JP2004022873A - 多層プリント配線板及びその製造法 - Google Patents

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Masao Sugano
菅野 雅雄
Kiyoshi Hasegawa
長谷川 清
Katsuya Kitaguchi
北口 勝也
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Abstract

【課題】導電性物質と回路との層間の優れた導電性により、高密度で信頼性に優れる多層プリント配線板を提供する。
【解決手段】以下の工程を含む多層プリント配線板の製造法:(a)絶縁基板の両面または片面に回路を形成して回路板を得る工程、(b)片面に金属薄膜を有する絶縁性接着剤の層の所望の場所に、金属薄膜に到達する非貫通穴または貫通穴をあける工程、(c)上記非貫通穴または貫通穴に導電性物質を充填して多層配線板用材料を得る工程、(d)回路板の両面または片面に、金属薄膜を外側に向けて多層配線板用材料を積層し、前記回路板の素材のTgより低い温度で、加圧、加熱して一体化して積層体を得る工程、(e)積層体の外側の金属薄膜に回路を形成する工程。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層プリント配線板及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化、高性能化、多機能化に伴い、多層プリント配線板には、よりいっそうの高密度化が求められるようになってきている。これらの要求を満たすために、層間の薄型化、配線の微細化、層間接続穴の小径化が行なわれ、また、隣接する層間の導体のみを接続するビアホール等が用いられるようになり、このビアホールも小径化されつつある。
配線の多層化には、通常、複数の回路層とその間の層間絶縁層をまとめて重ね、加圧、加熱して積層一体化し、必要な箇所に穴をあけ接続するタイプの多層配線板と、回路を形成した上に層間絶縁層を形成し、その上に回路を形成し、必要な箇所に穴を設け、というように回路層と絶縁層とを順次形成するビルドアップタイプの多層配線板とがある。
【0003】
ビルドアップ多層配線板の製造法の一例における各工程の断面模式図を図1に示す。図1に挙げた製造法の場合は、例えば、
図1(a)のように導体パターンによる回路1aを有する回路板1を得て、
図1(b)のように層間絶縁用の絶縁性接着剤3に金属薄膜2に達する非貫通穴5を形成し、
図1(c)のように前記非貫通穴に導電性物質6を充填して多層配線板用材料7とし、
図1(d)のように前記回路板1と多層配線板用材料7を積層し、加圧、加熱して一体化し、
図1(e)のように外側に外層回路10aを形成する。
この後必要に応じ、上記と同様の工程を繰り返すことにより、必要とする多層回路が形成できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法においては、以下のような課題があった。
回路板1の回路1aの導体パターンが導電性物質6と加圧加熱によって電気的に接続する際に、回路板のTg(ガラス転移点)、例えば回路板の基材である絶縁基板1bのTgが加圧加熱時の温度以下の場合、加圧加熱時に回路板の弾性率が低下して、導電性物質が導体パターンに対して十分に押し付けられず、このため良好な層間の導電性が得られない課題があった。
【0005】
本発明は、導電性物質と回路とが良好に密着していて充分な層間の導通が得られ、高密度で信頼性に優れる多層プリント配線板及びその製造法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層プリント配線板は、両面または片面に回路が形成されている回路板が、貫通穴に導電性物質が充填されている絶縁性接着剤層と加熱および加圧により積層一体化されてなり、電気的に層間接続している多層プリント配線板であって、
前記回路板の素材のTgが前記加熱の温度より高いことを特徴とする。
特に、回路板と積層される外側の面に金属薄膜を有する絶縁性接着剤層を用いてなる多層プリント配線板が好ましい。
【0007】
また、本発明の多層プリント配線板の製造法は、以下の工程を含むことを特徴とする。
(a)絶縁基板の両面または片面に回路を形成して回路板を得る工程、
