JP2004026898A - 紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長が365nm近傍の紫外線のみを得る。
【解決手段】光学ガラス21(又は22)又は光学的に透明な材料を被接着部材22(又は21)に紫外線硬化性接着剤24を用いて接着する時に、該紫外線硬化性接着剤24を硬化させる光を出射する紫外線照射装置10において、高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプのいずれかを用いた紫外線光源11と、前記紫外線光源11から出射される光に対して波長が365nm近傍の紫外線のみを通過させるための熱線カットフィルター14及び低波長カットフィルター15とを備え、前記紫外線により前記紫外線硬化性接着剤24を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ることを特徴とする紫外線照射装置10を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】光学ガラス21(又は22)又は光学的に透明な材料を被接着部材22(又は21)に紫外線硬化性接着剤24を用いて接着する時に、該紫外線硬化性接着剤24を硬化させる光を出射する紫外線照射装置10において、高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプのいずれかを用いた紫外線光源11と、前記紫外線光源11から出射される光に対して波長が365nm近傍の紫外線のみを通過させるための熱線カットフィルター14及び低波長カットフィルター15とを備え、前記紫外線により前記紫外線硬化性接着剤24を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ることを特徴とする紫外線照射装置10を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ガラス又は光学的に透明な材料を紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する時に適用する紫外線照射装置及び紫外線硬化型接着剤硬化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、光学ガラス又は光学的に透明な材料を紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する時には、高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプなどを用いた紫外線光源から出射される光により紫外線硬化性接着剤を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した紫外線光源の波長分布は、365nm近傍の紫外線だけでなく、それ以外の波長の光線も多く出射されている。
【0004】
この際、紫外線光源から出射される光のうちで紫外線より長波長の光は、照射により接着対象の光学ガラス又は光学的に透明な材料の温度上昇をまねき、熱応力が発生するので好ましくない。一方、紫外線光源から出射される光のうちで365nm以下の光に関しては、紫外線硬化性接着剤の表面硬化性が向上するために利用されている。
【0005】
しかしながら、光学部品などに用いられる光学ガラスは、複屈折による画像品質の劣化を防ぐために、光弾性定数の小さい材料を用いている。この光弾性定数は一般にガラス材料の鉛の含有量が多いほど少ないものの、鉛の含有量が多いほど紫外線の透過率が著しく低下してしまう。
【0006】
従って、光学部品に用いられる光学ガラスの接着には、一般的に2液硬化、または1液硬化の熱硬化タイプのエポキシ樹脂やシリコン樹脂などが用いられているが、これらの樹脂の硬化には時間が非常にかかり生産性が悪いし、さらに光学部品は精密な位置出しが必要用であり、そのためには硬化までの間、これら光学部品の位置を正確に保つための治具が必要となる。また、光学ガラスに熱をかけることにより硬化させると、熱膨張により正確な位置に接着できないと言う問題が起きる。
【0007】
そこで、光学部品に用いられる光学ガラスの接着に、紫外線硬化性接着剤を用いる方法が考えられるものの、紫外線硬化性接着剤を硬化させた時に紫外線硬化性接着剤層の光透過率特性に問題があることがわかり、この問題を解決できる紫外線照射装置及び紫外線硬化型接着剤硬化方法が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、光学ガラス又は光学的に透明な材料を紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する時に、該紫外線硬化性接着剤を硬化させる光を出射する紫外線照射装置において、
高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプのいずれかを用いた紫外線光源と、
前記紫外線光源から出射される光に対して波長が365nm近傍の紫外線のみを通過させるための熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターとを備え、
前記紫外線により前記紫外線硬化性接着剤を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ることを特徴とする紫外線照射装置である。
【0009】
また、第2の発明は、光学ガラス又は光学的に透明な材料を紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する時に、前記紫外線硬化性接着剤を硬化させる紫外線硬化性接着剤硬化方法において、
高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプのいずれかを用いた紫外線光源から出射される光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターにより波長が365nm近傍の紫外線のみを通過させて、前記紫外線により前記紫外線硬化性接着剤を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ることを特徴とする紫外線硬化性接着剤硬化方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法の一実施例を図1乃至図8を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法を説明するための図、
