JP2004027121A - ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)テトラメチルビスフェノールF構造を有するポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂を、(A)/(B)質量比=50/50〜97/3で含有する樹脂組成物。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品に関し、より詳しくは、相溶性(耐表面剥離性、ウェルド外観)、難燃性、流動性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及び成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、優れた耐衝撃性、耐熱性、電気的特性などにより、OA(オフィスオートメーション)機器、情報・通信機器、家庭電化機器などの電気・電子機器、自動車分野、建築分野など様々な分野において幅広く利用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は成形温度が高く、溶融粘度も高いために、成形品の薄肉化、大型化に対応するために、ますます成形温度が高くなる傾向にある。一方、近時、成形品が複写機、ファックス、パソコンなどのOA機器、電話機、通信機などの情報・通信機器、テレビ、ラジオなどの家電機器などの電気・電子機器などの部品やハウジングなどの場合には、形状が複雑になること、リブやボスなどの凹凸が成形品に形成されること、軽量化、省資源の見地から成形品が薄肉化することなどの理由から、ポリカーボネート樹脂の溶融流動性、すなわち射出成形性を高めた組成物が求められている。この成形性の改善としては、耐衝撃性などの物性も考慮して、ゴム変性スチレン系樹脂などのスチレン系樹脂との配合組成物が多く提案されている。
【0003】
ポリカーボネート樹脂の溶融流動性の改善のために、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、ゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)などの(ゴム変性)スチレン系樹脂をポリカーボネート樹脂に配合した組成物は、ポリマーアロイとして、その耐熱性、耐衝撃性の特性を生かし、多くの成形品分野に用いられてきている。
【0004】
しかしながら、ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂は、その相溶性が低く、分散性が不十分である場合があり、大型成形品や薄肉成形品を高速射出する場合など成形品に表層剥離が生じたり、実用上重要な面衝撃強度が低くなりやすい場合がある。
【0005】
ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂配合組成物における相溶性を高める方法として、同一分子内に、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したエポキシ変性ブロック共重合体を、相溶化剤として、樹脂100質量部に0.5〜5質量部配合する方法が提案されている(特開平9−48894号公報)。しかしながら、かかる相溶化剤の添加は、難燃性を低下させたり、熱安定性の低下を引き起こす場合がある。さらに難燃性を付与するためには、難燃剤の添加が不可欠である。
【0006】
成形品が、OA機器、情報・通信機器、電気・電子機器などに用いられる場合には、高度の難燃性が要求される場合がある。このため、リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤などを初めとする難燃剤が配合される。しかしながら、リン酸エステル化合物などの難燃剤配合による難燃性付与組成物にあっては、高温、高湿雰囲気下で劣化しやすいこと、成形品の回収再利用における再溶融において、物性の低下、着色の発生など、リサイクル性が不十分である問題を残している。また、ハロゲン系難燃剤は比較的難燃化効率は良いが、成形品の焼却時に有害物質を排出する恐れがあり、環境汚染、安全性の観点からハロゲン系難燃剤は問題を有している。
なお、特開昭60−186528号公報にテトラメチルビスフェノールF構造を有するポリカーボネート樹脂が難燃性に有効である記載はあるが、スチレン系樹脂との相溶性については何も述べられていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状の下、ポリカーボネート樹脂による、薄肉化、大型化、複雑化するOA機器、情報機器、電気・電子機器、家庭電化機器、自動車などに用いられる成形品の成形において、成形品での表層剥離がなく、成形外観に優れ、それ自体優れた難燃性(ノンハロ)を有し、さらに流動性、耐衝撃性にも優れたポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するため、本発明者らは、種々検討した結果、ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂を含有する樹脂組成物において、ポリカーボネート樹脂として、テトラメチルビスフェノールF構造を有するポリカーボネート樹脂を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)(A)テトラメチルビスフェノールF構造を有するポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂を、(A)/(B)質量比=50/50〜97/3で含有する樹脂組成物;
