JP2004028879A - 燃料集合体および炉心 - Google Patents
燃料集合体および炉心 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004028879A JP2004028879A JP2002187855A JP2002187855A JP2004028879A JP 2004028879 A JP2004028879 A JP 2004028879A JP 2002187855 A JP2002187855 A JP 2002187855A JP 2002187855 A JP2002187855 A JP 2002187855A JP 2004028879 A JP2004028879 A JP 2004028879A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- rods
- fuel rods
- sub
- fuel assembly
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【課題】沸騰水型原子炉で、最小限界出力比および炉停止余裕を改善し、炉停止余裕を悪化させることなく制御棒を小型化する。
【解決手段】正方格子状に束ねた複数の燃料棒2を有する燃料集合体1において、燃料棒は、第1の外径を有する複数の第1の燃料棒10と、第1の外径よりも小さい第2の外径を有する複数の第2の燃料棒11とを含み、第1の燃料棒が燃料集合体の内部領域に配置され、第2の燃料棒が燃料集合体の周辺部に配置されている。複数の燃料棒は、正方格子状に配置された複数の燃料棒を有する複数のサブバンドルを構成し、複数のサブバンドルの側部全体を覆うほぼ正方形の断面形状を有するチャンネルボックス4と、チャンネルボックスの内部をサブバンドルごとに仕切る仕切り板8と、を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】正方格子状に束ねた複数の燃料棒2を有する燃料集合体1において、燃料棒は、第1の外径を有する複数の第1の燃料棒10と、第1の外径よりも小さい第2の外径を有する複数の第2の燃料棒11とを含み、第1の燃料棒が燃料集合体の内部領域に配置され、第2の燃料棒が燃料集合体の周辺部に配置されている。複数の燃料棒は、正方格子状に配置された複数の燃料棒を有する複数のサブバンドルを構成し、複数のサブバンドルの側部全体を覆うほぼ正方形の断面形状を有するチャンネルボックス4と、チャンネルボックスの内部をサブバンドルごとに仕切る仕切り板8と、を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉に装荷する燃料集合体および炉心に係り、特に最小限界出力比および炉停止余裕を改善した燃料集合体、および、炉停止余裕を悪化させることなく制御棒を小型化した炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】
沸騰水型原子炉の炉心は、水平方向に正方格子状に配列された多数の燃料集合体と、その間に挿入・引き抜き自在に設けられた制御棒とにより形成されている。また、一般に沸騰水型原子炉に用いられる燃料集合体は、燃料被覆管内に酸化ウランなどの燃料ペレットを多数充填した複数の燃料棒を、正方格子状に配列して構成されている。
【0003】
この燃料集合体および制御棒の例を図12および図13に示す。
図12は、燃料集合体1および十字形制御棒5の横断面図である。燃料集合体1は、多数本の燃料棒2および2本の太径ウォータロッド3を軸方向に平行に配置して、正方格子状に配列し、軸方向に間隔をおいて配置した複数のスペーサ(図示せず)で束ねている。なお、図12の例では、9行9列の配列になっている。また、この燃料棒2とウォータロッド3の束の周囲を断面がほぼ正方形の筒状のチャンネルボックス4で包囲した構成としている。
【0004】
さらに、燃料集合体1の4体に1本の割合で十字形制御棒5が、4個のチャンネルボックス4にはさまれた空間に配置されている。十字形制御棒5は、互いにほぼ直角方向に放射状に延びる4枚の翼部を有する。ただし、図12では燃料集合体1に隣接する二つの翼部のみが示されている。図12の例では、燃料集合体1の四つのコーナのうち一つのコーナ部を中心として十字形制御棒5が配置される構成となっている。
【0005】
図13は燃料集合体および十字形制御棒の別の例を示したものである。ここでは、8行8列の燃料棒配列を一つのサブバンドルとして、四つのサブバンドルを一つの燃料集合体として構成し、全体として16行16列の燃料配列とした大型燃料集合体6が示されている。また、チャンネルボックス4の外側には大型制御棒7が配置されている。
【0006】
大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、内部を仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されている。サブバンドル9は多数本の燃料棒2および2本の太径ウォータロッド3を軸方向に配置した複数のスペーサ(図示せず)で格子状に束ねている。また、燃料集合体形状が大型となっていることから制御棒も大型にし、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として大型制御棒7が配置されている。
【0007】
図13に示した燃料集合体6および大型制御棒7は、図12に示した燃料集合体1および十字形制御棒5を大型化することにより、炉心を構成する燃料集合体の数および制御棒の数を削減してプラント建設コストを削減することを図ったものである。図12の燃料集合体1の1辺の長さが約14cm、十字形制御棒5の中心から翼端までの長さが約12cmであるのに対し、図13の大型燃料集合体6の1辺の長さは約21cm、大型制御棒7の中心から翼端までの長さは約18cmとした例であって、いずれの場合も、大型制御棒の中心から翼端までの翼幅は燃料集合体の1辺の長さの0.86倍程度となっている。
【0008】
ところで、原子炉の運転における運転制限値の指標の一つに、最小限界出力比がある。この最小限界出力比は、炉心の熱的余裕を示す指標であり、炉心の運転状態において燃料が沸騰遷移を起こさないように、最小限界出力比の運転制限値が定められている。運転制限値は原子炉によって異なるが、1.2〜1.3程度である。
【0009】
また、原子炉燃料の設計における設計条件の一つに、運転サイクルを通じて炉停止余裕を1.0%Δk以上確保するという条件がある。この炉停止余裕とは、冷温停止時に最も反応度制御効果の大きい制御棒1本が引き抜かれ、他の制御棒がすべて挿入された状態における未臨界度を表すもので、原子炉安全性のために炉停止余裕は確保されなければならない。図12、図13の例で示した制御棒の配置および翼幅は、炉停止余裕確保の観点から決められたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
近年は原子力発電の運転経済性を向上するために、燃料の高燃焼度化が進められている。高燃焼度を達成するためには燃料の平均濃縮度を高める必要がある。しかし、燃料棒の濃縮度を高くするとその燃料棒の出力が高くなり、炉心の熱的余裕が低下する、という問題がある。特に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下することとなり、このような傾向は高燃焼度化を行う際の炉心設計上の大きな制約となっていた(特開平5−249269号公報参照)。
また、高燃焼度を達成するために燃料の平均濃縮度を高めると冷温時の無限増倍率が大きくなり、炉停止余裕が悪化するため、濃縮度の増加には限界があった。
【0011】
さらに、大型燃料集合体と大型制御棒を具備した炉心では、燃料集合体数および制御棒本数は削減されているものの、制御棒が大型化しているため、制御棒の製造コストが従来の大きさの制御棒に比べ高くなる。制御棒の大きさを小型化すれば、制御棒の製造コストは低減できるが、炉停止余裕が低減するという問題がある。
本発明の目的は、最小限界出力比および炉停止余裕を改善した燃料集合体、および炉停止余裕を悪化させることなく制御棒を小型化した炉心を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するものであって、請求項1に記載の発明は、正方格子状に束ねた複数の燃料棒と、前記複数の燃料棒の側部全体を覆うほぼ正方形の断面形状を有するチャンネルボックスとを有する沸騰水型原子炉用の燃料集合体において、前記燃料棒は、第1の外径を有する複数の第1の燃料棒と、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する複数の第2の燃料棒とを含み、前記燃料集合体の少なくとも最外周には前記第2の燃料棒が配置され、前記燃料集合体の最外周から少なくとも3列目から内側には前記第1の燃料棒が配置されていること、を特徴とする。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、出力が高くなりやすい燃料棒配列の周辺部に配置する燃料棒の外径を細くしたことにより、周辺部燃料棒1本当たりの冷却材流路面積が、内部領域の燃料棒1本当たりの冷却材流路面積より大きくなるため、最外周燃料棒の冷却効率が向上し、最小限界出力比が改善する。
【0014】
また、一般に、減速材と燃料の比(H/U比:水素原子数対ウラン原子数比)が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。周辺部燃料棒の外径を細くして当該燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料集合体において、前記第2の燃料棒は前記燃料集合体の最外周に配置され、前記第1の燃料棒は前記燃料集合体の最外周以外の位置に配置されていること、を特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用・効果が得られるほか、特に出力が高くなりやすい最外周に配置する燃料棒の外径を細くしたことにより、請求項1に記載の発明の作用・効果が著しい。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の燃料集合体において、前記複数の燃料棒は、正方格子状に配置された複数の燃料棒を有する複数のサブバンドルを構成すること、を特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の作用・効果が得られるほか、サブバンドルからなるように構成した燃料集合体において、出力が高くなりやすい周辺部または最外周に配置する燃料棒の冷却効率が向上し、最小限界出力比が改善する。また、炉停止余裕が改善する。
【0019】
また、請求項4に記載の発明は、正方格子状に束ねた複数の燃料棒と、前記複数の燃料棒の側部全体を覆うチャンネルボックスとを有する沸騰水型原子炉用の燃料集合体において、前記複数の燃料棒は、正方格子状に配置された複数の燃料棒を有する複数のサブバンドルを構成し、前記各サブバンドルの燃料棒は、第1の外径を有する複数の第1の燃料棒と、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する複数の第2の燃料棒とを含み、前記第1の燃料棒が前記各サブバンドルの最外周以外の領域に配置され、前記第2の燃料棒が前記各サブバンドルの最外周に配置されていること、を特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、各サブバンドルの最外周位置の燃料棒の外径を細くしているため、サブバンドル最外周周辺の燃料棒の冷却効率が向上し、最小限界出力比が改善する。
【0021】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の燃料集合体において、前記第2の燃料棒が前記各サブバンドルの最外周の全ておよび最外周から2層目の少なくとも一部に配置され、前記燃料集合体の最外周から少なくとも3列目から内側には前記第1の燃料棒が配置されていること、を特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の作用・効果が得られるほか、最外周燃料棒に加え、最外周から2層目の燃料棒の全てまたは一部の燃料棒も外径を細くすることにより、最小限界出力比および炉停止余裕はさらに改善する。
【0023】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3ないし5のいずれかに記載の燃料集合体において、前記サブバンドルをまたがって互いに隣接する前記燃料棒間の間隔がその他の燃料棒間の間隔よりも大きいこと、を特徴とする。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、請求項3ないし5のいずれかに記載の発明の作用・効果が得られるほか、次のような作用・効果がある。すなわち、サブバンドル間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル内の燃料棒間ピッチより大きくしたことにより、冷却材が燃料棒間ピッチの広いサブバンドル間の領域に集まりやすく、出力が高くなりやすい燃料集合体最外周部の冷却材流量が減少し最小限界出力比が低下することとなるが、最外周に配置する燃料棒の外径を細くしたことにより、当該燃料棒の冷却効率が向上し、最小限界出力比が改善する。また、炉停止余裕が改善する。
【0025】
また、請求項7に記載の発明は、請求項3ないし6のいずれかに記載の燃料集合体において、前記チャンネルボックスの内部を前記サブバンドルごとに仕切る仕切り板を有すること、を特徴とする。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、請求項3ないし6のいずれかに記載の発明の作用・効果が得られるほか、サブバンドル間を仕切る仕切り板の影響により、サブバンドルをまたぐ流れが規制される。
【0027】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の燃料集合体の複数個を直立させて水平面内で正方格子状に配列し、2行2列で互いに隣接する4個の前記燃料集合体の間に、互いにほぼ直角をなして放射状に延びる互いにほぼ同じ長さの4枚の翼を有し水平断面が十字形の制御棒を挿入および引き抜きが可能なように配置した沸騰水型原子炉の炉心において、前記制御棒は、十字形の中心から前記翼の先端までの長さが前記燃料集合体の1辺の長さのほぼ3/4以下であること、を特徴とする炉心である。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1ないし7のいずれかに記載の発明の作用・効果が得られるほか、燃料集合体またはサブバンドルの周辺部または最外周の燃料棒の外径を小さくし、あるいはサブバンドル間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル内の燃料棒間ピッチより大きくすることで炉停止余裕が改善しているため、制御棒翼幅を燃料集合体の1辺の長さの概略3/4程度以下としても炉停止余裕の基準を満足することができ、制御棒の製造コストを低減できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同一もしくは類似の構成部分、または、実施の形態相互に同一もしくは類似の構成部分については、同一符号を付して重複説明は省略する。
