JP2004026741A - 化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】くすみ・くまをメイク等によって隠すのではなく、根本的に改善することを課題とする。
【解決手段】クエルセチン及び/またはクエルセチン誘導体に隠蔽性粉体を含有させることによりくすみ・くまが飛躍的に改善される。
【解決手段】クエルセチン及び/またはクエルセチン誘導体に隠蔽性粉体を含有させることによりくすみ・くまが飛躍的に改善される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚を健やかに保つことのできる化粧料に関する。詳細には、くま・くすみに対して改善効果に優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】くすみとは、一般に肌が暗く見える現象であり、くまとは、特に眼瞼部の周辺部に発生する一時的に肌が暗く見える現象をさす。両者は、女性の肌悩みの中でも上位に挙げられるものである。これまで、その発生要因として一般的に疲れや血行不良が言われているが、その他にも表皮メラニン量、皮膚表面の凹凸による影等の複雑な要因が絡み合っていると考えられている。これまでくすみ・くまに対する対処法としては、ファンデーションやコンシーラーなどのメークアップ化粧料によって目立たなくする手段しかなく、根本的なくすみ・くま改善剤はほとんど存在しないのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のようにメークアップ化粧料によって、くすみ・くまを一時的に目立たなくさせるのではなく、根本的に改善することを課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】この様な状況に鑑みて、本発明者らは鋭意研究努力を重ねた結果、クエルセチン及び/又はクエルセチン誘導体の1種又は2種以上と二酸化チタン又は酸化亜鉛等の隠蔽性粉体から選ばれる1種又は2種以上とを組み合わせて化粧料に含有させることにより、更には,上記必須成分の他に血行促進剤を加えることにより、くすみ・くまの改善作用を著しく向上させ、且つ経時での安定性に優れた化粧料を作成することが可能であることを見出し、発明を完成させるに至った。以下、本発明についてその実施の形態を中心に詳細に説明を加える。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いるクエルセチンの誘導体は、上記一般式(化1)中、Rが、糖である配糖体が挙げられ、具体的にはその糖の種類によってクエルシトリン、イソクエルシトリン、クエルシメリトリン、アビクラリン、ヒペリン、レイノウトリン、クエルシツロン、ルチン等がある。また、上記一般式(1)中、Rが脂肪酸エステルである誘導体が挙げられ、その脂肪酸としては酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等がある。その他にもクエルセチンの誘導体とは、皮膚中の酵素によってRの部分が加水分解されてクエルセチンになるような物質全てを意味する。
【0007】本発明で用いられるクエルセチン又はクエルセチン誘導体は、天然物由来のものであっても、また合成によって得られたものでも、試薬でもよく、これらを単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。試薬であれば、クエルセチン二水和物(和光純薬(株)社製)が好適に用いられる。
【0008】合成方法としては、特開平1−213293、特開平3−255013記載の方法を用いることができる。天然物を利用する方法としては、エンジュ、タバコの葉、トマト、三色スミレ、ヘンルーダなどの植物にルチンが多く含まれており、これらを第七改正 日本局方解説書の製法に従い高純度のルチンを入手することによりクエルセチン誘導体を精製することもできる。
【0009】本発明で用いられるクエルセチンまたはクエルセチン誘導体の配合量としては、処方成分全量に対し、純分換算で0.0001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜5重量%である。
【0010】本発明で用いられる隠蔽性粉体は、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト及びこれらと無水珪酸やアルミナ等の任意成分との複合酸化物等が具体的に例示できる。これらの隠蔽性粉体は、そのまま使用することもできるし、好ましくはメチルハイドロジェンシロキサン処理、メチルポリシロキサン処理、シリカとオルガノシランによる処理、ステアリン酸アルミニウムによる処理、水酸化アルミニウムによる処理、トリメチルシロキシケイ酸による処理、無水珪酸、酸化アルミニウムによる処理、シリコーン処理、パーフルオロアルキル処理、金属石鹸処理、アミノ酸塩処理、シリル化処理、燐酸塩処理、シリカゲルやアルミナによるコーティング処理等の処理を行って使用することも可能であり、中でも無水珪酸、酸化アルミニウムによる処理、シリカとオルガノシランによる処理を施した粉体は好適に用いられる。
