JP2004028957A - 容器蓋の橋絡部の強度を測定するための装置 - Google Patents

容器蓋の橋絡部の強度を測定するための装置 Download PDF

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Abstract

【課題】容器蓋(94)の周方向破断ライン(104)における橋絡部(108)の各々の強度を充分容易に且つ充分精密に測定することができる装置を提供する。
【解決手段】容器蓋をスカート壁(100)の自由端を外方に向けた状態で保持するための保持手段(20)と、容器蓋のスカート壁における周方向破断ラインよりも自由端側の部分を把持するための把持手段(62)と、把持手段を容器蓋の軸線方向に保持手段に対して相対的に離隔せしめるための移動手段(8、10)と、把持手段又は保持手段に加えられる力を測定するための測定手段とを具備する。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有し、スカート壁には周方向に延在する周方向破断ラインが形成されており、周方向破断ラインは周方向に間隔をおいて周方向に延びるスリットとかかるスリット間に残留せしめられている複数個の橋絡部とから構成されている容器蓋における、橋絡部の各々の強度を測定するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、飲料用容器のための容器蓋として、タンパーエビデント特性(悪戯明示特性)有する容器蓋が広く実用に供されている。かような容器蓋は、アルミニウム薄板、クロム酸処理薄板及びブリキ薄板の如き適宜の金属薄板或いはポリエチレン及びポリプロピレンの如く適宜の合成樹脂から形成され、円形天面壁、この天面壁の周囲から垂下する円筒形スカート壁を有する。スカート壁には周方向に延びる周方向破断ラインが形成されており、スカート壁は周方向破断ラインよりも上方の主部と周方向破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されている。周方向破断ラインは、周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリットとかかるスリット間に残留せしめられている複数個の橋絡部とから構成されている。容器蓋が合成樹脂から形成されている場合には、スカート壁の主部の内周面には雌螺条が形成され、タンパーエビデント裾部の内周面には適宜の形態の係止手段が形成されている。
【0003】
上述した形態の容器蓋が適用される容器は、上端が開口された円筒形口頸部を有し、かかる口頸部の外周面には雄螺条とこの雄螺条の下方に位置する係止あご部が形成されている。容器蓋が金属薄板から形成されている場合、容器の口頸部に容器蓋を装着して口頸部を密封する際には、口頸部に容器蓋を被嵌し、次いで口頸部の雄螺条に対応せしめてスカート壁の主部に雌螺条を形成し、そしてまたタンパーエビデント裾部の自由端部を半径方向内側に変形せしめて口頸部の係止あご部に係止せしめる。容器蓋が合成樹脂から形成されている場合には、容器の口頸部に容器蓋を被嵌し、容器蓋を閉方向に回転せしめて口頸部の雄螺条に容器蓋のスカート壁に形成されている雌螺条を螺合せしめる。かくすると、容器蓋は回転と共に下降せしめられ、タンパーエビデント裾部に形成されている係止手段は口頸部の係止あご部を弾性的に乗り越えてこれに係合せしめられる。容器の口頸部を開封する際には、容器蓋を開方向に回転せしめる。かくすると、雄螺条と雌螺条との協働によって容器蓋は回転と共に上昇せんとする。しかしながら、タンパーエビデント裾部は口頸部の係止あご部に係止せしめられている故に上昇が阻止される。従って、スカート壁に形成されている周方向破断ラインに、更に詳しくはその橋絡部に相当な応力が生成され、周方向の破断ラインにおける橋絡部が破断され、タンパーエビデント裾部がスカート壁の主部から分離される。或いは、橋絡部の少なくとも1個は破断されることなく維持され、タンパーエビデント裾部に形成されている軸線方向破断ラインが破断されてタンパーエビデント裾部が無端環状から有端帯状に開かれる。しかる後においては、容器蓋は分離されたタンパーエビデント裾部を口頸部に残留せしめて、或いは少なくとも1個の橋絡部によってスカート壁の主部に接続され続けているタンパーエビデント裾部も含めて、回転と共に上昇されて口頸部から離脱せしめられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
