JP2004030787A - 光磁気記録媒体およびその再生方法 - Google Patents

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Takeshi Sakaguchi
坂口 武
Motoyoshi Murakami
村上 元良
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Abstract

【課題】各層間の界面での酸素を制御することにより短マークで場所による分布がなく、低ジッタを実現することを目的とした光磁気記録媒体およびその再生方法を提供するものである。
【解決手段】少なくとも第1磁性層、第2磁性層、第3磁性層を順に有し、室温からキュリー温度までの間に磁壁抗磁力が減少する温度範囲を有する前記第1磁性層と、前記第1磁性層および前記第3磁性層より低いキュリー温度を有する前記第2磁性層と、垂直磁気異方性を有する前記第3磁性層を有する光磁気記録媒体であって、前記第1磁性層と前記第2磁性層の間の界面、且つ前記第2磁性層と前記第3磁性層の間の界面に含有される酸素が微量であることを特徴とする光磁気記録媒体である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気光学効果を利用して情報の記録または再生に用いられる光磁気記録媒体およびその再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、光磁気記録媒体には光ビームのビームスポットよりも小さなマークを再生するために、さまざまな高密度記録方式が提案されている。提案されている高密度記録方式の一つに磁壁移動検出方式がある。
【0003】
磁壁移動検出方式を用いた光磁気記録媒体の構成は、図8に示すように、基板11上に、まずエンハンス層12を形成し、その上に磁性層13、磁性層14、磁性層15を積層し、更に保護層16、オーバーコート層17を形成した構成である。
【0004】
磁壁移動検出方式に用いている磁性層13は、再生温度付近では磁壁が容易に移動できることが必要であるため、磁壁抗磁力が小さいことが必要である。磁性層13にはGdFeCo等が一般的に用いられている。
【0005】
磁性層14は、磁性層13および磁性層15よりも低いキュリー温度が必要であり、TbFe等が用いられている。
【0006】
磁性層15は、大きな垂直磁気異方性が必要であり、例えばTbFeCoやDyFeCo等が用いられている。
【0007】
磁壁移動検出方式の再生方法について説明する。このような構成の光磁気記録媒体は磁性層13、磁性層14、磁性層15には交換結合が働いている。この光磁気記録媒体の基板11側から光ビームを照射すると、磁性層14はキュリー温度が低いので磁性層13や磁性層15よりも低い温度でキュリー温度以上になる。磁性層14がキュリー温度以上の温度領域では磁性層13、磁性層14、磁性層15に働いていた交換結合が遮断される。
【0008】
磁性層14がキュリー温度以上の温度領域では、磁性層13は磁壁抗磁力が小さいために、磁壁がビームスポット内の温度の高い領域に移動する。磁性層13の磁壁が移動することによってビームスポット内におけるマークの大きさが大きくなるので短マークにおいても大きな信号が得られる。
【0009】
また、スパッタリング装置は基板を連続的に設置していくスパッタリング装置が多く用いられている。基板を連続的に設置していくので量産性に非常に優れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような光磁気記録媒体においては、基板をスパッタリング装置内に設置するときに同時に大気中の酸素を取り込むことになる。磁性層を製膜後に、次の磁性層を製膜するまでの間に、界面に酸素が付着してしまう。磁性層13、磁性層14、磁性層15との間の交換結合力が非常に重要であり、各層間の界面に酸素が含まれると交換結合が非常に小さくなり、このような状態では、磁性層15に記録されている情報を磁性層13に転写も悪く、信号も小さくなってしまう。
【0011】
また基板の直径に対してターゲットの直径が大きいためにターゲット効率が低く、光磁気記録媒体の作成コストが増加する。
【0012】
本発明は上記課題に鑑み、基板の直径とターゲットの直径の比率を制御し、基板を設置するときにスパッタリング装置内に酸素が入り込んだ場合においても、界面での酸素を制御することによって、低コストで短マークでも低ジッタを実現することを目的とした光磁気記録媒体およびその作成方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の光磁気記録媒体およびその再生方法は、少なくとも第1磁性層、第2磁性層、第3磁性層を順に有し、室温からキュリー温度までの間に磁壁抗磁力が減少する温度範囲を有する前記第1磁性層と、前記第1磁性層および前記第3磁性層より低いキュリー温度を有する前記第2磁性層と、垂直磁気異方性を有する前記第3磁性層を有する光磁気記録媒体であって、前記第1磁性層と前記第2磁性層の間の界面、且つ前記第2磁性層と前記第3磁性層の間の界面に含有される酸素が1500ppm以下であることを特徴とする光磁気記録媒体である。
【0014】
更に、第1磁性層と前記第2磁性層の間の界面、且つ前記第2磁性層と前記第3磁性層の間の界面に含有される酸素の最大値cと、前記第3磁性層の膜中に含有される酸素dの比率c/dが2.0以下であることを特徴とする光磁気記録媒体である。
【0015】
更に、第1磁性層と前記第2磁性層の間の界面、且つ前記第2磁性層と前記第3磁性層の間の界面に酸素が含有される膜厚が、3nm以下であることを特徴とする光磁気記録媒体である。
【0016】
更に、第1磁性層と前記第2磁性層の間に、前記第1磁性層よりもキュリー温度が低く、且つ前記第2磁性層よりもキュリー温度が高い第4磁性層が積層されていることを特徴とする光磁気記録媒体である。
【0017】
また、光磁気記録媒体を再生する再生方法であって、前記光磁気記録媒体に記録されている情報の再生時に、前記光磁気記録媒体に光ビームを照射して、ビームスポット内に温度勾配を持たせ、且つ前記ビームスポット内の温度を前記第2磁性層のキュリー温度以上に高くして、前記第1磁性層の磁壁を移動させ、前記第1磁性層で反射された前記光ビームから磁気光学効果を用いて再生することを特徴とする光磁気記録媒体の再生方法である。
【0018】
