JP2004031196A - 固体高分子型燃料電池、燃料電池用セパレータ及び燃料電池用ガス漏出防止部材 - Google Patents
固体高分子型燃料電池、燃料電池用セパレータ及び燃料電池用ガス漏出防止部材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】セパレータの薄肉化が可能であるが、セパレータにガスケットが食い込むことを生じさせない固体高分子型燃料電池、燃料電池用セパレータ及び燃料電池用ガス漏出防止部材を提供する。
【解決手段】固体高分子電解質膜2の両面に電極層3を配置する膜・電極接合体と、膜・電極接合体の両外面に配置され、反応ガスを通流させる反応ガス流路12,22を有し、その反応ガス流路12,22に反応ガスを通流させて、膜・電極接合体に発電させるセパレータ10,20とを有する単セルを積層した固体高分子型燃料電池であって、膜・電極接合体及びセパレータの間に配置され、反応ガスが漏れ出ることを防止するガス漏出防止部材30と、ガス漏出防止部材のうち、セパレータの反応ガス流路上に配置された部分が、反応ガス流路に食い込むことを防止する部材食込み防止手段24とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】固体高分子電解質膜2の両面に電極層3を配置する膜・電極接合体と、膜・電極接合体の両外面に配置され、反応ガスを通流させる反応ガス流路12,22を有し、その反応ガス流路12,22に反応ガスを通流させて、膜・電極接合体に発電させるセパレータ10,20とを有する単セルを積層した固体高分子型燃料電池であって、膜・電極接合体及びセパレータの間に配置され、反応ガスが漏れ出ることを防止するガス漏出防止部材30と、ガス漏出防止部材のうち、セパレータの反応ガス流路上に配置された部分が、反応ガス流路に食い込むことを防止する部材食込み防止手段24とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子電解質膜の両面に電極層を配置する膜・電極接合体を使用して、電気エネルギを取り出す固体高分子型燃料電池、燃料電池用セパレータ及び燃料電池用ガス漏出防止部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、1枚の固体高分子電解質膜の両面に電極層を配置し、さらにこの両面から2枚のセパレータで挟持したものを単セルとし、この単セルを積層することで形成している。そして、一方のセパレータのガス通流溝に水素を主成分とした燃料ガスを通流させ、他方のセパレータの空気通流溝に空気(酸素)を通流させて、固体高分子電解質膜で生じる電気化学反応を利用することで発電する。なお、電極とセパレータとの間から燃料ガスや空気が漏出しないように、間にガスケットが配置してある。
【0003】
このガスケットが、セパレータの通流溝に食い込んでしまうと、燃料ガスや空気の通流を妨げ、発電効率が悪化してしまうので、ガスケットがセパレータの通流溝に食い込まないようにする技術として、例えば、特開平9−35726号公報が開示されている。特開平9−35726号公報では、ナフィオン膜(固体高分子膜)の両面にパッキン(シールプレート)を介してガスプレートを配置している。このガスプレートには、反応ガスを通流させるためのガス通路溝が形成されている。そして、このガスプレートの一部分(パッキンが配置される部分)に段部を形成し、この段部に平板を嵌め、さらに、この平板の上面にパッキンを配置することで、パッキンがガス通路溝に食い込んでしまうことを防止しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した特開平9−35726号公報の技術では、すべてのセパレータに平板を嵌め込むための段部を確保しなければならないので、セパレータの薄肉化するうえでの障害になる、という問題があった。また、平板を配置するための段部を形成するための工程が必要であり、生産性が悪い。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、セパレータの薄肉化が可能であるが、セパレータにガスケットが食い込むことを生じさせない固体高分子型燃料電池、燃料電池用セパレータ及び燃料電池用ガス漏出防止部材を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
【0007】
