JP3927653B2 - 細径内視鏡の操作部 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は細径内視鏡の操作部に関し、特に、先端にライトガイドコネクタが取り付けられた可撓性連結管の基端部と円筒状に形成された操作部本体との連結部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
親子式の内視鏡装置の子スコープ等のような極細径の内視鏡は、特殊な用途にだけ用いられて量産されないので、その操作部には気管支用内視鏡等に用いられている操作部が流用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
親子式の内視鏡装置の子スコープの操作部は、取り回しがし易いように、できるだけ簡単な構造で小型軽量に形成する必要がある。
【0004】
しかし、上述のように、従来の子スコープの操作部は気管支用内視鏡等に用いられている操作部が流用されているので、ライトガイドコネクタの可撓性連結管の基端部を操作部内のフレームに立設された取り付け筒に固定する等、強固ではあるが煩雑な構造になっていた。
【0005】
そこで本発明は、ライトガイドコネクタが連結された可撓性連結管の基端部を円筒状の操作部に対して簡単でシンプルな構造で連結することができる細径内視鏡の操作部を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の細径内視鏡の操作部は、先端にライトガイドコネクタが取り付けられた可撓性連結管の基端部と円筒状に形成された操作部本体との連結部において、一方の面が上記操作部本体の内周面に沿う曲面状に形成されて他方の面が平面状に形成された固定補助板を上記操作部本体の内周面に沿って配置して、上記固定補助板とそれに面する操作部本体の壁面とを貫通する貫通孔を形成し、一端側に上記可撓性連結管が連結される連結部材を上記貫通孔に嵌挿して、上記連結部材の他端側に形成された突出部を上記固定補助板の平面部に固定すると共に、上記操作部本体の外側から上記連結部材にナットを締め付けて上記ナットと上記固定補助板とで上記操作部本体を挟み付けて固定したことを特徴とする。
【0007】
なお、上記連結部材と上記貫通孔との嵌合部にシール部材が装着されていてもよく、上記連結部材の上記他端側突出部が、上記固定補助板の平面部にネジ止め固定されていてもよい。また、上記細径内視鏡が親スコープの処置具挿通チャンネルに挿脱して使用される子スコープであってもよい。
【0008】
【発明の実態の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2は、親スコープの処置具挿通チャンネルに挿脱して使用される子スコープ40を示しており、操作部41の下端部に挿入部42の基端が連結されている。挿入部42の直径は例えば2mm程度であり、その長さ(有効長)は後述する外套シース20の全長より長く形成されている。43は接眼部である。
【0009】
基端部が操作部41に連結された可撓性連結管45内には照明用ライトガイドファイバが挿通配置されており、可撓性連結管45の先端には、図示されていない光源装置に接続されるライトガイドコネクタ44が取り付けられている。
【0010】
図3は、操作部41に対する可撓性連結管45の連結部分を示しており、図1はそのI−I断面図である。操作部本体71はプラスチックにより円筒形状に形成されている。
【0011】
そして、一方の面72aが操作部本体71の内周面に沿う曲面状に形成されて他方の面72bが平面状に形成された固定補助板72が、操作部本体71の内周面に密着して配置されている。その平面72bに対向する側から見ると、図4に示されるように、固定補助板72は縦長の長方形状に形成されている。
【0012】
その固定補助板72とそれに密着する位置の操作部本体71の外壁面とを貫通する貫通孔70が穿設されていて、可撓性連結管45が連結される連結筒73がその貫通孔70に嵌挿されている。
【0013】
連結筒73の操作部本体71内に位置する側の端部には、フランジ状の鍔73aが突設されており、その鍔73aが固定ネジ74によって固定補助板72の平面部にネジ止め固定されて、連結筒73と固定補助板72とが一体化されている。
【0014】
そして、操作部本体71の外側から連結筒73にナット75が締め付けられて、そのナット75と固定補助板72とで操作部本体71の外壁を挟み付けた状態になっており、それによって連結筒73が操作部本体71に固定された状態になっている。操作部本体71のナット75が締め付けられる部分は座ぐり穴になっていて、その中にナット75がちょうど収納される。
【0015】
