JP2004026747A - 発熱性貼付剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸湿して発熱する発熱性粒子及び薬物を含有する水親和性多価アルコール系粘着剤組成物を有する発熱性貼付剤、とする。好ましい発熱性粒子は、室温(25℃)での水和エンタルピーが−10〜−200kJmol−1の化合物である。外気または皮膚からの水分吸収によって発熱性粒子が粘着剤中で局所的に発熱し、薬物の放出性と経皮吸収性を向上させる。
【選択図】 なし
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、薬物の貼付剤からの放出性と皮膚・粘膜への吸収性に優れた貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外皮から薬物を生体内に連続的に投与することを目的として貼付剤が用いられている。これら貼付剤としては、高分子と水を媒体とした含水系パップ剤、天然ゴムや合成ゴムを使用したゴム系やシリコン系の非水系テープ・プラスター剤等がある。これらは一応の薬効が得られ広く使用されているが、さらに優れた製剤を求めて努力が続けられている。例えば、含水系であるパップ剤は、加水分解を受け易い薬物の安定性を確保する技術課題や水難溶性の薬物を安定に溶解させる技術課題があり、非水系のテープ・プラスター剤は、皮膚に対する刺激性を緩和し、薬物の経皮吸収性を向上させる技術課題がある。
ところで、特開昭63−203162号公報に記載されている多価アルコール及び多価アルコール可溶性高分子を含む組成物、特開昭63−222121公報に記載されたヒドロキシプロピルセルロース及びエタノール可溶性可塑剤を含む組成物は、皮膚に対する刺激が低く、製剤内における薬物(特に加水分解性水難溶性薬物)の安定性も良好であり、上述の課題を克服する。しかし、この様なアルコールや多価アルコール系基剤においては、薬物が基剤中に安定状態で存在しているため薬物の放出性が十分ではなく、創傷保護剤のような目的には使用可能であるが、薬物を放出し経皮吸収させる経皮吸収製剤としては改善の余地があった。特開2001−245913号公報実施例には、多価アルコール系温感ゲル製剤に薬物とカオリンなどの充填剤を配合した温感貼付剤が記載されているが、この貼付剤は、まだ薬物の放出性が必ずしも十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、薬物放出性と吸収性に優れた多価アルコール系粘着剤を有する貼付剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、検討の結果、発熱性粒子を配合し薬物含有アルコール系粘着剤に局所的な熱を発生させることにより、薬物の放出性及び皮膚・粘膜への吸収性を有意に上昇させ、有効性に優れた良好な貼付剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、
<1> 吸湿して発熱する発熱性粒子及び薬物を含有する多価アルコール系粘着剤組成物を有することを特徴とする発熱性貼付剤。
<2> 粘着剤組成物を空気中(25℃50%RH条件下)に曝露した時から2分後の温度上昇が0.7℃以上であることを特徴とする、請求項1に記載の発熱性貼付剤。
<3> 多価アルコール系粘着剤組成物が多価アルコールに溶解又は膨潤する高分子化合物を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の発熱性貼付剤。
<4> 発熱性粒子の室温における水和エンタルピーが−10kJmol−1以下である化合物であることを特徴とする、請求項1〜3に記載の発熱性貼付剤。
を提供する。
なお、本発明における「多価アルコール系粘着剤」とは、多価アルコールを10質量%以上含有し、かつ含水率が10%以下である非水または低含水の粘着剤を意味することとする。
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる発熱性粒子としては、室温(25℃)において固体であり、室温での水和エンタルピー(単位:kJmol−1)が負である有機化合物または無機化合物が使用できる。好ましくは室温での水和エンタルピーが−10〜−200kJmol−1、より好ましくは−15〜−190kJmol−1、特に好ましくは−50〜−150kJmol−1である発熱性粒子が好ましい。この範囲の水和エンタルピーである発熱性粒子は、薬物の放出及び吸収に対して十分な発熱性を有し、しかも過度の発熱による皮膚刺激が生じず、薬物の化学的安定性も損なわない。さらに、発熱性粒子が水溶性や潮解性を有する化合物であると、発熱性が良好であるため好ましい。具体的には、リン酸水素ナトリウム(−118.66kJmol−1)、硫酸マグネシウム(−101.5kJmol−1)、硫酸亜鉛(−95.4kJmol−1)、塩化カルシウム(−94.68kJmol−1)、塩化マグネシウム(−138.53kJmol−1)、炭酸ナトリウム(−91.2kJmol−1)、等を好適に用いることができる。これら発熱性粒子の粒径は、水和速度、使用感、製造性等の観点から0.1〜400μm、好ましくは1〜300μmであることが好ましい。
発熱性粒子の配合量としては、好ましくは1〜60質量%が好ましく、より好ましくは5〜50質量%である。この範囲で、十分な局所発熱性が得られ、過発熱による刺激がなく、しかも貼付剤用としての粘着剤物性が良好である。