本発明は、固体高分子電解質膜(2)の両面に電極層(3)を配置する膜・電極接合体と、前記膜・電極接合体の両外面に配置され、反応ガスを通流させる反応ガス流路(12,22)を有し、その反応ガス流路(12,22)に反応ガスを通流させて、前記膜・電極接合体に発電させるセパレータ(10,20)とを有する単セルを積層した固体高分子型燃料電池であって、前記膜・電極接合体及び前記セパレータの間に配置され、反応ガスが漏れ出ることを防止するガス漏出防止部材(30)と、前記ガス漏出防止部材のうち、前記セパレータの反応ガス流路上に配置された部分が、前記反応ガス流路に食い込むことを防止する部材食込み防止手段(24)とを備えることを特徴とする。
【0008】
【作用・効果】
本発明によれば、部材食込み防止手段を設けたので、ガスケット(ガス漏出防止部材)をセパレータのガス流路の外縁に直接配置しても、ガスケットがガス流路に食い込むことを防止でき、セパレータの薄肉化が可能になるとともに、セパレータの製造コストを安価に抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態の単セルを示す図であり、図1(A)に固体高分子電解質膜及び電極層の積層状態を示し、図1(B)(C)にセパレータを、その電極層への対向面を紙面上にして示す。
【0010】
単セル1は、固体高分子電解質膜2の両面に電極層3を配置し、さらに、その両外側にガスケット30を介してセパレータ10、20を配置している。
【0011】
図1(B)に示すように、セパレータ10の電極層3への対向面には、水素ガスを、ガス供給マニホールド11aからガス排出マニホールド11bへ向かって通流するガス流路12が形成されている。図1(B)では、ガス供給マニホールド11aはセパレータ10の左側に、ガス排出マニホールド11bはセパレータ10の右側に形成されており、ガス流路12は左右方向に形成されている。
【0012】
また、図1(C)に示すように、セパレータ20の電極層3への対向面には、エアを、エア供給マニホールド21aからエア排出マニホールド21bへ向かって通流するエア流路22が形成されている。図1(C)では、エア供給マニホールド21aはセパレータ10の上側に、エア排出マニホールド21bはセパレータ10の下側に形成されており、エア流路22は上下方向に形成されている。
【0013】
ガスケット30は、図1(B)(C)に破線で示すように、ガス流路12及びエア流路22の外縁に継ぎ目無く、直接配置されている。このように直接配置する点が、ガスケット支持プレート(特開平9−35726号公報の平板)を設置する従来技術との相違点である。
【0014】
なお、セパレータ10、20の大きさを参考までに示すと、本実施形態では、プレートサイズ150×150×t5mm、発電面サイズ100×100mmである。
【0015】
図2は、本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態のセパレータの一部を拡大した図である。
【0016】
本実施形態では、エア流路22は溝状(凹状)であり、その両脇は流路凸部23となっている。そして、エア流路22には、ガスケット30が食い込んで流路断面面積を減少させることを防止するためのガスケット食込み防止凸部24が形成されている。このガスケット食込み防止凸部24の高さは好ましくは流路凸部23と同じであり、またその幅は、セパレータ20の強度やガスケット30の硬度もしくはエア流路22の幅の大小に応じて適宜変更するとよい。
【0017】
図3は、セパレータの流路幅に対するガスケット食込み量の関係を示す図である。
【0018】
この図3では、流路幅が1.0mmから0.5mmに半減すると食込み量が1/8程度に減少していることが分かる。この食い込みの量自体は、使用するガスケットの材質およびスタック時の圧縮荷重によっても変わってくるが、流路幅を狭めることで食込み量の絶対量を減少させることができることにかわりはない。このように、流路幅を調整することでガスケットの食込み量を抑制することができる。
【0019】
図4は本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態のガスケットの断面形状を示す図であり、図4(A)に図2の発電面外縁部に設置されるガスケットの任意地点A−A部の断面形状を示し、図4(B)に図2の流路上に設置されるガスケットのB−B部の断面形状を示す。
【0020】
図4(A)に示すように、ガスケット30の発電面外縁部への配置部分は、断面形状が円形又は長方形等の公知形状のものを用いてよい。一方、ガスケット30の流路上への配置部分は、図4(B)に示すように、セパレータ20と接する側の幅を拡幅して面積を大きくして、面圧を減少させる。このようにすることで、ガスケット30がエア流路22に食い込んで流路面積を減少させることを抑制できる。
