JP2004031223A - リチウム二次電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水溶液電解液を含有し,高温度条件下においても安定な充放電サイクル特性を有し,製造コストの低いリチウム二次電池及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液からなるリチウム二次電池1において,上記正極活物質はリチウムを含有してなり,上記水溶液電解液は,リチウムを含有しておらず,後に充電を行うことによって上記正極活物質からリチウムを取り出し含有するように構成されている。また,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液からなるリチウム二次電池において,上記正極活物質はリチウムを含有してなり,上記水溶液電解液は,充電を行う前の初期状態においてはリチウムを含有しておらず,電池の充電を少なくとも1回以上行うことにより上記正極活物質からリチウムを上記水溶液電解液に取り出し含有してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液からなるリチウム二次電池1において,上記正極活物質はリチウムを含有してなり,上記水溶液電解液は,リチウムを含有しておらず,後に充電を行うことによって上記正極活物質からリチウムを取り出し含有するように構成されている。また,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液からなるリチウム二次電池において,上記正極活物質はリチウムを含有してなり,上記水溶液電解液は,充電を行う前の初期状態においてはリチウムを含有しておらず,電池の充電を少なくとも1回以上行うことにより上記正極活物質からリチウムを上記水溶液電解液に取り出し含有してなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は,水溶液電解液を含有するリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来技術】
非水系電解液を用いた非水系のリチウム二次電池は,高電圧でエネルギー密度が高く,また小型・軽量化が図れることから,パソコン,携帯電話等の携帯情報端末等を中心に情報機器,通信機器の分野で実用が進み,広く一般に普及するに至っている。また他の分野では,環境問題,資源問題から電気自動車の開発が急がれる中,非水系のリチウム二次電池を電気自動車用電源として用いることが検討されている。
【0003】
しかし,上記非水系のリチウム二次電池は,電解液として有機溶媒等の非水系電解液を含有しており,過充電や短絡等により引火,爆発の危険性を有している。そのため,高温度条件下での使用を余儀なくされる上記電気自動車の電源等として用いることが懸念されている。
【0004】
また,上記非水系のリチウム二次電池は,その製造工程において徹底したドライ環境を維持する必要があるため,製造コストが高くなってしまうおそれがある。そのため,特に電気自動車用の二次電池をにらんだ将来の量産化に対応しにくく,価格的にもきわめて高価になってしまうという問題があった。
【0005】
一方,電解液として水溶液電解液を用いた水系のリチウム二次電池がある。この水系のリチウム二次電池は,上記非水系のリチウム二次電池が有する上記問題に対して非常に有利である。即ち,水系のリチウム二次電池は,上記有機溶媒を含有していないため,非常に燃え難い。また,上記ドライ環境を必要としないため,製造コストを低くすることができる。さらに,一般的に水溶系電解液は,非水系電解液に比べて導電性が高い。そのため,上記水系のリチウム二次電池は,非水系のリチウム二次電池に比べて内部抵抗が低くなるという利点がある。
【0006】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の水系のリチウム二次電池は,高温度環境下において,充放電を繰り返すことにより,放電容量が初期の容量よりも著しく低下するという問題があった。また,上記従来の水系のリチウム二次電池は,その製造工程において,水溶液電解液内のリチウム濃度を厳密に調整する工程が必要である。そのため,製造工程が煩雑になり,製造コストが高くなるという問題がある。
【0007】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,水溶液電解液を含有し,高温度条件下においても安定な充放電サイクル特性を有し,製造コストの低いリチウム二次電池及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
第1の発明は,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含むリチウム二次電池において,
上記正極活物質はリチウムを含有してなり,
上記水溶液電解液は,リチウムを含有しておらず,後に充電を行うことによって上記正極活物質からリチウムを取り出し含有するように構成されていることを特徴とするリチウム二次電池にある(請求項1)。
【0009】