而して、上述した形態の容器蓋においては、周方向破断ラインにおける橋絡部の各々が所要範囲内の強度を有することが重要である。橋絡部の強度が過剰に小さいと、容器蓋を容器の口頸部に装着する際に橋絡部が破断されてしまう虞がある。逆に、橋絡部の強度が過剰に大きいと、容器の口頸部を開封する際に、橋絡部を所要とおりに破断するのが困難になる。それ故に、試作した容器蓋について或いは実際に製造し販売する容器蓋中の選定したサンプル容器蓋について、周方向破断ラインにおける橋絡部の各々の強度が所要範囲内にあるか否かを測定することが望まれることが少なくない。然るに、周方向破断ラインにおける橋絡部の強度を測定するための充分に満足し得る装置は未だ開発されておらず、従来は、橋絡部の各々によって接続された2個の部片(即ちスカート壁の主部の一部片とこれに1個の橋絡部を介して接続されたタンパーエビデント裾部の一部片)を含む部分を測定片として容器蓋から切り出し、切り出した測定片の各々について通常の引張試験機によって上記測定片における橋絡部を引っ張って橋絡部の強度を測定していた。かかる測定様式は著しく煩雑である。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、容器蓋から上述した測定片を切り出す必要がなく、単に橋絡部間の各々においてスカート壁の自由端から周方向破断ラインを越える部位まで軸線方向に切断しておけば、周方向破断ラインにおける橋絡部の各々の強度を充分容易に且つ充分精密に測定することができる、新規且つ優れた装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する装置として、天面壁及び該天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有し、スカート壁には周方向に延在する周方向破断ラインが形成されており、該周方向破断ラインは周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリットと該スリット間に残留せしめられている複数個の橋絡部とから構成され、該橋絡部の強度を測定するために隣接する橋絡部間の各々において該スカート壁の自由端から該周方向破断ラインを越える部位まで軸線方向に切断されている容器蓋における、該橋絡部の各々の強度を測定するための装置にして、
該容器蓋を該スカート壁の自由端を外方に向けた状態で保持するための保持手段と、
該保持手段に保持された該容器蓋の該スカート壁における該周方向破断ラインよりも自由端側の部分を把持するための把持手段と、
該把持手段を該容器蓋の軸線方向に該保持手段に対して相対的に離隔せしめるための移動手段と、
該移動手段によって該把持手段を該保持手段から相対的に離隔せしめる際に、該把持手段又は該保持手段に加えられる力を測定するための測定手段と、
を具備することを特徴とする装置が提供される。。
【0007】
該保持手段は、中心軸線を中心として回転自在に装着された受け台と、該受け台を複数個の回転角度位置に選択的に位置せしめるためのインデックス手段とを含み、該受け台上に該容器蓋が該スカート壁の自由端を外方に向けた状態で載置され、該受け台を複数個の該回転角度位置に順次に位置付けることによって複数個の該橋絡部の各々が順次に該把持手段に対向して位置せしめられるのが好ましい。好適には、該受け台の外周面には周方向に間隔をおいて複数個の半球状没入部が形成されており、該インデックス手段は該没入部に弾性的に係合せしめられ、該受け台の回転を解除自在に拘束する拘束部材を有する。該保持手段の該受け台には該容器蓋を該スカート壁の自由端を外方に向けた状態で収容するための収容凹部が形成されており、該保持手段は該受け台の該収容凹部に収容された該容器蓋の該天面壁の内面を解除自在に押圧する押圧手段を含んでいるのが好ましい。