JP2004025534A - インクジェット記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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岡田 司
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Abstract

【課題】インクジェットによってプリントする際に、インクの吸収速度を向上して鮮明な画像を得ることができ、且つ耐候性に優れた記録媒体を高い製造効率で製造することができる。
【解決手段】10〜3000重量%の平均吸水能を有し10〜60重量%の無機フィラーを含む熱可塑性ポリウレタン組成物を熱成形加工することによってインク受容層12を形成するが、このインク受容層の表面を粗面化し、このインク受容層12を支持体14上に接着する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋内及び屋外で用いられる種々の記録媒体としてインクジェット記録に用いられる媒体(メデイア)及びその製造方法に関し、特に屋外デイスプレイをインクジェットプリンターによって得るのに適合したインクジェット記録媒体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のインクジェット記録媒体は、高いインク吸収速度と高い耐水性とを有することが要求される。本発明者は、このような目的を達成するために、10〜3000重量%の平均吸水能を有する熱可塑性ポリウレタン組成物を主体とするインク受容層から成り、この熱可塑性ポリウレタン組成物に10〜60重量%の無機フィラーを更に含むインクジェット記録媒体を提案している(特開2002−67484号公報参照)。
【0003】
このインクジェット記録媒体は、熱可塑性ポリウレタン組成物が有する高いインク吸収速度と良好な耐水性及び耐候性との両方の特性を有するため、鮮明な画像を得ることができる上に屋内用だけでなく屋外ディスプレイ用の記録媒体としても好適に使用することができ、また、インク受容層は、熱可塑性ポリウレタンを押出し成形、射出成形、カレンダー成形又はブロー成形などの熱成形加工によって連続的に製造することができるので、製造効率が向上し、製品を安価に提供することができるので、実用上有利に用いられている。
【0004】
しかし、この記録媒体は、熱可塑性ポリウレタン組成物を押出成形などによって熱成形すると、その表面から無機フィラーにインクが浸透する程度が低く、無機フィラーによるインク吸収速度の向上を期待することができない欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする1つの課題は、インクが無機フィラーに浸透するのを促進して優れた画像を得ることができるインクジェット記録媒体を提供することにある。
【0006】
本発明が解決しようとする他の課題はインクが無機フィラーに浸透するのを促進して優れた画像を得ることができ、また製品を高い製造効率で製造することができるインクジェット記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの課題解決手段は、10〜3000重量%の平均吸水能を有し10〜60重量%の無機フィラーを含む熱可塑性ポリウレタン組成物を主体とするインク受容層から成るインクジェット記録媒体において、インク受容層の表面が粗面化されていることを特徴とするインクジェット記録媒体を提供することにある。
【0008】
本発明の第1の課題解決手段において、インク受容層は、それ自体フィルム状をなしていて支持体なしで使用することができるが、特に屋外用に使用する場合には、支持体に接着して多層の記録媒体とするのが好ましい。インク受容層が支持体に支持される場合には、この支持体は、繊維基材を内部に含む熱可塑性樹脂フィルムから成っているのが好ましいが、このような繊維基材を含まない樹脂フィルムであってもよい。繊維基材は、熱可塑性樹脂フィルムの成形時に内部に埋め込んで密着させてもよいし、上下の熱可塑性樹脂フィルムの間に挟むようにして密着してもよい。なお、繊維基材は、熱可塑性樹脂フィムルの表面に有していてもよく、この場合には、インク受容層は、繊維基材側に形成される。繊維基材は、ポリエステルファイバとすることができ、またこの繊維基材に密着される熱可塑性樹脂は、ポリウレタン樹脂とすることができる。
【0009】
