JP2004027333A - 快削鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛を用いることなしに、しかも圧延のままで被削性に優れる快削鋼について提案する。
【解決手段】C:0.15mass%未満、Si:0.1mass%未満、Mn:0.1〜4.0mass%、S:0.05〜0.5mass%、P:0.2mass%以下、Nb:0.1mass%以下およびO:0.0015〜0.050mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる、成分組成に調整し、かつ組織中の擬ポリゴナルフェライトを面積率で5%以上とする。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、切削加工において工具寿命および切りくず処理性等の被削性に優れた快削鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、切削加工時の工具寿命および切りくず処理性に優れた快削鋼としては、JIS G4804に規定されている硫黄快削鋼および鉛快削鋼、あるいはその他としてカルシウム快削鋼、テルル快削鋼、セレン快削鋼またはビスマス快削鋼等、種々の快削鋼が開発されている。なかでも、鉛快削鋼は被削性に優れ、しかもテルル、ビスマス等に比較して経済的なことから、快削鋼として多用されている。しかし、鉛は人体に有害であることから、鋼材の製造工程のみならず、それを用いた機械部品の製造工程において、大がかりな排気設備を必要とし、また鋼材のリサイクル面でも問題があった。このため、従来、鉛を添加せずに鉛添加鋼と同等程度の被削性を有する快削鋼の開発が望まれていた。
【0003】
上記の要請に応えるものとして、例えば特開昭50−96416号公報では、鋼中のCを黒鉛として存在させ、この黒鉛の切欠き潤滑作用を利用することによって、鉛を用いることなしに被削性を改善する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、鋼中のCを黒鉛化する必要上、その前処理として熱処理が不可欠であり、必ずしも経済的な方法とはいえなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、鉛を用いることなしに、しかも圧延のままで被削性に優れる快削鋼について提案することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、鉛を添加せずとも圧延のままで鉛添加鋼と同等の被削性を有する鋼材の組成について鋭意検討したところ、被削性の向上には、組織中に面積率で5%以上の擬ポリゴナルフェライトを含有させることが有効であることを見出した。
【0006】
ここで、擬ポリゴナルフェライトとは、日本鉄鋼協会基礎研究会ベイナイト調査委員会において定義されている組織であり、低炭素鋼においてフェライトよりもせん断的に変態し、マルテンサイトよりも拡散的に変態した組織である。すなわち、光学顕微鏡で観察される組織的に言えば、通常のフェライト(ポリゴナルフェライト)が比較的滑らかな粒界を持つのに対し、擬ポリゴナルフェライトは粒界が不規則に角ばった形状となる。また、擬ポリゴナルフェライトは、ポリゴナルフェライトに比べ転位を多く含み、転位密度が高い。
【0007】
この擬ポリゴナルフェライトは、切削時に切りくずが生成した際に、鋼材のせん断変形を容易にする作用があるため、切りくず生成を容易にして切削抵抗を減少させ工具寿命および切りくず処理性等の切削性を向上させる作用を有する。なお、擬ポリゴナルフェライト以外の残りの組織は、フェライトやパーライト等いずれの組織でも良く、特に規定する必要はない。
【0008】
すなわち、この発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)C:0.15mass%未満、Si:0.1mass%未満、Mn:0.1〜4.0mass%、S:0.05〜0.5mass%、P:0.2mass%以下、Nb:0.1mass%以下およびO:0.0015〜0.050mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ組織中に擬ポリゴナルフェライトを面積率で5%以上含むことを特徴とする快削鋼。
【0009】
