JP2004026671A - チアゾール類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医農薬の原料あるいは製造触媒として重要である、チアゾール類の製造方法に関するものである。3−エチル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムブロミドはステッター反応触媒として重要であり、5−ヒドロキシメチル−4−メチル−チアゾールは医薬中間体として重要である。
【従来の技術】
【0002】
従来チアゾールを得るためには、クロロケト誘導体とチオ尿素とを縮合する(ドイツ特許:D.R.P664789、Sydney Archer等、J.Med.Chem,22,306,1979)(以下「チオ尿素法」と呼称する。)、あるいはクロロケト誘導体をチオホルムアミドと縮合(富田等、薬学研究第20巻第9号211ページ)(以下「チオホルムアミド法」と呼称する。)することにより、チアゾール環を構築する経路などが開発されていた。
【0003】
チオ尿素法では2−アミノ体が高収率で得られるが、アミノ基の還元脱離を必要とし、煩雑な操作、低収率、大量の廃棄物などの問題がある。例えば、チオ尿素法で得られるチアゾールのアミノ基の還元脱離反応は、ジアゾニウム塩に変換後、ジアゾニウム基を還元し除去する方法(Tezisy Dokl.Nauchn. Sess.Khim.Technol.Org.Soedin.Sery Sernistykh Neftei, 13th,347,1974)、あるいは酸化窒素を使うなどの方法(特開平9−249654)等が開発された。しかしながら、前者は低収率である上、大量の還元剤の廃棄物を伴う。一方後者は気体を扱わねばならぬなど汎用性に乏しい。
また、古くから知られているチオホルムアミド法では、チオホルムアミドが過剰に必要であると言う欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、簡便にかつ高収率でチアゾール類を製造する方法を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、チオホルムアミド法の改良を検討した結果、段階的にチオホルムアミド構造を構築することが有効であることを見出した。
ハロゲン化ケトンは容易にハロゲン原子がイオウ原子に置き換わり、メルカプトケトンが得られる(P.Contant etal,Helvetica Chimica Acta 73,1300(1990))。得られたメルカプトケトンを、有機酸の存在下あるいは反応溶媒として使うことにより、ホルムアミジンと縮合させたところ、チアゾール類が収率良く得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の縮合反応を以下のスキーム(II)に示す。
【化2】
式中、Xはハロゲン原子を表し、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数が6〜12のアリール基を表し、R2はその水酸基が保護されていても良いヒドロキシアルキレン基を表す。
【0007】
上記のハロゲン原子としては、臭素原子または塩素原子が好ましい。
上記の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基などが例示でき、メチル基が好ましい。上記の炭素数6〜12のアリール基としてはフェニル基が例示できる。このフェニル基は通常の置換基を有していても良い。ここで、通常の置換基とは、化学的、立体的に所期の反応を阻害・抑制しない置換基であり、例えば、ハロゲン原子、メシル基、トシル基をいう。
上記のヒドロキシル基の保護基としては、弱酸性下においてヒドキシル基の保護に有用な公知の保護基が使用でき、アシルオキシ基、シリルオキシ基、ベンジルオキシ基などが例示できる。ヒドロキシル基は保護基を伴なわなくても良い。上記のヒドロキシアルキレン基のアルキレン部分は、炭素数1〜4の無置換アルキレン基が好ましく、メチレン基又はエチレン基が特に好ましい。
【0008】
本発明の製造方法に使用する原料について更に説明する。
ホルムアミジンは、オルトギ酸トリエチルと酢酸をアンモニアで処理することにより容易に作成することができる。
【0009】
ハロゲン化ケトンとしては、以下の式(1)〜(3)で表される置換基の組み合わせを有するハロゲン化ケトン(III)が好ましい。
【化3】
(1)R1はMe、Et、Buなどのアルキル基又はフェニル基などのアリール基であり、R2は−CH2CH2OR3(ここで、R3は水素、アセチル基、シリル基、ベンジル基などの保護基を示す。)であり、XはCl又はBrである。