【0011】本発明で用いられる、隠蔽性粉体の好ましい含有量は、化粧料の剤形によっても異なるが、スキンケア化粧料であれば0.1〜20重量%であり、更に好ましくは0.5〜5重量%である。
【0012】本発明に用いられる血行促進剤としては、化粧料に通常配合される血行促進剤をそのまま用いることができる。例えば、化合物としてはビタミンE及びそのエステル化物、ニコチン酸アミド、ニコチン酸メチル、セファラチン、γ−オリザノール、ヒノキチオール、カンフル、塩化カプロニウム、アセチルコリン、カフェイン、等が用いられる。また、血行促進効果のある植物抽出物として、センブリ、キナ、オタネニンジン、トウショウ、マンネリロウ、唐辛子、イチョウ、メリッサ、オノニス、マロニエ、キイチゴ、ニンニク、カミツレ、タイム、ハッカ、イラクサ、トウキ、ショウガ、ホップ、西洋トチノキ、西洋サンザシ、トウニン、ラベンダー、ニンジン、カラシナ、ケイ、マツ、センキュウ、ボタン、ヤマモモ、ドクダミ、コウホネ、シブガキ、トウキンセンカ、グビジンソウ、リンドウ、ブドウ、ヤマボウフウ、ダイダイ、ショウブ、ハマメリス、メリロート、ウイキョウ、サンショウ、シャクヤク、ユーカリ、ヨモギ、エンメイソウ、クララ、ショウキョウ、チョウジ、ジオウアルニカ、紅花、オトギリソウ、キナ、サルビア、トウキ、サンザシ、ボタイジュ、クスノキ、ヤマザクラ、テンダイウヤク等を用いる事ができる。本発明においてはこれらの血行促進剤のうち、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができるが、ビタミンE及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、セファラチン、γ−オリザノール、カンフル、塩化カプロニウム、カフェイン、センブリ抽出物、オタネニンジン抽出物、ヒノキチオール、唐辛子抽出物、イチョウ抽出物、アルニカ抽出物、紅花抽出物、オトギリソウ抽出物、キナ抽出物、サルビア抽出物、西洋サンザシ抽出物、トウキ抽出物、ボタイジュ抽出物が特に好ましい。
【0013】血行促進剤の配合量は、乾燥重量で化粧料全量中0.0001%〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%である。
【0014】本発明において、血行促進剤としての上記植物抽出物は、使用性、製剤化等の点から乾燥粉末あるいは溶媒抽出物として用いることが好ましい。
【0015】上記植物群の使用部位は、植物全体を用いることができるが、好ましくは種子、果実、花、葉、茎、根、樹皮又は木部等が用いられる。なお、この場合の花は、いわゆる花軸と花葉を含む、有性生殖に関する諸器官をだものをいい、花弁、雄ずい、雌ずい、萼片等を含む。
【0016】各科に属する植物の抽出物は、常法により得ることができ、例えば植物を抽出溶媒とともに浸漬または加熱還流した後、濾過し、濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶媒等を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。上記溶媒で抽出して得た抽出液をそのまま、あるいは濃縮したエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマーのカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものも使用することができる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いられる。
【0017】本発明化粧料には、上記必須成分の他に、油剤、色素、香料、防腐剤、界面活性剤、顔料、抗酸化剤、保湿剤、紫外線吸収剤などを、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
【0018】本発明の化粧料の剤型としては、クリーム、乳液、パック、浴剤などが挙げられる。この化粧料は、たとえば乳液等の場合、油相および水相をそれぞれ加熱溶解したものを乳化分散して冷却する通常の方法により製造することができる。これらの内、特に好ましくはクリーム、パックの化粧料である。
【0019】
【実施例】以下、具体例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】(1)試料(植物抽出物)の調製
(製造例1)イチョウの葉を細切したものを200gに1,3−ブチレングリコールを500g及び精製水500gを加え、50〜60℃にて8時間抽出した後、冷却ろ過して抽出物を得た。
【0021】以下に示す処方、製法にしたがって、本発明の化粧料であるクリームである<実施例1〜5>及び<比較例1〜10>を作成した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】<製法>前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水相部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水相部に加えて予備乳化を行ない、ホモミキサーで均一に乳化し、30゜Cまで冷却しクリームを得る。