(2)上記(1)において、さらにCu:2.0mass%以下、Ni:2.0mass%以下、Cr:3.0mass%以下およびMo:2.0mass%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする快削鋼。
【0010】
(3)上記(1)または(2)において、さらにW:0.1mass%以下およびV:0.5mass%以下のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする快削鋼。
【0011】
(4)上記(1)、(2)または(3)において、さらにTe:0.2mass%以下、Se:0.2mass%以下、Sn:0.3mass%以下、Zr:0.2mass%以下、Ca:0.02mass%以下、REM:0.03mass%以下、Bi:0.3mass%以下、Sb:0.2mass%以下、Co:0.1mass%以下、N:0.04mass%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする快削鋼。
【0012】
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかにおいて、さらにMg:0.02mass%以下、Hf:0.1mass%以下およびAl:1.0mass%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする快削鋼。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の快削鋼において、成分組成を、上記の範囲に限定した理由について説明する。
C:0.15mass%未満
Cは、強度確保のために添加する。しかし、0.15mass%以上を添加すると、擬ポリゴナルフェライト組織が得られなくなり、また切削加工時の工具磨耗が増大し、被削性が低下するため、0.15mass%未満に制限する。さらに擬ポリゴナルフェライト組織を確保する上では、0.10mass%未満とすることが好ましい。
【0014】
Si:0.1mass%未満
Siは、脱酸に有効な元素であるが、0.1mass%以上添加すると、工具寿命が低下するため、0.1mass%未満に制限する必要がある。さらに好ましくは、0.05mass%未満とする。
【0015】
Mn:0.1〜4.0mass%
Mnは、SあるいはOと結合してMnSあるいはMnS−MnO複合介在物を生成し、これにより被削性を向上させる作用がある。また、焼入性を向上するため、強度の確保にも有効である。このためには、0.1mass%以上で添加する。一方、4.0mass%を超えると、過度に強度が上昇して被削性が低下するため、0.1〜4.0mass%の範囲に限定する。なお、好適範囲は0.5〜2.0mass%である。さらに好ましくは、1.0〜2.0mass%である。
【0016】
S:0.05〜0.5mass%
Sは、鋼中でMnと結合しMnSとして存在あるいは、S、Oと結合しMnS−MnO複合介在物として存在し、切削加工時の応力集中源となり切りくずの分断を容易にして被削性を向上させるので添加する。しかし、0.05mass%未満ではその添加効果に乏しく、一方0.5mass%を超えて添加すると熱間加工性を低下させるため、0.05mass%以上0.5mass%以下の範囲に限定する。なお、好適範囲は0.1〜4mass%である。
【0017】
P:0.2mass%以下
Pは、生成した切りくず中のクラックの伝播を容易にすることによって、切りくず処理性を顕著に向上させるため、好ましくは0.05mass%以上で添加する。しかしながら、0.2mass%を超えて添加すると、熱間加工性を低下させることから、0.2mass%以下の範囲に限定する。さらに好ましくは、0.1mass%以下である。
【0018】
Nb:0.1mass%以下
Nbは、擬ポリゴナルフェライト組織の生成を促進し、被削性を向上させる。また、強度確保にも有効であり、このために添加することができる。しかし、過剰に添加した場合、成分コストが上昇する上、過度に強度が上昇して被削性の低下を招くため、0.1mass%以下の範囲に制限する。さらに好ましくは、0.08mass%以下の添加とする。尚、擬ポリゴナルフェライト組織を面積率で5%以上とするには、Nbを0.004mass%以上とすることが好ましい。
【0019】
O:0.0015〜0.050mass%
