JP5102791B2 - マイクロ波加熱装置、及びt型導波管 - Google Patents

マイクロ波加熱装置、及びt型導波管 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロ波電力を導波管で供給して被加熱物へ照射するマイクロ波加熱装置等に関し、特に、2個のマグネトロンから発生したマイクロ波電力を合成して被加熱物へ照射するマイクロ波加熱装置、及び2個のマグネトロンが発生したマイクロ波電力を合成するためのT型導波管に関する。
従来、マイクロ波電力を利用して食品などの被加熱物を加熱するアプリケータとして、電子レンジなどが広く知られている。このような電子レンジにおいては、被加熱物をターンテーブルで回転させたり、複数のマイクロ波電力を合成したりして、被加熱物の加熱ムラを少なくしたり加熱効率を向上させる工夫がなされている。
また、2個のマイクロ波電力供給導波管(以下、導波管)から1個のアプリケータへ合成マイクロ波電力を供給して物体を加熱・焼却する電子焼却炉の技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、2個の導波管には、それぞれ、マイクロ波発振デバイスであるマグネトロンが装着されている。このマグネトロンは、発振周波数を決める共振空洞を陽極部として、中央に陰極部が設けられた2極真空管である。
このようなマグネトロンを2個同時に動作させた場合は、それぞれの導波管の相対位置によっては、一方のマグネトロンから供給されたマイクロ波が、他方のマグネトロンに伝送されることがある。つまり、本来は、両方のマグネトロンからのマイクロ波電力の和が被加熱物に供給されるのに対し、一方のマグネトロンからのマイクロ波電力が他方のマグネトロンに伝送されてしまうことがある。したがって、その分、被加熱物への供給電力が減少することになる。
また、一方のマグネトロンから電力伝送を受けた他方のマグネトロンは、その影響により、2極真空管の陽極部や陰極部が異常加熱され、その影響の大きさによってはマグネトロンが不良に至る場合もある。このような、一方のマグネトロンからのマイクロ波電力が他方のマグネトロンに影響を及ぼす現象を、本稿ではマイクロ波干渉と称する。
そこで、前記特許文献1の技術では、このようなマイクロ波干渉を防止するため、マイクロ波照射口となる2個の導波管軸がなす角度を、鋭角交差θとしたものである。この場合は、比較的大きいアプリケータであって、そのスペース的な余裕から2個の導波管を鋭角交差θで設け、これらの2個の導波管からマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置として構成されている。しかし、被加熱物が小さい場合は、アプリケータのサイズを最小限にすることで加熱効率を最大にすることができるが、その場合は、アプリケータにスペース的な余裕がないので複数台のマイクロ波電力供給用の導波管を取り付けることができない。
また、2個のマグネトロンが同時に動作しないようにデューティコントロールを行いながら、それぞれのマイクロ波供給導波管からアプリケータ(電子レンジ庫内)の被加熱物へ、均一にマイクロ波を照射する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この技術によれば、2個のマグネトロンが同時には動作しないため、前記したマイクロ波干渉を防止することができる。
また、複数個のマイクロ波電力供給用の導波管を取り付けることのできない狭小空間のアプリケータに大きなマイクロ波電力を伝送させるために、複数のマグネトロンから発生したマイクロ波電力を一つの導波管で合成し、合成したマイクロ波電力をアプリケータに供給する技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。この技術によれば、無電極ランプが負荷となる狭小空間に高出力のマイクロ波電力を供給するため、一つの導波管の一面側に2個のマグネトロンが取り付けられている。この場合も、2個のマグネトロン相互のマイクロ波干渉を防ぐために、駆動電源の供給を交互に切り替えて2個のマグネトロンを交互に動作させている。つまり、実質的には、2個のマグネトロンをデューティコントロールしている。
特許第2525506号公報 特開昭61−181093号公報 特許第3888124号公報
すなわち、大型の電子レンジや大型のアプリケータを持つマイクロ波加熱装置においては、そのスペース的な余裕から、複数個のマグネトロン及び導波管を用いてマイクロ波電力を供給することができる。このようにして、複数個のマグネトロン及び導波管を用いることにより、複数個のマイクロ波給電口が形成されるので、アプリケータ内の被照射物へのマイクロ波照射を複数方向から行うことができるため、被照射物への均一照射という面から有効となる。しかも、アプリケータへのマイクロ波電力は、複数個のマグネトロンからのマイクロ波電力の和となり、高出力化することができる。
