JP2004029178A - マイクロマシンおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板10上の下部電極12に積層させるように犠牲層21をパターン形成する。下部電極12および犠牲層21を覆う状態で、基板10上に絶縁膜22を成膜し、この絶縁膜22を犠牲層21の下部から上部にわたる帯状にパターニングすることで、ブリッジ形状の構造体14を形成する。次に、Al等からなる金属膜23を成膜し、この表面を窒化処理して窒化膜30で覆う。次いで、窒化膜30で覆われた金属膜23をパターニングすることで、構造体14上に積層される上部電極15を形成する。その後、犠牲層21を除去することで、下部電極12と構造体14との間に空隙部aを形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマシンおよびその製造方法に関し、特には電極表面を光反射面として用いる光学用のマイクロマシンおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上における微細加工技術の進展に伴い、いわゆるマイクロマシン(MEMS:Micro Electro−Mechanical Systems、超小型電気的・機械的複合体)素子(以下、MEMS素子と言う)が注目されている。
【0003】
MEMS素子は、シリコン基板、ガラス基板等の基板上に微細構造体として形成され、機械的駆動力を出力する駆動体と、駆動体の駆動を制御する半導体集積回路等とを、電気的に、更には機械的に結合させた素子である。MEMS素子の基本的な特徴は、機械的構造として構成されている駆動体が素子の一部に組み込まれていることであって、駆動体の駆動出力は、電極間のクーロン引力などを応用して電気的に行われることが一般的である。
【0004】
MEMS素子の一例として、GLV(Grating Light Valve)デバイスで使用されている光変調素子を例に挙げ、その構造を説明する。
【0005】
図2は、光変調素子としてのMEMS素子によって構成されるGLVデバイスの構造を説明する斜視図である。GLVデバイスとは、共通の基板10上に複数個のMEMS素子11を相互に並列で密に配置させたデバイスである。GLVデバイスを構成するMEMS素子11は、基板10上の下部電極12と、上面に光反射面13aを有する静電駆動型ビーム13とを備えた、MOEMS(Micro Optical Electro−Mechanical Systems)と称されているMEMS素子である。
【0006】
図3には、上記MEMS素子11の構成を説明する斜視図を示した。この図に示すように、MEMS素子11は、絶縁性の基板10と、この基板10上に形成された下部電極12と、下部電極12上をブリッジ状に跨ぐ静電駆動型ビーム13とを備えている。静電駆動型ビーム13と下部電極12とは、その間の空隙部aによって電気的に絶縁されている。
【0007】
静電駆動型ビーム13は、下部電極12をブリッジ状に跨いで基板10上に立脚し、電極支持部材として設けられた絶縁性の構造体14と、構造体14上に設けられた上部電極15から構成されている。そして、構造体14は、空隙部aを確保するように、下部電極12に対向して所定間隔だけ離間し、かつ下部電極12に対して相互に平行に上部電極15を支持するために設けられている。また、上部電極15は、その表面が静電駆動型ビーム13の光反射面となり、金属膜、主にアルミニウム(Al)膜で構成されている。
【0008】
このような構成の静電駆動型ビーム13は、リボンと通称されているが、構造体14は、図3に示したような下部電極12に対して平行に延在する梁部の両端を2本の柱部で支持するブリッジ状のものの他、柱部が1本で、梁部の一方の端部のみを支持する片持ち梁式のものもある。
【0009】
このような構成のMEMS素子11では、下部電極12と、この下部電極12に対向する上部電極15との間に微小電圧を印加すると、静電現象によって静電駆動型ビーム13が下部電極12に向かって接近し、また、電圧の印加を停止すると、離間して元の状態に戻る。そして、このような下部電極12に対する静電駆動型ビーム13の接近、離間の動作により、上部電極15相互間の高さを変えて反射する光の強度を変調し、光変調素子として機能する。この場合、静電引力及び静電反発力を利用して駆動する静電駆動型ビーム13の力学的特性は、構造体14を構成する材料(例えばSiN)の物性によってほぼ決定され、上部電極15は反射ミラーとしての役割が主である。
【0010】
