JP2004024715A - コンタクトレンズ洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、保存安定性が良好で、しかも高い洗浄力(特に殺菌力)を有するコンタクトレンズ洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】(a)過酸化水素
(b)硼素化合物
(c)糖化合物
を含有し、かつpHが2〜7であることを特徴とするコンタクトレンズ洗浄剤組成物、とする。本発明は、組成物を水で希釈することによって高い洗浄力が得られる。コンタクトレンズを洗浄剤組成物に浸漬後水希釈すると、特に高い洗浄力が得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】(a)過酸化水素
(b)硼素化合物
(c)糖化合物
を含有し、かつpHが2〜7であることを特徴とするコンタクトレンズ洗浄剤組成物、とする。本発明は、組成物を水で希釈することによって高い洗浄力が得られる。コンタクトレンズを洗浄剤組成物に浸漬後水希釈すると、特に高い洗浄力が得られる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は還元剤を要さずに使用可能で、保存安定性が良好なコンタクトレンズ洗浄剤組成物に関する。詳しくは水希釈によって高い洗浄、殺菌(消毒)力を発揮するコンタクトレンズ洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンタクトレンズは、装用の際に涙液や眼脂に由来する蛋白質、脂質等の汚れなどが付着し、装用感の悪化や視界の不良(くもり)、充血等の眼障害を来すこととなる。さらにコンタクトレンズ表面は上記の汚れだけでなく細菌も付着し、増殖し易い環境にあるため、コンタクトレンズを安全に且つ快適に装用するためには、汚れを洗浄するだけでなく、殺菌・消毒洗浄をすることが必要となる。過酸化水素は、レンズへの吸着性や蓄積性がないことから、コンタクトレンズの殺菌・消毒剤として有用な剤である。
酸素系過酸化水素を用いてコンタクトレンズを洗浄する際は、高い殺菌力を発揮する中〜アルカリ性に洗浄液を調製する必要がある。しかし、過酸化水素はアルカリ性で効果が高い反面不安定でもあるため、実際の洗浄剤は、使用前の洗浄原液(1剤)は安定な酸性に調整し、使用時にアルカリ剤(2剤)を加えてpHを高くして洗浄を行う2剤型の洗浄剤とする必要があり、不便であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、保存安定性が良好で、しかも高い洗浄力(特に殺菌力)を有するコンタクトレンズ洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、検討の結果、硼素化合物と特定のポリオール化合物とを組み合わせることによって、原液組成物は保存安定性が良好な酸性組成物とし、水で希釈することにより中性〜アルカリ性として洗浄力を発揮するコンタクトレンズ洗浄剤組成物を見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、
<1>(a)過酸化水素
(b)硼素化合物
(c)糖化合物
を含有し、かつpHが2〜7であることを特徴とするコンタクトレンズ洗浄剤組成物
を提供する。
【0006】
さらに、本発明は、
<2>キレート剤を含有することを特徴とする、<1>に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物
<3>下記から撰ばれる洗浄力向上剤を含有することを特徴とする、<1>または<2>に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物。
(1)過酸化水素と反応して有機過酸を発生する化合物(有機過酸前駆体)
(2)Fe、Ni、Cu、Co、Zn、Sn、Ti、Al、Mn、Wから選ばれる少なくとも1種の金属の塩、酸化物及び錯体
<4>酵素を含有することを特徴とする、請求項1〜3に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物
<5>フェノール系ラジカルトラップ剤を含有することを特徴とする、請求項1〜4に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物
<6>アルカリ土類金属塩を含有することを特徴とする、請求項1〜5に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物
<7>水で希釈し洗浄するための組成物であることを特徴とする、請求項1〜6に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物
<8>請求項1〜7に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物にコンタクトレンズを浸漬し、その後水で希釈することを特徴とする、コンタクトレンズの洗浄方法
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、漂白基剤である過酸化水素(a)は組成物中に0.01〜30質量%、好ましくは2〜20質量%配合される。