(b)片面に金属薄膜を有する絶縁性接着剤の層の所望の場所に、金属薄膜に到達する非貫通穴または貫通穴をあける工程、
(c)上記非貫通穴または貫通穴に導電性物質を充填して多層配線板用材料を得る工程、
(d)回路板の両面または片面に、金属薄膜を外側に向けて多層配線板用材料を積層し、前記回路板の素材のTgより低い温度で、加圧、加熱して一体化して積層体を得る工程、
(e)積層体の外側の金属薄膜に回路を形成する工程。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1の(a)〜(e)はビルドアップ多層配線板の製造法の一実施形態における各工程の断面模式図である。
また、図2〜図5は、それぞれ、両面に回路を有し、ビアホールが金属薄膜を貫通しないビルドアップ多層配線板(図2)、両面に回路を有し、ビアホールが金属薄膜を貫通するビルドアップ多層配線板(図3)、片面に回路を有し、ビアホールが金属薄膜を貫通するビルドアップ多層配線板(図4)、片面に回路を有し、ビアホールが金属薄膜を貫通しないビルドアップ多層配線板(図5)の製造法の一実施形態における各工程の断面模式図である。
以下に、図1〜図5、主に図1に示す各製造工程に沿って本発明の多層プリント配線板の製造法を説明する。
工程1:回路板形成) 多層プリント配線板のうち、まず、内層の回路板として、導体パターンによる回路1aが絶縁基板1bの両面または片面に形成されている回路板1を作製する(図1(a)参照)。回路形成には、一般的に用いられているサブトラクト法、セミアディティブ法、フルアディティブ法等を用いることができる。例えば、両面銅張り積層板にレジストフィルムをラミネートし、フォトマスクを重ね、紫外線を照射し、現像してエッチングレジストを形成した後、不要な箇所の銅箔をエッチング除去して回路板が得られる。図1(a)には回路1aが絶縁基板1bの両面に形成されているが、図4(a)、図5(a)のように片面のみに形成されてもよい。
【0009】
本発明における回路板は、そのTgが後述する加圧加熱工程の加熱温度以上の材料からなる必要がある。
例えば、絶縁基板1bには、加圧加熱時の温度が160℃程度の場合は、Tgが175℃の高Tgエポキシ基材などを、加圧加熱時の温度が185℃程度の場合はTgが200℃のエポキシ変性ポリイミド基材などを用いることができる。また、この条件を満たしていれば、絶縁基板1bには、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたFR−4基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂を含浸させたBT基板、さらにはポリイミドフィルムを基材として用いたポリイミドフィルム基板等も用いることができる。
【0010】
工程2:多層配線板用材料の前準備) 本発明に用いる層間絶縁層用の絶縁性接着剤3としては、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂類を成分として含むものが好ましい。また、フィルムまたはシート形状のものが作業性の点で好ましい。
例えば、市販品の絶縁性接着剤3のフィルムとしては、分子量10万以上の高分子量エポキシ重合体を主成分としたエポキシ系接着フィルムを有するMCF−3000E(日立化成工業株式会社製商品名)、変性ゴムを添加したエポキシ系としてはGF−3500(日立化成工業株式会社製商品名)、ポリイミド系としてはAS−2500(日立化成工業株式会社製商品名)、直径が0.1μm〜6μmで長さが約5μm〜1mmの繊維状物質をエポキシ樹脂中に分散させたエポキシ系接着剤フィルムであるMCF−6000E(日立化成工業株式会社製商品名)等が挙げられる。
上記絶縁性接着剤3の層の一方の面に、外層回路を形成するための導体層として金属薄膜2を形成したものを用意する。
例えば、金属箔の片面に液状の接着剤を塗布した後、Bステージ状になるまで乾燥して得ることができる。逆に、上記のような接着フィルムに金属薄膜を形成して得ることもできる。
片面に金属薄膜の層を有する絶縁性接着剤3として、市販品の、片面に金属薄膜が形成されている接着フィルムを使用しても良い。例えば、上述した、エポキシフィルムの片面に銅箔層を有する日立化成工業株式会社製商品名MCF−3000Eや同MCF−6000E等が挙げられる。