【0021】
なお、ガスケットの材料は、公知のガスケット材のいずれをも使用可能であるが、耐酸性、耐加水分解性、100℃程度までの耐熱性等を考慮すると、特にシリコーンゴム、フッ素ゴムが好適である。また、特に、少なくともガスケット30の流路上への配置部分の材質を硬度の高いものにすれば、ガスケットの流路への食い込みを、一層抑えることができる。
【0022】
本実施形態によれば、上述の通り、流路凸部23のガスケット配置部分の間にガスケット食込み防止凸部24を設けたので、単セルを積層して燃料電池スタックを形成する場合であっても、ガスケット30がセパレータの流路に食い込むことを防止することができる。
【0023】
また、ガスケット30をガス流路12及びエア流路22の外縁に直接配置したので、従来技術に必要であったガスケット支持プレート(特開平9−35726号公報の平板)の設置スペースが不要になるため、セパレータの薄肉化が可能になるとともに、セパレータを安価に製造可能である。
【0024】
さらに、ガスケット30の流路上への配置部分であって、セパレータ20と接する側の幅を拡幅したので、ガスケット30のセパレータ20に対する面圧を減少させることができ、ガスケット30のエア流路22への食い込みを抑制することができる。
【0025】
さらにまた、特に、少なくとも、ガスケット30の流路上への配置部分の材質を硬度の高いものにすれば、ガスケット30のエア流路22への食い込みを、一層抑えることができる。
【0026】
(第2実施形態)
図5は本発明による固体高分子型燃料電池の第2実施形態のセパレータの一部を拡大した図である。
【0027】
なお、以下の実施形態では、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0028】
本実施形態では、ガスケット食込み防止凸部24の配置スペースに合わせて流路凸部23の幅が狭められ、それによって、エア流路22が拡幅される。
【0029】
本実施形態によれば、ガスケット食込み防止凸部24の配置スペースに合わせてエア流路22が拡幅されているので、エア供給マニホールド21a、エア排出マニホールド21bにつながる出入口付近のエア流路22の断面積の総和を減少させず、エア流路22に空気をスムーズに通流させることができる。
【0030】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
【0031】
例えば、上記実施形態では、ガスケット食込み防止凸部を設けるセパレータとして、空気を通流させるセパレータ20で説明したが、燃料ガスを通流させるセパレータ10でも同様に実施可能である。
【0032】
また、上記実施形態においては、1本のエア流路22に1つのガスケット食込み防止凸部24が配置されているが、このガスケット食込み防止凸部24は、複数配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態の単セルを示す図である。
【図2】本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態のセパレータの一部を拡大した図である。
【図3】セパレータの流路幅に対するガスケット食込み量の関係を示す図である。
【図4】本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態のガスケットの断面形状を示す図である。
【図5】本発明による固体高分子型燃料電池の第2実施形態のセパレータの一部を拡大した図である。
【符号の説明】
1 単セル
2 固体高分子電解質膜
3 電極層
10 セパレータ
12 ガス流路
20 セパレータ
22 エア流路
23 流路凸部
24 ガスケット食込み防止凸部
30 ガスケット
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子電解質膜の両面に電極層を配置する膜・電極接合体を使用して、電気エネルギを取り出す固体高分子型燃料電池、燃料電池用セパレータ及び燃料電池用ガス漏出防止部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、1枚の固体高分子電解質膜の両面に電極層を配置し、さらにこの両面から2枚のセパレータで挟持したものを単セルとし、この単セルを積層することで形成している。そして、一方のセパレータのガス通流溝に水素を主成分とした燃料ガスを通流させ、他方のセパレータの空気通流溝に空気(酸素)を通流させて、固体高分子電解質膜で生じる電気化学反応を利用することで発電する。なお、電極とセパレータとの間から燃料ガスや空気が漏出しないように、間にガスケットが配置してある。
