相互の位置は、メンテナンスやサービスを行うための部署単一では、人員の移動時間が大きく、迅速な対応を提供することが実質上できない程度に距離が離れていることが多くなっている。また、納入先とサービスを行う部署,装置を設計,製造する箇所との距離も大きく、このような状態では、半導体の製造装置が設置された箇所に十分迅速な対応をすることが困難となっていた。
【0005】
また、対応するために設置箇所に人員が到着した際にも、異常に適切に対応することが困難となっていた。なぜなら、上記人員が装置を調査した時点は、異常の発生から時間が、少なくとも移動の時間だけ経たものであり、装置の状態を的確に判定することが難しかった。さらには、装置の状態を通信手段を介して装置の設計,製造担当部署に対し完全に連絡,報告して伝達することは難しく、情報の不正確さから適正な対応の方針を検討して導くことが難しかった。
【0006】
このような問題点に対して、装置側と対策の判断側との間に設けられた通信手段を介して、装置に生じたエラーや故障,トラブルといった異常の情報を装置側から受け、これに対する対処手段,手順等の対策を装置側に発信し装置側で受けるという構成が考えられており、このような技術の例は、特開平7−282146号公報(従来技術1)や特開平10−21079号公報(従来技術2)に記載されている。これら従来技術では、通信手段としてLAN(Local Area Network)等のネットワークを用い、エラー等の異常の情報の報知や、判断された対策方法,手順等の発受信を行っている。
【0007】
特に、特開平7−282146号公報(従来技術1)では、ウエハセンサやピッチセンサ等の検出手段で装置内の各ユニットの動作タイミングを検出し、このタイミングが許容範囲外となった場合に異常と判断して、装置を管理する計算機に警告を与えるものである。また、この計算機に通信手段(ネットワーク)を介して接続されたワークステーション上のエキスアートシステムでは、上記異常を判断されたI/0の番号と異常コードとを含む警告を受けて、故障箇所の特定,対処方法を診断結果として上記装置を管理する計算機に送信し、故障の候補,対処方法のペアとして表示手段上に表示する。
【0008】
また、特開平10−21079号公報では、半導体製造装置の異常が発生した場合に、所定のデータ形式を有するアラームコードが通信ネットワークを介して発信され、このネットワークに接続されこの装置の故障診断をする計算機で受信されるように構成された故障診断装置が開示されている。この計算機には、アラームコードから異常の原因と対処方法とを推論するためのルールが記憶されており、上記アラームコードを受けて異常原因と対処方法とが推論される。さらに、診断装置に設けられた表示装置により、異常原因および対処方法の診断結果に対応したメッセージが表示されるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術は、半導体製造装置とこの装置の異常を診断するための計算機とが通信手段(LAN)で接続されており、異常が発生した際に通信手段を介して報知する。さらに、この計算機が異常の原因,箇所を分析し対処方法を演算して選択,算出する。この診断結果を計算機側の表示手段、または半導体装置に送信して装置側の表示手段で表示させるものである。
【0010】
しかしながら、上記の従来技術は、異常の状態や原因の判断は計算機により演算されるもので、特に従来技術2では予め定められたルールに則って診断が行われるものである。つまり、これらの従来技術では、異常の通知を受けた装置の担当者が、装置の状態や異常の原因等を容易に把握,判断可能なように、装置に関する情報を提供する点については、考慮されていない。
【0011】
上記計算機による診断を行うには、通常、診断の根拠となる異常の症状と原因との関係やルールについての知識を体系化して随時再利用できるよう記憶装置等に記憶されていなければならない。これら知識の入手や体系化には、熟練した技術者やサービス員といった人員の経験,知識が蓄積されていることが必要である。また、動作や処理手順の仕様毎で異なる異常の原因を判定する上で必要な知識は、装置を実際に運用しつつ蓄積することが必要であるが、長期間に亙ることが通常である。このような知識を得る上では、上記人員が異なる各型毎に半導体製造装置の動作やプロセスについての知識を正確に得ることができる装置についての情報を提供する手段が求められる。また、異常が発見されると装置は停止されるか動作が制限されるので、装置を稼働させる効率を向上させるためにも原因の判定に必要な知識をより短時間で入手することが必要となるが、これらの点については、上記従来技術では考慮されていなかった。
【0012】
また、半導体製造装置では、一般に、原材料を処理する上で複数の動作が必要となるので、異常が発生した時点で行っていた動作だけが直接的な原因であると判断することは難しい。特に、複数種類のガスや加工のための物質を使用して、原材料を処理する半導体の製造装置では、装置が異常と判断される状態に至る原因には装置内の動作が相互に関連している場合がある。こうした半導体装置では、単一動作の情報だけでなく、他の動作を含め複数の動作の関連も含めて異常の原因を判断すること望ましい。そして、異常の原因を正確に判定するには、装置の各動作の相互の影響の大小を評価できることが重要となる。また、同様に、単一の動作についても、時間が前後して行われる動作の複数が異常に影響を与えている場合でも、短時間だけ、例えば異常が生じた時刻の前後短時間のみ動作に関したセンサから出力された情報を表示しても、原因を正確に判断することが困難となっていた。
【0013】