上記第1の発明のリチウム二次電池においてもっとも注目すべき点は,上記水溶液電解液は,リチウムを含有しておらず,後に充電を行うことによって上記正極活物質からリチウムを取り出し含有するように構成されていることである。
そのため,上記リチウム二次電池は,高温度条件下においても安定な充放電サイクル特性を有し,製造コストの低いものとなる。
【0010】
この理由は次のように考えられる。
上記リチウム二次電池は,充電を行う前の初期状態においてはリチウムを含有していない。このリチウム二次電池を充電すると,1回目の充電の初期段階において,水溶液電解液中のリチウムイオン不足により,上記正極活物質から不可逆的にリチウムイオンが放出される。このリチウムイオンの放出により,水溶液電解液中のリチウムイオン濃度が最適化され,上記リチウム二次電池の実質的充放電範囲が最適な状態で自動的に決定される。そのため,上記リチウム二次電池は,充放電を繰り返して使用してもその容量が変化し難くなり,安定性に優れたものとなる。
【0011】
また,上記第1の発明のリチウム二次電池は,上記従来のリチウム二次電池のように電解液中のリチウム濃度を調整する必要がない。そのため,その製造を容易にすることができ,コストを低下させることができると共に,上記リチウム二次電池の量産を可能なものとすることができる。
【0012】
第2の発明は,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含むリチウム二次電池において,
上記正極活物質はリチウムを含有してなり,
上記水溶液電解液は,充電を行う前の初期状態においてはリチウムを含有しておらず,充電を少なくとも1回以上行うことにより上記正極活物質からリチウムを上記水溶液電解液に取り出し含有してなることを特徴とするリチウム二次電池にある(請求項2)。
【0013】
第2の発明のリチウム二次電池は,上記第1の発明のリチウム二次電池を少なくとも1回以上充電して,上記正極活物質からリチウムを上記水溶液電解液に取り出してなる。
そのため,上記リチウム二次電池は,水溶液電解液中に最適な濃度でリチウムイオンを含有する。それ故,上記リチウム二次電池の実質的充放電範囲が最適化されている。
したがって,上記第2の発明のリチウム二次電池は,高温度条件下においても安定な充放電サイクル特性を示すことができる。
【0014】
また,上記第2の発明のリチウム二次電池は,上記第1の発明と同様に,水溶液電解液中のリチウムイオン濃度を調整する必要がない。そのため,上記リチウム二次電池はその製造が簡単でコストが低下し,量産に適したものになる。
【0015】
第3の発明は,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含むリチウム二次電池を製造する方法において,
リチウムを含有する正極活物質からなる正極と,上記負極活物質からなる負極と,リチウムを含有しない水溶液電解液とを電池ケース内に入れ,
その後電池ケースを密閉した後,充電を少なくとも1回以上行うことにより,リチウムを上記正極活物質から上記水溶液電解液中に取り出し含有させることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法にある(請求項5)。
【0016】
上記第3の発明は,上記第2の発明のリチウム二次電池を製造する方法の一例である。
上記第3の発明においては,リチウムを含有しない水溶液電解液を用いている。そのため,従来のように,水溶液電解液中のリチウムイオンの濃度を厳密に調整するという煩雑な工程を必要とせず,簡単にリチウム二次電池を製造することができる。
【0017】
また,上記充電を少なくとも1回以上行うことにより,上記正極活物質からリチウムを上記水溶液電解液中に取り出し含有させている。そして,この充電時には,上記正極活物質から,実質的な充放電容量を決定する最適な濃度のリチウムイオンが水溶液電解液中に放出される。そのため,高温度条件下においても安定な充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池を製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明において,上記正極活物質はリチウムを含有するものであり,例えばLiFePO4,LiMn2O4,LiMnO2,LiCoO2,LiNiO2等がある。その他にも,上記正極活物質としては,Liと,Fe,Mn,Co,及びNi等の遷移金属元素との複合化合物がある。
【0019】
また,上記負極活物質は,リチウムを含有するものであっても,又はリチウムを含有しないものであっても良い。
リチウムを含有する負極活物質としては,例えばLiV2O4,LiV3O8等がある。
一方,リチウムを含有しない負極活物質としては,例えばリチウムイオンを吸蔵・脱離できる炭素物質がある。このような炭素物質としては,例えば天然あるいは人造の黒鉛,メソカーボンマイクロビーズ(MCMB),フェノール樹脂等の有機化合物焼成体,コークス等の粉状体等が挙げられる。上記炭素物質以外にも,上記負極活物質としては,例えばVO2,FeOOH等を用いることができる。
【0020】