【0030】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第1実施の形態の横断面図である。なお、燃料集合体内では、軸方向や径方向に、燃料である核分裂性物質の濃縮度や可燃性毒物の濃度について分布がつけられているが、ここではこれらの分布については省略し、図示していない。
【0031】
この形態では、前記図13に示した燃料集合体と同様に、大型燃料集合体6は仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されており、各サブバンドル9の燃料棒配列は8行8列、燃料集合体全体としては16行16列となっている。サブバンドル9は、第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および2本の太径ウォータロッド3を格子状に束ねて構成されている。また、大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として大型制御棒7が配置されている。
【0032】
ここで、第2の燃料棒11の外径d2は第1の燃料棒10の外径d1より小さい(d2<d1)。また、第1の燃料棒10は大型燃料集合体6の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11は大型燃料集合体6の最外周に配置している。
【0033】
一般に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下することとなるが、本第1実施の形態では最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの冷却材流量が第1の燃料棒10のそれより大きくなり、除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0034】
図2は、第1の燃料棒10と第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの流路面積を図示したものである。第1の燃料棒10の燃料棒1本当たりの流路面積12より、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの流路面積13の方が大きいため、最外周燃料棒の除熱が効率的に行われ、最小限界出力比が改善する。
【0035】
また、一般に、H/U比が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。本第1実施の形態では最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、最外周燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0036】
なお、図1では、最外周のみに第2の燃料棒11を配置する例を示したが、最外周に加え、最外周から2層目の燃料棒についても一部または全てを第2の燃料棒11とすれば、最小限界出力比および炉停止余裕の改善効果は大きくなる。第2の燃料棒の本数をさらに増やせば改善効果はさらに大きくなるが、第2の燃料棒11の本数を増やすと燃料集合体内に装荷される核燃料物質量が減少するため、燃料経済性上好ましくない。したがって、第2の燃料棒11の本数は必要以上に多くしない方が良く、図1の例では、最も効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11を最外周にのみ配置している。
【0037】
また、図1の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。燃料棒出力は最外周燃料棒が高くなりやすく、最外周燃料棒の中でもコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒は中性子の減速効果により、特に燃料棒の出力が高くなりやすい。原子炉の運転制限値の一つである最大線出力密度に直接影響を与える局所ピーキング係数を改善する観点からは、燃料棒配列の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみを第2の燃料棒11とすることが最も効果的であるが、最小限界出力比は、当該燃料棒の出力のみではなく、周囲の燃料棒配置にも影響を受ける。
【0038】
すなわち、コーナ部の燃料棒は周囲4方向の内2方向のみに燃料棒が配置され、残り2方向はチャンネルボックスに面しているのに対し、コーナ部以外の燃料棒は周囲4方向の内3方向に燃料棒が配置され、周囲の燃料棒からの発熱によるボイド発生により冷却材割合が減少し、除熱効率がコーナ部の燃料棒より悪くなっている。そのため、最小限界出力比に直接影響を与える除熱の観点からは、最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみではなく、最外周全ての燃料棒について第2の燃料棒11として除熱効率を改善した方が良く、図1の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。
【0039】
なお、本第1実施の形態は、各サブバンドル9内にウォータロッドを2本含み、各サブバンドル9の燃料棒配列が8行8列で燃料集合体全体としては16行16列とした大型燃料集合体6に適用した例であるが、上記の特性はこれに限定されるものではなく、ウォータロッドの本数や形状、配置、仕切り板の有無、燃料棒の格子配列は設計によって異なる。9行9列や10行10列のサブバンドルからなる大型燃料や、サブバンドル構造を有しない8行8列、9行9列や10行10列の燃料集合体であっても、第2の燃料棒11を最外周に配置すれば同様の効果が得られる。
【0040】
[第2の実施の形態]
図3は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第2実施の形態の横断面図である。この実施の形態では、前記図13に示した燃料集合体と同様に、大型燃料集合体6は仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されており、各サブバンドル9の燃料棒配列は8行8列、燃料集合体全体としては16行16列となっている。各サブバンドル9は、第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および2本の太径ウォータロッド3を格子状に束ねて構成されている。また、大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として大型制御棒7が配置されている。
【0041】
ここで、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きい(d3>d4)。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしたのは、大型燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0042】
また、第2の燃料棒11の外径d2は第1の燃料棒10の外径d1より小さい(d2<d1)。さらに、第1の燃料棒10は大型燃料集合体6の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11は大型燃料集合体6の最外周に配置している。
【0043】
一般に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下する。さらに、本第2実施の形態では各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしているため、サブバンドル間の領域で圧力損失が低くなり、冷却材が燃料棒間ピッチの広いサブバンドル間の領域に集まりやすい。このため、燃料集合体最外周部の冷却材流量が減少し、最小限界出力比がさらに低下することとなる。
【0044】
しかし、本第2実施の形態では、大型燃料集合体6の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、燃料集合体最外周部周辺の圧力損失が低減して最外周部に冷却材が集まりやすくなり、冷却材が燃料棒間ピッチの広いサブバンドル間の領域に集まる効果を低減するとともに、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの冷却材流量が第1の燃料棒10のそれより大きくなり、除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0045】
また、一般に、H/U比が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。本第2実施の形態ではサブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくすることで、サブバンドル9間の対向する燃料棒の反応度が相対的に大きくなるとともに当該燃料棒周辺の領域のH/Uが大きくなり、炉停止余裕が改善する。
【0046】
さらに、大型燃料集合体6の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を大型燃料集合体6の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、大型燃料集合体6の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0047】
なお、図3の例で、大型燃料集合体6の最外周のみに第2の燃料棒11を配置したのは、効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11を大型燃料集合体6の最外周にのみ配置したためである。
【0048】
また、図3の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。原子炉の運転制限値の一つである最大線出力密度に直接影響を与える局所ピーキング係数を改善する観点からは、燃料棒配列の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみを第2の燃料棒11とすればよいが、最小限界出力比に直接影響を与える除熱の観点からは、最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみではなく、最外周全ての燃料棒について第2の燃料棒11として除熱効率を改善した方が良く、図3の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。
【0049】
なお、本第2実施の形態は、各サブバンドル9内にウォータロッドを2本含み、各サブバンドル9の燃料棒配列が8行8列で燃料集合体全体としては16行16列とした大型燃料集合体6に適用した例であるが、上記の特性はこれに限定されるものではなく、ウォータロッドの本数や形状、配置、仕切り板の有無、燃料棒の格子配列は設計によって異なる。9行9列や10行10列のサブバンドルからなる大型燃料や、サブバンドル構造を有しない8行8列、9行9列や10行10列の燃料集合体であっても、第2の燃料棒11を最外周に配置すれば同様の効果が得られる。
【0050】
[第3の実施の形態]
図4は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第3実施の形態の横断面図である。本第3実施の形態では、前記図13に示した燃料集合体と同様に、大型燃料集合体6は仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されており、各サブバンドル9の燃料棒配列は8行8列、燃料集合体全体としては16行16列となっている。サブバンドル9は第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および2本の太径ウォータロッド3を格子状に束ねて構成されている。また、大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として大型制御棒7が配置されている。
【0051】
ここで、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きい(d3>d4)。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしたのは、大型燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0052】
また、第2の燃料棒11の外径d2は第1の燃料棒10の外径d1より小さい(d2<d1)。さらに、第1の燃料棒10はサブバンドル9の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11はサブバンドル9の最外周に配置している。
【0053】
一般に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下する。さらに、本第3実施の形態では各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしているため、サブバンドル9間の対向する位置の燃料棒の出力が高くなりやすい。さらに、冷却材が燃料棒間ピッチの広いサブバンドル間の領域に集まりやすく、サブバンドル内の内部領域や燃料集合体最外周部の冷却材流量が減少し、最小限界出力比がさらに低下することとなる。
【0054】
本第2実施の形態では、第1の燃料棒10より細い第2の燃料棒11を大型燃料集合体6の最外周燃料棒に加え、各サブバンドル9間の対向する位置にも配置しているため、各サブバンドル9間の対向する位置の燃料棒でも除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0055】
また、一般に、H/U比が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。本第3実施の形態ではサブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくすることで、サブバンドル9間の対向する燃料棒の反応度が相対的に大きくなるとともに当該燃料棒周辺の領域のH/Uが大きくなり、炉停止余裕が改善する。
【0056】
さらに、サブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、サブバンドル9の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0057】
なお、図4の例で、各サブバンドル9の最外周のみに第2の燃料棒11を配置したのは、最も効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11をサブバンドル9の最外周にのみ配置したためである。
【0058】
また、図4の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。原子炉の運転制限値の一つである最大線出力密度に直接影響を与える局所ピーキング係数を改善する観点からは、燃料棒配列の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみを第2の燃料棒11とすればよいが、最小限界出力比に直接影響を与える除熱の観点からは、最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみではなく、最外周全ての燃料棒について第2の燃料棒11として除熱効率を改善した方が良く、図4の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。