更に、光磁気記録媒体を再生する再生方法であって、前記光磁気記録媒体に記録されている情報の再生時に、前記光磁気記録媒体に光ビームを照射して、ビームスポット内に温度勾配を持たせ、且つ前記ビームスポット内の温度を前記第2磁性層のキュリー温度以上に高くして、前記第1磁性層の磁壁を移動させ、前記第1磁性層から発生する磁束から磁気抵抗効果を用いて再生することを特徴とする光磁気記録媒体の再生方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、具体的な実施の形態によって本発明を詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態1における光磁気記録媒体の構成を示す断面図である。図1において、基板101は、光ビームのトラッキングのために案内溝を備えたポリカーボネート製の基板である。ポリカーボネート製の基板は、一般的に成形が容易であるために光磁気記録媒体の基板としてよく使用されている。また基板101は、ランド・グルーブ構成であり、トラック幅は0.6μmである。
【0022】
本実施の形態では、直径が50mmの基板101を用いた。
【0023】
本実施の形態の光磁気記録媒体は、基板101上に、まずSiN膜からなるエンハンス層102を形成し、その上に、GdFeCo膜からなる第1磁性層103、TbFeCo膜からなる第2磁性層104、第2磁性層104とは異なる組成のTbFeCo膜からなる第3磁性層105、更にSiN膜からなる保護層106を形成し、最後に紫外線硬化樹脂からなるオーバーコート層107を形成した構成である。
【0024】
本実施の形態において基板101上へのそれぞれの薄膜の形成に用いたスパッタリング装置120の構成について説明する。本実施の形態で用いたスパッタリング装置120の構成図を図2及び図3に示す。図2に示すように、少なくともメインチャンバー121とロードチャンバー122と第1プロセスチャンバー123、第2プロセスチャンバー124、第3プロセスチャンバー125、第4プロセスチャンバー126、第5プロセスチャンバー127、基板101を搬送するアーム130を備えている。
【0025】
第1プロセスチャンバー123にはSiターゲット、第2プロセスチャンバー124にはGdFeCoターゲット、第3プロセスチャンバー125にはTbFeCoターゲット、第4プロセスチャンバー126には、第3プロセスチャンバー125に設置されているTbFeCoターゲットとは異なる組成のTbFeCoターゲット、第5プロセスチャンバー127にはSiターゲットが設置されている。本実施の形態では直径75mmのターゲットが設置されている。
【0026】
メインチャンバー121と全プロセスチャンバー1211間は、アーム130の伸縮によって開閉が行われる。アーム130が伸びているときは、図2に示すように、アーム130によってメインチャンバー121と全プロセスチャンバー1211は遮断される。これに対して、アーム130が縮んでいるときは、図3に示すように、メインチャンバー121と全プロセスチャンバー1211は開放される。また各プロセスチャンバー間は常に完全に遮断されている。
【0027】
メインチャンバー121とロードチャンバー122間も同様にアーム130が伸びているときは、遮断され、アーム130が縮んでいるときは開放される。
【0028】
次に、本実施の形態で用いたスパッタリング装置120への基板101の設置方法について説明する。まず真空排気を行っていたロードチャンバー122内を大気圧の状態にする。このときロードチャンバー122の影響で、メインチャンバー121および全プロセスチャンバー1211の圧力が高くなるのを防ぐため、図2に示すようにアーム130が伸びた状態にしてメインチャンバー121とロードチャンバー122間およびメインチャンバー121と全プロセスチャンバー1211間を遮断する。ロードチャンバー122が大気圧の状態にした後、ロードチャンバードア1221を開ける。開いたロードチャンバードア1221からアーム130に基板101を設置する。基板101を設置した後、ロードチャンバードア1221を閉じてロードチャンバー122内を短時間の真空排気を行う。
【0029】
ロードチャンバー122を短時間の真空排気を行った後、アーム130に設置した基板101を第1プロセスチャンバー123へ移動する。基板101の移動方法は、図3に示すように、縮んだアーム130は回転して第1プロセスチャンバー123へ移動する。ロードチャンバー122内は生産性を考慮した短時間の排気のため、メインチャンバー1211ほどの真空度に到達できず、まだ酸素などの不純物ガスが残留している。このためアーム130が縮むときにロードチャンバー122からメインチャンバー121および全プロセスチャンバー1211に酸素が入り込む。
【0030】
次の基板101の設置も同様にして、アーム130が伸びた状態でロードチャンバー122内を大気圧にした後、ロードチャンバードア1221を開いて、アーム130の新しい基板設置場所に基板101を設置する。基板101を設置した後、ロードチャンバードア1221を閉じてロードチャンバー122を短時間の真空排気を行い、設置した基板101をロードチャンバー122から第1プロセスチャンバー123へ移動する。上記に述べた方法を繰り返すことによって、アーム130のすべての基板設置場所に基板101を設置する。
【0031】
アーム130のすべての基板設置場所に基板101を設置した状態で、薄膜の形成前に基板101の設置時にスパッタリング装置120内に入り込んだ酸素を取り除くために、アーム130を縮ませて、図3に示すような状態でメインチャンバー121およびロードチャンバー122および全プロセスチャンバー1211の真空排気を行った。本実施の形態において、0〜24時間と時間を変えて真空排気を行った。
【0032】
次に、本実施の形態における光磁気記録媒体の薄膜の形成方法について説明する。0〜24時間の真空排気を行った後、基板101を第1プロセスチャンバー123に移動する。第1プロセスチャンバー123に、ArガスおよびNガスを導入し、第1プロセスチャンバー123内の圧力を4×10−1Paとして、投入電力を2kW印加して、基板101上にDCスパッタリング法を用いてエンハンス層102であるSiN膜を形成した。
【0033】
本実施の形態においては、エンハンス層102であるSiN膜の膜厚を35nmとした。
【0034】
次に、基板101を第1プロセスチャンバー123から第2プロセスチャンバー124へ移動する。第2プロセスチャンバー124内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、Arガスを導入し、第2プロセスチャンバー124内の圧力を4×10−1Paとして、投入電力を250W印加して、エンハンス層102上に第1磁性層103であるGdFeCo膜を形成した。第1磁性層103の形成方法はエンハンス層102と同様にDCスパッタリング法である。
【0035】
本実施の形態において、第1磁性層103であるGdFeCo膜の膜厚は40nmとした。
【0036】
また、本実施の形態において、第1磁性層103であるGdFeCo膜の組成は、Gd27.5Fe64.5Co8.0(at.%)の室温において希土類リッチ膜である。また本実施の形態における第1磁性層103であるGdFeCo膜は、キュリー温度が290℃、160℃以上の温度範囲において磁壁抗磁力が小さくなるような膜である。
【0037】