本発明の第2の課題解決手段は、インクジェット記録媒体のインク受容層が10〜3000重量%の平均吸水能を有し10〜60重量%の無機フィラーを含む熱可塑性ポリウレタン組成物を熱成形加工することによって形成するインクジェット記録媒体の製造方法において、インク受容層の熱成形加工時にインク受容層の表面を粗面化することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の課題解決手段において、インク受容層は、それ自体フィルム状をなしていて支持体なしで使用することができるが、特に屋外用に使用する場合には、支持体に接着して多層の記録媒体とするのが好ましい。インク受容層が支持体に支持される場合には、この支持体は、繊維基材を内部に含む熱可塑性樹脂フィルムから成っているのが好ましい。繊維基材は、熱可塑性樹脂フィルムの成形時に内部に埋め込んで密着させてもよいし、上下の熱可塑性樹脂フィルムの間に挟むようにして密着してもよい。なお、繊維基材は、熱可塑性樹脂フィムルの表面に有していてもよく、この場合には、インク受容層は、繊維基材側に形成される。繊維基材は、ポリエステルファイバとすることができ、またこの繊維基材に密着される熱可塑性樹脂は、ポリウレタン樹脂とすることができる。
【0011】
既に述べたように、インク受容層が10〜3000重量%の平均吸水能を有し10−60重量%の無機フィラーを含む熱可塑性ポリウレタン組成物からなっていると、高いインク吸収速度と大きな吸収容量とで鮮明な画像を得ることができる上に良好な耐水性と耐候性とによって屋内用はもちろん、屋外ディスプレイ用の記録媒体として好適であり、また熱可塑性ポリウレタンの熱成形加工によって高い製造効率で製造することができる。
【0012】
更に、インク受容層の表面が粗面化されていると、インクジェット時に、インクがインク受容層の表面に接触する面積が増大し、インクの浸透効率が一層向上するため、インクの吸収速度が更に増大して印刷効率を向上することができる上に、鮮明な画像を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を詳細に述べるが、本発明のインクジェット記録媒体10は、図1に示すように、インク受容層12とこのインク受容層12を支持する支持体14とから成っている。
【0014】
インク受容層12は、10〜3000重量%、好ましくは、150〜500重量%の平均吸水能を有する熱可塑性ポリウレタン組成物から成り、この熱可塑性ポリウレタン組成物には10〜60重量%の無機フィラー16が添加されている。この無機フィラーは、インク受容層12のインク吸水速度を向上したり調整したりするのに用いられる。
【0015】
支持体14は、繊維基材を含む熱可塑性樹脂フィルムから成っており、図1の形態では、繊維基材14Aの上下に熱可塑性樹脂14Bを密着して形成されたフィルム14Cから成っている。図1から解るように、インク受容層12は、この支持体14の上に形成される。
【0016】
本発明のインクジェット記録媒体10は、図2に示すように、インク受容層12の表面に粗面化されたスキン層12aを有する。このスキン層12aは、図3に示すように、インク受容層12の表面に位置する無機フィラー16の表面凹凸に倣って粗面化されるように形成されている。
【0017】
この粗面化されたスキン層12aは、インクジェット記録媒体10にインクジェットされる時に、インクがインク受容層12の表面に接触する面積が増大する上にインク受容層12の表面のすぐ近くに内部の無機フィラーが位置し、従ってインクが記録媒体に噴射されると、インクが無機フィラー16に直ちに接触してインクの浸透を効率よく行う働きを有する。粗面化の程度は、インクの浸透を高める上では大きい(粗い)のが望ましいが、粗面化の程度を大きくすると(粗くすると)、表面の光沢(つや)がなくなり、また表面の光沢を要求すると、粗面化の程度を小さくする必要があり、従って粗面かの程度は、所望のインク浸透と光沢の程度とを勘案して定められる。
【0018】
次に、本発明のインクジェット記録媒体10に用いられるインク受容層12及び支持体14の組成並びにその製造方法を以下に述べる。
【0019】
(インク受容層の熱可塑性ポリウレタン組成物)
本発明のインク受容層12に用いられる熱可塑性ポリウレタン組成物は、基本的には、ポリオールとポリイソシアネート化合物との重付加反応などによって得ることができるが、他の公知の方法で得ることができる。
【0020】
