JP2004022883A - 大気圧プラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理速度を向上させることができ、しかもヘリウムガス等のキャリアガスの必要量も大幅に削減できる大気圧プラズマ処理方法を提供する。
【解決手段】処理チャンバ1内に、電圧の印加される第1の電極2と接地される第2の電極3とを交互に二つ以上配置し、第1の電極2及び第2の電極3の少なくとも一方の電極を誘電体4で被覆又は封止し、これら電極間に方形波電圧を印加して放電を発生させて大気圧プラズマを生成し、処理チャンバ1内に挿置した被処理基板7を処理するようにした大気圧プラズマ処理方法において、電界強度がアーキングに至る閾値電圧(Vth)に対して式
|V1|<|Vth|<|V2|の関係にある低電圧値V1及び高電圧値V2の方形波電圧を予定の周波数で切り替えて印加することを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】処理チャンバ1内に、電圧の印加される第1の電極2と接地される第2の電極3とを交互に二つ以上配置し、第1の電極2及び第2の電極3の少なくとも一方の電極を誘電体4で被覆又は封止し、これら電極間に方形波電圧を印加して放電を発生させて大気圧プラズマを生成し、処理チャンバ1内に挿置した被処理基板7を処理するようにした大気圧プラズマ処理方法において、電界強度がアーキングに至る閾値電圧(Vth)に対して式
|V1|<|Vth|<|V2|の関係にある低電圧値V1及び高電圧値V2の方形波電圧を予定の周波数で切り替えて印加することを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種表面処理、アッシング、エッチング、成膜等に用いられ得る大気圧プラズマ処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
低圧条件下ではさまざまな処理ガスを用いたグロー放電プラズマにより各種表面処理が行われているが、高価な真空装置が必要でかつすぐに試料を真空容器から取り出すことができず、装置にコストがかかるだけでなく、処理に時間がかかり、結果として製品のコストが高くなるなど、工業的には不利であった。
【0003】
そこで大気圧下でグロー放電プラズマを発生させる方法が提案され、これにより装置のコストの低減や処理作業の簡易化が計られるようになった。大気圧プラズマ処理装置は、一般的には、大気圧チャンバ内に大気圧プラズマヘッドを処理すべき基板に対向して配置し、大気圧チャンバ内に作業ガスと共に大量のヘリウムガスを供給して安定した大気圧プラズマを発生させ、基板をプラズマ処理するように構成されている。 この種の大気圧プラズマ処理技術については例えば、特開平4−74525号公報、特開平11−236676号公報に開示されている。
【0004】
高温状態ではアーク放電が発生し易く、電子が発生し易くなる。すなわち熱拡散密度が高くなると、アーク放電が発生し、安定なグロー放電とならない。そのため、安定な大気圧プラズマを発生させるためにはキャリアガスとして大流量のヘリウムが有効であるが、ヘリウムガスは高価であり、また処理速度も遅く、そのため基板のプラズマ処理にコストが掛り、最終製品のコストが高くなる一つの要因となっている。特開平10−154598号公報には任意のガス雰囲気中の大気圧近傍の圧力下で短時間の内に電極間に高電圧を印加し、アーキングに至る前に電圧印加を遮断してプラズマを生成させるグロー放電プラズマ発生方法が開示されている。しかしこの方法でもやはり十分な処理速度は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上従来技術に伴う上述のような問題点を解決して、処理速度を向上させることができ、しかもヘリウムガス等のキャリアガスの必要量も大幅に削減できる大気圧プラズマ処理方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明によれば、処理チャンバ内に、電圧の印加される第1の電極と接地される第2の電極とを交互に二つ以上配置し、第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方の電極を誘電体で被覆又は封止し、これら電極間に方形波電圧を印加して放電を発生させて大気圧プラズマを生成し、処理チャンバ内に挿置した被処理基板を処理するようにした大気圧プラズマ処理方法において、電界強度がアーキングに至る閾値電圧(Vth)に対して式
|V1|<|Vth|<|V2|
の関係にある低電圧値V1及び高電圧値V2の方形波電圧を予定の周波数で切り替えて印加することを特徴としている。
【0007】
本発明の大気圧プラズマ処理方法においては、周波数は1kHz以上で、デューティ比は10%〜80%であり、電界強度は高電圧時には1kV/cm以上であり、低電圧時には1kV/cm以下であるように構成され得る。
【0008】
本発明の一実施の形態では、電極間に印加される高電圧値V2及び低電圧値V1をもつ方形波電圧はプラス側及びマイナス側に交互に繰返される波形をもつ。
【0009】