また,上記水溶液電解液としては,リチウムを含有しない電解質を水に溶解させたものを用いることができる。このような電解質としては,例えばNH3NO3,NH3Cl等がある。なお,これらの電解質は,1種類又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
上記リチウム二次電池は,上記正極活物質よりなる正極,上記負極活物質よりなる負極,上記正極と負極との間に狭装されるセパレータ,上記正極と負極との間でリチウムイオンを移動させる上記水溶液電解液,及びこれらを収容する電池ケース等を主要構成要素として構成することができる。
【0022】
正極は,例えば上記正極活物質に導電材及び結着剤を混合し,適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを,アルミニウムなどの金属箔製の集電体の表面に塗布乾燥し,必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。
導電材は,正極の電気伝導性を確保するためのものであり,例えばカーボンブラック,アセチレンブラック,黒鉛等の炭素物質粉状体の1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
【0023】
結着剤は,活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり,例えばポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,フッ素ゴム等の含フッ素樹脂,或いはポリプロピレン,ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
これら活物質,導電材,結着剤を分散させる溶剤としては,例えばN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0024】
負極は,上記正極と同様に,例えば上記負極活物質に導電材及び結着剤を混合し,適当な溶媒を加えてペースト状にした負極合材を,金属箔集電体の表面に塗布,乾燥し,その後必要に応じてプレスして形成することができる。
【0025】
正極及び負極に狭装させるセパレータは,正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり,例えばポリエチレン,ポリプロピレン,セルロース等の薄い微多孔膜を用いることができる。
【0026】
また,上記リチウム二次電池の形状としては,例えばコイン型,円筒型,角型等がある。上記電池ケースとしてはこれらの形状に対応したものを用いることができる。
【0027】
次に,上記第1の発明(請求項1)及び第2の発明(請求項2)において,上記水溶液電解液は,リチウムイオンと塩を構成することができるアニオンを含有することであることが好ましい(請求項3)。
この場合には,初回の充電反応を円滑に行うことができる。
このようなアニオンとしては,例えば硝酸イオン,塩化物イオン,水酸化物イオン,硫酸イオン等がある。
【0028】
次に,上記アニオンは,硝酸イオンであることが好ましい(請求項4)。
この場合には,この場合には,上記リチウム二次電池の充放電容量を向上させることができる。
【0029】
また,上記第3の発明(請求項5)において,上記水溶液電解液は,リチウムイオンと塩を構成することができるアニオンを含有することが好ましい(請求項6)。
この場合には,上記請求項3と同様の効果を得ることができる。
【0030】
次に,上記上記アニオンは,硝酸イオンであることが好ましい(請求項7)。
この場合には,上記請求項4と同様の効果を得ることができる。
【0031】
【実施例】
次に,本発明の実施例につき図1及び図2を用いて説明する。
本例では,本発明の実施例としてのLiを含有しない水溶液電解液を含有するリチウム二次電池(試料E1)と,比較用としてのLiを含有する水溶液電解液を含有する2種類のリチウム二次電池(試料C1及びC2)を作製し,その特性を評価する。
本例の実施例としてのリチウム二次電池(試料E1)は,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含有している。上記正極活物質はリチウムを含有してなる。そして,上記水溶液電解液は,充電を行う前の初期状態においてはリチウムを含有しておらず,充電を少なくとも1回以上行うことにより上記正極活物質からリチウムを上記水溶液電解液に取り出し含有してなる。
【0032】
まず,正極活物質としてのLiFePO4及び負極活物質としてのLiV2O4を以下の方法により準備する。
シュウ酸鉄・二水和物(FeC2O4・2H2O),リン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4),水酸化リチウム(LiOH・H2O)を1:1:1のモル比で自動乳鉢を用いて30分間混合した。この混合物をアルゴン雰気流中で温度350℃にて5時間仮焼し,再び自動乳鉢を用いて30間混合した。その後さらにアルゴン雰気流中で温度650度にて6時間焼成し,焼成後の混合物を解砕して,正極活物質を得た。
【0033】