本発明に使用されるポリオールは、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール共重合体ポリオール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体ポリオール、ポリエチレングリコールアジペート、ポリエチレングリコール/ポリ−ε−カプロラクトン共重合体ポリオールなどの末端基が水酸基であって親水性を有するポリオールであるのが好ましい。これらのポリオールは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】
本発明に使用されるポリイソシアネート化合物は、芳香族系ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環系ポリイソシアネートなどとすることができる。
【0022】
芳香族系ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2−クロロ−1、4−フェニルジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,5−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートまたはこれらの誘導体が用いられる。
【0023】
脂肪族ポリイソシアネートまたは脂環系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイシシアネートまたはこれらの誘導体が用いられる。
【0024】
特に、脂肪族ポリイソシアネートまたは脂環系ポリイソシアネートは、高い透明性を有するので、光が当てられた場合の発色性を向上することができ、またインク受容層の黄変が防止されて耐光性を向上することができるので好ましい。
【0025】
ポリオールとポリイソシアネートとを反応して合成する際に、吸水性ポリウレタンの鎖を伸長する目的で鎖伸長剤を添加することができる。このような鎖伸長剤としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ブタンジオールなどの低分子量脂肪族ジオール、グリセリン、トリメチロールブロパン、トリメチルエタンなどの低分子量脂肪族トリオールが用いられる。これは、熱可塑性ポリウレタンの透明性及び発色性を向上するのに役立つ。
【0026】
(吸水性熱可塑性ポリウレタン組成物に添加される無機フィラー)
本発明に用いられる吸水性熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物には、10〜60重量%のシリカ、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライトの如き無機フィラーが添加される。これは、インク受容層12のインク吸水速度を向上したり調節したりする機能を有する。
【0027】
(吸水性熱可塑性ポリウレタン組成物に添加される他の添加剤)
それ以外に、吸水性熱可塑性ポリウレタン組成物に種々の特性を付与する目的で他の適宜の添加剤が添加される。たとえば、デンプン、ポリビニールアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロドリン、メチルセルロース、ポリスチレン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、これらの変成物を単独でまたは複数組み合わせて添加することができる。既に述べたように、吸水性熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物に、吸水能が高いと、成形性が低下するが、インク受容層に適宜の添加剤を添加することによって成形性の低下を抑制することができる。
【0028】
(吸水性熱可塑性ポリウレタン組成物の吸水能)
本発明に用いられる吸水性熱可塑性ポリウレタン樹脂は、10〜3000重量%、好ましくは、150〜500重量%の平均吸水能を有するものが用いられる。この吸水能は、吸水前の熱可塑性ポリウレタン樹脂の重量(A)と限界値までに吸水した熱可塑性ポリウレタン樹脂の重量(B)との比(B/A)で表される。吸水能が10〜3000重量%であると、インク受容層のインクの吸収速度、吸収容量が充分に高く、したがってインクジェットによってその上に印刷すると、インクのにじみがなく、鮮明な画像を得ることができ、また良好な耐水性を有する。
【0029】
熱可塑性ポリウレタン樹脂の吸水能が10重量%よりも低いと、インクの吸収速度及び吸水容量が低く、インクジェットによって鮮明な画像を得ることができない。また、吸水能が3000重量%を超えると、インク受容層12の支持体14に対する接着強度が低下する上に耐水性が低下する。