(2)前記ポリカーボネート樹脂が、分子中に、テトラメチルビスフェノールF構造及びビスフェノールA構造を前者:後者=10:90〜100:0のモル比で含有するポリカーボネート樹脂である上記(1)記載の樹脂組成物;
(3)前記ポリカーボネート樹脂が、分子中に、テトラメチルビスフェノールF構造及びビスフェノールA構造を前者:後者=10:90〜100:0のモル比で含有するポリカーボネート樹脂と分子中にテトラメチルビスフェノールFでない二価フェノール相当構造を有するポリカーボネート樹脂との混合物である上記(1)記載の樹脂組成物;
(4)ポリカーボネート樹脂中の二価フェノール相当構造中に占めるテトラメチルビスフェノールF構造の割合が10モル%以上である上記(3)記載の樹脂組成物;
(5)スチレン系樹脂が耐衝撃性ポリスチレン、汎用ポリスチレン及びシンジオタクチックポリスチレンから選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物;及び
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品
を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の樹脂組成物の構成成分(A)及び(B)について説明する。
(A)テトラメチルビスフェノールF構造を有するポリカーボネート樹脂としては、二価フェノール構造もしくは二価フェノール構造に位置的に対応する構造(以下、両者を併せて二価フェノール相当構造という)がテトラメチルビスフェノールF構造のみから構成されるポリカーボネート樹脂、二価フェノール相当構造がテトラメチルビスフェノールF構造とビスフェノールA構造とから構成されるポリカーボネート樹脂、及び上記したいずれかのポリカーボネート樹脂と、二価フェノール相当構造がテトラメチルビスフェノールFでない二価フェノール構造であるか、もしくは二価フェノール構造でない構造(例えば、オルガノシロキサン構造)であるポリカーボネート樹脂との混合物のいずれでもよい。しかしながら、スチレン系樹脂との相溶性及び難燃性を良好に保つには、全体としてのポリカーボネート樹脂中の二価フェノール相当構造中に占めるテトラメチルビスフェノールF構造の割合が10モル%以上であることが好ましく、15モル%以上であることがさらに好ましい。ポリカーボネート樹脂中におけるテトラメチルビスフェノールF構造の配置については制限はなく、例えば、ブロックとして配置されていても、ランダムに配置されていてもよい。
【0011】
かかるポリカーボネート樹脂は、通常、二価フェノールとカーボネート前駆体とを、常法により反応させることにより製造することができる。すなわち、二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法あるいは溶融法、すなわち、二価フェノールとホスゲンとの反応、二価フェノールとジフェニルカーボネートなどとのエステル交換反応により製造することができる。
【0012】
二価フェノールとしては、テトラメチルビスフェノールF[ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン]以外に、さまざまなものが挙げられる。例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどが挙げられる。二価フェノールとしては、さらに、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等も使用可能である。テトラメチルビスフェノールF以外で、特に好ましい二価フェノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールAが挙げられる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
【0013】
カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、又はハロホルメートなどであり、具体的にはホスゲン、二価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどである。
【0014】
なお、ポリカーボネート樹脂は、分岐構造を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などがある。また、分子量の調節のためには、末端停止剤としてフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−クミルフェノールなどが用いられる。
【0015】