【0025】得られたクリームについて、以下の諸実験を実施した。
【0026】(1)皮膚明度測定法
くまに悩んでいる被験者20〜45歳の女性40名(n=5)をパネルとし、分光測色計(横河製)を用いて、各波長における分光反射率の測定を行った。測定は洗顔後、内眼角下部のくまのない部位(コントロール部位)、またはくま部位についてそれぞれ5回づつ行い、最大、最小値を除いた3点の平均反射率を求め、以下の計算式から値を求め、反射率の変化をグラフ化し皮膚明度を測定した。
滝脇らによると、くま、くすみが目立つ肌と目立たない肌の分光反射率を比較すると、くま、くすみが目立たない肌では400〜700nm全般に及ぶ反射率が高く、特に酸化型ヘモグロビンの吸収波長域(415nm、542nm、576nm)の反射率の高さに違いが見られることが報告されている(滝脇弘嗣:皮膚の色を測る。西日本皮膚科、55、415(1993))。
このため、測定した各波長における反射率の変化をグラフ化した後、便宜上560nmでの反射率の差を皮膚明度とした。なお、皮膚明度は下記の式により求めた。
【0027】
【数1】
【0028】(2)官能試験法
くすみ・くまに悩んでいる被験者40名をパネル(n=5)とし、1日1回、連日21日間の塗布によるくすみ・くま改善効果を、対照例1と比較して、++:著しく優れている、+:明らかに優れている、±:やや優れて改善している、−:差は認められない乃至は対照例1より劣るの基準で判断し、それらの平均で表わした。
【0029】(3)保存安定性
粉体の含まれている製剤を40℃の恒温槽に3週間セットし、変色、分離等の外観変化の有無を目視にて観察した。
[評価]
◎:まったく外観変化が認められない。
○:ほとんど外観変化が認められない。
△:変色、分離等の外観変化が認められる。
×:変色、分離等の外観変化が著しく認められる。
【0030】諸実験から以下の結果を得た。
【0031】
【表3】
【0032】表3より、クエルセチンと隠蔽性粉体を配合した実施例1〜5においては皮膚明度の大きな上昇、及び、優れた官能結果が得られた。さらに、各比較例と実施例を照らし合わせてみると、クエルセチンに隠蔽性の高い粉体を配合した際、隠蔽効果のほとんどないタルクを配合した化粧料と比較して、効果が大きく増大していること、クエルセチンと隠蔽性粉体に更に血行促進剤であるニコチン酸アミドを配合した場合、効果が更に大きく増大されていることが分かる。また、保存安定性に関して言えば、クエルセチンと隠蔽性粉体を配合した実施例4においては、変色、分離等が見られているのに対して、実施例1,2,5においては非常に良好な保存安定性を示している。
【0033】実施例6 乳液:次に示す処方及び下記製法で乳液を得た。本発明の乳液は、保存安定性、くすみ・くま改善効果のいずれにおいても優れたものであった。
【0034】乳液 〈組成〉 (重量%)
油相: スクワラン 8.0 ワセリン 2.0 ミツロウ 0.5 二酸化チタン1.0
乳化剤: ソルビタンセスキオレエート 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.) 1.2
水相: イソクエルシトリン 0.10 ヒノキチオール0.1 カルボキシビニルポリマー 0.2 プロピレングリコール 0.5 水酸化カリウム 0.1 エタノール 7.0メチルパラベン0.1精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水相部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水相部に加えて乳化し、30゜Cまで冷却し乳液を得る。
【0034】実施例7 パック剤:次に示す処方及び下記製法でパック剤を得た。本発明のパックは、保存安定性、くすみ・くま改善効果のいずれにおいても優れたものであった。
【0035】パック剤 〈組成〉 (重量%)
粉末:メチルポリシロキサン処理酸化チタン 8.0 カオリン 7.0 油分: オリーブ油 3.0香料 適量 防腐剤 適量 水相: ルチン0.5 イチョウ抽出物 0.5 酢酸ビニル樹脂エマルジョン 15.0 ポリビニルアルコール 10.0 グリセリン 5.0 エタノール 5.0 精製水 残部
〔製法〕水相の原料を混合し、均一にする。さらに他成分を混合し、均一になるまで攪拌する。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の化粧料は、飛躍的にくすみ・くまを改善した。