【0059】
なお、本第3実施の形態は、各サブバンドル9内にウォータロッドを2本含み、各サブバンドル9の燃料棒配列が8行8列で燃料集合体全体としては16行16列とした大型燃料集合体6に適用した例であるが、上記の特性はこれに限定されるものではなく、ウォータロッドの本数や形状、配置、仕切り板の有無、燃料棒の格子配列は設計によって異なる。9行9列や10行10列のサブバンドルからなる大型燃料や、サブバンドル構造を有しない8行8列、9行9列や10行10列の燃料集合体であっても、第2の燃料棒11を最外周に配置すれば同様の効果が得られる。
【0060】
[第4の実施の形態]
図5は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第4実施の形態の横断面図である。この実施の形態では、前記図13に示した燃料集合体と同様に、大型燃料集合体6は仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されており、各サブバンドル9の燃料棒配列は8行8列、燃料集合体全体としては16行16列となっている。各サブバンドル9は第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および2本の太径ウォータロッド3を格子状に束ねて構成されている。また、大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として大型制御棒7が配置されている。
【0061】
ここで、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きい(d3>d4)。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしたのは、大型燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0062】
また、第2の燃料棒11の外径d2は第1の燃料棒10の外径d1より小さい(d2<d1)。さらに、第2の燃料棒11はサブバンドル9の最外周燃料棒全ておよび最外周から2層目の燃料棒の一部の燃料棒位置に配置し、第1の燃料棒10は残りの位置に配置している。
【0063】
本第4実施の形態では各サブバンドル9の最外周燃料棒に加え、最外周から2層目の燃料棒についても一部を第2の燃料棒11としており、最小限界出力比および炉停止余裕の改善効果は前記第3実施の形態より大きくなる。第2の燃料棒の本数をさらに増やせば改善効果はさらに大きくなるが、第2の燃料棒11の本数を増やすと燃料集合体内に装荷される核燃料物質量が減少するため、燃料経済性上好ましくない。したがって、第2の燃料棒11の本数は必要以上に多くしない方が良く、図5の例では、最も効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11をサブバンドル9の最外周および最外周から2層目の一部にのみ配置している。
【0064】
また、原子炉の運転制限値の一つである最大線出力密度に直接影響を与える局所ピーキング係数を改善する観点からは、燃料棒配列の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみを第2の燃料棒11とすればよいが、最小限界出力比に直接影響を与える除熱の観点からは、最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみではなく、最外周全ての燃料棒について第2の燃料棒11として除熱効率を改善した方が良く、図5の例では最外周燃料棒に加え最外周から2層目の一部の燃料棒の外径を細くすることにより、隣接する最外周燃料棒の除熱効率をさらに向上している。
【0065】
なお、本第4実施の形態は、各サブバンドル9内にウォータロッドを2本含み、各サブバンドル9の燃料棒配列が8行8列で燃料集合体全体としては16行16列とした大型燃料集合体6に適用した例であるが、上記の特性はこれに限定されるものではなく、ウォータロッドの本数や形状、配置、仕切り板の有無、燃料棒の格子配列は設計によって異なる。9行9列や10行10列のサブバンドルからなる大型燃料や、サブバンドル構造を有しない8行8列、9行9列や10行10列の燃料集合体であっても、第2の燃料棒11をサブバンドル9または燃料集合体の最外周および最外周から2層目の一部に配置すれば同様の効果が得られる。
【0066】
[第5の実施の形態]
図6は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第5実施の形態の横断面図である。この実施の形態は、前記図12に示した燃料集合体と同じ大きさの燃料集合体14に適用した例であり、燃料集合体14は10行10列に配置した第1の燃料棒10、第2の燃料棒11と2本の太径ウォータロッド3より成り、10行10列の燃料棒配列は、さらに四つの5行5列のサブバンドル9より構成される。ただし、サブバンドル9同士を仕切る仕切り板は存在しない。また、燃料集合体14は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、燃料集合体14の四つのコーナのうちの一つのコーナ部を中心として十字形制御棒5が配置されている。
【0067】
ここで、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd7はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd8より大きい(d7>d8)。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd7をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd8より大きくしたのは、燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0068】
また、第2の燃料棒11の外径d6は第1の燃料棒10の外径d5より小さい(d6<d5)。さらに、第1の燃料棒10はサブバンドル9の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11はサブバンドル9の最外周に配置している。
【0069】
本第5実施の形態ではサブバンドル9の最外周燃料棒を第2の燃料棒11としているため、前記第1ないし第4の実施の形態と同様に最小限界出力比および炉停止余裕が改善できる。
【0070】
[第6の実施の形態]
図7は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第6実施の形態の横断面図である。この実施の形態では、前記図13に示した燃料集合体と同様に、大型燃料集合体6は仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されており、各サブバンドル9の燃料棒配列は8行8列、燃料集合体全体としては16行16列となっている。サブバンドル9は第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および2本の太径ウォータロッド3を格子状に束ねて構成されている。また、大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲している。
【0071】
さらに、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きい(d3>d4)。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしたのは、大型燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0072】
また、第2の燃料棒11の外径d2は第1の燃料棒10の外径d1より小さい(d2<d1)。さらに、第1の燃料棒10はサブバンドル9の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11はサブバンドル9の最外周に配置している。
【0073】
一般に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下することとなるが、本第6実施の形態ではサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの冷却材流量が第1の燃料棒10のそれより大きくなり、除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0074】
一方、制御棒に関しては、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として十字形制御棒5が配置されており、十字形制御棒5の中心から翼端までの翼幅は、前記図6あるいは図12記載の十字形制御棒5と同じであって、大型燃料集合体6の1辺の長さの0.6倍程度である。
【0075】
一般に、H/U比が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。本第5実施の形態ではサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、サブバンドル9の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0076】
さらに本第6実施の形態ではサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしていることに加え、サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくしている。これにより、サブバンドル9の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uがより局所的に大きくなり、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数がより小さくなり、炉停止余裕がさらに改善する。
【0077】
一方、本第6実施の形態では制御棒の翼幅を大型燃料集合体6の1辺の長さの0.6倍程度としているため、前記図1あるいは図13に示した大型制御棒7を用いた場合より炉停止余裕が低下する。ここで、制御棒の翼幅と停止余裕の関係について説明する。
【0078】
d1=11mm、d2=9mm、d3=24mm、d4=12mmとし、d1とd2の比を1.2程度、d3とd4の比を2程度としている。d1とd2の比、d3とd4の比をこのように設定すると、サブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を細くしていることとサブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくしている効果により、炉停止余裕は、前記図13の大型燃料集合体7に比べ2%Δk程度改善する。そこで、制御棒の翼幅を小さくしたことによる炉停止余裕の低下が2%Δk程度であれば、d1とd2の比を1.2以上かつd3とd4の比を2以上とすることにより、前記図13と同程度あるいはそれ以上の炉停止余裕を有することになる。
【0079】
図8は、大型燃料集合体6に前記図13の大型制御棒7を組み合わせた場合および本第6実施の形態の十字形制御棒5を組み合わせた場合の、制御棒全数引き抜き時、制御棒全数挿入時、最大価値制御棒1本引き抜き時の炉心の実効増倍率を比較したものである。ここで、大型燃料集合体6の1辺の長さは21cm、大型制御棒7の翼幅は18cm、十字形制御棒5の翼幅は12cmである。
【0080】
図8で、破線15で示された円内の3点A1、B1、C1は大型制御棒7の場合、破線16で示された円内の3点A2、B2、C2は十字形制御棒5の場合であり、A1、A2は制御棒全数引き抜き時の炉心の実効増倍率であり、これを基準としてB1、B2は制御棒全数挿入時、C1、C2は最大価値制御棒1本引き抜き時の炉心の実効増倍率をA1、A2からの差として図示したものである。
【0081】
大型制御棒7の場合、制御棒全数挿入時には炉心の実効増倍率は18%Δk程度低下する(点B1)が、本第6実施の形態の十字形制御棒5の場合は、制御棒の翼幅が小さくなっているため制御棒価値が低下し、炉心の実効増倍率の低下は12%Δk程度(点B2)である。また、制御棒全数挿入時から制御棒を1本引き抜くと、大型制御棒7の場合は7%Δk程度炉心の実効増倍率が上昇する(点C1)のに対し、本第6実施の形態の十字形制御棒5の場合の炉心の実効増倍率の上昇は、制御棒の翼幅が小さくなっているため制御棒価値が低下し4%Δk程度(点C2)にとどまる。
【0082】
大型制御棒7と本第6実施の形態の十字形制御棒5の炉停止余裕の差は点C1と点C2の実効増倍率の差として現われるので、制御棒の翼幅を大型燃料集合体6の1辺の長さの0.6倍程度とした場合の炉停止余裕の低下は3%Δk程度となる。
【0083】
図9は、横軸に制御棒の翼幅と燃料集合体の1辺の長さの比をとり、縦軸を炉停止余裕の低下として図示したものである。点Dは大型燃料集合体6および大型制御棒7の組み合わせに相当する点であり、横軸の位置は、大型燃料集合体6の1辺の長さ21cmと大型制御棒7の翼幅は18cmの比(約0.86)となっている。点Eは大型燃料集合体6と十字形制御棒5の組み合わせに相当し、点Dの炉停止余裕を基準として、図8に示した炉停止余裕の低下3%Δkおよび制御棒の翼幅と燃料集合体の1辺の長さの比0.6よりプロットした点である。図9より、炉停止余裕の低下が2%Δk程度である制御棒翼幅は、燃料集合体1辺の長さの0.7倍程度であることがわかる。
【0084】
以上より、サブバンドル9の最外周に燃料棒径を細くした第2の燃料棒11を配置しサブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくしておけば、制御棒翼幅を燃料集合体1辺の長さの0.7倍、あるいは多めに見積もっても概略3/4程度としておけば、前記図13の大型燃料集合体および大型制御棒7の組み合わせと同程度の炉停止余裕が得られることになる。
【0085】
なお、本第6実施の形態では、制御棒の翼幅を大型燃料集合体6の1辺の長さの0.6倍程度としており、前記図13の大型燃料集合体および大型制御棒7の組み合わせより炉停止余裕が1%Δk程度低下することとなるが、通常の炉心設計においては、燃料に含入するガドリニアの濃度を調整し、あるいは特定の制御棒周りに反応度の高い燃料集合体が集中しないように炉心の燃料集合体配置を調整することにより、容易に炉停止余裕を2〜3%Δk程度以上にできる場合も多く、この場合には炉停止余裕が1%Δk程度低下しても炉停止余裕は1〜2%Δk程度となり、設計条件を満足できる。
【0086】
また、本第6実施の形態で制御棒の翼幅を大型燃料集合体6の1辺の長さの0.6倍程度としたのは、前記従来技術の図12に示した十字形制御棒5と同じ翼幅の制御棒を組み合わせたためであり、燃料集合体を大型化して炉心の燃料装荷体数を削減しプラント建設コストを削減できるとともに、従来技術の制御棒を用いることができるため制御棒の製造コストを削減できるという利点もある。
【0087】