【0007】
本発明の多価アルコール系粘着剤組成物は、水親和性であることが望ましい。そのようなゲルとすることで、使用中(皮膚に貼付中)に皮膚からの水分や外気からの水分を粘着剤が吸収して、粘着剤中に分散している上記発熱性粒子と接触して水和発熱し粘着剤からの薬物放出のブースターとなる。また、粘着剤自体の温度も上昇し皮膚温を上げるため、経皮吸収性が飛躍的に向上する。さらに、粒子自体が充填剤としても作用するため、粘着剤物性(保型性)が良好で使用性にも優れる。
【0008】
上記水親和性の多価アルコール系粘着剤組成物とするには、多価アルコール及び多価アルコール可溶性又は膨潤性高分子化合物を含有する組成物とする。
多価アルコールとしては、具体的には、例えば、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、アミレングリコール等のアルキレングリコール類、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等のジアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール類、硬化ヒマシ油類、ソルビトール等の糖アルコール類等が挙げられる。このなかでも、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等が好ましい。特に好ましくはジエチレングリコールモノアルキルエーテル、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンである。さらに、少なくとも分子量200〜6000、より好ましくは分子量200〜2000のポリエチレングリコールは、特に良好な吸水性と発熱性の双方を併せ持つため、好ましい。
【0009】
本発明における上記多価アルコールの配合量は、粘着剤組成物全体の10〜95質量%、好ましくは20〜93質量%、より好ましくは30〜90質量%である。配合量がこの範囲外となると、粘着性、柔軟性などの物性が悪く、また吸水性が低下して発熱性が十分得られず薬物の有効性も低下する。加えて、製造性にも影響する。
【0010】
本発明の粘着剤に使用する高分子化合物は、多価アルコール可溶性又は膨潤性の高分子化合物である。ここで多価アルコール可溶性とは、高分子の1質量%多価アルコール溶液が透明又は澄明均一になることを意味する。膨潤性とは、一定質量の多価アルコールと混合した場合に、高分子が多価アルコールを吸収して体積を増し、高分子−多価アルコール体の質量が、混合前の高分子質量の2倍以上であることをいう。好ましい高分子化合物は、多価アルコールに溶解又は膨潤してゲル化する性質を有し、中でもノニオン性高分子が好適に使用され得る。さらに、親水性を有している高分子化合物、熱可塑性を有するものが望ましい。
【0011】
具体的な高分子化合物の例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステルコポリマー、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン重合体、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド等が挙げられる。これらの高分子化合物は、その一部が架橋した架橋体であってもよい。
【0012】
上記ヒドロキシプロピルセルロースは、置換度が50%以上のものが好ましい。ここで置換度とは、ヒドロキシプロピルセルロース質量に対する、エーテル化したヒドロキシプロポキシル基含有量の質量%をいう。置換度が高ければ、多価アルコールとの相溶性が充分に得られるので好ましい。また、ヒドロキシプロピルセルロースは、例えば、ヒドロキシプロポキシル基の含量が、20〜90%、好ましくは、50〜80%である。
【0013】
上記ポリビニルピロリドンは、ビニルピロリドンモノマーを主成分とするコポリマーであってもよく、例えば、アクリル酸−2−エチルヘキシル/ビニルピロリドンコポリマー、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー及びビニルピロリドン/ビニルカプロラクトン/ビニルイミダゾールコポリマー等が挙げられる。
【0014】
上記(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステルコポリマーとしては、例えば、メタクリル酸/アクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、アクリル酸/アクリル酸オクチルコポリマー及びメタアクリル酸/アクリル酸n−ブチルコポリマー等が挙げられる。
上記N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン重合体は、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタインモノマーを主成分とするコポリマーであってもよく、例えば、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸オクタデシルコポリマー及びN−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸2−エチルヘキシルコポリマー等が挙げられる。
【0015】