上記の従来技術では、このような点に鑑みて、使用者が装置の状態,異常の原因を容易に判断,判定可能なように情報を提供する手段については、考慮されていなかった。このため、使用者が正確に装置の異常の原因や状態を判断することができずに装置の停止や補修の時間が増大し、ひいては製造装置の稼働率が低下して半導体の製造コストが増大することにつながっていた。
【0014】
また、このような半導体装置の異常の原因をより正確に判定する、あるいは異常を発生した装置の状態を判断するには、装置を実際に異常が発生した条件で動作させて検証することが望ましい。しかしながら、異常の発生が発信あるいは通知されて装置が停止している場合には、装置を再度動作させることは困難であり、また、装置を再度動作させることが可能でも発生が通知された異常と正確に同じ異常が生じる条件を再現することが難しいため、装置の動作を正確に検証することができず、異常の原因の判定の正確さを損なってしまうという問題があった。
【0015】
さらに、装置の保守,補修を担当する部署が遠隔地にある場合には、このような検証を担当する人員が移動する間は装置を正常に稼働させることができないことになる。このような従来の装置では、保守,補修を担当する部署,人員が遠隔地にある場合に、装置の異常の原因を短時間で正確に判断することができず、このため装置を稼働する効率が低下して、半導体の製造コストに増大につながってしまうという問題があった。
【0016】
以上のように、従来技術では、使用者が、異常が生じた装置の状態や原因の把握,特定を短時間で正確に行える手段については考慮されていなかった。
【0017】
このため、上記従来技術では、異常の原因が特定されるまでの時間が長く必要となり、装置を効率的に運用することができなかった。この時間を短縮しようとして、装置が設置された箇所に近い場所に担当部署を増加たり、装置に保守,補修の担当人員を配置したりして必要な人員の移動時間を短縮しても、人員のコストが増大して結局は装置の運用効率を悪化させてしまうことになる。つまり、異常が発生する半導体装置を効率良く運用するために必要な手段,システムについて、上記従来技術では十分に考慮されていなかった。特に、工場等複数の装置が設置されている箇所で、これらの装置の集合を効率良く運用するという点については考慮されていなかった。
【0018】
本発明の目的は、使用者が装置の状態や異常の原因を正確に、また短時間で判断可能な半導体の製造装置およびその診断装置を提供することにある。
【0019】
本発明の別の目的は、使用者が装置と遠隔した箇所にいても、装置の状態や異常の原因を正確に、また短時間で判断可能な半導体の製造装置およびその診断装置を提供することにある。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、半導体の製造装置の保守,修理に要する人員や時間を削減し、効率良く装置を運用することのできる半導体製造装置の運用システムを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、原材料を処理して半導体を形成する本体と、この本体が行う動作の情報を所定のデータとして記録する記録手段と、前記本体と遠隔した箇所に設けられ、前記データを利用して前記本体の動作を演算してシミュレートする演算手段のシミュレートした結果を表示する表示手段とを備えた半導体製造装置により達成される。
【0022】
また、原材料を処理して半導体を形成する半導体製造装置が行う動作の情報が所定のデータとして記録された記録手段と通信手段を介して接続され、前記半導体製造装置と遠隔した箇所に設けられ、前記データを利用して前記半導体製造装置の動作を演算してシミュレートする演算手段の前記シミュレートした結果を表示する表示手段とを備えた半導体製造装置の診断装置により達成される。
【0023】
また、原材料を処理して半導体を形成する半導体製造装置が行う動作の情報を所定のデータとして提供する提供者から前記データを通信手段を介して受信する受信機能と、前記データを利用して前記半導体製造装置の動作を演算してシミュレートする演算手段の前記シミュレートした結果を表示する表示機能と、前記結果を前記提供者に送信する送信機能とを備えた半導体製造装置用プログラムにより達成される。
【0024】
また、原材料を処理して半導体を形成する半導体製造装置が行う動作の情報を所定のデータとして提供する提供者から前記データを通信手段を介して受信する受信手段と、前記データを利用して前記半導体製造装置の動作を演算してシミュレートする演算手段の前記シミュレートした結果を表示する表示手段とを備え、前記半導体製造装置の使用者からの要求に応じて前記データを受信して前記シミュレートした結果に基づく前記半導体装置の診断の結果を前記半導体製造装置の使用者に提供する半導体製造装置の運用システムにより達成される。
【0025】
さらには、前記データが前記半導体製造装置に異常が生じた時点の情報を含み、前記演算手段が前記半導体製造装置の前記異常が生じた動作をシミュレートすることにより達成される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半導体製造装置とその遠隔運用システムの実施例について、図面を用いて説明する。
【0027】
図1は、本発明に係る半導体製造装置およびその遠隔運用システムの構成の概略を説明する図である。
【0028】
本発明に係る半導体製造装置100は、半導体の製造装置本体101と、これに接続されこの装置の制御装置である装置制御用マイコン102と、この装置制御用マイコン102に通信手段を介して接続された装置本体101の動作を操作するための操作手段となる操作用端末機(計算機,パソコン等)103とを備えている。半導体製造装置100が納入され設置される箇所としては、例えば事業所(工場)110のクリーンルーム105が挙げられる。