図2は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた後の紫外線(365±5nm)を示した図、
図3は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光のスペクトル分布を示した図、
図4は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図、
図5は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して低波長カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図、
図6は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図、
図7は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光(強度20mW)をガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過特性を示した図、
図8は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた紫外線(強度20mW)をガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過特性を示した図である。
【0012】
図1に示した如く、本発明に係る紫外線照射装置10では、高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプなどを用いた紫外線光源11から出射される光が光ファイバー12を介して光出射端となる口金13まで導かれており、且つ、口金13からの光出射方向に熱線カットフィルター14と低波長カットフィルター15とが順に設けられている。
【0013】
この実施例では、紫外線光源11として例えばウシオ電機(株)製SP−Vを用い、且つ、熱線カットフィルター14として例えば石英ガラス上に金属酸化物を多層に蒸着したものを用い、且つ、低波長カットフィルター15として例えば厚みが2mmの(株)オハラ光学製S−TIMガラスを用いている。
【0014】
更に、低波長カットフィルター15の近傍には紫外線硬化性接着剤を用いて接着したい対象物20が配置されている。
【0015】
また、この実施例において、接着したい対象物20として、プロジェクタとか光ピックアップなどに用いられるビームスプリッタを作製する場合について説明する。
【0016】
即ち、例えば(株)オハラ光学製PBH57の透明な光学ガラスを用いた一対の3角プリズム21,22のいずれか一方の3角プリズムの一つの面に半透過反射膜23を予め成膜して、この半透過反射膜23を挟んでいずれか一方の3角プリズム21(又は22)に紫外線硬化性接着剤24をぬりつけて、一方の3角プリズム21(又は22)を被接着側となる他方の3角プリズム22(又は21)に接合することで、両3角プリズム21,22同士を直方体又は立方体に接着してビームスプリッタ(20)を作製している。
【0017】
この場合、口金13から出射される紫外線光源11からの光が熱線カットフィルター14と低波長カットフィルター15とを順に通過した後には、波長が365nm近傍の紫外線のみが得られので、この波長の紫外線のみを一方の3角プリズム21に照射すると、紫外線が透明な3角プリズム21内を通過して紫外線硬化性接着剤24に到達して紫外線硬化性接着剤24を硬化させるので、両3角プリズム21,22同士を接着することができる。この際、熱線カットフィルター14と、低波長カットフィルター15とを組み合わせることにより、波長が365±5nmで半値幅(=山形をなす分布曲線において、最大値の1/2に対する分布の幅)が5nmの成分の波長のみを含むような紫外線を得ている。
【0018】
尚、実施例で接着対象物として光学ガラスを用いた例を説明したが、これに限ることなく、光学的に透明なポリカーボネイト樹脂,アクリル樹脂などを紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する場合にも、本発明に係る紫外線照射装置10を適用でき、これにより例えば厚みが0.6mmの2枚のディスク基板を貼り合わせた光ディスクなども作製可能となる。
【0019】
ここで、より具体的に説明すると、高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプなどを用いた紫外線光源11から出射される光は、図3に示したように、250nm前後の低波長領域から600nm前後の赤外領域の範囲に亘ってスペクトル分布が存在している。
【0020】
そこで、図4に示したように、紫外線光源11から出射される光に対して熱線カットフィルター14のみを通過させると、紫外線領域より波長が長い赤外領域がカットされる。一方、図5に示したように、紫外線光源11から出射される光に対して低波長カットフィルター15のみを通過させると、紫外線領域より波長が短い低波長領域がカットされる。
【0021】
そして、図6に示したように、上記を組み合わせて、紫外線光源11から出射される光に対して熱線カットフィルター14及び低波長カットフィルター15を通過させると、紫外線領域の波長のみを抽出することができる。
【0022】
ここで、比較例として、図7の実線で示したように、紫外線光源11から出射された強度20mWの光を、熱線カットフィルター14及び低波長カットフィルター15を通過させることなくそのままガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過率特性は、図7の点線で示した照射前のintial値(初期値)よりもかなり劣化している。
【0023】