上記ポリアクリル酸は、未中和であっても、部分的に中和されていてもよい。中和率が20モル%未満の部分中和ポリアクリル酸であれば、多価アルコールに溶解し易いため、好適である。より好ましくは、未中和のポリアクリル酸である。
【0016】
上記ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニルモノマーを主成分とするコポリマーであってもよい。例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、酢酸ビニル/イタコン酸コポリマー等が挙げられる。
上記ポリビニルアルコールとしては、例えば、ポリ酢酸ビニルの完全/部分ケン化物が挙げられる。
上記アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーは、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びその加水分解物さらには加水分解物の中和物若しくはハーフエステルであってもよい。例えば、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。
【0017】
上記ポリメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びポリフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートにおいて、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートに含まれるポリエチレングリコール側鎖のエチレングリコール付加モル数(n)は、例えば、n=2〜50、好ましくは、n=2〜23であることが好適である。また、このポリメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びポリフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等とのコポリマーであってもよい。
【0018】
特に好ましい高分子化合物は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、メタアクリル酸コポリマーである。
本発明のポリマーの分子量は、良好なゲル形成性が得られる程度に高い方が好ましく、例えば、1万〜1000万、好ましくは10万〜500万である。
【0019】
本発明の粘着剤組成物における多価アルコール可溶性又は膨潤性高分子化合物の配合量は、組成物全体の1〜50質量%とする。配合量がこの範囲外となると、保型性、凝集性及び粘着性の低下等の問題が生じる。好ましくは1〜45質量%、より好ましくは1〜40質量%、特に好ましくは3〜30質量%である。
【0020】
本発明の発熱性貼付剤に配合される薬物としては、通常の皮膚外用剤に使用されるものであれば特に制限されないが、例えば、消炎鎮痛剤、副腎皮質ホルモン等のホルモン剤、抗ヒスタミン剤、抗真菌剤、ビタミン剤、収斂剤、紫外線吸収剤、催眠・鎮静剤、抗精神病・抗癲癇剤、抗パーキンソン病剤、強心剤、抗不整脈剤、抗狭心症剤、抗高血圧剤、抗アレルギー剤、痛風治療剤、鎮痛剤、引赤発泡剤、皮膚軟化剤、発汗防止・防臭剤、頭髪用剤、血行促進剤、禁煙補助剤、鎮痒剤、糖尿病用剤、プロスタグランジン類等が挙げられる。
【0021】
鎮痛消炎剤としては、アミノ安息香酸エチル、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸プロカイン、リドカイン、サリチル酸メチル、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート、ペンダザック、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フェルビナク、ジクロフェナック、クロモグリク酸ナトリウム、ウフェナマート、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、ブフエキサマック、デキストラン、クロタミトン、フルフェナム酸ブチル、アロエ末、イクタモール、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β−グリチルレチン酸、ステアリン酸グリチルレチニル、、ヒノキチオール等が挙げられる。
【0022】
副腎皮質ホルモン剤としては、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、フルオシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノニド、フルオロメソロン、プロピオン酸ベクロメタゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、酢酸デキサメタゾン、フルドロキシコルチド、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、プロピオン酸クロペンタゾール、アムシノニド、ハルシノニド、吉草酸酢酸プレドニゾロン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン等が挙げられる。