該押圧手段は回転自在な押圧部材を含んでいるのが好適である。好ましくは、該把持手段は、相互に旋回自在に連結された一対の把持部材と、該一対の把持部材の各々の把持先端部が相互に接近する方向に弾性的に偏倚する偏倚手段とを含んでいる。該移動手段は該把持手段を移動せしめて該保持手段から離隔せしめ、該把持手段の該一対の把持部材は該一対の把持部材に対して移動自在に連結された接続部材を介して該移動手段に接続されており、該一対の把持部材と該接続部材とには協働する傾斜面が形成されており、該傾斜面は、該接続部材が該一対の把持部材に対して該保持手段から離隔する方向に移動せしめられると、協働して該一対の把持部材の各々の該把持先端部が相互に接近する方向に強制せしめるのが好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成された装置の好適実施形態について、更に詳細に説明する。
【0009】
図1及び図2は本発明に従って構成された装置の好適実施形態を図示している。図示の装置は全体を番号2で示す支持スタンドを含んでおり、このスタンド2は略直方体形状のハウジング4とこのハウジング4から上方に延びる直立支柱6とを有する。直立支柱6の前面には可動部材8が昇降自在に装着されている。この可動部材8は適宜の伝動手段(図示していない)を介してハウジング4内に配設されている駆動源10に駆動連結されている。電動モータでよい駆動源10が正転せしめられると可動部材8が上昇せしめられ、駆動源10が逆転せしめられると可動部材8が下降せしめられる。駆動源10及び可動部材8は後述する保持手段に対して同様に後述する把持手段を相対的に移動せしめる移動手段を構成する。可動部材8の前面には測定手段12が固定されている。測定手段12はその下端に配設された牽引ロッド14と共にその前面に配設された表示器16を有し、牽引ロッド14に作用する荷重を電気的に測定して表示器16に表示する形態であるのが好都合である。支持スタンド2自体は公知の形態でよく、例えば株式会社イマダから「MVシリーズ」として販売されている電動計測スタンドから好都合に構成することができる。また、測定手段12も公知の形態でよく、例えば株式会社イマダから「DPXシリーズ」として販売されているデジタルフォースゲージから好都合に構成することができる。
【0010】
支持スタンド2のハウジング4の前部上面上には支持台18が固定されている。図1及び図2と共に図3及び図4を参照して説明を続けると、支持台18には保持手段20が配設されている。この保持手段20は受け台22、インデックス手段24及び押圧手段26から構成されている。
【0011】
保持手段20における受け台22は円板形状の主部28を有し、かかる主部28の上面中央部には平面形状が円形である収容凹部30が形成されている(収容凹部30の内径は橋絡部の強度を測定すべき容器蓋の外径に対応せしめられている)。受け台22は主部28の下面中央部から垂下する軸部32も有し、かかる軸部32が軸受34を介して支持台18に回転自在に装着されており、かくして受け台22は実質上鉛直に延びる中心軸線を中心として回転自在に支持台18に装着されている。支持台18には軸部32を受け入れるための鉛直方向に延びる貫通孔36と共にその下面には凹部38が形成されており、受け台22の軸部32は貫通孔36を貫通して凹部38内まで延在せしめられており、軸部32の下端部には係止リング40が固定されており、この係止リング40が凹部38の底面に当接して受け台22の上昇を阻止する。受け台22の主部28の外周面には周方向に等角度間隔をおいて複数個の半球状没入部42が形成されている(かかる没入部42の角度間隔は容器蓋における橋絡部の角度間隔に対応せしめられている)。
【0012】
