JP2004030670A - デジタル画像の色調特徴の強調方法 - Google Patents

デジタル画像の色調特徴の強調方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ソースデジタル画像に作用して色調特性を改善することができるトーンスケール関数を作る。
【解決手段】トーンスケール関数上の参照点500に対して規定されたハイライトトーンスケールセグメント501およびシャドートーンスケールセグメント502を有し、ソースデジタル画像に作用してその色調特性を改善できるトーンスケール関数を作成する。これは、単調に減少する勾配特徴を有する第1の関数を用いて、参照点以上の点を含むハイライトトーンスケールセグメントを作り、単調に増加する勾配特徴を有する第2の関数を用いて、参照点以下の点を含むシャドートーンスケールセグメントを作ることによって行う。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル画像処理に関し、特に、デジタル画像を処理して、色、輝度、トーンスケール特性を強調することに関する。
【0002】
【従来の技術】
多くのデジタル画像システムは、トーンスケール曲線を適用してデジタル画像のコントラスト特性や明度(lightness)特性を強調する。一般化されたトーンスケール曲線f()は、入力画素値xを出力画素値f(x)に変換する。トーンスケール曲線の形状によって、処理されたデジタル画像に与えられる視覚効果が決まる。デジタル画像に適用するトーンスケール曲線の中には、処理対象であるデジタル画像中の画素値から独立した曲線もある。このような画像独立型のトーンスケール曲線は、処理されたデジタル画像に写真的な外観を持たせるために役立つ。画像独立型のトーンスケール曲線を用いて強調できるデジタル画像は多数あるが、コントラストが高過ぎたり低過ぎたりするデジタル画像に対しては、処理対象のデジタル画像の画素値の分布に応じたトーンスケール曲線を用いれば効果がある。画像依存型のトーンスケール曲線を用いる場合、関数f(x)を得るための式によって、画像の強調の程度や性質が決まる。
【0003】
トーンスケール関数の作成方法の1種類(class)は、ヒストグラム均等化から得られる。ヒストグラム関数H(x)、すなわち頻度の関数は、デジタル画像の画素値xから求められる。そして、処理済み画素のヒストグラム関数H(f(x))が特定の目的汎関数W(x)を有する関数f(x)を決定する。この制約を満たす関数f(x)は、式f(x)=kC(W−1(H(x))) (変数kは正規化定数)の場合に算出できる。目的汎関数W(x)が定数である特別な場合は、トーンスケール曲線f(x)に対する式は、式f(x)=kC(H(x))で与えられる。
【0004】
ヒストグラム均等化に基づく従来の方法が多数ある。同譲渡人による下記特許文献1(Alkofer)は、ガウス関数を目的関数W(x)として用いる方法を開示している。同譲渡人による下記特許文献2(Kwon)は、ガウス関数を目的関数W(x)として使用する、ヒストグラム均等化から得られる方法を用いてトーンスケール曲線を作成する方法を開示している。Kwonの方法では、空間的にアクティブ(spatially active)であると分類された、画像内の画素を抽出することによって画像ヒストグラムを算出する。端部検出空間フィルタを用いて、各画素について局所的な空間活性度(spatial activity)を検出する。局所的な空間活性度の測定値を閾値と比較して、当該画素値がトーンスケール曲線を生成するためのヒストグラム関数に寄与するか否かを検出する。それほど洗練されていないヒストグラム均等化に基づく方法を用いた場合にそうであるように、AlkoferやKwonの方法では、画像の強調効果が不均一になってしまう。これは、ヒストグラム均等化方法は、原則として、対応する画素値の頻度に基づいて画像内容の視覚化を最適化しがちだからだ。その結果、非常に明るいまたは暗い小さな領域を含む画像では、そうした小さな領域がより大きな面積を占める領域に埋もれてしまい、明るい部分は暗過ぎる色調に、暗い部分は明る過ぎる色調に調整された画像になってしまう。つまり、ヒストグラム均等化に基づく方法は、自然の風景の色調を再現する場合よりも、画像の細部を視覚化するように画像を活用する場合に適している。
【0005】
同譲渡人による下記特許文献3(Lee)は、デジタル画像のダイナミックレンジを減少することを目的とした、トーンスケール曲線の作成方法を開示している。このトーンスケール曲線の構築方法によれば、6個の制約を設け、連続的な統合(積分;integration)手順によってこれらの制約を満たしていく。Leeの方法では、0.5%画像累積ヒストグラム関数値によって決定された暗点を白紙の濃度にマッピングし、99.5%画像累積ヒストグラム関数値によって決定された明点を黒紙の濃度にマッピングし、中間点を自身にマッピングする。次に、1.0より大きなシャドー部勾配制約(shadow slope constraint)を0.5%暗点に課し、1.0の中間トーン勾配制約を99.5%ハイライト点に課し、中間トーン勾配制約を中間点に課す。Leeは、当該6個の制約を満たすトーンスケール曲線は無限数あると述べている。Leeの方法では、トーンスケール曲線の初期形状を恣意に仮定し、許容範囲内になるまで、ガウス円滑関数を用いてトーンスケール曲線を継続的に畳み込むことで当該6個の制約を満たすトーンスケール曲線を作る。Leeの方法は6個の制約に対する閉じた解法(closed form solution)、つまり各点ごとに評価できる数学的関数については述べていないので、複雑な統合手順を行わねばならない。このように作られたトーンスケール曲線は滑らかに変化しており、極値および中間点において高い勾配値を示し、中間点とハイライト点との間、および中間点と暗点との間に屈折点を形成する。同譲渡人による下記特許文献3に開示されたLeeの方法によれば滑らかに変化するトーンスケール曲線を作ることはできるが、この方法は当該6個の制約を満たす曲線を常に作るわけではない。また、Leeの方法は、デジタル画像の中には、強調のためにダイナミックレンジを拡大しなければならない画像があることは説明していない。さらに、画素彩度(intensity)領域の極値と中間点において急勾配になるので、暗点と中間点、および中間点とハイライト点との間の画素値に相当する画像内容の品質を損なう可能性がある。
【0006】
下記非特許文献1において、著者のブラウン(Braun)等は、デジタル画像のコントラストを強調するためのトーンスケール曲線の作成方法として1のS字関数(例えば、ガウス関数の整数)を用いる方法について述べている。ブラウン等が説明するS字関数は、関数の形状を決定する標準偏差やオフセットパラメータを用いて制御する。オフセットパラメータによってデジタル画像の明度を変化させ、標準偏差パラメータによってコントラストを変化させる。ブラウン等が説明するS字形状トーンスケール曲線生成方法を用いれば写真として良好な結果を得ることができるが、画像のシャドー部およびハイライト部に相当する関数の形状を個別に制御することはできない。したがって、コントラストを所望程度強調しながら同時に最適な明度で画像を描画することは難しい。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4,731,671号(Alkofer)
【特許文献2】
米国特許第4,745,465号(Kwon)
【特許文献3】
米国特許第6,285,798号(Lee)
【非特許文献1】
「Image lightness rescaling using sigmoidal contrast enhancement functions」(ブラウン(Braun)等、著、Journal of Electronic Images 8(4)巻,380−393ページ、1999年10月)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、デジタル画像の色調特徴を強調するために用いるトーンスケール関数の作成方法を改良することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を実現するために、ソースデジタル画像に働きかけて色調特性を改良するトーンスケール関数を作る方法を提供する。
【0010】
この方法は、トーンスケール関数における参照点に対して規定されたハイライトトーンスケールセグメントおよびシャドートーンスケールセグメントを有し、ソースデジタル画像に働きかけてその色調特徴を改良するトーンスケール関数を作るステップを有する。これは次のステップによって行う。つまり、i)単調に減少する勾配特徴を有する第1の関数を用いて、参照点以上の点を含むハイライトトーンスケールセグメントを作り、ii)単調に増加する勾配特徴を有する第2の関数を用いて、参照点以下の点を含むシャドートーンスケールセグメントを作る。
【0011】
本発明を実行すれば、デジタル画像のハイライト領域およびシャドー領域の特徴を非常に強調できる。
【0012】
本発明によれば、デジタル画像のハイライト領域およびシャドー領域を改善するための関数を容易に使用できる。この時、これらの関数の形状を独立して制御でき、関数は白点および黒点マッピング方法を用いる。
【0013】
本発明は、デジタル画像について、そのハイライト領域およびシャドー領域に対して別々の強調関数を用いなければならないという認識である。これらの関数を使って、別の領域のコントラストを圧縮または拡張できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下の説明では、本発明の好適な実施形態をソフトウェアプログラムとして説明する。当業者は、このようなソフトウェアの均等物をハードウェアでも作れることが簡単に分かるだろう。画像処理アルゴリズムやシステムは周知なので、本明細書では、特に、本発明に係る方法の一部を形成する、またはこれとより直接的に協働するアルゴリズムやシステムについて説明する。画像信号を生成または処理するこのようなアルゴリズムやシステム、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(特に図示、説明せず)の他の態様を、当業において周知であるこのようなシステム、アルゴリズム、それらの構成物や要素から選んでもよい。以下の説明があれば、コンピュータプログラムとしてこれをソフトウェアで実行することは全て従来通りであって、当業の範囲内である。
【0015】
さらに、本明細書で採用するように、コンピュータプログラムをコンピュータ可読保存媒体に保存してもよい。このような媒体は、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク等)または磁気テープ等の磁気保存媒体、光学保存媒体(光学ディスク、光学テープ、または機械可読バーコード等)、固体電子保存装置(ランダムアクセスメモリ(RAM)またはリードオンリーメモリ(ROM))、またはコンピュータプログラムを保存するために使用するその他の任意の物理的装置または媒体を含む。
【0016】
デジタル画像は1個以上のデジタル画像チャネルを含み、各デジタル画像チャネルは2次元の画素列を含む。画素値の各々は、画像取込装置が受信する当該画素の幾何学的領域に対応した光量に関連する。カラー画像処理の場合、デジタル画像は一般的に赤、緑、青のデジタル画像チャネルを有するが、これ以外の構成、例えばシアン、マゼンダ、黄色のデジタル画像チャネルも実用的である。モノクロの場合、デジタル画像は1個のデジタル画像チャネルを有する。動画は時系列のデジタル画像であると考えられる。当業者は、本発明を、上記のいずれの適用におけるデジタル画像チャネルにも適用できる(が、これらに限定されない)ことが分かるだろう。
【0017】
本発明では、デジタル画像チャネルを行列配列された2次元の画素値列であると説明するが、当業者は本発明をモザイク(非直線の)列に適用しても同様の効果が得られることが分かるだろう。
【0018】
本発明をコンピュータハードウェアにおいて実行してもよい。図1を参照する。以下の説明は、画層取込装置10と、デジタル画像プロセッサ20と、画像出力装置30a、30bと、一般的な制御コンピュータ40とを有するデジタル画像システムに関する。当該システムはモニタ装置50(コンピュータコンソールまたはペーパプリンタ等)を有してもよいし、オペレータ用の入力制御装置60(キーボードまたはマウスポインタ等)を有してもよい。あるいは、本明細書で採用するように、本発明をコンピュータプログラムとして実行してもよいし、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク等)または磁気テープ等の磁気保存媒体、光学保存媒体(光学ディスク、光学テープ、または機械可読バーコード等)、固体電子保存装置(ランダムアクセスメモリ(RAM)またはリードオンリーメモリ(ROM))、またはコンピュータプログラムを保存するために使用するその他の任意の物理的装置または媒体といったコンピュータメモリ装置70(即ち、コンピュータ可読保存媒体)に保存してもよい。本発明の説明の前に、本発明はいずれの周知の従来のコンピュータシステム(パーソナルコンピュータ等)においても好適に利用されることに注目すれば、理解が容易になるだろう。
【0019】