(2)R1はMe、Et、Buなどのアルキル基又はフェニル基などのアリール基であり、R2は−CH2OR3(ここで、R3は水素、アセチル基、シリル基、ベンジル基などの保護基を示す。)であり、XはCl又はBrである。
(3)R1はMe、Et、Buなどのアルキル基又はフェニル基などのアリール基であり、R2は−CH2CO2R3(ここで、R3は水素、アセチル基、シリル基、ベンジル基などの保護基を示す。)であり、XはCl又はBrである。
【0010】
本発明において、特に好ましい出発原料を例示すると、ハロゲン化ペンタノンとしては、5−アセトキシ−3−クロロ−2−ペンタノン、5−アセトキシ−3−ブロモ−2−ペンタノンが例示でき、又、ハロゲン化ブタノンとしては、4−アセトキシ−3−クロロ−2−ブタノン、4−アセトキシ−3−ブロモ−2−ブタノンが例示できる。
【0011】
本発明においては、ハロゲン化ケトンをメルカプトケトンへ変換する際に、水と混合しない不活性な有機溶媒及び水を二層系で用いることが好ましい。有機溶媒としては、後述の有機溶媒を用いることができる。
また、本発明においては、ハロゲン化ケトンをメルカプトケトンへ変換する際に、チオソーダ類を用いることが好ましい。チオソーダ類としては、水流化ナトリウムn水和物(70%HSNa・nH2O)等を用いることができる。
【0012】
本発明において、メルカプトケトンとホルムアミジンを加熱下に縮合させるときに、有機酸を共存させるか、又は溶媒として用いることが好ましい。縮合反応に共存させる有機酸としては、炭素数が1〜4の低級カルボン酸を使用することが好ましい。具体例を挙げると、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸であり、このうちギ酸及び酢酸が特に好ましい。
この有機酸は溶媒を兼ねる程度に充分に使用しても良い。この場合、ホルムアミジン酢酸塩1モルに対して有機酸を1.0〜2.0モル使用する。又、反応溶媒を使用して有機酸を反応原料に併用させても良い。この場合には、ホルムアミジン酢酸塩1モルに対して0.1〜0.5モル使用する。
【0013】
さらに、本発明の製造方法において反応溶媒を使用する場合、非反応性の不活性溶媒を広く使用することができる。メルカプトケトンの調製にも、本発明の縮合反応にも水と混ざりあわない有機溶媒が使用でき、好ましくは、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類、あるいはt−ブチルメチルエーテルなどのエーテル類である。
【0014】
本発明の縮合反応は、室温(25℃)以上の温度に加熱して行うことが好ましい。ただし、反応溶媒を使用する場合には、この溶媒の沸点以下の温度以下で反応を行う。具体的な反応温度は、30〜100℃であり、好ましくは40〜90℃であり、特に好ましくは60〜85℃である。
【0015】
本発明の縮合反応の時間は、原料の種類、反応温度等の反応条件により異なるが、一般的には1〜100時間であり、好ましくは5〜50時間である。反応の進行は、ガスクロマトグラフィー等によりモニターすることもできる。
【0016】
【実施例】
以下本発明を具体的に説明するが実施例に限定するものではない。
水流化ナトリウムn水和物(70%HSNa・nH2O、6g、74.9mol)を水(15ml)に溶かし、トルエン(20ml)を加え0〜5℃に冷却した。この溶液に5−アセトキシ−3−クロロ−2−ペンタノン(10.7g、60mmol)を20分間かけて、内温を10℃以下に保ちながら滴下した。この溶液を室温に戻した後更に1時間攪拌した。反応終了後トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、5−アセトキシ−メルカプト−2−ペンタノンの面積%は97.7%であった。
以上の反応により得られた溶液を分液し、生成物が溶けているトルエン層を濃縮し、5−アセトキシ−メルカプト−2−ペンタノンの粗体(10.5g)を得た。
【0017】
得られた5−アセトキシ−メルカプト−2−ペンタノンの粗体(10.5g)とホルムアミジン酢酸塩(12.4g、120mol)を酢酸(40ml)に溶かし、80℃で20時間加熱攪拌した。反応終了をガスクロマトグラフィーで確認した後酢酸を減圧濃縮した。得られた残渣に水(30ml)と重曹(3g)を加え酢酸を中和した後酢酸エチル(30ml)で生成した4−メチル−5−アセトキシエチル−チアゾールを抽出した。この操作を3回行い、酢酸エチルを硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して4−メチル−5−アセトキシエチル−チアゾールの粗体(8.51g)を得た。
