JP2004031222A - マイクロ波加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱用導波管内を通過する被加熱物を均一に加熱することができるマイクロ波加熱装置を得る。
【解決手段】マイクロ波加熱装置の加熱用導波管22は、管内断面寸法a1,a2,a3,a4の異なる直線部23a,23b,23c,23dが、折曲げ部25a,25b,25cによって連結される。また、折曲げ部25a,25b,25cには、各直線部23a,23b,23c,23dの導波管内寸法が異なる部分の段差をなくすために、テーパ部40が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】マイクロ波加熱装置の加熱用導波管22は、管内断面寸法a1,a2,a3,a4の異なる直線部23a,23b,23c,23dが、折曲げ部25a,25b,25cによって連結される。また、折曲げ部25a,25b,25cには、各直線部23a,23b,23c,23dの導波管内寸法が異なる部分の段差をなくすために、テーパ部40が形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状やシート状の被加熱物を連続的に加熱処理するマイクロ波加熱装置に関し、特に、印刷紙等を乾燥するために用いて好適な導波管式のマイクロ波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から印刷紙等のシート状や板状の被加熱物を乾燥させるために、加熱用導波管にマイクロ波発振器を接続した導波管式のマイクロ波加熱装置が知られている。
この導波管式のマイクロ波加熱装置1は、図5に示すように、加熱用導波管2の一端にマイクロ波発振器6を接続してなる加熱炉4が、加熱用導波管2の他端を短絡板8で終端させて構成され、加熱炉4を通過する印刷紙等の被加熱物Aを連続的に加熱処理して、乾燥する。
加熱炉4は、図6(a)に示すように、互いに平行に配置された加熱用導波管2の複数の直線部3と、隣接する各直線部3を順次連結した折曲げ部5とを備えて、断面矩形状に形成した各直線部3の互いに対向する両側面に、図6(b)に示すように、被加熱物Aを通過させるスロット9を設けた構造である。
【0003】
このようなマイクロ波加熱装置1では、マイクロ波発振器6からマイクロ波が加熱炉4に入射されると、入射されたマイクロ波が短絡板8で反射して、入射波と反射波とが相互に干渉し合う結果、加熱用導波管2内に定在波を発生する。
この定在波とは、極小点や極大点の位置は変わらず、ただ振幅のみが変化した波であり、定在波は極大点と極小点との部分で電界強度が異なり、且つ、極大点と極小点とが周期的に存在する。そのため、加熱用導波管2のスロット9を通過する被加熱物Aには、図6(a)に示すように、被加熱物Aの移動方向と直交する方向(被加熱物Aの幅方向)に周期的な間隔Tで加熱斑10となる加熱ムラが生じる。
【0004】
加熱斑10による加熱ムラを防止するために、例えば、特開平10−112387号公報では、被加熱物の移動方向に沿って順次配置した略同一形状からなる複数組の導波管ユニットを、各導波管ユニットに発生する定在波の位置がずれるように、それぞれの導波管ユニットの短絡板の位置を、互いに管軸方向にずらしたものが開示されている。
また、他の従来技術として、図7に示すように、直線部3と折曲げ部5とを連接させて構成する一本の加熱用導波管2の直線部3の長さ寸法L1,L2,…を、直線部3と折曲げ部5との間に介挿させたスペーサ12で変更して、例えば隣接する直線部3(図示例では第1の直線部3aと第3の直線部3c)間で生じる加熱斑の位置を相対的にずらすように工夫したものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術の前者では、定在波の位置をずらすために、各短絡板の位置をずらすための位置調整が必要であることに加えて、被加熱物の移動方向に沿って順次配置される複数組の導波管ユニットの相互間の配置位置を調整する必要がある。このため、装置の設置作業などに多大な手間と労力とを要した。