【0008】
本発明の(b)成分として用いられる硼素化合物の例としては、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、4ホウ酸ナトリウム、4ホウ酸カリウム、4ホウ酸アンモニウム等があげられ、特にホウ酸、ホウ酸ナトリウム、4ホウ酸ナトリウムが好適である。
本発明の(b)成分の硼素化合物は、組成中に0.01〜30質%、好ましくは2〜20質量%配合される。(b)成分の硼素化合物の配合量が0.01質量%未満となると殺菌効果が低下し、一方、30質量%を超えても殺菌効果は向上しない。
【0009】
本発明の(c)成分として用いられる糖化合物の例としては、ソルビトール、マンニトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、リボース、エリトロース、キシルロース、グルコン酸、ガラクトン酸、マンノン酸、グルクロン酸、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、サッカロース等および、それらの誘導体としてアルキルグルコシド等の糖系の界面活性剤を用いることもできる。好ましい糖化合物は糖アルコールであり、特に好ましい化合物はソルビトール、マンニトールである。
【0010】
(c)成分のポリオール化合物は、本発明の組成物中に0.01〜30質量%、好ましくは2〜20質量%配合される。この配合量が0.01質量%未満又は30質量%を超えると、殺菌効果が低下する。また、(b)成分と(c)成分とは重量比で(b)/(c)=1/30〜10/1(0.03〜10)、好ましくは1/20〜2/1(0.05〜2)の範囲にあることが必要である。この範囲で、希釈持のpH上昇が特に良好で、高い洗浄力が得られる。
【0011】
本発明のコンタクトレンズ洗浄剤は残部を水とすることができるが、上記成分の他、有機過酸前駆体化合物、酵素、フェノール系ラジカルトラップ剤、アルカリ土類金属塩、界面活性剤、キレート剤を含有することが好ましい。
【0012】
有機過酸前駆体化合物は、過酸化水素と反応して有機過酸を発生する化合物であり、洗浄力を向上することができる。有機過酸前駆体としては、イミド構造、ラクタム、エステル、フェノールエステル、アミド、オキシム等の官能基を有し、過酸化水素と反応して効率的に有機過酸を発生する。その例としてTAED(テトラアセチルエチレンジアミン)、PAG(ペンタアセチルグルコース)、N−アシルフタル酸イミド、N−アシルカプロラクタム、p−アセチルオキシ安息香酸、p−デカノイルオキシ安息香酸、p−ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸、p−デカノイルオキシベンゼンスルホン酸、o−アセチルサリチル酸ブチル、p−オクタノイルオキシ安息香酸メチル、p−ベンゾイルオキシ安息香酸などがあげられる。有機過酸前駆体の含有量は、コンタクトレンズ洗浄剤中に0.01〜10質量%、好ましくは0.3〜2質量%配合されることが好ましい。
【0013】
他の洗浄力向上剤として、Fe、Ni、Cu、Co、Zn、Sn、Ti、Al、Mn、Wから選ばれる少なくとも1種の金属の塩、酸化物及び錯体が使用できる。具体的には、前記金属のハロゲン化塩、硫酸塩、もしくは脂肪酸カルボン酸塩、アリールカルボン酸塩、又は酸化物として配合される。ハロゲン化塩の例としてはFeCl2、FeCl3、NiCl2、CuCl2、CoCl2、ZnCl2、SnCl3、SnCl4、TiCl2、AlCl3、MnCl2 を挙げることができる。硫酸塩としてはFeSO4、Fe2(SO4)3、NiSO4、CuSO4、CoSO4 、ZnSO4、SnSO4、Al2(SO4)3、MnSO2を挙げることができる。脂肪酸カルボン酸塩、アリールカルボン酸塩としては、以下の化2の式で表わされるものが用いられる。酸化物の例としてはFe2O3、NiO、CuO2、CoO、ZnO、SnO2、SnO、TiO2、Al2O3、MnO2等を挙げることができる。さらに錯化合物としては配位子としてCN、NH3 、トリフェニルフォスフィン、エチレンジアミン、テトラ−N−デンテート等ヘテロ原子を複数個含む上記金属の錯化合物を挙げることができる。上記金属化合物の含有量は、本発明のコンタクトレンズ洗浄剤組成物中、0.0001%〜1質量%、好ましくは0.001〜0.1質量%であることが好ましい。
【0014】
酵素の例としては、アルカノールオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ラッカーゼ、パーオキシダーゼ、カテコールオキシダーゼ、カタラーゼ、アルコールオキシダーゼ等の酸化酵素をあげることができる。酵素は、本発明の組成物中に好ましくは0.0005〜2質量%、より好ましくは0.01〜2質量%配合される。
【0015】