さらに、図2(b)に示すポリエチレンテレフタレートフィルム4のように、絶縁性接着剤3のもう一方の面すなわち接着に使用される露出面(以下、接着面という。)を積層工程まで保護するために、引き剥がし可能な離型性フィルムを積層しても良い。
【0011】
工程3:ビアホール形成) 次に、絶縁性接着剤3の上記接着面から、層間の電気的接続を行う場所にビアホールを穴あけする。図1(b)では、絶縁性接着剤3の層を貫通し、金属薄膜2に達しているが金属薄膜には穴あけされていない非貫通穴5を示しているが、絶縁性接着剤3と金属薄膜2とが穴あけされた貫通穴5aであってもよい(図3(b)、図4(b)参照)。
穴あけする方法としては、レーザやドリルが使用できる。レーザとしては、エキシマレーザ、YAGレーザや炭酸ガスレーザ等があるが、穴品質、加工速度や加工費等の点から炭酸ガスレーザが好適である。
図1(b)のように絶縁性接着剤3のみ穴をあけ、金属薄膜2には穴あけを行わない場合は、レーザが好ましい。また、絶縁性接着剤層と金属薄膜とを同時に穴あけする場合は、ドリルが好ましい。穴あけ条件は、絶縁性接着剤の厚さおよび種類、金属薄膜の厚さ等により適宜調整する。
【0012】
工程4:導電性物質の充填) 上記であけた層間接続用のビアホールに、導電性物質6を充填して多層配線板用材料7を得る(図1(c)参照)。
導電性物質6は、金、銅、ニッケル等の金属や、導電粒子と樹脂を主成分とする導電性ペーストが使用できる。特に導電性ペーストを用いるのが、確実に導通をとる上で好ましい。導電粒子には、金、銀などの貴金属や銅、錫、ニッケル、鉛などの卑金属、あるいは表面を銀で被覆した銅等を用いることができる。また樹枝状、球状、不定形状などいずれの形状でもよく、また粒径は50μm以下が好ましく、更に好ましくは1〜10μmが良い。樹脂には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いることができる。また樹脂が熱硬化性の場合、アミン系などの硬化剤が必要なものがあるが、これに限定したものではない。またこれ以外には導電性物質の添加剤としては、粘度を調整する希釈剤、接着強度を向上させる補強剤、導電粒子の分散をたすける分散剤や導電粒子の酸化を防止する酸化防止剤などが必要に応じ添加されていてもかまわない。またこれらの導電性物質は一般に市販されているものも、使用することができる。
【0013】
導電性物質をビアホールへ充填する方法としては、スクリーン印刷やディスペンサー等を用いることができる。スクリーン印刷を行う場合には、テトロンメッシュマスクやメタルマスク等を用いることができる。また上記のように絶縁性接着剤層の接着面に離型性フィルムを積層してから穴をあけた場合には、離型性フィルムを引き続き印刷マスクとすることができる。
【0014】
工程5:積層体の形成) 回路板1の両面または片面に、工程4で得た多層配線板用材料7を、接着面の導電性物質6と回路1aが接するように、すなわち金属薄膜2を外側に向けて重ね、加熱加圧して絶縁性接着剤3の硬化により積層一体化して積層体8を得る(図1(d)参照)。積層体8の形成により、回路1aと金属薄膜2とが導電性物質6を介して電気的に層間接続される。
図1(d)では回路1aが両面に形成されている回路板1の両面に多層配線板用材料7を重ねているが、必要に応じて回路板1の片面にのみでも良い。
【0015】
加圧・加熱には、通常の多層プリント配線板の製造法に用いる積層技術をそのまま使用することができ、一般的には、加熱温度160〜250℃、圧力1〜5MPa、時間30〜120分程度の条件であるが、本発明においては、加熱温度は、回路板のTgより低い温度である必要があるため、回路板のTg、絶縁性接着剤の硬化条件、積層作業性等から加圧・加熱条件を適宜選択する。
さらに、加圧加熱に先だって、回路板を加熱しておくことも回路板のTgを高める点で効果的である。
【0016】
工程6:多層プリント配線板の形成) 積層体8の両面の金属薄膜2に外層回路10aの所定のパターンを形成する。これにより、回路1aと外層回路10aとが導電性物質6を介して電気的に層間接続している多層プリント配線板10が得られる(図1(e)参照)。回路形成は、上記回路板1に述べた形成方法と同様であり、また、例えば、図3(e)、(f)、図4(e)、(f)に示すように金属薄膜2の外側にさらに銅めっき層9を形成してから外層回路10aのパターンを形成してもよい。