次に、このように動作するMEMS素子11の製造工程を、図4の断面図(図3におけるA−A’断面図)を用いて説明する。先ず、図4(a)に示すように、例えばシリコンからなる基板10上に下部電極12をパターン形成する。次いで、下部電極12上に積層させる状態で、後に除去される犠牲層21をパターン形成する。その後、犠牲層21を跨ぐブリッジ形状の構造体14を、基板10上にパターン形成する。
【0011】
次に、図4(b)に示すように、構造体14を覆う状態で金属膜(Al膜)23を形成し、レジストパターン25をマスクに用いて金属膜23をパターンエッチングすることで、構造体14上に積層された上部電極15を形成する。これにより、構造体14と上部電極15とからなる静電駆動型ビーム13を形成する。
【0012】
次に、図4(c)に示すように、上部電極15形成用のレジストパターン(25)を除去する。ここでは最終的に、剥離液を用いたウェット処理を行うことで、上部電極15形成の際のパターンエッチングで生成されるポリマー等の反応副生成物の除去を行う。これにより、上部電極15の表面、すなわち光反射面13aを露出させる。
【0013】
次いで、図4(d)に示すように、犠牲層(21)を、XeF2ガスを用いたドライエッチング法により選択的に除去することにより、構造体14と下部電極12との間に空隙部aを設け、MEMS素子11を完成させる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したようなMEMS素子の製造方法には、次のような課題があった。すなわち、光反射面を有する光学用のMEMS素子には、光反射面を構成する材料としてAl膜等の金属膜が用いられている。しかし、例えば図4(c)を用いて説明したように、この金属膜をパターニングしてなる上部電極15上のレジストパターン(25)を、剥離液を用いたウェット処理によって除去する際、および図4(d)を用いて説明したように犠牲層(21)をドライエッチングによって除去する際には、上部電極15を構成する金属材料(Al)表面の腐食が進行する。
【0015】
通常、金属膜の表面には、酸化アルミニウムのような自然酸化膜が形成され、この自然酸化膜が金属膜の表面の保護膜となる。しかし、上述した剥離液には、上部電極をパターン形成する際のエッチングにて生成される反応副生成物を除去するために、フッ化物を含有する剥離液が用いられており、上記自然酸化膜は、この剥離液や犠牲層除去に用いられるXeF2ガスに対しての耐性がない。したがって、これらの処理の際に、上記金属膜の表面の自然酸化膜が除去され、この除去された部分において上記腐食が進行し、上部電極15の表面に黒点Bが生じるのである。具体的には、上部電極15がAlで構成されている場合、上記処理によって上部電極15の表面に水酸化アルミニウムが生成されてこれが黒点Bとなる。
【0016】
この黒点Bは、上部電極15表面で構成される光反射面13aにおいて、例えば可視光領域での光反射率の波長分散が大きくなるといったような、光反射特性を劣化させる要因となり、MEMS素子の光学的な性能劣化を引き起こす。そして、このようなMEMS素子の劣化は、MEMS素子を用いたGVLのダークレベルを劣化させる要因ともなり、MEMS素子およびこれを用いたGVLの信頼性および歩留まりを悪化させることが判明している。
【0017】
そこで本発明は、光反射面となる電極表面の腐食を抑制し、当該光反射面での光反射効果を維持することが可能な光学用のMEMS素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明のMEMS素子(マイクロマシン)は、基板上にパターン形成された電極の表面を光反射面として用いる光学用のMEMS素子であり、上記電極が金属材料からなり、その表面が窒化膜で覆われていることを特徴としている。
【0019】
また、基板上に形成された下部電極と、この基板の上部に立設された支持部から前記下部電極の上部に空隙部を介して梁部を延設してなる構造体と、当該構造体の上部に設けられた上部電極とを有するMEMS素子でもあり、上部電極が金属材料からなり、その表面が窒化膜で覆われていることを特徴としている。
【0020】
このような構成のMEMS素子では、金属材料からなる電極(あるいは上部電極)の表面を、耐薬品性を有する窒化膜で覆った構成とすることで、電極(あるいは上部電極)の表面、すなわち光反射面が保護される。したがって、光反射面の腐食等の変質が抑えられ、光反射面における光反射特性を維持することができる。
【0021】
また、本発明のMEMS素子の第1の製造方法は、基板上に成膜された金属膜をパターニングすることで、表面を光反射面として用いる電極を形成する工程を備えたマイクロマシンの製造方法であり、金属膜をパターニングする前に、当該金属膜の表面を窒化させる工程を行うことを特徴としている。
【0022】