その他のホルモンとしては、エストラジオール、プロゲステロン、テストステロン、エストロン、エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストール、ヘキストロール等が挙げられる。抗ヒスタミン剤としては、塩酸イノチペンジル、ジフェニルイミダゾール、硫酸クレミゾール、ジフェンヒドラミン、ラウリル硫酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンやこれらの塩及び誘導体等が挙げられる。
【0023】
抗真菌剤としては、クリサロピン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、ペンタクロルフェノール、酢酸フェニル水銀、チメロサール、トリコマイシン、トルナフテート、フェニルヨードウンデシノエート、クロトリマゾール、ハロプロジン、バリオチン、ピロールニトリン、シッカニン、ナイスタチン、エキサラミド、シクロピロクス・オラミン、硝酸ミコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸イソコナゾール等が挙げられる。
【0024】
ビタミン剤としては、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、デヒドロレチノール、エルゴカルシフェロール、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール・カルシウム、ユビキノン、フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンリン酸塩、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、塩酸ピリドキシン、5′−リン酸ピリドキサール、ジカプリル酸ピリドキシン、ジパルミチン酸ピリドキシン、トリパルミチン酸ピリドキシン、シアノコバラミン、ヒドロキシコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン、メチルコバラミン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、パントテニルアルコール、ジカルボエトキシパントテン酸エチルエステル・プロピレングリコール液、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、葉酸、コリン、イノシトール、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル等が挙げられる。
【0025】
収斂剤としては、酸化亜鉛、カラミン、硫酸アルミニウム、酢酸鉛、次硝酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、タンニン酸、塩化酸化ジルコニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、アルミニウムヒドロキシクロライド、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化性臭化アルミニウム、アルミニウムフェノールスルホン酸、アルミニウムナフタレンスルホン酸、乾燥硫酸アルミニウムカリウム、p−フェノールスルホン酸亜鉛等が挙げられる。
【0026】
抗アレルギー剤としては、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸トリプロリジン、塩酸プロメタジン、塩酸ホモクロルシクリジン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、フマル酸クレマスチン、マレイン酸クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、メキタジン等の抗ヒスタミン剤や、エバスチン、テルフェナジン、フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン、オキサトミド、塩酸レボカバスチン、ベシル酸ベポタスチン、塩酸エピナスチン、フマル酸エメダスチン、塩酸セチリジン、トシル酸スプラタスト、アンレキサノクス、イブジラスト、イプシロン−アミノカプロン酸、塩酸オザグレル、クロモグリク酸Na、セラトロダスト、タザノラスト、トラニラスト、プランルカスト水和物、ペミロラストカリウム、ラマトロバン、レピリナスト、グリチルリチン、グリチロン、トラネキサム酸、オーラノフィン、ブシラミン等が挙げられる。
【0027】
紫外線吸収剤としては、ウロカニン酸、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル、p−アミノ安息香酸エチル、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。金属イオン封鎖剤としては、エデト酸二カリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等が挙げられる。
催眠・鎮静剤としては、バルビタール、チオペンタール、抱水クロラール、臭化カリウム等が挙げられる。抗精神病・抗癲癇剤としてはクロルプロマジン、レセルピン、クロルジアゼポキシド等が挙げられる。抗パーキンソン病剤としては、クロルゾキサゾン、レボドパ等が挙げられる。
【0028】
痛風治療剤としては、アロプリノール、コルヒチン、スルフィンピラゾン、プロベネシド、ベンズブロマロン等が挙げられる。