本発明の別の実施の形態では、電極間に印加される高電圧値V2及び低電圧値V1をもつ方形波電圧はプラス側において交互に繰返される波形をもつ。
【0010】
本発明のさらに別の実施の形態では、電極間に印加される高電圧値V2及び低電圧値V1をもつ方形波電圧は、100kHz〜100MHzの高周波電圧から成り、周波数が1kHz以上で、デューティ比が10%〜80%であり、電界強度が高電圧時には1kV/cm以上であり、低電圧時には1kV/cm以下である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施の形態による大気圧プラズマ処理装置を示している。図示装置において、1は処理チャンバであり、この処理チャンバ1内には、一つの電圧印加電極2を挟んで接地電極3が間隔を置いて配列されている。少なくとも一方の電極すなわちは図示例では接地電極3は誘電体4で被覆又は封止されている。電圧印加電極2は高周波交番電源5に接続され、一方、各接地電極3は図示したように接地されている。また、電圧印加電極2と各接地電極3との組立体の下方には、ホットプレート6が配置され、このホットプレート6には処理すべき基板7が装着される。
【0012】
各電極2、3は図面の紙面に垂直な方向にのびており、各電極の紙面に垂直な方向の長さは、処理すべき基板7の図面の紙面に垂直な方向の長さに対応して設定される。また各電極2、3の数は任意に決めることができ、いずれの場合も電圧印加電極2と接地電極3とを交互に適当な間隔を置いて配置する必要がある。
【0013】
また、図1において8はガス導入管であり、このガス導入管8の先端は隣接した電極2、3間に連通している。ガス導入管8の他端は処理チャンバ1の外側に設けた放電ガス源及び処理ガス源(いずれも図示されていない)に接続されている。放電ガス源及び処理ガス源からの放電ガス及び処理ガスは混合されてガス導入管8を通って処理チャンバ1内の電圧印加電極2と各接地電極3との間に導入される。電極2には電源5から方形波電圧が印加される。これにより処理チャンバ1内に大気圧プラズマが生成され、電圧印加電極2と各接地電極3との間から処理すべき基板7に向って吹き出される。
【0014】
図2〜図4には、電極2に印加される方形波電圧を示している。図2に示す方形波電圧は高電圧値V2及び低電圧値V1をもち、プラス側及びマイナス側に交互に連続して繰返される波形をもっている。図3に示す方形波電圧も同様に高電圧値V2及び低電圧値V1をもつが、この例ではプラス側において交互に連続して繰返される波形をもつている。また図4に示す例では高電圧値V2及び低電圧値V1をもつ方形波電圧は、100kHz〜100MHzの高周波電圧から成なっている。いずれの例でも印加電圧はパルス化するが、完全に休止することなく、アーク放電開始電圧以下の電圧を印加するようににされる。
【0015】
以下このように構成した図示装置を用いて実施した実施例について説明する。
【0016】
【実施例1】
電圧印加電極2と各接地電極3との間に、ガス導入管8を介して、放電ガス源からAr:500sccm、処理ガス源からSF6:300sccm、CF4:700sccmから成る処理ガスを導入し、図1に示す周波数が50kHzで、デューティ比が50%であり、電界強度が高電圧時は1.5kV/cmであり、低電圧時は0.3kV/cmである電界を電極2、3間に印加し、安定なグロー放電を得た。ホットプレート6により80℃に加熱したシリコン基板を該グロー放電に30分間暴露した。その結果、得られたエッチング深さを表1に示す。
【0017】
【実施例2】
印加電圧波形として図2の波形を用いた以外は、実施例1と同様に処理した。すなわち、電圧印加電極2と各接地電極3との間に、ガス導入管8を介して、放電ガス源からAr:500sccm、処理ガス源からSF6:300sccm、CF4:700sccmから成る処理ガスを導入し、図2に示す周波数が50kHzで、デューティ比が50%であり、電界強度が高電圧時は1.5kV/cmであり、低電圧時は0.3kV/cmである電界を電極2、3間に印加し、安定なグロー放電を得た。ホットプレート6により80℃に加熱したシリコン基板を該グロー放電に30分間暴露した。その結果、得られたエッチング深さを表1に示す。
【0018】
【実施例3】
印加電圧波形として図3の波形を用いた以外は、実施例1と同様に処理した。高周波電界の周波数は13.56MHzである。
【0019】
【比較例1】
低電圧時の電界強度が0V/cmである以外は実施例1と同様に処理を行った。
【0020】
【比較例2】
低電圧時の電界強度が0V/cmである以外は実施例2と同様に処理を行った。
【0021】
【比較例3】
低電圧時の電界強度が0V/cmである以外は実施例3と同様に処理を行った。
【0022】
【表1】
【0023】
表1から認められるように、本発明による方法では、電極間に高電圧を印加し、アーキングに至る前に電圧印加を遮断してプラズマを生成させる従来の方法と比較してほぼ同等のエネルギー消費で、1.4倍以上のエッチング効率が得られている。
【0024】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の大気圧プラズマ処理方法においては、電界強度がアーキングに至る閾値電圧(Vth)に対して式