このような構成の第1の製造方法では、金属膜の表面を窒化させた状態で、当該金属膜のパターニングが行われる。つまり、耐薬品性に優れた窒化膜で表面が保護された状態の金属膜に対して、パターニング処理が行われて電極が形成されるのである。したがって、パターニング処理及びこれに伴う後処理の影響が、光反射面として用いられる電極表面に及ぼされることが防止され、光反射特性の良好な光反射面を備えた電極が得られる。
【0023】
また、本発明の第2の製造方法は、基板上の下部電極に積層させるように犠牲層をパターン形成する工程と、この下部電極および犠牲層を覆う状態で基板上に絶縁膜および金属膜をこの順で成膜すると共に、犠牲層の下部から上部にわたる帯状に絶縁膜をパターニングした構造体を形成し、また金属膜をパターニングすることで構造体上に積層される上部電極を形成する工程と、犠牲層を除去することで、下部電極と構造体との間に空隙部を形成する工程とを行う製造方法でもあり、金属膜を成膜した後で、かつ犠牲層を除去するまでの間に、金属膜または上部電極の表面を窒化させる工程を行うことを特徴としている。
【0024】
このような第2の製造方法では、犠牲層を除去する前に、金属膜またはこれをパターニングしてなる上部電極の表面を窒化させる工程が行われる。つまり、金属膜の表面を窒化させた場合には、金属膜の表面を窒化させた状態で、当該金属膜のパターニングが行われ、またその後の犠牲層の除去が行われることになる。したがって、パターニング処理及びこれに伴う後処理、さらには犠牲層除去の影響が、光反射面として用いられる電極表面に及ぼされることが防止され、光反射特性の良好な光反射面を備えた電極が得られる。一方、上部電極の表面を窒化させた場合には、上部電極の表面を窒化させた状態で犠牲層の除去が行われることになる。したがって、犠牲層除去の影響が、光反射面として用いられる電極表面に及ぼされることが防止され、光反射特性の良好な光反射面を備えた電極が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、従来の技術において図2および図3を用いて説明したと同様に作動する光学用のMEMS素子(MEOMS)の製造方法を、図1の断面工程図に基づいて説明する。尚、従来の技術で説明したと同一の構成要素には同一の符号を付して説明を行うこととする。
【0026】
先ず、図1(a)に示すように、シリコン等からなる基板10上にW(タングステン)膜等の金属膜を成膜し、これをパターニングすることによって下部電極12を形成する。
【0027】
次に、基板10全面にアモルファスシリコン膜またはポリシリコン膜を成膜し、これをパターニングすることによって下部電極12上に犠牲層21を形成する。この犠牲層21は、基板10、下部電極12、さらには以降の工程で形成される構造体および上部電極に対して選択的にエッチング除去可能な材料で構成されることとし、ここでは例えば上述したアモルファスシリコン膜やポリシリコン膜等が用いられる。
【0028】
次いで、犠牲層21および下部電極12を覆う状態で、基板10上の全面に絶縁膜22としてSiN(窒化シリコン)膜を成膜する。そして、この絶縁膜22を犠牲層21の下部から上部にわたる帯状にパターニングし、下部電極12をブリッジ状に跨ぐ状態で基板10上に立脚する複数の構造体14を形成する。これにより、基板10の上部に立設された支持部14aと、この支持部14aから下部電極12に対向して設けられた梁部14bとからなるブリッジ状の構造体14を得る。
【0029】
尚ここでは、構造体14を構成する絶縁膜22は、その強度、弾性定数などの物性値が、構造体14の機械的駆動に対して適切であるとして、SiN膜を選定する。しかし、構造体14としての適切な物性値を有していれば、SiN膜に換えて他の材料からなる絶縁膜を用いても良い。また、構造体14は、図面上の奥行き方向に複数形成されていることとする。
【0030】
以上の後、図1(b)に示すように、構造体14、犠牲層21および下部電極12を覆う状態で、基板10上の全面に金属膜23を成膜する。この金属膜23は、例えばAl膜であることとする。Alは、(1)比較的容易に成膜でできる金属であること、(2)可視光領域での光反射率の波長分散が小さいこと等の理由から、光学部品材料として好ましく用いられている金属である。
【0031】
次に、金属膜23の表面を窒化させ、金属膜23の表面を窒化膜30で覆う。この際、例えば、窒素プラズマを用いた窒化処理を下記条件にて行うこととする。
プロセスガスおよび流量:N2/100[sccm]
sccm:standard cubic centimeter /minutes
処理雰囲気内圧力 :40[Pa]
ソース側印加電力 :13.56[MHz]
基板温度 :300[℃]
基板バイアス :50[W]/800[KHz]
処理時間 :1[min.]