【0017】
工程7:積層体の多層化) 必要に応じて、さらに、工程5〜工程6を繰り返して、多層化することもできる。
【0018】
本発明の多層プリント配線板は、以上のような本発明の多層プリント配線板の製造法により製造することができる。本発明の多層プリント配線板は、
両面または片面に回路が形成されている回路板が、貫通穴に導電性物質が充填されている絶縁性接着剤層と加熱および加圧により積層一体化されてなり、電気的に層間接続している多層プリント配線板であって、
前記回路板の素材のTgが前記加熱の温度より高い多層プリント配線板である。
本発明の多層プリント配線板は、加圧加熱時に回路板がガラス転移点に達していないために配線板が変形しない程度に充分高い弾性率を維持したままで加圧され、回路板の回路と導電性物質とは充分に密着されている。これにより良好な層間の導電性が得られる。さらに、回路板と積層される外側の面に金属薄膜を有する絶縁性接着剤層を用いれば、絶縁性接着剤層の厚みを薄くすることによって薄い多層プリント配線板を得ることができるという利点がある。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
図2の(a)〜(e)は、本発明の多層プリント配線板の製造法の一実施形態を示す断面模式図である。以下、図2に沿って説明する。
工程(a) 基材厚さ0.8mm、銅箔厚さ18μmのガラス布−エポキシ変性ポリイミド樹脂含浸両面銅張り積層板であるMCL−I−671(日立化成工業株式会社製、商品名)を用意し、銅箔をエッチングして回路1aを形成して回路板1を得た。回路板1のTgはTMA法による測定の結果、200℃であった。
【0020】
工程(b) 一方、金属薄膜2として厚さ18μmの銅箔の片面に、絶縁性接着剤3の層として、厚さ60μmのエポキシ系接着剤層を設けたMCF−6000E(日立化成工業株式会社製、商品名)を用意した。この絶縁性接着剤層表面に引き剥がし可能な離型性フィルムとして、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという。)4をロールラミネーターで貼りあわせた。これに、炭酸ガスインパクトレーザ孔あけ機L−500(住友重機械工業株式会社製、商品名)により、周波数=150Hz、電圧=20kV、パルスエネルギー=85mJ、ショット数=7ショットの条件で、レーザ光を照射し、層間接続をとる部分の接着剤を取り除き、接着剤を貫通して銅箔まで到達する直径0.15mmの非貫通穴5をあけた。
【0021】
工程(c) 上記非貫通穴5に、導電性物質6として導電性ペーストNF2000(タツタ電線株式会社製、商品名)をPETフィルム面上からスクリーン印刷法によって充填した。その後、110℃で15分加熱し、さらにPETフィルム4を引き剥がして多層配線板用材料7を得た。
【0022】
工程(d) 多層配線板用材料7を2枚用意し、工程(a)で作製した回路板1の両側に、導電性物質6が回路と接するように金属薄膜を外側に向けて重ね、圧力4.5MPa、温度185℃、90分の条件で積層一体化し、積層体8を得た。
【0023】
工程(e) 積層体8の両面に、エッチングレジストフィルムHK−425(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、フォトリソグラフィーにより、所定のパターンの外層回路10aを形成して、多層プリント配線板10(以下、実施例1の配線板試料という。)を得た。
【0024】
なお、TMA法によるTgの測定における試料の作製及び測定条件については、以下の要領で行った。
回路板の金属箔をエッチングにより予め除去し、6.35mm角に切断して試料を得た。切断後の厚さは最小0.51mmとし、0.51mm未満の場合は0.51mm以上になるよう積層成形した。回路板の切断はダイヤモンドカッターを用い、切断後バリを除去した。
試料を乾燥器中で温度105±2℃、2±0.25hrベーキングを行い、デシケータ中で室温まで冷却後、マイクロメータで試料厚みを測定し、初期厚みとした。