【0030】
(支持体の構造)
一方、支持体14の繊維基材14Aは、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレンなどの高分子ファイバであるのが好ましいが、綿、絹、麻などの植物繊維、羊毛などの動物繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維であってもよく、またこのファイバの不織布、織布などの形態であるのが好ましい。この繊維基材14Aに密着されるべき熱可塑性樹脂は、たとえば、熱可塑性ポリウレタン樹脂とすることができ、この熱可塑性樹脂は、フィルム化し、このフィルムの形態で繊維基材14Aの上下に接着することことができるが、繊維基材12Aに含浸させてフィルム状(ターポリン化)としてもよい。図1から解るように、インク受容層12は、支持体14のポリエステル繊維基材12A側に形成される。なお、支持体14は、繊維基材を含まない樹脂フィルムであってもよく、例えば市販のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムとすることができる。
【0031】
(記録媒体の製造方法)
本発明のインクジェット記録媒体の製造方法を図4を参照して概略的に述べると、インク受容層用コンパウンドは、吸水性熱可塑性ポリウレタン樹脂にシリカを分散して得られた材料(ステップ1)を2軸型押出機によって押出し成型した後(ステップ2)、これをペレット化し、乾燥してインク受容層用のコンパウンドを形成する(ステップ3)。押出機の成型温度は、ホッパーからノズルまで120〜220℃とする。
【0032】
一方、高分子繊維などの繊維基材と汎用の熱可塑性ポリウレタン樹脂とを用意し(ステップ4)、この繊維基材に熱可塑性ポリウレタン樹脂を公知のカレンダー加工方法を用いて密着してフィルム状の支持体(基布)を製造する(ステップ5)。このカレンダー成型温度は、バンバリー混連工程からカレンダー圧延工程の終了までの間、150℃〜180℃とする。
【0033】
次に、インク受容層用のコンパウンドをTダイ押出機又はカレンダー加工機でフィルム化し、このインク受容層フィルムは、まだ乾燥固化する前にエンボスロールにかけてその表面をエンボス加工して粗面化する(ステップ6)。このエンボス加工されて形成された粗面スキン層を有するインク受容層フィルムをスキン層と反対側の面で支持体に接着して記録媒体を完成する(ステップ7)。Tダイ押出機の成型温度は、ホッパー部からスクリュー部まで150℃〜200℃に維持され、カレンダー加工機の成型温度は、バンバリーからカレンダーまで160℃〜180℃に維持される。記録媒体の厚みは、30μm〜300μmの範囲で適宜設定することができる。なお、ステップ6のエンボス加工工程とステップ7の接着工程とは、同時に行ってもよい。
【0034】
【実施例】
本発明の幾つかの実施例を以下に述べるが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、組成物の成分構成、割合は適宜変更することができる。
(実施例1)
吸水性熱可塑性ポリウレタン組成物として吸水能が150%の脂環系ポリイソシアネ−トを原料として製造されたサーメディック社(Thermedics)製のテコフィリック(Tecophilic)SP−80A−150の1000gと無機フィラーである非晶質シリカとして水沢化学工業(株)製のP−50の400gとを用意し、SP−80−150にP−50を分散するようにこれらを混合してインク受容層の原料とする。
次いで、この原料を2軸押出機のホッパーに投入して押出し成型し、この成型物を粉砕してペレット化し、乾燥してインク受容層用のコンパウンドを作製する。一方、支持体として市販の厚みが100μm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用意する。
その後、インク受容層のコンパウンドをTダイ押出し機のホッパーに投入して厚みが50μmのフィルム状インク受容層を形成し、このフィルム状インク受容層の冷却前にエンボス加工ロールを兼ねた加圧ロールでPETフィルムの支持体に接着してインク受容層の表面が粗面化された厚みが150μmの記録媒体を完成した。エンボスロールの表面の粗面の程度は、既に述べたように、所望のインクの浸透効率と光沢とに応じて定められる。
【0035】
(実施例2)