また、後者では、直線部や折曲げ部に加えて、更にスペーサを用いて部品点数を増加させているため、個々の加工精度や組立て精度に起因した精度ずれが増大して、装置の加熱効率を低下させる虞があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、加熱用導波管の各直線部内における定在波の波長を意図的に変更することで、均一加熱を可能にして加熱効率を向上すると共に、短絡板の位置調整などを不用にして装置全体の構成を簡素化することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明のマイクロ波加熱装置は、互いに平行に配置された複数の直線部と前記直線部を順次連結する折曲げ部とを有してなる加熱用導波管の一端がマイクロ波発振器に接続されると共に他端が前記加熱用導波管内に定在波を形成する短絡板で終端された加熱炉に、被加熱物を通過させて加熱する導波管式のマイクロ波加熱装置であって、前記加熱用導波管の各直線部は管内断面寸法が互いに異なっていることを特徴とする。
この構成により、加熱用導波管の各直線部内に形成される定在波の波長を変えることができる。このため、被加熱物は、マイクロ波の強電界位置が分散された加熱用導波管の各直線部を通過することとなって、その幅方向においてマイクロ波エネルギを略均等に吸収できる。
【0008】
請求項2に係る発明のマイクロ波加熱装置は、請求項1に係る発明のマイクロ波加熱装置において、前記折曲げ部には、前記管内断面寸法が異なる直線部に気密に連接するために拡大または縮小するテーパ部が設けられていることを特徴とする。
この構成により、折曲げ部は、断面寸法の異なる直線部との接続部分において段差などの形成が解消されて、導波管内でのマイクロ波の不必要な乱反射をなくすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るマイクロ波加熱装置の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係るマイクロ波加熱装置の要部を示す一部分解斜視図、図2は図1に示す要部の上面図及び側面図、図3はマイクロ波加熱装置の上面図、図4はマイクロ波加熱装置の側面図である。
図3、図4において、本発明のマイクロ波加熱装置20は、加熱用導波管22の一端にマイクロ波発振器30を接続してなる加熱炉24が、加熱用導波管22の他端を短絡板28で終端された構成である。
【0010】
加熱用導波管22は、平面上を互いに平行に配置された複数の直線部23a,23b,……,23nと、これらの直線部23を並列状態に整列して、隣接する各直線部23a,23b,……,23nを順次に連結する折曲げ部25a,25b,……,25nとを備えて、一本の連続した管体に形成される。
【0011】
加熱用導波管22の上方にはマイクロ波発振器30が配置され、マイクロ波発振器30はアイソレータ32、整合器34及び連結用導波管36を経由して加熱用導波管22に接続されている。
なお、アイソレータ32は、短絡板28よりの反射波により生じる加熱炉24からの反射電力を吸収してマイクロ波発振器30を保護する目的で、また、整合器34は、マイクロ波発振器30と加熱炉24との整合を図って、加熱炉24からの反射電力を最小化させる目的でそれぞれ設けられている。
マイクロ波加熱装置20には、上記構成に加えて、マイクロ波発振器30が出射するマイクロ波のパワー等を監視する目的で、指示計38が設けられている。
【0012】
ところで、加熱用導波管22は、図1にも示すように、その断面形状が矩形体であるとすると、その管内波長λgは、下記式により表されることは、一般に良く知られている。
【0013】
【数1】
【0014】
上記の式において、λは自由空間波長であり、aは加熱用導波管の幅広面の寸法である。
本発明者は、上記式より、加熱用導波管22の幅広面の寸法を変更すれば、加熱用導波管22の管内波長λgを変えることができることに気付き、つまり、加熱用導波管22の寸法を変更することで低在波の波長を変更して、この波長が意図的に変更された加熱用導波管22内に被加熱物A(図2参照)を順次通過させれば、被加熱物Aの加熱ムラが低減できると考えて、本発明に至ったものである。
【0015】
そこで、上記の着想を実現するために、図1及び図2(b)に示すように、加熱用導波管22の断面形状が矩形体に形成された各直線部23a,23b,……,23nはその管内断面寸法(幅広面の寸法)a1,a2,a3,……,anが、マイクロ波発振器30に接続された入力端側から短絡板28を装備した終端側に向かって、順次長くなるように設定されている。
なお、各直線部23a,23b,……,23nの水平方向の管内断面寸法は一定である。水平方向の管内断面寸法を変更しても構わないが、水平方向の管内断面寸法を変更すると、隣接する各直線部23a,23b,……,23n間の間隔がそれぞれ変わって加熱炉を大型化させると同時に、被加熱物Aが各直線部23a,23b,……,23nを通過する際に、被加熱物Aの幅方向に対して均一な電界強度を密に並べることが難しい。
【0016】