多数の取込装置10a、10b、10cを図示して、本発明が多様な画像装置で得られたデジタル画像に対して使用できることを示す。例えば、図1は、画像取込装置10aが従来の写真画像(例えば、カラーネガフィルムまたはスライド)を走査してデジタル画像を作るフィルムスキャナ装置でもよいデジタル写真仕上げシステムを表すとしてもよい。同様に、画像取込装置10bはデジタルカメラでもよい。デジタル画像プロセッサ20は、デジタル画像を処理して、意図した出力装置または媒体上に見栄えの良い画像を作る手段を提供する。多様な画像出力装置30a、30bを図示して、本発明が多様な出力装置(デジタル写真プリンタやソフトコピーディスプレイを含む)と共に使用できることを示す。尚、デジタルカメラによって作られたデジタル画像等が本発明によって処理された後にデジタルカメラから出力されるように、本発明をデジタルカメラのハードウェアおよびソフトウェア内で実行することができる。
【0020】
図1に示すデジタル画像プロセッサ20をより詳細に図2に示す。図2に示す連続した画像処理モジュールは、デジタル画像処理パスを表す。図1に示す画像入力装置の1個からオリジナルデジタル画像101が入力されると、これを処理して描画デジタル画像103を作り、画像出力装置において実形成可能となる。つまり、RLSE(相対ログシーン露光;relative log scene exposure)変換モジュール310がオリジナルデジタル画像101を受信し、RLSEデジタル画像を作る。RLSEデジタル画像は、バランシングやトーンスケール関数を適用するために作られる。RLSEデジタル画像をシーンバランスモジュール320に入力する。シーンバランスモジュール320は明度およびカラーバランスを調整してソースデジタル画像にする。ソースデジタル画像をトーンスケールモジュール330に入力する。トーンスケールモジュール330は当該画像からトーンスケール関数を作り、これを当該ソースデジタル画像に適用して強調デジタル画像にする。RLSE変換モジュール310およびシーンバランスモジュール320がモジュール画像処理パスに含まれない場合、トーンスケールモジュール330はオリジナルデジタル画像101をソースデジタル画像として直接受信する。描画モジュール340は強調デジタル画像を処理し、出力画像装置(デジタルプリンタ等)と共に用いた場合に好ましい結果を生じる画像値を有する描画デジタル画像103を作る。描画モジュール340は処理の一部として強調デジタル画像の画素データに描画関数R(x)を適用し、出力画像装置に必要な入力−出力マッピングを行う。図2に示す処理モジュールの構成を用いてモノクロまたはカラーのデジタル画像を処理する。つまり、オリジナルデジタル画像101は画素の1個以上のデジタル画像チャネルを有する。この時、赤、緑、青の表現またはキ度−色(luminance−chrominance)表現を有するオリジナルデジタル画像101のように、デジタル画像チャネルの各々は異なる色または画素に関連する。
【0021】
本発明によって作られたトーンスケール関数は、相対ログシーン露光表現(RLSE)のデジタル画像に対して最適に作用するように作られている。つまり、オリジナルデジタル画像101の画素は、この画像101が得られた光の本来のシーン強度に対して対数関係を有する。例えば、図1の画像取込装置10aは、写真ネガまたはポジ写真スライドサンプルを通過する光量に対して一次または対数関係を有するデジタル画像を作ることができる写真フィルムスキャナであってもよい。得られたオリジナルデジタル画像101の画素値が受信光に対して対数関係にある(つまり、画素が濃度表現されている)場合、このオリジナルデジタル画像101は相対ログシーン露光表現にあると考えられる。また、オリジナルデジタル画像101の画素が受信光に対して一次関係にある場合、このオリジナルデジタル画像101は一次露光表現にあると考えられる。これは、写真フィルムのサンプルを通過する光量は、撮影したオリジナル風景から得た光量に対して、妥当な近似範囲において一次的に比例するからだ。一次露光表現されたデジタル画像を、図2に示すRLSEモジュール310において関数またはルックアップテーブル(LUT)として実行される一次−対数変換によって、相対ログシーン露光表現に変換することができる。
【0022】
デジタルカメラによって作られるデジタル画像の最も一般的な表現は、描画表現である。つまり、デジタル画像を処理して、電子ディスプレイ装置において自然に見える画像を作る。デジタルカメラによって作られる殆どのデジタル画像(ガンマ領域表現と呼ばれることもある)にとって、意図する出力画像装置とはCRTモニタ装置である。描画デジタル画像もLUT変換を用いて相対ログシーン露光表現に変換できる。デジタルカメラによって作られたデジタル画像の場合、この変換は、意図する電子ディスプレイ装置に関連する乗則(power law)関数の逆数と、それに続く、デジタルカメラがオリジナルデジタル画像101を作るために使用した描画トーンスケール関数に関する逆数描画トーンスケール関数とを含む。あるいは、同譲渡人による米国特許第6,282,311号においてマッカーシー(McCarthy)等が開示する方法を用いて描画デジタル画像からRLSE表現を作ることができる。
【0023】
本発明は相対ログシーン露光表現のデジタル画像を用いて最良の結果を得られるが、これ以外の表現(上述の一次およびガンマ領域表現等)のデジタル画像の見え方を強調することもできる。特に、本発明を用いて、可視領域(CIELAB等)にあるデジタル画像を処理できる。
【0024】
RLSE変換モジュール310からRLSEデジタル画像を受信したシーンバランスモジュール320は、明度(lightness)およびカラーバランスを調整する。これらが調整されたデジタル画像はトーンスケールモジュール330の入力デジタル画像になるため、ソースデジタル画像と呼ばれる。画素データの明度を調整することでオリジナルデジタル画像101の露光のバラツキをなくす。つまり本発明は入力画像データの明度調整、つまりキ度(luminous)バランスを行う任意のアルゴリズムと共に使用できる。特に、明度バランス手順はRLSEデジタル画像から1個以上の予測特徴(prediction features)を算出することを含み、これらの予測特徴を当該予測特徴の線形(一次)方程式を用いて合算して、理論的な18%グレーシーンリフレクタに相当する画素値の推定値と関連する1個の輝度(brightness)バランス値にする。このように有益な予測特徴は多数あるが、本発明では空間活性測定値を最も重要な予測特徴として用いる。RLSEデジタル画像からRLSEキ度−色デジタル画像を作り、当該画像のキ度画素データに空間活性度フィルタを適用する。空間活性度フィルタは、3x3の画層領域内で隣接する画素値間の最小差を算出し、これを当該画素に割り当てる。所定の閾値より大きな最小差値を有する画素を平均して第1の予測特徴を作る。また、RLSEキ度−色デジタル画像のキ度画素を4個の帯状に分割し、4個の帯の各々から得た最大画素値を平均することで第2の予測特徴を算出する。上記以外の有益な予測特徴としては平均画素値や90%累積ヒストグラム画素値がある。
【0025】
RLSEデジタル画像の輝度バランス値を算出した後、全体的な色の偏り(color cast)を除去するために使用できる、RLSEデジタル画像の色味を求める。色の偏りの主な原因は、第1にソース照明の色のバラツキであり、第2にオリジナルのデジタル画像を記録した画像センサのカラー忠実性である。RLSEデジタル画像について、理論的なカラー中立シーンリフレクタの色座標値を示すカラーバランス位置を算出する。これはRLSEキ度−色デジタル画像の色画素データに2次元ガウス重付け面を適用して求める。色画素データは重付けしない方法でも平均化できるが、2次元ガウス重付け面を用いた方がより良好な結果を得られる。基本的に、非常に多彩な風景の対象物に対して重みを置かずに計算するためである。算出したカラーバランス位置と輝度バランス値とを用いてRLSEデジタル画像の各色に対するバランスルックアップテーブルを求め、RLSEデジタル画像に適用して、トーンスケールモジュール330のソースデジタル画像を作る。バランスルックアップテーブルを適用すると、RLSEデジタル画像内にある、予想したバランス値と同じ値の画素値がシステムが規定する参照グレー点と同じ値に変換される。同様に、カラーバランス位置に相当する色値を有する画像がカラー中立点に変換される。
【0026】
トーンスケールモジュール330から強調デジタル画像を受信した描画モジュール340は、出力画像装置の表示用の画素データを作る。つまり、描画モジュール340は色変換、色調描画変換、出力符号化変換を行う。この画像データ変換は、異なるオリジナルの色を表す画素データが出力画像装置に係るカラースペクトル特性にとって適切になるように行われなければならない。これは多ステップ手順で行うことができる。つまり、第1に、強調デジタル画像のRLSE表現画素データを一次表現に変換し、次に、一次表現画素データにカラーマトリクス変換を適用する。カラーマトリクスは3x3の要素マトリクスでもよく、この時、画像を形成するカラーパッチターゲットの集合体を分析し、意図する出力画像装置において得られる色を測定することで、マトリクスの要素を決定する。
【0027】
上記以外の作業は、描画関数R(x)を適用して、一次または相対ログシーン露光表現にある画像データを描画表現に変換することを含む。通常、強調デジタル画像のダイナミックレンジは標準的な出力画像装置(CRTモニタや写真印画紙等)の表示可能範囲よりかなり広い。したがって、出力画像装置が強調デジタル画像の画素データを直接受信した場合、画素データの多くは、画像の最も明るいまたは暗い部分において切り取られ、空間的な詳細が著しく損なわれてしまう。描画関数は、処理済み画像データを表示する場合に、その画像値が出力画像装置の限界に近づくにつれてデータの空間的な詳細が徐々に損失するように、画素データを緩やかにロールオフする。
【0028】
本発明は、描画関数に対する多様な算術形状と共に使用できる。例えば、同譲渡人による米国特許第5,300,381号(バール(Buhr)等)が開示する方法で作られる描画関数等である。通常、S字形状の描画関数を用いた場合に最適な結果が得られる。S字形状の描画関数とは、入力画素極値に対してゼロまたはそれに近い勾配を有し、中間色調入力値で最大の勾配を有する描画関数である。描画関数の中には入力画素値の最も暗い領域に対して比較的高い勾配を有し得るものもあるが、ほとんど全ての描画関数は、画素値の最も明るい領域に対してゼロまたはそれに近い勾配特性を有する。描画関数はある程度、アナログの画層形成に用いる写真印画紙の感光特性を真似る。図3aは、本発明に適切に使用できる例示的な描画関数R(x)(曲線590で示す)のグラフを示す。点591は参照グレー点に等しい入力画素値に相当する。点592はオリジナルデジタル画像101内の明るい領域に対応するハイライト画素値に対する描画関数反応を示し、点593はオリジナルデジタル画像101内の暗い領域に対応するシャドー画素値に対する描画関数反応を示す。点595は出力画像装置の最も明るい再生出力値に相当する描画関数反応を示し、同様に点596は出力画像装置の最も暗い再生出力値に相当する描画関数を示す。点597は描画関数上の瞬間勾配が最大である点を示す。これは必ずしも点591と一致しない。勾配が最大である点はS字形状関数の屈折点、つまり描画関数R(x)の、対応する勾配関数における局所的な最大または最小値でもある。図3aに示す例示的な描画関数は、デジタル画像を処理するために12ビット素値表現を用いるデジタル画像システムに適している。多くの出力表示装置は8ビット画素値表現のデジタル画像を受容する。図3aに示す例示的な描画関数は0〜4095の範囲の12ビット入力画素を255〜0の範囲の出力描画素値にマッピングする。
【0029】
図3aに示す例示的な描画関数は、デジタル写真プリントを作るデジタルプリンタに使用する典型的な描画関数である。図示した出力画素値の目盛りを写真印画紙の濃度と関連させることができる。例えば、デジタルプリンタを、各画素コード値がプリント(印刷物)上に再現される光濃度の100倍に相当するように較正することができる。また、本発明を電子ディスプレイ装置と共に用いることもできる。この場合の典型的な描画関数を図3bに曲線598で示す。尚、図3bの描画関数R(x)によれば、大きな入力画素値は大きな出力描画画素値になる。標準的なコンピュータモニタ装置の場合、出力画素値は0(黒を表す)から255(白を表わす)の範囲である。図3bに示す例示的な描画関数によれば0〜4095の範囲の12ビット入力画素値を0〜255の範囲の出力描画画素値にマッピングする。
【0030】
描画モジュール340の最後の処理は、出力画素値を符号化して、出力画像装置で使用できるようにすることである。大抵の出力画像装置は周知の暗黙の(implied)関係を有する画素データを許容できるように較正されている。例えば、視覚的な明度に関連する画素データを許容できるように較正されているデジタル画像プリンタもあるし、光濃度に関連する画素データを許容できるように較正されているプリンタもある。符号化処理によって強度変換を行い、特定の装置に対する画素データを作る。
【0031】
描画モジュール340は更に不特定の出力画像装置に対する強調デジタル画像の画像画素データも生成する。例えば、画素データをCIE−XYZ座標値(インターナショナルイメージコンソーシアムのプロファイルコネクションスペースによって規定された値等)に変換できる。
【0032】