しかし、複数個のマグネトロン及び導波管を用いてマイクロ波電力を高出力化するには限界があった。すなわち、複数個のマグネトロンを動作させる場合、相互のマイクロ波電力のマイクロ波干渉を防止するために、複数個のマグネトロンを同時に動作させないことが一般的に行われていた。言い換えると、例えば2個のマグネトロンを交互にデューティ動作させる場合は、通常は50%ずつの動作時間となるので、総合したマイクロ波電力は2個のマグネトロンの定格の合計の50%出力となり、高出力化することが難しかった。
また、マイクロ波電力が1.5kWクラスまでのマグネトロンにおいては、その駆動電源として半波倍電圧電源方式が採用されている。この場合は、2個のマグネトロンを180°の位相差で交互に駆動しているので(つまり、半波ごとに交互にマグネトロンを駆動しているので)、2個のマグネトロンによるマイクロ波干渉を防止することができる。この場合、2個のマグネトロン出力の和をアプリケータに供給することができるが、半波倍電圧電源方式で安定した動作で駆動できるマグネトロンの出力は1.5kWが限界である。
一方、2kW以上のマグネトロンを複数個使う場合は、その電源方式は、全波方式または直流となるため、複数個(2個)のマグネトロンが常に動作しているので、相互のマグネトロンのマイクロ波干渉を防止することはできない。つまり、マイクロ波電力の高出力化とマイクロ波干渉の防止とはトレイドオフの関係となる。
また、前記特許文献1の技術においては、マイクロ波干渉を十分に防止するには、2つの導波管を鋭角交差θで配置するため、比較的大きいアプリケータにしか対応することができない。さらに、前記特許文献2及び前記特許文献3の技術においては、マイクロ波干渉を防止するために、2個のマグネトロンをデューティ動作させているので、前記したように、マイクロ波電力を高出力化することができない。
すなわち、従来技術においては、比較的狭小な内部空間のアプリケータに高出力なマイクロ波電力を供給するマイクロ波加熱装置を実現しようとする場合は、アプリケータのスペース的な制約から、複数のマグネトロンや導波管を取り付けることが困難であった。また、複数のマグネトロンや導波管を取り付ける場合、マイクロ波干渉を防止するには、マグネトロンをデューティ動作させなければならなかったために、アプリケータに高出力を供給することができなかった。その結果、マイクロ波干渉の防止と高出力化を実現するためには、複雑で高価な高出力マグネトロンを採用しなければならなかった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、複数のマグネトロンのマイクロ波干渉を防止すると共に、高出力なマイクロ波電力が得られるマイクロ波加熱装置、及び2個のマグネトロンから発生したマイクロ波電力を合成するT型導波管を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るマイクロ波加熱装置は、第1のマグネトロンに接続された主導波管と第2のマグネトロンに接続された副導波管とが、それぞれのマイクロ波によって発生する電界方向が直交するように接続されたT型導波管と、このT型導波管から伝送されたマイクロ波電力を照射するアプリケータとを備え、前記主導波管に形成されたランチャの開口部の寸法に基づいて決定される遮断波長が、前記副導波管から前記主導波管へ伝送されるマイクロ波の自由空間波長より短くなるように、前記ランチャの開口部の寸法が決定されている構成を採っている。
また、本発明は、第1のマグネトロンに接続された主導波管と、第2のマグネトロンに接続された副導波管とが、それぞれのマイクロ波によって発生する電界方向が直交するように接続され、前記主導波管に形成されたランチャの開口部の寸法に基づいて決定される遮断波長が、前記副導波管から前記主導波管へ伝送されるマイクロ波の自由空間波長より短くなるように、前記ランチャの開口部の寸法が決定されているT型導波管を提供する。
本発明によれば、2個のマグネトロンを同時に動作させても相互のマイクロ波干渉はなく、かつ、それぞれのマグネトロンからのマイクロ波電力の和をアプリケータ(マイクロ波照射室)に供給することができる。その結果、アプリケータへのマイクロ波照射口数が制約される狭小空間へ高出力なマイクロ波電力を安定して供給することができると共に、マグネトロンの個数に対して導波管の個数を削減することが可能となる。
マイクロ波合成を行うT型導波管を用いた本発明の実施形態に係るマイクロ波加熱装置の構成図である。 図1に示すパワーモニタ導波管のWRJ−2導波管に接続される部位のランチャの開口部を示す斜視図である。 図1に示すT型マイクロ波合成導波管6の詳細な寸法を示す図であり、(a)はT型マイクロ波合成導波管6の側面図、(b)は(a)のA面を示し、(c)は(a)のB面を示す。 図3のT型マイクロ波合成導波管6におけるC面の電界方向を示す図である。