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚を健やかに保つことのできる化粧料に関する。詳細には、くま・くすみに対して改善効果に優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】くすみとは、一般に肌が暗く見える現象であり、くまとは、特に眼瞼部の周辺部に発生する一時的に肌が暗く見える現象をさす。両者は、女性の肌悩みの中でも上位に挙げられるものである。これまで、その発生要因として一般的に疲れや血行不良が言われているが、その他にも表皮メラニン量、皮膚表面の凹凸による影等の複雑な要因が絡み合っていると考えられている。これまでくすみ・くまに対する対処法としては、ファンデーションやコンシーラーなどのメークアップ化粧料によって目立たなくする手段しかなく、根本的なくすみ・くま改善剤はほとんど存在しないのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のようにメークアップ化粧料によって、くすみ・くまを一時的に目立たなくさせるのではなく、根本的に改善することを課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】この様な状況に鑑みて、本発明者らは鋭意研究努力を重ねた結果、クエルセチン及び/又はクエルセチン誘導体の1種又は2種以上と二酸化チタン又は酸化亜鉛等の隠蔽性粉体から選ばれる1種又は2種以上とを組み合わせて化粧料に含有させることにより、更には,上記必須成分の他に血行促進剤を加えることにより、くすみ・くまの改善作用を著しく向上させ、且つ経時での安定性に優れた化粧料を作成することが可能であることを見出し、発明を完成させるに至った。以下、本発明についてその実施の形態を中心に詳細に説明を加える。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いるクエルセチンの誘導体は、上記一般式(化1)中、Rが、糖である配糖体が挙げられ、具体的にはその糖の種類によってクエルシトリン、イソクエルシトリン、クエルシメリトリン、アビクラリン、ヒペリン、レイノウトリン、クエルシツロン、ルチン等がある。また、上記一般式(1)中、Rが脂肪酸エステルである誘導体が挙げられ、その脂肪酸としては酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等がある。その他にもクエルセチンの誘導体とは、皮膚中の酵素によってRの部分が加水分解されてクエルセチンになるような物質全てを意味する。
【0007】本発明で用いられるクエルセチン又はクエルセチン誘導体は、天然物由来のものであっても、また合成によって得られたものでも、試薬でもよく、これらを単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。試薬であれば、クエルセチン二水和物(和光純薬(株)社製)が好適に用いられる。
【0008】合成方法としては、特開平1−213293、特開平3−255013記載の方法を用いることができる。天然物を利用する方法としては、エンジュ、タバコの葉、トマト、三色スミレ、ヘンルーダなどの植物にルチンが多く含まれており、これらを第七改正 日本局方解説書の製法に従い高純度のルチンを入手することによりクエルセチン誘導体を精製することもできる。
【0009】本発明で用いられるクエルセチンまたはクエルセチン誘導体の配合量としては、処方成分全量に対し、純分換算で0.0001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜5重量%である。
【0010】本発明で用いられる隠蔽性粉体は、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト及びこれらと無水珪酸やアルミナ等の任意成分との複合酸化物等が具体的に例示できる。これらの隠蔽性粉体は、そのまま使用することもできるし、好ましくはメチルハイドロジェンシロキサン処理、メチルポリシロキサン処理、シリカとオルガノシランによる処理、ステアリン酸アルミニウムによる処理、水酸化アルミニウムによる処理、トリメチルシロキシケイ酸による処理、無水珪酸、酸化アルミニウムによる処理、シリコーン処理、パーフルオロアルキル処理、金属石鹸処理、アミノ酸塩処理、シリル化処理、燐酸塩処理、シリカゲルやアルミナによるコーティング処理等の処理を行って使用することも可能であり、中でも無水珪酸、酸化アルミニウムによる処理、シリカとオルガノシランによる処理を施した粉体は好適に用いられる。
【0011】本発明で用いられる、隠蔽性粉体の好ましい含有量は、化粧料の剤形によっても異なるが、スキンケア化粧料であれば0.1〜20重量%であり、更に好ましくは0.5〜5重量%である。