インデックス手段24は受け台22に隣接せしめて支持台18上に配設されている。このインデックス手段24は支持台18上に固定された板状基台44を含んでいる。この基台44の片面側、即ち受け台22に面する側には、断面形状が円形である盲穴46が形成されている。受け台22の半径の延長線上を延びる盲穴46内には拘束部材48と圧縮コイルばね50が収容されている。拘束部材48は略半球状の先端部を有し、圧縮コイルばね50は拘束部材48を受け台22に向けて弾性的に偏倚し、拘束部材48の先端部を受け台22の外周面に形成されている複数個の没入部42の1個に係合せしめる。従って、拘束部材48はその先端部が没入部42に弾性的に係合せしめられ、これによって受け台22を特定角度位置に解除自在に拘束する。受け台22を把持して回転せしめると、拘束部材48は圧縮コイルばね50の弾性偏倚作用に抗して後退せしめられ、受け台22の拘束が解除される。受け台22の回転によって次の没入部42が拘束部材48に対向して位置せしめられると、圧縮コイルばね50の弾性偏倚作用によってかかる没入部42に拘束部材48の先端部が弾性的に係合し、受け台22が再び解除自在に拘束される。
【0013】
保持手段20における押圧手段26は上記基台44上に配設されており、操作ハンドル52、押圧部材54、及び操作ハンドル52と押圧部材54とを接続しているそれ自体は周知の形態でよいトグルレバー機構56から構成されている。操作ハンドル52が図3に二点鎖線で示す非作用位置に位置せしめられている時には、押圧部材54は受け台22から離隔せしめられているが、操作ハンドル52が図3に実線で示す作用位置に旋回せしめられると、押圧部材54は受け台22に向けて強制される(かくすると後に更に言及する如く受け台22上に収容されている容器蓋の天面壁を押圧する)。押圧部材54は軸支部材55を介してトルグレバー機構56に接続されており、中心軸線を中心として回転自在である。更に詳述すると、軸支部材55は下方に延出する支持軸57を有し、かかる支持軸57に軸受58が被嵌され、そして更に押圧部材54が回転自在に装着されている。支持軸57の下端部には、押圧部材54が下方に移動するのを阻止する係止リング59が固定されている。
【0014】
図3を参照して説明を続けると、上記可動部材8に固定されている上記測定手段12には全体を番号60で示す連結手段を介して把持手段62が連結されている。図示の把持手段62は、図3において紙面に垂直に延びる連結ピン67を介して相互に旋回自在に連結された一対の把持部材64及び66を含んでいる。把持部材64及び66の各々の下端には把持突起68及び70が形成されている。把持部材64には把持突起68の上方を把持突起68の内側端を越えて内側に延出する規制ピン69が固定されている。一方、把持部材64及び66の各々の上端部には、図3において紙面に垂直な方向に間隔をおいて内側面から外側に(即ち図3において右方及び左方に)向かって延びる一対の盲穴72及び74が形成されており、相互に対向する盲穴72及び74間には圧縮コイルばねから構成された偏倚手段76が配設されている。かかる偏倚手段76は把持部材64及び66を夫々の把持突起68及び70が接近する方向に弾性的に偏する。従って、把持突起68及び70間に被把持物(即ち容器蓋のスカート壁の下端部)が存在しない時には、把持突起68及び70は相互に弾性的に当接せしめられている。
【0015】
測定手段12と把持手段62との間に介在せしめられている上記連結手段60について説明すると、図示の連結手段60は接続部材78と共に接続リンク80及び82を含んでいる。接続部材78は四角錐台形状であり、その中心部には上下方向に帯びる貫通穴83が形成されている。上記把持部材64及び66の上部内側面には、図3において上下方向に延びる四角錐台形状の空洞を協働して規定する凹部が形成されており、把持部材64には上方に向かって内側(図3において左側)に傾斜して延びる傾斜面84が存在し、把持部材66には上方に向かって内側(図3において右側)に傾斜して延びる傾斜面86が存在する。接続部材78の四角錐台形状と上記空洞の四角錐台形状とは対応せしめられており、四角錐台形状の接続部材78は四角錐台形状の上記空洞内に収容され、接続部材78の上方に向かって内側に傾斜して延びる片側面(図3において右側面)が把持部材64の傾斜面84に沿って延び、接続部材78の上方に向かって内側に傾斜して延びる他側面(図3において左側面)が把持部材66の傾斜面86に沿って延びる。従って、接続部材78が把持部材64及び66に対して図3において上方に移動せしめられると、把持部材64及び66は把持突起68及び70が相互に接近する方向に強制せしめられる。