本発明のマイクロ波加熱装置は、2つのマグネトロンが同時に動作してもマイクロ波干渉を起こさないようにマイクロ波電力を合成するT型導波管を用いている。これにより、全波整流方式や直流駆動で使われる高出力マグネトロン(例えば、2kW以上のマグネトロン)においても、マイクロ波干渉を起こすことなく、2つのマグネトロンからのマイクロ波電力の和をアプリケータに供給することができる。以下、図面を参照しながら、本発明に係るマイクロ波加熱装置の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において、同一要素は原則として同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
図1は、マイクロ波合成を行うT型導波管を用いた本発明の実施形態に係るマイクロ波加熱装置の構成図である。図1に示すように、マイクロ波加熱装置10は、マグネトロン1a,1b、マグネトロン専用のランチャ(マグネトロン結合器)2a,2b、テーパ部3a,3b、パワーモニタ導波管4a,4b、テーパ導波管5a,5b、及び主導波管6aと副導波管6bからなるT型マイクロ波合成導波管6と加熱容器であるアプリケータ7とを備えて構成されている。なお、マグネトロン1aは第1のマグネトロンであり、マグネトロン1bは第2のマグネトロンであって、いずれも、2.45GHzの周波数のマイクロ波を発生する。
なお、特許請求の範囲に述べる主導波管は、マグネトロン1a(第1のマグネトロン)に接続されるランチャ2a、テーパ部3a、パワーモニタ導波管4a、テーパ導波管5a、及び主導波管6aの構成であり、副導波管は、マグネトロン1b(第2のマグネトロン)に接続されるランチャ2b、テーパ部3b、パワーモニタ導波管4b、テーパ導波管5b、及び副導波管6bの構成である。
2極真空管の一種であるマグネトロン1a、1bは、それぞれ、開口部の幅95.3mm、高さ54.6mmのランチャ2a,2bに取り付けられている。なお、開口部の幅とは、マグネトロン1a、1bが発生させたマイクロ波の進行方向に直交するX軸方向の長さであり、開口部の高さとはマイクロ波の進行方向に直交するY軸方向の長さである。
ランチャ2a,2bは、2.45GHz用標準導波管:WRJ−2(幅寸法109.2mm、高さ寸法54.6mm)に接合するためのテーパ部3a,3bを有したテーパ一体型となっている。したがって、ランチャ2a,2bは、このテーパ部3a,3bを介し、WRJ−2の導波管で構成されるパワーモニタ導波管4a,4bの一端に接続されている。また、パワーモニタ導波管4a,4bは、パワーモニタ導波管4a,4b自身の内部に構成されているWRJ−2導波管内を通過する進行波電力及び反射波電力を測定する装置である。なお、進行波電力とは、マグネトロン1a、1bからアプリケータへ向かって伝送されるマイクロ波電力であり、反射波電力とは、アプリケータなどで反射してマグネトロン1a、1bへ向かって伝送されるマイクロ波電力である。
また、パワーモニタ導波管4a,4bの他端は、テーパ導波管5a,5bの一端に接続され、テーパ導波管5a,5bの他端が主導波管6a及び副導波管6bから構成されるT型マイクロ波合成導波管6に接続されている。そして、T型マイクロ波合成導波管6で合成されたマグネトロン1a、1bのマイクロ波電力がアプリケータ7の内部の被加熱物(図示せず)に照射されるように構成されている。
図2は、図1に示すパワーモニタ導波管4a,4bのWRJ−2導波管に接続される部位のランチャ2a,2bの開口部を示す斜視図である。具体的には、ランチャ2a,2bがテーパ一体型となっているテーパ部3a,3bとパワーモニタ導波管4a,4bとが接続される部位の開口部を示している。図2に示すように、ランチャ2a,2bがパワーモニタ導波管4a,4bに接続される部位の開口部の寸法は、幅寸法がa=109.2mm、高さ寸法がb=54.6mmとなっている。
図3は、図1に示すT型マイクロ波合成導波管6の詳細な寸法を示す図であり、図3(a)はT型マイクロ波合成導波管6の断面図、図3(b)は図3(a)のA面を示し、図3(c)は図3(a)のB面を示している。図3(a)に示すように、このT型マイクロ波合成導波管6は、主導波管6aと副導波管6bが直交して構成されている。
また、マグネトロン1a(第1のマグネトロン)からのマイクロ波電力が伝送される主導波管6aの開口部(A面)の寸法は、図3(b)に示すように、80mm×80mm(80mm□)である。つまり、マグネトロン1aからのマイクロ波電力は、ランチャ2a、パワーモニタ導波管4a、及びテーパ導波管5aを介して、T型マイクロ波合成導波管6の主導波管6aの一端であるA面側の80mm□の開口部に伝送される。