次に,炭酸リチウム(Li2CO3),五酸化バナジウム(V2O5)を1:2のモル比で自動乳鉢を用いて20分間混合した。その後,この混合物100重量部に対して,炭素粉末であるケチェンブラック(東海カーボン株式会社製,TB−5500)を2重量部添加し,さらに自動乳鉢を用いて20分間混合した。その後,炭素粉末を混合した混合物をアルゴン雰気流中で温度750℃にて24時間焼成した。焼成後,直ちに急冷し混合物を解砕して負極活物質としてのLiV2O4を得た。
【0034】
次に,上記正極活物質及び負極活物質を用いて,図1に示すごとく,本例のリチウム二次電池1としての2016型コインセルを作製する。
本例のリチウム二次電池1の製造方法は,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含有するリチウム二次電池1を製造する方法である。リチウムを含有する正極活物質からなる正極2と,上記負極活物質からなる負極3と,リチウムを含有しない水溶液電解液中とを電池ケース11内に入れる。その後電池ケース11を密閉した後,充電を少なくとも1回以上行うことにより,リチウムを上記正極活物質から上記水溶液電解液中に取り出し含有させてなる。
【0035】
以下,詳細に説明する。
まず,上記正極活物質としてのLiFePO470wt%,導電材としてのカーボンを25wt%,及び結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)5wt%とを混合し混合粉末を得た。この混合粉末10mgを予めコインセルの内側に溶接したメッシュ上に約0.6ton/cm2で圧着して正極を作製した。
また,上記正極と全く同様にして,上記負極活物質を用いて負極を作製した。
【0036】
次に,図1に示すごとく,この正極2と負極3とを,セルロース系のセパレータ4により隔てる形で電池ケース11内に配置した。
そして,上記電池ケース11内の端部にガスケット5を配置し,さらに上記電池ケース11内に上記水溶液電解液としての濃度5mol/リットルのNH3NO3水溶液を適量注入して含浸させた。続いて,封口板12を配置し,電池ケース11の端部をかしめ加工することにより,電池ケース11を密封して,リチウム二次電池1を作製した。これを試料E1とした。
【0037】
また,本例では,上記水溶液電解液としてのNH3NO3水溶液の代わりに,Liを含有する水溶液電解液としての,濃度5mol/リットルのLiNO3水溶液,又は濃度5mol/リットルのLiCl水溶液を用いて2種類のリチウム二次電池を作製し,それぞれ試料C1,試料C2とした。なお,試料C1及び試料C2は,水溶液電解液の種類を変えた点を除いては,上記試料E1と同様のものである。
【0038】
次に,上記のようにして得られた3種類の電池E1,C1及びC2について,温度60℃における充放電サイクル試験を行った。
上記充放電サイクル試験は,電池の実使用温度範囲の上限と目される60℃の温度条件下にて,充電電流密度0.5mA/cm2の定電流で充電上限電圧1.4Vまで充電を行い,次いで,放電電流密度0.5mA/cm2の定電流で放電下限電圧0.1Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし,このサイクルを合計30サイクル行うものとした。そして,各サイクル毎に,それぞれの電池(E1,C1,及びC2)の放電容量を測定した。
【0039】
上記放電容量は,上記各サイクル毎の放電電流値(mA)を測定し,この放電電流値に放電に要した時間(hr)を乗じて得られた値を,電池内の正極活物質の重量(g)で除することにより算出した。
その結果を図2に示す。
【0040】
図2は,横軸にサイクル数,縦軸に放電容量(mAh/g)をとったものである。そして,同図には,水溶液電解液としてNH3NO3水溶液を用いて構成した電池をE1,LiNO3水溶液を用いて構成した電池をC1,またLiCl水溶液を用いて構成した電池をC2として示した。
図2より知られるごとく,上記試料E1のリチウム二次電池は,30回のサイクルを繰り返した後も50mAh/g以上という高い放電容量を維持しており,高温度下における充放電サイクル特性に優れていた。
【0041】
一方,試料C1のリチウム二次電池は,初期放電容量は,上記試料E1よりも優れているものの,30回のサイクルを繰り返した後には,上記試料E1の放電容量よりも低くなっている。このことから,上記試料E1は試料C1よりもサイクル試験の安定性に非常に優れていることがわかる。
また,試料C2のリチウム二次電池は,サイクル数が10回を超えたところで,放電容量が初期放電容量の半分以下になっており,安定性に大きな問題があることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例にかかる,リチウム二次電池の構成を示す断面説明図。
【図2】実施例にかかる,リチウム二次電池のサイクル特性を示す説明図。
【符号の説明】
1...リチウム二次電池,
2...正極,
3...負極,
4...セパレータ,
【技術分野】
本発明は,水溶液電解液を含有するリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来技術】