|V1|<|Vth|<|V2|
の関係にある低電圧値V1及び高電圧値V2の方形波電圧を予定の周波数で切り替えて印加しているので、アーク放電に至ることなくプラズマ密度が向上するため、表面改質、エッチング、アッシング、クリーニング、酸化・窒化及びCVD成膜時の処理効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための大気圧プラズマ処理装置の一例を示す概略部分断面図。
【図2】電極間に印加される方形波電圧の一例の波形を示す波形線図。
【図3】電極間に印加される方形波電圧の別の例の波形を示す波形線図。
【図4】電極間に印加される方形波電圧の更に別の例の波形を示す波形線図。
【符号の説明】
1 :処理チャンバ
2 :電圧印加電極
3 :接地電極
4 :誘電体
5 :電源
6 :ホットプレート
7 :処理すべき基板
8 :ガス導入管
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種表面処理、アッシング、エッチング、成膜等に用いられ得る大気圧プラズマ処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
低圧条件下ではさまざまな処理ガスを用いたグロー放電プラズマにより各種表面処理が行われているが、高価な真空装置が必要でかつすぐに試料を真空容器から取り出すことができず、装置にコストがかかるだけでなく、処理に時間がかかり、結果として製品のコストが高くなるなど、工業的には不利であった。
【0003】
そこで大気圧下でグロー放電プラズマを発生させる方法が提案され、これにより装置のコストの低減や処理作業の簡易化が計られるようになった。大気圧プラズマ処理装置は、一般的には、大気圧チャンバ内に大気圧プラズマヘッドを処理すべき基板に対向して配置し、大気圧チャンバ内に作業ガスと共に大量のヘリウムガスを供給して安定した大気圧プラズマを発生させ、基板をプラズマ処理するように構成されている。 この種の大気圧プラズマ処理技術については例えば、特開平4−74525号公報、特開平11−236676号公報に開示されている。
【0004】
高温状態ではアーク放電が発生し易く、電子が発生し易くなる。すなわち熱拡散密度が高くなると、アーク放電が発生し、安定なグロー放電とならない。そのため、安定な大気圧プラズマを発生させるためにはキャリアガスとして大流量のヘリウムが有効であるが、ヘリウムガスは高価であり、また処理速度も遅く、そのため基板のプラズマ処理にコストが掛り、最終製品のコストが高くなる一つの要因となっている。特開平10−154598号公報には任意のガス雰囲気中の大気圧近傍の圧力下で短時間の内に電極間に高電圧を印加し、アーキングに至る前に電圧印加を遮断してプラズマを生成させるグロー放電プラズマ発生方法が開示されている。しかしこの方法でもやはり十分な処理速度は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上従来技術に伴う上述のような問題点を解決して、処理速度を向上させることができ、しかもヘリウムガス等のキャリアガスの必要量も大幅に削減できる大気圧プラズマ処理方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明によれば、処理チャンバ内に、電圧の印加される第1の電極と接地される第2の電極とを交互に二つ以上配置し、第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方の電極を誘電体で被覆又は封止し、これら電極間に方形波電圧を印加して放電を発生させて大気圧プラズマを生成し、処理チャンバ内に挿置した被処理基板を処理するようにした大気圧プラズマ処理方法において、電界強度がアーキングに至る閾値電圧(Vth)に対して式
|V1|<|Vth|<|V2|
の関係にある低電圧値V1及び高電圧値V2の方形波電圧を予定の周波数で切り替えて印加することを特徴としている。
【0007】
本発明の大気圧プラズマ処理方法においては、周波数は1kHz以上で、デューティ比は10%〜80%であり、電界強度は高電圧時には1kV/cm以上であり、低電圧時には1kV/cm以下であるように構成され得る。
【0008】
本発明の一実施の形態では、電極間に印加される高電圧値V2及び低電圧値V1をもつ方形波電圧はプラス側及びマイナス側に交互に繰返される波形をもつ。
【0009】
本発明の別の実施の形態では、電極間に印加される高電圧値V2及び低電圧値V1をもつ方形波電圧はプラス側において交互に繰返される波形をもつ。
【0010】
本発明のさらに別の実施の形態では、電極間に印加される高電圧値V2及び低電圧値V1をもつ方形波電圧は、100kHz〜100MHzの高周波電圧から成り、周波数が1kHz以上で、デューティ比が10%〜80%であり、電界強度が高電圧時には1kV/cm以上であり、低電圧時には1kV/cm以下である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施の形態による大気圧プラズマ処理装置を示している。図示装置において、1は処理チャンバであり、この処理チャンバ1内には、一つの電圧印加電極2を挟んで接地電極3が間隔を置いて配列されている。少なくとも一方の電極すなわちは図示例では接地電極3は誘電体4で被覆又は封止されている。電圧印加電極2は高周波交番電源5に接続され、一方、各接地電極3は図示したように接地されている。また、電圧印加電極2と各接地電極3との組立体の下方には、ホットプレート6が配置され、このホットプレート6には処理すべき基板7が装着される。