各直線部23a,23b,……,23nには、従来と同様に、被加熱物Aを通過させるスロット29が互いに対向する両側面に設けられている。
【0017】
折曲げ部25a,25b,……,25nは、平面視で略コ字形に形成されると共に、その一端部には、管内断面寸法が異なる直線部23a,23b,……,23nを連接する際、直線部23a,23b,……,23nとの間に段部が形成されると、マイクロ波が乱反射してパワーロスの原因となるために、図2(b)において明らかなように、幅広面の寸法a1,a2,a3,……,anに合わせて拡大または縮小して、異なる管内断面寸法の直線部23a,23b,……,23nに連続的に気密に繋がるテーパ部40が設けられている。
【0018】
以上のように構成された本発明のマイクロ波加熱装置20によれば、各直線部23a,23b,……,23nの管内断面寸法がそれぞれ異なって構成され、既述した式により導波管内の寸法が大きくなると定在波の波長が短くなるため、それぞれの導波管内での定在波の波長が変えられ、スロット29を通過する被加熱物Aには、例えば、直線部23aにおいては加熱班10が間隔T1で形成され、直線部23bにおいては加熱班10が間隔T2で形成され、直線部23cにおいては加熱班10が間隔T3で形成され、直線部23dにおいては加熱班10が間隔T4で形成される。
【0019】
これにより、加熱用導波管22の各直線部23a,23b,……,23nを通過した被加熱物Aには、加熱班10が実質的に分散配置されるようになるため、被加熱物Aはその幅方向にマイクロ波エネルギを略均一に吸収することとなってムラ無く加熱されることになる。
なお、導波管の直線部の本数や定在波の波長については使用目的、マイクロ波発振器の仕様等の状況に応じて任意に設定されるものであることは勿論である。
【0020】
また、上記の実施の形態では、直線部23a,23b,……,23nの管内断面寸法が、マイクロ波の入力端側から終端側に向かって順次長くなるように設定されたが、これとは逆に、入力端側から終端側に向かって順次短くなるようにして、定在波の波長が徐々に長くなるように変更してもよい。更に、管内断面寸法が順次変更されずに、ランダムに変更される構成であっても構わない。
【0021】
【発明の効果】
以上に記載したように本発明のマイクロ波加熱装置によれば、加熱用導波管の断面寸法を変化させることにより、導波管内におけるマイクロ波の強電界位置を変化させる結果、加熱ムラをなくして効率よく被加熱物の加熱乾燥ができる。
また、従来のマイクロ波加熱装置に比べて、加熱効率が構成部品の加工精度に影響されることが少ないため、装置の設置時における煩わしい調整を不要にできるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるマイクロ波加熱装置の要部を示す一部分解斜視図である。
【図2】加熱炉に被加熱物を適用した状態を示し、(a)は図1における上面図、(b)は図1における側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるマイクロ波加熱装置の上面図である。
【図4】図3のマイクロ波加熱装置の側面図である。
【図5】従来のマイクロ波加熱装置の概念図である。
【図6】図2に対応して、図5の加熱用導波管の作用を説明する図で、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図7】他の従来例によるマイクロ波加熱装置の説明する斜視図である。
【符号の説明】
10 加熱班
22 加熱用導波管
23a,23b,……,23n 直線部
24 加熱炉
25a,25b,……,25n 折曲げ部
28 短絡板
29 スロット
30 マイクロ波発振器
40 テーパ部
a1,a2,a3,……,an 管内断面寸法
T1,T2,T3,T4 加熱班の間隔
A 被加熱物
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状やシート状の被加熱物を連続的に加熱処理するマイクロ波加熱装置に関し、特に、印刷紙等を乾燥するために用いて好適な導波管式のマイクロ波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から印刷紙等のシート状や板状の被加熱物を乾燥させるために、加熱用導波管にマイクロ波発振器を接続した導波管式のマイクロ波加熱装置が知られている。
この導波管式のマイクロ波加熱装置1は、図5に示すように、加熱用導波管2の一端にマイクロ波発振器6を接続してなる加熱炉4が、加熱用導波管2の他端を短絡板8で終端させて構成され、加熱炉4を通過する印刷紙等の被加熱物Aを連続的に加熱処理して、乾燥する。