なお、図7では、サブバンドル9の最外周のみに第2の燃料棒11を配置する例を示したが、サブバンドル9の最外周に加え、サブバンドル9の最外周から2層目の燃料棒についても一部または全てを第2の燃料棒11とすれば、最小限界出力比および炉停止余裕の改善効果は大きくなる。第2の燃料棒の本数をさらに増やせば改善効果はさらに大きくなるが、第2の燃料棒11の本数を増やすと燃料集合体内に装荷される核燃料物質量が減少するため、燃料経済性上好ましくない。したがって、第2の燃料棒11の本数は必要以上に多くしない方が良く、図7の例では、最も効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11をサブバンドル9の最外周にのみ配置している。
【0088】
また、図7の例ではサブバンドル9の最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。燃料棒出力は最外周燃料棒が高くなりやすく、最外周燃料棒の中でもコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒は中性子の減速効果により、特に燃料棒の出力が高くなりやすい。原子炉の運転制限値の一つである最大線出力密度に直接影響を与える局所ピーキング係数を改善する観点からは、サブバンドル9の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみを第2の燃料棒11とすることが最も効果的であるが、最小限界出力比は、当該燃料棒の出力のみではなく、周囲の燃料棒配置にも影響を受ける。
【0089】
すなわち、コーナ部の燃料棒は周囲4方向の内2方向のみに燃料棒が配置され、残り2方向はチャンネルボックスあるいは仕切り板に面しているのに対し、コーナ部以外の燃料棒は周囲4方向の内3方向に燃料棒が配置され、周囲の燃料棒からの発熱によるボイド発生により冷却材割合が減少し、除熱効率がコーナ部の燃料棒より悪くなっている。そのため、最小限界出力比に直接影響を与える除熱の観点からは、サブバンドル9の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみではなく、サブバンドル9の最外周全ての燃料棒について第2の燃料棒11として除熱効率を改善した方が良く、図7の例ではサブバンドル9の最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。
【0090】
なお、本第6実施の形態は、各サブバンドル9内にウォータロッドを2本含み、各サブバンドル9の燃料棒配列が8行8列で燃料集合体全体としては16行16列とした大型燃料集合体6に適用した例であるが、上記の特性はこれに限定されるものではなく、ウォータロッドの本数や形状、配置、仕切り板の有無、燃料棒の格子配列は設計によって異なる。9行9列や10行10列のサブバンドルからなる大型燃料や、サブバンドル構造を有しない8行8列、9行9列や10行10列の燃料集合体であっても、第2の燃料棒11を最外周に配置すれば同様の効果が得られる。
【0091】
[第7の実施の形態]
図10は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第7実施の形態の横断面図である。本第7実施の形態では、燃料集合体の大きさは前記図12の燃料集合体1と同じであり。燃料集合体14は、第1の燃料棒10、第2の燃料棒11と2本の太径ウォータロッド3を四つのサブバンドル9に分割して格子状に束ねて構成され、燃料集合体全体としては10行10列となっている。また、燃料集合体14は周囲をチャンネルボックス4で包囲している。
【0092】
また、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd7はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd8より大きくしている。すなわちd7>d8としている。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd7をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd8より大きくしたのは、燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0093】
また、第2の燃料棒11の外径は第1の燃料棒10の外径より小さくしている。すなわち、第2の燃料棒11の外径をd6、第1の燃料棒10の外径をd5とすると、d6<d5である。さらに、第1の燃料棒10はサブバンドル9の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11はサブバンドル9の最外周に配置している。
【0094】
一般に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下することとなるが、本第7実施の形態では最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの冷却材流量が第1の燃料棒10のそれより大きくなり、除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0095】
一方、制御棒に関しては、燃料集合体1の四つのコーナのうちの一つのコーナ部を中心として十字型制御棒17が配置されており、十字型制御棒17の中心から翼端までの翼幅は、燃料集合体1の1辺の長さの0.75倍程度である。
【0096】
一般に、H/U比が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。本第7実施の形態ではサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、サブバンドル9の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0097】
さらに本第7実施の形態ではサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしていることに加え、サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくすることで、サブバンドル9の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uをより局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数がより小さくなり、炉停止余裕がさらに改善する。
【0098】
ここで、本第7実施の形態では制御棒の翼幅を燃料集合体1の1辺の長さの0.75倍程度としているため、図9に示した制御棒の翼幅と炉停止余裕の関係より、前記図12の十字型制御棒5を用いた場合より炉停止余裕が1.5%Δk程度低下する。
【0099】
一方、d5=11mm、d6=9mm、d7=24mm、d8=12mmとすることにより、前記第6実施の形態の場合と同じく、d5とd6の比を1.2以上にサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を細くしていることと、d7とd8の比を2以上とサブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくしている効果により、炉停止余裕は、前記図12の燃料集合体1に比べ2%Δk程度改善する。したがって、本第7実施の形態では前記図12の燃料集合体1と十字型制御棒5の組み合わせに比べ、炉停止余裕が0.5%Δk程度改善することとなり、設計条件を満足できる。
【0100】
[第8の実施の形態]
図11は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第8実施の形態の横断面図である。本第8実施の形態では、燃料集合体18の1辺の長さは前記図12の燃料集合体1の1.2倍としており、第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および3本の太径ウォータロッド3を12行12列の格子状に束ねて構成され、燃料集合体18は周囲をチャンネルボックス4で包囲している。また、第2の燃料棒11の外径d12は第1の燃料棒10の外径d11より小さい(d12<d11)。さらに、第1の燃料棒10は燃料集合体18の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11は燃料集合体18の最外周に配置している。
【0101】
本第8実施の形態では最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの冷却材流量が第1の燃料棒10のそれより大きくなり、除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0102】
一方、制御棒に関しては、燃料集合体18の四つのコーナのうちの一つのコーナ部を中心として十字形制御棒5が配置されている。十字形制御棒の翼幅は12cmであり、燃料集合体18の1辺の長さは14cm×1.2=16.8cmであるので、十字形制御棒5の中心から翼端までの翼幅は、燃料集合体18の1辺の長さの0.71倍程度である。
【0103】
制御棒の翼幅を燃料集合体18の1辺の長さの0.71倍程度としたことによる炉停止余裕の低下幅は、図9に示した制御棒の翼幅と炉停止余裕の関係より、従来技術の場合である制御棒の翼幅を燃料集合体1辺の長さの0.86倍とした場合より炉停止余裕が2%程度低下する。一方、最外周燃料棒を細径としたことによる炉停止余裕の改善効果1%Δk程度である。したがって、本第7実施の形態では前記図12の燃料集合体1と十字形制御棒5の組み合わせに比べ、炉停止余裕が1%Δk程度低下することとなる。
【0104】
通常の炉心設計においては、燃料に含入するガドリニアの濃度を調整し、あるいは特定の制御棒周りに反応度の高い燃料集合体が集中しないように炉心の燃料集合体配置を調整することにより、容易に炉停止余裕を2〜3%Δk程度以上とできる場合も多く、この場合には炉停止余裕が1%Δk程度低下しても炉停止余裕は1〜2%Δk程度となり、設計条件を満足できる。
【0105】
また、本第8実施の形態で制御棒の翼幅を燃料集合体18の1辺の長さの0.71倍程度としたのは、前記従来技術の図12に示した十字形制御棒5と同じ翼幅の制御棒を組み合わせたためであり、燃料集合体の1辺の長さを1.2倍に大型化して炉心の燃料装荷体数を削減しプラント建設コストを削減できるとともに、従来技術の制御棒を用いることができるため制御棒の製造コストを削減できるという利点もある。
【0106】
なお、図11では、燃料集合体18の最外周のみに第2の燃料棒11を配置する例を示したが、最外周に加え、最外周から2層目の燃料棒についても一部または全てを第2の燃料棒11とすれば、最小限界出力比および炉停止余裕の改善効果は大きくなる。第2の燃料棒の本数をさらに増やせば改善効果はさらに大きくなるが、第2の燃料棒11の本数を増やすと燃料集合体内に装荷される核燃料物質量が減少するため、燃料経済性上好ましくない。したがって、第2の燃料棒11の本数は必要以上に多くしない方が良く、図11の例では、最も効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11を最外周にのみ配置している。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、沸騰水型原子炉の炉心で、最小限界出力比および炉停止余裕を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第1の実施の形態を示す横断面図。
【図2】図1の燃料集合体の第1の燃料棒と第2の燃料棒の流路面積を示す横断面図。
【図3】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第2の実施の形態を示す横断面図。
【図4】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第3の実施の形態を示す横断面図。
【図5】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第4の実施の形態を示す横断面図。
【図6】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第5の実施の形態を示す横断面図。
【図7】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第6の実施の形態を示す横断面図。
【図8】図7の燃料集合体と制御棒で、制御棒全数引き抜き時、制御棒全数挿入時、制御棒1本引き抜き時の炉心の実効増倍率を示す説明図。
【図9】図7の燃料集合体と制御棒で、制御棒の翼幅と燃料集合体の1辺の長さの比対炉停止余裕の低下の関係を示すグラフ。
【図10】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第7の実施の形態を示す横断面図。
【図11】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第8の実施の形態を示す横断面図。
【図12】従来の燃料集合体と制御棒を示す横断面図。
【図13】従来の他の燃料集合体と制御棒を示す横断面図。
【符号の説明】
1,6,14,18…燃料集合体、2…燃料棒、3…ウォータロッド、4…チャンネルボックス、5,7,17…制御棒、8…仕切り板、9…サブバンドル、10…第1の燃料棒、11…第2の燃料棒、12…第1の燃料棒の流路面積、13…第2の燃料棒の流路面積、15,16…実効増倍率を示す点。
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉に装荷する燃料集合体および炉心に係り、特に最小限界出力比および炉停止余裕を改善した燃料集合体、および、炉停止余裕を悪化させることなく制御棒を小型化した炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】
沸騰水型原子炉の炉心は、水平方向に正方格子状に配列された多数の燃料集合体と、その間に挿入・引き抜き自在に設けられた制御棒とにより形成されている。また、一般に沸騰水型原子炉に用いられる燃料集合体は、燃料被覆管内に酸化ウランなどの燃料ペレットを多数充填した複数の燃料棒を、正方格子状に配列して構成されている。
【0003】
この燃料集合体および制御棒の例を図12および図13に示す。
図12は、燃料集合体1および十字形制御棒5の横断面図である。燃料集合体1は、多数本の燃料棒2および2本の太径ウォータロッド3を軸方向に平行に配置して、正方格子状に配列し、軸方向に間隔をおいて配置した複数のスペーサ(図示せず)で束ねている。なお、図12の例では、9行9列の配列になっている。また、この燃料棒2とウォータロッド3の束の周囲を断面がほぼ正方形の筒状のチャンネルボックス4で包囲した構成としている。
【0004】
さらに、燃料集合体1の4体に1本の割合で十字形制御棒5が、4個のチャンネルボックス4にはさまれた空間に配置されている。十字形制御棒5は、互いにほぼ直角方向に放射状に延びる4枚の翼部を有する。ただし、図12では燃料集合体1に隣接する二つの翼部のみが示されている。図12の例では、燃料集合体1の四つのコーナのうち一つのコーナ部を中心として十字形制御棒5が配置される構成となっている。
【0005】