上記に対して、本実施例では、図8の実線で示したように、紫外線光源11から出射された強度20mWの光を、熱線カットフィルター14及び低波長カットフィルター15を通過させて、強度20mWの紫外線をガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過率特性は、図8の点線で示した照射前のintial値(初期値)よりもごく僅かに劣化しているものの、光透過率の劣化を1%以内に収めることができ、この範囲なら何等の支障も生じないことが判明した。これにより、紫外線硬化性接着剤を硬化させた時に光透過率特性が良い紫外線硬化性接着剤層を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法によると、光学ガラス又は光学的に透明な材料を被接着部材に紫外線硬化性接着剤を用いて接着する時に、高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプのいずれかを用いた紫外線光源から出射される光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターにより波長が365nm近傍の紫外線のみを通過させて、紫外線により紫外線硬化性接着剤を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ているので、紫外線硬化性接着剤層の光透過率特性が良好なものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法を説明するための図である。
【図2】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた後の紫外線(365±5nm)を示した図である。
【図3】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光のスペクトル分布を示した図である。
【図4】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図である。
【図5】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して低波長カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図である。
【図6】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図である。
【図7】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光(強度20mW)をガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過特性を示した図である。
【図8】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた紫外線(強度20mW)をガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過特性を示した図である。
【符号の説明】
10…紫外線照射装置、11…紫外線光源、12…光ファイバー、13…口金、
14…熱線カットフィルター、15…低波長カットフィルター、
20…接着したい対象物、21,22…3角プリズム、23…半透過反射膜、
24…紫外線硬化性接着剤。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ガラス又は光学的に透明な材料を紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する時に適用する紫外線照射装置及び紫外線硬化型接着剤硬化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、光学ガラス又は光学的に透明な材料を紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する時には、高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプなどを用いた紫外線光源から出射される光により紫外線硬化性接着剤を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した紫外線光源の波長分布は、365nm近傍の紫外線だけでなく、それ以外の波長の光線も多く出射されている。
【0004】
この際、紫外線光源から出射される光のうちで紫外線より長波長の光は、照射により接着対象の光学ガラス又は光学的に透明な材料の温度上昇をまねき、熱応力が発生するので好ましくない。一方、紫外線光源から出射される光のうちで365nm以下の光に関しては、紫外線硬化性接着剤の表面硬化性が向上するために利用されている。
【0005】
しかしながら、光学部品などに用いられる光学ガラスは、複屈折による画像品質の劣化を防ぐために、光弾性定数の小さい材料を用いている。この光弾性定数は一般にガラス材料の鉛の含有量が多いほど少ないものの、鉛の含有量が多いほど紫外線の透過率が著しく低下してしまう。
【0006】
従って、光学部品に用いられる光学ガラスの接着には、一般的に2液硬化、または1液硬化の熱硬化タイプのエポキシ樹脂やシリコン樹脂などが用いられているが、これらの樹脂の硬化には時間が非常にかかり生産性が悪いし、さらに光学部品は精密な位置出しが必要用であり、そのためには硬化までの間、これら光学部品の位置を正確に保つための治具が必要となる。また、光学ガラスに熱をかけることにより硬化させると、熱膨張により正確な位置に接着できないと言う問題が起きる。
【0007】
そこで、光学部品に用いられる光学ガラスの接着に、紫外線硬化性接着剤を用いる方法が考えられるものの、紫外線硬化性接着剤を硬化させた時に紫外線硬化性接着剤層の光透過率特性に問題があることがわかり、この問題を解決できる紫外線照射装置及び紫外線硬化型接着剤硬化方法が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、光学ガラス又は光学的に透明な材料を紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する時に、該紫外線硬化性接着剤を硬化させる光を出射する紫外線照射装置において、
高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプのいずれかを用いた紫外線光源と、
前記紫外線光源から出射される光に対して波長が365nm近傍の紫外線のみを通過させるための熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターとを備え、