加熱炉4は、図6(a)に示すように、互いに平行に配置された加熱用導波管2の複数の直線部3と、隣接する各直線部3を順次連結した折曲げ部5とを備えて、断面矩形状に形成した各直線部3の互いに対向する両側面に、図6(b)に示すように、被加熱物Aを通過させるスロット9を設けた構造である。
【0003】
このようなマイクロ波加熱装置1では、マイクロ波発振器6からマイクロ波が加熱炉4に入射されると、入射されたマイクロ波が短絡板8で反射して、入射波と反射波とが相互に干渉し合う結果、加熱用導波管2内に定在波を発生する。
この定在波とは、極小点や極大点の位置は変わらず、ただ振幅のみが変化した波であり、定在波は極大点と極小点との部分で電界強度が異なり、且つ、極大点と極小点とが周期的に存在する。そのため、加熱用導波管2のスロット9を通過する被加熱物Aには、図6(a)に示すように、被加熱物Aの移動方向と直交する方向(被加熱物Aの幅方向)に周期的な間隔Tで加熱斑10となる加熱ムラが生じる。
【0004】
加熱斑10による加熱ムラを防止するために、例えば、特開平10−112387号公報では、被加熱物の移動方向に沿って順次配置した略同一形状からなる複数組の導波管ユニットを、各導波管ユニットに発生する定在波の位置がずれるように、それぞれの導波管ユニットの短絡板の位置を、互いに管軸方向にずらしたものが開示されている。
また、他の従来技術として、図7に示すように、直線部3と折曲げ部5とを連接させて構成する一本の加熱用導波管2の直線部3の長さ寸法L1,L2,…を、直線部3と折曲げ部5との間に介挿させたスペーサ12で変更して、例えば隣接する直線部3(図示例では第1の直線部3aと第3の直線部3c)間で生じる加熱斑の位置を相対的にずらすように工夫したものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術の前者では、定在波の位置をずらすために、各短絡板の位置をずらすための位置調整が必要であることに加えて、被加熱物の移動方向に沿って順次配置される複数組の導波管ユニットの相互間の配置位置を調整する必要がある。このため、装置の設置作業などに多大な手間と労力とを要した。
また、後者では、直線部や折曲げ部に加えて、更にスペーサを用いて部品点数を増加させているため、個々の加工精度や組立て精度に起因した精度ずれが増大して、装置の加熱効率を低下させる虞があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、加熱用導波管の各直線部内における定在波の波長を意図的に変更することで、均一加熱を可能にして加熱効率を向上すると共に、短絡板の位置調整などを不用にして装置全体の構成を簡素化することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明のマイクロ波加熱装置は、互いに平行に配置された複数の直線部と前記直線部を順次連結する折曲げ部とを有してなる加熱用導波管の一端がマイクロ波発振器に接続されると共に他端が前記加熱用導波管内に定在波を形成する短絡板で終端された加熱炉に、被加熱物を通過させて加熱する導波管式のマイクロ波加熱装置であって、前記加熱用導波管の各直線部は管内断面寸法が互いに異なっていることを特徴とする。
この構成により、加熱用導波管の各直線部内に形成される定在波の波長を変えることができる。このため、被加熱物は、マイクロ波の強電界位置が分散された加熱用導波管の各直線部を通過することとなって、その幅方向においてマイクロ波エネルギを略均等に吸収できる。
【0008】
請求項2に係る発明のマイクロ波加熱装置は、請求項1に係る発明のマイクロ波加熱装置において、前記折曲げ部には、前記管内断面寸法が異なる直線部に気密に連接するために拡大または縮小するテーパ部が設けられていることを特徴とする。
この構成により、折曲げ部は、断面寸法の異なる直線部との接続部分において段差などの形成が解消されて、導波管内でのマイクロ波の不必要な乱反射をなくすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るマイクロ波加熱装置の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係るマイクロ波加熱装置の要部を示す一部分解斜視図、図2は図1に示す要部の上面図及び側面図、図3はマイクロ波加熱装置の上面図、図4はマイクロ波加熱装置の側面図である。
図3、図4において、本発明のマイクロ波加熱装置20は、加熱用導波管22の一端にマイクロ波発振器30を接続してなる加熱炉24が、加熱用導波管22の他端を短絡板28で終端された構成である。
【0010】