【0032】
以上の窒化処理においては、金属膜23表面に自然酸化膜が形成されていた場合、この自然酸化膜が窒化されて窒化膜30が形成される。例えば、金属膜23がAl膜であり、この表面に自然酸化膜として酸化アルミニウム(Al2O3)が形成されていた場合、この酸化アルミニウムが窒化されてAlNからなる窒化膜30が形成される。
【0033】
その後、図1(c)に示すように、窒化膜30が形成された金属膜23上にレジストパターン25を形成する。次いで、このレジストパターン25をマスクに用いて窒化膜30で覆われた金属膜23をエッチングし、構造体14において下部電極12と対向している梁部14b上のみに金属膜23を残してこれを上部電極15として形成する。金属膜23のエッチングは、ドライエッチング技術もしくはウエットエッチング技術により行う。
【0034】
次に、図1(d)に示すように、上部電極15(窒化膜30上)に残存したレジストパターン(25)、およびこれをマスクに用いたエッチングで生成される反応副生成物(図示省略)を剥離剤にて除去する。この際、剥離液としては、例えばフッ化水素酸、フッ化アンモニウム等を含有する溶液を用いる。尚、レジストパターン(25)の剥離は、プラズマアッシング処理によって行っても良い。この場合には、プラズマアッシング処理の後に、上記エッチングにより生成された反応副生成物を、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム等を含有する溶液にて除去する。
【0035】
以上の後、図1(e)に示すように、アモルファスシリコン膜またはポリシリコン膜からなる犠牲層(21)をXeF2ガスを用いたドライエッチング法により除去する。これにより、構造体14と下部電極12との間に空隙部aを形成し、構造体14と上部電極15とからなる静電駆動型ビーム13を得る。
【0036】
以上により、下部電極12と、基板10の上部に立設された支持部14aから下部電極12の上部に空隙部aを介して梁部14bを延設してなる構造体14と、構造体14の上部に設けられた上部電極15とを有し、上部電極15の表面が窒化膜30で覆われたMEMS素子11’が得られる。このMEMS素子11’は、窒化膜30で覆われた上部電極15の表面が、静電駆動型ビーム13の光反射面3aとなり、図2および図3を用いて説明したと同様に作動する光学用のMEMS素子(MEOMS)となる。
【0037】
以上の製造方法では、図1(c)、図1(e)を用いて説明したように、金属膜23の表面を窒化膜30で覆った状態で、金属膜23のパターニングが行われ、またその後、犠牲層21の除去が行われることになる。したがって、金属膜23のパターニング処理及びこれに伴う後処理、さらには犠牲層21除去の影響が、光反射面13aとして用いられる上部電極15の表面に及ぼされることが防止され、光反射特性の良好な光反射面13aを備えた上部電極15を得ることが可能になる。
【0038】
また、この様にして得られたMEMS素子11’は、金属材料からなる上部電極15の表面を、耐薬品性を有する窒化膜30で覆った構成であるため、上部電極15の表面からなる光反射面13aが窒化膜30によって保護される。したがって、光反射面13aの腐食等の変質が抑えられ、光反射面13aにおける光反射特性を維持することが可能になる。また、このようにして得られたMEMS素子11’を用いて形成されたGVL(Grating Light Valve)素子において、ダークレベルの劣化を防止できる。この結果、MEMS素子およびこれを用いたGVL素子の信頼性および歩留まりの向上を図ることが可能になる。
【0039】
尚、上述の実施形態においては、図1(b)を用いて説明したように、金属膜23の表面を窒化させる構成とした。しかし、本発明の製造方法は、ここで窒化処理を行わずに、図1(d)を用いて説明したようにして上部電極15上のレジストパターン25を除去した後、上部電極15の表面を窒化させる構成としても良い。尚、窒化処理は、図1(b)を用いて説明したと同様に行われる。このようにした場合、上部電極15の側壁も窒化処理され、この側壁にも窒化膜が形成される。このため、上部電極15の側壁においても、良好な光反射特性を確保することができる。