鎮痛剤としては、イクタモール、モクタール、カンフル、チモール、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、塩酸プロメタジン、N−エチル−o−クロトノトルイジン等が挙げられる。
引赤発泡剤としては、カンタリス、トウガラシチンキ、イクタモール、テレビン油、次没食子酸ビスマス等が挙げられる。発汗防止・防臭剤としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、フェノールスルホン酸アルミニウム、過ホウ酸ナトリウム等が挙げられる。
【0029】
頭髪用剤としては、二硫化セレン、臭化アルキルイソキノリニウム、ジンクピリチオン、ビフェナミン、チアントール、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキ、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、塩化カルプロニウム、塩化アセチルコリン、塩化ピロカルピン、ビタミンA油等が挙げられる
血行促進剤としては、トウガラシエキス、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド、バニリルブチルエーテル、ジンゲロン、ニコチン酸ベンジルやこれらの塩、及び誘導体が挙げられる。
【0030】
禁煙補助剤としては、ニコチンが挙げられる。避妊薬としては、エチニルエストラジオール・ノルエチステロン、エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル等が挙げられる。
鎮痒剤としては、クロタミトン、ジフェンヒドラミン、プレドニゾロン、アミノ安息香酸エチル、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸イソベンジル、吉草酸酢酸プレドニゾロン、タクロリムス水和物、ウフェナマート等が挙げられる。
【0031】
強心剤としては、ジギトキシン、ジゴキシン等が挙げられる。抗不整脈剤としては、塩酸プロカインアミド、塩酸プロプラノール、塩酸リドカイン、塩酸インデノロール等が挙げられる。抗狭心症剤としては、ジピリダモール、亜硝酸アミル、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド等が挙げられる。
抗高血圧剤としては、レセルピン、硫酸グアネチジン等が挙げられる。
【0032】
その他にも、エラグ酸、コウジ酸、ピロクトオラミン、ハイドロキノン、ヘパリン類似物質やこれらの塩及び誘導体、オオバク等の生薬末や、セイヨウトチノミエキス等の生薬軟エキス、オオバク乾燥エキス等の生薬乾燥エキス、センブリ流エキス等の生薬流エキス、アルニカチンキ等の生薬チンキ、ハッカ油,ケイ皮油等の精油等が挙げられる。
【0033】
これら薬物は、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。配合量は、各薬物の薬効適正量として選定することができるが、通常、0.001質量%〜30質量%の範囲である。
【0034】
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない限り、上記成分に加えて、通常貼付剤に添加されうるその他の成分を適宜配合することができる。例えば、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、保湿剤、清涼化剤、無機粉体、粘着付与剤、防腐剤、溶解剤、安定化剤、経皮吸収促進剤、香料、色素等を挙げることができる。
【0035】
高分子化合物としては、吸水性高分子や多価アルコールに不溶の親水性高分子等が挙げられる。例えば、ポリアクリル酸架橋物、ポリアクリル酸塩架橋物、ポリアクリル酸・デンプングラフト重合体及び/又はその塩、デンプン・ポリアクリロニトリル共重合体、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体及び/またはその塩、N−ビニルアセトアミド共重合体、架橋型ポリビニルピロリドン、架橋型ポリアルキレンオキサイド、結晶セルロース、セルロース粉末、アルギン酸、ゼラチン、クロスカルメロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム(完全中和物)、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合物Na塩架橋物、トウモロコシデンプン、キサンタンガム、アラビヤガム、トラガントガム、カラヤガム、グアガム、ゼラチン等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。なお、上記高分子の多価アルコールへの溶解性は、詳細には各々の分子量やケン化度、置換基の置換度などにより異なる。ここで挙げた不溶性高分子は、本発明の多価アルコール可溶性、膨潤性の基準から外れるグレードを指すことは言うまでもない。吸水性高分子化合物、多価アルコールに不溶な高分子化合物の配合量は、適宜選定することができるが、通常、組成物全体の0.01〜40質量%、好ましくは、0.1〜30質量%添加される。これらを配合することにより、ゲルの吸水性がより良くなり、局所発熱が効率良く行われるため好ましい。
【0036】