前記紫外線により前記紫外線硬化性接着剤を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ることを特徴とする紫外線照射装置である。
【0009】
また、第2の発明は、光学ガラス又は光学的に透明な材料を紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する時に、前記紫外線硬化性接着剤を硬化させる紫外線硬化性接着剤硬化方法において、
高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプのいずれかを用いた紫外線光源から出射される光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターにより波長が365nm近傍の紫外線のみを通過させて、前記紫外線により前記紫外線硬化性接着剤を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ることを特徴とする紫外線硬化性接着剤硬化方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法の一実施例を図1乃至図8を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法を説明するための図、
図2は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた後の紫外線(365±5nm)を示した図、
図3は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光のスペクトル分布を示した図、
図4は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図、
図5は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して低波長カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図、
図6は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図、
図7は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光(強度20mW)をガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過特性を示した図、
図8は本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた紫外線(強度20mW)をガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過特性を示した図である。
【0012】
図1に示した如く、本発明に係る紫外線照射装置10では、高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプなどを用いた紫外線光源11から出射される光が光ファイバー12を介して光出射端となる口金13まで導かれており、且つ、口金13からの光出射方向に熱線カットフィルター14と低波長カットフィルター15とが順に設けられている。
【0013】
この実施例では、紫外線光源11として例えばウシオ電機(株)製SP−Vを用い、且つ、熱線カットフィルター14として例えば石英ガラス上に金属酸化物を多層に蒸着したものを用い、且つ、低波長カットフィルター15として例えば厚みが2mmの(株)オハラ光学製S−TIMガラスを用いている。
【0014】
更に、低波長カットフィルター15の近傍には紫外線硬化性接着剤を用いて接着したい対象物20が配置されている。
【0015】
また、この実施例において、接着したい対象物20として、プロジェクタとか光ピックアップなどに用いられるビームスプリッタを作製する場合について説明する。
【0016】
即ち、例えば(株)オハラ光学製PBH57の透明な光学ガラスを用いた一対の3角プリズム21,22のいずれか一方の3角プリズムの一つの面に半透過反射膜23を予め成膜して、この半透過反射膜23を挟んでいずれか一方の3角プリズム21(又は22)に紫外線硬化性接着剤24をぬりつけて、一方の3角プリズム21(又は22)を被接着側となる他方の3角プリズム22(又は21)に接合することで、両3角プリズム21,22同士を直方体又は立方体に接着してビームスプリッタ(20)を作製している。
【0017】
この場合、口金13から出射される紫外線光源11からの光が熱線カットフィルター14と低波長カットフィルター15とを順に通過した後には、波長が365nm近傍の紫外線のみが得られので、この波長の紫外線のみを一方の3角プリズム21に照射すると、紫外線が透明な3角プリズム21内を通過して紫外線硬化性接着剤24に到達して紫外線硬化性接着剤24を硬化させるので、両3角プリズム21,22同士を接着することができる。この際、熱線カットフィルター14と、低波長カットフィルター15とを組み合わせることにより、波長が365±5nmで半値幅(=山形をなす分布曲線において、最大値の1/2に対する分布の幅)が5nmの成分の波長のみを含むような紫外線を得ている。
【0018】
尚、実施例で接着対象物として光学ガラスを用いた例を説明したが、これに限ることなく、光学的に透明なポリカーボネイト樹脂,アクリル樹脂などを紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する場合にも、本発明に係る紫外線照射装置10を適用でき、これにより例えば厚みが0.6mmの2枚のディスク基板を貼り合わせた光ディスクなども作製可能となる。
【0019】
ここで、より具体的に説明すると、高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプなどを用いた紫外線光源11から出射される光は、図3に示したように、250nm前後の低波長領域から600nm前後の赤外領域の範囲に亘ってスペクトル分布が存在している。
【0020】
そこで、図4に示したように、紫外線光源11から出射される光に対して熱線カットフィルター14のみを通過させると、紫外線領域より波長が長い赤外領域がカットされる。一方、図5に示したように、紫外線光源11から出射される光に対して低波長カットフィルター15のみを通過させると、紫外線領域より波長が短い低波長領域がカットされる。