実施例1と全く同様にしてインク受容層の原料とするインク受容層用のコンパウンドからフィルム状インク受容層を形成するが、実施例1のPETフィルムに代えて、厚みが250デニルのポリエステル繊維から成る繊維基材(基布)に汎用の熱可塑性ポリウレタン樹脂として日本ミラクトラン(株)製のE−585をカレンダー加工方法によってターポリン化して厚みが250μmの支持体を作製する。同様にして、フィルム状インク受容層の冷却前にエンボス加工ロールを兼ねた加圧ロールでターポリン化された支持体に接着してインク受容層の表面が粗面化された厚みが300μmの記録媒体を完成した。
【0036】
(実施例3)
実施例2で用いられた吸水能が150%の吸水性熱可塑性ポリウレタンの代わりに、同じく脂環系ポリイソシアネートを原料とするが吸水能が500重量%のサーメディックス社製のテコゲル(Tecogel)−500−Vを用いたことを除いて実施例2と同じ条件で記録媒体を製造した。
【0037】
(実施例4)
実施例2及び3で用いられた吸水能が150%、500%の吸水性熱可塑性ポリウレタンの代わりに、芳香族ポリイソシアネートを原料とするが吸水能が30重量%の(株)オカダエンジニアリング製のAQ−30を用いたことを除いて実施例1及び2と同じ条件で記録媒体を製造した。
【0038】
(実施例5)
実施例2乃至4で用いられた吸水能が150%、500%、30%の吸水性熱可塑性ポリウレタンの代わりに、脂環系ポリイソシアネートを原料とするが吸水能が3000重量%のサーメディックス社製のテコゲル3000を用いたことを除いて実施例2乃至4と同じ条件で記録媒体を製造した。
【0039】
(比較例1)
実施例4で用いられた吸水能が30%の吸水性熱可塑性ポリウレタンを用いて表面にエンボス加工を施すことなく製造したことを除いて実施例4と同じ条件で記録媒体を製造した。
【0040】
(比較例2)
実施例2乃至5で用いられた吸水能が150%、500%、30%、3000%の吸水性熱可塑性ポリウレタンの代わりに、同じく脂環系ポリイソシアネートを原料とするが吸水能が20重量%のサーメディックス社製のSP−60D−20を用いたことを除いて実施例2乃至5と同じ条件で記録媒体を製造した。
【0041】
(比較例3)
実施例2乃至5で用いられた吸水能が150%、500%、30%、3000%の吸水性熱可塑性ポリウレタンの代わりに、同じく脂環系ポリイソシアネートを原料とするが吸水能が0重量%の日本ミラトラン社製のEー585を用いたことを除いて実施例2乃至5と同じ条件で記録媒体を製造した。
【0042】
これらの実施例1乃至5及び比較例1乃至3の製品である記録媒体に米国エンキャド・インコーポレイテッド社製の大型インクジェットプロッターNOVAJET・PROを用いて同社から市販されているGOインク(グラフィック・アウトドア・インク)で適宜の画像をプリントし、その際のプリント結果の評価を下記の特性について行った。
(1)インクの吸収速度
これは、プリント終了後30秒乃至1分以内に、画像面の上にコピー用紙を載せ、上から3.3kgの荷重をかけて1分間放置後のコピー用紙へのインクの付着具合を観察して評価した。評価の結果は、30秒以内にコピー用紙を載せた場合にコピー用紙にインクがまったく付着しなかったものを◎、30秒から1分以内にコピー用紙を載せた場合にコピー用紙にインクがまったく付着しなかったものを○、いずれの場合も幾分付着しているが画像に大きな影響がなかったものを△、コピー用紙にインクが相当に付着し画像に影響があるものを×とした。
(2)画像の鮮明性
これは、印刷ドットの形状を観察して評価した。画像ににじみがまったくないものを◎、微少のにじみがあるものを○、使用上支障がない程度のにじみがあるものを△、相当のにじみがあり画像の鮮明性が失われるものを×とした。
(3)耐水性
これは、画像を画記録された記録媒体を水中に1分間浸漬し、その後空気中に垂直に維持した状態で自然乾燥し、インク受容層の剥離状態、インク落ちを観察して評価した。インク受容層の剥離もインク落ちもないものを○、インク受容層の剥離がなく、インク落ちもわずかで画像に影響しないものを△、インク受容層の剥離もインク落ちもあり画像に大きな影響があるものを×とした。
(4)耐光性
これは、岩崎電気(株)製のアイスーパーUVテスターWタイプ(SUV−W1)を用いて画像を28時間照射し、変色の程度を観察して評価した。インクの退色がなく照射前と同じ画像が得られるものを○、細部でインクの退色があるが、実用上問題がないものを△、全体的にインクの退色があるものを×とした。
(5)剥離性
これは、アクリル樹脂系粘着剤付きつきテープを画像面に貼り、500gで1分間荷重をかけた後、テープを剥がしたときのインク受容層の剥離状態、インク落ちを観察して評価した。インク受容層の剥離もインク落ちもないものを○、インク受容層の剥離がなく、インク落ちもわずかで画像に影響しないものを△、インク受容層の剥離があるものを×とした。