Du Pont製2000型熱分析システムの943型Thermomechanical Analyzerを用いて、圧縮モードによりTgを測定した。負荷荷重は5g、昇温速度は10℃/minである。
【0025】
(実施例2)
図3の(a)〜(f)は、本発明の多層プリント配線板の製造法の一実施形態を示す断面模式図である。以下、図3に沿って説明する。
工程(a) 実施例1の工程(a)で作製した回路板1を用意した。
工程(b) 一方、金属薄膜2として厚さ12μmの銅箔の片面に、絶縁性接着剤3の層として、厚さ60μmのエポキシ系接着剤層を設けたMCF−6000E(日立化成工業株式会社製、商品名)を用意した。この絶縁性接着剤層表面に引き剥がし可能な離型性フィルムとして、厚さ25μmのPETフィルム4をロールラミネーターで貼りあわせた。これに、NCドリル穴あけ機を用いて、層間接続をとる部分の接着剤及び銅箔に直径0.15mmの貫通穴5aをあけた。工程(c) 上記貫通穴5aに、導電性物質6として導電性ペーストNF2000(タツタ電線株式会社商品名)をPETフィルム面上からスクリーン印刷法によって充填した。その後、110℃で15分加熱し、さらにPETフィルム4を引き剥がして多層配線板用材料7を得た。
工程(d) 多層配線板用材料7を2枚用意し、工程(a)で作製した回路板1の両側に、金属薄膜を外側に向けて重ね、実施例1と同一条件で積層一体化し、積層体8を得た。
工程(e) 積層体8の両面に硫酸銅めっき液を用いて厚さ6μmの銅めっき層9を設けた。
工程(f) さらに積層体の両面に、エッチングレジストフィルムHK−425(日立化成工業株式会社商品名)をラミネートし、フォトリソグラフィーにより、所定のパターンの外層回路10aを形成して、多層プリント配線板10(以下、実施例2の配線板試料という。)を得た。
【0026】
(実施例3)
図4の(a)〜(f)は、本発明の多層プリント配線板の製造法の一実施形態を示す断面模式図である。以下、図4に沿って本発明を説明する。
工程(a) 基材厚さ0.8mm、銅箔厚さ18μmのガラス布−エポキシ変性ポリイミド樹脂含浸両面銅張り積層板であるMCL−I−671(日立化成工業株式会社製商品名)を用意し、銅箔をエッチングして片面のみに回路1aを形成して回路板1を得た。回路板1のTgはTMA法による測定の結果、200℃であった。
工程(b) 一方、金属薄膜2として厚さ12μmの銅箔の片面に、絶縁性接着剤3の層として、厚さ60μmのエポキシ系接着剤層を設けたMCF−6000E(日立化成工業株式会社製、商品名)を用意した。この絶縁性接着剤層表面に引き剥がし可能な離型性フィルムとして、厚さ25μmのPETフィルム4をロールラミネーターで貼りあわせた。これに、NCドリル穴あけ機を用いて、層間接続をとる部分の接着剤及び銅箔に直径0.15mmの貫通穴5aをあけた。工程(c) 上記貫通穴5aに、導電性物質6として導電性ペーストNF2000(タツタ電線株式会社製、商品名)をPETフィルム面上からスクリーン印刷法によって充填した。その後、110℃で15分加熱し、さらにPETフィルムを引き剥がして多層配線板用材料7を得た。
工程(d) 多層配線板用材料7を回路板1の回路を形成した面に、金属薄膜を外側に向けて重ね、実施例1と同一条件で積層一体化し、積層体8を得た。
工程(e) 積層体8の片面(金属薄膜2側)に硫酸銅めっき液を用いて厚さ6μmの銅めっき層9を設けた。
工程(f) さらに銅めっき層9に、エッチングレジストフィルムHK−425(日立化成工業株式会社商品名)をラミネートし、フォトリソグラフィーにより、所定のパターンの外層回路10aを形成して、多層プリント配線板10(以下、実施例3の配線板試料という。)を得た。
【0027】
(実施例4)
図5の(a)〜(e)は、本発明の多層プリント配線板の製造法の一実施形態を示す断面模式図である。以下、図に沿って本発明を説明する。
工程(a) 実施例3の工程(a)で作製した回路板1を用意した。
工程(b) 一方、金属薄膜2として厚さ18μmの銅箔の片面に、絶縁性接着剤3の層として、厚さ60μmのエポキシ系接着剤層を設けたMCF−6000E(日立化成工業株式会社製、商品名)を用意した。この絶縁性接着剤層表面に引き剥がし可能な離型性フィルムとして、厚さ25μmのPETフィルム4をロールラミネーターで貼りあわせた。これに、炭酸ガスインパクトレーザ孔あけ機L−500(住友重機械工業株式会社製、商品名)により、周波数=150Hz、電圧=20kV、パルスエネルギー=85mJ、ショット数=7ショットの条件で、レーザ光を照射し、層間接続をとる部分の接着剤を取り除き、接着剤を貫通して銅箔まで到達する直径0.15mmの非貫通穴5をあけた。