なお、操作部本体71に形成された貫通孔70と連結筒73との嵌合部には連結筒73側にシール用のOリング76が装着されていて、その嵌合部を通って外部から操作部41内に水分が侵入しないようになっている。
【0016】
連結筒73には、このOリング装着部のすぐ外側に、上述のナット75を螺合させるための雄ネジ部が形成され、さらにその外側に、可撓性連結筒45を連結するための部分が一段細く形成されている。また、連結筒73の軸線位置にはライトガイドファイバを通すための貫通孔80が可撓性連結管45内と真っ直ぐに通じるように穿設されている。
【0017】
可撓性連結管45は、その端部に取り付けられた端部口金81を連結筒73の外端部に被嵌して、その位置において固定ネジ82で連結筒73に固定することによって操作部本体71に連結固定されている。そして、連結筒73と端部口金81との嵌合部にもシール用のOリング83が装着されていて、操作部41内への水分の侵入を防止している。
【0018】
84は、可撓性連結管45が連結筒73との連結部近傍で小さな曲率半径で曲がって座屈するのを防止するためのゴム製の折れ止めであり、端部口金84aにライニングされている。
【0019】
そして、その端部口金84aと可撓性連結管45の端部口金81とをネジ部87において螺合させることにより、折れ止め84が可撓性連結管45の連結部を囲む位置に固定されている。85及び86はシール用のOリングである。
【0020】
図5は、子スコープ40の挿入部42の先端部分を示している。挿入部42は、全長にわたって可撓性チューブ46で外装されていて、その先端に先端部本体47が連結されている。
【0021】
先端部本体47の先端面には、図6にも示されるように、観察窓48と照明窓51とが配置されていて、観察窓48の内側に配置された対物光学系49による被写体の結像位置にイメージガイドファイバ50の入射端面が配置されている。
【0022】
照明窓51の内側には、プラスチック製のライトガイドファイバ52の射出端が配置されていて、その前面には、ライトガイドファイバ52から射出される照明光の配光を良くし且つファイバ端面を保護するためのガラス製のビーズ53が配置されている。
【0023】
本発明の子スコープ40は、胆管100に挿入するためにガイドワイヤーを使う必要がないので、VII−VII断面を示す図7に示されるように、可撓性チューブ46の内部にはガイドワイヤーを通すためのチャンネルの類が設けられておらず、イメージガイドファイバ50とライトガイドファイバ52だけが通されている。
【0024】
図8は、親スコープ10を介して胆管100内に造影剤注入チューブ30の先端を差し込んで、胆管100内に造影剤を注入する状態を示している。
親スコープ10は、側方視型のいわゆる十二指腸ファイバースコープあり、操作部11に可撓管状の挿入部12が連結されていて、操作部11からの遠隔操作によって屈曲自在な湾曲部13が挿入部12の先端部分に連結され、対物光学系等が内蔵された先端部本体14が湾曲部13の先端に連結されている。
【0025】
処置具類を挿通するための処置具挿通チャンネルが挿入部12と湾曲部13の内部を通って配置されており、その処置具挿入口15は操作部11の下部に突設され、処置具出口16は先端部本体14の側面に開口形成されている。
【0026】
造影剤注入チューブ30は処置具挿通チャンネル内に直接通されているのではなく、造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31部分が外套シース20に通され、造影剤注入チューブ30の基端部に設けられた手元口金32が外套シース20の基端部に設けられた手元口金22と結合されて、造影剤注入チューブ30と外套シース20とが一体になった状態で用いられる。
【0027】
外套シース20の有効長(即ち、可撓性チューブ21の長さ)は処置具挿通チャンネルの全長より長く形成されていて、可撓性チューブ21を処置具挿入口15から処置具挿通チャンネル内にいっぱいに差し込めば、可撓性チューブ21の先端部分21aが処置具出口16から例えば5〜10cm程度突出する長さに形成されている。
【0028】
しかし、外套シース20が造影剤注入チューブ30と結合して使用される状態では、造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31の先端部分が処置具出口16から突出して胆管100内に差し込まれた位置にあるときに、外套シース20の可撓性チューブ21の先端部分21aが湾曲部13の根元の直前に位置するように、外套シース20の可撓性チューブ21と造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31との長さの差が設定されている。
【0029】