キレート剤としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸等のホスホン酸化合物及びそのアルカリ金属塩及びその誘導体;ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸等のアミノポリカルボン酸化合物及びそのアルカリ金属塩;ポリアクリル酸、アクリル酸−マレイン酸コポリマー、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー等のポリカルボン酸化合物及びそのアルカリ金属塩(分子量は1000〜100000が使用上都合が良く、好ましくは10000〜80000が良い);ピロリン酸、トリリン酸、トリメタン酸、テトラメタリン酸等のリン酸化合物及びそのアルカリ金属塩等が挙げられる。好ましいキレート剤はホスホン酸系化合物とアミノカルボン酸系キレート剤であり、特に好ましくはホスホン酸系キレート剤、エチレンジアミン四酢酸またはその塩である。キレート剤の含有量は、本発明の洗浄剤組成物中0.1〜20質量%含有するのが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。 上記キレート剤を含有すると、保存安定性が好ましい。
【0016】
フェノール系ラジカルトラップ剤としては、フェノール性OH基を有する化合物、又はフェノール性OH基のエステル誘導体、エーテル誘導体が好ましい。この中でもフェノール性OH基を有する物が好ましい。さらに好ましい化合物は、G.E.Penketh,J.Appl.Chem,7,512(1957)に記載される酸化還元電位(O.P.)0が1.25V以下の化合物であり、より好ましくは0.95V以下、さらに好ましくは0.75V以下である。具体的に例示すれば、クレゾール、チモール、クロロフェノール、ブロモフェノール、メトキシフェノール、ニトロフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、ナフトール、ヒドロキノン、カテコール、ピロガロール、フェノキシエタノール、ハイドロキノンを挙げることができる。また、これらの化合物は単品で用いても良いし、あるいは複数の化合物の混合物として用いても良い。フェノール系ラジカルトラップ剤の配合量は0.01〜6質量%、好ましくは0.1〜5質量%であることが好ましい。6質量%を越えると、結晶の析出や液の分離が生じる場合がある。フェノール系ラジカルトラップ剤を配合すると、組成物原液のpHが4以上でも過酸化水素の高い安定性が得られ、希釈によって容易にpHが中性〜アルカリ性に変化し、高い洗浄力を発揮する。
【0017】
アルカリ土類金属塩としては、陽イオンとしてCa及びMgイオンを含有する化合物が好ましい。具体的には、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムが挙げられる。アルカリ土類金属塩の含有量は、コンタクトレンズ洗浄剤組成物中0.001〜1質量%、好ましくは0.01〜0.3質量%である。1質量%を越えると、アルカリ土類金属塩の析出等、系の安定性に問題が生じる可能性がある。アルカリ土類金属塩は、保存安定性に効果がある。
【0018】
界面活性剤は洗浄有効成分としての効果を有する。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤等が用いられる。これらの中でもノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤が好んで用いられる。
【0019】
ノニオン界面活性剤としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1個有するノニオン界面活性剤、又は炭素数8〜24のアルキル基で置換されたアリール基を少なくとも1個有するノニオン界面活性剤が好ましく使用される。具体的には、アルキルグリコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、脂肪酸モノグリセライド、アミンオキサイド等を挙げることができる。これらのなかでもポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマーが好ましい。
【0020】
アニオン界面活性剤としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1個有するアニオン界面活性剤、又は炭素数8〜24のアルキル基で置換されたアリール基を少なくとも1個有するアニオン界面活性剤が好ましく使用される。その例として、アルキルベンゼンスルホン酸塩、石鹸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、脂肪族α−スルホメチルエステル、アルファオレフィンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中でもアルファオレフィンスルホン酸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩が好ましい。
両性界面活性剤としては、炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1個有するアミンオキシドを好ましく使用することができる。
【0021】
界面活性剤の含有量は、コンタクトレンズ洗浄剤中に0.1〜60質量%、特に0.5〜40質量%含有することが好ましい。
【0022】
本発明の洗浄剤には、その他、任意に溶解補助剤、増粘剤、香料、色素などを、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる
溶解補助剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;グリセリン、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。
増粘剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
香料としては、メントール、カンフル、ボルネオールなどの合成香料、ハッカ油、ミント油、ローズマリー油などの天然香料を使用することができる。色素は、耐酸性の色素であれば、特に制限なく使用することができる。
【0023】
本発明の洗浄剤のpHは2以上7未満、好ましくは2.5〜6.5、より好ましくは3〜6に調整される。組成物のpHが7を超えると保存安定性が低下する。pH調整は公知の化合物を使用することができる。酸性物質として塩酸、硫酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、リン酸等の有機酸が挙げられ、アルカリ成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ剤、エタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トロメタミンなどの有機アミン等が挙げられる。
【0024】
本発明のコンタクトレンズ洗浄剤は、ハード、酸素透過型ハード、従来型ソフト、使い捨てタイプのソフト、カラーコンタクト、トーリックコンタクト、バイフォーカルコンタクトなど、コンタクトレンズの種類によらず、全てのコンタクトレンズに対して使用することができる。
【0025】
本発明のコンタクトレンズ洗浄剤は、原液では過酸化水素が安定で、使用時に水で希釈することにより液性を中性〜アルカリ性として洗浄効果を発揮するものである。希釈倍率は液を中性〜アルカリ性にすれば足りるが、好ましくは10〜1000倍量の水を加えて希釈することが好ましい。
【0026】
本発明のコンタクトレンズ洗浄剤の使用方法は、洗浄剤組成物を希釈した希釈液にコンタクトレンズを浸漬してもよいが、洗浄剤組成物原液に浸漬し、高濃度の洗浄成分をレンズに接触、浸透させてから希釈すると、より優れた洗浄効果(特にタンパク汚れ)が得られるため好ましい。例えば以下のようにコンタクトレンズを洗浄することができる。
▲1▼本発明の洗浄剤原液にコンタクトレンズを浸漬する(10分以内が好ましい)▲2▼水で希釈する(希釈によりpHがあがる)
▲3▼約30〜120分間そのまま浸漬させる
▲4▼水ですすぐ
洗浄剤組成によっては、▲4▼のすすぎの行程を省略することも可能である。
以下に、本発明の好ましい実施態様をまとめて記す。
【0027】
【発明の効果】
本発明のコンタクトレンズ洗浄剤は、洗浄剤原液のpHは2以上7未満の酸性領域であるため安定であり、水で希釈するだけでpHを洗浄力が高い中性〜アルカリ性域にすることができるため、従来のようにアルカリ剤を併用する2剤型としなくても、使用時に高い洗浄効果を発揮する洗浄剤組成物とすることができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。各例中の%はことわりがないかぎりいずれも重量%である。各項目の評価は以下の方法で行った。
【0029】
<コンタクトレンズ洗浄力>
〔洗浄〕
コンタクトレンズ(種類:ACUVUE(ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル株式会社))1枚をコンタクトレンズ洗浄剤組成物2mlに1分間浸漬した後水で50倍に希釈して60分間さらに浸漬した。その後、水ですすいで洗浄力を評価した。
〔殺菌力〕
ISO/FDIS 14729に基き、上記、洗浄操作を行って規格に適合したものを○、不適合を×とした。
〔タンパク汚れ洗浄力〕
1日装用後のコンタクトレンズ(種類:ACUVUE(ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル株式会社))について、上記の洗浄操作を行い、余分な水分をろ紙にて取り除いた。その後、ニンヒドリン試液に素早く浸漬して、余分な液分をろ紙にて取り除いたものを70℃にて10分間風乾し、染色の度合いを5段階評価(装用していないものを5、洗浄していないものを1として段階的に評価)した。
【0030】
<保存安定性>
コンタクトレンズ洗浄剤をポリエチレン製シリンダー容器(満注量725ml,底部肉厚0.6mm、このボトルの底部は内側に凹んだ形状である。)に600ml充填し、25℃でキャップを密封し、45℃・60日の条件で保存した後、容器の膨らみを肉眼で観察した。この容器はシリンダー状であるためガスが発生して内圧が高まると、容器底部が外側に膨出してくるので、その状態を以下の基準で評価した。
○:変化なし(容器底部は内側に凹んだ状態のまま)
△:容器底部がやや膨らみ、フラット状態になる。
×:容器底部が膨らみ、容器が傾く(ないしは倒れる)。
【0031】
【表1】
なお、希釈後のpHは全て7以上であった。
【0032】
【表2】
【発明の属する技術分野】