界面活性剤としては、例えばジグリセリンモノステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)(10)グリセリンモノオレエート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、POE(25)ラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルポリオキシエチレンアルキル硫酸(エステル)塩、脂肪酸石けん、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキル硫酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキルアンモニウム塩、酢酸ベタイン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ビタミン誘導体、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸およびこれらの誘導体が上げられ、具体的には、ソルビタンモノオレート、グリセリンモノオレート、デカグリセリルモノオレート、ジグリセリルジオレート、ヘキサグリセリルモノラウレートプロピレングリコールモノステアレート、POE(20)ソルビタンモノオレート、POE(60)ソルビットテトラオレート、POE(40)モノステアレート、POE(10)オレイルエーテル、POE(10)ノニルフェニルエーテル、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(5)オレイン酸アミド、ラウリル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル酢酸ナトリウム、トリPOE(10)アルキルエーテルリン酸、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、卵黄、レシチン、イミダソリニウムベタイン、セバシン酸ジエステル等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。界面活性剤の配合量は、適宜選定することができるが、通常、組成物全体の0.05〜30質量%、好ましくは、0.1〜15質量%である。
【0037】
保湿剤としては、例えば、乳酸塩、ピロリドンカルボン酸塩、アミノ酸としてグリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン等およびその塩、尿素、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アラントイン、ヘパリン類似物質、コラーゲン、エラスチン、乳清、大豆蛋白、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン、コメヌカエキス、アロエエキス、トレハロース、キチン誘導体、キトサン誘導体、プラセンター、セラミド、大豆リン脂質、ベタイン、甘草抽出末、コメヌカ発酵エキス、アラントインおよびその誘導体、アルニカエキス、ビワ葉エキス、マロニエエキス、ヨモギエキスなどの動植物由来成分、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、パーム油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然および合成脂肪酸類;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然および合成高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類等の油性成分、及びアオサ科、オゴノリ科、テングサ科、ミリン科、コンブ科、アイヌワカメ科、ホンダワラ科、ヒバマタ科、フノリ科、ヒトエグサ科、ミル科、ウシケノリ科、スギノリ科、カギノリ科、イバラノリ科、ナガマツモ科、モヅク科、ダービリア科、レッソニア科およびダルス科に属する海藻の抽出物等の海藻抽出物等等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。保湿剤の配合量は、組成物全体の0.1〜70質量%とするのが好ましく、より好ましくは1.0〜45質量%である。
【0038】
清涼化剤としては、例えば、カンフル、チモール、メントール、N−エチル−p−メンタン−カルボキシアミド、p−メンタン−3,8−ジオール、l−イソプレゴール、l−メンチルグリセリルエーテル等のメントール誘導体等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。清涼化剤の配合量は、適宜選定することができるが、通常、組成物全体の0.01〜15質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0039】
無機紛体としては、例えば、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化チタン、無水ケイ酸、合成ヒドロタルサイト等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。無機紛体の配合量は、適宜選定することができるが、通常、組成物全体の0.05〜30質量%、好ましくは0.5〜15質量%である。無機粉体を添加することにより、さらに良好な保形性が得られる。