接続リンク80の下端部には上方に延びる盲ねじ孔87が形成されており、接続部材78の貫通穴83を通して接続リンク80の盲ねじ孔87に連結ボルト88を螺合せしめることによって接続部材78が接続リンク80に連結されている。図3と共に図1及び図2を参照することによって理解される如く、接続リンク80の上端部は図3において紙面に垂直な方向に延びる連結ピン90を介して接続リンク82の下端部に旋回自在に連結されており、接続リンク82の上端部は図3において左右方向に延びる連結ピン92を介して測定手段12の牽引ロッド14の下端部に旋回自在に連結されている。
【0016】
図5は、上述した装置によって周方向破断ラインにおける複数個の橋絡部の各々の強度が測定される容器蓋の典型例を図示している。全体を番号94で示す容器蓋はアルミニウム薄板でよい金属薄板から形成されたシェル96を具備している。このシェル96は円形天面壁98とこの天面壁98の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁100とを有する。スカート壁100の下部には環状膨出部102が形成され、かかる環状膨出部102の中心軸線方向中間部領域に周方向破断ライン104が形成されている。周方向破断ライン104は周方向に間隔をおいて周方向に延びるスリット(切り溝)106とかかるスリット106間に残留せしめられている橋絡部108とから構成されている。スカート壁100の上部には環状凹部110が形成され、かかる環状凹部110の上方には環状ナール(凹凸)部112が形成されている。天面壁98の内面には、軟質ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から形成することができるライナー114が配設されている。ライナー114の周縁部には環状シール部116が形成されている。
【0017】
容器蓋94の周方向破断ライン104における複数個の橋絡部108の各々の強度を測定する際には、図5に示す如く、隣接する橋絡部108間の各々において、スカート壁100の自由端から周方向破断ライン104を越える部位まで軸線方向に、金属薄板切断用鋏の如き適宜の手段によって切断され、切断ライン118が生成される。かくすると、周方向破断ライン104よりも自由端側の部分は、夫々単一の橋絡部108のみを介してスカート壁100の主部、即ち周方向破断ライン104よりも天面壁98側の部分に接続されている状態になる。主として図3を参照して説明を続けると、上記切断線118が加えられた容器蓋94は、保持手段20における受け台22の主部28に形成されている収容凹部30内に、倒立状態即ちスカート壁100の自由端を上方に向けた状態で収容される。容器蓋94を収容凹部30内に収容する際には、押圧手段26は図3に二点鎖線で示す非作用状態にせしめられており、押圧部材26は受け台22から離隔せしめられている。そして、容器蓋94は隣接する橋絡部108間の部分が把持手段62における一対の把持部材64及び66の把持突起68及び70に対応して位置する角度位置で収容凹部30内に収容される。次いで、図示の実施形態においては、容器蓋94内に補助部材120が載置される。適宜の金属から形成することができる補助部材120は略円板形状であり、その外径は容器蓋94のスカート壁100の内径に対応せしめられている。補助部材120の下面周縁部には環状凹部122が形成されており、かかる環状凹部122よりも外側の周縁領域下面は中央部に対して幾分上方に変位せしめられている。容器蓋94内に補助部材120を載置せしめると、天面壁98の内面に形成されているライナー114の環状シール部116が上記環状凹部122及びこれより外側の領域に位置せしめられる。しかる後に、押圧手段26の操作ハンドル52を操作して図3に実線で示す作用位置に移動せしめる。かくすると、押圧部材54が補助部材120を介して容器蓋94の天面壁98の内面に押圧せしめられ、容器蓋94は受け台22の主部28に形成されている収容凹部30内に充分確実に保持される。一方、受け台22及び押圧部材54は夫々軸受34及び58を介して回転自在に装着されている故に、収容凹部30に収容されている容器蓋94は受け台22及び押圧部材54と共に回転自在である。