【0012】本発明に用いられる血行促進剤としては、化粧料に通常配合される血行促進剤をそのまま用いることができる。例えば、化合物としてはビタミンE及びそのエステル化物、ニコチン酸アミド、ニコチン酸メチル、セファラチン、γ−オリザノール、ヒノキチオール、カンフル、塩化カプロニウム、アセチルコリン、カフェイン、等が用いられる。また、血行促進効果のある植物抽出物として、センブリ、キナ、オタネニンジン、トウショウ、マンネリロウ、唐辛子、イチョウ、メリッサ、オノニス、マロニエ、キイチゴ、ニンニク、カミツレ、タイム、ハッカ、イラクサ、トウキ、ショウガ、ホップ、西洋トチノキ、西洋サンザシ、トウニン、ラベンダー、ニンジン、カラシナ、ケイ、マツ、センキュウ、ボタン、ヤマモモ、ドクダミ、コウホネ、シブガキ、トウキンセンカ、グビジンソウ、リンドウ、ブドウ、ヤマボウフウ、ダイダイ、ショウブ、ハマメリス、メリロート、ウイキョウ、サンショウ、シャクヤク、ユーカリ、ヨモギ、エンメイソウ、クララ、ショウキョウ、チョウジ、ジオウアルニカ、紅花、オトギリソウ、キナ、サルビア、トウキ、サンザシ、ボタイジュ、クスノキ、ヤマザクラ、テンダイウヤク等を用いる事ができる。本発明においてはこれらの血行促進剤のうち、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができるが、ビタミンE及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、セファラチン、γ−オリザノール、カンフル、塩化カプロニウム、カフェイン、センブリ抽出物、オタネニンジン抽出物、ヒノキチオール、唐辛子抽出物、イチョウ抽出物、アルニカ抽出物、紅花抽出物、オトギリソウ抽出物、キナ抽出物、サルビア抽出物、西洋サンザシ抽出物、トウキ抽出物、ボタイジュ抽出物が特に好ましい。
【0013】血行促進剤の配合量は、乾燥重量で化粧料全量中0.0001%〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%である。
【0014】本発明において、血行促進剤としての上記植物抽出物は、使用性、製剤化等の点から乾燥粉末あるいは溶媒抽出物として用いることが好ましい。
【0015】上記植物群の使用部位は、植物全体を用いることができるが、好ましくは種子、果実、花、葉、茎、根、樹皮又は木部等が用いられる。なお、この場合の花は、いわゆる花軸と花葉を含む、有性生殖に関する諸器官をだものをいい、花弁、雄ずい、雌ずい、萼片等を含む。
【0016】各科に属する植物の抽出物は、常法により得ることができ、例えば植物を抽出溶媒とともに浸漬または加熱還流した後、濾過し、濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶媒等を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。上記溶媒で抽出して得た抽出液をそのまま、あるいは濃縮したエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマーのカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものも使用することができる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いられる。
【0017】本発明化粧料には、上記必須成分の他に、油剤、色素、香料、防腐剤、界面活性剤、顔料、抗酸化剤、保湿剤、紫外線吸収剤などを、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
【0018】本発明の化粧料の剤型としては、クリーム、乳液、パック、浴剤などが挙げられる。この化粧料は、たとえば乳液等の場合、油相および水相をそれぞれ加熱溶解したものを乳化分散して冷却する通常の方法により製造することができる。これらの内、特に好ましくはクリーム、パックの化粧料である。
【0019】
【実施例】以下、具体例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】(1)試料(植物抽出物)の調製
(製造例1)イチョウの葉を細切したものを200gに1,3−ブチレングリコールを500g及び精製水500gを加え、50〜60℃にて8時間抽出した後、冷却ろ過して抽出物を得た。
【0021】以下に示す処方、製法にしたがって、本発明の化粧料であるクリームである<実施例1〜5>及び<比較例1〜10>を作成した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】<製法>前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水相部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水相部に加えて予備乳化を行ない、ホモミキサーで均一に乳化し、30゜Cまで冷却しクリームを得る。
【0025】得られたクリームについて、以下の諸実験を実施した。
【0026】(1)皮膚明度測定法
くまに悩んでいる被験者20〜45歳の女性40名(n=5)をパネルとし、分光測色計(横河製)を用いて、各波長における分光反射率の測定を行った。測定は洗顔後、内眼角下部のくまのない部位(コントロール部位)、またはくま部位についてそれぞれ5回づつ行い、最大、最小値を除いた3点の平均反射率を求め、以下の計算式から値を求め、反射率の変化をグラフ化し皮膚明度を測定した。
滝脇らによると、くま、くすみが目立つ肌と目立たない肌の分光反射率を比較すると、くま、くすみが目立たない肌では400〜700nm全般に及ぶ反射率が高く、特に酸化型ヘモグロビンの吸収波長域(415nm、542nm、576nm)の反射率の高さに違いが見られることが報告されている(滝脇弘嗣:皮膚の色を測る。西日本皮膚科、55、415(1993))。