第1磁性層103を形成後、基板101を第2プロセスチャンバー124から第3プロセスチャンバー125へ移動する。第3プロセスチャンバー125内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、Arガスを導入し、第3プロセスチャンバー125内の圧力を3Paとして、投入電力0.25kW印加して、第1磁性層103上に第2磁性層104であるTbFeCo膜を形成した。第2磁性層104の形成方法は第1磁性層103と同様にDCスパッタリング法である。
【0038】
本実施の形態において、第2磁性層104であるTbFeCo膜の膜厚は25nmとした。
【0039】
また、本実施の形態において、第2磁性層104であるTbFeCo膜の組成をTb25.0Fe74.0Co1.0(at.%)とした。本実施の形態における第2磁性層104であるTbFeCo膜は、キュリー温度が160℃、補償温度が150℃前後である室温において希土類リッチの組成のTbFeCo膜である。
【0040】
第2磁性層104を形成後、基板101を第3プロセスチャンバー125から第4プロセスチャンバー126へ移動する。第4プロセスチャンバー126内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、Arガスを導入し、第4プロセスチャンバー126内の圧力を3.5Paとして、投入電力1kW印加して、第2磁性層104上に第3磁性層105であるTbFeCo膜を形成した。第3磁性層105の形成方法は第2磁性層104と同様にDCスパッタリング法である。
【0041】
本実施の形態において、第3磁性層105であるTbFeCo膜の組成は、Tb26.5Fe67.0Co6.5(at.%)とした。
【0042】
本実施の形態で形成した第3磁性層105は、キュリー温度が260℃、補償温度が180℃で室温において希土類金属リッチのTbFeCo膜である。
【0043】
また第3磁性層105は、室温において垂直磁気異方性が大きく、保磁力が大きいため、安定に記録情報を保持することが可能である。
【0044】
第3磁性層105の膜厚は、記録情報を保持する必要があるため、25nm以上であることが望ましい。しかし、第3磁性層105の膜厚が厚くなりすぎると温度上昇に必要となる光ビームのパワーが大きくなり、記録感度が低下する原因となるため、第3磁性層105の膜厚は300nm以下であることが望ましい。本実施の形態においては、第3磁性層105の膜厚を150nmとした。
【0045】
第3磁性層105を形成後、基板101を第4プロセスチャンバー126から第5プロセスチャンバー127へ移動する。第5プロセスチャンバー127内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、ArガスおよびNガスを導入し、第5プロセスチャンバー127内の圧力を4×10−1Paとして、投入電力を2kW印加して、第3磁性層105上にDCスパッタリング法を用いて保護層106であるSiN膜を形成した。
【0046】
保護層106は製膜した膜の腐食を防止する必要があるので、本実施の形態において保護層106の膜厚は50nmとした。
【0047】
基板101上に上記の条件で各薄膜を形成した光磁気記録媒体を第5プロセスチャンバー127からロードチャンバー122へ移動して、スパッタリング装置120から取り出した後、光磁気記録媒体の膜表面側に、紫外線硬化樹脂をスピンコートにより塗布して、紫外線を照射することによってオーバーコート層107を形成した。本実施の形態において、紫外線硬化樹脂の粘度とスピンコーターの回転数を制御することにより、オーバーコート層107の膜厚は10μmとした。
【0048】
次に、本実施の形態における光磁気記録媒体の記録および再生方法について説明する。本発明の記録および再生方法には波長650nmの半導体レーザ、NAが0.6の対物レンズを用いた。光磁気記録媒体の線速は2.4m/sとした。
【0049】
光磁気記録媒体への信号の記録には、磁界変調方式を用いた。記録パワーを6mWにして、光ビームを基板101側から光磁気記録媒体に照射し、第3磁性層105の温度をキュリー温度近傍まで上昇させる。同時に、磁気ヘッドを光磁気記録媒体のオーバーコート層107側に近づけて、磁気ヘッドから記録磁界350エルステッドで発生する磁束の向きを変調することによって信号の記録を行った。
【0050】
次に、本発明の実施の形態1において光磁気記録媒体の再生時における磁壁移動検出方式の動作原理について説明する。本発明の実施の形態1における光磁気記録媒体は室温において第1磁性層103、第2磁性層104、第3磁性層105には交換結合が働いている。この光磁気記録媒体の基板101側から光ビームを照射すると、第2磁性層104はキュリー温度が低いため第1磁性層103および第3磁性層105よりも低い温度でキュリー温度以上になり、第1磁性層103、第2磁性層104、第3磁性層105では交換結合が働かなくなる。
【0051】
第2磁性層104のキュリー温度以上の温度領域では、第1磁性層103は磁壁抗磁力が小さくなるような膜であるために、第1磁性層103の磁壁がビームスポット内の温度の高い領域に向かって移動する。
【0052】
上記のような動作原理により、第3磁性層105に記録されているマークが小さなマークであっても、第1磁性層103の磁壁が移動することにより第1磁性層103の再生マークが拡大し大きな信号を得ることができる。
【0053】
(表1)には、本実施の形態で形成した光磁気記録媒体の製膜前の真空排気時間に対するオージェ電子分光法で測定を行ったときの界面での酸素の最大値cと、第3磁性層105の膜中に含有されている酸素dの比であるc/dおよび酸素が膜中よりも含有されている膜厚および本実施の形態で形成した光磁気記録媒体を波長650nmの光ビームで再生を行ったときのマーク長0.1μmのジッタを示す。
【0054】
【表1】
Figure 2004030787
【0055】
(表1)より真空排気時間が長くなるほど、c/dが小さくなり、且つ酸素が含有されている膜厚も薄くなっている。
【0056】
これは、真空排気時間が長くなるにつれて、基板101を設置するときに、同時にスパッタリング装置120内に入り込んだ酸素が減少しているためである。
【0057】
また(表2)よりc/dが2.0以下であると、マーク長0.1μmという短マークでありながら優れた特性を示すことがわかる。これは第3磁性層105と第2磁性層104間の信号の転写する力および第2磁性層104と第1磁性層103間の信号の転写する力が、各層間の界面での酸素の割合と非常に強い関係があり、c/dが2.0以上であると転写する力を弱めているためである。
【0058】
また基板101の直径aとターゲットの直径をbの比率b/aが1.5と小さいと、ターゲット効率が非常に上がりコストの低下を実現することができる。