【0040】
また、製造工程中における上部電極15表面の腐食のみを防止すれば良い場合には、図1(e)を用いて説明した工程の後に、窒化膜30を除去する工程を行っても良い。ただし、窒化膜30を除去する場合には、上部電極15の表面を腐食させることのない条件で行うことが必須である。
【0041】
また、上述した実施形態においては、ブリッジ形状の構造体14上に上部電極15を設けた構成のMEMS素子に本発明を適用した場合を説明した。しかし、本発明は、金属材料からなる電極の表面を光反射面として用いたMEMS素子およびその製造方法に広く適用可能であり、同様の効果を得ることができる。例えば、上記実施形態で説明した構造体14に換えて、梁部の一方の端部のみを支持する片持ち梁式の構成の構造体を有するMEMS素子にも同様に適用可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のMEMS素子およびその製造方法によれば、金属材料からなる電極の表面(光反射面)に窒化膜を形成することで、光反射面の腐食を防止し、当該光反射面での光反射効果の維持、向上を図ることが可能になる。この結果、光学用のMEMS素子およびこれを用いた光学素子における光学特性の向上を図ると共に、信頼性、および歩留まりの向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明するための断面工程図である。
【図2】MEMS素子を用いて構成されたGLVデバイスの斜視図である。
【図3】MEMS素子の斜視図である。
【図4】従来のMEMS素子の製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
1…基板、11’…MEMS素子(マイクロマシン)、12…下部電極、14…構造体、14a…支持部、14b…梁部、15…上部電極(電極)、13a…光反射面、21…犠牲層、23…金属膜、30…窒化膜、a…空隙部
Claims (4)
- 基板上にパターン形成された電極の表面を光反射面として用いる光学用のマイクロマシンにおいて、
前記電極は、金属材料からなり、その表面が窒化膜で覆われている
ことを特徴とするマイクロマシン。 - 基板上に形成された下部電極と、前記基板の上部に立設された支持部から前記下部電極の上部に空隙部を介して梁部を延設してなる構造体と、当該構造体の上部に設けられた上部電極とを有し、当該上部電極の表面を光反射面として用いるマイクロマシンにおいて、
前記上部電極は、金属材料からなり、その表面が窒化膜で覆われている
ことを特徴とするマイクロマシン。 - 基板の上部に成膜した金属膜をパターニングすることで、表面を光反射面として用いる電極を前記基板上に形成する工程を備えたマイクロマシンの製造方法において、
前記金属膜をパターニングする前に、当該金属膜の表面を窒化させる工程を行う
ことを特徴とするマイクロマシンの製造方法。 - 基板上の下部電極に積層させるように犠牲層をパターン形成する工程と、
前記下部電極および犠牲層を覆う状態で前記基板上に絶縁膜および金属膜をこの順で成膜すると共に、前記絶縁膜を前記犠牲層の下部から上部にわたる帯状にパターニングした構造体を形成し、前記金属膜をパターニングすることで前記構造体上に積層される上部電極を形成する工程と、
前記犠牲層を除去することで、前記下部電極と前記構造体との間に空隙部を形成する工程とを行うマイクロマシンの製造方法において、
前記金属膜を成膜した後で、かつ前記犠牲層を除去するまでの間に、前記金属膜の表面または前記上部電極の表面を窒化させる工程を行う
ことを特徴とするマイクロマシンの製造方法。
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