本発明は還元剤を要さずに使用可能で、保存安定性が良好なコンタクトレンズ洗浄剤組成物に関する。詳しくは水希釈によって高い洗浄、殺菌(消毒)力を発揮するコンタクトレンズ洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンタクトレンズは、装用の際に涙液や眼脂に由来する蛋白質、脂質等の汚れなどが付着し、装用感の悪化や視界の不良(くもり)、充血等の眼障害を来すこととなる。さらにコンタクトレンズ表面は上記の汚れだけでなく細菌も付着し、増殖し易い環境にあるため、コンタクトレンズを安全に且つ快適に装用するためには、汚れを洗浄するだけでなく、殺菌・消毒洗浄をすることが必要となる。過酸化水素は、レンズへの吸着性や蓄積性がないことから、コンタクトレンズの殺菌・消毒剤として有用な剤である。
酸素系過酸化水素を用いてコンタクトレンズを洗浄する際は、高い殺菌力を発揮する中〜アルカリ性に洗浄液を調製する必要がある。しかし、過酸化水素はアルカリ性で効果が高い反面不安定でもあるため、実際の洗浄剤は、使用前の洗浄原液(1剤)は安定な酸性に調整し、使用時にアルカリ剤(2剤)を加えてpHを高くして洗浄を行う2剤型の洗浄剤とする必要があり、不便であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、保存安定性が良好で、しかも高い洗浄力(特に殺菌力)を有するコンタクトレンズ洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、検討の結果、硼素化合物と特定のポリオール化合物とを組み合わせることによって、原液組成物は保存安定性が良好な酸性組成物とし、水で希釈することにより中性〜アルカリ性として洗浄力を発揮するコンタクトレンズ洗浄剤組成物を見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、
<1>(a)過酸化水素
(b)硼素化合物
(c)糖化合物
を含有し、かつpHが2〜7であることを特徴とするコンタクトレンズ洗浄剤組成物
を提供する。
【0006】
さらに、本発明は、
<2>キレート剤を含有することを特徴とする、<1>に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物
<3>下記から撰ばれる洗浄力向上剤を含有することを特徴とする、<1>または<2>に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物。
(1)過酸化水素と反応して有機過酸を発生する化合物(有機過酸前駆体)
(2)Fe、Ni、Cu、Co、Zn、Sn、Ti、Al、Mn、Wから選ばれる少なくとも1種の金属の塩、酸化物及び錯体
<4>酵素を含有することを特徴とする、請求項1〜3に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物
<5>フェノール系ラジカルトラップ剤を含有することを特徴とする、請求項1〜4に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物
<6>アルカリ土類金属塩を含有することを特徴とする、請求項1〜5に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物
<7>水で希釈し洗浄するための組成物であることを特徴とする、請求項1〜6に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物
<8>請求項1〜7に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物にコンタクトレンズを浸漬し、その後水で希釈することを特徴とする、コンタクトレンズの洗浄方法
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、漂白基剤である過酸化水素(a)は組成物中に0.01〜30質量%、好ましくは2〜20質量%配合される。
【0008】
本発明の(b)成分として用いられる硼素化合物の例としては、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、4ホウ酸ナトリウム、4ホウ酸カリウム、4ホウ酸アンモニウム等があげられ、特にホウ酸、ホウ酸ナトリウム、4ホウ酸ナトリウムが好適である。
本発明の(b)成分の硼素化合物は、組成中に0.01〜30質%、好ましくは2〜20質量%配合される。(b)成分の硼素化合物の配合量が0.01質量%未満となると殺菌効果が低下し、一方、30質量%を超えても殺菌効果は向上しない。
【0009】
本発明の(c)成分として用いられる糖化合物の例としては、ソルビトール、マンニトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、リボース、エリトロース、キシルロース、グルコン酸、ガラクトン酸、マンノン酸、グルクロン酸、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、サッカロース等および、それらの誘導体としてアルキルグルコシド等の糖系の界面活性剤を用いることもできる。好ましい糖化合物は糖アルコールであり、特に好ましい化合物はソルビトール、マンニトールである。
【0010】