【0059】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。
【0060】
図4は、本発明の実施の形態2における光磁気記録媒体の構成を示す断面図である。図4において、基板101は、光ビームのトラッキングのために案内溝を備えたポリカーボネート製の基板である。ポリカーボネート製の基板は、一般的に成形が容易であるために光磁気記録媒体の基板としてよく使用されている。また基板101は、ランド・グルーブ構成であり、トラック幅は0.5μmである。
【0061】
本実施の形態では、直径50mmの基板101を用いた。
【0062】
本実施の形態において基板101上へのそれぞれの薄膜の形成に用いたスパッタリング装置150の構成について説明する。本実施の形態で用いたスパッタリング装置150の構成図を図5に示す。図5に示すように、少なくともロードチャンバー152と3つのプロセスチャンバーである第1プロセスチャンバー153、第2プロセスチャンバー154、第3プロセスチャンバー155、基板101を搬送するアーム160を備えている。
【0063】
ロードチャンバー152と第1プロセスチャンバー153、第1プロセスチャンバー153と第2プロセスチャンバー154、第2プロセスチャンバー154と第3プロセスチャンバー155との間には、それぞれスリット161が設置されている。基板101の移動にはアーム160に基板101を設置してスリット161を開けて他のプロセスチャンバーに移動する。
【0064】
第1プロセスチャンバー153にはSiターゲット、第2プロセスチャンバー154にはGdFeターゲットおよびFeCoターゲット、第3プロセスチャンバー155にはTbFeターゲットおよびFeCoターゲットが設置されている。本実施の形態ではすべて直径60mmのターゲットが設置されている。
【0065】
図7には、本実施の形態における第2プロセスチャンバー154内の構成図を示す。基板101の中心とGdFeターゲット1541およびFeCoターゲット1542の中心を結んだ線と法線方向の角度をθとする。θは基板101とターゲット間の距離および中心からのターゲットの位置で決まる。
【0066】
本実施の形態では、基板101とターゲット間の距離を80mmとした。
【0067】
基板101は自転を行う機構になっており、基板101を自転させながらGdFeターゲット1541とFeCoターゲット1542を同時に放電させて製膜を行った。
【0068】
第3プロセスチャンバー155のTbFeターゲット、FeCoターゲットおよび基板101の設置も図7に示すよう第1プロセスチャンバー153と同様である。第3プロセスチャンバー155においても基板101を自転させながらTbFeターゲットとFeCoターゲットを同時に放電させて製膜を行った。
【0069】
本実施の形態の光磁気記録媒体は、基板101上に、まずSiN膜からなるエンハンス層102を形成し、その上に、GdFeCo膜からなる第1磁性層103、第1磁性層103とは異なる組成のGdFeCo膜からなる第4磁性層108、TbFeCo膜からなる第2磁性層104、第2磁性層104とは異なる組成のTbFeCo膜からなる第3磁性層105を積層し、更にSiN膜からなる保護層106を積層し、紫外線硬化樹脂からなるオーバーコート層107を形成した構成である。
【0070】
次に、本実施の形態で用いたスパッタリング装置150への基板101の設置方法について図5を用いて説明する。図5において、まず真空排気を行っていたロードチャンバー152内を大気圧の状態にする。このときロードチャンバー152の影響で全プロセスチャンバー1511の圧力が高くなるのを防ぐためにスリット161を閉じた状態にしてロードチャンバー152と全プロセスチャンバー1511間は遮断する。ロードチャンバー152が大気圧になるとロードチャンバードア1521を開ける。開いたロードチャンバードア1521からアーム160に基板101を設置する。基板101を設置した後に、ロードチャンバードア1521を閉じて短時間の真空排気を行う。
【0071】
ロードチャンバー152内を短時間の真空排気を行った後、スリット161を開けてアーム160に設置した基板101は第1プロセスチャンバー153へ移動する。
【0072】
アームに基板101を設置した状態で、薄膜の形成前に、スリット161を開けて真空排気を行った。本実施の形態おいて、0〜24時間と時間を変えて真空排気を行った。
【0073】
次に、本実施の形態における光磁気記録媒体の薄膜の形成方法について説明する。0〜24時間の真空排気を行った後、第1プロセスチャンバー153に、ArガスおよびNガスを導入し、第1プロセスチャンバー153内の圧力を4×10−1Paとして、投入電力を2kW印加して、基板101上にDCスパッタリング法を用いてエンハンス層102であるSiN膜を形成した。
【0074】
本実施の形態においては、エンハンス層102であるSiN膜の膜厚を80nmとした。
【0075】
次に、基板101を第1プロセスチャンバー153から第2プロセスチャンバー154へ移動する。第2プロセスチャンバー154内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、Arガスを導入し、第2プロセスチャンバー154内の圧力を0.4Paとして、GdFeターゲットとFeCoターゲットのそれぞれの投入電力を調整して、エンハンス層102上に第1磁性層103であるGdFeCo膜を形成した。第1磁性層103の形成方法はエンハンス層102と同様にDCスパッタリング法である。
【0076】
本実施の形態において、第1磁性層103であるGdFeCo膜の膜厚は20nmとした。
【0077】
また、本実施の形態において、第1磁性層103であるGdFeCo膜の組成はGd27.5Fe64.5Co8.0(at.%)の室温において希土類リッチ膜である。また本実施の形態における第1磁性層103であるGdFeCo膜は、キュリー温度が290℃、160℃以上の温度範囲において磁壁抗磁力が小さくなるような膜である。
【0078】
第1磁性層103を形成後、GdFeターゲットとFeCoターゲットのそれぞれの投入電力を調整して、第1磁性層103上に第4磁性層108であるGdFeCo膜を形成した。第4磁性層108の形成方法は、第1磁性層103と同様にDCスパッタリング法である。
【0079】
本実施の形態において、第4磁性層108であるGdFeCo膜の膜厚は20nmとした。
【0080】
また、本実施の形態において、第4磁性層108であるGdFeCo膜の組成はGd20.0Fe74.0Co6.0(at.%)の室温において希土類リッチ膜である。また本実施の形態における第4磁性層108であるGdFeCo膜は、キュリー温度が200℃、150℃以上の温度範囲において磁壁抗磁力が小さくなるような膜である。
【0081】