図2を参照する。一連の画像処理モジュールはトーンスケールモジュール330の有無に拘わらず良好に動作するように設計されている。シーンバランスモジュール320は露光および照射システムのバラツキに対処し、描画モジュール340は出力画像装置で見るための画像データを作成する。当業者は、トーンスケールモジュール330を使用しない図2のデジタル画像プロセッサ20でも良好な写真ができることが分かるだろう。つまり、システムのコントラスト、明度、色表現は標準的な大半のデジタル画像に対して最適な写真ができるように設定されている。トーンスケールモジュール330を設けた場合、ダイナミックレンジの点でノーマルでないデジタル画像の色調は強調するが、システムにとってノーマルであるデジタル画像は変化させないように、処理済みデジタル画像の見え方を強調する。本発明の通常の実施では、オリジナルデジタル画像101のダイナミックレンジ(画像の極値に基づく相応のオリジナルシーン強度の比率)は約64:1である。つまり、ダイナックレンジが約64:1である処理済みオリジナルデジタル画像101に対応する強調デジタル画像は、トーンスケールモジュール330による影響をほとんど受けない。逆に言えば、ダイナミックレンジが64:1より大きい、またはこれ未満の処理済みオリジナルデジタル画像101に対応する強調デジタル画像は、トーンスケールモジュール330によって著しく強調される。つまり、より詳細かつ鮮やかな色の彩度で描画される。特に、低コントラストのオリジナルデジタル画像は通常、コントラストが強められ、高コントラストのオリジナルデジタル画像は通常、コントラストが弱められる。この結果、より空間的な詳細を含む、より鮮やかな色になる。
【0033】
図2に示すトーンスケールモジュール330を更に詳細に図4に示す。ソースデジタル画像102を受信した分析画像生成装置250はこれを元にして分析デジタル画像201と呼ばれる低空間解像度のデジタル画像を作る。これを受信したトーンスケール関数生成装置230はその内容を分析してトーンスケール関数203を作る。トーンスケール関数はソースデジタル画像102における画素値の範囲に対して規定された1値の関数(single valued function)である。トーンスケール関数アプリケータ240はトーンスケール関数203をソースデジタル画像102に適用して強調デジタル画像104を作る。トーンスケール関数の形状によって、強調デジタル画像104に与えられるコントラストと明度の変化が決まる。この実施形態では、トーンスケール関数アプリケータ240がトーンスケール関数203をソースデジタル画像102の個々のカラーデジタル画像チャネルに適用する。
【0034】
本発明は、キ度−色表現であるオリジナルデジタル画像101と共に実行することもできる。図5は、トーンスケール関数203を、ソースデジタル画像102から得たキ度オリジナル画像107に適用する本発明の好適な実施形態を示す。つまり、LCC変換モジュール210は、赤、緑、青画素を含むソースデジタル画像102を受信し、1個のデジタル画像チャネルを含むキ度オリジナル画像107と、2個の色(つまり色差)デジタル画像チャネルを含む色デジタル画像109とを作る。画像取込装置10a、10b、10cがキ度−色表現のオリジナルデジタル画像101を作ることもできる。この場合、LCC変換モジュール210は使用しない。ソースデジタル画像102は分析画像生成装置250にも入力され、分析画像生成装置250は、上述のように分析デジタル画像201を作る。同様に、分析デジタル画像201を受信したトーンスケール関数生成装置230はトーンスケール関数203を作る。トーンスケール関数203を受信したトーンスケール関数アプリケータ240がこれをキ度オリジナル画像107に適用すると強調キ度デジタル画像113ができる。RBG変換モジュール220は強調キ度デジタル画像113と色デジタル画像109とを合わせて強調デジタル画像104を作る。
【0035】
図5のLCCモジュール210は3x3要素マトリクス変換によってソースデジタル画像102の赤、緑、青画素値をキ度および色画素値に変換する。変数Rij、Gij、Bijは、i番目の行およびj番目の列に位置する赤、緑、青のデジタル画像チャネルに対応する画素値を示す。変数Lij、GMij、ILLijは、LCC表現デジタル画像の変換済みキ度画素値、第1の色画素値、第2の色画素値をそれぞれ示す。マトリクス変換の3x3要素を式(1)で示す。
【数1】
ij=0.333Rij+0.333Gij+0.333Bij  (1)
GMij=−0.25Rij+0.50Gij−0.25Bij
ILLij=−0.50Rij+0.50Bij
【0036】
当業者は、キ度/色マトリクス変換の係数の値を変更しても実質的に同じ効果が得られることが分かるだろう。当業では、式(2)も用いる。
【数2】
ij=0.375Rij+0.500Gij+0.125Bij  (2)
GMij=−0.250Rij+0.500Gij−0.250Bij
ILLij=−0.500Rij+0.50Bij
【0037】
図5に示すRBG変換モジュール220は3x3要素マトリクス変換によってLCC変換モジュール210に対して逆マトリクス処理を行うことで、キ度および色画素値を赤、緑、青の画素値に変換する。RGB変換モジュールのマトリクス要素は式(3)で与えられ、式(1)で与えられるマトリクスの逆マトリクスを表す。
【数3】
ij=Lij−0.666GMij−ILLij      (3)
ij=Lij+1.333GMij
ij=Lij−0.666GMij+ILLij
【0038】
図4および図5に示すトーンスケール関数アプリケータ240をより詳細に図6に示す。基台(pedestal)生成モジュール410は処理対象である入力デジタル画像401を受信して基台デジタル画像403を作る。具体的に、基台生成モジュール410が空間フィルタを入力デジタル画像401に適用すると、入力デジタル画像401から質感(texture)が除去される。この時、縁部(edge)情報は残る。本発明の状況において質感とは、細かな空間的詳細や空間的な濃淡構成を含む画像内容を意味する。フィルタを用いたので当然ノイズも除去される。つまり基台デジタル画像403とは、入力デジタル画像401の端部内容の多くを含む、非常に滑らかにされた画像である。差異モジュール420によって入力デジタル画像401から基台デジタル画像403を除去すると質感デジタル画像402になる。つまり入力デジタル画像401の全ての情報が基台デジタル画像403または質感デジタル画像402のいずれかに含まれることが分かる。トーンスケール基台アプリケータ430がトーンスケール関数203を基台デジタル画像403に適用するとトーン調整済みデジタル画像407になる。つまりトーンスケール関数203を適用することで、入力デジタル画像401の質感に影響せずに、基台デジタル画像403の色調特性を強調する。付加モジュール440がトーン調整済みデジタル画像407と質感デジタル画像402とを合わせて出力デジタル画像409を作る。つまり出力デジタル画像409は入力デジタル画像401の質感画像構造を有し、色調スケールが強調された画像である。
【0039】
空間フィルタを用いてトーンスケール関数を適用することは、トーンスケール関数が非常に圧縮的である場合に特に効果的である。非常に圧縮的なトーンスケール関数を直接入力デジタル画像に適用すると、色調特徴は強調されるが、質感画像構造が減じる可能性がある。一方、空間フィルタを用いてトーンスケール関数を適用すれば、質感画像構造を維持しながらトーンスケールを所望通りに強調できる。多様な空間フィルタを用いて改良された結果を得ることができるが、本発明は同譲渡人による米国特許第6,317,521号(GallagherおよびGindele)が開示する空間フィルタを用いている。この特許は制御(つまりマスキング)信号を用いて基台デジタル画像403内に縁部を維持する。本発明はまた、同譲渡人による米国特許第6,285,798号(Lee)が開示する同様の方法と共に用いることもできる。他に使用できる空間フィルタとしては2次元ガウスフィルタ等の単純なローパスフィルタがある。しかし、ローパスフィルタを用いる場合、ガウス標準偏差パラメータの寸法(dimension)が非常に大きくなければならない。例えば、処理対象のデジタル画像の寸法の1/4である。
【0040】
中程度に圧縮的であるトーンスケール関数の場合、空間フィルタを使用する必要はないかもしれない。つまりトーンスケール関数アプリケータ240はトーンスケール関数203を入力デジタル画像401の画素に直接適用して出力デジタル画像409を生成することができる。また、拡張トーンスケール関数の場合、トーンスケール関数203を入力デジタル画像401に直接適用すれば、上述のように空間フィルタを用いた場合より色調を強調することができる。これは基本的に、拡張トーンスケール関数によって画像の質感が増幅されるからだ。しかし、画像質感を増幅することで画像の品質を損ない得るデジタル画像もある。画像の質感に高レベルのノイズが含まれる場合だ。したがって上述のように空間フィルタを用いてトーンスケール関数203を適用することは、圧縮的、拡張的なトーンスケール関数の双方にとって利点となり得る。
【0041】
次に、図4および図5に示すトーンスケール関数生成装置230をより詳細に説明する。トーンスケール関数生成装置230は、分析デジタル画像201の画素を用いてトーンスケール関数203を算出する自動モード、または図示されたユーザインターフェイスを介して提供されるユーザの入力選択231を用いてトーンスケール関数203を算出するマニュアルモードのいずれのモードにおいても使用できる。いずれのモードでも、この算出のための構成(formulation)は同じである。
【0042】
トーンスケール関数203は1値関数(a single valued function)、つまり入力画素値の各々に対して1個の出力であり、ソースデジタル画像102内の画素値の範囲に対して規定される。トーンスケール関数203の形状は本発明の重要な点である。算術形状によって処理済みデジタル画像への影響が決まるからだ。本発明は少なくとも2個の関数セグメントからトーンスケール関数203を作る。この時、いずれの関数セグメントも共通の2個以上の入力画素値を共有しない。本発明の好適な実施形態は2個の関数セグメントを使い、18%シーンリフレクタに対応する参照グレー点の画素値を、関数定義域を2個のトーンスケールセグメントに分割する共通の入力画素値として規定する。明るい画像領域、つまりオリジナルの撮影風景の明るい領域に対応する画像領域に関連する関数をハイライトトーンスケールセグメントと呼び、暗い画像領域、つまりオリジナルの撮影風景の暗い領域に対応する画像領域に関連する関数をシャドートーンスケールセグメントと呼ぶ。トーンスケール関数203はコンピュータソフトウェアおよび/またはハードウェアにおいて実行できる範囲において連続関数である。トーンスケール関数203は連続した第1の導関数を有することができる。しかし、連続した第1の導関数の特性は望ましいが本発明の必須要件ではない。
【0043】
デジタル画像システムにおいて使用するデジタル画像の画素極性はシステム設計者が任意に決定する。例えば、正の画素極性を有するデジタル画像が有する画素では、より大きな数値はより多くの光が受信されたことに関連し、逆に、負の画素極性を有するデジタル画像が有する画素では、より大きな数値はより少ない光が受信されたことに関連する。本発明はいずれの画素極性を有するデジタル画像に対しても使用できるが、明確化のため以下の説明では、正の画素極性条件を前提にする。当業者は、「増加または減少関数勾配値」とった場合に、正の画素極性を有するデジタル画像を対象にしていることが分かるだろう。したがって、負の画素極性を有するデジタル画像を用いるシステムについては、関数勾配特性の説明を逆にしなければならない。これは本発明を解釈する上で重要である。数学的に、増加または減少関数は、値が増加するように較正された横軸に対して規定されるからだ。例えば、ハイライトおよびシャドー成分関数の構造に関する以下の説明では、シャドー成分関数は単調に増加する勾配特性を有し、ハイライト成分関数は単調に減少する勾配特性を有するとする。この説明は正の画素極性条件を対象としており、負の画像極性条件であれば、同等のシャドー成分関数は単調に減少する勾配特性を有し、同等のハイライト成分関数は単調に増加する勾配特性を有すると説明されるだろう。同様に、正の画素極性条件であれば、トーンスケール関数は常に0以上の勾配関数を有し、逆に負の画素極性条件であれば、常に0以下の勾配関数を有する。
【0044】
ハイライトトーンスケールセグメントは、各々が以下の制約を満たす1個以上の成分関数から作られる。つまり、成分関数は、1)参照グレー点以上の全ての入力画素値に対して単調に減少する勾配関数を有し、2)参照グレー点以上であって、当該デジタル画像に表現される最大入力画素値以下の全ての入力画素値に対して単調に増加する関数値を有さねばならない。ある関数が第1の導関数の反転(reversal)を有さない場合、その関数は所定の定義域(domain)において単調である(デジタル的に実行するために、勾配関数を第1の導関数の妥当な近似値と考える)。尚、特定の画像の中にある画素値より大きな入力画素値に関する関数特徴は、影響される画素がないので、机上の論点である。上述の制約は双方共に重要であって、少し説明を要する。
【0045】