(6)発色性
画像面の裏側から光を当てながら発色性を観察して評価した。細部まで明るく鮮やかに発色するものを○、発色がやや不足しているものを△、発色が見られないものを×とした。
【0043】
実施例1乃至5と比較例1乃至3との上記特性の評価の結果は次の表1の通りであった。
【0044】
【表1】
Figure 2004025534
【0045】
上記の表1から熱可塑性ポリウレタンを主成分とするインク受容層の吸水能を平均で10重量%〜3000重量%とし、その表面を粗面化し、記録媒体にインクジェットによってプリントすると、インクの吸収速度、画像の鮮明性、耐光性、剥離性及び発色性のすべてにわたって良好であるか、実用上支障がないことが解る。
【0046】
なお、製造者は、インク受容層のみを市販し、需要者側でこのインク受容層をそのまま使用してもよいし、支持体に貼り付けて使用してもよい。一般には、屋内用では支持体なしでそのまま使用し、屋外用には支持体に貼り付けて使用される。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、上記のように、インク受容層が10〜3000重量%の平均吸水能を有し10〜60重量%の無機フィラーを含む熱可塑性ポリウレタン組成物からなっているので、高いインク吸収速度と大きな吸収容量とで鮮明な画像を得ることができる上に良好な耐水性と耐候性とによって屋内用はもちろん、屋外ディスプレイ用の記録媒体として好適であり、また熱可塑性ポリウレタンの熱成形加工によって高い製造効率で製造することができる。
【0048】
更に、インク受容層の表面が粗面化されているので、インクジェット時に、インクがインク受容層の表面に接触する面積が増大し、インクの浸透効率が一層向上するため、インクの吸収速度が更に増大して印刷効率を向上することができる上に、鮮明な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録媒体の拡大横断面図である。
【図2】図1のインクジェット記録媒体の表面の拡大断面図である。
【図3】図2のインクジェット記録媒体の表面の一層拡大した断面図である。
【図4】本発明に係るインクジェット記録媒体の製造方法の概略を工程順に示す概略工程図である。
【符号の説明】
10 インクジェット記録媒体
12 インク受容層
12a スキン層
14 支持体
14A 繊維基材
14B 熱可塑性樹脂
14C フィルム
16 無機フィラー

Claims (4)

  1. 10〜3000重量%の平均吸水能を有し10〜60重量%の無機フィラーを含む熱可塑性ポリウレタン組成物を主体とするインク受容層から成るインクジェット記録媒体において、前記インク受容層の表面が粗面化されていることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 10〜3000重量%の平均吸水能を有し10〜60重量%の無機フィラーを含む熱可塑性ポリウレタン組成物を主体とするインク受容層と前記インク受容層を支持する支持体とから成るインクジェット記録媒体において、前記インク受容層の表面が粗面化されていることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  3. インクジェット記録媒体のインク受容層が10〜3000重量%の平均吸水能を有し10〜60重量%の無機フィラーを含む熱可塑性ポリウレタン組成物を熱成形加工することによって形成するインクジェット記録媒体の製造方法において、前記インク受容層の熱成形加工時に前記インク受容層の表面を粗面化することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
  4. インク受容層と前記インク受容層を支持する支持体とから成るインクジェット記録媒体の前記インク受容層が10〜3000重量%の平均吸水能を有し10〜60重量%の無機フィラーを含む熱可塑性ポリウレタン組成物を熱成形加工することによって形成され、前記インク受容層を前記支持体上に接着するインクジェット記録媒体の製造方法において、前記インク受容層の熱成形加工時に前記インク受容層の表面を粗面化することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
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