また、本発明に用いるポリカーボネート樹脂としては、ポリカーボネート部とポリオルガノシロキサン部を有する共重合体、あるいはこの共重合体を含有するポリカーボネート樹脂であってもよい。また、テレフタル酸などの2官能性カルボン酸、又はそのエステル形成誘導体などのエステル前駆体の存在下でポリカーボネート樹脂の重合を行うことによって得られるポリエステル−ポリカーボネート樹脂しであってもよい。ただし、いずれの場合も、上述のごとく、全体としてのポリカーボネート樹脂中の二価フェノール相当構造中に占めるテトラメチルビスフェノールF構造の割合が10モル%以上であることが好ましく、15モル%以上であることがさらに好ましい。
【0016】
本発明において用いられる(A)成分のポリカーボネート樹脂は、構造中に実質的にハロゲンを含まないものが好ましい。また、機械的強度及び成形性の点から、その粘度平均分子量は、10,000〜100,000、好ましくは、11,000〜40,000、特に12,000〜30,000のものが好適である。
【0017】
本発明のポリカーボネート樹脂の製法について、以下により詳しく説明する。本発明のポリカーボネート樹脂は、界面重縮合法及びエステル交換法のいずれの方法も用いることができるが、界面重縮合法が一般的である。界面重縮合法における製造工程としては特に制限はなく、従来界面重縮合法によるポリカーボネート樹脂の製造において慣用されている工程を用いることができる。例えば、(A)二価フェノールポリカーボネートオリゴマーの調製工程、(B)上記オリゴマーの重合工程、(C)洗浄工程及び(D)ポリカーボネート樹脂の単離、回収工程を施すことにより、目的とするポリカーボネート樹脂を効率良く、製造することができる。
次に、界面重縮合法における各工程について説明する。
【0018】
(A)工程:
この(A)工程は、二価フェノールとホスゲン又はホスゲン誘導体とを界面重縮合させて二価フェノールポリカーボネートオリゴマを調製する工程である。
この二価フェノールポリカーボネートオリゴマーの調製方法については特に制限はないが、例えば次に示す方法を好ましく用いることができる。
まず、原料の前記二価フェノールを含有するアルカリ水溶液を調製し、これと不活性有機溶剤を混合し、攪拌しながら二価フェノールを含有するアルカリ水溶液と不活性有機溶剤との共存下にホスゲン又はホスゲン誘導体を反応させることにより、二価フェノールポリカーボネートオリゴマーが得られる。
【0019】
この際、アルカリ水溶液としては、通常その濃度が1〜15質量%のものが好ましく用いられる。また、アルカリ水溶液中の二価フェノールの含有量は、通常0.5〜20質量%の範囲で選ばれる。さらに、不活性有機溶剤の使用量は、有機相と水相の容量比が5/1〜1/7、好ましくは2/1〜1/4となるように選定するのが望ましい。反応温度は通常0〜50℃、好ましくは5〜40℃の範囲で選ばれる。
この反応においては、ホスゲン又はホスゲン誘導体を反応させたのち、さらに二価フェノールを含有するアルカリ水溶液、及び所望により末端停止剤、触媒を加え、反応を進めることができる。
【0020】
上記二価フェノールを含有するアルカリ水溶液の調製に用いられるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウムなどが挙げられるが、これらの中で水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましく、特に水酸化ナトリウムが好適である。一方、不活性有機溶剤としては、各種のものがある。例えば、ジクロロメタン(塩化メチレン);トリクロロメタン;四塩化炭素;1,1−ジクロロエタン;1,2−ジクロロエタン;1,1,1−トリクロロエタン;1,1,2−トリクロロエタン;1,1,1,2−テトラクロロエタン;1,1,2,2−テトラクロロエタン;ペンタクロロエタン;クロロベンゼンなどの塩素化炭化水素や、トルエン、アセトフェノンなどが挙げられる。これらの有機溶剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中では、特に塩化メチレンが好適である。
【0021】
また、触媒としては、相間移動触媒、例えば三級アミン又はその塩、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩などを好ましく用いることができる。
三級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、ジメチルアニリンなどが挙げられ、また三級アミン塩としては、例えばこれらの三級アミンの塩酸塩、臭素酸塩などが挙げられる。四級アンモニウム塩としては、例えばトリメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、トリブチルベンジルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミドなどが、四級ホスホニウム塩としては、例えばテトラブチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミドなどが挙げられる。これらの触媒は、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。前期触媒の中では、三級アミンが好ましく、特にトリエチルアミンが好適である。