ハイライトトーンスケールセグメントは明るい画素、つまりより多くの光を受信したことに関する画素に関する。通常、高ダイナミックレンジのデジタル画像の場合、本発明を適用せずに描画した描画デジタル画像の最も明るい画像領域では、空間的詳細が皆無または僅かしか残らない。これは、平均的なダイナミックレンジのデジタル画像を良好に描画するように、システムコントラストを全体的に高く設定しているからだ。つまり高ダイナミックレンジのデジタル画像の中には、明るい画素に含まれる画像内容を、空間的な詳細の変化が描画デジタル画像103内に維持されるように描画できないものもある。これを改善するには、トーンスケール関数203によって高い入力画素値をより低い出力画素値にマッピングする。この処理によれば、処理済みデジタル画像のハイライト部分は、得られた描画デジタル画像103において、より暗く表現される。このような入力−出力マッピング処理を行うことができる関数は多数ある。しかし、単調に増加する関数は単調でない関数より確実(robust)である、つまり画像人工物(image artifice)をあまり生じないことが経験的に分かっている。
【0046】
高い入力画素値をより低い出力画素値にマッピングできる単調な関数は多数あるが、これらは全て、異なる平均画素値に対応する画像領域に関してコントラストに何らかの妥協を強いることになる。特に、ハイライトトーンスケールセグメントを作るために用いた成分関数の瞬間勾配値(第1の導関数)は、得られた描画デジタル画像103のコントラストや空間的細部変化の感じられ方に大きく影響する可能性がある。したがって、単調に減少する瞬間勾配値を有する成分関数を用いて作られたハイライトトーンスケールセグメントによれば、ハイライト画素値をより低い出力画素値にマッピングすることによって、明るい画像領域に対する空間的細部変化を改良できる。ハイライトトーンスケールセグメントの定義域内で瞬間勾配値がより高い画像領域は、画像の詳細変化をより多く保持する傾向にある。したがって、瞬間勾配が単調に減少するという条件は、参照グレー点の値に数値的に近い画素値に相当する画像内容にとって有利である。通常、主要な被写体領域等といった重要な画像の内容は参照グレー点に数値的に近い傾向にあり、背景画像の内容は画素値に関してより均質的に表現される傾向にある。
【0047】
同様に、シャドートーンスケールセグメントは、各々が以下の制約を満たす1個以上の成分関数から作られる。つまり、成分関数は、1)参照グレー点以下の全ての入力画素値に対して単調に増加する勾配関数を有し、2)参照グレー点以下であって、当該デジタル画像に表現される最小入力画素値以上の全ての入力画素値に対して単調に増加する関数値を有さねばならない。同様に、シャドートーンスケールセグメントを作成するために用いた成分関数が、単調な特性を有していることは、より確実(robust)な画像品質を有する結果と関連する。したがって、シャドートーンスケールセグメントを作るために用いた成分関数が、単調に増加する勾配関数特性を有していることも、同様に重要である。この条件も、参照グレー点の値に数値的に近い画素値に相当する画像内容にとって有利なためだ。高ダイナミックレンジの画像の場合、シャドートーンスケールセグメントの作成時に用いる成分関数が、単調に増加する勾配関数特性を有していれば、低い入力画素値をより高い出力画素値にマッピングできる。その結果、処理済みデジタル画像は、得られた描画デジタル画像103においては、シャドー部がより明るく表示される。
【0048】
上記のような勾配関数の制約を用いれは当然、参照グレー点における勾配関数値が高いトーンスケール関数が作られる。したがって、参照グレー点値の選択が重要である。参照グレー点値をどこにするかによって画像内のどの領域の勾配係数値が高くなるかが決まるからだ。18%グレーシーンリフレクタに相当する参照グレー点を選択する。これが知覚明度のほぼ中間点を表すからだ。しかし、参照グレー点の値に対してこれ以外の値を選択しても良好な結果が得られる。参照グレー点の値は10%シーンリフレクタ値から25%シーンリフレクタ値の範囲が適当である。
【0049】
図4および図5に示すトーンスケール関数生成装置230の第1の実施形態では、ハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントの両方を、指数関数に基づく1個の成分関数を用いて作成する。ハイライトトーンスケールセグメントの作成に用いる成分関数は式(4)で与えられる。
【数4】
Figure 2004030670
【0050】
この時、xρは参照グレー点を表し、βh1およびαh1は成分関数fh1(x)の形状や勾配を決める数定数を表す。シャドートーンスケールセグメントの作成に用いる成分関数は式(5)で与えられる。
【数5】
Figure 2004030670
【0051】
この時、βs1 およびαs1も同様に、成分関数fs1(x)の形状や勾配を決める数定数を表す。参照グレー点における勾配制約を1.0にすると、定数βh1およびβs1はそれぞれαh1およびαs1と等しくなる。この条件の場合、関数fh1(x)およびfs1(x)に対する式は(6)および(7)で与えられる。
【数6】
Figure 2004030670
【0052】
また、トーンスケール関数203T(x)に対する式は(8)で与えられる。
【数7】
x>=xρの場合、 T(x)=fh1(x)       (8)
x<xρ の場合、 T(x)=fs1(x)
【0053】
ハイライト成分関数は、式(9)で与えられる縦軸値xとなる横軸値xhoで規定された特定の座標点を通過するように条件付けされる。
【数8】
Figure 2004030670
【0054】
この条件付けによって、ハイライトの白点をマッピングする目的が達成できる。ハイライト成分関数の場合、描画関数R(x)によって写真印画紙の約2.0の濃度に相当するように好適にマッピングされた画素値に基づいて、白点値xを事前に決める。変数xおよびxρ が規定されると、式(9)を用いて反復数値解法により、所定の値xhoに対して変数αh1の値を解くことができる。同様に、シャドー成分関数は、式(10)で与えられる縦軸値xとなる横軸値xsoで規定された特定の座標点を通過するように条件付けされる。
【数9】
Figure 2004030670
【0055】
この条件付けによって、シャドーの黒点をマッピングする目的が達成できる。シャドートーンスケール関数の場合、描画関数R(x)によって写真印画紙の約2.0の濃度に相当するように好適にマッピングされた画素濃度に基づいて、黒点値xを事前に決める。変数xおよびxρが規定されると、式(10)を用いて反復数値解法により、所定の値xsoに対して変数αs1の値を解くことができる。式(9)および(10)に対する反復数値解法は、第1に初期値αs1を推定し、等式の両辺を算出し、誤差項(error term)を差異として算出し、誤差を調べ、αs1の推定値に対して調整を行い、この手順を、誤差項が許容できる程低くなるまで繰り返すことを含む。αs1に対して考え得る全ての値に対して反復解法の結果を求め、LUTに保存する。同様の計算および手順によって、αh1の値も決定する。
【0056】
変数xhoおよびxsoは式(9)および(10)における制御変数である。これらは、一旦選択されると、式(6)および(7)に対する関数形状や勾配特性を決定する。図7は、xhoに対して異なる値を用いて作成したハイライトトーンスケールセグメントを表す曲線群と、xsoに対して異なる値を用いて作成したシャドートーンスケールセグメントを示す曲線群とを示すグラフである。点500は参照グレー点xρを表す。曲線501は1個のハイライト成分関数から作ったハイライトトーンスケールセグメントを表し、曲線502は1個のシャドー成分関数から作ったシャドートーンスケールセグメントを表す。線503は1対1入力−出力線を表す。図7に示すハイライトトーンスケールセグメントの各々について、図示されたハイライト成分関数は単調に減少する瞬間勾配値を有する。同様に、図7に示すシャドートーンスケールセグメントの各々について、図示された成分関数は単調に増加する瞬間勾配値を有する。トーンスケール関数203は、図7に示すハイライトトーンスケールセグメント群の中の任意のセグメントをシャドートーンスケールセグメント群の中の任意のセグメントと組み合わせて作ることができる。変数xhoおよびxsoを独立して選べるからだ。つまり、2個のトーンスケールセグメントの形状を相互に独立して制御できる。
【0057】
式(6)および(7)は、参照グレー点における勾配関数(成分関数に相当する)が1.0と等しくなければならないという条件を課して得られた。他の実施形態では、同様の方法で勾配係数を課して、指数関数を用いる。つまり、ハイライト成分関数の勾配は選択された値ψと等しくなければならず、シャドー成分関数は選択された値ψと等しくなければならない。この実施形態では、勾配制約を課すことで、式(4)における変数βh1とαh1の関係、および式(5)における変数βs1とαs1の関係がそれぞれ式(11)および(12)で与えられる関係になる。
【数10】
βh1 = ψ αh1          (11)
βs1 = ψ αs1          (12)
【0058】
ハイライト成分関数およびシャドー成分関数に対する式は、それぞれ式 (13)および(14)で与えられる。
【数11】
Figure 2004030670
【0059】
ハイライトおよびシャドー成分関数の勾配関数を表す第1の導関数は、それぞれ式(15)および(16)で与えられる。
【数12】
Figure 2004030670
【0060】
hoの値がxの値より大きい場合、ハイライト成分関数は、より大きな範囲の入力画素値をより狭い範囲の出力画素値にマッピングするので、圧縮関数と考えられる。逆に、xhoの値がxの値より小さい場合、ハイライト成分関数は、より狭い範囲の画素値をより大きな範囲の画素値にマッピングするので、拡張関数と考えられる。同様に、xsoの値がxの値より小さい場合、シャドー成分関数は、より広い範囲の画素値をより狭い範囲の出力画素値にマッピングするので、圧縮関数と考えられる。逆に、xsoの値がxの値より大きい場合、シャドー成分関数は、より狭い範囲の入力画素値をより広い範囲の画素値にマッピングするので、拡張関数と考えられる。つまり、変数xhoおよびxの値に基づいて、ハイライトトーンスケールセグメントを、圧縮、拡張、中立のいずれかに分類できる。値xhoが値xと等しい場合、このハイライトトーンスケールセグメントは中立であると分類する。この独自の条件に対して、ハイライトトーンスケールセグメントは同一(identity)マッピング関数となるからだ。また、変数xsoおよびxに基いてシャドートーンスケールセグメントを圧縮、拡張、中立のいずれかに分類できる。同様に、xsoが値xと等しい場合、このシャドートーンスケールセグメントは中立であると分類される。この独自の条件に対してシャドートーンスケールセグメントは同一マッピング関数となるからだ。
【0061】
圧縮ハイライト成分関数の場合、数定数αh1は正である。正の数であるψに対して式(15)によって与えられる、ハイライト成分関数に対応する勾配関数は、参照グレー点xρ以上の全てのx値に対して正の勾配関数値を導く。第2の導関数、つまりハイライト成分関数の勾配関数に対する式は、式(17)で与えられる。
【数13】
Figure 2004030670
【0062】
図8aは、ψ変数を1.0に設定し、参照グレー点を0.0に設定し、αh1変数を1.0に設定して作成したハイライトトーンスケールセグメントの例示的なグラフである。図8aのグラフの検証や式(17)から分かるように、αh1やψが正の値の場合、0以上の値をとり単調に減少する勾配関数を有する圧縮ハイライトトーンスケールセグメントになる。曲線512は、ハイライトトーンスケールセグメントを作るために用いたこのようなハイライト成分関数を示し、曲線513は、対応する勾配関数を示す。参照グレー点は点511で示す。
【0063】
同様に、圧縮シャドー成分関数の場合、数定数αs1は負である。正の数であるψに対して式(16)によって与えられる、シャドー成分関数に対応する勾配関数は、参照グレー点xρ以下の全てのx値に対して正の勾配値を導く。第2の導関数、つまりシャドー成分関数の勾配関数に対する式は、式(18)で与えられる。
【数14】
Figure 2004030670
【0064】
図8bは、ψ変数を1.0に設定し、参照グレー点を0.0に設定し、αs1変数を1.0に設定して作成したシャドートーンスケールセグメントの例示的なグラフを示す。図8bのグラフの検証や式(18)から分かるように、αs1やψが正の値の場合、0以上の値をとり単調に増加する勾配関数を有する圧縮シャドートーンスケールセグメントになる。曲線515は、シャドートーンスケールセグメントを作るために用いたこのようなシャドー成分関数を示し、曲線516は、対応する勾配関数を示す。参照グレー点は点514で示す。
【0065】
図8cに示す例示的なトーンスケール関数203は、それぞれが上述のように1個の成分関数から作られたハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントから作られた。上記のような勾配が同じという条件は、本発明によってトンスケール関数を作る場合の必須条件ではない。図8cに示す例示的なトーンスケール関数では、参照グレー点におけるハイライトトーンスケールセグメントとシャドートーンスケールセグメントの勾配は等しくない。曲線517はトーンスケール関数203を表し、曲線518は対応する勾配関数を示す。参照グレー点は点519で示す。図8cに示す例示的なグラフから分かるように、このトーンスケール関数は、参照グレー点以下の入力値に対しては、0以上であって、単調に増加する勾配を有する単調に増加する関数であり、参照グレー点以上の入力値に対しては、単調に減少する勾配を有する。また、このトーンスケール関数は参照グレー点において勾配関数が断続する。通常、連続した勾配関数を有するトーンスケール関数が望ましいが、実験によると、勾配関数が断続したトーンスケール関数を自然の撮影風景に関連するデジタル画像に適用した場合、この断続は問題にならない事が多い。同譲渡人による米国特許第6,285,798号に開示するようなトーンスケール関数のその他の生成方法では、作成処理において連続した勾配という制約を課すが、本発明の裏付けとして行った実験によると、連続した勾配という制約はデジタル画像の幾つかの適用においては不必要に制限的になり得ることがわかった。連続した勾配という制約を課さないことで、有益なトーンスケール関数の多岐性をより大きくできる。特に、ソースデジタル画像に適用した場合にそのソースデジタル画像の画素に反応するような仕方でトーンスケール関数を作れば、より高いレベルの全体的なコントラスト強調を行うことができる。