第4磁性層108を形成後、基板101を第2プロセスチャンバー154から第3プロセスチャンバー155へ移動する。第3プロセスチャンバー155内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、Arガスを導入し、第3プロセスチャンバー155内の圧力を3Paとして、TbFeターゲットとFeCoターゲットのそれぞれの投入電力を調整して、第4磁性層108上に第2磁性層104であるTbFeCo膜を形成した。第2磁性層104の形成方法は第1磁性層103と同様にDCスパッタリング法である。
【0082】
本実施の形態において、第2磁性層104であるTbFeCo膜の膜厚は25nmとした。
【0083】
また、本実施の形態において、第2磁性層104であるTbFeCo膜の組成をTb25.0Fe74.0Co1.0(at.%)とした。本実施の形態における第2磁性層104であるTbFeCo膜は、キュリー温度が160℃、補償温度が150℃前後の室温において希土類リッチの組成のTbFeCo膜である。
【0084】
第2磁性層104を形成後、第3プロセスチャンバー155内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、Arガスを導入し、第3プロセスチャンバー155内の圧力を3.5Paとして、TbFeターゲットとFeCoターゲットのそれぞれの投入電力を調整して、第2磁性層104上に第3磁性層105であるTbFeCo膜を形成した。第3磁性層105の形成方法は第2磁性層104と同様にDCスパッタリング法である。
【0085】
本実施の形態において、第3磁性層105であるTbFeCo膜の組成は、Tb26.5Fe67.0Co6.5(at.%)とした。
【0086】
本実施の形態で形成した第3磁性層105は、キュリー温度が260℃、補償温度が180℃で室温において希土類金属リッチのTbFeCo膜である。
【0087】
また第3磁性層105は、室温において垂直磁気異方性が大きく、保磁力が大きいため、安定に記録情報を保持することが可能である。
【0088】
第3磁性層105の膜厚は、記録情報を保持する必要があるため、25nm以上であることが望ましい。しかし、第3磁性層105の膜厚が厚くなりすぎると温度上昇に必要となる光ビームのパワーが大きくなり、記録感度が低下する原因となるため、第3磁性層105の膜厚は300nm以下であることが望ましい。本実施の形態においては、第3磁性層105の膜厚を120nmとした。
【0089】
第3磁性層105を形成後、基板101を第3プロセスチャンバー155から第1プロセスチャンバー153へ移動する。第1プロセスチャンバー153内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、ArガスおよびNガスを導入し、第1プロセスチャンバー153内の圧力を4×10−1Paとして、投入電力を2kW印加して、第3磁性層105上にDCスパッタリング法を用いて保護層106であるSiN膜を形成した。
【0090】
保護層106は製膜した膜の腐食を防止する必要があるので、本実施の形態において保護層106の膜厚は50nmとした。
【0091】
基板101上に上記の条件で各薄膜を形成した光磁気記録媒体を第1プロセスチャンバー153からロードチャンバー152へ移動して、スパッタリング装置150から取り出した後、光磁気記録媒体の膜表面側に、紫外線硬化樹脂をスピンコートにより塗布して、紫外線を照射することによってオーバーコート層107を形成した。本実施の形態において、紫外線硬化樹脂の粘度とスピンコーターの回転数を制御することにより、オーバーコート層107の膜厚は10μmとした。
【0092】
次に、本実施の形態における光磁気記録媒体の記録および再生方法について説明する。本発明の記録および再生方法には波長650nmの半導体レーザ、NAが0.6の対物レンズを用いた。光磁気記録媒体の線速は3.5m/sとした。
【0093】
光磁気記録媒体への信号の記録には、磁界変調方式を用いた。記録パワーを6mWにして、光ビームを基板101側から光磁気記録媒体に照射し、第3磁性層105の温度をキュリー温度近傍まで上昇させる。同時に、磁気ヘッドを光磁気記録媒体のオーバーコート層107側に近づけて、磁気ヘッドから記録磁界350エルステッドで発生する磁束の向きを変調することによって信号の記録を行った。
【0094】
(表2)には、図7で示した本実施の形態で形成した光磁気記録媒体の中心とターゲットの中心とを結んだ線と法線方向との角度θに対する製膜速度および本実施の形態で形成した光磁気記録媒体を波長650nmの光ビームで再生を行ったときのマーク長0.1μmのジッタを示す。
【0095】
【表2】
Figure 2004030787
【0096】
(表2)より本実施の形態で形成した光磁気記録媒体の中心とターゲットの中心とを結んだ線と法線方向との角度θが40°よりも大きくなると製膜速度が低くなり、且つ光磁気記録媒体の場所による膜厚ムラが生じた。
【0097】
(表2)より本実施の形態で形成した光磁気記録媒体の中心とターゲットの中心とを結んだ線と法線方向との角度θが40°以下では、低ジッタを実現することができる。しかし、θが45°と角度の大きい場合の特性は他より大きく劣化した。これは、(表2)の結果からθが40°よりも大きくなると製膜速度が低くなり十分な膜厚が製膜されていないためである。
【0098】
また基板101の直径aとターゲットの直径をbの比率b/aが1.2と小さいと、ターゲット効率が非常に上がりコストの低下を実現することができる。
【0099】
次に、(表3)には、本実施の形態で形成した光磁気記録媒体の製膜前の真空排気時間に対するオージェ電子分光法で測定を行ったときの界面での酸素の最大値cと、第3磁性層105の膜中に含有されている酸素dの比であるc/dおよび酸素が膜中よりも含有されている膜厚および本実施の形態で形成した光磁気記録媒体を波長650nmの光ビームで再生を行ったときのマーク長0.1μmのジッタを示す。
【0100】
【表3】
Figure 2004030787
【0101】
(表3)より真空排気時間が長くなるほど、c/dが小さくなり、且つ酸素が含有されている膜厚も薄くなっている。
【0102】
また(表3)よりc/dが2.0以下であると、マーク長0.1μmという短マークでありながら優れた特性を示すことがわかる。これは第3磁性層105と第2磁性層104間の信号の転写する力および第2磁性層104と第4磁性層108間の信号の転写する力および第4磁性層108と第1磁性層103間の信号の転写する力が、界面での酸素の割合と非常に強い関係があり、c/dが2.0以上であると転写する力を弱めているためである。
【0103】
(実施の形態3)
まず、本発明の実施の形態3について、図面を参照しながら説明する。
【0104】
図6は、本発明の実施の形態3における光磁気記録媒体の構成を示す断面図である。図6において、基板101は、光ビームのトラッキングのために案内溝を備えたガラス2P基板である。また基板101は、ランド・グルーブ構成であり、トラック幅は0.6μmである。基板101の直径を50mmとした。