反応後、静置又は遠心分離などの操作によって、水相とポリカーボネートオリゴマーを含む有機相とに分離する。有機相はポリカーボネートオリゴマーを単離することなく、次工程に用いることができる。
【0022】
(B)工程:
この(B)工程は、前記(A)工程で得られたポリカーボネートオリゴマーの重合工程であって、末端停止剤、所望により用いられる触媒、アルカリ水溶液及び不活性有機溶剤の存在下に、該ポリカーボネートオリゴマーと二価フェノールを界面重縮合させる工程である。
具体的には、前記(A)工程で得られたポリカーボネートオリゴマー溶液と、末端停止剤と、所望により用いられる触媒と、不活性有機溶剤と、アルカリ水溶液と、二価フェノールのアルカリ水溶液とを混合し、通常0〜50℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温度において界面重縮合させる。
【0023】
この際使用するアルカリ、不活性有機溶剤及び触媒としては、前記(A)工程において説明したものと同じものを挙げることができる。また、この界面重縮合における有機相と水相の容量比は、前記(A)工程の場合と同様である。
なお、この重合工程においては、予備重合(前重合)及び本重合(後重合)に分けて重合を行うことができる。すなわち、まず、前記(A)工程で得られたポリカーボネートオリゴマー溶液と、末端停止剤と、所望により用いられる触媒と、不活性有機溶剤と、アルカリ水溶液とを混合し、比較的低い温度、例えば20℃未満の温度で予備重合(全重合)を行う。次いで、これに二価フェノールのアルカリ水溶液を加え、比較的高い温度、例えば20〜40℃程度の温度で本重合(後重合)を行う。
【0024】
この重合においては、水相の380nmにおける吸光度が0.005以上であるのが好ましく、より好ましくは、0.01以上である。さらに好ましくは、上記条件に加えて、400nmにおける吸光度が0.005以下である。380nmにおける吸光度が、0.005未満では、ポリカーボネート樹脂が着色して光学用途に適さない場合がある。また、400nmにおける吸光度が0.005を超えると、同様にポリカーボネート樹脂が着色し光学用途に適さない場合がある。
反応後、不活性有機溶剤で適当に希釈したのち、静置又は遠心分離などの操作によって、水相とポリカーボネート樹脂を含む有機相とに分離する。
【0025】
(C)工程
この(C)工程は、上記(B)工程で得られたポリカーボネート樹脂溶液の洗浄工程であって、該ポリカーボネート樹脂溶液をアルカリ水溶液、酸水溶液及び水で順次洗浄する工程である。
具体的には、まず、該ポリカーボネート樹脂溶液に対し、通常0.01〜0.1モル/リットル濃度の水酸化ナトリウム水溶液を10〜20体積%程度用い、両者を接触させてアルカリ洗浄処理する。
次いで、静置して、水相と有機相に分離したのち、有機相に対し、通常0.05〜0.5モル/リットル濃度の塩酸を10〜20体積%程度用い、両者を接触させて酸洗浄処理する。その後、静置して、水相と有機相に分離し、有機相は水洗処理を施す。
この水洗処理は、該有機相に対し、水を10〜20体積%程度用い、両者を接触させることにより行われる。水洗処理後、静置して、水相と有機相に分離したのち、この有機相に再び上記と同様の水洗処理を施す。上記水洗処理は、水相の電導度が、通常0.01μS/m以下になるまで、繰り返し行われる。
最後の水洗処理後、静置、分離して得られたポリカーボネート樹脂を含む有機相は、次工程のポリカーボネート樹脂の単離、回収工程へ供する。
【0026】
(D)工程
この(D)工程は、ポリカーボネート樹脂の単離、回収工程である。具体的には、上記(C)工程で得られた洗浄処理後のポリカーボネート樹脂溶液を濃縮したのち、粉砕処理し、得られたフレークに真空乾燥などの乾燥処理を施すことにより、製品のポリカーボネート樹脂が得られる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、機械的強度及び成形性などの点から、粘度平均分子量(Mv)が14,000〜30,000の範囲にあるのが好ましい。より好ましいMvは15,000〜25,000であり、特に15,000〜21,000の範囲が好適である。なお、該粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定しこれより極限粘度〔η〕を求め、〔η〕=1.23×10−5Mv0.83の式により算出した値である。
【0027】
(B)スチレン系樹脂
スチレン系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのモノビニル系芳香族単量体20〜100質量%、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体0〜60質量%、及びこれらと共重合可能なマレイミド、(メタ)アクリル酸メチルなどの他のビニル系単量体0〜50質量%からなる単量体又は単量体混合物を重合して得られる重合体がある。これらの重合体としては、ポリスチレン(GPPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)などがある。