【0003】
このガスケットが、セパレータの通流溝に食い込んでしまうと、燃料ガスや空気の通流を妨げ、発電効率が悪化してしまうので、ガスケットがセパレータの通流溝に食い込まないようにする技術として、例えば、特開平9−35726号公報が開示されている。特開平9−35726号公報では、ナフィオン膜(固体高分子膜)の両面にパッキン(シールプレート)を介してガスプレートを配置している。このガスプレートには、反応ガスを通流させるためのガス通路溝が形成されている。そして、このガスプレートの一部分(パッキンが配置される部分)に段部を形成し、この段部に平板を嵌め、さらに、この平板の上面にパッキンを配置することで、パッキンがガス通路溝に食い込んでしまうことを防止しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した特開平9−35726号公報の技術では、すべてのセパレータに平板を嵌め込むための段部を確保しなければならないので、セパレータの薄肉化するうえでの障害になる、という問題があった。また、平板を配置するための段部を形成するための工程が必要であり、生産性が悪い。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、セパレータの薄肉化が可能であるが、セパレータにガスケットが食い込むことを生じさせない固体高分子型燃料電池、燃料電池用セパレータ及び燃料電池用ガス漏出防止部材を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
【0007】
本発明は、固体高分子電解質膜(2)の両面に電極層(3)を配置する膜・電極接合体と、前記膜・電極接合体の両外面に配置され、反応ガスを通流させる反応ガス流路(12,22)を有し、その反応ガス流路(12,22)に反応ガスを通流させて、前記膜・電極接合体に発電させるセパレータ(10,20)とを有する単セルを積層した固体高分子型燃料電池であって、前記膜・電極接合体及び前記セパレータの間に配置され、反応ガスが漏れ出ることを防止するガス漏出防止部材(30)と、前記ガス漏出防止部材のうち、前記セパレータの反応ガス流路上に配置された部分が、前記反応ガス流路に食い込むことを防止する部材食込み防止手段(24)とを備えることを特徴とする。
【0008】
【作用・効果】
本発明によれば、部材食込み防止手段を設けたので、ガスケット(ガス漏出防止部材)をセパレータのガス流路の外縁に直接配置しても、ガスケットがガス流路に食い込むことを防止でき、セパレータの薄肉化が可能になるとともに、セパレータの製造コストを安価に抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態の単セルを示す図であり、図1(A)に固体高分子電解質膜及び電極層の積層状態を示し、図1(B)(C)にセパレータを、その電極層への対向面を紙面上にして示す。
【0010】
単セル1は、固体高分子電解質膜2の両面に電極層3を配置し、さらに、その両外側にガスケット30を介してセパレータ10、20を配置している。
【0011】
図1(B)に示すように、セパレータ10の電極層3への対向面には、水素ガスを、ガス供給マニホールド11aからガス排出マニホールド11bへ向かって通流するガス流路12が形成されている。図1(B)では、ガス供給マニホールド11aはセパレータ10の左側に、ガス排出マニホールド11bはセパレータ10の右側に形成されており、ガス流路12は左右方向に形成されている。
【0012】
また、図1(C)に示すように、セパレータ20の電極層3への対向面には、エアを、エア供給マニホールド21aからエア排出マニホールド21bへ向かって通流するエア流路22が形成されている。図1(C)では、エア供給マニホールド21aはセパレータ10の上側に、エア排出マニホールド21bはセパレータ10の下側に形成されており、エア流路22は上下方向に形成されている。
【0013】
ガスケット30は、図1(B)(C)に破線で示すように、ガス流路12及びエア流路22の外縁に継ぎ目無く、直接配置されている。このように直接配置する点が、ガスケット支持プレート(特開平9−35726号公報の平板)を設置する従来技術との相違点である。
【0014】