もう一方のマグネトロン1b(第2のマグネトロン)からのマイクロ波電力はT型マイクロ波合成導波管6を構成する副導波管6bに伝送される。この副導波管6bは、主導波管の側面に直交して配置され、主導波管6aとの結合開口部(B面)の寸法は、図3(c)に示すように、80mm×40mmとなっている。つまり、マグネトロン1bが発生させたマイクロ波の進行方向(管軸方向)に直交するX軸方向(幅a)の寸法が80mmであり、マグネトロン1bが発生させたマイクロ波の進行方向(管軸方向)に直交するY軸方向(高さb)の寸法が40mmである。
なお、方形導波管の管軸方向(Z軸方向)に垂直な内断面は長方形であり、説明の便宜上、その長方形の一辺の寸法を幅aと呼び、これと直角な他の一辺の寸法を高さbと呼ぶこととする。つまり、幅a及び高さbは、導波管が実際に配置される向きとは無関係である。
このような寸法構成(つまり、T型マイクロ波合成導波管6における主導波管6aの開口部(A面)の寸法が80mm×80mm、副導波管6bの開口部(B面)の寸法が80mm×40mm)の場合は、マグネトロン1aが発振して主導波管6aへ伝送されたマイクロ波電力が形成する電界方向と、マグネトロン1bが発振して副導波管6bへ伝送されたマイクロ波電力が形成する電界方向とは、互いに直交することになる。
図4は、図3のT型マイクロ波合成導波管6におけるC面の電界方向を示す図である。すなわち、図4は、主導波管6aのC面側(つまり、図1のアプリケータに照射する面側)から見たときの、マグネトロン1aから主導波管6aを伝送したマイクロ波の電界方向(以下、主マイクロ波の電界方向10aという)と、マグネトロン1bから副導波管6bを伝送したマイクロ波の電界方向(以下、副マイクロ波の電界方向10bという)とを示している。図4に示すように、主マイクロ波の電界方向10aと、副マイクロ波の電界方向10bは90度の方向差をもって直交している。
このようにして90度の方向差を持つ両者のマイクロ波電界は、主導波管6aのC面側から図1のアプリケータ(マイクロ波照射室)7に供給され、その供給電力は、マグネトロン1aのマイクロ波電力と、マグネトロン1bのマイクロ波電力の和となる。したがって、マグネトロン1a,1bのマイクロ波電力が合成された高出力のマイクロ波電力をアプリケータの被加熱物へ照射することができる。
このとき、T型マイクロ波合成導波管6では、マグネトロン1aのマイクロ波電力とマグネトロン1bのマイクロ波電力は合成され、かつ、相互にマイクロ波干渉を起こさないようになっている。マグネトロン1aのマイクロ波電力とマグネトロン1bのマイクロ波電力とがマイクロ波干渉を起こさない理由は、相互のマグネトロン1a,1bが形成する電界方向が90度の方向差とっていることと、電界方向が90度の方向差をもつ相手側のマグネトロンからのマイクロ波が伝送されないように、導波管の一部の寸法を制限したからである。以下、相互にマイクロ波干渉を起こさない理由について詳細に説明する。
主導波管6a内を伝送するマイクロ波の管内波長λgは、次の式(1)で表わすことができる。
λg=λ/〔1−(λ/2a)21/2 (1)
ここで、λは、電波の自由空間波長(光速/マイクロ波の周波数)(m)であり、マイクロ波の周波数が2.45GHzの場合は、λ=30万km/2.45GHz=12.2cmである。つまり、自由空間波長λは12.2cmである。
また、幅aは、主導波管6a及び副導波管6bの幅寸法(マイクロ波電界方向に対し垂直面幅寸法)であり、図3及び図4から、直交する2方向の電界成分に対する垂直面幅寸法は、各成分ともに8cmである。つまり、つまり、幅aは8cmである。
したがって、式(1)にλ=12.2cm、a=8cmを代入すると、管内波長λgは18.9cmとなる。つまり、2.45GHzの自由空間波長12.2cmがa=b=8cmの導波管内では、波長が18.9cmと長くなり、直交する2方向の電界成分を持つマイクロ波をそのまま伝送できることになる。
一方、図2に示すように、マグネトロン1aが結合されているランチャー2a、及びパワーモニタ導波管4aの高さ寸法は、b=5.46cmである。高さb面間に生じるマイクロ波電界の遮断波長λc=10.9cmとなり、2.45GHzの自由空間波長12.2cmよりも短くなるので、高さb面間のマイクロ波電界はランチャー2aを伝送できないことになる。つまり、マグネトロン1bから伝送されたマイクロ波電界は、主導波管には伝送されるが、高さ寸法b=5.46cmであるパワーモニタ導波管4a、ランチャー2aには伝送されない。したがって、マグネトロン1bからのマイクロ波は、T型マイクロ波合成導波管6のC面でマグネトロン1aからのマイクロ波と合成されて電界強度を高出力化することができるが、マグネトロン1aに対してマイクロ波干渉を起こさない。