(c)成分のポリオール化合物は、本発明の組成物中に0.01〜30質量%、好ましくは2〜20質量%配合される。この配合量が0.01質量%未満又は30質量%を超えると、殺菌効果が低下する。また、(b)成分と(c)成分とは重量比で(b)/(c)=1/30〜10/1(0.03〜10)、好ましくは1/20〜2/1(0.05〜2)の範囲にあることが必要である。この範囲で、希釈持のpH上昇が特に良好で、高い洗浄力が得られる。
【0011】
本発明のコンタクトレンズ洗浄剤は残部を水とすることができるが、上記成分の他、有機過酸前駆体化合物、酵素、フェノール系ラジカルトラップ剤、アルカリ土類金属塩、界面活性剤、キレート剤を含有することが好ましい。
【0012】
有機過酸前駆体化合物は、過酸化水素と反応して有機過酸を発生する化合物であり、洗浄力を向上することができる。有機過酸前駆体としては、イミド構造、ラクタム、エステル、フェノールエステル、アミド、オキシム等の官能基を有し、過酸化水素と反応して効率的に有機過酸を発生する。その例としてTAED(テトラアセチルエチレンジアミン)、PAG(ペンタアセチルグルコース)、N−アシルフタル酸イミド、N−アシルカプロラクタム、p−アセチルオキシ安息香酸、p−デカノイルオキシ安息香酸、p−ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸、p−デカノイルオキシベンゼンスルホン酸、o−アセチルサリチル酸ブチル、p−オクタノイルオキシ安息香酸メチル、p−ベンゾイルオキシ安息香酸などがあげられる。有機過酸前駆体の含有量は、コンタクトレンズ洗浄剤中に0.01〜10質量%、好ましくは0.3〜2質量%配合されることが好ましい。
【0013】
他の洗浄力向上剤として、Fe、Ni、Cu、Co、Zn、Sn、Ti、Al、Mn、Wから選ばれる少なくとも1種の金属の塩、酸化物及び錯体が使用できる。具体的には、前記金属のハロゲン化塩、硫酸塩、もしくは脂肪酸カルボン酸塩、アリールカルボン酸塩、又は酸化物として配合される。ハロゲン化塩の例としてはFeCl2、FeCl3、NiCl2、CuCl2、CoCl2、ZnCl2、SnCl3、SnCl4、TiCl2、AlCl3、MnCl2 を挙げることができる。硫酸塩としてはFeSO4、Fe2(SO4)3、NiSO4、CuSO4、CoSO4 、ZnSO4、SnSO4、Al2(SO4)3、MnSO2を挙げることができる。脂肪酸カルボン酸塩、アリールカルボン酸塩としては、以下の化2の式で表わされるものが用いられる。酸化物の例としてはFe2O3、NiO、CuO2、CoO、ZnO、SnO2、SnO、TiO2、Al2O3、MnO2等を挙げることができる。さらに錯化合物としては配位子としてCN、NH3 、トリフェニルフォスフィン、エチレンジアミン、テトラ−N−デンテート等ヘテロ原子を複数個含む上記金属の錯化合物を挙げることができる。上記金属化合物の含有量は、本発明のコンタクトレンズ洗浄剤組成物中、0.0001%〜1質量%、好ましくは0.001〜0.1質量%であることが好ましい。
【0014】
酵素の例としては、アルカノールオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ラッカーゼ、パーオキシダーゼ、カテコールオキシダーゼ、カタラーゼ、アルコールオキシダーゼ等の酸化酵素をあげることができる。酵素は、本発明の組成物中に好ましくは0.0005〜2質量%、より好ましくは0.01〜2質量%配合される。
【0015】
キレート剤としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸等のホスホン酸化合物及びそのアルカリ金属塩及びその誘導体;ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸等のアミノポリカルボン酸化合物及びそのアルカリ金属塩;ポリアクリル酸、アクリル酸−マレイン酸コポリマー、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー等のポリカルボン酸化合物及びそのアルカリ金属塩(分子量は1000〜100000が使用上都合が良く、好ましくは10000〜80000が良い);ピロリン酸、トリリン酸、トリメタン酸、テトラメタリン酸等のリン酸化合物及びそのアルカリ金属塩等が挙げられる。好ましいキレート剤はホスホン酸系化合物とアミノカルボン酸系キレート剤であり、特に好ましくはホスホン酸系キレート剤、エチレンジアミン四酢酸またはその塩である。キレート剤の含有量は、本発明の洗浄剤組成物中0.1〜20質量%含有するのが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。 上記キレート剤を含有すると、保存安定性が好ましい。
【0016】
フェノール系ラジカルトラップ剤としては、フェノール性OH基を有する化合物、又はフェノール性OH基のエステル誘導体、エーテル誘導体が好ましい。この中でもフェノール性OH基を有する物が好ましい。さらに好ましい化合物は、G.E.Penketh,J.Appl.Chem,7,512(1957)に記載される酸化還元電位(O.P.)0が1.25V以下の化合物であり、より好ましくは0.95V以下、さらに好ましくは0.75V以下である。具体的に例示すれば、クレゾール、チモール、クロロフェノール、ブロモフェノール、メトキシフェノール、ニトロフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、ナフトール、ヒドロキノン、カテコール、ピロガロール、フェノキシエタノール、ハイドロキノンを挙げることができる。また、これらの化合物は単品で用いても良いし、あるいは複数の化合物の混合物として用いても良い。フェノール系ラジカルトラップ剤の配合量は0.01〜6質量%、好ましくは0.1〜5質量%であることが好ましい。6質量%を越えると、結晶の析出や液の分離が生じる場合がある。フェノール系ラジカルトラップ剤を配合すると、組成物原液のpHが4以上でも過酸化水素の高い安定性が得られ、希釈によって容易にpHが中性〜アルカリ性に変化し、高い洗浄力を発揮する。