なお、セパレータ10、20の大きさを参考までに示すと、本実施形態では、プレートサイズ150×150×t5mm、発電面サイズ100×100mmである。
【0015】
図2は、本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態のセパレータの一部を拡大した図である。
【0016】
本実施形態では、エア流路22は溝状(凹状)であり、その両脇は流路凸部23となっている。そして、エア流路22には、ガスケット30が食い込んで流路断面面積を減少させることを防止するためのガスケット食込み防止凸部24が形成されている。このガスケット食込み防止凸部24の高さは好ましくは流路凸部23と同じであり、またその幅は、セパレータ20の強度やガスケット30の硬度もしくはエア流路22の幅の大小に応じて適宜変更するとよい。
【0017】
図3は、セパレータの流路幅に対するガスケット食込み量の関係を示す図である。
【0018】
この図3では、流路幅が1.0mmから0.5mmに半減すると食込み量が1/8程度に減少していることが分かる。この食い込みの量自体は、使用するガスケットの材質およびスタック時の圧縮荷重によっても変わってくるが、流路幅を狭めることで食込み量の絶対量を減少させることができることにかわりはない。このように、流路幅を調整することでガスケットの食込み量を抑制することができる。
【0019】
図4は本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態のガスケットの断面形状を示す図であり、図4(A)に図2の発電面外縁部に設置されるガスケットの任意地点A−A部の断面形状を示し、図4(B)に図2の流路上に設置されるガスケットのB−B部の断面形状を示す。
【0020】
図4(A)に示すように、ガスケット30の発電面外縁部への配置部分は、断面形状が円形又は長方形等の公知形状のものを用いてよい。一方、ガスケット30の流路上への配置部分は、図4(B)に示すように、セパレータ20と接する側の幅を拡幅して面積を大きくして、面圧を減少させる。このようにすることで、ガスケット30がエア流路22に食い込んで流路面積を減少させることを抑制できる。
【0021】
なお、ガスケットの材料は、公知のガスケット材のいずれをも使用可能であるが、耐酸性、耐加水分解性、100℃程度までの耐熱性等を考慮すると、特にシリコーンゴム、フッ素ゴムが好適である。また、特に、少なくともガスケット30の流路上への配置部分の材質を硬度の高いものにすれば、ガスケットの流路への食い込みを、一層抑えることができる。
【0022】
本実施形態によれば、上述の通り、流路凸部23のガスケット配置部分の間にガスケット食込み防止凸部24を設けたので、単セルを積層して燃料電池スタックを形成する場合であっても、ガスケット30がセパレータの流路に食い込むことを防止することができる。
【0023】
また、ガスケット30をガス流路12及びエア流路22の外縁に直接配置したので、従来技術に必要であったガスケット支持プレート(特開平9−35726号公報の平板)の設置スペースが不要になるため、セパレータの薄肉化が可能になるとともに、セパレータを安価に製造可能である。
【0024】
さらに、ガスケット30の流路上への配置部分であって、セパレータ20と接する側の幅を拡幅したので、ガスケット30のセパレータ20に対する面圧を減少させることができ、ガスケット30のエア流路22への食い込みを抑制することができる。
【0025】
さらにまた、特に、少なくとも、ガスケット30の流路上への配置部分の材質を硬度の高いものにすれば、ガスケット30のエア流路22への食い込みを、一層抑えることができる。
【0026】
(第2実施形態)
図5は本発明による固体高分子型燃料電池の第2実施形態のセパレータの一部を拡大した図である。
【0027】
なお、以下の実施形態では、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0028】
本実施形態では、ガスケット食込み防止凸部24の配置スペースに合わせて流路凸部23の幅が狭められ、それによって、エア流路22が拡幅される。
【0029】
本実施形態によれば、ガスケット食込み防止凸部24の配置スペースに合わせてエア流路22が拡幅されているので、エア供給マニホールド21a、エア排出マニホールド21bにつながる出入口付近のエア流路22の断面積の総和を減少させず、エア流路22に空気をスムーズに通流させることができる。