【0066】
他の実施形態では、ハイライトトーンスケールセグメントを圧縮ハイライト成分関数から作る。ここで、圧縮ハイライト成分関数の場合、xhoがxより大きいことを思い出そう。この実施形態では、(6)で与えられる式を、参照グレー点における当該関数の勾配を緩和させる一次関数と合算する。このハイライト成分関数の式は、(19)で与えられる。
【数15】
Figure 2004030670
【0067】
この時、変数γHCは、xρからxhoの間の当該関数の平均勾配を表し、式(20)で与えられる。
【数16】
γHC=(x−xρ)/(xho−xρ)       (20)
【0068】
変数φHCによって、一次関数のハイライト成分関数への寄与が決まる。式(19)をハイライト成分関数として用いるハイライトトーンスケールセグメントの形状を変化させるように、変数φHCを選ぶことができる。φHCを0.0に設定すれば、式(19)は式(6)に戻る。φHCを1.0に設定すれば、式(19)は、式(21)で与えられる一次関数のようになる。
【数17】
h1(x)=γHC(x−xρ)+xρ           (21)
【0069】
つまり、変数φHCは、ハイライト成分関数が純粋な指数関数として作用する程度を選択するために使用できる制御パラメータである。同様に、シャドー成分関数に対する式は(22)で与えられる。
【数18】
Figure 2004030670
【0070】
この時、変数γSCは、xsoからxρの間の関数に対する平均勾配を表し、式(23)で与えられる。
【数19】
γSC=(x−xρ)/(xso−xρ)      (23)
【0071】
式(22)をシャドー成分関数として用いるシャドートーンスケールセグメントの形状を変化させるように、変数φSCを選ぶことができる。φSCを0.0に設定すれば、式(22)は式(7)に戻る。φSCを1.0に設定すれば、式(22)は式(24)で与えられる一次関数のようになる。
【数20】
s1(x)=γSC(x−xρ)+xρ          (24)
【0072】
つまり、変数φSCは、シャドー成分関数が純粋な指数関数として作用する程度を選択するために使用できる制御パラメータである。
【0073】
変数φHCおよびφSCを変えることで、処理済みデジタル画像の見え方に大きく影響する可能性がある。変数φHCおよびφSCを0.0に近づけると、処理済みのデジタル画像は従来のような写真的に高コントラストの見え方になる。逆に、変数φHCおよびφSCを1.0に近づけると、処理済みデジタル画像はよりプロフェッショナルな、写真的に低コントラストの見え方になって、ポートレート向きになる。図9は、xhoに対して異なる値を用いながら式(19)を用いて作成したハイライトトーンスケールセグメントを表す曲線群と、xsoに対して異なる値を用いながら式(22)を用いて作成したシャドートーンスケールセグメントの曲線群とを示すグラフである。点521は参照グレー点xρを示す。曲線522は1個のハイライト成分関数から作成したハイライトトーンスケールセグメントを表す。曲線523は1個のシャドー成分関数から作成したシャドートーンスケールセグメントを表す。線524は同一マッピング1対1入力画素値−出力画素値線を表す。変数xhoおよびxsoを独立して選べるので、図9のハイライトトーンスケールセグメント群の中の任意のセグメントをシャドートーンスケールセグメント群の中の任意のセグメントと組み合わせて、トーンスケール関数203を作ることができる。変数φHCおよびφSCが0.0でなければ、得られるトーンスケール関数の勾配係数は通常、参照グレー点において連続しない。
【0074】
hoがxより小さい場合、式(4)、(6)または(13)を用いて作成したハイライト成分関数は、単調に増加する瞬間勾配を有する関数になる。このような関数の一例を図10aにおいて曲線530で示す。曲線530で表す関数によれば入力画素値xhoを出力画素値xにマッピングできるが、このような関数に基づいたトーンスケール関数によれば幾分不自然な様相の画像になる可能性がある。これは主に、曲線530で表されるハイライト成分関数の勾配が参照グレー点に近い入力画素範囲に対して単調に、減少ではなく、増加するからだ。しかし、式(4)、(6)または(13)を用いてハイライト成分関数を作り、参照グレー点(点533で示す)以上の入力画素値に対して(25)で与えられる線531の周りで折り返す(reflected)ことができる。
【数21】
y(x)=(x−xρ)/(xho−xρ)(x−xρ)+xρ   (25)
【0075】
折り返し処理によって作られた関数(図10aの曲線532で示す)は、単調に減少する瞬間勾配を有する単調に増加する関数である。拡張ハイライト成分関数の機能的な形式を以下のステップで求める。第1に、制約xho=xを用いて式(4)、(6)または(13)を解いて、数定数αh1を決定する。第2のステップでは、座標値対(x,f(x))に対して第1の回転変換を行い、(26)で与えられる変換済み座標値対(u,v)にする。
【数22】
u=xcos(Θ)+f(x)sin(Θ)      (26)
v=−xsin(Θ)−f(x)cos(Θ)
【0076】
この時、角度Θは式(27)で与えられる。
【数23】
Θ=tan−1((x−xρ)/(xho−xρ))    (27)
【0077】
第1の回転変換によれば、式(24)で表される線はX軸になる。第3のステップでは、新たなX軸の周りでv座標値を折り返す。これはv座標値の負の値をとることで行う。第4のステップでは、座標値対(u,−v)に対して逆回転変換を行い、式(28)で与えられる座標値対(u’,v’)にする。
【数24】
u’=ucos(Θ)+vsin(Θ)     (28)
v’=xsin(Θ)−vcos(Θ)
第5のステップにおいて、座標値対(u’,v’)はハイライト成分関数g(u)を規定し、入力画素値の範囲に対して評価される。
【0078】
図10bを参照する。xso>xの場合、上述の方法と同様にして拡張シャドー成分関数を作ることができる。つまり(5)、(7)または(14)で表される関数を用いてシャドー成分関数を作り、参照グレー点(点534で示す)以下の入力画素値に対して、制約xso=xを用いて式(29)で与えられる線535の周りで折り返し、数定数αs1を決める。
【数25】
y(x)=(x−xρ)/(xso−xρ)(x−xρ)+xρ (29)
【0079】
図10bにおいて536で示す曲線は、正の数定数αs1に対する、(5)、(7)または(14)を用いた関数を示す。折り返し処理ステップを用いて作成した、対応する拡張シャドー成分関数を曲線537で示す。
【0080】
上述の成分関数を用いて作った拡張ハイライトトーンスケールセグメントおよび拡張シャドートーンスケールセグメントから作ったトーンスケール関数の一例のグラフを図10cに示す。ハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントは共に拡張的なので、曲線539で示すトーンスケール関数もxsoからxhoの範囲の入力画素値において拡張的である。式(25)および(29)で与えられた一次関数を合算した関数を線540で示し、参照グレー点を点538で示す。図8Cにおいて曲線517で示すトーンスケール関数はxsoからxhoの範囲の入力画素値において圧縮的である。この関数を作るために用いたハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントが共に圧縮成分関数だからだ。参照グレー点を点538で示す。
【0081】
トーンスケール関数を、拡張シャドー成分関数および圧縮ハイライト成分関数、または圧縮シャドー成分関数および拡張ハイライト成分関数から作ることができる。2個のトーンスケールセグメントの形状を独立して制御できるからだ。本明細書ではこのようなトーンスケール関数を折衷関数(eclectic function)と呼ぶ。これら2個のセグメントが異なる形状に分類されるからだ。しかし、上述のように、2個のセグメントは共通の1個の入力画素値、つまり参照グレー点において同じ関数値を有していなければならない。
【0082】
好適な実施形態では、拡張ハイライト成分関数fh1(x)を、(30)および(31)で与えられる制約を条件として式(4)を用いて作成する。
【数26】
h1(xho’)=x   (30)
h1‘(x)=1.0   (31)
【0083】
ここで、変数xho’は式(32)で与えられる。
【数27】
h1(xho’)=(1.0−η)(x−xho)+xho (32)
【0084】
変数ηは、関数の形状を選択するために使用できる制御パラメータである。これらの2個の制約を関数fh1(x)に適用すれば、ハイライト成分関数は、所定の入力画素値xho’を所定の出力画素値xにマッピングするという目的を達成できる。xρからxho’への間の関数γHEの平均勾配は、式(33)で与えられる。
【数28】
γHE=(x−xρ)/(xho’−xρ)    (33)
【0085】
これは1.0より大きい。xがxhO’より大きいからだ。上記と同様の方法で、式(4)に用いられた変数αh1とβh1を相互数値近似(interactive numerical approximation)によって解き、LUTに保存して後で読み出せるようにする。変数ηを0.5に設定することが好適である。さらなる改善のために、制御パラメータφHEを用いてハイライト成分関数を一次関数と合算する。拡張ハイライト成分関数に対する最終的な式は、(34)で与えられる。
【数29】
Figure 2004030670
【0086】
同様に、拡張シャドー成分関数fs1(x)を、(35)および(36)で与えられる制約を条件として式(5)を用いて作成する。
【数30】
s1(xso’)=x          (35)
s1‘(x)=1.0         (36)
【0087】
この時、変数xso’は式(37)で与えられる。
【数31】
s1(xso’)=(1.0−η)(x−xso)+xso  (37)
【0088】
変数ηは、関数の形状を選択するために使用できる制御パラメータである。これら2個の制約を関数fs1(x)に適用すれば、シャドー成分関数は所定の入力画素値xso’を所定の出力画素値xにマッピングするという目標を達成できる。xso’からxρの間の関数γSEの平均勾配は、式(38)で与えられる。
【数32】
γSE=(xρ−x)/(xρ−xso’)       (38)
【0089】
これは1.0より大きい。xがxso’より小さいからだ。上記と同様の方法で、式(5)に用いられた変数αs1とβs1を相互数値近似によって解き、LUTに保存して後で読み出せるようにする。変数ηを0.5に設定することが好適である。さらなる改良のために、変数φSEを用いてシャドー成分関数を一次関数と合算する。拡張シャドー成分関数の最終的な式は、(39)で与えられる。
【数33】
Figure 2004030670
【0090】
図11は、それぞれ式(34)および(39)を用いて1個の拡張成分関数から作ったハイライトおよびシャドートーンスケールセグメント群を示す。点541は参照グレー点xρを表す。線542は同一マッピング1対1入力画素値−出力画素値線を表す。曲線543は式(34)を用いたハイライトトーンスケールセグメントの一例を表し、曲線544は式(39)を用いたシャドートーンスケールセグメントの一例を示す。
【0091】
本発明の方法によって作ったトーンスケールセグメントの重要な特徴は、圧縮型関数から拡張型関数への移行に対応して関数の形状が緩やかに移行することである。図12aは、成分関数が圧縮型の場合には式(19)を用い、成分関数が拡張型の場合には式(34)を用いて1個のハイライト成分関数から作ったハイライトトーンスケールセグメント群を示す。点549は参照グレー点を示す。曲線550は著しい圧縮ハイライト成分関数を示し、曲線551は緩やかなハイライト成分関数を示す。圧縮の度合いが高い程、関数の曲率も大きくなる。ハイライト成分関数が圧縮でも拡張でもない場合、関数は同一マッピング1対1入力−出力ライン(曲線552で示す)のようになる。曲線553は緩やかな拡張ハイライト成分関数を示し、曲線554は著しい拡張ハイライト成分関数を示す。拡張の度合いが大きい程、関数の曲率も大きくなる。つまり、緩やかな圧縮および緩やかな拡張ハイライト成分関数の場合、関数の形状はより直線に近くなる。図12aに示すようなハイライト成分セグメントを作るために用いた圧縮ハイライト成分関数では、変数φHCの値を0.0とする。図12aに示すようなハイライト成分セグメントを作るために用いた拡張ハイライト成分関数では、変数φ の値を0.0とする。式(19)に用いられた変数φHCの値を式(34)に使用いられた変数φHE変数の値から独立して選ぶことができる。
【0092】