【0029】
このクリーンルーム105内で、本発明に係る半導体装置の運用システムのサーバである装置使用者側の操作用端末機103は、そのクライアントとなる装置が行った動作の記録情報を保存するための手段となる動作記録(ログ)用端末機104と、TCP/IP等の通信プロトコルで通信を行う通信手段111bを介して接続されている。
【0030】
この構成により、装置動作記録用端末機104は、端末機103から送られてくる装置の動作の情報を受けて、内蔵されていないが記録手段に記録する。この動作の情報としては、装置が行った動作,装置に設けられたセンサの出力,装置の内部、あるいは装置内外との情報や指令の授受,装置が行った処理や手順等に関する情報と、これらが発生した時刻とを含み、これらが関連付けられて記憶されている。例えば、センサ出力が時刻情報と関連付けられ、センサの出力が時系列データとして取り出すことが可能となっている。
【0031】
この他、使用者が所望した複数の種類のデータを組合せて一つのデータ,グラフとして表示できるように保存しても良い。これらの情報が、装置のログとして保存される。
【0032】
本実施例では、半導体製造装置本体101の上記情報を、装置の動作している間、予め定められた間隔で継続的に取得し、通信し、記憶している。装置の動作ログを保存,記録する手段は、この装置動作記録用端末機104でなくとも、半導体製造装置の一部分である端末機103であっても、装置内に設けられた磁気ディスクや磁気テープ等の記録手段であってもよい。
【0033】
また、装置の動作記録用端末機104は、工場110内に配設された通信手段111c、例えばLAN(イントラネット等)で接続されこの工場から離れた箇所(例えば、装置の使用者である企業の製造担当部署のオフィス)にある、遠隔診断用端末機107と通信を可能に設けられている。
【0034】
また、この遠隔診断用端末機107,半導体製造装置の制御用マイコン102,操作用端末機103等は、通信手段111a,b,cを介して、広域のネットワーク等の通信手段(WAN)112に接続され、この広域の通信手段112と同様に接続されたネットワークを介して装置を製造して企業に提供した装置提供者側のオフィス113に設けられた提供者用の遠隔診断用端末機114と通信を
可能に設けられている。
【0035】
このように本実施例の半導体製造装置および半導体の運用システムは、通信手段111,112とこれらにより接続され遠隔した箇所にあるマイコン102,端末機103,104,107,114等とを有し、上記通信手段を介して端末の操作手段の間で情報を送受信できるので、装置から遠隔した箇所にいる使用者は、装置の状態や異常に関する情報や装置への指令を発信,受信することが可能である。
【0036】
以下に、装置の設置箇所である工場110のクリーンルーム105内の半導体製造装置100でエラー等の異常が発生した場合に、工場等のオフィス106内に設置された遠隔診断用端末機107を使用して異常の原因を判定する方法例を示す。
【0037】
半導体製造装置で異常、例えばエラーが検出された場合、エラーの発生原因が不明な際は、装置100の保守を行う担当者が、工場110のオフィス106内にある遠隔診断用端末機107を利用し本実施例の運用システムを用いてエラーの原因を判定する。本発明は、通常のエラーだけでなく、装置が原因不明で停止する等の不具合の場合にも使用できる。
【0038】
装置の使用者である工場110内の装置の保守担当者は通信手段111cであるLAN(イントラネット)を経由してTCP/IPプロトコルやNetBUEIプロトコル等を使用してFTPやファイル共有で装置動作記録用端末機104内の上記装置の動作情報を遠隔診断用端末機107へ受信し、この端末機107内の記憶手段、例えばメモリや磁気ディスク上に記録して保持する。上記の通り、動作記録用端末機104の記憶手段上の情報には、装置の動作情報として、例えば装置の入出力手段(IO)の状態,装置内に配置され半導体ウエハを収納して保持するカセットの状態の情報,エラー情報や装置で発生したイベント情報等が含まれている。また、この保存場所は、フラッシュメモリや小型磁気ディスク,リムーバブルディスク等の着脱自在な媒体を有する記録手段でもよい。
【0039】
装置ログのファイルが遠隔診断用端末機107で受信して保存されると、リモートモニタ手段により半導体製造装置の動作状況等を、上記装置ログファイル内の情報を用いて、遠隔診断用端末機上でシミュレートして再現することができる。本実施の例では、装置の使用者は、リモートモニタ手段を構成するソフトウェアを用いて、装置ログファイルの情報から各IO情報の状態,ウエハのカセットへの積載の状態,ウエハの搬送の状態等、所望の情報を端末機107等の端末の操作手段に設けられた画面上に表示して半導体製造装置の動作の再現を行って、視覚的に装置の動作を装置の使用者に情報を提示することが出来る。
【0040】
本実施例において、この装置の動作のログファイルには、装置の動作した履歴が残っており、例えば装置のIO情報やエラー情報なども含まれている。この装置動作ログを装置診断ソフトウェアであるリモートモニタソフトに読ませることにより、装置動作ログに収められている情報を視覚的に表示する。
【0041】