図13は燃料集合体および十字形制御棒の別の例を示したものである。ここでは、8行8列の燃料棒配列を一つのサブバンドルとして、四つのサブバンドルを一つの燃料集合体として構成し、全体として16行16列の燃料配列とした大型燃料集合体6が示されている。また、チャンネルボックス4の外側には大型制御棒7が配置されている。
【0006】
大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、内部を仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されている。サブバンドル9は多数本の燃料棒2および2本の太径ウォータロッド3を軸方向に配置した複数のスペーサ(図示せず)で格子状に束ねている。また、燃料集合体形状が大型となっていることから制御棒も大型にし、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として大型制御棒7が配置されている。
【0007】
図13に示した燃料集合体6および大型制御棒7は、図12に示した燃料集合体1および十字形制御棒5を大型化することにより、炉心を構成する燃料集合体の数および制御棒の数を削減してプラント建設コストを削減することを図ったものである。図12の燃料集合体1の1辺の長さが約14cm、十字形制御棒5の中心から翼端までの長さが約12cmであるのに対し、図13の大型燃料集合体6の1辺の長さは約21cm、大型制御棒7の中心から翼端までの長さは約18cmとした例であって、いずれの場合も、大型制御棒の中心から翼端までの翼幅は燃料集合体の1辺の長さの0.86倍程度となっている。
【0008】
ところで、原子炉の運転における運転制限値の指標の一つに、最小限界出力比がある。この最小限界出力比は、炉心の熱的余裕を示す指標であり、炉心の運転状態において燃料が沸騰遷移を起こさないように、最小限界出力比の運転制限値が定められている。運転制限値は原子炉によって異なるが、1.2〜1.3程度である。
【0009】
また、原子炉燃料の設計における設計条件の一つに、運転サイクルを通じて炉停止余裕を1.0%Δk以上確保するという条件がある。この炉停止余裕とは、冷温停止時に最も反応度制御効果の大きい制御棒1本が引き抜かれ、他の制御棒がすべて挿入された状態における未臨界度を表すもので、原子炉安全性のために炉停止余裕は確保されなければならない。図12、図13の例で示した制御棒の配置および翼幅は、炉停止余裕確保の観点から決められたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
近年は原子力発電の運転経済性を向上するために、燃料の高燃焼度化が進められている。高燃焼度を達成するためには燃料の平均濃縮度を高める必要がある。しかし、燃料棒の濃縮度を高くするとその燃料棒の出力が高くなり、炉心の熱的余裕が低下する、という問題がある。特に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下することとなり、このような傾向は高燃焼度化を行う際の炉心設計上の大きな制約となっていた(特開平5−249269号公報参照)。
また、高燃焼度を達成するために燃料の平均濃縮度を高めると冷温時の無限増倍率が大きくなり、炉停止余裕が悪化するため、濃縮度の増加には限界があった。
【0011】
さらに、大型燃料集合体と大型制御棒を具備した炉心では、燃料集合体数および制御棒本数は削減されているものの、制御棒が大型化しているため、制御棒の製造コストが従来の大きさの制御棒に比べ高くなる。制御棒の大きさを小型化すれば、制御棒の製造コストは低減できるが、炉停止余裕が低減するという問題がある。
本発明の目的は、最小限界出力比および炉停止余裕を改善した燃料集合体、および炉停止余裕を悪化させることなく制御棒を小型化した炉心を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するものであって、請求項1に記載の発明は、正方格子状に束ねた複数の燃料棒と、前記複数の燃料棒の側部全体を覆うほぼ正方形の断面形状を有するチャンネルボックスとを有する沸騰水型原子炉用の燃料集合体において、前記燃料棒は、第1の外径を有する複数の第1の燃料棒と、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する複数の第2の燃料棒とを含み、前記燃料集合体の少なくとも最外周には前記第2の燃料棒が配置され、前記燃料集合体の最外周から少なくとも3列目から内側には前記第1の燃料棒が配置されていること、を特徴とする。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、出力が高くなりやすい燃料棒配列の周辺部に配置する燃料棒の外径を細くしたことにより、周辺部燃料棒1本当たりの冷却材流路面積が、内部領域の燃料棒1本当たりの冷却材流路面積より大きくなるため、最外周燃料棒の冷却効率が向上し、最小限界出力比が改善する。
【0014】
また、一般に、減速材と燃料の比(H/U比:水素原子数対ウラン原子数比)が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。周辺部燃料棒の外径を細くして当該燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料集合体において、前記第2の燃料棒は前記燃料集合体の最外周に配置され、前記第1の燃料棒は前記燃料集合体の最外周以外の位置に配置されていること、を特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用・効果が得られるほか、特に出力が高くなりやすい最外周に配置する燃料棒の外径を細くしたことにより、請求項1に記載の発明の作用・効果が著しい。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の燃料集合体において、前記複数の燃料棒は、正方格子状に配置された複数の燃料棒を有する複数のサブバンドルを構成すること、を特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の作用・効果が得られるほか、サブバンドルからなるように構成した燃料集合体において、出力が高くなりやすい周辺部または最外周に配置する燃料棒の冷却効率が向上し、最小限界出力比が改善する。また、炉停止余裕が改善する。
【0019】
また、請求項4に記載の発明は、正方格子状に束ねた複数の燃料棒と、前記複数の燃料棒の側部全体を覆うチャンネルボックスとを有する沸騰水型原子炉用の燃料集合体において、前記複数の燃料棒は、正方格子状に配置された複数の燃料棒を有する複数のサブバンドルを構成し、前記各サブバンドルの燃料棒は、第1の外径を有する複数の第1の燃料棒と、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する複数の第2の燃料棒とを含み、前記第1の燃料棒が前記各サブバンドルの最外周以外の領域に配置され、前記第2の燃料棒が前記各サブバンドルの最外周に配置されていること、を特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、各サブバンドルの最外周位置の燃料棒の外径を細くしているため、サブバンドル最外周周辺の燃料棒の冷却効率が向上し、最小限界出力比が改善する。
【0021】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の燃料集合体において、前記第2の燃料棒が前記各サブバンドルの最外周の全ておよび最外周から2層目の少なくとも一部に配置され、前記燃料集合体の最外周から少なくとも3列目から内側には前記第1の燃料棒が配置されていること、を特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の作用・効果が得られるほか、最外周燃料棒に加え、最外周から2層目の燃料棒の全てまたは一部の燃料棒も外径を細くすることにより、最小限界出力比および炉停止余裕はさらに改善する。
【0023】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3ないし5のいずれかに記載の燃料集合体において、前記サブバンドルをまたがって互いに隣接する前記燃料棒間の間隔がその他の燃料棒間の間隔よりも大きいこと、を特徴とする。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、請求項3ないし5のいずれかに記載の発明の作用・効果が得られるほか、次のような作用・効果がある。すなわち、サブバンドル間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル内の燃料棒間ピッチより大きくしたことにより、冷却材が燃料棒間ピッチの広いサブバンドル間の領域に集まりやすく、出力が高くなりやすい燃料集合体最外周部の冷却材流量が減少し最小限界出力比が低下することとなるが、最外周に配置する燃料棒の外径を細くしたことにより、当該燃料棒の冷却効率が向上し、最小限界出力比が改善する。また、炉停止余裕が改善する。
【0025】
また、請求項7に記載の発明は、請求項3ないし6のいずれかに記載の燃料集合体において、前記チャンネルボックスの内部を前記サブバンドルごとに仕切る仕切り板を有すること、を特徴とする。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、請求項3ないし6のいずれかに記載の発明の作用・効果が得られるほか、サブバンドル間を仕切る仕切り板の影響により、サブバンドルをまたぐ流れが規制される。
【0027】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の燃料集合体の複数個を直立させて水平面内で正方格子状に配列し、2行2列で互いに隣接する4個の前記燃料集合体の間に、互いにほぼ直角をなして放射状に延びる互いにほぼ同じ長さの4枚の翼を有し水平断面が十字形の制御棒を挿入および引き抜きが可能なように配置した沸騰水型原子炉の炉心において、前記制御棒は、十字形の中心から前記翼の先端までの長さが前記燃料集合体の1辺の長さのほぼ3/4以下であること、を特徴とする炉心である。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1ないし7のいずれかに記載の発明の作用・効果が得られるほか、燃料集合体またはサブバンドルの周辺部または最外周の燃料棒の外径を小さくし、あるいはサブバンドル間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル内の燃料棒間ピッチより大きくすることで炉停止余裕が改善しているため、制御棒翼幅を燃料集合体の1辺の長さの概略3/4程度以下としても炉停止余裕の基準を満足することができ、制御棒の製造コストを低減できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同一もしくは類似の構成部分、または、実施の形態相互に同一もしくは類似の構成部分については、同一符号を付して重複説明は省略する。
【0030】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第1実施の形態の横断面図である。なお、燃料集合体内では、軸方向や径方向に、燃料である核分裂性物質の濃縮度や可燃性毒物の濃度について分布がつけられているが、ここではこれらの分布については省略し、図示していない。
【0031】
この形態では、前記図13に示した燃料集合体と同様に、大型燃料集合体6は仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されており、各サブバンドル9の燃料棒配列は8行8列、燃料集合体全体としては16行16列となっている。サブバンドル9は、第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および2本の太径ウォータロッド3を格子状に束ねて構成されている。また、大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として大型制御棒7が配置されている。
【0032】
ここで、第2の燃料棒11の外径d2は第1の燃料棒10の外径d1より小さい(d2<d1)。また、第1の燃料棒10は大型燃料集合体6の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11は大型燃料集合体6の最外周に配置している。
【0033】
一般に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下することとなるが、本第1実施の形態では最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの冷却材流量が第1の燃料棒10のそれより大きくなり、除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0034】
図2は、第1の燃料棒10と第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの流路面積を図示したものである。第1の燃料棒10の燃料棒1本当たりの流路面積12より、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの流路面積13の方が大きいため、最外周燃料棒の除熱が効率的に行われ、最小限界出力比が改善する。
【0035】
また、一般に、H/U比が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。本第1実施の形態では最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、最外周燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0036】
なお、図1では、最外周のみに第2の燃料棒11を配置する例を示したが、最外周に加え、最外周から2層目の燃料棒についても一部または全てを第2の燃料棒11とすれば、最小限界出力比および炉停止余裕の改善効果は大きくなる。第2の燃料棒の本数をさらに増やせば改善効果はさらに大きくなるが、第2の燃料棒11の本数を増やすと燃料集合体内に装荷される核燃料物質量が減少するため、燃料経済性上好ましくない。したがって、第2の燃料棒11の本数は必要以上に多くしない方が良く、図1の例では、最も効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11を最外周にのみ配置している。
【0037】
また、図1の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。燃料棒出力は最外周燃料棒が高くなりやすく、最外周燃料棒の中でもコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒は中性子の減速効果により、特に燃料棒の出力が高くなりやすい。原子炉の運転制限値の一つである最大線出力密度に直接影響を与える局所ピーキング係数を改善する観点からは、燃料棒配列の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみを第2の燃料棒11とすることが最も効果的であるが、最小限界出力比は、当該燃料棒の出力のみではなく、周囲の燃料棒配置にも影響を受ける。
【0038】
