JP2004024575A - 汚染防止型内視鏡 - Google Patents

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大内 輝雄
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Abstract

【課題】照明窓から射出された照明光が、観察窓に達するまでに透明カバー内で反射を繰り返しながら進む領域の距離を一定以上確実に確保して、ゴーストやフレアーの発生を防ぐことができる汚染防止型内視鏡を提供すること。
【解決手段】観察窓1と照明窓2を各々不透明な枠体6,7で囲み、各枠体6,7の観察窓表面を囲む端面部分6aと照明窓表面を囲む端面部分7aとを各々挿入部11の先端11cから突出する状態に配置すると共に、被覆カバー21の少なくとも観察窓1と照明窓2に被覆される部分周辺を弾力性のある部材により形成して、その部分を各枠体6,7の観察窓表面を囲む端面部分6aと照明窓表面を囲む端面部分7aとに弾力的に密着させた。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、挿入部が患者の体壁に直接接触しないようにする被覆カバーが着脱自在に設けられた汚染防止型内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内視鏡を介しての患者から患者への感染を未然に確実に防止する必要性が高まっている。
【0003】
その方策として、内視鏡の挿入部に対して被脱自在な水密性の被覆カバーを設けて、内視鏡に被覆カバーを被覆した状態で使用し、使用後にその被覆カバーを新しいものと交換するのが一つの有力な手段である。そのようにする場合、被覆カバーの少なくとも照明窓と観察窓に被覆される部分は透明に形成しなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、両窓の表面が連続的な一枚の透明カバーで被覆されていると、照明窓から射出された照明光が透明カバーの厚みの中で反射を繰り返して観察窓内に入射し、観察視野にゴーストやフレアーが発生してしまうことが知られている。
【0005】
ただし、そのような透明カバーの厚みの中を伝わる光は、透明カバー内での繰り返し反射の回数がある程度以上より多くなると、光の強度が弱まって実質上ゴーストやフレアー等が認められなくなるので、照明光が透明カバー内で反射しながら進む領域の距離を確保すればよい。
【0006】
そこで本発明は、照明窓から射出された照明光が、観察窓に達するまでに透明カバー内で反射を繰り返しながら進む領域の距離を一定以上確実に確保して、ゴーストやフレアーの発生を防ぐことができる汚染防止型内視鏡を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の汚染防止型内視鏡は、先端に観察窓と照明窓が配置された挿入部を外部から遮蔽するための被覆カバーが挿入部に着脱自在に被覆され、被覆カバーのうち少なくとも挿入部の先端を覆う部分が透明に形成された汚染防止型内視鏡において、観察窓と照明窓を各々不透明な枠体で囲み、各枠体の観察窓表面を囲む端面部分と照明窓表面を囲む端面部分とを各々挿入部の先端から突出する状態に配置すると共に、被覆カバーの少なくとも観察窓と照明窓に被覆される部分周辺を弾力性のある部材により形成して、その部分を各枠体の観察窓表面を囲む端面部分と照明窓表面を囲む端面部分とに弾力的に密着させたものである。
【0008】
なお、各枠体の観察窓表面を囲む端面部分と照明窓表面を囲む端面部分とに被覆カバーが密着するように、被覆カバーが基端方向に引っ張られた状態で挿入部に被覆されるようにしてもよい。
【0009】
また、被覆カバーが各枠体の観察窓表面を囲む端面部分と照明窓表面を囲む端面部分とに密着被覆されるように、被覆カバーと挿入部との間の空間が負圧の状態にされるようにしてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2は、内視鏡10の挿入部11にカバー装置20が取り付けられていない状態を示している。
【0011】
内視鏡10の挿入部11は、例えば可撓管11aの先端に湾曲部11bが連結され、湾曲部11bの先端に連結された先端部本体11cに観察窓等が配置されたものであり、挿入部11の基端には、湾曲部11bの遠隔操作を行う装置等が配置された操作部12が連結されている。
【0012】
内視鏡10の基端が連結されている操作部12の下端部分には、筒状に形成されたカバー装置20の基端口金23が着脱自在に係合する円柱状の口金係止部13が形成されており、口金係止部13の中間部分には少しだけ径が細い係止溝部14が形成されている。
【0013】
カバー装置20の基端口金23以外の部分は、挿入部11を外部から遮蔽するように挿入部11に被覆される円筒状に形成された被覆カバー21であり、被覆カバー21は、基端口金23に連結されている基端開口以外の部分が全て塞がれた気密性を有している。
【0014】
被覆カバー21は、例えばポリウレタン系又はシリコン系等の合成樹脂材又はそれらのゴム材等のように弾力性に富み且つ透明な材料によって、内径Dが挿入部11の外径dより大きく形成されている。即ち、D>dである。
【0015】
したがって、被覆カバー21は矢印Aで示されるように軸線方向に引き伸ばすことにより弾性変形して径が縮小し、内径Dが挿入部11の外径dより小さい(D<d)状態になる。なお、透明性に関しては、少なくとも観察窓と照明窓に面する先端面部分21aが透明であればよい。
【0016】
被覆カバー21の基端には、内視鏡10の口金係止部13に対して係脱自在な基端口金23が取り付けられている。基端口金23は、口金係止部13に嵌合する筒状に形成されていて、その側壁に内方に貫通するように形成されたネジ孔に手動ネジ24が螺合している。手動ネジ24の頭部には、外側から手で摘むことのできる摘みが形成されている。
【0017】
したがって、基端口金23を口金係止部13に嵌合させて手動ネジ24を締め込むことにより基端口金23が口金係止部13に固定され、手動ネジ24を緩めれば、基端口金23を口金係止部13から離脱させて先端方向に移動させることができる。