装置メーカはこのリモートモニタソフトで装置動作を再現させ、装置トラブル例えば発生したエラーの日時やエラー内容等を知ることが出来る。上記エラーが発生した付近のIO情報をグラフ表示,装置イベント情報の表示等により、装置の使用者やメンテナンスの担当者、あるいは診断の依頼を受けた装置の製造企業の担当者は、不具合のある部品やセンサ類を推測することが出来る。また、自動診断機能により、発生したエラーに対する不具合である可能性のある部品やセンサ類を表示できる。このように推定,特定できた不具合原因を最寄りのサービス員もしくは直接半導体生産工場の保守員に連絡することにより原因を解決することが可能となる。
【0042】
リモートモニタ手段を構成するソフトウェアにより、遠隔診断用端末機107に備えられたモニタ等の表示手段に表示される画面の例を図2に示す。図2は、図1に示す実施例に係る半導体製造装置および運用システムの表示手段に表示される画面を示す図である。
【0043】
この図において、リモートモニタソフトの画面は半導体製造装置本体101のイメージ図201,エラー情報の表示部(領域)202,装置に設けられたセンサが検出した出力のセンサ状態表示部,ウエハカセットの状態の表示部(領域)207,ウエハマッピングの情報の表示部(領域)208などで構成される。半導体製造装置のイメージ図201には、ウエハの存在個所や搬送ロボットの状態(動作,位置)、あるいは処理室状態表示領域209に示されるように、各処理室の状態、例えばウエハの有無や行われている各種類の処理が表示される。
【0044】
センサ状態の表示部には、装置に配置されたセンサからの出力、例えば、主要IO情報表示部(領域)210のように各処理室の主要な機器のIO情報が表示されたり、また、グラフ描画画面表示ボタン205が選択されることでセンサの出力データが時系列のグラフとして表示される。カセット状態表示部(領域)
207には、カセット載荷の有無やカセット置き台の状態情報などが表示される。また、ウエハマッピング情報表示部(領域)208には、カセット置き台に置かれてマッピングされているカセット内の各ウエハの情報、例えばウエハ枚数やウエハの各段毎の有無などが表示される。
【0045】
図4に本実施例の遠隔診断手段であるリモートモニタソフトウェアにおける、装置の動作の再現中に表示されるエラー表示部のエラーの例を示す。図4(a)は、図2に示すエラー表示部(領域)201を示し、この図のエラー表示欄では、エラーの検出日時,エラーコード,エラーの種類等の情報が示され、これにより診断手段を使用する者に、エラーと判断された理由を表示することができる。さらに、上記表示欄をマウス等のポインタで選択するとエラーに関する詳細な情報が表示されるようにしても良い。図4(b)にこの詳細なエラーの情報が示された状態を示している。
【0046】
このように詳細な情報を提供することで、異常に関する分析,診断を詳細に行うことができる。これらのエラー内容や詳細メッセージは、装置で発生するメッセージ内容と同一のものであることが好ましい。このように、本実施例では、異常の発生を受けて、装置の使用者,管理,メンテナンスの担当者が、装置の異常の範囲を考慮して、表示させる情報を選択することができるようにしている。
【0047】
図5にリモートモニタソフト上から再生する装置ログファイルを選択する画面構成例を示す。この図に示すように、本実施例の画面では、ログファイルを記憶させている磁気ディスク等の記憶手段を選択するデバイス表示ウィンドウ501と、選択された記憶手段におけるファイルシステム上の場所を選ぶファイルシステム表示ウィンドウ502とが表示されている。さらに、このファイルシステム上のログファイルの一覧を表示するファイル一覧表示ウィンドウ503が表示されており、これらのウィンドウやボックス上でマウス等の画面ポインタを使用して、所望の記憶手段やファイルを選択することができる。
【0048】
本実施例では、この保存した装置ログファイルを選択し、画面下部に表示された「PLAY」のボタンを選択することで、使用者が異常の情報の提示を受けて、使用者が原因を判定する上で表示を所望するログファイルを指定することができ、表示させる情報を選択することができる。選択された装置のログファイルは、リモートモニタソフトウェアにより読み込まれ、ログファイルに含まれる情報が読み込まれるにつれて図2に示す画面上で表示される。またこの再生機能は読み込み速度選択リストボックスで速度選択後、読み込み速度変更ボタンを押すことにより再現速度を変化させることが出来る。また装置ログファイル内の任意の場所から再生する機能も有する。選択されたログファイルの読み込みは、
「PAUSE」ボタンを選択することで一時的に停止され、「STOP」ボタンを選択することでそのファイルの読み込みを中止させることができる。
【0049】
また、上記装置のログファイルは、所定の規則に則って記載することで、予め定められたソフトウェアで編集が可能にすることができる。例えば、任意のログファイルに記載された装置の条件等を変更して新規のログファイルとして記憶させ、この新ログファイルを上記リモートモニタソフトに読み込ませるようにしても良い。このようにすると、実際の装置と異なる条件下での装置の動作をシミュレートすることもできる。
【0050】
装置ログファイル内には、半導体製造装置100で発生したエラーの情報が含まれており、半導体製造装置で発生したエラー内容や発生タイミングも再現することが出来る。この再現により、使用者は、生じたエラーの内容,理由等をより明確に把握することが可能となり、装置から遠隔した箇所に居てエラーの発生を通知された半導体製造装置の保守,補修の担当者にも装置の状態や異常の原因をより正確に短時間で判定することが可能となる。
【0051】