シャドートーンスケールセグメントの形状も圧縮型関数と拡張型関数との間で緩やかに(graceful)移行部を有する。図12aは更に、成分関数が圧縮型の場合には式(22)を使い、成分関数が拡張型の場合には式(39)を使って1個のシャドー成分関数から作成したシャドートーンスケールセグメント群を示す。曲線555は著しい圧縮シャドー成分関数を示し、曲線556は緩やかなシャドー成分関数を示す。圧縮の度合いが大きい程、関数の曲率も大きくなる。シャドー成分関数が圧縮でも拡張でもない場合、当該関数は同一マッピング1対1入力−出力線(曲線557で示す)のようになる。曲線558は緩やかな拡張シャドー成分関数を示し、曲線559は著しい拡張シャドー成分関数を示す。拡張の度合いが大きい程、関数の曲率も大きくなる。つまり、緩やかな圧縮および緩やかな拡張シャドー成分関数の場合、関数の形状はより直線に近くなる。図12aに示すようなシャドー成分セグメントを作るために用いるシャドー成分関数では変数φSCの値を0.0にする。図12aに示すようなシャドー成分セグメントを作るために用いる拡張シャドー成分関数では変数φSEの値を0.0にする。式(22)に用いられる変数φSCの値を式(39)に用いられる変数φSEの値から独立して選択できる。
【0093】
図12bは、変数φHC、φHE、φSC、φSEの全ての値を0.5に設定して、式(19)、(34)、(22)および(39)を用いて作成した同様のハイライトおよびシャドートーンスケールセグメント群を示す。図12bに示す曲線から分かるように、本発明の方法で作ったトーンスケールセグメントは関数の形状において、圧縮型関数から拡張型関数へ緩やかに移行する。
【0094】
圧縮ハイライト成分関数に対する他の代替的な実施形態では、変数ψを圧縮の度合いの関数、つまり(xho−xρ)に対する(x−xρ)の比率にする。ハイライト成分関数fh1(x)に対する式は(13)で与えられる。この時、式(13)における傾斜変数ψは(40)で与えられる。
【数34】
ψ=1.0−η(1.0−(x/xho)) (40)
【0095】
変数ηによってハイライト成分関数の形状を制御する。変数ηは選ぶことができ、1.0に設定した場合、ハイライト成分関数は式(21)として与えられる線の等式のようになる。また、変数ηを0.0に設定した場合、ハイライト成分関数は式(13)として与えられた指数関数の等式のようになる。同様に、圧縮シャドー成分関数の場合、変数ψを圧縮の度合いの関数、つまり(xρ−xso)に対する(xρ−x)の比率にする。シャドー成分関数fs1(x)に対する式は(14)で与えられる。この時、式(14)における勾配変数ψは式(41)で与えられる。
【数35】
ψ=1.0−η(1.0−(x/xso))      (41)
【0096】
変数ηによってシャドー成分関数の形状を制御する。変数ηを1.0に設定した場合、シャドー成分関数は式(24)として与えられる線の等式のようになる。変数ηを0.0に設定した場合、シャドー成分関数は式(14)として与えられた指数関数の等式のようになる。
【0097】
ハイライトトーンスケールセグメントは2個以上のハイライト成分関数を用いて作ることができる。他の実施形態では、(42)で与えられる関数値xweになる横軸値xheによって規定された特定の座標点を通過するように条件付けされた式(6)と同じ機能的な形式を用いて第2のハイライト成分関数を作る。
【数36】
Figure 2004030670
【0098】
この制約により、処理済みのデジタル画像の最も明るい部分に関連するハイライト白極点をマッピングするという目的を達成できる。第2のハイライト成分関数について、白点値xweは、描画関数R(x)によって約0.08の白紙濃度、つまり実現可能な最小の紙濃度に相当するようにマッピングされた画素濃度に基づいて、事前に決定される。変数αh2は上記の反復数値解法を用いて解くことができる。第2のハイライト成分関数は式(43)によって表される。
【数37】
Figure 2004030670
【0099】
ハイライトトーンスケールセグメントF(x)を、式(19)で与えられる第1のハイライト成分関数と式(43)で与えられる第2の式(19)ハイライト成分関数とを合算して作成する。F(x)は式(44)によって与えられる。
【数38】
ρ<=x<=hc の場合、F(x)=fh1(x)     (44)
hc<x<=xheの場合、
(x)=ω(x)fh1(x)+(1−ω(x))fh2(x)
he<xの場合、 F(x)=fh2(x)
【0100】
ここで、関数ω(x)は2の成分関数の混合関数を表し、式(45)によって与えられる。
【数39】
ω(x)=(x−xhc)/(xhe−xhc)  (45)
【0101】
このように作成されたハイライトトーンスケールセグメントは3個の入力画素定義域からなる。第1の定義域は、参照グレー点xρから、変数xhcで規定される点まで伸びる。この第1の定義域は全体的に第1のハイライト成分関数f (x)から作られる。第2の定義域は、第1および第2のハイライト成分関数の混合物を用いて作られ、点xhcからハイライト極点xheまで伸びる。第3のシャドー定義域は、xheの値より大きな入力画素値の定義域に対して作られる。画素値(本明細書では変数xとして表示する)がxheに近づくにつれて、ハイライトトーンスケールセグメントは第2のハイライト成分関数fh2(x)の値に近づく。式(44)を用いて作成されたハイライトトーンスケールセグメントは、xρからxheの範囲の幾つかの入力画素値xに対して、関数形状において屈折点を作ることができる。つまり、ハイライトトーンスケールセグメントの勾配はxρからxheの範囲内において局所的な最小値を有する。つまり、この実施形態を用いて作られたハイライトトーンスケールセグメントは、各成分関数が単調に減少する関数であっても、xρからxheの範囲においては必ずしも単調に減少する関数ではない。しかし、この実施形態によって作られたハイライトトーンスケールセグメントの勾配はxρからxhcの範囲、つまりハイライトスケールセグメントとシャドートーンスケールセグメントとの交点を含む入力画素値範囲においては単調に減少する関数である。作成方法のこの実施形態では、ハイライトトーンスケールセグメントの勾配を、xheに近い入力画素値の定義域に対して1.0より大きくできる。この特徴は、ハイライトトーンスケールセグメントが圧縮関数、つまり入力画素値の範囲(xρからxhe)が出力画素値(xρからxwe)の範囲より大きい場合でも、鏡のような(specular)ハイライト部分の見え方を明るい点として維持する傾向がある。
【0102】
同様の方法で、シャドートーンスケールセグメントを2個以上のシャドー成分関数を用いて作ることができる。別の実施形態では、式(46)で与えられる関数値xbeになる横軸値xseによって規定された特定の座標点を通過するように条件された式(7)と同じ機能的形式を用いて第2のシャドー成分関数を作成する。
【数40】
Figure 2004030670
【0103】
この制約により、処理済みデジタル画像の最も暗い部分に関連するシャドー暗極点をマッピングするという目的を実現できる。第2のシャドー成分関数について、描画関数R(x)によって約2.3の黒紙濃度、つまり実現可能な最大紙濃度に相当するようにマッピングされた画素値を元に、黒点値xbeを事前に決定する。上述の反復数値解法を用いて変数αs2を解くことができる。第2のシャドー成分関数は、式(47)で表される。
【数41】
Figure 2004030670
【0104】
シャドートーンスケールセグメントF(x)を、式(22)で与えられるシャドー成分関数と、式(47)で与えられる第2のシャドー成分関数とを合算することで、作成する。F(x)は式(48)で与えられる。
【数42】
ρ<=x<=xscの場合、F(x)=fs1(x)  (48)
sc<x<=xse の場合、
(x)=ω(x)fs1(x)+(1−ω(x))fs2(x)
se<x の場合、F(x)=fs2(x)
【0105】
この時、関数ω(x)は2個の成分関数の混合関数を表し、式(49)で与えられる。
【数43】
ω(x)=(x−xsc)/(xse−xsc)    (49)
【0106】
このように作られたシャドートーンスケールセグメントは3個の入力画素定義域からなる。第1の定義域は、変数xscによって規定された点から参照グレー点xρまで伸びる。この第1のシャドー定義域は全体的に第1のシャドー成分関数fs1(x)から作られる。第2のシャドー定義域は、第1および第2のシャドー成分関数の混合物を用いて作られ、暗極点xseから点xscまで伸びる。第3のシャドー定義域は画素xseの値より小さい入力画素の領域に対して作られる。減少入力画素値(本明細書では変数xと表示する)がx に近づくにつれてシャドートーンスケールセグメントは第2のシャドー成分関数fs2(x)の値に近づく。式(48)を用いて作られたシャドートーンスケールセグメントは、xseからxρの範囲内の幾つかの入力画素値xに対して、関数の形状における屈折点を作ることができる。つまり、シャドートーンスケールセグメントの勾配はxseからxρの範囲内において局所的な最小点を有する。したがって、この実施形態を用いて作られたシャドートーンスケールセグメントの勾配は、各成分関数が単調に増加する関数であっても、xseからxρの範囲においては単調に増加する関数ではない。しかし、この実施形態を用いて作られたシャドートーンスケールセグメントの勾配は、xscからxρの範囲、つまりハイライトトーンスケールセグメントとシャドートーンスケールセグメントとの交点を含む入力画素範囲では単調に増加する関数である。作成方法のこの実施形態において、シャドートーンスケールセグメントの勾配を、xseの近くの入力画素値定義域に対して1.0より大きくできる。この特徴は、シャドートーンスケールセグメントが圧縮関数、つまり入力画素値(xseからxρ)の範囲が出力画素値(xbeからxρ)の範囲より大きい場合でも、深いシャドー部の見え方を非常に暗い領域として維持する傾向がある。
【0107】
それぞれが2個の成分関数から作られたハイライトおよびトーンスケールセグメントを用いて作られたトーンスケール関数203の例示的なグラフを図13aに示す。同一マッピング1対1入力画素値―出力画素値線を線560で示し、参照グレー点を点561で示す。ハイライトトーンスケールセグメントに対する上述の第1、第2、第3の入力画素定義域をそれぞれ定義域562、563、564として示す。点565における横軸および縦軸の値はそれぞれ変数xheおよびxweである。点566に対する横軸の値は変数xhcである。シャドートーンスケールセグメントに対する上述の第1、第2、第3の入力画素定義域をそれぞれ定義域567、568、569として示す。点570に対する横軸および縦軸の値は変数xseおよびxbeである。点571に対する横軸の値は変数xscである。
【0108】
定義域564によって示される第3のハイライト定義域は、変数xheより大きな値の画素と関連する。以下でより細かく説明する通り、入力画素値のこの定義域は、最も明るい0.1%の画素と関連する。したがって、第3のハイライト定義域の形状は、画素領域内の非常に小さな部分にのみ影響する。同じ事が、変数xseより小さな値の画素と関連する定義域569で示される第3のシャドー定義域についても言える。別の方法によっても、第3のハイライト定義域の形状を許容できる結果を生じるような形状にすることができる。つまり、トーンスケール関数の点566における瞬間勾配を以て点566から直線を引くのである。同様に、トーンスケール関数の点570における瞬間勾配を以て点570から直線をひいて、第3のシャドー定義域用とすることができる。
【0109】
図13bは、トーンスケール関数203と、対応する勾配関数とを示す。同一マッピング1対1入力画素値−出力画素値線を線573で示し、参照グレー点を点574で示す。図13aに示すトーンスケール関数203を図13bでは曲線575で示す。図13bに示す勾配関数の幾つかの特徴を説明する必要がある。点579は参照グレー点と同じ横軸値における勾配関数を示す。この勾配関数は参照グレー点でほぼ断続しており、参照グレー点において局所的な最大値になる。つまり、対応する勾配関数が参照グレー点で局所的な最大値をとるため、図13aおよび図13bに示すトーンスケール関数203は参照グレー点と等しい横軸値において屈折点を有する。点577は、ハイライトトーンスケールセグメントに対応する入力画素定義域における勾配関数の局所的な最小値を示す。つまり、2個のハイライト成分関数を用いて作成したトーンスケール関数203は、ハイライトトーンスケールセグメントの入力画素定義域内に屈折点を有することができる。同様に、点578はシャドートーンスケールセグメントに対応する入力画素定義域内での勾配関数の局所的な最小点を示すので、2個のシャドー成分関数を用いて作成したトーンスケール関数203は、シャドートーンスケールセグメントの入力画素定義域内に屈折点を有することができる。
【0110】
図13bの勾配関数(曲線580で示す)を、図13cに曲線580で別途示す。この時のグラフ目盛りは勾配関数に対する大きさを示す。したがって、トーンスケール関数の瞬間勾配を示す勾配関数の値は負にならないことが分かる。つまり、トーンスケール関数は単調関数である。図13aおよび図13bに示すトーンスケール関数はハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントの両方に対して圧縮的である。したがって、図13cに示す対応する勾配関数の平均値は1.0より小さい。ハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントに対する屈折点をそれぞれ点577および578として示す。(これらの点は図13bにも示されている。)勾配関数は、定義域581で示されるハイライト極定義域において比較的高い値をとる。定義域581における勾配関数の大きさは、点579近くの中間調定義域に対する勾配関数の大きさとほぼ同じである。定義域582によって示されるシャドー極定義域は、大きさがより高い勾配となる。つまり、図13aおよび図13bに示すトーンスケール関数は、参照グレー点、ハイライト極定義域およびシャドー極定義域内において、比較的高い勾配となる。