【0105】
本実施の形態の光磁気記録媒体は、基板101上に、まずSiN膜からなる下地層200を形成し、その上に、TbFeCo膜からなる第3磁性層105を積層し、次に第3磁性層105とは異なる組成のTbFeCo膜からなる第2磁性層104、次にGdFeCo膜からなる第1磁性層103、更にSiN膜からなる保護層106を形成し、最後に潤滑剤1111を形成した構成である。
【0106】
本実施の形態において基板101上へのそれぞれの薄膜の形成に用いたスパッタリング装置120の構成について説明する。本実施の形態で用いたスパッタリング装置120の構成図を図2に示す。図2に示すように、少なくともメインチャンバー121とロードチャンバー122と第1プロセスチャンバー123、第2プロセスチャンバー124、第3プロセスチャンバー125、第4プロセスチャンバー126、第5プロセスチャンバー127、基板101を搬送するアーム130を備えている。
【0107】
第1プロセスチャンバー123にはSiターゲット、第2プロセスチャンバー124にはTbFeCoターゲット、第3プロセスチャンバー125には、第2プロセスチャンバー124に設置されているTbFeCoターゲットとは異なる組成のTbFeCoターゲット、第4プロセスチャンバー126にはGdFeCoターゲット、第5プロセスチャンバー127にはSiターゲットが設置されている。本実施の形態では直径75mmのターゲットが設置されている。
【0108】
メインチャンバー121と全プロセスチャンバー1211間は、アーム130の伸縮によって開閉が行われる。アーム130が伸びているときは、図2に示すように、アーム130によってメインチャンバー121と全プロセスチャンバー1211は遮断される。これに対して、アーム130が縮んでいるときは、図3に示すように、メインチャンバー121と全プロセスチャンバー1211は開放される。また各プロセスチャンバー間は常に完全に遮断されている。
【0109】
メインチャンバー121とロードチャンバー122間も同様にアーム130が伸びているときは、遮断され、アームが縮んでいるときは開放される。
【0110】
次に、本実施の形態で用いたスパッタリング装置120への基板101の設置方法について説明する。まず真空排気を行っていたロードチャンバー122内を大気圧の状態にする。このときロードチャンバー122の影響で、メインチャンバー121および全プロセスチャンバー1211の圧力が高くなるのを防ぐため、図2に示すようにアーム130が伸びた状態にしてメインチャンバー121とロードチャンバー122間およびメインチャンバー121と全プロセスチャンバー1211間を遮断する。ロードチャンバー122が大気圧の状態にした後、ロードチャンバードア1221を開ける。開いたロードチャンバードア1221からアーム130に基板101を設置する。基板101を設置した後、ロードチャンバードア1221を閉じてロードチャンバー122内を短時間の真空排気を行う。
【0111】
ロードチャンバー122を短時間の真空排気を行った後、アーム130に設置した基板101を第1プロセスチャンバー123へ移動する。基板101の移動方法は、図3に示すように、縮んだアーム130は回転して第1プロセスチャンバー123へ移動する。ロードチャンバー122内は生産性を考慮した短時間の排気のため、メインチャンバー121ほどの真空度に到達できず、まだ酸素などの不純物ガスが残留している。このためアーム130が縮むときにロードチャンバー122からメインチャンバー121および全プロセスチャンバー1211に酸素が入り込む。
【0112】
次の基板101の設置も同様にして、アーム130が伸びた状態でロードチャンバー122内を大気圧にした後、ロードチャンバードア1221を開いて、アーム130の新しい基板設置場所に基板101を設置する。基板101を設置した後、ロードチャンバードア1221を閉じてロードチャンバー122を短時間の真空排気を行い、設置した基板101をロードチャンバー122から第1プロセスチャンバー123へ移動する。上記に述べた方法を繰り返すことによって、アーム130のすべての基板設置場所に基板101を設置する。
【0113】
アーム130のすべての基板設置場所に基板101を設置した状態で、薄膜の形成前に基板101の設置時にスパッタリング装置120内に入り込んだ酸素を取り除くために、アーム130を縮ませて、図3に示すような状態でメインチャンバー121およびロードチャンバー122および全プロセスチャンバー1211の真空排気を行った。本実施の形態において、0〜24時間と時間を変えて真空排気を行った。
【0114】
次に、本実施の形態における光磁気記録媒体の薄膜の形成方法について説明する。0〜24時間の真空排気を行った後、基板101を第1プロセスチャンバー123に移動する。第1プロセスチャンバー123に、ArガスおよびNガスを導入し、第1プロセスチャンバー123内の圧力を4×10−1Paとして、投入電力を2kW印加して、基板101上にDCスパッタリング法を用いて下地層200であるSiN膜を形成した。
【0115】
本実施の形態においては、下地層200であるSiN膜の膜厚を50nmとした。
【0116】
次に、基板101を第1プロセスチャンバー123から第2プロセスチャンバー124へ移動する。第2プロセスチャンバー124内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、Arガスを導入し、第2プロセスチャンバー124内の圧力を1.5Paとして、投入電力を2kW印加して、エンハンス層102上に第3磁性層105であるTbFeCo膜を形成した。第3磁性層105の形成方法は下地層200と同様にDCスパッタリング法である。
【0117】
本実施の形態において、第3磁性層105であるTbFeCo膜の組成は、Tb26.5Fe67.0Co6.5(at.%)とした。
【0118】
本実施の形態で形成した第3磁性層105は、キュリー温度が260℃、補償温度が180℃で室温において希土類金属リッチのTbFeCo膜である。
【0119】
また第3磁性層105は、室温において垂直磁気異方性が大きく、保磁力が大きいため、安定に記録情報を保持することが可能である。
【0120】
第3磁性層105の膜厚は、記録情報を保持する必要があるため、25nm以上であることが望ましい。しかし、第3磁性層105の膜厚が厚くなりすぎると温度上昇に必要となる光ビームのパワーが大きくなり、記録感度が低下する原因となるため、第3磁性層105の膜厚は300nm以下であることが望ましい。本実施の形態においては、第3磁性層105の膜厚を80nmとした。
【0121】