加熱用導波管22は、平面上を互いに平行に配置された複数の直線部23a,23b,……,23nと、これらの直線部23を並列状態に整列して、隣接する各直線部23a,23b,……,23nを順次に連結する折曲げ部25a,25b,……,25nとを備えて、一本の連続した管体に形成される。
【0011】
加熱用導波管22の上方にはマイクロ波発振器30が配置され、マイクロ波発振器30はアイソレータ32、整合器34及び連結用導波管36を経由して加熱用導波管22に接続されている。
なお、アイソレータ32は、短絡板28よりの反射波により生じる加熱炉24からの反射電力を吸収してマイクロ波発振器30を保護する目的で、また、整合器34は、マイクロ波発振器30と加熱炉24との整合を図って、加熱炉24からの反射電力を最小化させる目的でそれぞれ設けられている。
マイクロ波加熱装置20には、上記構成に加えて、マイクロ波発振器30が出射するマイクロ波のパワー等を監視する目的で、指示計38が設けられている。
【0012】
ところで、加熱用導波管22は、図1にも示すように、その断面形状が矩形体であるとすると、その管内波長λgは、下記式により表されることは、一般に良く知られている。
【0013】
【数1】
【0014】
上記の式において、λは自由空間波長であり、aは加熱用導波管の幅広面の寸法である。
本発明者は、上記式より、加熱用導波管22の幅広面の寸法を変更すれば、加熱用導波管22の管内波長λgを変えることができることに気付き、つまり、加熱用導波管22の寸法を変更することで低在波の波長を変更して、この波長が意図的に変更された加熱用導波管22内に被加熱物A(図2参照)を順次通過させれば、被加熱物Aの加熱ムラが低減できると考えて、本発明に至ったものである。
【0015】
そこで、上記の着想を実現するために、図1及び図2(b)に示すように、加熱用導波管22の断面形状が矩形体に形成された各直線部23a,23b,……,23nはその管内断面寸法(幅広面の寸法)a1,a2,a3,……,anが、マイクロ波発振器30に接続された入力端側から短絡板28を装備した終端側に向かって、順次長くなるように設定されている。
なお、各直線部23a,23b,……,23nの水平方向の管内断面寸法は一定である。水平方向の管内断面寸法を変更しても構わないが、水平方向の管内断面寸法を変更すると、隣接する各直線部23a,23b,……,23n間の間隔がそれぞれ変わって加熱炉を大型化させると同時に、被加熱物Aが各直線部23a,23b,……,23nを通過する際に、被加熱物Aの幅方向に対して均一な電界強度を密に並べることが難しい。
【0016】
各直線部23a,23b,……,23nには、従来と同様に、被加熱物Aを通過させるスロット29が互いに対向する両側面に設けられている。
【0017】
折曲げ部25a,25b,……,25nは、平面視で略コ字形に形成されると共に、その一端部には、管内断面寸法が異なる直線部23a,23b,……,23nを連接する際、直線部23a,23b,……,23nとの間に段部が形成されると、マイクロ波が乱反射してパワーロスの原因となるために、図2(b)において明らかなように、幅広面の寸法a1,a2,a3,……,anに合わせて拡大または縮小して、異なる管内断面寸法の直線部23a,23b,……,23nに連続的に気密に繋がるテーパ部40が設けられている。
【0018】
以上のように構成された本発明のマイクロ波加熱装置20によれば、各直線部23a,23b,……,23nの管内断面寸法がそれぞれ異なって構成され、既述した式により導波管内の寸法が大きくなると定在波の波長が短くなるため、それぞれの導波管内での定在波の波長が変えられ、スロット29を通過する被加熱物Aには、例えば、直線部23aにおいては加熱班10が間隔T1で形成され、直線部23bにおいては加熱班10が間隔T2で形成され、直線部23cにおいては加熱班10が間隔T3で形成され、直線部23dにおいては加熱班10が間隔T4で形成される。
【0019】
これにより、加熱用導波管22の各直線部23a,23b,……,23nを通過した被加熱物Aには、加熱班10が実質的に分散配置されるようになるため、被加熱物Aはその幅方向にマイクロ波エネルギを略均一に吸収することとなってムラ無く加熱されることになる。
なお、導波管の直線部の本数や定在波の波長については使用目的、マイクロ波発振器の仕様等の状況に応じて任意に設定されるものであることは勿論である。
【0020】
また、上記の実施の形態では、直線部23a,23b,……,23nの管内断面寸法が、マイクロ波の入力端側から終端側に向かって順次長くなるように設定されたが、これとは逆に、入力端側から終端側に向かって順次短くなるようにして、定在波の波長が徐々に長くなるように変更してもよい。更に、管内断面寸法が順次変更されずに、ランダムに変更される構成であっても構わない。