【0111】
図4を参照する。ソースデジタル画像、つまりトーンスケールモジュール330への入力デジタル画像の画素を用いて変数xhoおよびxso、したがってトーンスケール関数の形状を決定できる。ソースデジタル画像を受信した分析画像生成装置250は、ローパス空間フィルタを適用してサンプリング処理を行うことで分析デジタル画像201を生成する。得られた結果は、ソースデジタル画像の空間解像度を低くし、同じ画像内容を表す、より少ない画素を有する画像である。 分析デジタル画像201に対する標準的な空間解像度は約64x96画素である。分析デジタル画像も式(1)を用いてキ度色表現に変換される。
【0112】
トーンスケール関数生成装置230は、分析デジタル画像201の画素を分析することでトーンスケール関数203を算出する。画素ヒストグラム関数、つまり発生関数(occurrence function)の頻度を分析デジタル画像201のキ度デジタル画像チャネルの画像から算出する。画素ヒストグラムの値を画素値の関数として統合することで、画素ヒストグラム関数から累積ヒストグラム関数を算出する。図14では、例示的ヒストグラム関数を曲線601で示し、対応する累積ヒストグラム関数を曲線602で示す。累積ヒストグラム関数は0.0〜1.0に目盛られ、デジタル画像の%面積に関連する。この時、1.0は画像領域の100%を表す。累積ヒストグラム関数の縦軸値は所定%画像領域Zに関し、対応する横軸値は、画像内の、P未満の値を有する画素の割合がZによって与えられる画素値Pに関連する。99.0%累積ヒストグラム関数の値を用いてハイライト点、変数xhoの値を決定し、1.0%累積ヒストグラム関数値を用いて暗点、変数xsoの値を決定する。変数xhoおよびxsoに対する値はそれぞれ図14のグラフの点603および604で示す。
【0113】
2個のハイライト成分関数を用いてハイライトトーンスケールセグメントを作成した上述の実施形態では、ソースデジタル画像の画素を用いて変数xheの値を設定することもできる。つまり、99.9%累積ヒストグラム関数値を用いてハイライト極点、変数xheを決定する。同様に、2個のシャドー成分関数を用いてシャドートーンスケールセグメントを作成した上述の実施形態では、0.1%累積ヒストグラム関数値を用いて暗極点変数xseを決定する。変数xheおよびxseの値を、図14のグラフではそれぞれ点605および606として示す。当業者は、変数xso、xho、xhe、xseについて、上記以外の累積ヒストグラム%値を用いた場合でも、本発明の利点が得られることが分かるだろう。最適な結果のためには、変数xsoおよびxhoはそれぞれ比較的暗いシーン対象物および比較的明るいシーン対象物に関連していなければならず、変数xseおよびxheはそれぞれ暗極点および明極点に関連していなければならない。
【0114】
本発明は、画像画素値の累積ヒストグラム関数を用いて変数xso、xho、xhe、xseの値を決定したが、画像画素値の、マスクされた(masked)累積ヒストグラム関数を用いることもできる。例えば、空間活性度フィルタをデジタル画像に適用して処理し、閾値と比較して画像マスクを作ることができる。画像マスクは、マスクされた累積ヒストグラム関数に含まれる画素を表す。
【0115】
上述の指数関数以外の関数を用いてハイライトおよびシャドー成分関数を作ることができる。例えば、ガウス関数の積分(integral−of−a−Gaussian function)を用いてハイライトおよびシャドー成分関数を作ることができる。制御パラメータσを有するガウス関数γ(x,σ)は(50)で与えられる。
【数44】
γ(u,σ)=e−(u−xρ/2σ        (50)
【0116】
ハイライト成分関数fh1(x)を(51)として算出する。
【数45】
Figure 2004030670
ここで、xはx>=xρに対して規定され、シャドー成分関数fs1(x)は、xがx<=xρに対して規定される(52)の場合に算出される。
【数46】
Figure 2004030670
【0117】
整数xに対して不連続の値を用いて積分処理を行い、ルックアップテーブルを作る。ここで、xMINおよびxMAXは、それぞれ可能な限り最小および最大である画素を表す。変数σおよびσは成分関数の形状を規定する制御パラメータを表す。変数σおよびσをそれぞれ式(53)および(54)を用いて決定できる。
【数47】
σ=3.0(xhe−xρ)    (53)
σ=3.0(xρ−xse)    (54)
【0118】
他の実施形態では、S字形状の関数を用いてハイライトおよびシャドー成分関数を作る。ハイライト成分fh1(x)は(55)で与えられる。
【数48】
Figure 2004030670
また、シャドー成分fs1(x)は(56)で与えられる。
【数49】
Figure 2004030670
【0119】
変数KおよびKを独立して選択して、それぞれハイライトおよびシャドー成分関数の形状を変更することができる。変数Kはfh1(xho)=xのように決められ、変数Kはfs1(xso)=xのように決められる。
【0120】
S字形状関数の標準的な種類の中の、上記以外の多くの関数を用いてハイライトおよびシャドー成分関数を作ることができる。S字形状関数とは、ここでは、以下の特性を有する関数を意味する。つまり、当該関数の1階の導関数が、入力定義域の最小値および最大値において0の値に近づく。当該関数は入力定義域の最小値および最大値の間で1階の導関数がゼロ値を有さない。当該関数は入力定義域にわたって単調に増加する関数あるいは単調に減少する関数のいずれかである。ハイライトおよびシャドー成分関数に対してS字形状関数を用いる場合、2個の成分関数が独立していることが重要である。そうであれば、第1のS字形状関数をハイライト成分関数に対して用い、第2のS字形状関数をシャドー成分関数に対して用いることができる。2個の成分関数に対するS字形状関数は同じ機能的形状を有してもよいが、第1および第2のS字形状関数の制御パラメータは異なっていなければならない。そうでなければ、2個のS字形状関数から1個のS字関数ができるだろう。上述のように2個のS字形状関数を用いて作ったトーンスケール関数は、参照グレー点より小さい入力画素値に対しては単調に増加する勾配を有し、参照グレー点より大きな入力画素値に対しては単調に減少する勾配を有することが分かるだろう。
【0121】
本発明の重要な特徴は、トーンスケール関数を作るために2個のトーンスケールセグメントを使うことであり、他の重要な特徴は、これらの2個のトーンスケールセグメントを作るために算術関数を用いることである。特に、ハイライトスケールセグメントに対する算術関数は、シャドートーンスケールセグメントに対する関数と異なる関数を用いる。本発明の文脈では、異なる算術関数は同じ算術式、つまり変数の同じ算術的な組合せを共有できるが、異なる算術関数に対する制御変数の値は、異ならなければならない。例えば、それぞれ式(13)および(14)のハイライトおよびシャドー成分関数は同じ算術式を共有するが、αh1およびαs1で表わされる制御変数αの値は異なるので、これらは異なる算術関数であると考えられる。
【0122】
式(19)および(22)を用い、1個の成分関数を使ってハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントを作る場合、変数φおよびφを独立して選択することができる。φ変数を1.0にすると、ハイライトトーンスケールセグメントは一次関数によって表され、同様に、φ変数を1.0にすると、シャドートーンスケールセグメントも一次関数によって表される。本発明は、変数φおよびφの値を0.5にすることが好適である。しかし、デジタル画像システムの適用や個人の好みによっては、変数φおよびφの値を1.0に設定して良好な結果を得ることができる。これは、主に、描画モジュール340が用いる画像独立型のS字形状描画関数R(x)と、トーンスケールモジュール330が用いる画像依存型のトーンスケール関数203との組み合わせのためである。S字形状の描画関数R(x)を用いることによって、両極値(明極点および暗極点)において画素値が緩やかにロールオフする。これにより、処理済みのデジタル画像の見え方が写真的に許容できるものになる。変数φおよびφを1.0未満の値に設定すると、作成されたトーンスケール関数203も、両極値において画素値が緩やかなロールオフするという特性を有するようになる。つまり、本発明の別の重要な特徴は、S字形状の画像独立型の関数と2つのセグメントを有する画像依存型のトーンスケール関数とを組み合わせて用いることである。
【0123】
変数φおよびφを共に1.0未満に設定すると、トーンスケール関数の全体的な形状は“S”字状になる。したがって、S字形状の画像独立型の関数R(x)をS字形状の画像依存型のトーンスケール関数203と共に用いた場合、2個のS字形状関数を縦続接続すると、両極値において画素値が緩やかにロールオフするという機能効果を強調する効果が得られる。
【0124】
トーンスケール関数の作成に関する上記の説明では基調関数(underlying function)を連続した算術的要素(entities)として扱ってきたが、当業者は、デジタル画像の適用については、いずれの関数も不連続の値によって近似しなければならないことが分かるだろう。したがって、デジタルコンピュータで実行する場合、トーンスケール関数203は実際には、不連続な値の集合体で表される。本発明はルックアップテーブルを用いてトーンスケール関数を実行し、保存する。デジタル表現が許容する範囲内においてトーンスケール関数203は連続している。しかし、トーンスケール関数203を、上記の算術関数を用いて決定された点によって規定された一連のラインセグメントとして表すこともできる。一連のラインセグメントを用いる方法の利点は、直線的な補間方法を用いてラインセグメントのトーンスケール関数点を作ることによって計算リソースを節約することである。
【0125】
図3および図4を参照する。トーンスケール関数生成装置230は、トーンスケール関数203の作成において、ユーザの入力選択231を受け入れることができる。例えば、図1に示すシステムのユーザは、考えられる選択肢および/または制御パラメータをモニタ装置50上で見ることができ、キーボードやマウスポインティング装置等の入力制御装置60を用いて選択肢を指示することができる。このマニュアルユーザモードで使用する場合、ハイライト制御パラメータおよびシャドー制御パラメータを用いて、ハイライトトーンスケールセグメントおよびシャドートーンスケールセグメントの作成に用いる成分関数の形状をそれぞれ変える。
【0126】
このマニュアル動作モードの好適な実施形態では、式(44)および(48)を用いてハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントをそれぞれ作成する。第1に、ソースデジタル画像102の画素から得た累積ヒストグラム値を用いて変数xho、xhe、xso、xseを自動的に決定する。次に、上述の反復数値解法によって変数αh1、αh2、αs1、αs2を決定し、ハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントからトーンスケール関数203を作り、上述の空間フィルタ方法を用いてトーンスケール関数203をソースデジタル画像102に適用する。このシステムのユーザは、処理済みのデジタル画像を用いて作られた写真プリントを見るか、処理済みデジタル画像を電子ディスプレイ装置上で見ることによって、得られた描画デジタル画像103を見る。表示された画像を分析した後、ユーザは、見た画像のシャドー領域の明度やハイライト領域の明度についての好みを指定できる。ユーザは、グラフィックユーザインターフェイスを介して電子ディスプレイ装置上に表示された選択肢をマウスポインティング装置を使って選択する。ユーザの入力選択231を使ってソフトウェアを実行し、ハイライト制御パラメータΔおよびシャドー制御パラメータΔを変更する。次に、ハイライトおよびシャドー制御パラメータを使ってトーンスケール関数203のハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントを変更する。
【0127】
第1に、変数ΔおよびΔを式(57)および(58)を用いてそれぞれ算出する。
【数50】
Δ=x−F(x)            (57)
Δ=x−F(x)            (58)
【0128】
次に、ユーザの入力選択を用いて変数ΔおよびΔの値を変更し、変数Δ およびΔ にする。更に、式(59)で与えられる制約を条件として変数αh1を再計算する。
【数51】
(x)=x−Δ ’          (59)
【0129】
同様に、式(60)で与えられる制約を条件として変数αs1を再計算する。
【数52】
(x)=x−Δ         (60)
【0130】
再計算したハイライトおよびシャドードーンスケールセグメントを用いてトーンスケール関数を変更する。次に、変更したトーンスケール関数をソースデジタル画像102に再度適用し、得られた描画デジタル画像103を電子ディスプレイ装置に表示する。
【0131】