Oは、SとともにMnと結合してMnS−MnO複合介在物を形成する。MnS−MnO複合介在物は、MnS単独介在物に比べ鋼中での生成サイズが大きく、またMnS−MnO複合介存物は熱間圧延時に延伸しづらく、比較的球状に近い形状で存在するため、切削加工時に応力集中源として作用し、切削性を向上させる効果がある。このために積極的に添加するが、0.0015mass%未満の添加ではその効果が小さく、一方0.050mass%を超えて添加すると、鋼魂に内部欠略が発生するようになるため、0.0015mass%以上0.050mass%以下の範囲に限定した。さらに好ましくは、0.0050mass%以上0.030mass%以下である。
【0020】
また、この発明では上記した基本成分の他に、所定の化学成分を添加あるいは添加を規制することにより、更なる被削性の向上あるいは強度の調整を行うことができる。
まず、強度の上昇あるいは焼入性向上のために、Cu:2.0mass%以下、Ni:2.0mass%以下、Cr:3.0mass%以下およびMo:2.0mass%以下のいずれか1種または2種以上を添加することが有利である。
【0021】
Cu:2.0mass%以下
Cuは、焼入性を向上させ、強度を確保するのに有効である。しかし、2.0mass%を超えて添加すると、強度が上昇して被削性が低下するとともに、コストが上昇するため、2.0mass%以下の範囲に限定する。さらに好ましくは、1.0mass%以下とする。
【0022】
Ni:2.0mass%以下
Niは、焼入性向上による強度確保のために、添加することができる。しかしながら、過剰に添加しても、高価である上、強度が上昇して被削性が低下するため、2.0mass%以下の範囲に限定する。さらに好ましくは、1.0mass%以下とする。
【0023】
Cr:3.0mass%以下
Crは、焼入性を向上し、強度確保に有効なため添加できる。しかし、3.0mass%を超えて添加すると、強度が上昇して被削性が低下するとともに、成分コストが上昇するため、3.0mass%以下の添加とする。さらに好ましくは、1.5mass%以下とする。
【0024】
Mo:2.0mass%以下
Moは、強度確保のために添加することができる。しかしながら、過剰に添加した場合、高価である上、強度が上昇しすぎて被削性が低下するため、2.0mass%以下の範囲に限定する。さらに好ましくは、1.0mass%以下とする。
【0025】
次に、強度向上を図るために、W:0.1mass%以下およびV:0.5mass%以下のいずれか1種または2種を添加することができる。
W:0.1mass%以下
Wは、固溶による強度向上作用があるが、0.1mass%を超えて添加すると、被削性が低下するため、0.1mass%以下の添加とする。さらに好ましくは、0.05mass%以下である。尚、Wにより強度を向上させるためには、0.01mass%以上添加することが好ましい。
【0026】
V:0.5mass%以下
Vは、V(C、N)による析出強化により強度を向上する作用があるが、0.5mass%を超えて添加すると被削性が低下するため、0.5mass%以下の添加とする。さらに好ましくは、0.4mass%以下である。尚、Vにより強度を向上させるためには、0.01mass%以上添加することが好ましい。
【0027】
また、被削性の更なる向上を図るために、Te:0.2mass%以下、Se:0.2mass%以下、Sn:0.3mass%以下、Zr:0.2mass%以下、Ca:0.02mass%以下、REM:0.03mass%以下、Bi:0.3mass%以下、Sb:0.2mass%以下、Co:0.1mass%以下、N:0.04mass%以下のいずれか1種または2種以上を含有することができる。
【0028】
Te:0.2mass%以下、Se:0.2mass%以下
TeおよびSeは、Mnと結合してMnTeおよびMnSeをそれぞれ形成して、これがチップブレーカーとして作用することにより、被削性を改善する。しかし、それぞれ0.2mass%を超えて添加すると、効果が飽和する上、成分コストの上昇を招くため、0.2mass%以下の添加とする。さらに好ましくは、それぞれ0.1mass%以下である。尚、TeおよびSeにより被削性を向上させるためには、それぞれ0.005mass%以上添加することが好ましい。
【0029】
Ca:0.02mass%以下、REM:0.03mass%以下、Zr:0.2mass%以下