すなわち、コーナ部の燃料棒は周囲4方向の内2方向のみに燃料棒が配置され、残り2方向はチャンネルボックスに面しているのに対し、コーナ部以外の燃料棒は周囲4方向の内3方向に燃料棒が配置され、周囲の燃料棒からの発熱によるボイド発生により冷却材割合が減少し、除熱効率がコーナ部の燃料棒より悪くなっている。そのため、最小限界出力比に直接影響を与える除熱の観点からは、最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみではなく、最外周全ての燃料棒について第2の燃料棒11として除熱効率を改善した方が良く、図1の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。
【0039】
なお、本第1実施の形態は、各サブバンドル9内にウォータロッドを2本含み、各サブバンドル9の燃料棒配列が8行8列で燃料集合体全体としては16行16列とした大型燃料集合体6に適用した例であるが、上記の特性はこれに限定されるものではなく、ウォータロッドの本数や形状、配置、仕切り板の有無、燃料棒の格子配列は設計によって異なる。9行9列や10行10列のサブバンドルからなる大型燃料や、サブバンドル構造を有しない8行8列、9行9列や10行10列の燃料集合体であっても、第2の燃料棒11を最外周に配置すれば同様の効果が得られる。
【0040】
[第2の実施の形態]
図3は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第2実施の形態の横断面図である。この実施の形態では、前記図13に示した燃料集合体と同様に、大型燃料集合体6は仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されており、各サブバンドル9の燃料棒配列は8行8列、燃料集合体全体としては16行16列となっている。各サブバンドル9は、第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および2本の太径ウォータロッド3を格子状に束ねて構成されている。また、大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として大型制御棒7が配置されている。
【0041】
ここで、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きい(d3>d4)。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしたのは、大型燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0042】
また、第2の燃料棒11の外径d2は第1の燃料棒10の外径d1より小さい(d2<d1)。さらに、第1の燃料棒10は大型燃料集合体6の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11は大型燃料集合体6の最外周に配置している。
【0043】
一般に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下する。さらに、本第2実施の形態では各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしているため、サブバンドル間の領域で圧力損失が低くなり、冷却材が燃料棒間ピッチの広いサブバンドル間の領域に集まりやすい。このため、燃料集合体最外周部の冷却材流量が減少し、最小限界出力比がさらに低下することとなる。
【0044】
しかし、本第2実施の形態では、大型燃料集合体6の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、燃料集合体最外周部周辺の圧力損失が低減して最外周部に冷却材が集まりやすくなり、冷却材が燃料棒間ピッチの広いサブバンドル間の領域に集まる効果を低減するとともに、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの冷却材流量が第1の燃料棒10のそれより大きくなり、除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0045】
また、一般に、H/U比が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。本第2実施の形態ではサブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくすることで、サブバンドル9間の対向する燃料棒の反応度が相対的に大きくなるとともに当該燃料棒周辺の領域のH/Uが大きくなり、炉停止余裕が改善する。
【0046】
さらに、大型燃料集合体6の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を大型燃料集合体6の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、大型燃料集合体6の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0047】
なお、図3の例で、大型燃料集合体6の最外周のみに第2の燃料棒11を配置したのは、効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11を大型燃料集合体6の最外周にのみ配置したためである。
【0048】
また、図3の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。原子炉の運転制限値の一つである最大線出力密度に直接影響を与える局所ピーキング係数を改善する観点からは、燃料棒配列の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみを第2の燃料棒11とすればよいが、最小限界出力比に直接影響を与える除熱の観点からは、最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみではなく、最外周全ての燃料棒について第2の燃料棒11として除熱効率を改善した方が良く、図3の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。
【0049】
なお、本第2実施の形態は、各サブバンドル9内にウォータロッドを2本含み、各サブバンドル9の燃料棒配列が8行8列で燃料集合体全体としては16行16列とした大型燃料集合体6に適用した例であるが、上記の特性はこれに限定されるものではなく、ウォータロッドの本数や形状、配置、仕切り板の有無、燃料棒の格子配列は設計によって異なる。9行9列や10行10列のサブバンドルからなる大型燃料や、サブバンドル構造を有しない8行8列、9行9列や10行10列の燃料集合体であっても、第2の燃料棒11を最外周に配置すれば同様の効果が得られる。
【0050】
[第3の実施の形態]
図4は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第3実施の形態の横断面図である。本第3実施の形態では、前記図13に示した燃料集合体と同様に、大型燃料集合体6は仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されており、各サブバンドル9の燃料棒配列は8行8列、燃料集合体全体としては16行16列となっている。サブバンドル9は第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および2本の太径ウォータロッド3を格子状に束ねて構成されている。また、大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として大型制御棒7が配置されている。
【0051】
ここで、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きい(d3>d4)。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしたのは、大型燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0052】
また、第2の燃料棒11の外径d2は第1の燃料棒10の外径d1より小さい(d2<d1)。さらに、第1の燃料棒10はサブバンドル9の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11はサブバンドル9の最外周に配置している。
【0053】
一般に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下する。さらに、本第3実施の形態では各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしているため、サブバンドル9間の対向する位置の燃料棒の出力が高くなりやすい。さらに、冷却材が燃料棒間ピッチの広いサブバンドル間の領域に集まりやすく、サブバンドル内の内部領域や燃料集合体最外周部の冷却材流量が減少し、最小限界出力比がさらに低下することとなる。
【0054】
本第2実施の形態では、第1の燃料棒10より細い第2の燃料棒11を大型燃料集合体6の最外周燃料棒に加え、各サブバンドル9間の対向する位置にも配置しているため、各サブバンドル9間の対向する位置の燃料棒でも除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0055】
また、一般に、H/U比が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。本第3実施の形態ではサブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくすることで、サブバンドル9間の対向する燃料棒の反応度が相対的に大きくなるとともに当該燃料棒周辺の領域のH/Uが大きくなり、炉停止余裕が改善する。
【0056】
さらに、サブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、サブバンドル9の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0057】
なお、図4の例で、各サブバンドル9の最外周のみに第2の燃料棒11を配置したのは、最も効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11をサブバンドル9の最外周にのみ配置したためである。
【0058】
また、図4の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。原子炉の運転制限値の一つである最大線出力密度に直接影響を与える局所ピーキング係数を改善する観点からは、燃料棒配列の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみを第2の燃料棒11とすればよいが、最小限界出力比に直接影響を与える除熱の観点からは、最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみではなく、最外周全ての燃料棒について第2の燃料棒11として除熱効率を改善した方が良く、図4の例では最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。
【0059】
なお、本第3実施の形態は、各サブバンドル9内にウォータロッドを2本含み、各サブバンドル9の燃料棒配列が8行8列で燃料集合体全体としては16行16列とした大型燃料集合体6に適用した例であるが、上記の特性はこれに限定されるものではなく、ウォータロッドの本数や形状、配置、仕切り板の有無、燃料棒の格子配列は設計によって異なる。9行9列や10行10列のサブバンドルからなる大型燃料や、サブバンドル構造を有しない8行8列、9行9列や10行10列の燃料集合体であっても、第2の燃料棒11を最外周に配置すれば同様の効果が得られる。
【0060】
[第4の実施の形態]
図5は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第4実施の形態の横断面図である。この実施の形態では、前記図13に示した燃料集合体と同様に、大型燃料集合体6は仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されており、各サブバンドル9の燃料棒配列は8行8列、燃料集合体全体としては16行16列となっている。各サブバンドル9は第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および2本の太径ウォータロッド3を格子状に束ねて構成されている。また、大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として大型制御棒7が配置されている。
【0061】
ここで、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きい(d3>d4)。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしたのは、大型燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0062】
また、第2の燃料棒11の外径d2は第1の燃料棒10の外径d1より小さい(d2<d1)。さらに、第2の燃料棒11はサブバンドル9の最外周燃料棒全ておよび最外周から2層目の燃料棒の一部の燃料棒位置に配置し、第1の燃料棒10は残りの位置に配置している。
【0063】
本第4実施の形態では各サブバンドル9の最外周燃料棒に加え、最外周から2層目の燃料棒についても一部を第2の燃料棒11としており、最小限界出力比および炉停止余裕の改善効果は前記第3実施の形態より大きくなる。第2の燃料棒の本数をさらに増やせば改善効果はさらに大きくなるが、第2の燃料棒11の本数を増やすと燃料集合体内に装荷される核燃料物質量が減少するため、燃料経済性上好ましくない。したがって、第2の燃料棒11の本数は必要以上に多くしない方が良く、図5の例では、最も効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11をサブバンドル9の最外周および最外周から2層目の一部にのみ配置している。
【0064】
また、原子炉の運転制限値の一つである最大線出力密度に直接影響を与える局所ピーキング係数を改善する観点からは、燃料棒配列の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみを第2の燃料棒11とすればよいが、最小限界出力比に直接影響を与える除熱の観点からは、最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみではなく、最外周全ての燃料棒について第2の燃料棒11として除熱効率を改善した方が良く、図5の例では最外周燃料棒に加え最外周から2層目の一部の燃料棒の外径を細くすることにより、隣接する最外周燃料棒の除熱効率をさらに向上している。
【0065】
なお、本第4実施の形態は、各サブバンドル9内にウォータロッドを2本含み、各サブバンドル9の燃料棒配列が8行8列で燃料集合体全体としては16行16列とした大型燃料集合体6に適用した例であるが、上記の特性はこれに限定されるものではなく、ウォータロッドの本数や形状、配置、仕切り板の有無、燃料棒の格子配列は設計によって異なる。9行9列や10行10列のサブバンドルからなる大型燃料や、サブバンドル構造を有しない8行8列、9行9列や10行10列の燃料集合体であっても、第2の燃料棒11をサブバンドル9または燃料集合体の最外周および最外周から2層目の一部に配置すれば同様の効果が得られる。