第3磁性層105を形成後、基板101を第2プロセスチャンバー124から第3プロセスチャンバー125へ移動する。第3プロセスチャンバー125内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、Arガスを導入し、第3プロセスチャンバー125内の圧力を1.0Paとして、投入電力0.5kW印加して、第1磁性層103上に第2磁性層104であるTbFeCo膜を形成した。第2磁性層104の形成方法は第1磁性層103と同様にDCスパッタリング法である。
【0122】
本実施の形態において、第2磁性層104であるTbFeCo膜の膜厚は15nmとした。
【0123】
また、本実施の形態において、第2磁性層104であるTbFeCo膜の組成をTb25.0Fe74.0Co1.0(at.%)とした。本実施の形態における第2磁性層104であるTbFeCo膜は、キュリー温度が160℃、補償温度が150℃前後である室温において希土類リッチの組成のTbFeCo膜である。
【0124】
第2磁性層104を形成後、基板101を第3プロセスチャンバー125から第4プロセスチャンバー126へ移動する。第4プロセスチャンバー126内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、Arガスを導入し、第4プロセスチャンバー126内の圧力を0.4Paとして、投入電力0.5kW印加して、第2磁性層104上に第1磁性層103であるGdFeCo膜を形成した。第1磁性層103の形成方法は第2磁性層104と同様にDCスパッタリング法である。
【0125】
本実施の形態において、第1磁性層103であるGdFeCo膜の膜厚は30nmとした。
【0126】
また、本実施の形態において、第1磁性層103であるGdFeCo膜の組成は、Gd27.5Fe64.5Co8.0(at.%)の室温において希土類リッチ膜である。また本実施の形態における第1磁性層103であるGdFeCo膜は、キュリー温度が290℃、160℃以上の温度範囲において磁壁抗磁力が小さくなるような膜である。
【0127】
第1磁性層103を形成後、基板101を第4プロセスチャンバー126から第5プロセスチャンバー127へ移動する。第5プロセスチャンバー127内の圧力が1×10−4Pa以下であることを確認した後、ArガスおよびNガスを導入し、第5プロセスチャンバー127内の圧力を4×10−1Paとして、投入電力を2kW印加して、第3磁性層105上にDCスパッタリング法を用いて保護層106であるSiN膜を形成した。
【0128】
保護層106は製膜した膜の腐食を防止する必要があるので、本実施の形態において保護層106の膜厚は50nmとした。
【0129】
基板101上に上記の条件で各薄膜を形成した光磁気記録媒体をスパッタリング装置から取り出して、光磁気記録媒体の膜表面側に、潤滑剤1111を形成した。
【0130】
次に、本実施の形態における光磁気記録媒体の記録および再生方法について説明する。本発明の記録および再生には磁気抵抗素子を含んだ磁気ヘッドおよび波長650nmの半導体レーザ、NAが0.6の対物レンズの光学系を用いた。光磁気記録媒体の線速は4.5m/sとした。
【0131】
光磁気記録媒体への信号の記録には、磁界変調方式を用いた。記録パワーを6mWにして、光ビームを基板101側から光磁気記録媒体に照射し、第3磁性層105の温度をキュリー温度近傍まで上昇させる。同時に、磁気ヘッドを光磁気記録媒体のオーバーコート層107側に近づけて、磁気ヘッドから記録磁界350エルステッドで発生する磁束の向きを変調することによって信号の記録を行った。
【0132】
次に、本発明の実施の形態3において光磁気記録媒体の再生時における磁壁移動検出方式の動作原理について説明する。本発明の実施の形態1における光磁気記録媒体は室温において第1磁性層103、第2磁性層104、第3磁性層105には交換結合が働いている。この光磁気記録媒体の基板101側から光ビームを照射すると、第2磁性層104はキュリー温度が低いため第1磁性層103および第3磁性層105よりも低い温度でキュリー温度以上になり、第1磁性層103、第2磁性層104、第3磁性層105では交換結合が働かなくなる。
【0133】
第2磁性層104のキュリー温度以上の温度領域では、第1磁性層103は磁壁抗磁力が小さくなるような膜であるために、第1磁性層103の磁壁がビームスポット内の温度の高い領域に向かって移動する。
【0134】
上記のような動作原理により、第3磁性層105に記録されているマークが小さなマークであっても、第1磁性層103の磁壁が移動することにより第1磁性層103の再生マークが拡大し、第1磁性層103からの漏れ磁界を磁気抵抗効果により磁気ヘッドで再生することによって大きな信号を得ることができる。
【0135】
(表4)には、本実施の形態で形成した光磁気記録媒体の製膜前の真空排気時間に対するオージェ電子分光法で測定を行ったときの界面での酸素の最大値cと、第3磁性層105の膜中に含有されている酸素dの比であるc/dおよび酸素が膜中よりも含有されている膜厚および本実施の形態で形成した光磁気記録媒体を波長650nmの光ビームを照射して磁気抵抗効果を用いた磁気ヘッドで再生を行ったときのマーク長0.25μmのジッタを示す。
【0136】
【表4】
Figure 2004030787
【0137】
(表4)より真空排気時間が長くなるほど、c/dが小さくなり、且つ酸素が含有されている膜厚も薄くなっている。
【0138】
(表4)よりc/dが2.0以下であると、マーク長0.25μmという短いマーク長でありながら優れた特性を示すことがわかる。これは第3磁性層105と第2磁性層104間の信号の転写する力および第2磁性層104と第1磁性層103間の信号の転写する力が、界面での酸素の割合と非常に強い関係があり、c/dが2.0以上であると転写する力を弱めているためである。
【0139】
また基板101の直径aとターゲットの直径をbの比率b/aが1.5と小さいと、ターゲット効率が非常に上がりコストの低下を実現することができる。
【0140】
なお、第1磁性層103、第4磁性層108の各膜厚は、5nm未満では十分な再生信号が得られなくなるので、5nm以上が望ましく、より望ましいのは8nm以上である。
【0141】
なお、本発明の実施の形態では、第1磁性層103、第4磁性層108には、160℃以上の温度範囲において磁壁抗磁力が小さくなる組成のGdFeCoを用いたが、第1磁性層103、第4磁性層108が上記実施の形態以外の組成であっても、第2磁性層104のキュリー温度から第1磁性層103のキュリー温度までの間に磁壁抗磁力が小さくなる温度範囲があれば、同様の効果が得られる。
【0142】
また、第1磁性層103、第4磁性層104にNd、La、Pr、Sm、Euなどの軽希土類元素を含んだ組成であっても、第2磁性層104のキュリー温度から第1磁性層103のキュリー温度までの間に磁壁抗磁力が小さくなる温度範囲があれば、同様の効果が得られる。
【0143】
なお、本発明の実施の形態では、第3磁性層105には、Tb26.5Fe67.0Co6.5(at.%)の組成のTbFeCoを用いたが、室温において垂直磁気異方性が大きく、且つ保磁力が大きく、記録情報を保持することが可能であれば、上記以外の組成であっても同様の効果が得られる。