【0017】
アルカリ土類金属塩としては、陽イオンとしてCa及びMgイオンを含有する化合物が好ましい。具体的には、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムが挙げられる。アルカリ土類金属塩の含有量は、コンタクトレンズ洗浄剤組成物中0.001〜1質量%、好ましくは0.01〜0.3質量%である。1質量%を越えると、アルカリ土類金属塩の析出等、系の安定性に問題が生じる可能性がある。アルカリ土類金属塩は、保存安定性に効果がある。
【0018】
界面活性剤は洗浄有効成分としての効果を有する。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤等が用いられる。これらの中でもノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤が好んで用いられる。
【0019】
ノニオン界面活性剤としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1個有するノニオン界面活性剤、又は炭素数8〜24のアルキル基で置換されたアリール基を少なくとも1個有するノニオン界面活性剤が好ましく使用される。具体的には、アルキルグリコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、脂肪酸モノグリセライド、アミンオキサイド等を挙げることができる。これらのなかでもポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマーが好ましい。
【0020】
アニオン界面活性剤としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1個有するアニオン界面活性剤、又は炭素数8〜24のアルキル基で置換されたアリール基を少なくとも1個有するアニオン界面活性剤が好ましく使用される。その例として、アルキルベンゼンスルホン酸塩、石鹸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、脂肪族α−スルホメチルエステル、アルファオレフィンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中でもアルファオレフィンスルホン酸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩が好ましい。
両性界面活性剤としては、炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1個有するアミンオキシドを好ましく使用することができる。
【0021】
界面活性剤の含有量は、コンタクトレンズ洗浄剤中に0.1〜60質量%、特に0.5〜40質量%含有することが好ましい。
【0022】
本発明の洗浄剤には、その他、任意に溶解補助剤、増粘剤、香料、色素などを、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる
溶解補助剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;グリセリン、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。
増粘剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
香料としては、メントール、カンフル、ボルネオールなどの合成香料、ハッカ油、ミント油、ローズマリー油などの天然香料を使用することができる。色素は、耐酸性の色素であれば、特に制限なく使用することができる。
【0023】
本発明の洗浄剤のpHは2以上7未満、好ましくは2.5〜6.5、より好ましくは3〜6に調整される。組成物のpHが7を超えると保存安定性が低下する。pH調整は公知の化合物を使用することができる。酸性物質として塩酸、硫酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、リン酸等の有機酸が挙げられ、アルカリ成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ剤、エタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トロメタミンなどの有機アミン等が挙げられる。
【0024】
本発明のコンタクトレンズ洗浄剤は、ハード、酸素透過型ハード、従来型ソフト、使い捨てタイプのソフト、カラーコンタクト、トーリックコンタクト、バイフォーカルコンタクトなど、コンタクトレンズの種類によらず、全てのコンタクトレンズに対して使用することができる。