【0018】
得られた粗体(8.51g、46mmol)にメタノール(35ml)と苛性ソーダ(2.02g、50.1mmol)を加え室温で3時間攪拌し、脱アセチルした。得られた生成物を減圧濃縮し得た粗体を減圧蒸留し、142から145℃/10mmHgの留分を集めて(6.23g、72.8%)の4−メチル−5−ヒドロキシエチル−チアゾールを得た。
bp:118℃/2mmHg
NMR:δCDCl3:2.42(s,3H,CH3CO) 3.03(t,J=6.4Hz,2H,−OCH2CH2−)3.85(t,J=6.4Hz,2H,−OCH2CH2−)8.59(s,H−2)
【0019】
【発明の効果】
ハロゲン化ケトンをメルカプトケトンへ効率よく変換させ、ホルムアミジンと高収率で縮合させるチアゾール類の工業的製造方法を確立することができた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、医農薬の原料あるいは製造触媒として重要である、チアゾール類の製造方法に関するものである。3−エチル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムブロミドはステッター反応触媒として重要であり、5−ヒドロキシメチル−4−メチル−チアゾールは医薬中間体として重要である。
【従来の技術】
【0002】
従来チアゾールを得るためには、クロロケト誘導体とチオ尿素とを縮合する(ドイツ特許:D.R.P664789、Sydney Archer等、J.Med.Chem,22,306,1979)(以下「チオ尿素法」と呼称する。)、あるいはクロロケト誘導体をチオホルムアミドと縮合(富田等、薬学研究第20巻第9号211ページ)(以下「チオホルムアミド法」と呼称する。)することにより、チアゾール環を構築する経路などが開発されていた。
【0003】
チオ尿素法では2−アミノ体が高収率で得られるが、アミノ基の還元脱離を必要とし、煩雑な操作、低収率、大量の廃棄物などの問題がある。例えば、チオ尿素法で得られるチアゾールのアミノ基の還元脱離反応は、ジアゾニウム塩に変換後、ジアゾニウム基を還元し除去する方法(Tezisy Dokl.Nauchn. Sess.Khim.Technol.Org.Soedin.Sery Sernistykh Neftei, 13th,347,1974)、あるいは酸化窒素を使うなどの方法(特開平9−249654)等が開発された。しかしながら、前者は低収率である上、大量の還元剤の廃棄物を伴う。一方後者は気体を扱わねばならぬなど汎用性に乏しい。
また、古くから知られているチオホルムアミド法では、チオホルムアミドが過剰に必要であると言う欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、簡便にかつ高収率でチアゾール類を製造する方法を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、チオホルムアミド法の改良を検討した結果、段階的にチオホルムアミド構造を構築することが有効であることを見出した。
ハロゲン化ケトンは容易にハロゲン原子がイオウ原子に置き換わり、メルカプトケトンが得られる(P.Contant etal,Helvetica Chimica Acta 73,1300(1990))。得られたメルカプトケトンを、有機酸の存在下あるいは反応溶媒として使うことにより、ホルムアミジンと縮合させたところ、チアゾール類が収率良く得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の縮合反応を以下のスキーム(II)に示す。
【化2】
式中、Xはハロゲン原子を表し、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数が6〜12のアリール基を表し、R2はその水酸基が保護されていても良いヒドロキシアルキレン基を表す。
【0007】
上記のハロゲン原子としては、臭素原子または塩素原子が好ましい。
上記の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基などが例示でき、メチル基が好ましい。上記の炭素数6〜12のアリール基としてはフェニル基が例示できる。このフェニル基は通常の置換基を有していても良い。ここで、通常の置換基とは、化学的、立体的に所期の反応を阻害・抑制しない置換基であり、例えば、ハロゲン原子、メシル基、トシル基をいう。