このため、測定した各波長における反射率の変化をグラフ化した後、便宜上560nmでの反射率の差を皮膚明度とした。なお、皮膚明度は下記の式により求めた。
【0027】
【数1】
【0028】(2)官能試験法
くすみ・くまに悩んでいる被験者40名をパネル(n=5)とし、1日1回、連日21日間の塗布によるくすみ・くま改善効果を、対照例1と比較して、++:著しく優れている、+:明らかに優れている、±:やや優れて改善している、−:差は認められない乃至は対照例1より劣るの基準で判断し、それらの平均で表わした。
【0029】(3)保存安定性
粉体の含まれている製剤を40℃の恒温槽に3週間セットし、変色、分離等の外観変化の有無を目視にて観察した。
[評価]
◎:まったく外観変化が認められない。
○:ほとんど外観変化が認められない。
△:変色、分離等の外観変化が認められる。
×:変色、分離等の外観変化が著しく認められる。
【0030】諸実験から以下の結果を得た。
【0031】
【表3】
【0032】表3より、クエルセチンと隠蔽性粉体を配合した実施例1〜5においては皮膚明度の大きな上昇、及び、優れた官能結果が得られた。さらに、各比較例と実施例を照らし合わせてみると、クエルセチンに隠蔽性の高い粉体を配合した際、隠蔽効果のほとんどないタルクを配合した化粧料と比較して、効果が大きく増大していること、クエルセチンと隠蔽性粉体に更に血行促進剤であるニコチン酸アミドを配合した場合、効果が更に大きく増大されていることが分かる。また、保存安定性に関して言えば、クエルセチンと隠蔽性粉体を配合した実施例4においては、変色、分離等が見られているのに対して、実施例1,2,5においては非常に良好な保存安定性を示している。
【0033】実施例6 乳液:次に示す処方及び下記製法で乳液を得た。本発明の乳液は、保存安定性、くすみ・くま改善効果のいずれにおいても優れたものであった。
【0034】乳液 〈組成〉 (重量%)
油相: スクワラン 8.0 ワセリン 2.0 ミツロウ 0.5 二酸化チタン1.0
乳化剤: ソルビタンセスキオレエート 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.) 1.2
水相: イソクエルシトリン 0.10 ヒノキチオール0.1 カルボキシビニルポリマー 0.2 プロピレングリコール 0.5 水酸化カリウム 0.1 エタノール 7.0メチルパラベン0.1精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水相部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水相部に加えて乳化し、30゜Cまで冷却し乳液を得る。
【0034】実施例7 パック剤:次に示す処方及び下記製法でパック剤を得た。本発明のパックは、保存安定性、くすみ・くま改善効果のいずれにおいても優れたものであった。
【0035】パック剤 〈組成〉 (重量%)
粉末:メチルポリシロキサン処理酸化チタン 8.0 カオリン 7.0 油分: オリーブ油 3.0香料 適量 防腐剤 適量 水相: ルチン0.5 イチョウ抽出物 0.5 酢酸ビニル樹脂エマルジョン 15.0 ポリビニルアルコール 10.0 グリセリン 5.0 エタノール 5.0 精製水 残部
〔製法〕水相の原料を混合し、均一にする。さらに他成分を混合し、均一になるまで攪拌する。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の化粧料は、飛躍的にくすみ・くまを改善した。
Claims (5)
- (化1)で表されるクエルセチン及び/又はクエルセチン誘導体の1種又は2種以上と隠蔽性粉体の1種又は2種以上と血行促進剤の1種又は2種以上を含有することを特徴とする化粧料。
- 隠蔽性粉体の少なくとも1種が、二酸化チタン又は酸化亜鉛を含む粉体であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の化粧料。
- 血行促進剤が、ビタミンE及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、セファラチン、γ−オリザノール、カンフル、塩化カプロニウム、カフェイン、センブリ抽出物、オタネニンジン抽出物、ヒノキチオール、唐辛子抽出物、イチョウ抽出物、アルニカ抽出物、紅花抽出物、オトギリソウ抽出物、キナ抽出物、サルビア抽出物、西洋サンザシ抽出物、トウキ抽出物、ボタイジュ抽出物から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の化粧料。
- 化粧料がスキンケア化粧料であることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の化粧料。
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