このような状態で造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31の先端が胆管100内に挿入されていて、造影剤注入チューブ30の手元口金32に突設された注入口金33から造影剤を注入することにより、その造影剤を胆管100内に送り出して、胆管100のX線造影像を得ることができる。
【0030】
胆管100内への造影剤注入が済んだら、図9に示されるように、外套シース20の手元口金22と造影剤注入チューブ30の手元口金32との結合を解除し、造影剤注入チューブ30は動かさずに、外套シース20だけを処置具挿入口15内に押し込む。
【0031】
すると、外套シース20の可撓性チューブ21の先端部分21aが処置具出口16から突出して、可撓性チューブ31をガイドにして胆管100内に挿入される。
【0032】
その状態になったら、外套シース20を動かさないようにして造影剤注入チューブ30を抜去し、図10に示されるように、子スコープ40の挿入部42を外套シース20内に差し込むことによって、子スコープ40の挿入部42の先端が外套シース20をガイドにして胆管100内に挿入され、子スコープ40で胆管100内を観察することができる。
【0033】
なお、本発明の細径内視鏡の操作部は、上述のような親子式スコープの子スコープに適用するのに適しているが、それに限定されるものではなく、その他各種の細径内視鏡に適用することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、操作部本体を固定補助板とナットで挟み付けることにより、ライトガイドコネクタが連結された可撓性連結管の基端部が連結される連結部材を操作部本体に固定することができるので、可撓性連結管の基端部を操作部に対して非常に簡単でシンプルな構造で連結することができ、細径内視鏡の操作部の小型軽量化と低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の操作部と可撓性連結管との連結部の図3におけるI−I断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の子スコープの側面図である。
【図3】本発明の実施の形態の操作部と可撓性連結管との連結部の側面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の操作部の一部を切除して示す部分正面図である。
【図5】本発明の実施の形態の子スコープの挿入部の先端部分の拡大側面断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の子スコープの挿入部の先端部分の拡大正面図である。
【図7】本発明の実施の形態の子スコープの挿入部の図5におけるVII−VII断面図である。
【図8】本発明の実施の形態の親子式内視鏡装置の使用手順の第1ステップを示す側面略示図である。
【図9】本発明の実施の形態の親子式内視鏡装置の使用手順の第2ステップを示す側面略示図である。
【図10】本発明の実施の形態の親子式内視鏡装置の使用手順の第3ステップを示す側面略示図である。
【符号の説明】
41 操作部
45 可撓性連結管
71 操作部本体
72 固定補助板
73 連結筒
74 固定ネジ
75 ナット
76 Oリング
Claims (4)
- 先端にライトガイドコネクタが取り付けられた可撓性連結管の基端側の端部口金と円筒状に形成された操作部本体との連結部において、
一方の面が上記操作部本体の内周面に沿う曲面状に形成されて他方の面が平面状に形成された固定補助板を上記操作部本体の内周面に沿って配置して、上記固定補助板とそれに面する上記操作部本体の壁面とを貫通する貫通孔を形成し、外端側に上記可撓性連結管の端部口金が連結される連結部材を上記貫通孔に嵌挿して、上記連結部材の内端側に形成された突出部を上記固定補助板の平面部に固定し、上記操作部本体の外側から上記連結部材にナットを締め付けて上記ナットと上記固定補助板とで上記操作部本体を挟み付けて固定すると共に、上記連結部材の外端側に上記可撓性連結管の端部口金を固定ネジで固定することによりその端部口金が上記ナットの外端面に外方から当接した状態に固定されるようにしたことを特徴とする細径内視鏡の操作部。 - 上記連結部材と上記貫通孔との嵌合部にシール部材が装着されている請求項1記載の細径内視鏡の操作部。
- 上記連結部材の上記他端側突出部が、上記固定補助板の平面部にネジ止め固定されている請求項1又は2記載の細径内視鏡の操作部。
- 上記細径内視鏡が親スコープの処置具挿通チャンネルに挿脱して使用される子スコープである請求項1、2又は3記載の細径内視鏡の操作部。
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