【0025】
本発明のコンタクトレンズ洗浄剤は、原液では過酸化水素が安定で、使用時に水で希釈することにより液性を中性〜アルカリ性として洗浄効果を発揮するものである。希釈倍率は液を中性〜アルカリ性にすれば足りるが、好ましくは10〜1000倍量の水を加えて希釈することが好ましい。
【0026】
本発明のコンタクトレンズ洗浄剤の使用方法は、洗浄剤組成物を希釈した希釈液にコンタクトレンズを浸漬してもよいが、洗浄剤組成物原液に浸漬し、高濃度の洗浄成分をレンズに接触、浸透させてから希釈すると、より優れた洗浄効果(特にタンパク汚れ)が得られるため好ましい。例えば以下のようにコンタクトレンズを洗浄することができる。
▲1▼本発明の洗浄剤原液にコンタクトレンズを浸漬する(10分以内が好ましい)▲2▼水で希釈する(希釈によりpHがあがる)
▲3▼約30〜120分間そのまま浸漬させる
▲4▼水ですすぐ
洗浄剤組成によっては、▲4▼のすすぎの行程を省略することも可能である。
以下に、本発明の好ましい実施態様をまとめて記す。
【0027】
【発明の効果】
本発明のコンタクトレンズ洗浄剤は、洗浄剤原液のpHは2以上7未満の酸性領域であるため安定であり、水で希釈するだけでpHを洗浄力が高い中性〜アルカリ性域にすることができるため、従来のようにアルカリ剤を併用する2剤型としなくても、使用時に高い洗浄効果を発揮する洗浄剤組成物とすることができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。各例中の%はことわりがないかぎりいずれも重量%である。各項目の評価は以下の方法で行った。
【0029】
<コンタクトレンズ洗浄力>
〔洗浄〕
コンタクトレンズ(種類:ACUVUE(ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル株式会社))1枚をコンタクトレンズ洗浄剤組成物2mlに1分間浸漬した後水で50倍に希釈して60分間さらに浸漬した。その後、水ですすいで洗浄力を評価した。
〔殺菌力〕
ISO/FDIS 14729に基き、上記、洗浄操作を行って規格に適合したものを○、不適合を×とした。
〔タンパク汚れ洗浄力〕
1日装用後のコンタクトレンズ(種類:ACUVUE(ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル株式会社))について、上記の洗浄操作を行い、余分な水分をろ紙にて取り除いた。その後、ニンヒドリン試液に素早く浸漬して、余分な液分をろ紙にて取り除いたものを70℃にて10分間風乾し、染色の度合いを5段階評価(装用していないものを5、洗浄していないものを1として段階的に評価)した。
【0030】
<保存安定性>
コンタクトレンズ洗浄剤をポリエチレン製シリンダー容器(満注量725ml,底部肉厚0.6mm、このボトルの底部は内側に凹んだ形状である。)に600ml充填し、25℃でキャップを密封し、45℃・60日の条件で保存した後、容器の膨らみを肉眼で観察した。この容器はシリンダー状であるためガスが発生して内圧が高まると、容器底部が外側に膨出してくるので、その状態を以下の基準で評価した。
○:変化なし(容器底部は内側に凹んだ状態のまま)
△:容器底部がやや膨らみ、フラット状態になる。
×:容器底部が膨らみ、容器が傾く(ないしは倒れる)。
【0031】
【表1】
なお、希釈後のpHは全て7以上であった。
【0032】
【表2】
Claims (8)
- (a)過酸化水素
(b)硼素化合物
(c)糖化合物
を含有し、かつpHが2〜7であることを特徴とするコンタクトレンズ洗浄剤組成物。 - キレート剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物。
- 下記から撰ばれる洗浄力向上剤を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物。
(1)過酸化水素と反応して有機過酸を発生する化合物(有機過酸前駆体)
(2)Fe、Ni、Cu、Co、Zn、Sn、Ti、Al、Mn、Wから選ばれる少なくとも1種の金属の塩、酸化物及び錯体 - 酵素を含有することを特徴とする、請求項1〜3に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物。
- フェノール系ラジカルトラップ剤を含有することを特徴とする、請求項1〜4に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物。
- アルカリ土類金属塩を含有することを特徴とする、請求項1〜5に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物。
- 水で希釈し洗浄するための組成物であることを特徴とする、請求項1〜6に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物。
- 請求項1〜7に記載のコンタクトレンズ洗浄剤組成物にコンタクトレンズを浸漬し、その後水で希釈することを特徴とする、コンタクトレンズの洗浄方法。
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