【0018】
次いで、図3に図示する如く、把持手段62を構成する一対の把持部材64及び66の把持突起68及び70間に、スカート壁100に自由端部、即ち周方向破断ライン104よりも自由端側の部分を把持する。この際には、一対の把持部材64及び66の上端部を指で把持して偏倚手段76の偏倚作用に抗して相互に接近せしめ、かくして一対に把持部材64及び66の把持突起68及び70を幾分離隔せしめ、把持突起68及び70間にスカート壁100の自由端部を収容する。把持突起68及び70間に対するスカート壁100の自由端部の位置付けは、スカート壁100の自由端を把持突起68の上方に配設されている規制ピン69に当接することによって規制することができる。一対の把持部材64及び66の把持突起68及び70間にスカート壁100の自由端部を把持する把持操作の際には、一対の把持部材64及び66を接続部材78に対して幾分上方に移動せしめることができ、そしてまた接続リンク82に対して接続リンク80を図3において紙面に垂直に延びる連結ピン90を中心として旋回せしめることができ、測定手段12の牽引ロッド14に対して接続リンク82を図3において左右方向に延びる連結ピン92を中心として旋回せしめることができ、それ故に充分容易に一対の把持部材64及び66の把持突起68及び70間にスカート壁100の自由端部を把持することができる。
【0019】
上述したとおりにして測定準備が完了すると、駆動源10(図1及び図2)を付勢して可動部材8を、従ってこれに固定されている測定手段12を漸次上昇せしめる。かくすると、測定手段12及び連結手段60を介して把持手段62も上昇せしめられ、従ってスカート壁100の自由端部が上方に引っ張られて1個の橋絡部108に集中応力が加えられる。この際には、接続部材78が一対の把持部材64及び66に対して幾分上昇せしめられ、これによって一対の把持部材64及び66はそれらの把持突起68及び70が相互に接近する方向に強制される。従って、一対の把持部材64及び66間に介在せしめられている偏倚手段76の偏倚力が小さくても、スカート壁100の自由端部を上方に引っ張る際には把持突起68及び70間に充分強固にスカート壁100の自由端部が把持される。スカート壁100の自由端部に加えられる引張力、従って1個の橋絡部108に生成される応力が増大せしめられてある値を越えると橋絡部108が破断され、それまで漸次増大せしめられていた、測定手段12の牽引ロッド14に作用する力が急激に低減せしめられる。従って、測定手段12の牽引ロッド14に作用する最大力(かかる最大力は測定手段12の表示器16に表示される)を計測することによって、1個の橋絡部108の破断強度を測定することができる。
【0020】
1個の橋絡部108の破断強度の測定が終了すると、受け台22を把持して所定方向に回転せしめ、受け台22の外周面に形成されている没入部42の1個をインデックス手段24の拘束部材48から離脱せしめ、次の没入部42を拘束部材48に対向して位置せしめ、拘束部材48を次の没入部48に係合せしめる。そして、上述した様式と同様にして次の橋絡部108の破断強度を測定する。そして、かような操作を繰り返し遂行し、複数個の橋絡部108の各々の破断強度を順次に測定することができる。
【0021】
図示の実施形態においては、橋絡部108の強度を測定する際に、把持手段62を上方に、即ち容器蓋94の中心軸線方向に保持手段20から離隔する方向に移動せしめているが、所望ならば、保持手段20を下方に、即ち容器蓋94の中心軸線方向に把持手段62から離隔する方向に移動せしめるように構成することもできる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の装置によれば、容器蓋から測定片を切り出す必要がなく、単に橋絡部間の各々においてスカート壁の自由端から周方向破断ラインを越える部位まで軸線方向に切断しておけば、周方向破断ラインにおける橋絡部の各々の強度を充分容易に且つ充分精密に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された装置の好適実施形態の正面図。
