JP2004028363A - ヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置 - Google Patents

ヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒートポンプ式給湯機の凍結防止を、熱効率よく、かつ低コストで行うことができるようにしたヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置を提供すること。
【解決手段】循環用ポンプ31により貯湯槽1の水を循環させることによって、貯湯槽1内の水をヒートポンプ部2のガスクーラ21において加熱し、高温の湯を貯湯槽1内に貯湯するようにしたヒートポンプ式給湯機において、水加熱部3の水循環用配管32、33に、貯湯槽1と並列的に配管するバイパス回路34を三方切換弁6を介して配設し、外気温が所定温度以下となったとき、三方切換弁6の切り換えによりガスクーラ21とバイパス回路34内に湯を循環させるようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、炭酸ガス冷媒を使用したヒートポンプ式給湯機は、図2に示すように、ガスクーラ21、圧縮機22、蒸発器用ファン24を備えた蒸発器23及び膨張弁25から構成したヒートポンプ部2を、冷媒としての炭酸ガス(CO)が循環するようにするとともに、貯湯槽1に水加熱部3を構成する水循環用配管32、33を接続し、この水循環用配管32、33の途中に循環用ポンプ31を配設し、循環用ポンプ31により貯湯槽1の水を循環させることによって、貯湯槽1内の水をヒートポンプ部2のガスクーラ21において加熱し、貯湯槽1に配設した複数のサーミスタ71,72,73,74,7nにて設定温度を検出するまで貯湯槽1内に高温の湯を貯湯するようにしている。
そして、給湯部4で湯を使う場合には、蛇口42等を操作することにより、貯湯槽1の下部に接続した給水管5から供給される水によって貯湯槽1内に貯留された湯を押し上げ、貯湯槽1の上部に接続した配管41を介して、貯湯槽1内の湯を取り出すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このヒートポンプ式給湯機を寒冷地で使用する場合には、ヒートポンプ部2の非稼働時に、水加熱部3の循環用ポンプ31や水循環用配管32、33内に残留する水が凍結し、ヒートポンプ式給湯機の円滑な稼働が阻害されたり、ヒートポンプ式給湯機が破損することがないように、水加熱部3の循環用ポンプ31や水循環用配管32、33をヒータで加熱するようにしている。
【0004】
しかしながら、この場合、水加熱部3の循環用ポンプ31や水循環用配管32、33を加温するためのヒータの配設作業に手数を要するという問題に加え、ヒータによる加温は適度の加温が困難であるだけでなく、熱損失が多く、熱効率が悪いため、ヒートポンプ式給湯機の初期コスト及び維持コストが上昇するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来のヒートポンプ式給湯機の有する問題点に鑑み、ヒートポンプ式給湯機の凍結防止を、熱効率よく、かつ低コストで行うことができるようにしたヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置は、循環用ポンプにより貯湯槽の水を循環させることによって、貯湯槽内の水をヒートポンプ部のガスクーラにおいて加熱し、高温の湯を貯湯槽内に貯湯するようにしたヒートポンプ式給湯機において、水加熱部の水循環用配管に、貯湯槽と並列的に配管するバイパス回路を三方切換弁を介して配設し、外気温が所定温度以下となったとき、前記三方切換弁の切り換えによりガスクーラとバイパス回路内に湯を循環させるようにしたことを特徴とする。
【0007】
このヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置は、水加熱部の水循環用配管に、貯湯槽と並列的に配管するバイパス回路を三方切換弁を介して配設し、外気温が所定温度以下となったとき、前記三方切換弁の切り換えによりガスクーラとバイパス回路内に湯を循環させるようにしているから、寒冷期において凍結しやすい水循環用配管や循環用ポンプ内に残留する水も、強制的に循環流通されるので、凍結を未然に防止することができる。
また、水循環用配管や循環用ポンプ内に残留する水のもつ熱エネルギを利用するようにしているので、コストを低廉することができる。
【0008】
この場合において、ガスクーラとバイパス回路内に湯を循環させるために、循環用ポンプを定期的に運転するようにすることができる。
【0009】
これにより、循環用ポンプの運転エネルギを節約することができる。
【0010】
また、ガスクーラとバイパス回路内の湯が、所定温度より低下した場合、ヒートポンプ部を一時稼働し、ガスクーラによって再加熱するようにすることができる。
