JP2004030946A - 角形非水電解液電池の安全構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全弁作動時にも、安全弁から吹き出される可燃性ガスへの着火を防止できる角形非水電解液電池の安全構造を提供する。
【解決手段】非水電解液が含浸された正極、負極、セパレータが積層された電極体１２が角形の電池ケース１０に収容され、電極体１２と電池ケース１０に設けられた安全弁１６との間を遮断するように遮断構造１８が配置されている。これにより、電池が過充電、加熱等にさらされ、電極体１２から高温物体が噴出されても、遮断構造１８により、このような高温物体は安全弁１６の開口部から遮断され、電池ケース１０の外部に高温物体が可燃性ガスとともに吹き出されることを防止できる。
【選択図】 図１
【解決手段】非水電解液が含浸された正極、負極、セパレータが積層された電極体１２が角形の電池ケース１０に収容され、電極体１２と電池ケース１０に設けられた安全弁１６との間を遮断するように遮断構造１８が配置されている。これにより、電池が過充電、加熱等にさらされ、電極体１２から高温物体が噴出されても、遮断構造１８により、このような高温物体は安全弁１６の開口部から遮断され、電池ケース１０の外部に高温物体が可燃性ガスとともに吹き出されることを防止できる。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、角形非水電解液電池の安全構造の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
角形リチウムイオン電池等の角形非水電解液電池が過充電、加熱等にさらされた場合、電解液が電気分解あるいは熱分解されて可燃性ガスが発生し、電池ケース内圧が上昇する可能性がある。
【０００３】
このため、従来より電池ケースには、内部のガスを外に放出するための安全弁が設けられている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の電池ケースでは、電池の過充電、加熱等により電極体のセパレータが溶断して正極、負極が短絡し、スパークが発生して安全弁から電極体の活物質や集電箔の燃焼物等の高温物体が可燃性ガスとともに吹き出す可能性がある。この場合には、電池ケース外部で可燃性ガスに着火し、爆発的に燃焼する可能性があるという問題があった。
【０００５】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、安全弁作動時にも、安全弁から吹き出される可燃性ガスへの着火を防止できる角形非水電解液電池の安全構造を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、非水電解液が含浸された正極、負極、セパレータが角形の電池ケースに収容された角形非水電解液電池の安全構造であって、電池ケースの内部に、電池の異常動作時に安全弁開口部から高温物体が電池ケース外部に放出されることを防止する遮断構造が設けられていることを特徴とする。
【０００７】
また、上記角形非水電解液電池の安全構造において、遮断構造は、両端に入口を有するガス通路を構成する筒状の構造であって、内部に入ったガスを安全弁開口部に放出する２つの放出口を有し、ガス通路には２つの放出口の間に仕切板が設けられていることを特徴とする。
【０００８】
上記各構成によれば、安全弁作動時にも、安全弁開口部から高温物体が電池ケース外部に放出されることを回避でき、安全弁から吹き出される可燃性ガスへの着火を防止できる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態（以下実施形態という）を、図面に従って説明する。
【００１０】
図１には、本発明に係る角形非水電解液電池の安全構造の一実施形態の斜視図が示される。図１において、角形非水電解液電池の角形の電池ケース１０の内部には、正極、負極、セパレータが積層された電極体１２と、電極体１２に接続された電極端子１４が収容されている。また、電池ケース１０には、角形非水電解液電池が過充電、加熱等にさらされ、電解液が電気分解あるいは熱分解されて発生した可燃性ガス等を外に放出し、電池ケース１０の内圧が上昇することを防止するための安全弁１６が２個設けられている。
【００１１】
本実施形態において、特徴的な点は、電池ケース１０のの内部に、電池の異常動作時に安全弁１６の開口部から高温物体が電池ケース１０の外部に放出されることを防止する遮断構造１８が設けられている点である。図２には、この遮断構造１８が示される。図２において、遮断構造１８は、両端に入口を有する筒状の構造とされており、その内部がガス通路を構成している。この遮断構造１８には、
内部に入ったガスを安全弁１６の開口部に放出する２つの放出口２０が形成されている。また、遮断構造１８の内部のガス通路には、２つの放出口２０の間に仕切板２２が設けられている。なお、遮断構造１８の材料は電池ケース１０内部の環境に耐えられるものであればよく、例えば、電池ケース１０と同じ材料を使用することができる。
【００１２】