【図2】図1に示す装置の側面図。
【図3】図1に示す装置の一部を拡大して示す部分正面図。
【図4】図1に示す装置の一部を拡大して示す部分平面図。
【図5】周方向破断ラインにおける橋絡部の各々の強度を測定すべき容器蓋の典型例を、一部を断面図で示す正面図。
【符号の説明】
2:支持スタンド
8:可動部材(移動手段)
10:駆動源(移動手段)
12:測定手段
14:牽引ロッド
20:保持手段
22:受け台
24:インデックス手段
26:押圧手段
30:収容凹部
42:没入部
48:拘束部材
54:押圧部材
60:連結手段
62:把持手段
64:把持部材
66:把持部材
76:偏倚手段
78:接続部材
84:傾斜面
86:傾斜面
94:容器蓋
98:天面壁
100:スカート壁
104:周方向破断ライン
108:橋絡部
118:切断線

Claims (7)

  1. 天面壁及び該天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有し、スカート壁には周方向に延在する周方向破断ラインが形成されており、該周方向破断ラインは周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリットと該スリット間に残留せしめられている複数個の橋絡部とから構成され、該橋絡部の強度を測定するために隣接する橋絡部間の各々において該スカート壁の自由端から該周方向破断ラインを越える部位まで軸線方向に切断されている容器蓋における、該橋絡部の各々の強度を測定するための装置にして、
    該容器蓋を該スカート壁の自由端を外方に向けた状態で保持するための保持手段と、
    該保持手段に保持された該容器蓋の該スカート壁における該周方向破断ラインよりも自由端側の部分を把持するための把持手段と、
    該把持手段を該容器蓋の軸線方向に該保持手段に対して相対的に離隔せしめるための移動手段と、
    該移動手段によって該把持手段を該保持手段から相対的に離隔せしめる際に、該把持手段又は該保持手段に加えられる力を測定するための測定手段と、
    を具備することを特徴とする装置。
  2. 該保持手段は、中心軸線を中心として回転自在に装着された受け台と、該受け台を複数個の回転角度位置に選択的に位置せしめるためのインデックス手段とを含み、該受け台上に該容器蓋が該スカート壁の自由端を外方に向けた状態で載置され、該受け台を複数個の該回転角度位置に順次に位置付けることによって複数個の該橋絡部の各々が順次に該把持手段に対向して位置せしめられる、請求項1記載の装置。
  3. 該受け台の外周面には周方向に間隔をおいて複数個の半球状没入部が形成されており、該インデックス手段は該没入部に弾性的に係合せしめられ、該受け台の回転を解除自在に拘束する拘束部材を有する、請求項2記載の装置。
  4. 該保持手段の該受け台には該容器蓋を該スカート壁の自由端を外方に向けた状態で収容するための収容凹部が形成されており、該保持手段は該受け台の該収容凹部に収容された該容器蓋の該天面壁の内面を解除自在に押圧する押圧手段を含んでいる、請求項2又は3記載の装置。
  5. 該押圧手段は回転自在な押圧部材を含んでいる、請求項4記載の装置。
  6. 該把持手段は、相互に旋回自在に連結された一対の把持部材と、該一対の把持部材の各々の把持先端部が相互に接近する方向に弾性的に偏倚する偏倚手段とを含んでいる、請求項1から5までのいずれかに記載の装置。
  7. 該移動手段は該把持手段を移動せしめて該保持手段から離隔せしめ、該把持手段の該一対の把持部材は該一対の把持部材に対して移動自在に連結された接続部材を介して該移動手段に接続されており、該一対の把持部材と該接続部材とには協働する傾斜面が形成されており、該傾斜面は、該接続部材が該一対の把持部材に対して該保持手段から離隔する方向に移動せしめられると、協働して該一対の把持部材の各々の該把持先端部が相互に接近する方向に強制せしめる、請求項6記載の装置。
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