次に、マグネトロン1aからのマイクロ波が副導波管6b側へ伝送されてマイクロ波干渉を起こさないか否かを考察する。マグネトロン1aが形成するマイクロ波電界の向きは、副導波管6bのマイクロ波進行方向に平行であり、マイクロ波は、副導波管6bに伝送されない。つまり、マイクロ波進行方向に対しては、マイクロ波電界は形成されないので、マグネトロン1aからのマイクロ波はマグネトロン1bへ伝送されず、マイクロ波干渉を起こさない。
以上説明したように、従来のマイクロ波加熱装置では、2個のマグネトロンが相互にマイクロ波干渉を受けないようにマグネトロンを交互に動作させていたために、アプリケータへ供給できるマイクロ波電力を高出力化することができなかった。しかし、本発明による実施形態のマイクロ波加熱装置10によれば、2個のマグネトロン1a,1bを同時動作させても、相互にマイクロ波干渉を起こさないで、アプリケータ7へ高出力なマイクロ波電力を供給することができる。
以上、本発明のマイクロ波加熱装置を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更することは可能である。
本発明によれば、個食食品などを収納して均一に加熱する電子レンジやマイクロ波加熱装置などに有効に利用することができる。
1a マグネトロン(第1のマグネトロン)
1b マグネトロン(第2のマグネトロン)
2a,2b ランチャ
3a,3b テーパ部
4a,4b パワーモニタ導波管(WRJ−2導波管)
5a,5b テーパ導波管
6 T型マイクロ波合成導波管
6a 主導波管
6b 副導波管
7 アプリケータ
10 マイクロ波加熱装置
10a 主マイクロ波の電界方向
10b 副マイクロ波の電界方向

Claims (7)

  1. 第1のマグネトロンに接続された主導波管と第2のマグネトロンに接続された副導波管とが、それぞれのマイクロ波によって発生する電界方向が直交するように接続されたT型導波管と、
    前記T型導波管から伝送されたマイクロ波電力を照射するアプリケータと、
    を備え、
    前記主導波管に形成されたランチャの開口部の寸法に基づいて決定される遮断波長が、前記副導波管から前記主導波管へ伝送されるマイクロ波の自由空間波長より短くなるように、前記ランチャの開口部の寸法が決定されていることを特徴とするマイクロ波加熱装置。
  2. 前記副導波管の開口部の寸法に基づいて決定された遮断波長が、前記主導波管から前記副導波管へ伝送されるマイクロ波の自由空間波長より短くなるように、前記副導波管の開口部の寸法が決定されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 前記第1のマグネトロン及び前記第2のマグネトロンが発生するマイクロ波の周波数は2.45GHzであって、
    前記主導波管の開口部の寸法は幅80mm×高さ80mm、前記副導波管の開口部の寸法は幅80mm×高さ40mmであり、
    前記ランチャの開口部の寸法は、幅109.2mm×高さ54.6mmであることを特徴とする請求項2に記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 前記第1のマグネトロンと前記第2のマグネトロンとを同時に動作させて、アプリケータにマイクロ波電力を照射する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 第1のマグネトロンに接続された主導波管と、第2のマグネトロンに接続された副導波管とが、それぞれのマイクロ波によって発生する電界方向が直交するように接続され
    前記主導波管に形成されたランチャの開口部の寸法に基づいて決定される遮断波長が、前記副導波管から前記主導波管へ伝送されるマイクロ波の自由空間波長より短くなるように、前記ランチャの開口部の寸法が決定されていることを特徴とするT型導波管。
  6. 前記副導波管の開口部の寸法に基づいて決定された遮断波長が、前記主導波管から前記副導波管へ伝送されるマイクロ波の自由空間波長より短くなるように、前記副導波管の開口部の寸法が決定されていることを特徴とする請求項5に記載のT型導波管。
  7. 前記第1のマグネトロン及び前記第2のマグネトロンが発生するマイクロ波の周波数は2.45GHzであって、
    前記主導波管の開口部の寸法は幅80mm×高さ80mm、前記副導波管の開口部の寸法は幅80mm×高さ40mmであり、
    前記ランチャの開口部の寸法は、幅109.2mm×高さ54.6mmであることを特徴とする請求項6に記載のT型導波管。
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