【0028】
また、スチレン系樹脂としては、ゴム変性スチレン系樹脂が好ましく利用できる。このゴム変性スチレン系樹脂としては、好ましくは、少なくともスチレン系単量体がゴムにグラフト重合した耐衝撃性スチレン系樹脂である。ゴム変性スチレン系樹脂としては、例えば、ポリブタジエンなどのゴムにスチレンが重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリブタジエンにアクリロニトリルとスチレンとが重合したABS樹脂、ポリブタジエンにメタクリル酸メチルとスチレンとが重合したMBS樹脂などがあり、ゴム変性スチレン系樹脂は、2種以上を併用することができると共に、前記のゴム未変性であるスチレン系樹脂との混合物としても使用できる。
【0029】
ゴム変性スチレン系樹脂中のゴムの含有量は、例えば2〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%、特に5〜15質量%である。ゴムの割合が2質量%未満であると、耐衝撃性が不十分となり、また、50質量%を超えると熱安定性が低下したり、溶融流動性の低下、ゲルの発生、着色などの問題が生じる場合がある。上記ゴムの具体例としては、ポリブタジエン、アクリレート及び/又はメタクリレートを含有するゴム質重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンゴム(SBS)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン・アクリルゴム、イソプレン・ゴム、イソプレン・スチレンゴム、イソプレン・アクリルゴム、エチレン・プロピレンゴム等が挙げられる。
【0030】
このうち、特に好ましいものはポリブタジエンである。ここで用いるポリブタジエンは、低シスポリブタジエン(例えば1,2−ビニル結合を1〜30モル%、1,4−シス結合を30〜42モル%含有するもの)、高シスポリブタジエン(例えば1,2−ビニル結合を20モル%以下、1,4−シス結合を78モル%以上含有するもの)のいずれを用いてもよく、また、これらの混合物であってもよい。これらスチレン系樹脂としては、JIS K 7210に準拠し、温度200℃、荷重5kgの測定条件でのメルトインデックス(MI)が、1〜30g/10分、好ましくは2〜20g/10分のものが用いられる。
また、スチレン系樹脂としてシンジオタクチックポリスチレン(SPS)も好適に使用できる。
以上述べたスチレン系樹脂の中でHIPS、GPPS、SPSが最も好ましい。
【0031】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、テトラメチルビスフェノールF構造を有するポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂とを含有させることによって、相溶性に優れ、そのため成形品での表層剥離がなく、成形外観に優れ、またそれ自体優れた難燃性を有し、さらに流動性、耐衝撃性にも優れている。ここで、両樹脂の配合割合は、ポリカーボネート樹脂は50〜97質量%であることが必要であり、70〜95質量%であることが好ましく、スチレン系樹脂は3〜50質量%であることが必要であり、5〜30質量%であることが好ましい。スチレン系樹脂が3質量%未満では、流動性向上に効果が見られない。
【0032】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、燃焼時の溶融滴下防止を目的にさらに、(C)フルオロオレフイン樹脂を含有することができる。ここで(C)フルオロオレフイン樹脂としては、フルオロエチレン構造を含む重合体、共重合体であり、例えば、ジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素を含まないエチレン系モノマーとの共重合体である。好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、その平均分子量は、500,000以上であることが好ましく、特に好ましくは500,000〜10,000,000である。本発明で用いることができるポリテトラフルオロエチレンとしては、現在知られているすべての種類のものを用いることができる。
【0033】
なお、ポリテトラフルオロエチレンのうち、フィブリル形成能を有するものを用いると、さらに高い溶融滴下防止性を付与することができる。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格において、タイプ3に分類されるものが挙げられる。その具体例としては、例えばテフロン6−J(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)、ポリフロンD−1、ポリフロンF−103、ポリフロンF201(ダイキン工業株式会社製)、CD076(旭アイシ−アイフロロポリマーズ株式会社製)等が挙げられる。
【0034】