非水系電解液を用いた非水系のリチウム二次電池は,高電圧でエネルギー密度が高く,また小型・軽量化が図れることから,パソコン,携帯電話等の携帯情報端末等を中心に情報機器,通信機器の分野で実用が進み,広く一般に普及するに至っている。また他の分野では,環境問題,資源問題から電気自動車の開発が急がれる中,非水系のリチウム二次電池を電気自動車用電源として用いることが検討されている。
【0003】
しかし,上記非水系のリチウム二次電池は,電解液として有機溶媒等の非水系電解液を含有しており,過充電や短絡等により引火,爆発の危険性を有している。そのため,高温度条件下での使用を余儀なくされる上記電気自動車の電源等として用いることが懸念されている。
【0004】
また,上記非水系のリチウム二次電池は,その製造工程において徹底したドライ環境を維持する必要があるため,製造コストが高くなってしまうおそれがある。そのため,特に電気自動車用の二次電池をにらんだ将来の量産化に対応しにくく,価格的にもきわめて高価になってしまうという問題があった。
【0005】
一方,電解液として水溶液電解液を用いた水系のリチウム二次電池がある。この水系のリチウム二次電池は,上記非水系のリチウム二次電池が有する上記問題に対して非常に有利である。即ち,水系のリチウム二次電池は,上記有機溶媒を含有していないため,非常に燃え難い。また,上記ドライ環境を必要としないため,製造コストを低くすることができる。さらに,一般的に水溶系電解液は,非水系電解液に比べて導電性が高い。そのため,上記水系のリチウム二次電池は,非水系のリチウム二次電池に比べて内部抵抗が低くなるという利点がある。
【0006】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の水系のリチウム二次電池は,高温度環境下において,充放電を繰り返すことにより,放電容量が初期の容量よりも著しく低下するという問題があった。また,上記従来の水系のリチウム二次電池は,その製造工程において,水溶液電解液内のリチウム濃度を厳密に調整する工程が必要である。そのため,製造工程が煩雑になり,製造コストが高くなるという問題がある。
【0007】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,水溶液電解液を含有し,高温度条件下においても安定な充放電サイクル特性を有し,製造コストの低いリチウム二次電池及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
第1の発明は,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含むリチウム二次電池において,
上記正極活物質はリチウムを含有してなり,
上記水溶液電解液は,リチウムを含有しておらず,後に充電を行うことによって上記正極活物質からリチウムを取り出し含有するように構成されていることを特徴とするリチウム二次電池にある(請求項1)。
【0009】
上記第1の発明のリチウム二次電池においてもっとも注目すべき点は,上記水溶液電解液は,リチウムを含有しておらず,後に充電を行うことによって上記正極活物質からリチウムを取り出し含有するように構成されていることである。
そのため,上記リチウム二次電池は,高温度条件下においても安定な充放電サイクル特性を有し,製造コストの低いものとなる。
【0010】
この理由は次のように考えられる。
上記リチウム二次電池は,充電を行う前の初期状態においてはリチウムを含有していない。このリチウム二次電池を充電すると,1回目の充電の初期段階において,水溶液電解液中のリチウムイオン不足により,上記正極活物質から不可逆的にリチウムイオンが放出される。このリチウムイオンの放出により,水溶液電解液中のリチウムイオン濃度が最適化され,上記リチウム二次電池の実質的充放電範囲が最適な状態で自動的に決定される。そのため,上記リチウム二次電池は,充放電を繰り返して使用してもその容量が変化し難くなり,安定性に優れたものとなる。
【0011】
また,上記第1の発明のリチウム二次電池は,上記従来のリチウム二次電池のように電解液中のリチウム濃度を調整する必要がない。そのため,その製造を容易にすることができ,コストを低下させることができると共に,上記リチウム二次電池の量産を可能なものとすることができる。
【0012】
第2の発明は,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含むリチウム二次電池において,
上記正極活物質はリチウムを含有してなり,
上記水溶液電解液は,充電を行う前の初期状態においてはリチウムを含有しておらず,充電を少なくとも1回以上行うことにより上記正極活物質からリチウムを上記水溶液電解液に取り出し含有してなることを特徴とするリチウム二次電池にある(請求項2)。
【0013】
第2の発明のリチウム二次電池は,上記第1の発明のリチウム二次電池を少なくとも1回以上充電して,上記正極活物質からリチウムを上記水溶液電解液に取り出してなる。
そのため,上記リチウム二次電池は,水溶液電解液中に最適な濃度でリチウムイオンを含有する。それ故,上記リチウム二次電池の実質的充放電範囲が最適化されている。