【0012】
各電極2、3は図面の紙面に垂直な方向にのびており、各電極の紙面に垂直な方向の長さは、処理すべき基板7の図面の紙面に垂直な方向の長さに対応して設定される。また各電極2、3の数は任意に決めることができ、いずれの場合も電圧印加電極2と接地電極3とを交互に適当な間隔を置いて配置する必要がある。
【0013】
また、図1において8はガス導入管であり、このガス導入管8の先端は隣接した電極2、3間に連通している。ガス導入管8の他端は処理チャンバ1の外側に設けた放電ガス源及び処理ガス源(いずれも図示されていない)に接続されている。放電ガス源及び処理ガス源からの放電ガス及び処理ガスは混合されてガス導入管8を通って処理チャンバ1内の電圧印加電極2と各接地電極3との間に導入される。電極2には電源5から方形波電圧が印加される。これにより処理チャンバ1内に大気圧プラズマが生成され、電圧印加電極2と各接地電極3との間から処理すべき基板7に向って吹き出される。
【0014】
図2〜図4には、電極2に印加される方形波電圧を示している。図2に示す方形波電圧は高電圧値V2及び低電圧値V1をもち、プラス側及びマイナス側に交互に連続して繰返される波形をもっている。図3に示す方形波電圧も同様に高電圧値V2及び低電圧値V1をもつが、この例ではプラス側において交互に連続して繰返される波形をもつている。また図4に示す例では高電圧値V2及び低電圧値V1をもつ方形波電圧は、100kHz〜100MHzの高周波電圧から成なっている。いずれの例でも印加電圧はパルス化するが、完全に休止することなく、アーク放電開始電圧以下の電圧を印加するようににされる。
【0015】
以下このように構成した図示装置を用いて実施した実施例について説明する。
【0016】
【実施例1】
電圧印加電極2と各接地電極3との間に、ガス導入管8を介して、放電ガス源からAr:500sccm、処理ガス源からSF6:300sccm、CF4:700sccmから成る処理ガスを導入し、図1に示す周波数が50kHzで、デューティ比が50%であり、電界強度が高電圧時は1.5kV/cmであり、低電圧時は0.3kV/cmである電界を電極2、3間に印加し、安定なグロー放電を得た。ホットプレート6により80℃に加熱したシリコン基板を該グロー放電に30分間暴露した。その結果、得られたエッチング深さを表1に示す。
【0017】
【実施例2】
印加電圧波形として図2の波形を用いた以外は、実施例1と同様に処理した。すなわち、電圧印加電極2と各接地電極3との間に、ガス導入管8を介して、放電ガス源からAr:500sccm、処理ガス源からSF6:300sccm、CF4:700sccmから成る処理ガスを導入し、図2に示す周波数が50kHzで、デューティ比が50%であり、電界強度が高電圧時は1.5kV/cmであり、低電圧時は0.3kV/cmである電界を電極2、3間に印加し、安定なグロー放電を得た。ホットプレート6により80℃に加熱したシリコン基板を該グロー放電に30分間暴露した。その結果、得られたエッチング深さを表1に示す。
【0018】
【実施例3】
印加電圧波形として図3の波形を用いた以外は、実施例1と同様に処理した。高周波電界の周波数は13.56MHzである。
【0019】
【比較例1】
低電圧時の電界強度が0V/cmである以外は実施例1と同様に処理を行った。
【0020】
【比較例2】
低電圧時の電界強度が0V/cmである以外は実施例2と同様に処理を行った。
【0021】
【比較例3】
低電圧時の電界強度が0V/cmである以外は実施例3と同様に処理を行った。
【0022】
【表1】
【0023】
表1から認められるように、本発明による方法では、電極間に高電圧を印加し、アーキングに至る前に電圧印加を遮断してプラズマを生成させる従来の方法と比較してほぼ同等のエネルギー消費で、1.4倍以上のエッチング効率が得られている。
【0024】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の大気圧プラズマ処理方法においては、電界強度がアーキングに至る閾値電圧(Vth)に対して式
|V1|<|Vth|<|V2|
の関係にある低電圧値V1及び高電圧値V2の方形波電圧を予定の周波数で切り替えて印加しているので、アーク放電に至ることなくプラズマ密度が向上するため、表面改質、エッチング、アッシング、クリーニング、酸化・窒化及びCVD成膜時の処理効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための大気圧プラズマ処理装置の一例を示す概略部分断面図。
【図2】電極間に印加される方形波電圧の一例の波形を示す波形線図。
【図3】電極間に印加される方形波電圧の別の例の波形を示す波形線図。
【図4】電極間に印加される方形波電圧の更に別の例の波形を示す波形線図。