以上のような構造の遮断構造１８は、図１に示されるように、電池ケース１０の内部において、電極体１２と安全弁１６の開口部との間を遮断するように配置される。このため、電池が過充電、加熱等にさらされ、電極体１２のセパレータが溶断して正極、負極が短絡し、スパークが発生して電極体１２の活物質や集電箔の燃焼物等の高温物体が噴出されても、遮断構造１８により、このような高温物体は安全弁１６の開口部から遮断され、電池ケース１０の外部に高温物体が可燃性ガスとともに吹き出されることを防止できる。従って、電池ケース１０の外部で可燃性ガスが着火され、爆発的に燃焼することを回避できる。
【００１３】
一方、電池が過充電、加熱等にさらされた場合、前述したように、電解液が電気分解あるいは熱分解されて可燃性ガスが発生する可能性があるが、遮断構造１８の内部のガス通路、放出口２０を経由して、安全弁１６からガスを電池ケース外部に放出することができる。この場合、ガス通路には、２つの放出口２０の間に仕切板２２が設けられているので、一方の入口から入ったガスが他方の入口から抜けてしまうことを防止でき、排気効率を向上できる。また、ガス通路の断面積および放出口２０の断面積を安全弁１６の開口部の断面積と等しいか、それより大きくしておくことにより、さらに排気効率を向上できる。なお、遮断構造１８の断面形状は、上記排気効率を低下させない形状であれば特に限定はされないが、図２に示されるように、矩形断面を有する角形パイプをすることも好適である。
【００１４】
以上のような遮断構造１８により、高温物体は遮断し、ガスのみ電池ケース１０の外部に排気できる。
【００１５】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電池が過充電、加熱等にさらされた場合にも、可燃性ガスのみを電池ケースの外部に排気し、高温物体が外部に噴出されることを防止できるので、安全弁作動時に、安全弁から吹き出される可燃性ガスへの着火を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る角形非水電解液電池の安全構造の一実施形態の斜視図である。
【図２】図１に示された遮断構造の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
１０ 電池ケース、１２ 電極体、１４ 電極端子、１６ 安全弁、１８ 遮断構造、２０ 放出口、２２ 仕切板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、角形非水電解液電池の安全構造の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
角形リチウムイオン電池等の角形非水電解液電池が過充電、加熱等にさらされた場合、電解液が電気分解あるいは熱分解されて可燃性ガスが発生し、電池ケース内圧が上昇する可能性がある。
【０００３】
このため、従来より電池ケースには、内部のガスを外に放出するための安全弁が設けられている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の電池ケースでは、電池の過充電、加熱等により電極体のセパレータが溶断して正極、負極が短絡し、スパークが発生して安全弁から電極体の活物質や集電箔の燃焼物等の高温物体が可燃性ガスとともに吹き出す可能性がある。この場合には、電池ケース外部で可燃性ガスに着火し、爆発的に燃焼する可能性があるという問題があった。
【０００５】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、安全弁作動時にも、安全弁から吹き出される可燃性ガスへの着火を防止できる角形非水電解液電池の安全構造を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、非水電解液が含浸された正極、負極、セパレータが角形の電池ケースに収容された角形非水電解液電池の安全構造であって、電池ケースの内部に、電池の異常動作時に安全弁開口部から高温物体が電池ケース外部に放出されることを防止する遮断構造が設けられていることを特徴とする。
【０００７】
また、上記角形非水電解液電池の安全構造において、遮断構造は、両端に入口を有するガス通路を構成する筒状の構造であって、内部に入ったガスを安全弁開口部に放出する２つの放出口を有し、ガス通路には２つの放出口の間に仕切板が設けられていることを特徴とする。
【０００８】
上記各構成によれば、安全弁作動時にも、安全弁開口部から高温物体が電池ケース外部に放出されることを回避でき、安全弁から吹き出される可燃性ガスへの着火を防止できる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態（以下実施形態という）を、図面に従って説明する。
【００１０】
図１には、本発明に係る角形非水電解液電池の安全構造の一実施形態の斜視図が示される。図１において、角形非水電解液電池の角形の電池ケース１０の内部には、正極、負極、セパレータが積層された電極体１２と、電極体１２に接続された電極端子１４が収容されている。また、電池ケース１０には、角形非水電解液電池が過充電、加熱等にさらされ、電解液が電気分解あるいは熱分解されて発生した可燃性ガス等を外に放出し、電池ケース１０の内圧が上昇することを防止するための安全弁１６が２個設けられている。