上記のヒドロキシル基の保護基としては、弱酸性下においてヒドキシル基の保護に有用な公知の保護基が使用でき、アシルオキシ基、シリルオキシ基、ベンジルオキシ基などが例示できる。ヒドロキシル基は保護基を伴なわなくても良い。上記のヒドロキシアルキレン基のアルキレン部分は、炭素数1〜4の無置換アルキレン基が好ましく、メチレン基又はエチレン基が特に好ましい。
【0008】
本発明の製造方法に使用する原料について更に説明する。
ホルムアミジンは、オルトギ酸トリエチルと酢酸をアンモニアで処理することにより容易に作成することができる。
【0009】
ハロゲン化ケトンとしては、以下の式(1)〜(3)で表される置換基の組み合わせを有するハロゲン化ケトン(III)が好ましい。
【化3】
(1)R1はMe、Et、Buなどのアルキル基又はフェニル基などのアリール基であり、R2は−CH2CH2OR3(ここで、R3は水素、アセチル基、シリル基、ベンジル基などの保護基を示す。)であり、XはCl又はBrである。
(2)R1はMe、Et、Buなどのアルキル基又はフェニル基などのアリール基であり、R2は−CH2OR3(ここで、R3は水素、アセチル基、シリル基、ベンジル基などの保護基を示す。)であり、XはCl又はBrである。
(3)R1はMe、Et、Buなどのアルキル基又はフェニル基などのアリール基であり、R2は−CH2CO2R3(ここで、R3は水素、アセチル基、シリル基、ベンジル基などの保護基を示す。)であり、XはCl又はBrである。
【0010】
本発明において、特に好ましい出発原料を例示すると、ハロゲン化ペンタノンとしては、5−アセトキシ−3−クロロ−2−ペンタノン、5−アセトキシ−3−ブロモ−2−ペンタノンが例示でき、又、ハロゲン化ブタノンとしては、4−アセトキシ−3−クロロ−2−ブタノン、4−アセトキシ−3−ブロモ−2−ブタノンが例示できる。
【0011】
本発明においては、ハロゲン化ケトンをメルカプトケトンへ変換する際に、水と混合しない不活性な有機溶媒及び水を二層系で用いることが好ましい。有機溶媒としては、後述の有機溶媒を用いることができる。
また、本発明においては、ハロゲン化ケトンをメルカプトケトンへ変換する際に、チオソーダ類を用いることが好ましい。チオソーダ類としては、水流化ナトリウムn水和物(70%HSNa・nH2O)等を用いることができる。
【0012】
本発明において、メルカプトケトンとホルムアミジンを加熱下に縮合させるときに、有機酸を共存させるか、又は溶媒として用いることが好ましい。縮合反応に共存させる有機酸としては、炭素数が1〜4の低級カルボン酸を使用することが好ましい。具体例を挙げると、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸であり、このうちギ酸及び酢酸が特に好ましい。
この有機酸は溶媒を兼ねる程度に充分に使用しても良い。この場合、ホルムアミジン酢酸塩1モルに対して有機酸を1.0〜2.0モル使用する。又、反応溶媒を使用して有機酸を反応原料に併用させても良い。この場合には、ホルムアミジン酢酸塩1モルに対して0.1〜0.5モル使用する。
【0013】
さらに、本発明の製造方法において反応溶媒を使用する場合、非反応性の不活性溶媒を広く使用することができる。メルカプトケトンの調製にも、本発明の縮合反応にも水と混ざりあわない有機溶媒が使用でき、好ましくは、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類、あるいはt−ブチルメチルエーテルなどのエーテル類である。
【0014】
本発明の縮合反応は、室温(25℃)以上の温度に加熱して行うことが好ましい。ただし、反応溶媒を使用する場合には、この溶媒の沸点以下の温度以下で反応を行う。具体的な反応温度は、30〜100℃であり、好ましくは40〜90℃であり、特に好ましくは60〜85℃である。
【0015】
本発明の縮合反応の時間は、原料の種類、反応温度等の反応条件により異なるが、一般的には1〜100時間であり、好ましくは5〜50時間である。反応の進行は、ガスクロマトグラフィー等によりモニターすることもできる。
【0016】
【実施例】
以下本発明を具体的に説明するが実施例に限定するものではない。
水流化ナトリウムn水和物(70%HSNa・nH2O、6g、74.9mol)を水(15ml)に溶かし、トルエン(20ml)を加え0〜5℃に冷却した。この溶液に5−アセトキシ−3−クロロ−2−ペンタノン(10.7g、60mmol)を20分間かけて、内温を10℃以下に保ちながら滴下した。この溶液を室温に戻した後更に1時間攪拌した。反応終了後トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、5−アセトキシ−メルカプト−2−ペンタノンの面積%は97.7%であった。