また、遠隔した箇所に居る装置の管理担当者や保守,補修担当者は、異常が発生して時間を経て後に装置の異常を通知されて装置の状態や異常原因を判定せざるを得ない場合が多いが、時間を経た状態では異常が発生した装置の状態,条件から変化している場合もある。本実施例の構成によれば、このような場合でも、ソフト上で装置の異常が発生した状態,条件を再現させて得ることができ、従来よりもより正確に短時間で異常発生前後および現在の装置の状態や異常の原因を判定することが可能となる。
【0052】
また、図5の下部に示すように再現する際の条件として、エラー発生時に再現を停止、つまりソフトウェア上で装置を停止させる場合と、エラー発生しても停止させず再現(動作)させる場合とを選択することができる。推定される原因の箇所により両者を選択することで、異常の原因や装置の状態の判定の正確性や迅速さを向上させることができる。
【0053】
また、装置の状態や異常の原因を判定するには、装置の動作や異常の発生を検証したり、条件を変えて動作させて検証することが、正確な判定をする上で有利となる。しかし、このような半導体製造装置では、異常が発生した後に装置を再度動作させることが困難である場合がある。例えば、装置は異常の発生時に停止させられていて、処理ガスや電源,装置内の温度等の条件を整えて再起動するまでに時間が必要となる。また、異常の発生により装置にダメージが生じている場合には、再動作をさせることは、再度ダメージを装置に生じる虞がある。
【0054】
本実施例では、ソフトウェア上で異常の動作を再現し、これを繰り返すことができるので、上記ダメージを発生させたり、装置の再起動を行うまでの時間を削減することができ、上記判定の正確さや迅速さを向上させることができる。また、装置を異なる条件で動作させた場合の動作シミュレーションを行うことで、実際の異常を発生した動作と比較することができ、異常の原因をより正確に、より迅速に判定することができる。
【0055】
またリモートモニタソフトは図6に示すように半導体製造装置内でウエハが移動した情報や装置の各種イベント情報を表示する機能を有する。表示領域には各種イベント情報の発生日時,発生個所,イベント名が表示できる。またウエハ移動情報の表示領域には発生日時,移動したウエハ番号,ウエハの移動元と移動先が表示できる。各種イベント情報は発生個所を選択し、選択された個所のイベントのみを表示する機能も有する。これによりウエハの移動情報やオペレータによる装置の操作などの履歴がわかる。
【0056】
さらに、本実施の例では、エラーの発生個所を特定できるように、リモートモニタソフトは装置のIO情報を図7に示すようにグラフ描画することが出来るウィンドウを有する。図7は、図1に示す実施例に係るリモートモニタソフトウェアにおける装置の入出力情報(IO情報)のグラフの画面を示す図である。この図において、700はIOデータの表示を行うウィンドウである。また、701は表示するIOの名称および動作を示す欄である。702は、各データの表示を拡大,縮小するためのボタンである。703a〜cは、表示されたIOデータを示している。
【0057】
拡大縮小ボタン702の選択により、上記IO情報グラフを拡大・縮小が可能となっている。複数のIO情報を同時表示,エラーが発生した瞬間にログを停止しグラフも描画を停止することが出来るため、エラーが発生した瞬間のIO情報を表示することが可能である。またIO情報をグラフ表示するために容易に選択できるようにIOの種別(アナログかデジタルか)、表示したいIO情報の所属部位で絞り込みが出来るようになっている。
【0058】
このように、本実施例では、同一の期間で複数のセンサからの出力を同時に表示可能に構成されているので、使用者は相互に異なるデータを比較することができる。さらに、異常の発生時のIOデータが表示され、特には、異常と判断された現象の発生時にデータの表示が停止されるので、使用者は、異常の発生した前後期間で異常やその原因となる現象が生じているデータに集中することができ、異常の原因や装置の状態の把握をより早く正確に行うことができる。特定の期間を拡大して表示させることができるので、使用者は装置の状態をより精密に把握することができ、原因の判定をより正確に行うことができる。
【0059】
さらに、リモートモニタソフトは装置のIO情報を図8に示すように装置の部品毎あるいは機能毎にデジタルIO,アナログIOを表示することが出来る。このウィンドウをIOテーブルと呼ぶ。IOテーブルは装置の出力信号(アウトプット)表示領域と装置への入力信号(インプット)表示領域に大きく分かれている。また、このIOテーブルはIOの種類(アナログかデジタルか),IO情報の固有番号,IO情報の値,IO情報の名称,IO情報の値の説明から構成される。
【0060】
また、本実施例の遠隔した箇所からの装置の診断を行うリモートモニタソフトウェアでは、図9に示すように、図6に示した装置の各動作(イベント)を示す画面や図7に示した装置に設けられたセンサを出力のグラフ画面や、図8に示したIOの状態の表示画面等を、図2に示した画面と同時に表示することができる。また不要な画面は消去したり最小化したり画面の裏側へ隠すことも可能である。
【0061】
このように構成することにより、上記複数の画面に表示された情報を同一の画面上で相互に照会することができ、同一の或いは異なるログファイルの読み込みや動作の再現に伴う変化を比較しつつ装置の動作を評価したり検討したりすることができるので、異常の原因や装置の状態の判定をより正確に、迅速に行うことができる。これにより、装置の異常の原因に対する対策手段、例えば処理の手順,条件の変更や装置の運転や保守の手順といった情報を、装置の運転担当者や保守やメンテナンスの担当者に、上記通信手段を介して通知することができる。
【0062】