【0030】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
【0031】
例えば、上記実施形態では、ガスケット食込み防止凸部を設けるセパレータとして、空気を通流させるセパレータ20で説明したが、燃料ガスを通流させるセパレータ10でも同様に実施可能である。
【0032】
また、上記実施形態においては、1本のエア流路22に1つのガスケット食込み防止凸部24が配置されているが、このガスケット食込み防止凸部24は、複数配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態の単セルを示す図である。
【図2】本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態のセパレータの一部を拡大した図である。
【図3】セパレータの流路幅に対するガスケット食込み量の関係を示す図である。
【図4】本発明による固体高分子型燃料電池の第1実施形態のガスケットの断面形状を示す図である。
【図5】本発明による固体高分子型燃料電池の第2実施形態のセパレータの一部を拡大した図である。
【符号の説明】
1 単セル
2 固体高分子電解質膜
3 電極層
10 セパレータ
12 ガス流路
20 セパレータ
22 エア流路
23 流路凸部
24 ガスケット食込み防止凸部
30 ガスケット
Claims (7)
- 固体高分子電解質膜の両面に電極層を配置する膜・電極接合体と、
前記膜・電極接合体の両外面に配置され、反応ガスを通流させる反応ガス流路を有し、その反応ガス流路に反応ガスを通流させて、前記膜・電極接合体に発電させるセパレータと
を有する単セルを積層した固体高分子型燃料電池であって、
前記膜・電極接合体及び前記セパレータの間に配置され、反応ガスが漏れ出ることを防止するガス漏出防止部材と、
前記ガス漏出防止部材のうち、前記セパレータの反応ガス流路上に配置された部分が、前記反応ガス流路に食い込むことを防止する部材食込み防止手段と
を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池。 - 前記反応ガス流路の反応ガス流れ方向に対して直角な断面のうち、前記部材食込み防止手段を含む断面であって反応ガスを通流する部分の断面の断面積が、前記部材食込み防止手段を含まない断面の断面積以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。 - 前記反応ガス流路は、前記部材食込み防止手段が設けられた部分の流路幅を、前記部材食込み防止手段が設けられていない部分の流路幅に対して拡幅していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記ガス漏出防止部材は、前記セパレータに接触する面の幅が前記膜・電極接合体に接触する面の幅よりも広い
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池。 - 固体高分子電解質膜の両面に電極層を有する膜・電極接合体の両外面に配置され、反応ガス流路に反応ガスを通流させて、前記膜・電極接合体に発電させる燃料電池用セパレータであって、
前記反応ガス流路から反応ガスが漏れ出すことを防止するガス漏出防止部材を配置する部材配置部位に、そのガス漏出防止部材が反応ガス流路に食い込むことを防止する部材食込み防止手段を備える
ことを特徴とする燃料電池用セパレータ。 - 前記反応ガス流路の反応ガス流れ方向に対して直角な断面のうち、前記部材食込み防止手段を含む断面であって反応ガスを通流する部分の断面の断面積が、前記部材食込み防止手段を含まない断面の断面積以上である
ことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池用セパレータ。 - 固体高分子電解質膜の両面に電極層を配置する膜・電極接合体と、
前記膜・電極接合体の両外面に配置され、反応ガスを通流させる反応ガス流路を有し、その反応ガス流路に反応ガスを通流させて、前記膜・電極接合体に発電させるセパレータと
を有する単セルを積層した固体高分子型燃料電池に使用され、
前記膜・電極接合体及び前記セパレータの間に配置され、反応ガスが漏れ出ることを防止する燃料電池用ガス漏出防止部材であって、
少なくとも前記セパレータの反応ガス流路上に配置される部分は、前記セパレータ接触側の幅が、その反対側の幅よりも広い
ことを特徴とする燃料電池用ガス漏出防止部材。
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