【0011】
これにより、ガスクーラとバイパス回路内に湯の温度の低下を防止し、ヒートポンプ式給湯機の凍結を確実に防止することができるとともに、必要以上に水を加熱することがないため、熱効率が良好となり、ヒートポンプ式給湯機の維持コストを低廉にできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1に、本発明のヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置の一実施例を示す。
このヒートポンプ式給湯機は、従来のヒートポンプ式給湯機と同様、ガスクーラ21、圧縮機22、蒸発器用ファン24を備えた蒸発器23及び膨張弁25から構成したヒートポンプ部2を、冷媒としての炭酸ガス(CO)が循環するようにするとともに、貯湯槽1に水加熱部3を構成する水循環用配管32、33を接続し、この水循環用配管32、33の途中に循環用ポンプ31を配設し、循環用ポンプ31により貯湯槽1の水を循環させることによって、貯湯槽1内の水をヒートポンプ部2のガスクーラ21において加熱し、高温の湯を貯湯槽1内に貯湯するようにしている。
【0014】
そして、給湯部4で湯を使う場合には、蛇口42等を操作することにより、貯湯槽1の下部に接続した給水管5から供給される水によって貯湯槽1内に貯留された湯を押し上げ、貯湯槽1の上部に接続した配管41を介して、貯湯槽1内の湯を取り出すようにしている。
【0015】
本実施例のヒートポンプ式給湯機においては、水加熱部3の水循環用配管32,33間に、貯湯槽1と並列的に配管するバイパス回路34を三方切換弁6を介して配設し、貯湯槽の湯温が設定温度に達するまで、貯湯槽1内の湯を沸き上げるようにし、設定温度に達したとき、沸き上げを停止する。
【0016】
そして、寒冷期において、外気温が所定温度以下となったとき、三方切換弁6を切り換えることにより水循環用配管32,33の一部を介してバイパス回路34との間に湯を循環させることができるようにするため、水循環用配管32,33間に配管するバイパス回路34と一方の水循環用配管33との接続部に三方切換弁6を、またこのバイパス回路34を経た後、ガスクーラ21に至る水循環用配管32内に循環用ポンプ31を配設するようにしている。
【0017】
なお、このバイパス回路34の水循環用配管32,33との接続位置を、貯湯槽1にできるだけ近接するのが望ましい。これにより、貯湯槽1より外部に突出され、外気温の影響を受けやすい水循環用配管32,33内の水の凍結をより確実に防止することができる。
【0018】
これにより、ヒートポンプ部2の稼働時には、従来のヒートポンプ式給湯機と同様、循環用ポンプ31により貯湯槽1の水を、水循環用配管32,ガスクーラ21,水循環用配管33の順方向に循環させることによって、貯湯槽1内の水をヒートポンプ部2のガスクーラ21において加熱し、高温の湯を貯湯槽1内に貯湯することができる。
【0019】
また、寒冷期においては、ヒートポンプ部2の稼働により、設定された高温の湯を貯湯槽1内に貯湯され、沸き上げが完了すると、ヒートポンプ部2の稼働を停止する。
そして、三方切換弁6を切り換え、ガスクーラ21とバイパス回路34とが接続されるようにした状態で、ガスクーラ21とバイパス回路34内に湯を循環させるために、循環用ポンプ31を定期的に、特に限定されるものではないが、数分〜十数分程度ごとに、数分程度運転するようにすることにより、バイパス回路34、循環用ポンプ31及びガスクーラ21間を循環する湯の温度が、例えば、5〜20℃以上を保つようにする。
これにより、循環用ポンプ31にて、湯を、ガスクーラ21とバイパス回路34間を強制的に循環させることによって、この循環する湯の持つ熱エネルギにて、水加熱部3の循環用ポンプ31、バイパス回路34や水循環用配管32,33内の水が流動して凍結を防止することができる。
【0020】
そして、バイパス回路34、循環用ポンプ31及びガスクーラ21間を循環する湯の温度が、所定温度、例えば、5℃より低下した場合、ヒートポンプ部2を一時稼働し、ガスクーラ21によって、バイパス回路34、循環用ポンプ31及びガスクーラ21間を循環する湯を再加熱するようにすることができる。
なお、ガスクーラ21とバイパス回路34内の湯温を測定するために、例えば、バイパス回路34に温度センサ35を配設するようにする。
これにより、バイパス回路34、循環用ポンプ31及びガスクーラ21間を循環する湯の温度の低下を防止し、ヒートポンプ式給湯機の凍結を確実に防止することができるとともに、必要以上に水を加熱することがないため、熱効率が良好となり、ポンプ式給湯機の維持コストを低廉にできるものとなる。
【0021】
なお、本実施例のヒートポンプ式給湯機においては、ガスクーラ21から出た高温の湯を貯湯槽1に導入するための水循環用配管33を、貯湯槽1の頂部に接続するようにしたが、これは特に限定されることなく、貯湯槽1の頂部よりやや下方に接続することにより、水循環用配管33の貯湯槽1への接続位置よりも上方の貯湯槽1内の湯の温度を対流により均一に上昇させることができるようにすることもできる。