さらに、判定された装置の異常の原因、あるいはこの異常の原因に対する対策手段の情報を、特定の端末機(例えば、端末機103,104,107)に接続された記憶手段に閲覧可能に記憶させておき、以後の異常が検出された際に異常原因や対策の判定にこれを利用することで、より正確で迅速な異常の原因や状態の把握を行える。
【0063】
これまでは、半導体製造装置を納入して設置した工場や事業所内で、装置が設置された箇所(例えばクリーンルーム等)と装置の状態や異常の原因を評価,判定する担当者が居る箇所(例えば、オフィス)とが遠隔している場合に、リモートモニタソフトを使用した例を示した。このような場合は、装置が設置された場所と保守,補修担当の人員が配置されている箇所とは、同一の工場の敷地内であっても、建物が離れていたり同一の建物内で階が異なっていたりする場合に相当する。上記の実施例に示した半導体装置や運用システムによる作用効果は、装置の設置箇所と装置の保守や異常の原因を判定して対策するための人員が配置されている箇所、例えば半導体装置を提供し設置した企業やメンテナンスを担当する企業のオフィスが同一の敷地外にあって移動に長い時間が掛かり、各者に配設された端末機が広域の通信手段(ネットワーク)により接続されている場合でも同様に奏することができる。以下に、上記の運用システムを装置の提供者が使用する場合について図1を用いて説明する。
【0064】
半導体製造装置100の製造者,提供者は、装置を納入あるいは設置した工場110や企業から、または装置の管理やメンテナンスを担当する担当者、あるいはサービスを行う部署,企業からエラーや装置の不具合といった異常の発生の連絡がなされた場合、装置の設置箇所から遠隔した箇所、例えば提供者のオフィスやメンテナンスを行う担当者の居る部署のオフィス(113)等から遠隔診断運用システムを構成するリモートモニタソフトウェアを使用して上記異常の原因や装置の状態を判定する。
【0065】
例えば、装置提供者は提供者側の遠隔診断用端末機114からインターネット等の広域通信手段112を利用して工場110内に設置された半導体製造装置
100と工場内通信手段111cを介して通信し、上記異常が発生した時点の動作の記録を含む装置の動作記録(ログファイル)を受信する。なお、この使用者側の内部通信用の通信手段111c上には、広域通信手段112を介した通信を行うためのルータ108が設けられている。例えば、半導体製造装置100に備えられた装置の動作記録用端末機104内に設けられた記憶手段に記憶,記録されたログファイルを端末機104と交信して、この端末機104からのログファイルの送信を受信する。上記記憶手段は、装置100の外部、例えば上記工場110のオフィス106に配置された記録手段や使用者側遠隔診断用端末機107に備えられた記憶手段であっても良い。
【0066】
この際に、第三者に上記装置のログファイルに含まれる内容の情報が公開されないように通信にセキュリティを設ける。上記広域通信手段112と、使用者側の内部用の通信手段111cあるいは装置提供者側の内部オフィス113内の通信手段111dとの間にはファイアウォール109といった工場110やオフィス106外部と内部との通信を制限する手段を配置している。インターネット等の広域通信手段は性質上公衆網であるため、例えばVPN(Virtual Private
Network )技術等を用いてセキュリティを確保する。また、情報自体を例えば公開鍵暗号方式や共通鍵暗号方式を使用して暗号化してもよい。
【0067】
さらに、半導体製造装置100の動作の記録を、特定の端末機とこれと通信可能に設けられた記憶手段に記憶させ、上記装置使用者側である工場110やオフィス106内の端末機103,104,107や、装置提供者側オフィス113内の端末機114が、通信手段111,112を介して、通信して装置ログファイルを受信,閲覧可能にしても良い。この際、第三者への装置ログファイル内の情報の公開を制限するため、上記したセキュリティを確保する技術を利用することができる。また、こうした装置の動作記録を行う端末機を装置提供者側のオフィス113等に設け、装置使用者側の端末機104の記憶手段に記憶された動作記録を、所定の間隔毎に受信してできるだけ104側と同一の装置の動作記録が記録されるようにしてもよい。上記した異常の原因や対策の情報についても同様に、特定の端末機及びこれと通信可能な記憶手段に閲覧可能に記憶させておいても良い。
【0068】
半導体製造装置の提供者は、上記装置ログファイルを取得後、使用者側のオフィス113内においてリモートモニタソフトウェアを用いて異常の発生した装置のログファイルから装置の動作をシミュレートして再現することができる。提供者は、この再現した装置の動作またはログファイルに記載された装置の状態のデータから、装置の異常の原因やエラーの発生箇所あるいは異常の発生した原因等を判定する。
【0069】
このように本実施例に説明した半導体製造装置及び運用システムを用いることで、半導体製造装置の使用者,提供者の双方で上記の遠隔した箇所からの装置の診断、例えば異常の原因や装置の状態の判定を行うことができる。
【0070】
また、複数の半導体製造装置について上記ログファイル等の動作の記録を記憶させ、これら複数の半導体製造装置の間で、異常の状態と原因や状態の判定の結果との関係、あるいはこの対策に関する情報を共有し、あるいは複数の装置使用者の間でこの情報を上記通信手段を介して配布することもできる。
こうすることで、同一の型式や同様の処理手順で装置を使用している一方の使用者が、他の使用者の装置で生じた異常に関する装置の情報を利用して装置の保守,点検や対策を行うことができるので、異常の発生により装置が停止して半導体の生産効率が低下してしまうことを未然に抑制して半導体装置の稼働効率を向上し、ひいては半導体デバイスの製造コストを低減することができる。