【0144】
また、本発明の実施の形態では、第3磁性層105には、TbFeCoを用いたが、TbFeCo以外の希土類−遷移金属合金、例えば、DyFeCo、TbDyFeCoなど、もしくは貴金属−遷移金属、例えば、Pt/Co、Pd/Coなどの貴金属−遷移金属多層膜、PtCo、PdCoなどの貴金属−遷移金属合金、あるいは、ガーネット膜でも記録情報を保持することが可能であれば同様の効果が得られる。
【0145】
なお、第1磁性層103、第2磁性層104、第3磁性層105、第4磁性層108に、微量のCrまたはAlなどを添加したものでも、同様の効果が得られる。
【0146】
なお、本発明の実施の形態において、エンハンス層102、保護層106には、SiNを用いたが、AlN、SiAlN膜等の窒化物、SiO、AlO等の酸化物、ZnS、ZnTe等のカルコゲン系化合物などの誘電体層を用いても同様の効果が得られる。
【0147】
なお、本発明の実施の形態3において、磁気抵抗効果を用いて光磁気記録媒体の再生を行ったが、第1磁性層103から発生する磁界の微分値を用いた再生方法であっても同様の効果が得られる。
【0148】
なお、本発明の実施の形態1および実施の形態2において、光ビームをSILレンズを通して光磁気記録媒体に照射してその反射光を再生する再生方法であっても同様の効果が得られる。
【0149】
なお、第3磁性層105の第2磁性層104と接する側とは反対側に熱制御層として本発明で用いた磁性膜よりも熱伝導率が大きな材料であるAl、AlTi、AlCr、Cu、Au、Ag等の金属膜やTa、Cr等を用いても同様の効果が得られる。
【0150】
なお、本発明の実施の形態において、波長650nmのレーザを用いて光磁気記録媒体の再生を行ったが、他の波長のレーザを用いて再生を行っても同様の効果が得られる。
【0151】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、界面の酸素を制御することができ、短マークにおいても場所による分布がなく、低コストで良好な光磁気記録媒体を実現することができるという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における光磁気記録媒体の構成を示す断面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるスパッタリング装置であって、アームが伸びている状態を示す図
【図3】本発明の実施の形態1におけるスパッタリング装置であって、アームが縮んでいる状態を示す図
【図4】本発明の実施の形態2における光磁気記録媒体の構成を示す断面図
【図5】本発明の実施の形態2におけるスパッタリング装置の構成図
【図6】本発明の実施の形態3における光磁気記録媒体の構成を示す断面図
【図7】本発明の実施の形態2におけるスパッタリング装置のプロセスチャンバー内の構成図
【図8】磁壁移動検出方式を用いた従来の光磁気記録媒体の構成図
【符号の説明】
101 基板
102 エンハンス層
103 第1磁性層
104 第2磁性層
105 第3磁性層
106 保護層
107 オーバーコート層
108 第4磁性層
120 スパッタリング装置
121 メインチャンバー
122 ロードチャンバー
123 第1プロセスチャンバー
124 第2プロセスチャンバー
125 第3プロセスチャンバー
126 第4プロセスチャンバー
127 第5プロセスチャンバー
130 アーム
1221 ロードチャンバードア
1211 全プロセスチャンバー
1111 潤滑剤
150 スパッタリング装置
152 ロードチャンバー
153 第1プロセスチャンバー
154 第2プロセスチャンバー
155 第3プロセスチャンバー
160 アーム
161 スリット
1521 ロードチャンバードア
1511 全プロセスチャンバー
200 下地層

Claims (6)

  1. 少なくとも第1磁性層、第2磁性層、第3磁性層を順に有し、
    室温からキュリー温度までの間に磁壁抗磁力が減少する温度範囲を有する前記第1磁性層と、
    前記第1磁性層および前記第3磁性層より低いキュリー温度を有する前記第2磁性層と、
    垂直磁気異方性を有する前記第3磁性層を有する光磁気記録媒体であって、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層の間の界面、
    且つ前記第2磁性層と前記第3磁性層の間の界面に含有される酸素が1500ppm以下であることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 前記第1磁性層と前記第2磁性層の間の界面、
    且つ前記第2磁性層と前記第3磁性層の間の界面に含有される酸素の最大値cと、
    前記第3磁性層の膜中に含有される酸素dの比率c/dが2.0以下であることを特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 第1磁性層と前記第2磁性層の間の界面、
    且つ前記第2磁性層と前記第3磁性層の間の界面に酸素が含有される膜厚が、
    3nm以下であることを特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
  4. 前記第1磁性層と前記第2磁性層の間に、
    前記第1磁性層よりもキュリー温度が低く、
    且つ前記第2磁性層よりもキュリー温度が高い第4磁性層が積層されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光磁気記録媒体。
  5. 請求項1ないし4記載の光磁気記録媒体を再生する再生方法であって、
    前記光磁気記録媒体に記録されている情報の再生時に、
    前記光磁気記録媒体に光ビームを照射して、
    ビームスポット内に温度勾配を持たせ、
    且つ前記ビームスポット内の温度を前記第2磁性層のキュリー温度以上に高くして、
    前記第1磁性層の磁壁を移動させ、
    前記第1磁性層で反射された前記光ビームから磁気光学効果を用いて再生することを特徴とする光磁気記録媒体の再生方法。
  6. 請求項1ないし4記載の光磁気記録媒体を再生する再生方法であって、
    前記光磁気記録媒体に記録されている情報の再生時に、
    前記光磁気記録媒体に光ビームを照射して、
    ビームスポット内に温度勾配を持たせ、
    且つ前記ビームスポット内の温度を前記第2磁性層のキュリー温度以上に高くして、
    前記第1磁性層の磁壁を移動させ、
    前記第1磁性層から発生する磁束から磁気抵抗効果を用いて再生することを特徴とする光磁気記録媒体の再生方法。
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