また、水循環用配管33を分岐し、分岐した一方の水循環用配管を、電磁弁を介して、貯湯槽1の頂部に接続し、他方の水循環用配管を、電磁弁を介して、貯湯槽1の頂部よりやや下方に接続するようにすることもできる。
【0022】
また、このヒートポンプ式給湯機を風呂の追い焚き等のために利用することができるように、貯湯槽1の上部に間接加熱回路の熱交換部を配設し、この間接加熱回路を介して風呂の湯を循環させることにより、風呂の湯等を貯湯槽1に貯留した高温の湯で間接的に加熱するようにすることもできる。
なお、間接加熱回路の熱交換部は、貯湯槽内に配設するほか、貯湯槽1外に配設し、熱交換部と貯湯槽を循環用ポンプを配設した配管で接続するようにすることもできる。
【0023】
また、本実施例においては、バイパス回路の一端側の水循環用配管33との接続部に三方切換弁6を配設しているが、水循環用配管32との接続部にも三方切換弁6と連動するようにした電磁弁等を配設することもできる。
【0024】
以上、本発明のヒートポンプ式給湯機について、一実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、また、適用対象も、例えば、間接加熱回路を風呂の追い焚きのほか、暖房用として用いたり、ヒートポンプ部の冷媒に炭酸ガス冷媒以外の冷媒を使用したヒートポンプ式給湯機に適用できる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成及び適用対象を変更することができるものである。
【0025】
【発明の効果】
本発明のヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置によれば、水加熱部の水循環用配管に、貯湯槽と並列的に配管するバイパス回路を三方切換弁を介して配設し、外気温が所定温度以下となったとき、前記三方切換弁の切り換えによりガスクーラとバイパス回路内に湯を循環させるようにしているから、寒冷期において凍結しやすい水循環用配管や循環用ポンプ内に残留する水も、強制的に循環流通されるので、凍結を未然に防止することができる。
また、水循環用配管や循環用ポンプ内に残留する水のもつ熱エネルギを利用するようにしているので、コストを低廉することができる。
【0026】
また、ガスクーラとバイパス回路内に湯を循環させるために、循環用ポンプを定期的に運転するようにすることにより、循環用ポンプの運転エネルギを節約することができる。
【0027】
また、ガスクーラとバイパス回路内の湯が、所定温度より低下した場合、ヒートポンプ部を一時稼働し、ガスクーラによって再加熱するようにすることにより、ガスクーラとバイパス回路内に湯の温度の低下を防止し、ヒートポンプ式給湯機の凍結を確実に防止することができるとともに、必要以上に水を加熱することがないため、熱効率が良好となり、ヒートポンプ式給湯機の維持コストを低廉にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置の一実施例を示す説明図である。
【図2】従来のヒートポンプ式給湯機を示す説明図である。
【符号の説明】
1  貯湯槽
2  ヒートポンプ部
21 ガスクーラ
22 圧縮機
23 蒸発器
24 蒸発器用ファン
25 膨張弁
3  水加熱部
31 循環用ポンプ
32 水循環用配管
33 水循環用配管
34 バイパス回路
35 温度センサ
4  給湯部
41 配管
42 蛇口
5  給水管
6  三方切換弁
7  サーミスタ

Claims (3)

  1. 循環用ポンプにより貯湯槽の水を循環させることによって、貯湯槽内の水をヒートポンプ部のガスクーラにおいて加熱し、高温の湯を貯湯槽内に貯湯するようにしたヒートポンプ式給湯機において、水加熱部の水循環用配管に、貯湯槽と並列的に配管するバイパス回路を三方切換弁を介して配設し、外気温が所定温度以下となったとき、前記三方切換弁の切り換えによりガスクーラとバイパス回路内に湯を循環させるようにしたことを特徴とするヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置。
  2. ガスクーラとバイパス回路内に湯を循環させるために、循環用ポンプを定期的に運転するようにしたことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置。
  3. ガスクーラとバイパス回路内の湯が、所定温度より低下した場合、ヒートポンプ部を一時稼働し、ガスクーラによって再加熱するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のヒートポンプ式給湯機における凍結防止装置。
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