【0066】
[第5の実施の形態]
図6は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第5実施の形態の横断面図である。この実施の形態は、前記図12に示した燃料集合体と同じ大きさの燃料集合体14に適用した例であり、燃料集合体14は10行10列に配置した第1の燃料棒10、第2の燃料棒11と2本の太径ウォータロッド3より成り、10行10列の燃料棒配列は、さらに四つの5行5列のサブバンドル9より構成される。ただし、サブバンドル9同士を仕切る仕切り板は存在しない。また、燃料集合体14は周囲をチャンネルボックス4で包囲し、燃料集合体14の四つのコーナのうちの一つのコーナ部を中心として十字形制御棒5が配置されている。
【0067】
ここで、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd7はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd8より大きい(d7>d8)。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd7をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd8より大きくしたのは、燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0068】
また、第2の燃料棒11の外径d6は第1の燃料棒10の外径d5より小さい(d6<d5)。さらに、第1の燃料棒10はサブバンドル9の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11はサブバンドル9の最外周に配置している。
【0069】
本第5実施の形態ではサブバンドル9の最外周燃料棒を第2の燃料棒11としているため、前記第1ないし第4の実施の形態と同様に最小限界出力比および炉停止余裕が改善できる。
【0070】
[第6の実施の形態]
図7は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第6実施の形態の横断面図である。この実施の形態では、前記図13に示した燃料集合体と同様に、大型燃料集合体6は仕切り板8により四つのサブバンドル9に分割されており、各サブバンドル9の燃料棒配列は8行8列、燃料集合体全体としては16行16列となっている。サブバンドル9は第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および2本の太径ウォータロッド3を格子状に束ねて構成されている。また、大型燃料集合体6は周囲をチャンネルボックス4で包囲している。
【0071】
さらに、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きい(d3>d4)。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd3をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd4より大きくしたのは、大型燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0072】
また、第2の燃料棒11の外径d2は第1の燃料棒10の外径d1より小さい(d2<d1)。さらに、第1の燃料棒10はサブバンドル9の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11はサブバンドル9の最外周に配置している。
【0073】
一般に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下することとなるが、本第6実施の形態ではサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの冷却材流量が第1の燃料棒10のそれより大きくなり、除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0074】
一方、制御棒に関しては、大型燃料集合体6の四つのコーナのうちの対角位置の二つのコーナ部を中心として十字形制御棒5が配置されており、十字形制御棒5の中心から翼端までの翼幅は、前記図6あるいは図12記載の十字形制御棒5と同じであって、大型燃料集合体6の1辺の長さの0.6倍程度である。
【0075】
一般に、H/U比が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。本第5実施の形態ではサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、サブバンドル9の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0076】
さらに本第6実施の形態ではサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしていることに加え、サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくしている。これにより、サブバンドル9の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uがより局所的に大きくなり、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数がより小さくなり、炉停止余裕がさらに改善する。
【0077】
一方、本第6実施の形態では制御棒の翼幅を大型燃料集合体6の1辺の長さの0.6倍程度としているため、前記図1あるいは図13に示した大型制御棒7を用いた場合より炉停止余裕が低下する。ここで、制御棒の翼幅と停止余裕の関係について説明する。
【0078】
d1=11mm、d2=9mm、d3=24mm、d4=12mmとし、d1とd2の比を1.2程度、d3とd4の比を2程度としている。d1とd2の比、d3とd4の比をこのように設定すると、サブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を細くしていることとサブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくしている効果により、炉停止余裕は、前記図13の大型燃料集合体7に比べ2%Δk程度改善する。そこで、制御棒の翼幅を小さくしたことによる炉停止余裕の低下が2%Δk程度であれば、d1とd2の比を1.2以上かつd3とd4の比を2以上とすることにより、前記図13と同程度あるいはそれ以上の炉停止余裕を有することになる。
【0079】
図8は、大型燃料集合体6に前記図13の大型制御棒7を組み合わせた場合および本第6実施の形態の十字形制御棒5を組み合わせた場合の、制御棒全数引き抜き時、制御棒全数挿入時、最大価値制御棒1本引き抜き時の炉心の実効増倍率を比較したものである。ここで、大型燃料集合体6の1辺の長さは21cm、大型制御棒7の翼幅は18cm、十字形制御棒5の翼幅は12cmである。
【0080】
図8で、破線15で示された円内の3点A1、B1、C1は大型制御棒7の場合、破線16で示された円内の3点A2、B2、C2は十字形制御棒5の場合であり、A1、A2は制御棒全数引き抜き時の炉心の実効増倍率であり、これを基準としてB1、B2は制御棒全数挿入時、C1、C2は最大価値制御棒1本引き抜き時の炉心の実効増倍率をA1、A2からの差として図示したものである。
【0081】
大型制御棒7の場合、制御棒全数挿入時には炉心の実効増倍率は18%Δk程度低下する(点B1)が、本第6実施の形態の十字形制御棒5の場合は、制御棒の翼幅が小さくなっているため制御棒価値が低下し、炉心の実効増倍率の低下は12%Δk程度(点B2)である。また、制御棒全数挿入時から制御棒を1本引き抜くと、大型制御棒7の場合は7%Δk程度炉心の実効増倍率が上昇する(点C1)のに対し、本第6実施の形態の十字形制御棒5の場合の炉心の実効増倍率の上昇は、制御棒の翼幅が小さくなっているため制御棒価値が低下し4%Δk程度(点C2)にとどまる。
【0082】
大型制御棒7と本第6実施の形態の十字形制御棒5の炉停止余裕の差は点C1と点C2の実効増倍率の差として現われるので、制御棒の翼幅を大型燃料集合体6の1辺の長さの0.6倍程度とした場合の炉停止余裕の低下は3%Δk程度となる。
【0083】
図9は、横軸に制御棒の翼幅と燃料集合体の1辺の長さの比をとり、縦軸を炉停止余裕の低下として図示したものである。点Dは大型燃料集合体6および大型制御棒7の組み合わせに相当する点であり、横軸の位置は、大型燃料集合体6の1辺の長さ21cmと大型制御棒7の翼幅は18cmの比(約0.86)となっている。点Eは大型燃料集合体6と十字形制御棒5の組み合わせに相当し、点Dの炉停止余裕を基準として、図8に示した炉停止余裕の低下3%Δkおよび制御棒の翼幅と燃料集合体の1辺の長さの比0.6よりプロットした点である。図9より、炉停止余裕の低下が2%Δk程度である制御棒翼幅は、燃料集合体1辺の長さの0.7倍程度であることがわかる。
【0084】
以上より、サブバンドル9の最外周に燃料棒径を細くした第2の燃料棒11を配置しサブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくしておけば、制御棒翼幅を燃料集合体1辺の長さの0.7倍、あるいは多めに見積もっても概略3/4程度としておけば、前記図13の大型燃料集合体および大型制御棒7の組み合わせと同程度の炉停止余裕が得られることになる。
【0085】
なお、本第6実施の形態では、制御棒の翼幅を大型燃料集合体6の1辺の長さの0.6倍程度としており、前記図13の大型燃料集合体および大型制御棒7の組み合わせより炉停止余裕が1%Δk程度低下することとなるが、通常の炉心設計においては、燃料に含入するガドリニアの濃度を調整し、あるいは特定の制御棒周りに反応度の高い燃料集合体が集中しないように炉心の燃料集合体配置を調整することにより、容易に炉停止余裕を2〜3%Δk程度以上にできる場合も多く、この場合には炉停止余裕が1%Δk程度低下しても炉停止余裕は1〜2%Δk程度となり、設計条件を満足できる。
【0086】
また、本第6実施の形態で制御棒の翼幅を大型燃料集合体6の1辺の長さの0.6倍程度としたのは、前記従来技術の図12に示した十字形制御棒5と同じ翼幅の制御棒を組み合わせたためであり、燃料集合体を大型化して炉心の燃料装荷体数を削減しプラント建設コストを削減できるとともに、従来技術の制御棒を用いることができるため制御棒の製造コストを削減できるという利点もある。
【0087】
なお、図7では、サブバンドル9の最外周のみに第2の燃料棒11を配置する例を示したが、サブバンドル9の最外周に加え、サブバンドル9の最外周から2層目の燃料棒についても一部または全てを第2の燃料棒11とすれば、最小限界出力比および炉停止余裕の改善効果は大きくなる。第2の燃料棒の本数をさらに増やせば改善効果はさらに大きくなるが、第2の燃料棒11の本数を増やすと燃料集合体内に装荷される核燃料物質量が減少するため、燃料経済性上好ましくない。したがって、第2の燃料棒11の本数は必要以上に多くしない方が良く、図7の例では、最も効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11をサブバンドル9の最外周にのみ配置している。
【0088】
また、図7の例ではサブバンドル9の最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。燃料棒出力は最外周燃料棒が高くなりやすく、最外周燃料棒の中でもコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒は中性子の減速効果により、特に燃料棒の出力が高くなりやすい。原子炉の運転制限値の一つである最大線出力密度に直接影響を与える局所ピーキング係数を改善する観点からは、サブバンドル9の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみを第2の燃料棒11とすることが最も効果的であるが、最小限界出力比は、当該燃料棒の出力のみではなく、周囲の燃料棒配置にも影響を受ける。
【0089】
すなわち、コーナ部の燃料棒は周囲4方向の内2方向のみに燃料棒が配置され、残り2方向はチャンネルボックスあるいは仕切り板に面しているのに対し、コーナ部以外の燃料棒は周囲4方向の内3方向に燃料棒が配置され、周囲の燃料棒からの発熱によるボイド発生により冷却材割合が減少し、除熱効率がコーナ部の燃料棒より悪くなっている。そのため、最小限界出力比に直接影響を与える除熱の観点からは、サブバンドル9の最外周のコーナ部およびコーナ部に隣接する燃料棒のみではなく、サブバンドル9の最外周全ての燃料棒について第2の燃料棒11として除熱効率を改善した方が良く、図7の例ではサブバンドル9の最外周燃料棒全てを第2の燃料棒11としている。
【0090】
なお、本第6実施の形態は、各サブバンドル9内にウォータロッドを2本含み、各サブバンドル9の燃料棒配列が8行8列で燃料集合体全体としては16行16列とした大型燃料集合体6に適用した例であるが、上記の特性はこれに限定されるものではなく、ウォータロッドの本数や形状、配置、仕切り板の有無、燃料棒の格子配列は設計によって異なる。9行9列や10行10列のサブバンドルからなる大型燃料や、サブバンドル構造を有しない8行8列、9行9列や10行10列の燃料集合体であっても、第2の燃料棒11を最外周に配置すれば同様の効果が得られる。
【0091】
[第7の実施の形態]
図10は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第7実施の形態の横断面図である。本第7実施の形態では、燃料集合体の大きさは前記図12の燃料集合体1と同じであり。燃料集合体14は、第1の燃料棒10、第2の燃料棒11と2本の太径ウォータロッド3を四つのサブバンドル9に分割して格子状に束ねて構成され、燃料集合体全体としては10行10列となっている。また、燃料集合体14は周囲をチャンネルボックス4で包囲している。
【0092】
また、各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd7はサブバンドル内の燃料棒間ピッチd8より大きくしている。すなわちd7>d8としている。各サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチd7をサブバンドル内の燃料棒間ピッチd8より大きくしたのは、燃料集合体の内部に燃料棒間ピッチを広くとった領域を設けることにより、燃料の反応度を増加し、燃料経済性を向上させるためである。
【0093】
また、第2の燃料棒11の外径は第1の燃料棒10の外径より小さくしている。すなわち、第2の燃料棒11の外径をd6、第1の燃料棒10の外径をd5とすると、d6<d5である。さらに、第1の燃料棒10はサブバンドル9の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11はサブバンドル9の最外周に配置している。
【0094】