【0071】
次に、これまで説明した本発明に係る半導体製造装置の運用システムの流れを図3を用いて説明する。図3は、本発明に係る半導体製造装置及び半導体製造装置の運用システムの流れの概要を示す図である。この図では、本発明に係る装置の設置箇所(企業,工場等)とこの装置の保守,補修して運用のサービスを提供するサービス提供社との間の関係を示している。この図において、この運用システムの参加者は、半導体製造装置を設計,製造して上記工場,企業等307に納入,設置した装置の提供者306と、装置の設置された箇所(例えばクリーンルーム)において装置を運転する運転者301,この装置の設置箇所において保守や管理を行う管理者304,これらの間で装置の運用に必要な情報を仲介して双方に提供する装置情報仲介者(サーバ)305が含まれる。
【0072】
これらは、装置の使用者301と装置の運用サービスの提供者302とに、あるいは工場等の装置の設置場所307とこの場所外から装置の運用サービスを提供する外部運用サービス308とに分けて考えることもできる。さらに、装置の運用のアドバイスや対策の情報を提供する情報提供源310と、装置管理者304に対して、この装置情報を集約して提供するサービス309とに分けることもできる。上記情報仲介者305は、単一の企業でなくとも、複数の通信を中継する企業であっても、情報提供者(情報サーバ)309と、これと装置提供者306,装置管理者304とを接続する複数の通信中継者であってもよい。これらの間は、上記したようにネットワーク手段等の通信手段により相互が接続されており、この通信手段を介して装置の動作情報,異常の発生の情報等が必要に応じて入手可能であり、共有可能となっている。
【0073】
この運用システムの運用の流れは、装置の運転者301が装置を運転すると装置の運転の情報が所定のデータとして装置に備えられた記憶手段内に記録され、装置ログファイルとなる。また、この動作情報は上記したように装置から遠隔した箇所(オフィス等)に居る装置の管理者304の端末機あるいは記憶手段に、通信手段を介して送受信され、記録される。さらには、この装置の提供者306の居所,オフィス、或いは装置の運用ための情報仲介者305,情報サーバ309に設けられた端末機や記憶手段上に記録されていても良い。
【0074】
装置運転者303が装置を運転中に、エラーや不具合等の異常が発生した場合には、この発生が装置の管理者304,装置の情報サーバ309,装置の提供者306(装置の情報提供源310)とに、通信手段を介して報知,通知される。
【0075】
異常が報知されると、装置の管理者304、あるいは装置提供者306または装置情報提供者310は、装置動作情報(装置ログファイル)を各記録箇所から通信手段等を介して入手する。動作記録情報を入手すると、装置の提供者306,情報源310は、上述した遠隔診断手段を用いて装置の異常の原因や装置の状態を判定し、これに基づいて原因に対する対策を提示する。この提示された対策は、通信手段を介して情報サーバ309,装置管理者304或いは直接装置運転者303に、提供される。
【0076】
この対策情報を用いて、装置の管理者304,運転者303あるいは装置の提供者が直接、実際の補修,調整等を行う。これが終了後、装置の運転者303側で原因と対策とを対応させて所定のデータにした原因−対策情報のデータを、例えば装置に備えられた記録手段等に記録する。この原因−対策情報のデータも、通信手段を介して、装置管理者304,装置情報サーバ309,装置提供者306(装置情報源310)に送信され、記録される。
【0077】
このような構成にすることで、装置の情報が運用システムの参加者間で共有され、参加している装置に異常が発生した場合や、処理の手順や条件等の装置情報が新しくされた場合等、正確で迅速な対応が必要な場合に、装置の異常の発生が未然に抑制され、装置が停止している時間や装置が安定して稼働するまでの、いわゆる立上げの時間が短縮され、装置の運用の効率が向上する。
【0078】
また、他の装置使用者からの動作情報を、装置情報サーバ309から入手可能に構成しても良い。例えば、他の装置使用者の装置に異常が生じた場合や、その原因が判定され対策が提示された場合等の、異常の内容,判定された原因とその対策の情報が、要求に応じて配布され入手することができるようにする。このような構成により、他の使用者が動作させた装置の情報を活用して、他の装置で発生し使用者301の装置でも発生する可能性のある異常に対応して、未然にこれを抑制する、防止することが可能となる。
【0079】
図10は半導体製造装置でエラーが発生した場合のエラー原因を推定する画面を示している。この図においては、発生したエラーの原因が可能性の高い順に例えばセンサ名称などで列記される。この表示は、予めエラー毎に可能性の高さの情報を有するエラー原因リストを作成して所定の記憶手段に記憶させておいたものを転送して表示手段上に表示してもよい。また、このエラー原因リストは、エラーの原因が判明した度に、表示されるエラーとエラー原因とを、上記設置場所における装置の担当者あるいは装置メーカ側のメンテナンスやエラー対策の担当者が、装置に設置された端末や通信手段を介して、予め作成されたリストに追加することにより、可能性順位を自動的に変更し保存する方法でもよい。例えば、任意のエラーの情報に対する原因の発生回数,頻度に応じて可能性の順位が、演算機等により決定されるようにする。
【0080】
以上のように上記の実施例によれば、使用者が装置の状態や異常の原因を正確に、また短時間で判断可能な半導体の製造装置およびその診断装置を提供できる。
【0081】