【0040】
粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。粘着付与剤の配合量は、適宜選定することができるが、通常、組成物全体の0.1〜60質量%、好ましくは、0.5〜30質量%である。
【0041】
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、チモール等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。防腐剤の配合量は、適宜選定することができるが、通常、組成物全体の0〜5質量%、好ましくは、0.001〜1質量%である。
【0042】
溶解剤としては、例えば、エタノール、流動パラフィン、スクワラン等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。溶解剤の配合量は、適宜選定することができるが、通常、組成物全体の0.5〜60質量%、好ましくは、1〜30質量%である。
【0043】
安定化剤は、主に組成物の退色、変色を防止するなど、粘着剤の安定性に効果を有する。安定化剤としては、例えば、エチレンジアミン2ナトリウム塩(EDTA2ナトリウム) 等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。安定化剤の配合量は、適宜選定することができるが、通常、組成物全体の0.001〜10質量%、好ましくは、0.005〜2質量%である。
【0044】
経皮吸収促進剤としては、例えば、クロタミトン、ベンジルアルコール等等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。経皮吸収促進剤の配合量は、適宜選定することができるが、通常、組成物全体の0.05〜20質量%、好ましくは、0.1〜10質量%である。
【0045】
香料としては、例えば、ハーブ系精油類、エキス類、その他低級アルコール類、アルデヒド類があり、具体的には、アニス、アンジェリカ、安息香、イモーテル、カモミール、ガーリック、カルダモン、ガルバナム、キャラウエイ、キャロットシード、グアアックウッド、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、ジュニパー、スターアニス、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレビン、トウヒ、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、バーチ、パチュリー、バラ、ヒソップ、フェンネル、ブラックペッパー、ボダイジュ花、没薬、ヤロウ、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、モモ、ヤグルマギク、ユーカリ、ユズ、ラベンダー、ハッカ等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。香料の配合量は、適宜選定することができるが、通常、粘着剤層全体の0.0005〜10質量%、好ましくは、0.001〜5質量%である。
【0046】
色素は、その種類は特に限定されず、法定色素ハンドブック記載の色素を配合することができ、例えば、青色1号、黄色4号、赤色102号等の水溶性色素や、青色404号、黄色205号等の顔料等を挙げることができ、これらは、1種単独で又は2種類以上適宜組み合わせて使用することができる。色素の配合量は、適宜選定することができるが、通常、組成物全体の0.00005〜1質量%、好ましくは、0.0001〜0.1質量%である。
【0047】
本発明の組成物は、上記必須成分及び必要に応じて上記任意成分を適宜配合して公知の方法で均一分散されるまで練合することによって調製することができる。
【0048】
本発明の粘着剤組成物は、吸水して発熱する粒子及び薬物を含む多価アルコール系組成物であり、組成物の温度上昇は0.7℃以上とすることが好ましく、より好ましくは0.7〜7℃、さらに好ましくは1〜4℃、特に好ましくは1.5〜3.5℃である。組成物の温度上昇がこの範囲とすると、特に経皮吸収に優れしかも長時間の貼付でも低温火傷等の問題がない優れた貼付剤が得られる。なお、本発明における粘着剤組成物の温度上昇は、10×14cmサイズの不織布に10gの粘着剤を展延し、粘着剤表面に表面温度計を取りつけ、25℃50%RH条件下に放置した際の初期温度と2分後の温度の差を求めることによって知ることができる。温度のコントロールは、発熱性粒子の種類と配合量、親水性多価アルコール量により、さらには任意に吸水性高分子の配合によって調整することができる。また、本発明の粘着剤組成物は、発熱性を損なわないために非水または低含水とする必要があり、好ましい含水率は10質量%以下、より好ましくは0.1〜5質量%である。低含量の水は、貼付初期の安定した発熱(吸水)に効果を付与する。
【0049】
本発明の発熱性貼付剤の粘着剤組成物を担時する支持体は、通常の貼付剤に用いられる支持体であれば特に制限されるものではなく、公知のものを使用することができ、例えば、紙、織布、不織布、編布、高分子フィルム又はそれらの積層体等を挙げることができる。本発明の粘着剤の発熱が主に外気の水分を吸収することにより発現することから、支持体は透湿性を持つものが好ましく、その透湿度は、250(g/m2・24時間)以上、より好ましくは500(g/m2・24時間)以上であることが望ましい。