以上の反応により得られた溶液を分液し、生成物が溶けているトルエン層を濃縮し、5−アセトキシ−メルカプト−2−ペンタノンの粗体(10.5g)を得た。
【0017】
得られた5−アセトキシ−メルカプト−2−ペンタノンの粗体(10.5g)とホルムアミジン酢酸塩(12.4g、120mol)を酢酸(40ml)に溶かし、80℃で20時間加熱攪拌した。反応終了をガスクロマトグラフィーで確認した後酢酸を減圧濃縮した。得られた残渣に水(30ml)と重曹(3g)を加え酢酸を中和した後酢酸エチル(30ml)で生成した4−メチル−5−アセトキシエチル−チアゾールを抽出した。この操作を3回行い、酢酸エチルを硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して4−メチル−5−アセトキシエチル−チアゾールの粗体(8.51g)を得た。
【0018】
得られた粗体(8.51g、46mmol)にメタノール(35ml)と苛性ソーダ(2.02g、50.1mmol)を加え室温で3時間攪拌し、脱アセチルした。得られた生成物を減圧濃縮し得た粗体を減圧蒸留し、142から145℃/10mmHgの留分を集めて(6.23g、72.8%)の4−メチル−5−ヒドロキシエチル−チアゾールを得た。
bp:118℃/2mmHg
NMR:δCDCl3:2.42(s,3H,CH3CO) 3.03(t,J=6.4Hz,2H,−OCH2CH2−)3.85(t,J=6.4Hz,2H,−OCH2CH2−)8.59(s,H−2)
【0019】
【発明の効果】
ハロゲン化ケトンをメルカプトケトンへ効率よく変換させ、ホルムアミジンと高収率で縮合させるチアゾール類の工業的製造方法を確立することができた。
Claims (7)
- ハロゲン化ケトンをメルカプトケトンへ変換後、ホルムアミジンと縮合させるチアゾール類の製造方法。
- ハロゲン化ケトンが5−アセトキシ−3−クロロ−2−ペンタノン、5−アセトキシ−3−ブロモ−2−ペンタノン、4−アセトキシ−3−クロロ−2−ブタノン又は4−アセトキシ−3−ブロモ−2−ブタノンである請求項1又は2記載のチアゾール類の製造方法。
- ハロゲン化ケトンをメルカプトケトンへ変換する際に、水と混合しない不活性な有機溶媒及び水を二層系で用いる請求項1〜3いずれか1つに記載のチアゾール類の製造方法。
- ハロゲン化ケトンをメルカプトケトンへ変換する際に、チオソーダ類を用いる請求項1〜4いずれか1つに記載のチアゾール類の製造方法。
- メルカプトケトンとホルムアミジンを加熱下に縮合させるときに、有機酸を共存させるか、又は溶媒として用いる請求項1〜5いずれか1つに記載のチアゾール類の製造方法。
- 反応溶媒を使用し、室温以上前記溶媒の沸点以下の温度に加熱する請求項1〜6いずれか1つに記載のチアゾール類の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002181755A JP2004026671A (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | チアゾール類の製造方法 |
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JP2002181755A JP2004026671A (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | チアゾール類の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100360511C (zh) * | 2006-01-24 | 2008-01-09 | 浙江工业大学 | 4-甲基-5-羟甲基噻唑的合成方法 |
CN106608858A (zh) * | 2015-11-20 | 2017-05-03 | 宁夏际华环境安全科技有限公司 | 一种硫噻唑生产工艺 |
-
2002
- 2002-06-21 JP JP2002181755A patent/JP2004026671A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100360511C (zh) * | 2006-01-24 | 2008-01-09 | 浙江工业大学 | 4-甲基-5-羟甲基噻唑的合成方法 |
CN106608858A (zh) * | 2015-11-20 | 2017-05-03 | 宁夏际华环境安全科技有限公司 | 一种硫噻唑生产工艺 |
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