【００１１】
本実施形態において、特徴的な点は、電池ケース１０のの内部に、電池の異常動作時に安全弁１６の開口部から高温物体が電池ケース１０の外部に放出されることを防止する遮断構造１８が設けられている点である。図２には、この遮断構造１８が示される。図２において、遮断構造１８は、両端に入口を有する筒状の構造とされており、その内部がガス通路を構成している。この遮断構造１８には、
内部に入ったガスを安全弁１６の開口部に放出する２つの放出口２０が形成されている。また、遮断構造１８の内部のガス通路には、２つの放出口２０の間に仕切板２２が設けられている。なお、遮断構造１８の材料は電池ケース１０内部の環境に耐えられるものであればよく、例えば、電池ケース１０と同じ材料を使用することができる。
【００１２】
以上のような構造の遮断構造１８は、図１に示されるように、電池ケース１０の内部において、電極体１２と安全弁１６の開口部との間を遮断するように配置される。このため、電池が過充電、加熱等にさらされ、電極体１２のセパレータが溶断して正極、負極が短絡し、スパークが発生して電極体１２の活物質や集電箔の燃焼物等の高温物体が噴出されても、遮断構造１８により、このような高温物体は安全弁１６の開口部から遮断され、電池ケース１０の外部に高温物体が可燃性ガスとともに吹き出されることを防止できる。従って、電池ケース１０の外部で可燃性ガスが着火され、爆発的に燃焼することを回避できる。
【００１３】
一方、電池が過充電、加熱等にさらされた場合、前述したように、電解液が電気分解あるいは熱分解されて可燃性ガスが発生する可能性があるが、遮断構造１８の内部のガス通路、放出口２０を経由して、安全弁１６からガスを電池ケース外部に放出することができる。この場合、ガス通路には、２つの放出口２０の間に仕切板２２が設けられているので、一方の入口から入ったガスが他方の入口から抜けてしまうことを防止でき、排気効率を向上できる。また、ガス通路の断面積および放出口２０の断面積を安全弁１６の開口部の断面積と等しいか、それより大きくしておくことにより、さらに排気効率を向上できる。なお、遮断構造１８の断面形状は、上記排気効率を低下させない形状であれば特に限定はされないが、図２に示されるように、矩形断面を有する角形パイプをすることも好適である。
【００１４】
以上のような遮断構造１８により、高温物体は遮断し、ガスのみ電池ケース１０の外部に排気できる。
【００１５】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電池が過充電、加熱等にさらされた場合にも、可燃性ガスのみを電池ケースの外部に排気し、高温物体が外部に噴出されることを防止できるので、安全弁作動時に、安全弁から吹き出される可燃性ガスへの着火を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る角形非水電解液電池の安全構造の一実施形態の斜視図である。
【図２】図１に示された遮断構造の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
１０ 電池ケース、１２ 電極体、１４ 電極端子、１６ 安全弁、１８ 遮断構造、２０ 放出口、２２ 仕切板。
Claims (2)
- 非水電解液が含浸された正極、負極、セパレータが角形の電池ケースに収容された角形非水電解液電池の安全構造であって、
前記電池ケースの内部に、電池の異常動作時に安全弁開口部から高温物体が前記電池ケース外部に放出されることを防止する遮断構造が設けられていることを特徴とする角形非水電解液電池の安全構造。 - 請求項１記載の角形非水電解液電池の安全構造において、前記遮断構造は、両端に入口を有するガス通路を構成する筒状の構造であって、内部に入ったガスを前記安全弁開口部に放出する２つの放出口を有し、前記ガス通路には前記２つの放出口の間に仕切板が設けられていることを特徴とする角形非水電解液電池の安全構造。
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| JP2002181086A JP3969205B2 (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | 角形非水電解液電池の安全構造 |
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|---|---|---|---|---|
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-
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- 2002-06-21 JP JP2002181086A patent/JP3969205B2/ja not_active Expired - Fee Related
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