また、上記タイプ3に分類されるもの以外では、例えばアルゴフロンF5(モンテフルオス株式会社製)、ポリフロンMPA、ポリフロンFA−100(ダイキン工業株式会社製)等が挙げられる。これらのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。上記のようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、例えばテトラフルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下で、1〜100psi(約6.9〜約690kPa)の圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜100℃で重合させることによって得られる。
【0035】
ここで、フルオロオレフイン樹脂の含有量は、前記(A)及び(B)からなる樹脂100質量部に対して、0.05〜5質量部、好ましくは、0.1〜2質量部である。ここで、0.05質量部未満であると、目的とする難燃性における溶融滴下性が十分でない場合があり、5質量部を超えても、これに見合った効果の向上はなく、耐衝撃性、成形品外観に悪影響を与える場合がある。したがって、それぞれの成形品に要求される難燃性の程度、例えば、UL−94のV−0、V−1、V−2などにより他の含有成分の使用量などを考慮して適宜決定することができる。
【0036】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、さらに、(D)無機充填剤を、成形品の剛性、さらには難燃性をさらに向上させるために含有させることができる。ここで、無機充填剤としては、タルク、マイカ、カオリン、珪藻土、炭酸カルシュウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維などをあげることができる。なかでも、板状であるタルク、マイカなどや、繊維状の充填剤が好ましい。タルクとしては、マグネシウムの含水ケイ酸塩であり、一般に市販されているものを用いることができる。タルクには、主成分であるケイ酸と酸化マグネシウムの他に、微量の酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化鉄を含むことがあるが、本発明の樹脂組成物を製造するには、これらを含んでいてもかまわない。また、タルクなどの無機充填剤の平均粒径は0.1〜50μm、好ましくは、0.2〜20μmである。これらの無機充填剤、特にタルクを含有させることにより、剛性向上効果に加えて、難燃剤としてのハロゲン非含有リン酸エステルの配合量を減少させることができる。
【0037】
ここで、(D)無機充填剤の含有量は、前記(A)と(B)成分の樹脂100質量部に対して、1〜100質量部、好ましくは、2〜50質量部である。ここで、1質量部未満であると、目的とする剛性、難燃性改良効果が十分でない場合があり、100質量部を越えると、耐衝撃性、溶融流動性が低下する場合があり成形品の厚み、樹脂流動長など、成形品の要求性状と成形性を考慮して適宜決定することができる。
【0038】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形性、耐衝撃性、外観改善、耐候性改善、剛性改善等の目的で、上記(A)及び(B)からなる必須成分に、(C)及び(D)から選ばれた任意成分の一種以上とともに、熱可塑性樹脂に常用されている添加剤成分を必要により添加含有することができる。例えば、フェノール系、リン系、イオウ系酸化防止剤、帯電防止剤、ポリアミドポリエーテルブロック共重合体(永久帯電防止性能付与)、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の光安定剤(耐候剤)、抗菌剤、相溶化剤、着色剤(染料、顔料)等が挙げられる。
【0039】
また、本発明は、前記(A)及び(B)成分を含有する熱可塑性樹脂組成物によって、優れた難燃性も含む本発明の主目的を達成することができる。しかしながら、成形品が、OA機器、情報機器、電気・電子機器などに用いられる場合には、非常に高度の難燃性が要求される場合がある。この場合には、難燃性をより一層向上させるために、各種難燃剤を含有することによって、この要求に対応することができる。難燃剤としては、特に制限はなく、有機リン系化合物、ハロゲン非含有リン系化合物、シリコン系化合物、ハロゲン系化合物、チッソ系化合物、金属水酸化物、赤リン、酸化アンチモン、膨張性黒鉛など公知のものを、目的に応じて用いることができる。
これらの任意成分の配合量は、本発明の熱可塑性樹脂組成物の特性が維持される範囲であれば特に制限はない。
【0040】