【0018】
ただし、図2に示されるように、被覆カバー21が挿入部11より短く形成されているので、被覆カバー21を引き伸ばすことなく挿入部11に被覆しても、基端口金23が係止溝部14に係止される位置には達しない。
【0019】
図3は、被覆カバー21内いっぱいに挿入部11を挿入して基端口金23を口金係止部13に係止した状態を示している。1は、カバーガラス(又はカバーレンズ)で水密に塞がれた観察窓、2は、カバーレンズ(又はカバーガラス)で水密に塞がれた照明窓である。
【0020】
基端口金23を口金係止部13に係合する位置まで軸線方向に引っ張ると、先端部本体11cの先端面に被覆カバー21の先端面部分21aが当接した後は、被覆カバー21が軸線方向に引き伸ばされて、被覆カバー21の縮径により被覆カバー21が全長にわたって挿入部11の表面に密着した状態になると同時に、被覆カバー21が観察窓1部分と照明窓2部分とに弾力的に密着した状態に被覆される。
【0021】
図1は、そのような観察窓1と照明窓2部分の状態を示しており、観察窓1の奥には対物光学系3と、その対物光学系3による被写体の投影位置にイメージガイドファイババンドル4の像入射面が配置されている。
【0022】
対物光学系3とイメージガイドファイババンドル4とは例えばステンレス鋼等のような金属材からなる観察窓枠体6内に支持されており、その観察窓枠体6の先端部分が先端部本体11cの先端面から突出した状態で観察窓1を囲んでいる。
【0023】
また、照明窓2の奥にはライトガイドファイババンドル5の射出端が配置されていて、そのライトガイドファイババンドル5の射出端を支持する照明窓枠体7の先端部分が先端部本体11cの先端面から突出した状態で照明窓2を囲んでいる。
【0024】
観察窓1の表面を囲む観察窓枠体6の端面部分6aと照明窓2の表面を囲む照明窓枠体7の端面部分7aとは、各々黒色処理が施されて観察窓1の表面及び照明窓2の表面とほぼ同一面に位置しており、その部分に被覆カバー21の先端面部分21aが弾力的に密着している。
【0025】
このような構成において、ライトガイドファイババンドル5の射出端から放射されて照明窓2から射出された照明光の一部は、被覆カバー21の厚み中で反射を繰り返して観察窓1側に向かう。
【0026】
しかし、上記説明のように観察窓1の表面と照明窓2の表面とを互いに独立して囲む不透明な枠体6,7の端面部分6a,7aが先端部本体11cの先端面から突出して配置されていて、その部分に弾力性のある部材からなる被覆カバー21の先端面部分21aが弾力的に密着させられていることにより、被覆カバー21が両枠体6,7の端面部分6a,7aから浮き上がることなく確実に両枠体6,7の端面部分6a,7aに密着する状態を保つ。
【0027】
したがって、照明光が照明窓2から観察窓1に達する前に被覆カバー21内で反射を繰り返しながら進む領域の距離Wが予め設定されている通りに確実に確保され、想定より繰り返し反射回数の少ない漏光等が観察窓1側に達することがないので、被覆カバー21内での繰り返し反射によって観察窓1側に達する照明光の強度が確実に弱まって、ゴーストやフレアー等が認められない状態が維持される。
【0028】
図4は、本発明の第2の実施例を示しており、観察窓1と照明窓2が先端部本体11cの側面に配置されたいわゆる側方視型内視鏡に本発明を適用した例である。
【0029】
側方視型内視鏡の場合においても、観察窓1の表面を囲む観察窓枠体6の端面部分6aと照明窓2の表面を囲む照明窓枠体7の端面部分7aとを、観察窓1の表面及び照明窓2の表面とほぼ同一面に位置させるように構成する。
【0030】
そして、両枠体6,7の端面部分6a,7aに被覆カバー21の先端面部分21aを弾力的に密着させるために、被覆カバー21を基端方向に引き伸ばすだけでなく、先端部本体11cの観察窓1と照明窓2が配置されている位置の近傍に吸引路9を開口配置させている。
【0031】
吸引路9の基端側は、例えば図5に示されるように、操作部12に配置された吸引口金19に接続されていて、そこに接続した吸引具50を動作させることにより、被覆カバー21の先端面部分21aと先端部本体11cとの間の空間が負圧の状態になる。
【0032】
その結果、被覆カバー21の先端面部分21aが両枠体6,7の端面部分6a,7aに弾力的に容易に密着して、照明光が照明窓2から観察窓1に達する前に被覆カバー21内で反射を繰り返しながら進む領域の距離Wを確実に確保することができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、観察窓表面と照明窓表面とを各々囲む不透明な枠体の端面部分が挿入部端面から突出して配置されていて、その部分に弾力性のある透明な被覆カバーが弾力的に密着させられていることにより、被覆カバーが両枠体の端面部分から浮き上がることなく確実に両枠体の端面部分に密着するので、照明窓から射出された照明光が観察窓に達するまでに透明カバー内で反射を繰り返しながら進む領域の距離が、設定された一定以上の距離に確実に確保され、ゴーストやフレアーの発生を防いで良好な内視鏡観察像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の汚染防止型内視鏡の先端部分の側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の汚染防止型内視鏡の挿入部にカバー装置が取り付けられていない状態の側面図(カバー装置は断面図)である。
【図3】本発明の第1の実施例の汚染防止型内視鏡の挿入部にカバー装置が取り付けられた状態の側面部分断面図である。
【図4】
本発明の第2の実施例の汚染防止型内視鏡の先端部分の側面断面図である。
【図5】
本発明の第2の実施例の汚染防止型内視鏡の挿入部にカバー装置が取り付けられていない状態の部分側面図(カバー装置は断面図)である。
【符号の説明】
1 観察窓
2 照明窓
6 観察窓枠体
6a 端面部分
7 照明窓枠体
7a 端面部分
9 吸引路
10 内視鏡
11 挿入部
11c 先端部本体
20 カバー装置
21 被覆カバー
21a 先端面部分