【0050】
上記組成物を上記支持体に担時する方法は、支持体の片面へ展延する担時方法が好ましい。その際の展延量は、特に制限されるものではないが、例えば支持体10×14cmあたりの粘着剤組成物量が1〜40g、好ましくは5〜35g程度とすると、好適である。この範囲で有効持続性と粘着性、貼付時の使用性が特に良好である。
なお、本発明の貼付剤組成物は、上記組成物を上記支持体に展延した後、製品化に際して、必要によりポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルム(フェイシング)で薬面(展延面)を覆い、適当な大きさに裁断して用いることができる。
【0051】
本発明の温感貼付剤の貼付面粘着力は、ボールタック値(JIS、傾斜角30°)が5〜32、好ましくは7〜25である。ボールタック値が5以下となると、貼付剤の皮膚への密着性が失われ、本発明の効果が十分得られない。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、水和発熱性粒子を含有する水親和性多価アルコール系粘着剤組成物とすることによって、皮膚や外気から水分を吸収し前記粒子が発熱し、さらには粘着剤組成物自体の温度も上昇するため、薬物の放出性と経皮吸収性が各段に向上された貼付剤とすることができる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
以下の表に示す組成で、貼付剤を調製した。表中の発熱性粒子の平均粒径は、
無水リン酸水素ナトリウム200μm、
無水硫酸マグネシウム100μm、
無水硫酸亜鉛100μm、
無水塩化カルシウム150μm、
無水炭酸ナトリウム100μm、
無水塩化マグネシウム150μm、
活性化ゼオライト11μm、
である。
常法によって、各成分を混練して得た組成物を支持体上に均一に塗布して、粘着剤層を形成した後、その表面にフェイシングライナーとしてプラスチックフィルムを覆いかぶせて貼付剤を調製した。得られた本発明の発熱性貼付剤は、適度な粘着性を備えた良好な貼付剤であった。上記各貼付剤について、下記方法により、薬物の有効性について評価した。
【0054】
≪血中濃度の測定≫
ウィスター系雄性ラット(5〜6週齢)10匹を一群として実験に供した。ラットは実験前日に背部を剃毛した。実験当日、剃毛した部分に5×8cmの大きさとした貼付剤を貼った後、個別ケージで飼育した。試料を適用後、2時間後にラットの血液を採取した。採取した血液は、情報に従って高速液体クロマトグラフィー分析に供し、予め定めておいた検量線より各薬物の血中濃度を算出した。試料適用後2時間の血中濃度を各薬物の有効性の指標とした。
≪in vitroでの皮膚透過量の測定≫
フランツ型セルを用いて薬物の皮膚透過実験を行った。フランツ型セルにヘアレスマウス(HR−1、雄性、5週齢)の背部より摘出した皮膚をはり、皮膚上に貼付剤を積層し、単位時間毎にセル内の試料を採取した。採取した試料は、情報に従って高速液体クロマトグラフィー分析に供し、予め定めておいた検量線より各薬物の皮膚透過量を算出した。試験開始後24時間後の皮膚透過量を各薬物の有効性の指標とした。
≪血流量の測定≫
ドップラー型血流計を用いて血流量の測定を行った。人(前腕内側)に貼付剤(10×14cm2)を貼付し、血流量を測定した。貼付前10分間の平均血流量を、貼付後10分から20分の平均血流量と比較した。貼付前の平均血流量を1とし、貼付後の平均血流量の倍率を各薬物の有効性の指標とした。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】
実施例29〜31のエラグ酸を
▲1▼グリチルレチン酸(配合量2.0%)、
▲2▼酢酸トコフェロール(配合量1.0%)、
▲3▼ヘパリン類似物質(配合量0.3%)、
▲4▼ニコチン(配合量2.45%)、
▲5▼パルミチン酸レチノール(配合量0.5%)、
▲6▼硝酸ミコナゾール(配合量1.0)、
▲7▼ジフェンヒドラミン(配合量1.0%)、
▲8▼エチニルエストラジオール(配合量0.03%)及びレボノゲストレル(配合量0.05)、
▲9▼スプロフェン(配合量1.0%)及びレボノゲストレル(配合量0.05)にそれぞれ変更して発熱性貼付剤を製造し評価したところ、良好な結果が得られた。(配合量差:PEG300で調整)
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】
【表10】
Claims (4)
- 吸湿して発熱する発熱性粒子及び薬物を含有する多価アルコール系粘着剤組成物を有することを特徴とする発熱性貼付剤。
- 粘着剤組成物を空気中(25℃50%RH条件下)に曝露した時から2分後の温度上昇が0.7℃以上であることを特徴とする、請求項1に記載の発熱性貼付剤。
- 多価アルコール系粘着剤組成物が多価アルコール可溶性又は膨潤性高分子化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜2に記載の発熱性貼付剤。
- 発熱性粒子の25℃(室温)における水和エンタルピーが−10kJmol−1以下である化合物であることを特徴とする、請求項1〜3に記載の発熱性貼付剤。
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