マニュアルユーザ動作モードの別の実施形態では、ハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントをデフォルトに設定して、トーンスケール関数203が恒等写像となる1対1の入力対出力直線の形状になるようにする。ユーザは、トーンスケール特性を変更するための強調を実質的に行っていない描画デジタル画像103を電子ディスプレイ装置上で見て、上述のような選択を行って、見ている画像のシャドーおよびハイライトの明度特性を変化させる。
【0132】
他のデジタル画像システムにおいて本発明が使用されている可能性を、専用のテスト画像を用い、それを処理した処理済みテスト画像を分析することで検出できる。テスト画像の準備は、デジタル画像のデータベースから、本発明による典型的な改良処理をしたデジタル画像を選択することで行われる。次に、テストデジタル画像{t,t,…,t}を問題のシステムに送信、処理する。そして、処理サービスされたサービスデジタル画像{q,q,…,q}を分析のために受信する。一方、テストデジタル画像{t,t,…,t}に対して本発明の実行処理を行い、処理済みデジタル画像{p,p,…,p}を得る。この処理は、本発明に関連する画像処理制御パラメータが完全に制御されたデジタル画像システムにおいて行う。処理済みデジタル画像とサービスデジタル画像とを画像上で画像ベースで比較し、誤差メトリック{e,e,…,e}を作る。誤差メトリック値は各デジタル画像に対応して決まる。それゆえ、誤差メトリック値を使うことで、問題のシステムが本発明を利用してサービスデジタル画像を作っている可能性(likelihood)が検出される。
【0133】
検出分析の第1の部分は、問題のシステムが各テストデジタル画像に対して個別に使用したトーンスケール関数を得ることを含む。この処理が必要な理由は、トーンスケール関数はテストデジタル画像から導くことができるので、所定のテストデジタル画像に対して固有であり得るからだ。トーンスケール関数は、サービスデジタル画像qとテストデジタル画像pとの間の画素の機能関係を画素ベースで比較する分析技術によって得られる。比較した画素間で1対1の関係があれば、テストデジタル画像画像を使ってサービスデジタル画像の画素を正確に予測できる。この条件の場合、サービスデジタル画像qを作る際に空間フィルタを用いてトーンスケール関数を適用することはあまりない。近似トーンスケール関数T(x)は以下の手順で算出できる。T(x)の各関数値に対して、x−δからx+δの間の狭い範囲の値を有する、p中の画素に対応する、q中の画素値を平均する。これによって、比較した2のデジタル画像の画素間の平均機能関係を確立する。この処理を全ての定義域画素値に対して繰り返して、T(x)を確立する。この処理を他のテストデジタル画像に対して繰り返す。
【0134】
近似トーンスケール関数を算出したら、これを、本発明を適用して作成したトーンスケール関数と、画像ベースで比較する。2個のトーンスケール関数間の類似点は多様なメトリクスを用いて示すことができる。第1に、全体的な明度バランスにおける違いを説明しなければならない。近似トーンスケール関数の各々を分析して、参照グレー点に相当する入力画素値を検出する。次に、LUTの形式の近似トーンスケール関数を、本発明を用いてLUT値ベースで作成した、明度バランスにおいて全体的な違いを有する同じデジタル画像に対するトーンスケール関数と比較する。jth番目のテストデジタル画像に対する誤差メトリックeを算出するために、2個のトーンスケール関数間の差の平均自乗和平方根値(rms)を計算する。高rms値は2個のトーンスケール関数が非常に異なることを示す。この場合、本発明を用いてテストデジタル画像を処理した可能性は少ない。一方、低rms値は2個のトーンスケール関数が類似することを示す。つまり、2個のトーンスケール関数において不一致があると高rms値になる傾向がある。全てのテストデジタル画像に対してトーンスケール関数の比較を行う。次に、誤差メトリック{e,e,…,e}を分析して、一連のテスト画像の大半部分が低rms値を有するか否かを検出する。問題のシステムが、幾つかのテストデジタル画像については、本発明のトーンスケール関数の算出方法と異なる方法を用いているという可能性がある。したがって、問題のシステムが、幾つかのテストデジタル画像については、本発明を適用しているという可能性がある。
【0135】
また、問題のシステムは、本発明を採用しているものの、上述の分析手順で示される使用をしていない可能性もある。大抵のシステムは、特徴の異なる組合せを採用したりしなかったりすることで多様なモードで使用できる。このために検出方法が複雑になり得る。問題のシステムを実用的または可能な限りできるだけ多くのモードで構成することによって、上記のテストを繰り返すことができる。結果を分析すれば、上述のテスト手順を以て、いずれかの構成の場合に本発明を使用している可能性が高いことを発見できる可能性がある。
【0136】
同様に、問題のシステムは、本発明を採用しているものの、実行にあたって異なる制御パラメータを設定しているかもしれない。したがって、画像結果に影響し得る上述のパラメータ値の異なる組み合わせを用いて上述のテストを繰り返す必要があるかもしれない。尚、このパラメータ値とは、x、x、φHC、φHE、φSC、φSE変数等であるが、これらに限定されない。
【0137】
デジタル画像システムの中には、サービスデジタル画像(処理済みデジタル画像)を受信できず、サービス版の写真プリントを作るだけのシステムもある。このようなシステムが問題となっている場合には、デジタル画像を作ることができる高品質のプリンタスキャナでサービス版の写真プリントを走査することができる。つまり、サービス版の写真プリントからサービスデジタル画像を作ることができる。シーン独立型のトーンスケール関数を展開して、プリントスキャナで走査したデジタル画像を処理し、分析に適した形式にすることが必要かもしれない。これは、グレースケールのテストパッチを含むテストプリントを使って上述の手順で行うことができる。
【0138】
本発明は、デジタル画像のソース(スキャナ、デジタル画像を処理するようにプログラムされたコンピュータ、(熱転写またはインクジェットプリンタ等の)出力装置、等)を含む画像処理システムにおいて実行することが好適である。本発明の方法は、本発明のステップを実行するためのコンピュータコードを保存するコンピュータ可読保存媒体を含むコンピュータプログラムとして販売することができる。
【0139】
コンピュータ可読保存媒体は、例えば、磁気保存媒体(磁気ディスク(例えばフロッピー(登録商標)ディスク等)または磁気テープ、光学保存媒体(光学ディスクまたは光学テープ)、バーコード、固体電子保存装置(ランダムアクセスメモリ(RAM)またはリードオンリーメモリ(ROM))、または、コンピュータプログラムを保存するために使用する、これら以外の任意の物理的な装置または媒体)である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実行するためのシステムの構成部分を示す機能ブロック図である。
【図2】デジタル画像プロセッサの機能ブロック図である。
【図3a】(a)は描画関数の例示的なグラフである。
【図3b】(b)は描画関数の別の例示的なグラフである。
【図4】トーンスケールモジュールの機能ブロック図である。
【図5】トーンスケールモジュールの別の実施形態の機能ブロック図である。
【図6】トーンスケール関数アプリケータの実施形態の機能ブロック図である。
【図7】ハイライトトーンスケールセグメント群とシャドートーンスケールセグメント群とを示すグラフである。
【図8a】(a)は圧縮ハイライト成分関数および対応する勾配関数の例を示すグラフである。
【図8b】(b)は圧縮シャドー成分関数および対応する勾配関数の例を示すグラフである。
【図8c】(c)は圧縮ハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントから作られたトーンスケール関数および、対応する勾配関数の例を示すグラフである。
【図9】作成されたハイライトトーンスケールセグメント群とシャドートーンスケールセグメント群とを示すグラフである。
【図10a】(a)は拡張ハイライト成分関数の作成に関する詳細を示すグラフである。
【図10b】(b)は拡張シャドー成分関数の作成に関する詳細を示すグラフである。
【図10c】(c)は拡張ハイライトおよびシャドートーンスケールセグメントから作られたトーンスケール関数および、対応する勾配関数の例を示すグラフである。
【図11】ハイライトトーンスケールセグメント群およびシャドートーンスケールセグメント群を示すグラフである。
【図12a】(a)は圧縮型および拡張型の双方に対するハイライトトーンスケールセグメントおよびシャドートーンスケールセグメント群を示すグラフである。
【図12b】(b)は圧縮型および拡張型の双方に対するハイライトトーンスケールセグメントおよびシャドートーンスケールセグメント群を示す別のグラフである。
【図13a】(a)はハイライトトーンスケールセグメントおよびシャドートーンスケールセグメントの各々が2個の成分関数を用いて作られた、トーンスケール関数の一例を示すグラフである。
【図13b】(b)は(a)に示すトーンスケール関数の一例および対応する勾配関数を示すグラフである。
【図13c】(c)は(b)に示す対応する勾配関数の詳細を示す図である。
【図14】画像ヒストグラム関数および対応する累積ヒストグラム関数の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
10 画像取込装置、20 デジタル画像プロセッサ、30 画像出力装置、40 一般的な制御コンピュータ、50 モニタ装置、60 入力制御装置、70 コンピュータメモリ装置、101 オリジナルデジタル画像、102 ソースデジタル画像、103 描画デジタル画像、107 キ度オリジナル画像、104 強調デジタル画像、109 色デジタル画像、113 強調キ度デジタル画像、201 分析デジタル画像、203 トーンスケール関数、210 LLC変換モジュール、220 RBG変換モジュール、230 トーンスケール関数生成装置、231 ユーザ入力選択、240 トーンスケール関数アプリケータ、250 分析画像生成装置、310 RLSE変換モジュール、320 シーンバランスモジュール、330 トーンスケールモジュール、340 描画モジュール、401 入力デジタル画像、402 質感デジタル画像、403 基台デジタル画像、407 トーン調整済みデジタル画像、409 出力デジタル画像、410 基台生成モジュール、420 差異モジュール、430 トーンスケール基台アプリケータ、440 付加モジュール、500 参照点、501ハイライトトーンスケールセグメント、502 シャドートーンスケールセグメント。

Claims (5)

  1. ソースデジタル画像に作用して色調特性を改善することができるトーンスケール関数を作る方法であって、
    トーンスケール関数上の参照点に対して規定されたハイライトトーンスケールセグメントおよびシャドートーンスケールセグメントを有し、ソースデジタル画像に作用してその色調特性を改善できるトーンスケール関数を作成することを含み、これは、
    i) 単調に減少する勾配特徴を有する第1の関数を用いて参照点以上の点を含むハイライトトーンスケールセグメントを作り、
    ii) 単調に増加する勾配特徴を有する第2の関数を用いて参照点以下の点を含むシャドートーンスケールセグメントを作る
    ことによって行う、方法。
  2. トーンスケール関数およびソースデジタル画像を用いて強調デジタル画像を作る、請求項1に記載の方法。
  3. ソースデジタル画像から独立したS字形状の描画関数と、強調デジタル画像とを用いて描画デジタル画像を作る、請求項2に記載の方法。
  4. ソースデジタル画像に作用して色調特性を改善することができるトーンスケール関数を作る方法であって、
    a) 複数の画素を含むソースデジタル画像を受信し、
    b) トーンスケール関数上の参照点に対して規定されたハイライトトーンスケールセグメントおよびシャドートーンスケールセグメントを有し、ソースデジタル画像に作用してその色調特性を改善できるトーンスケール関数を作成する
    ことを含み、
    前記トーンスケール関数を作成する処理は、
    i) ソースデジタル画像の画素内の情報に基づいて第1の関数を提供し、単調に減少する勾配特徴を有する斯かる第1の関数を用いて参照点以上の点を含むハイライトトーンスケールセグメントを作り、
    ii) ソースデジタル画像の画素内の情報に基づいて第2の関数を提供し、単調に増加する勾配特徴を有する斯かる第2の関数を用いて参照点以下の点を含むシャドートーンスケールセグメントを作る
    ことを含む、方法。
  5. ソースデジタル画像に作用して色調特性を改善することができるトーンスケール関数を作る方法であって、
    トーンスケール関数上の参照点に対して規定されたハイライトトーンスケールセグメントおよびシャドートーンスケールセグメントを有し、ソースデジタル画像に作用してその色調特性を改善できるトーンスケール関数を作成することを含み、
    i) ハイライトトーンスケールセグメントおよびシャドートーンスケールセグメントは、異なる非線形算術関数によって規定され、
    ii) ハイライトトーンスケールセグメントの形状は、シャドートーンスケールセグメントの形状から独立して制御できる、方法。
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