また、使用者が装置と遠隔した箇所にいても、装置の状態や異常の原因を正確に、また短時間で判断可能な半導体の製造装置およびその診断装置を提供できる。
【0082】
また、半導体の製造装置の保守,修理に要する人員や時間を削減し、効率良く装置を運用することのできる半導体製造装置の運用システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体製造装置およびその遠隔運用システムの構成の概略を説明する図である。
【図2】図1に示す実施例に係る半導体製造装置および運用システムの表示手段に表示される画面を示す図である。
【図3】図1に示す実施例に係る半導体製造装置及び半導体製造装置の運用システムの実施例における指令や情報の流れの概要を示す図である。
【図4】図1に示す本実施例に係る遠隔診断手段であるリモートモニタソフトウェアにおける、装置の動作の再現中にエラー表示部の画面に表示されるエラーの例を示す図である。
【図5】図1に示す本実施例に係る遠隔診断手段であるリモートモニタソフトにおいて、再生される装置ログファイルを選択する画面の構成例を示す図である。
【図6】図1に示す実施例に係る遠隔診断手段であるリモートモニタソフトにおいて、半導体製造装置内でウエハが移動した情報や装置の各種イベント情報の画面への表示例を示す図である。
【図7】図1に示す実施例に係るリモートモニタソフトウェアにおける、装置の入出力情報(IO情報)のグラフの画面を示す図である。
【図8】図1に示す実施例に係るリモートモニタソフトウェアにおける、装置の部品毎あるいは機能毎にデジタルIO,アナログIOを表示する画面への表示例を示す図である。
【図9】図1に示す実施例に係るリモートモニタソフトウェアにおける、表示手段に表示される画面を示す図である。
【図10】図1に示す実施例に係るリモートモニタソフトウェアにおける、半導体製造装置でエラーが発生した場合に画面に表示されるエラー原因の例を示す図である。
【符号の説明】
100…半導体製造装置、101…半導体製造装置本体、102…装置制御用マイコン、103…装置使用者側操作用端末機、104…装置の動作記録用端末機、105…クリーンルーム、106…装置使用者側オフィス、107…使用者側遠隔診断用端末機、108…ルータ、109…ファイアウォール、110…工場(事業所)、111…通信手段(ネットワーク)、112…広域通信手段(広域ネットワーク)、113…提供者側オフィス、114…提供者用遠隔診断用端末機、201…エラー表示領域、202…半導体製造装置イメージ、203…装置ログ選択画面表示ボタン、204…IOテーブル表示画面表示ボタン、205…グラフ描画画面表示ボタン、206…装置イベント表示画面表示ボタン、207…カセットステータス表示領域、208…ウエハマッピング情報表示領域、209…処理室状態表示領域、210…主要IO情報表示領域、501…デバイス表示ウィンドウ、502…ファイルシステム表示ウィンドウ、503…ファイル一覧表示ウィンドウ、504…読み込み速度選択リストボックス、505…読み込み速度変更ボタン。
Claims (8)
- 原材料を処理して半導体を形成する本体と、この本体が行う動作の情報を所定のデータとして記録する記録手段と、前記本体と遠隔した箇所に設けられ、前記データを利用して前記本体の動作を演算してシミュレートする演算手段のシミュレートした結果を表示する表示手段とを備えた半導体製造装置。
- 原材料を処理して半導体を形成する半導体製造装置が行う動作の情報が所定のデータとして記録された記録手段と通信手段を介して接続され、前記半導体製造装置と遠隔した箇所に設けられ、前記データを利用して前記半導体製造装置の動作を演算してシミュレートする演算手段の前記シミュレートした結果を表示する表示手段とを備えた半導体製造装置の診断装置。
- 原材料を処理して半導体を形成する半導体製造装置が行う動作の情報を所定のデータとして提供する提供者から前記データを通信手段を介して受信する受信機能と、前記データを利用して前記半導体製造装置の動作を演算してシミュレートする演算手段の前記シミュレートした結果を表示する表示機能と、前記結果を前記提供者に送信する送信機能とを備えた半導体製造装置用プログラム。
- 原材料を処理して半導体を形成する半導体製造装置が行う動作の情報を所定のデータとして提供する提供者から前記データを通信手段を介して受信する受信手段と、前記データを利用して前記半導体製造装置の動作を演算してシミュレートする演算手段の前記シミュレートした結果を表示する表示手段とを備え、
前記半導体製造装置の使用者からの要求に応じて前記データを受信して前記シミュレートした結果に基づく前記半導体装置の診断の結果を前記半導体製造装置の使用者に提供する半導体製造装置の運用システム。 - 前記データが前記半導体製造装置に異常が生じた時点の情報を含み、前記演算手段が前記半導体製造装置の前記異常が生じた動作をシミュレートする請求項1に記載の半導体製造装置。
- 前記データが前記半導体製造装置に異常が生じた時点の情報を含み、前記演算手段が前記半導体製造装置の前記異常が生じた動作をシミュレートする請求項2に記載の半導体製造装置の診断装置。
- 前記データが前記半導体製造装置に異常が生じた時点の情報を含み、前記演算手段が前記半導体製造装置の前記異常が生じた動作をシミュレートする請求項3に記載の半導体製造装置用プログラム。
- 前記データが前記半導体製造装置に異常が生じた時点の情報を含み、前記演算手段が前記半導体製造装置の前記異常が生じた動作をシミュレートする請求項4に記載の半導体製造装置の運用システム。
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