Ca、REMおよびZrは、MnSとともに硫化物を形成し、これがチップブレーカーとして作用することにより、被削性を改善する。しかしながら、Ca:0.02mass%、REM:0.03mass%およびZr:0.2mass%を超えて添加しても、効果が飽和する上、成分コストの上昇を招くため、これらを添加量の上限とする。さらに好ましくは、Ca:0.01mass%以下、REM:0.015mass%以下およびZr:0.1mass%以下である。
【0030】
Bi:0.3mass%以下
Bi もPbと同様、切削時の溶融、潤滑および脆化作用により、被削性を向上させるため、この目的で添加することができる。しかしながら、0.3mass%を超えて添加しても、効果が飽和するばかりか、成分コストが上昇するため、0.3mass%以下の範囲に制限する。さらに好ましくは、0.2mass%以下である。尚、Biにより被削性を向上させるためには、0.001mass%以上添加することが好ましい。
【0031】
Sn:0.3mass%以下、Sb:0.2mass%以下およびCo:0.1mass%以下
Sn、SbおよびCoは、脆化作用により被削性を向上させる元素である。しかしながら、Sn:0.3mass%、Sb:0.2mass%およびCo:0.1mass%を超えて添加しても、効果が飽和する上、コストが上昇し、経済的に不利となるため、添加量を上記の範囲に制限する。さらに好ましくは、Sn:0.15mass%以下、Sb:0.1mass%以下およびCo:0.05mass%以下である。
【0032】
N:0.04mass%以下
Nは、切削時に切りくずを脆化させる作用を有するために、切りくず処理性および工具寿命を向上させる働きがある。しかしながら、0.04mass%を超えて添加した場合、鋼塊の内部欠陥および表面庇が発生するため、0.04mass%以下の添加とする。なお好ましくは0.02mass%以下の添加とする。
【0033】
Al:1.0mass%以下、Mg:0.02mass%以下およびHf:0.1mass%以下
Al、MgおよびHfは、脱酸元素であるとともに応力集中源となり、被削性を改善する効果があるため、添加することができる。しかしながら、過剰に添加すると効果が飽和する上、成分コストが上昇するため、添加量としてはそれぞれ上記の範囲に制限する。さらに好ましくは、Al:0.05mass%以下、Mg:0.01mass%以下およびHf:0.05mass%以下である。
【0034】
以上の、Cu、Ni、Cr、Sn、Zr、Ca、REM、Sb、Co、N、Mg、HfおよびAlの添加成分は、いずれも微量の添加によって、上記した作用を発現するため、特に下限を設ける必要はない。
【0035】
なお、この発明では、その主旨からPbは基本的に添加しないが、これは技術的に添加することができないという意味ではない。すなわち、単に快削性の面だけ考慮すればよいのであれば、その添加を妨げるものではない。しかしながら、この場合であっても、環境衛生の面から添加量は0.25mass%以下程度に抑制することが好ましい。
【0036】
また、この発明においては、組織中に含まれる、擬ポリゴナルフェライトを面積率で5%以上とすることが肝要である。この理由は、擬ポリゴナルフェライトが切削時の切りくず生成の際に、鋼材のせん断変形を容易にする効果を有するために、切りくず生成が容易となり、その結果切削抵抗が減少して工具寿命あるいは切りくず処理性等の切削性を向上させる働きがあるためである。
【0037】
切削性向上のためには、擬ポリゴナルフェライトが面積率で5%以上、より好ましくは10mass%以上存在させることが必要である。
【0038】
以下に、この発明の快削鋼の製造方法について説明する。
まず、素材の製造については、従来公知の転炉あるいは電気炉等で溶製した後、連続鋳造法あるいは造塊・分魂法によってスラブあるいはブルームとする。次いで、熱間圧延により所定の形状とする。熱間圧延に際しては、5%以上の擬ポリゴナルフェライト組織を得るために、仕上圧延を960℃以下とする制御圧延および/または、圧延終了後に水冷(5〜80℃/sの冷却速度)で冷却する制御冷却を施すことが効果的である。しかる後、所定の部品形状に成形後、機械部品とする。また、窒化あるいは浸炭処理等を施して製品とする場合もある。
【0039】
【実施例】
表1に示す化学組成の鋼を転炉にて溶製し、連続鋳造によりブルームとした後、150mm角のビレットに熱間圧延し、さらに棒鋼圧延により30mmφの棒鋼とした。棒鋼圧延においては、制御圧延または制御冷却を実施した。かくして得られた棒鋼の被削性について調査した。その結果を、表2に示す。
【0040】