【0021】
【発明の効果】
以上に記載したように本発明のマイクロ波加熱装置によれば、加熱用導波管の断面寸法を変化させることにより、導波管内におけるマイクロ波の強電界位置を変化させる結果、加熱ムラをなくして効率よく被加熱物の加熱乾燥ができる。
また、従来のマイクロ波加熱装置に比べて、加熱効率が構成部品の加工精度に影響されることが少ないため、装置の設置時における煩わしい調整を不要にできるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるマイクロ波加熱装置の要部を示す一部分解斜視図である。
【図2】加熱炉に被加熱物を適用した状態を示し、(a)は図1における上面図、(b)は図1における側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるマイクロ波加熱装置の上面図である。
【図4】図3のマイクロ波加熱装置の側面図である。
【図5】従来のマイクロ波加熱装置の概念図である。
【図6】図2に対応して、図5の加熱用導波管の作用を説明する図で、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図7】他の従来例によるマイクロ波加熱装置の説明する斜視図である。
【符号の説明】
10 加熱班
22 加熱用導波管
23a,23b,……,23n 直線部
24 加熱炉
25a,25b,……,25n 折曲げ部
28 短絡板
29 スロット
30 マイクロ波発振器
40 テーパ部
a1,a2,a3,……,an 管内断面寸法
T1,T2,T3,T4 加熱班の間隔
A 被加熱物
Claims (2)
- 互いに平行に配置された複数の直線部と前記直線部を順次連結する折曲げ部とを有してなる加熱用導波管の一端がマイクロ波発振器に接続されると共に他端が前記加熱用導波管内に定在波を形成する短絡板で終端された加熱炉に、被加熱物を通過させて加熱する導波管式のマイクロ波加熱装置であって、
前記加熱用導波管の各直線部は管内断面寸法が互いに異なっていることを特徴とするマイクロ波加熱装置。 - 前記折曲げ部には、前記管内断面寸法が異なる直線部と気密に連接するために拡大または縮小するテーパ部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002188197A JP2004031222A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | マイクロ波加熱装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004031222A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010517242A (ja) * | 2007-01-26 | 2010-05-20 | インダストリアル マイクロウェーブ システムズ リミテッド ライアビリティー カンパニー | 隆起し折れ曲がった導波管アプリケータ |
KR101533628B1 (ko) * | 2013-10-31 | 2015-07-06 | 한국전기연구원 | 마이크로파 자기장을 이용한 대면적 가열 장치 및 방법 |
KR102300717B1 (ko) * | 2020-05-07 | 2021-09-10 | 웨이브 파워 테크놀로지 인크. | 극초단파 가열 장치 및 그의 극초단파 안내 튜브 |
US11558938B2 (en) | 2020-04-20 | 2023-01-17 | Wave Power Technology Inc. | Microwave heating device and microwave guiding tube thereof |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002188197A patent/JP2004031222A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010517242A (ja) * | 2007-01-26 | 2010-05-20 | インダストリアル マイクロウェーブ システムズ リミテッド ライアビリティー カンパニー | 隆起し折れ曲がった導波管アプリケータ |
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