Claims (3)

  1. 先端に観察窓と照明窓が配置された挿入部を外部から遮蔽するための被覆カバーが上記挿入部に着脱自在に被覆され、上記被覆カバーのうち少なくとも上記挿入部の先端を覆う部分が透明に形成された汚染防止型内視鏡において、
    上記観察窓と上記照明窓を各々不透明な枠体で囲み、上記各枠体の上記観察窓表面を囲む端面部分と上記照明窓表面を囲む端面部分とを各々上記挿入部の先端から突出する状態に配置すると共に、上記被覆カバーの少なくとも上記観察窓と上記照明窓に被覆される部分周辺を弾力性のある部材により形成して、その部分を上記各枠体の上記観察窓表面を囲む端面部分と上記照明窓表面を囲む端面部分とに弾力的に密着させたことを特徴とする汚染防止型内視鏡。
  2. 上記各枠体の上記観察窓表面を囲む端面部分と上記照明窓表面を囲む端面部分とに上記被覆カバーが密着するように、上記被覆カバーが基端方向に引っ張られた状態で上記挿入部に被覆される請求項1記載の汚染防止型内視鏡。
  3. 上記被覆カバーが上記各枠体の上記観察窓表面を囲む端面部分と上記照明窓表面を囲む端面部分とに密着被覆されるように、上記被覆カバーと上記挿入部との間の空間が負圧の状態にされる請求項1又は2記載の汚染防止型内視鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006297112A (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Polydiagnost Gmbh 内視鏡

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