したがって,上記第2の発明のリチウム二次電池は,高温度条件下においても安定な充放電サイクル特性を示すことができる。
【0014】
また,上記第2の発明のリチウム二次電池は,上記第1の発明と同様に,水溶液電解液中のリチウムイオン濃度を調整する必要がない。そのため,上記リチウム二次電池はその製造が簡単でコストが低下し,量産に適したものになる。
【0015】
第3の発明は,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含むリチウム二次電池を製造する方法において,
リチウムを含有する正極活物質からなる正極と,上記負極活物質からなる負極と,リチウムを含有しない水溶液電解液とを電池ケース内に入れ,
その後電池ケースを密閉した後,充電を少なくとも1回以上行うことにより,リチウムを上記正極活物質から上記水溶液電解液中に取り出し含有させることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法にある(請求項5)。
【0016】
上記第3の発明は,上記第2の発明のリチウム二次電池を製造する方法の一例である。
上記第3の発明においては,リチウムを含有しない水溶液電解液を用いている。そのため,従来のように,水溶液電解液中のリチウムイオンの濃度を厳密に調整するという煩雑な工程を必要とせず,簡単にリチウム二次電池を製造することができる。
【0017】
また,上記充電を少なくとも1回以上行うことにより,上記正極活物質からリチウムを上記水溶液電解液中に取り出し含有させている。そして,この充電時には,上記正極活物質から,実質的な充放電容量を決定する最適な濃度のリチウムイオンが水溶液電解液中に放出される。そのため,高温度条件下においても安定な充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池を製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明において,上記正極活物質はリチウムを含有するものであり,例えばLiFePO4,LiMn2O4,LiMnO2,LiCoO2,LiNiO2等がある。その他にも,上記正極活物質としては,Liと,Fe,Mn,Co,及びNi等の遷移金属元素との複合化合物がある。
【0019】
また,上記負極活物質は,リチウムを含有するものであっても,又はリチウムを含有しないものであっても良い。
リチウムを含有する負極活物質としては,例えばLiV2O4,LiV3O8等がある。
一方,リチウムを含有しない負極活物質としては,例えばリチウムイオンを吸蔵・脱離できる炭素物質がある。このような炭素物質としては,例えば天然あるいは人造の黒鉛,メソカーボンマイクロビーズ(MCMB),フェノール樹脂等の有機化合物焼成体,コークス等の粉状体等が挙げられる。上記炭素物質以外にも,上記負極活物質としては,例えばVO2,FeOOH等を用いることができる。
【0020】
また,上記水溶液電解液としては,リチウムを含有しない電解質を水に溶解させたものを用いることができる。このような電解質としては,例えばNH3NO3,NH3Cl等がある。なお,これらの電解質は,1種類又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
上記リチウム二次電池は,上記正極活物質よりなる正極,上記負極活物質よりなる負極,上記正極と負極との間に狭装されるセパレータ,上記正極と負極との間でリチウムイオンを移動させる上記水溶液電解液,及びこれらを収容する電池ケース等を主要構成要素として構成することができる。
【0022】
正極は,例えば上記正極活物質に導電材及び結着剤を混合し,適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを,アルミニウムなどの金属箔製の集電体の表面に塗布乾燥し,必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。
導電材は,正極の電気伝導性を確保するためのものであり,例えばカーボンブラック,アセチレンブラック,黒鉛等の炭素物質粉状体の1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
【0023】
結着剤は,活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり,例えばポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,フッ素ゴム等の含フッ素樹脂,或いはポリプロピレン,ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
これら活物質,導電材,結着剤を分散させる溶剤としては,例えばN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0024】
負極は,上記正極と同様に,例えば上記負極活物質に導電材及び結着剤を混合し,適当な溶媒を加えてペースト状にした負極合材を,金属箔集電体の表面に塗布,乾燥し,その後必要に応じてプレスして形成することができる。