ここで、被削性試験は、超硬工具(PlO)を用い、切削速度:200m/min、送り:0.25mm/rev.、切込み:2.Ommおよび無潤滑の条件で外周旋削試験により行った。工具寿命判定は、超硬工具逃げ面摩耗が0.2mmに達するまでの総切削時間で評価した。
【0041】
【表1】
Figure 2004027333
【0042】
【表2】
Figure 2004027333
【0043】
表2に示すとおり、No.1〜No.14の発明鋼は、いずれも超硬工具寿命が14.8〜37.Ominと優れた工具寿命が得られ、No.25の従来鉛添加鋼JIS SUM24Lの12.4minに比べて非常に良好な寿命が得られている。切りくず形状に関してもいずれも長さが5mm以下と細かな良好な切りくずが得られている。
【0044】
これに対し、No.15〜No.23の比較鋼のうち、No.15はCが範囲外であり、擬ポリゴナルフェライト組織が得られなくなった結果、発明鋼に比べて超硬工具寿命が著しく低下し、切りくず形状も劣化している。No.16は、SiおよびOが、この発明の範囲外であるため、工具寿命が低下し切りくず形状が劣化している。No.17は、Mnがこの発明の上限より高いため、工具寿命が低下している。No.18は、Mnがこの発明の下限よりも低いため、擬ポリゴナルフェライト組織分率が低下して範囲外となり、工具寿命および切りくず形状が劣化している。No.19は、Pが発明の上限より高いため、圧延時に熱間割れが発生したため圧延を中止し、評価不能であった。No.20は、Sが発明の上限より高いため、圧延時に熱間割れが発生したため圧延を中止し、評価不能であった。No.21は、Sがこの発明の下限より低いため、工具寿命が低下し、切りくず形状が劣化している。No.22は、Nbがこの発明の上限より高いため、工具寿命が低下している。No.23は、Oがこの発明の上限より高いため、鋼塊に内部欠絶が発生し圧延不能であったため、評価不能であった。No.24は、鋼記号11の鋼に制御圧延および制御冷却を施さずに製造したところ、擬ポリゴナルフェライト組織分率がこの発明の下限以下となった場合であり、工具寿命が低下し、切りくず形状も劣化している。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、鉛を添加せずとも、圧延のままの状態で、鉛添加快削鋼と同等以上の被削性を有する、鋼材を得ることができる。

Claims (5)

  1. C:0.15mass%未満、
    Si:0.1mass%未満、
    Mn:0.1〜4.0mass%、
    S:0.05〜0.5mass%、
    P:0.2mass%以下、
    Nb:0.1mass%以下および
    O:0.0015〜0.050mass%
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ組織中に擬ポリゴナルフェライトを面積率で5%以上含むことを特徴とする快削鋼。
  2. 請求項1において、さらにCu:2.0mass%以下、Ni:2.0mass%以下、Cr:3.0mass%以下およびMo:2.0mass%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする快削鋼。
  3. 請求項1または請求項2において、さらにW:0.1mass%以下およびV:0.5mass%以下のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする快削鋼。
  4. 請求項1、2または3において、さらにTe:0.2mass%以下、Se:0.2mass%以下、Sn:0.3mass%以下、Zr:0.2mass%以下、Ca:0.02mass%以下、REM:0.03mass%以下、Bi:0.3mass%以下、Sb:0.2mass%以下、Co:0.1mass%以下、N:0.04mass%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする快削鋼。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、さらにMg:0.02mass%以下、Hf:0.1mass%以下およびAl:1.0mass%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする快削鋼。
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