次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記の各成分(A)及び(B)を上記範囲の割合で、さらに必要に応じて用いられる、(C)及び(D)の各種任意成分、さらには他の成分を所定の割合で配合し、混練することにより得られる。このときの配合及び混練は、通常用いられる機器、例えばリボンブレンダー、ドラムタンブラーなどで予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いる方法で行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常240〜300℃の範囲で適宜選択される。なお、ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂以外の含有成分は、あらかじめ、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂あるいはこれ以外の他の熱可塑性樹脂と溶融混練、すなわちマスターバッチとして添加することもできる。
【0041】
本発明の樹脂組成物は、上記の溶融混練成形機、あるいは、得られたペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法、発泡成形法などにより各種成形品を製造することができる。しかし、上記溶融混練方法により、ペレット状の成形原料を製造し、ついで、このペレットを用いて、射出成形、射出圧縮成形による射出成形品の製造に特に好適に用いることができる。なお、射出成形方法としては、外観のヒケ防止のため、あるいは軽量化のためのガス注入成形を採用することもできる。
【0042】
本発明の樹脂組成物から得られる射出成形品(射出圧縮を含む)としては、複写機、ファックス、テレビ、ラジオ、テープレコーダー、ビデオデッキ、パソコン、プリンター、電話機、情報端末機、冷蔵庫、電子レンジなどのOA機器、情報機器、電気・電子機器、家庭電化機器のハウジウングや各種部品、さらには、自動車部品など他の分野にも用いられる。
【0043】
【実施例】
本発明について実施例及び比較例を示してより具体的に説明するが、本発明はこれらに、何ら制限されるものではない。
【0044】
製造例1
テトラメチルビスフェノールF / ビスフェノールAポリカーボネート樹脂の製造
400リットルの5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、113gの亜二チオン酸ナトリウム、43.2kg(189モル)のビスフェノールA及び13.5kg(47.3モル)のテトラメチルビスフェノールFを溶解し、テトラメチルビスフェノールF/ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
このテトラメチルビスフェノールF/ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液40リットル/時間、塩化メチレン15リットル/時間の流量で、ホスゲンを4.0kg/時間の流量で内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に通した。この管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃に以下に保った。
管型反応器を出た反応液は後退翼を備えた内容積40リットルのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここにさらにテトラメチルビスフェノールF/ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液2.8リットル/時間、25質量%水酸化ナトリウム水溶液0.07リットル/時間、水17リットル/時間、1質量%トリエチルアミン水溶液0.64リットル/時間供給して反応を行った。
槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、ポリカーボネートオリゴマーを得た。このようにしてポリカーボネートオリゴマーは濃度333g/リットル、クロロホーメート基濃度0.70モル/リットルであった。
【0045】
邪魔板、パドル型攪拌翼2枚及び冷却用ジャケットを備えた50リットル槽型反応器に前記で得られたオリゴマー溶液12リットル、塩化メチレン10リットルを入れ、p−t−ブチルフェノール104gを溶解させた。次いで、トリエチルアミンを14.6ミリリットル加え、さらに、テトラメチルビスフェノールF/ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム331g、亜二チオン酸ナトリウム1.32gを水4.84gに溶解した水溶液にテトラメチルビスフェノールF/ビスフェノールA660gを溶解させたもの)を添加し、300rpmで攪拌しながら60分間重合反応を実施した。
希釈のため塩化メチレン10リットルを加えて、さらに20分間攪拌後静置させることにより、ポリカーボネートを含む有機相と過剰のテトラメチルビスフェノールF/ビスフェノールA及び水酸化ナトリウムを含む水相に分離し、有機相を反応器下部より抜き出し単離した。
こうして得られたポリカーボネートの塩化メチレン溶液を、その溶液に対し順次15容積%の0.03モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、0.2モル/リットルの塩酸で洗浄し、次いで純水で2回洗浄を実施し、洗浄後の水相中の電気伝導度が0.01μS/m以下になったことを確認した。