【符号の説明】
1 :処理チャンバ
2 :電圧印加電極
3 :接地電極
4 :誘電体
5 :電源
6 :ホットプレート
7 :処理すべき基板
8 :ガス導入管
Claims (5)
- 処理チャンバ内に、電圧の印加される第1の電極と接地される第2の電極とを交互に二つ以上配置し、第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方の電極を誘電体で被覆又は封止し、これら電極間に方形波電圧を印加して放電を発生させて大気圧プラズマを生成し、処理チャンバ内に挿置した被処理基板を処理するようにした大気圧プラズマ処理方法において、電界強度がアーキングに至る閾値電圧(Vth)に対して式
|V1|<|Vth|<|V2|
の関係にある低電圧値V1及び高電圧値V2の方形波電圧を予定の周波数で切り替えて印加することを特徴とする大気圧プラズマ処理方法。 - 周波数が1kHz以上で、デューティ比が10%〜80%であり、電界強度が高電圧時は1kV/cm以上であり、低電圧時は1kV/cm以下であることを特徴とする請求項1記載の大気圧プラズマ処理方法。
- 電極間に印加される高電圧値V2及び低電圧値V1をもつ方形波電圧がプラス側及びマイナス側に交互に繰返される波形をもつことを特徴とする請求項2記載の大気圧プラズマ処理方法。
- 電極間に印加される高電圧値V2及び低電圧値V1をもつ方形波電圧がプラス側において交互に繰返される波形をもつことを特徴とする請求項2記載の大気圧プラズマ処理方法。
- 電極間に印加される高電圧値V2及び低電圧値V1をもつ方形波電圧が、100kHz〜100MHzの高周波電圧から成り、周波数が1kHz以上で、デューティ比が10%〜80%であり、電界強度が高電圧時は1kV/cm以上であり、低電圧時は1kV/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の大気圧プラズマ処理方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002177166A JP2004022883A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 大気圧プラズマ処理方法 |
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JP2002177166A JP2004022883A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 大気圧プラズマ処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004022883A true JP2004022883A (ja) | 2004-01-22 |
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ID=31175263
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002177166A Pending JP2004022883A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 大気圧プラズマ処理方法 |
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JP (1) | JP2004022883A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100860039B1 (ko) * | 2007-07-12 | 2008-09-25 | 성균관대학교산학협력단 | 대기압 플라즈마 발생장치 |
JP2009272318A (ja) * | 2008-04-30 | 2009-11-19 | Nisshin:Kk | 放電装置 |
KR20210123646A (ko) * | 2020-04-03 | 2021-10-14 | 인제대학교 산학협력단 | 대기압 중주파 플라즈마 처리장치 |
-
2002
- 2002-06-18 JP JP2002177166A patent/JP2004022883A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100860039B1 (ko) * | 2007-07-12 | 2008-09-25 | 성균관대학교산학협력단 | 대기압 플라즈마 발생장치 |
JP2009272318A (ja) * | 2008-04-30 | 2009-11-19 | Nisshin:Kk | 放電装置 |
KR20210123646A (ko) * | 2020-04-03 | 2021-10-14 | 인제대학교 산학협력단 | 대기압 중주파 플라즈마 처리장치 |
KR102328322B1 (ko) * | 2020-04-03 | 2021-11-19 | 인제대학교 산학협력단 | 대기압 중주파 플라즈마 처리장치 |
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