【0021】
そして、図6に示したように、上記を組み合わせて、紫外線光源11から出射される光に対して熱線カットフィルター14及び低波長カットフィルター15を通過させると、紫外線領域の波長のみを抽出することができる。
【0022】
ここで、比較例として、図7の実線で示したように、紫外線光源11から出射された強度20mWの光を、熱線カットフィルター14及び低波長カットフィルター15を通過させることなくそのままガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過率特性は、図7の点線で示した照射前のintial値(初期値)よりもかなり劣化している。
【0023】
上記に対して、本実施例では、図8の実線で示したように、紫外線光源11から出射された強度20mWの光を、熱線カットフィルター14及び低波長カットフィルター15を通過させて、強度20mWの紫外線をガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過率特性は、図8の点線で示した照射前のintial値(初期値)よりもごく僅かに劣化しているものの、光透過率の劣化を1%以内に収めることができ、この範囲なら何等の支障も生じないことが判明した。これにより、紫外線硬化性接着剤を硬化させた時に光透過率特性が良い紫外線硬化性接着剤層を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法によると、光学ガラス又は光学的に透明な材料を被接着部材に紫外線硬化性接着剤を用いて接着する時に、高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプのいずれかを用いた紫外線光源から出射される光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターにより波長が365nm近傍の紫外線のみを通過させて、紫外線により紫外線硬化性接着剤を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ているので、紫外線硬化性接着剤層の光透過率特性が良好なものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法を説明するための図である。
【図2】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた後の紫外線(365±5nm)を示した図である。
【図3】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光のスペクトル分布を示した図である。
【図4】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図である。
【図5】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して低波長カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図である。
【図6】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた後のスペクトル分布を示した図である。
【図7】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、紫外線光源からの光(強度20mW)をガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過特性を示した図である。
【図8】本発明に係る紫外線照射装置及び紫外線硬化性接着剤硬化方法において、熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターを通過させた紫外線(強度20mW)をガラス材料PBH57に60分間照射した後のガラス材料PBH57の光透過特性を示した図である。
【符号の説明】
10…紫外線照射装置、11…紫外線光源、12…光ファイバー、13…口金、
14…熱線カットフィルター、15…低波長カットフィルター、
20…接着したい対象物、21,22…3角プリズム、23…半透過反射膜、
24…紫外線硬化性接着剤。
Claims (2)
- 光学ガラス又は光学的に透明な材料を紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する時に、該紫外線硬化性接着剤を硬化させる光を出射する紫外線照射装置において、
高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプのいずれかを用いた紫外線光源と、
前記紫外線光源から出射される光に対して波長が365nm近傍の紫外線のみを通過させるための熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターとを備え、
前記紫外線により前記紫外線硬化性接着剤を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ることを特徴とする紫外線照射装置。 - 光学ガラス又は光学的に透明な材料を紫外線硬化性接着剤を用いて被接着部材に接着する時に、前記紫外線硬化性接着剤を硬化させる紫外線硬化性接着剤硬化方法において、
高圧水銀ランプ,低圧水銀ランプ,キセノンランプ,メタルハライドランプのいずれかを用いた紫外線光源から出射される光に対して熱線カットフィルター及び低波長カットフィルターにより波長が365nm近傍の紫外線のみを通過させて、前記紫外線により前記紫外線硬化性接着剤を硬化させて紫外線硬化性接着剤層を得ることを特徴とする紫外線硬化性接着剤硬化方法。
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JP2016118804A (ja) * | 2016-02-26 | 2016-06-30 | 住友化学株式会社 | 偏光板の製造方法 |
-
2002
- 2002-06-21 JP JP2002181797A patent/JP2004026898A/ja active Pending
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