洗浄により得られたポリカーボネートの塩化メチレン溶液を濃縮、粉砕し、得られたフレークを減圧下110℃で乾燥させた。得られたポリマーのアルキルフェノキシ基の末端分率は99.5%であり、ポリマーの粘度平均分子量は20,000であった。
【0046】
実施例1
上記の製造例1で得られたテトラメチルビスフェノールF/ビスフェノールAポリカーボネート80質量部に耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)(IT44、出光石油化学社製)20質量部を添加し、ベント付き二軸押出機(TEM−35B、東芝機械社製)によって、温度300℃で混練し、ペレット化した。
【0047】
実施例2
上記の製造例1で得られたテトラメチルビスフェノールF/ビスフェノールAポリカーボネート40質量部及びビスフェノールAポリカーボネート(A1900)40質量部に耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)(IT44、出光石油化学社製)20質量部を添加し、ベント付き二軸押出機(TEM−35B、東芝機械社製)によって、温度300℃で混練し、ペレット化した。
【0048】
実施例3
上記の製造例1で得られたテトラメチルビスフェノールF/ビスフェノールAポリカーボネート80質量部にシンジオタクチックポリスチレン(SPS)(ザレックス141AC、出光石油化学社製)20質量部を添加し、ベント付き二軸押出機(TEM−35B、東芝機械社製)によって、温度300℃で混練し、ペレット化した。
【0049】
比較例1
ビスフェノールAポリカーボネート(A1900、出光石油化学社製)80質量部に耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)(IT44、出光石油化学社製)20質量部を添加し、ベント付き二軸押出機(TEM−35B、東芝機械社製)によって、温度300℃で混練し、ペレット化した。
【0050】
比較例2
ビスフェノールAポリカーボネート(A1900、出光石油化学社製)80質量部にシンジオタクチックポリスチレン(SPS)(ザレックス141AC、出光石油化学社製)20質量部を添加し、ベント付き二軸押出機(TEM−35B、東芝機械社製)によって、温度300℃で混練し、ペレット化した。
【0051】
得られたペレットを用い、下記の要領で、アイゾット強度、ウェルド強度、表層剥離、Q値及び酸素指数を測定した。結果を第1表に示す。
【0052】
IZOD(アイゾット衝撃強度)
ASTM D256に準拠、23℃(肉厚1/8インチ(約3.2mm))、単
位:kJ/m2
ウェルド強度
ダンベル試験片成形用金型の両サイドゲートから樹脂組成物を注入して対向の
ウェルドを作製し、引っ張り試験をASTM D63に準拠して行った。
表層剥離
成形品の切断面を目視観察、○;剥離なく良好、×表層剥離が見られる
【0053】
Q値(流れ値)
高架式フローテスターで測定した溶融粘度で、280℃、15.7MPaの圧力下に1mmφ×10mmLのノズルより流出する溶融樹脂量をミリリットル/sの単位で表したものであり、溶融粘度の低下と共に流れ量「Q値」は増加す
る。
酸素指数
JIS K 7201に準拠して測定した。酸素/窒素の割合を変化させた燃焼管の中で、上方から接近着火、3分間以上継続して燃焼する酸素/窒素の最
小値を求めた。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品は成形品での表層剥離がなく、成形外観に優れ、それ自体優れた難燃性(ノンハロ)を有し、さらに流動性、耐衝撃性にも優れる。
Claims (6)
- (A)テトラメチルビスフェノールF構造を有するポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂を、(A)/(B)質量比=50/50〜97/3で含有する樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂が、分子中に、テトラメチルビスフェノールF構造及びビスフェノールA構造を前者:後者=10:90〜100:0のモル比で含有するポリカーボネート樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂が、分子中に、テトラメチルビスフェノールF構造及びビスフェノールA構造を前者:後者=10:90〜100:0のモル比で含有するポリカーボネート樹脂と分子中にテトラメチルビスフェノールF構造でない二価フェノール相当構造を有するポリカーボネート樹脂との混合物である請求項1記載の樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂中の二価フェノール相当構造中に占めるテトラメチルビスフェノールF構造の割合が10モル%以上である請求項3記載の樹脂組成物。
- スチレン系樹脂が耐衝撃性ポリスチレン、汎用ポリスチレン及びシンジオタクチックポリスチレンから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品。
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