【0025】
正極及び負極に狭装させるセパレータは,正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり,例えばポリエチレン,ポリプロピレン,セルロース等の薄い微多孔膜を用いることができる。
【0026】
また,上記リチウム二次電池の形状としては,例えばコイン型,円筒型,角型等がある。上記電池ケースとしてはこれらの形状に対応したものを用いることができる。
【0027】
次に,上記第1の発明(請求項1)及び第2の発明(請求項2)において,上記水溶液電解液は,リチウムイオンと塩を構成することができるアニオンを含有することであることが好ましい(請求項3)。
この場合には,初回の充電反応を円滑に行うことができる。
このようなアニオンとしては,例えば硝酸イオン,塩化物イオン,水酸化物イオン,硫酸イオン等がある。
【0028】
次に,上記アニオンは,硝酸イオンであることが好ましい(請求項4)。
この場合には,この場合には,上記リチウム二次電池の充放電容量を向上させることができる。
【0029】
また,上記第3の発明(請求項5)において,上記水溶液電解液は,リチウムイオンと塩を構成することができるアニオンを含有することが好ましい(請求項6)。
この場合には,上記請求項3と同様の効果を得ることができる。
【0030】
次に,上記上記アニオンは,硝酸イオンであることが好ましい(請求項7)。
この場合には,上記請求項4と同様の効果を得ることができる。
【0031】
【実施例】
次に,本発明の実施例につき図1及び図2を用いて説明する。
本例では,本発明の実施例としてのLiを含有しない水溶液電解液を含有するリチウム二次電池(試料E1)と,比較用としてのLiを含有する水溶液電解液を含有する2種類のリチウム二次電池(試料C1及びC2)を作製し,その特性を評価する。
本例の実施例としてのリチウム二次電池(試料E1)は,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含有している。上記正極活物質はリチウムを含有してなる。そして,上記水溶液電解液は,充電を行う前の初期状態においてはリチウムを含有しておらず,充電を少なくとも1回以上行うことにより上記正極活物質からリチウムを上記水溶液電解液に取り出し含有してなる。
【0032】
まず,正極活物質としてのLiFePO4及び負極活物質としてのLiV2O4を以下の方法により準備する。
シュウ酸鉄・二水和物(FeC2O4・2H2O),リン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4),水酸化リチウム(LiOH・H2O)を1:1:1のモル比で自動乳鉢を用いて30分間混合した。この混合物をアルゴン雰気流中で温度350℃にて5時間仮焼し,再び自動乳鉢を用いて30間混合した。その後さらにアルゴン雰気流中で温度650度にて6時間焼成し,焼成後の混合物を解砕して,正極活物質を得た。
【0033】
次に,炭酸リチウム(Li2CO3),五酸化バナジウム(V2O5)を1:2のモル比で自動乳鉢を用いて20分間混合した。その後,この混合物100重量部に対して,炭素粉末であるケチェンブラック(東海カーボン株式会社製,TB−5500)を2重量部添加し,さらに自動乳鉢を用いて20分間混合した。その後,炭素粉末を混合した混合物をアルゴン雰気流中で温度750℃にて24時間焼成した。焼成後,直ちに急冷し混合物を解砕して負極活物質としてのLiV2O4を得た。
【0034】
次に,上記正極活物質及び負極活物質を用いて,図1に示すごとく,本例のリチウム二次電池1としての2016型コインセルを作製する。
本例のリチウム二次電池1の製造方法は,正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含有するリチウム二次電池1を製造する方法である。リチウムを含有する正極活物質からなる正極2と,上記負極活物質からなる負極3と,リチウムを含有しない水溶液電解液中とを電池ケース11内に入れる。その後電池ケース11を密閉した後,充電を少なくとも1回以上行うことにより,リチウムを上記正極活物質から上記水溶液電解液中に取り出し含有させてなる。
【0035】
以下,詳細に説明する。
まず,上記正極活物質としてのLiFePO470wt%,導電材としてのカーボンを25wt%,及び結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)5wt%とを混合し混合粉末を得た。この混合粉末10mgを予めコインセルの内側に溶接したメッシュ上に約0.6ton/cm2で圧着して正極を作製した。
また,上記正極と全く同様にして,上記負極活物質を用いて負極を作製した。
【0036】
次に,図1に示すごとく,この正極2と負極3とを,セルロース系のセパレータ4により隔てる形で電池ケース11内に配置した。
そして,上記電池ケース11内の端部にガスケット5を配置し,さらに上記電池ケース11内に上記水溶液電解液としての濃度5mol/リットルのNH3NO3水溶液を適量注入して含浸させた。続いて,封口板12を配置し,電池ケース11の端部をかしめ加工することにより,電池ケース11を密封して,リチウム二次電池1を作製した。これを試料E1とした。