一般に燃料集合体の最外周およびその周辺の燃料棒においてはチャンネルボックス外を流れる水により中性子が効果的に減速されるため、燃料棒の出力が高くなりやすく、最小限界出力比が低下することとなるが、本第7実施の形態では最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの冷却材流量が第1の燃料棒10のそれより大きくなり、除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0095】
一方、制御棒に関しては、燃料集合体1の四つのコーナのうちの一つのコーナ部を中心として十字型制御棒17が配置されており、十字型制御棒17の中心から翼端までの翼幅は、燃料集合体1の1辺の長さの0.75倍程度である。
【0096】
一般に、H/U比が大きくなるとボイド反応度係数が小さくなり、運転時から冷温停止時に移行してボイドが消滅したときの反応度上昇量が低下するため炉停止余裕が改善する。本第7実施の形態ではサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、サブバンドル9の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uを局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数が小さくなり、炉停止余裕が改善する。
【0097】
さらに本第7実施の形態ではサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径をサブバンドル9の最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしていることに加え、サブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくすることで、サブバンドル9の最外周燃料棒周辺の領域のH/Uをより局所的に大きくしており、当該燃料棒は燃料集合体内で相対的に反応度が大きいため、燃料集合体平均としてもボイド係数がより小さくなり、炉停止余裕がさらに改善する。
【0098】
ここで、本第7実施の形態では制御棒の翼幅を燃料集合体1の1辺の長さの0.75倍程度としているため、図9に示した制御棒の翼幅と炉停止余裕の関係より、前記図12の十字型制御棒5を用いた場合より炉停止余裕が1.5%Δk程度低下する。
【0099】
一方、d5=11mm、d6=9mm、d7=24mm、d8=12mmとすることにより、前記第6実施の形態の場合と同じく、d5とd6の比を1.2以上にサブバンドル9の最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を細くしていることと、d7とd8の比を2以上とサブバンドル9間の対向する燃料棒間ピッチをサブバンドル9内の燃料棒間ピッチより大きくしている効果により、炉停止余裕は、前記図12の燃料集合体1に比べ2%Δk程度改善する。したがって、本第7実施の形態では前記図12の燃料集合体1と十字型制御棒5の組み合わせに比べ、炉停止余裕が0.5%Δk程度改善することとなり、設計条件を満足できる。
【0100】
[第8の実施の形態]
図11は、本発明に係る燃料集合体および十字形制御棒の第8実施の形態の横断面図である。本第8実施の形態では、燃料集合体18の1辺の長さは前記図12の燃料集合体1の1.2倍としており、第1の燃料棒10、第2の燃料棒11および3本の太径ウォータロッド3を12行12列の格子状に束ねて構成され、燃料集合体18は周囲をチャンネルボックス4で包囲している。また、第2の燃料棒11の外径d12は第1の燃料棒10の外径d11より小さい(d12<d11)。さらに、第1の燃料棒10は燃料集合体18の最外周以外の位置に配置し、第2の燃料棒11は燃料集合体18の最外周に配置している。
【0101】
本第8実施の形態では最外周に配置した第2の燃料棒11の燃料棒径を最外周以外の位置に配置した第1の燃料棒10より細くしているため、第2の燃料棒11の燃料棒1本当たりの冷却材流量が第1の燃料棒10のそれより大きくなり、除熱効率が向上して最小限界出力比が改善する。
【0102】
一方、制御棒に関しては、燃料集合体18の四つのコーナのうちの一つのコーナ部を中心として十字形制御棒5が配置されている。十字形制御棒の翼幅は12cmであり、燃料集合体18の1辺の長さは14cm×1.2=16.8cmであるので、十字形制御棒5の中心から翼端までの翼幅は、燃料集合体18の1辺の長さの0.71倍程度である。
【0103】
制御棒の翼幅を燃料集合体18の1辺の長さの0.71倍程度としたことによる炉停止余裕の低下幅は、図9に示した制御棒の翼幅と炉停止余裕の関係より、従来技術の場合である制御棒の翼幅を燃料集合体1辺の長さの0.86倍とした場合より炉停止余裕が2%程度低下する。一方、最外周燃料棒を細径としたことによる炉停止余裕の改善効果1%Δk程度である。したがって、本第7実施の形態では前記図12の燃料集合体1と十字形制御棒5の組み合わせに比べ、炉停止余裕が1%Δk程度低下することとなる。
【0104】
通常の炉心設計においては、燃料に含入するガドリニアの濃度を調整し、あるいは特定の制御棒周りに反応度の高い燃料集合体が集中しないように炉心の燃料集合体配置を調整することにより、容易に炉停止余裕を2〜3%Δk程度以上とできる場合も多く、この場合には炉停止余裕が1%Δk程度低下しても炉停止余裕は1〜2%Δk程度となり、設計条件を満足できる。
【0105】
また、本第8実施の形態で制御棒の翼幅を燃料集合体18の1辺の長さの0.71倍程度としたのは、前記従来技術の図12に示した十字形制御棒5と同じ翼幅の制御棒を組み合わせたためであり、燃料集合体の1辺の長さを1.2倍に大型化して炉心の燃料装荷体数を削減しプラント建設コストを削減できるとともに、従来技術の制御棒を用いることができるため制御棒の製造コストを削減できるという利点もある。
【0106】
なお、図11では、燃料集合体18の最外周のみに第2の燃料棒11を配置する例を示したが、最外周に加え、最外周から2層目の燃料棒についても一部または全てを第2の燃料棒11とすれば、最小限界出力比および炉停止余裕の改善効果は大きくなる。第2の燃料棒の本数をさらに増やせば改善効果はさらに大きくなるが、第2の燃料棒11の本数を増やすと燃料集合体内に装荷される核燃料物質量が減少するため、燃料経済性上好ましくない。したがって、第2の燃料棒11の本数は必要以上に多くしない方が良く、図11の例では、最も効果的に最小限界出力比および炉停止余裕を改善する位置として、第2の燃料棒11を最外周にのみ配置している。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、沸騰水型原子炉の炉心で、最小限界出力比および炉停止余裕を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第1の実施の形態を示す横断面図。
【図2】図1の燃料集合体の第1の燃料棒と第2の燃料棒の流路面積を示す横断面図。
【図3】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第2の実施の形態を示す横断面図。
【図4】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第3の実施の形態を示す横断面図。
【図5】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第4の実施の形態を示す横断面図。
【図6】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第5の実施の形態を示す横断面図。
【図7】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第6の実施の形態を示す横断面図。
【図8】図7の燃料集合体と制御棒で、制御棒全数引き抜き時、制御棒全数挿入時、制御棒1本引き抜き時の炉心の実効増倍率を示す説明図。
【図9】図7の燃料集合体と制御棒で、制御棒の翼幅と燃料集合体の1辺の長さの比対炉停止余裕の低下の関係を示すグラフ。
【図10】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第7の実施の形態を示す横断面図。
【図11】本発明に係る燃料集合体と制御棒の第8の実施の形態を示す横断面図。
【図12】従来の燃料集合体と制御棒を示す横断面図。
【図13】従来の他の燃料集合体と制御棒を示す横断面図。
【符号の説明】
1,6,14,18…燃料集合体、2…燃料棒、3…ウォータロッド、4…チャンネルボックス、5,7,17…制御棒、8…仕切り板、9…サブバンドル、10…第1の燃料棒、11…第2の燃料棒、12…第1の燃料棒の流路面積、13…第2の燃料棒の流路面積、15,16…実効増倍率を示す点。
Claims (8)
- 正方格子状に束ねた複数の燃料棒と、前記複数の燃料棒の側部全体を覆うほぼ正方形の断面形状を有するチャンネルボックスとを有する沸騰水型原子炉用の燃料集合体において、
前記燃料棒は、第1の外径を有する複数の第1の燃料棒と、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する複数の第2の燃料棒とを含み、
前記燃料集合体の少なくとも最外周には前記第2の燃料棒が配置され、
前記燃料集合体の最外周から少なくとも3列目から内側には前記第1の燃料棒が配置されていること、
を特徴とする燃料集合体。 - 請求項1に記載の燃料集合体において、前記第2の燃料棒は前記燃料集合体の最外周に配置され、前記第1の燃料棒は前記燃料集合体の最外周以外の位置に配置されていること、を特徴とする燃料集合体。
- 請求項1または2に記載の燃料集合体において、前記複数の燃料棒は、正方格子状に配置された複数の燃料棒を有する複数のサブバンドルを構成すること、を特徴とする燃料集合体。
- 正方格子状に束ねた複数の燃料棒と、前記複数の燃料棒の側部全体を覆うチャンネルボックスとを有する沸騰水型原子炉用の燃料集合体において、
前記複数の燃料棒は、正方格子状に配置された複数の燃料棒を有する複数のサブバンドルを構成し、
前記各サブバンドルの燃料棒は、第1の外径を有する複数の第1の燃料棒と、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する複数の第2の燃料棒とを含み、前記第1の燃料棒が前記各サブバンドルの最外周以外の領域に配置され、前記第2の燃料棒が前記各サブバンドルの最外周に配置されていること、
を特徴とする燃料集合体。 - 請求項4に記載の燃料集合体において、前記第2の燃料棒が前記各サブバンドルの最外周の全ておよび最外周から2層目の少なくとも一部に配置され、前記燃料集合体の最外周から少なくとも3列目から内側には前記第1の燃料棒が配置されていること、を特徴とする燃料集合体。
- 請求項3ないし5のいずれかに記載の燃料集合体において、前記サブバンドルをまたがって互いに隣接する前記燃料棒間の間隔がその他の燃料棒間の間隔よりも大きいこと、を特徴とする燃料集合体。
- 請求項3ないし6のいずれかに記載の燃料集合体において、前記チャンネルボックスの内部を前記サブバンドルごとに仕切る仕切り板を有すること、を特徴とする燃料集合体。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の燃料集合体の複数個を直立させて水平面内で正方格子状に配列し、2行2列で互いに隣接する4個の前記燃料集合体の間に、互いにほぼ直角をなして放射状に延びる互いにほぼ同じ長さの4枚の翼を有し水平断面が十字形の制御棒を挿入および引き抜きが可能なように配置した沸騰水型原子炉の炉心において、
前記制御棒は、十字形の中心から前記翼の先端までの長さが前記燃料集合体の1辺の長さのほぼ3/4以下であること、を特徴とする炉心。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002187855A JP2004028879A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 燃料集合体および炉心 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002187855A JP2004028879A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 燃料集合体および炉心 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004028879A true JP2004028879A (ja) | 2004-01-29 |
Family
ID=31182761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002187855A Withdrawn JP2004028879A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 燃料集合体および炉心 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004028879A (ja) |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002187855A patent/JP2004028879A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004507711A (ja) | 改良された核燃料集合体 | |
JPH04128688A (ja) | 燃料集合体 | |
US6643350B2 (en) | Fuel assembly | |
JP2510565B2 (ja) | 原子炉の燃料集合体 | |
EP3547329B1 (en) | Fuel assembly | |
JP3514869B2 (ja) | 沸騰水型原子炉用燃料集合体 | |
JP2004028879A (ja) | 燃料集合体および炉心 | |
JP3339768B2 (ja) | 軽水型原子炉炉心 | |
JP2000284081A (ja) | 核燃料集合体及び沸騰水型原子炉の炉心 | |
JP4351798B2 (ja) | 燃料集合体および原子炉 | |
JP3075749B2 (ja) | 沸騰水型原子炉 | |
JP2507408B2 (ja) | 燃料集合体 | |
JP3309797B2 (ja) | 燃料集合体 | |
JP3894784B2 (ja) | 沸騰水型原子炉の燃料装荷方法 | |
JP3572048B2 (ja) | 燃料集合体及び原子炉の炉心 | |
JPH11101888A (ja) | 燃料集合体及び原子炉の炉心 | |
JP3788170B2 (ja) | 燃料集合体及び原子炉炉心 | |
JPH0816711B2 (ja) | 燃料集合体 | |
JP2002189094A (ja) | 沸騰水型原子炉用燃料集合体 | |
JPH04296693A (ja) | 原子炉の炉心 | |
JP2005098924A (ja) | Mox燃料集合体 | |
JP3597596B2 (ja) | 燃料集合体 | |
JP2626841B2 (ja) | 沸騰水型原子炉用燃料集合体 | |
JP2002196090A (ja) | 燃料集合体 | |
JPH0534479A (ja) | 燃料集合体及び炉心 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050906 |