【0037】
また,本例では,上記水溶液電解液としてのNH3NO3水溶液の代わりに,Liを含有する水溶液電解液としての,濃度5mol/リットルのLiNO3水溶液,又は濃度5mol/リットルのLiCl水溶液を用いて2種類のリチウム二次電池を作製し,それぞれ試料C1,試料C2とした。なお,試料C1及び試料C2は,水溶液電解液の種類を変えた点を除いては,上記試料E1と同様のものである。
【0038】
次に,上記のようにして得られた3種類の電池E1,C1及びC2について,温度60℃における充放電サイクル試験を行った。
上記充放電サイクル試験は,電池の実使用温度範囲の上限と目される60℃の温度条件下にて,充電電流密度0.5mA/cm2の定電流で充電上限電圧1.4Vまで充電を行い,次いで,放電電流密度0.5mA/cm2の定電流で放電下限電圧0.1Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし,このサイクルを合計30サイクル行うものとした。そして,各サイクル毎に,それぞれの電池(E1,C1,及びC2)の放電容量を測定した。
【0039】
上記放電容量は,上記各サイクル毎の放電電流値(mA)を測定し,この放電電流値に放電に要した時間(hr)を乗じて得られた値を,電池内の正極活物質の重量(g)で除することにより算出した。
その結果を図2に示す。
【0040】
図2は,横軸にサイクル数,縦軸に放電容量(mAh/g)をとったものである。そして,同図には,水溶液電解液としてNH3NO3水溶液を用いて構成した電池をE1,LiNO3水溶液を用いて構成した電池をC1,またLiCl水溶液を用いて構成した電池をC2として示した。
図2より知られるごとく,上記試料E1のリチウム二次電池は,30回のサイクルを繰り返した後も50mAh/g以上という高い放電容量を維持しており,高温度下における充放電サイクル特性に優れていた。
【0041】
一方,試料C1のリチウム二次電池は,初期放電容量は,上記試料E1よりも優れているものの,30回のサイクルを繰り返した後には,上記試料E1の放電容量よりも低くなっている。このことから,上記試料E1は試料C1よりもサイクル試験の安定性に非常に優れていることがわかる。
また,試料C2のリチウム二次電池は,サイクル数が10回を超えたところで,放電容量が初期放電容量の半分以下になっており,安定性に大きな問題があることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例にかかる,リチウム二次電池の構成を示す断面説明図。
【図2】実施例にかかる,リチウム二次電池のサイクル特性を示す説明図。
【符号の説明】
1...リチウム二次電池,
2...正極,
3...負極,
4...セパレータ,
Claims (7)
- 正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含むリチウム二次電池において,
上記正極活物質はリチウムを含有してなり,
上記水溶液電解液は,リチウムを含有しておらず,後に充電を行うことによって上記正極活物質からリチウムを取り出し含有するように構成されていることを特徴とするリチウム二次電池。 - 正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含むリチウム二次電池において,
上記正極活物質はリチウムを含有してなり,
上記水溶液電解液は,充電を行う前の初期状態においてはリチウムを含有しておらず,充電を少なくとも1回以上行うことにより上記正極活物質からリチウムを上記水溶液電解液に取り出し含有してなることを特徴とするリチウム二次電池。 - 請求項1又は2において,上記水溶液電解液は,リチウムイオンと塩を構成することができるアニオンを含有することを特徴とするリチウム二次電池。
- 請求項3において,上記アニオンは,硝酸イオンであることを特徴とするリチウム二次電池。
- 正極活物質,負極活物質及び水溶液電解液を含むリチウム二次電池を製造する方法において,
リチウムを含有する正極活物質からなる正極と,上記負極活物質からなる負極と,リチウムを含有しない水溶液電解液とを電池ケース内に入れ,
その後電池ケースを密閉した後,充電を少なくとも1回以上行うことにより,リチウムを上記正極活物質から上記水溶液電解液中に取り出し含有させることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。 - 請求項5において,上記水溶液電解液は,リチウムイオンと塩を構成することができるアニオンを含有することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
- 請求項6において,上記アニオンは,硝酸イオンであることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
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