工程(c) 上記非貫通穴5に、導電性物質6として導電性ペーストNF2000(タツタ電線株式会社製、商品名)をPETフィルム面上からスクリーン印刷法によって充填した。その後、110℃で15分加熱し、さらにPETフィルム4を引き剥がして多層配線板用材料7を得た。
工程(d) 多層配線板用材料7を回路板1の回路1aを形成した面に、導電性物質が回路と接するように金属薄膜を外側に向けて重ね、実施例1と同一条件で積層一体化し、積層体8を得た。
工程(e) 積層体の片面(金属薄膜2側)に、エッチングレジストフィルムHK−425(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、フォトリソグラフィーにより、所定のパターンの外層回路10aを形成して、多層プリント配線板10(以下、実施例4の配線板試料という。)を得た。
【0028】
(比較例)
基材厚さ0.8mm、銅箔厚さ18μmのガラス布―エポキシ樹脂含浸両面銅張り積層板であるMCL−E−67(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用した以外は、実施例1と同様に行って回路板を得た。回路板のTgはTMA法による測定法の結果、120℃であった。上記で得られた回路板を用いて実施例1と同様の工程を経て多層プリント配線板(以下、比較例の配線板試料という。)を得た。
【0029】
上記実施例及び比較例の配線板試料を次の項目および条件で評価した。なお、外観はいずれも良好であった。
(1)初期導通抵抗
配線板試料の導通抵抗は、図6に一部省略した断面図で示すように400ケのビア5bが直列に接続した構造のサンプルを作製して、その両末端の抵抗測定を二端子法によって行った(以下、シリーズ抵抗と呼ぶ)。したがって、シリーズ抵抗は400ケのビア抵抗と表面回路すなわち外層回路10aの配線抵抗とを含む値となる。また、1ビアあたりの抵抗は、シリーズ抵抗と表面回路の配線抵抗とから、下記の式1によって算出して求めた。
1ビアあたりの抵抗=
(シリーズ抵抗−表面回路の配線抵抗)/400・・・・(式1)
実施例1の配線板試料の導通抵抗は、400ケのビアのシリーズ抵抗が2.3Ωで、表面回路の配線抵抗2Ω(回路1本5mΩ×398本)を引いて得られるビア抵抗は1ビアあたり0.75mΩであった。
同様にして、実施例2、実施例3、実施例4、比較例について得たシリーズ抵抗及びビア抵抗の測定結果を実施例1の結果と併せて表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 2004022873
【0031】
(2)耐はんだ性
260℃のはんだ槽に3分フロートする試験の後のビア抵抗、及びフロート試験前の初期導通抵抗を上記(1)と同様に測定し、ビア抵抗の変化率を、下記の式2によって計算して求めた。
抵抗変化率=
{(試験後の抵抗)−(試験前の抵抗)}×100/(試験前の抵抗)[%]・・(式2)
実施例の配線板試料のビア抵抗の変化率は何れも5%以下であった。
一方、比較例の配線板試料のビア抵抗の変化率は25%であった。
【0032】
(3)耐熱サイクル性
配線板試料を−65℃と125℃との気相中に30分ずつ1000回晒す試験の後のビア抵抗、及び試験前の初期の抵抗を上記(2)と同様に測定し、ビア抵抗の変化率を、上記の式2によって計算して求めた。
実施例の配線板試料のビア抵抗の変化率は何れも5%以下であった。
一方、比較例の配線板試料のビア抵抗の変化率は25%であった。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、導電性物質と回路とが良好に密着し、優れた層間の導電性が得られるため、高密度で信頼性に優れる多層プリント配線板の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
(a)〜(e)はビルドアップ多層配線板の製造法の一実施形態における各工程の断面模式図である。
【図2】
(a)〜(e)は、両面に回路を有し、ビアホールが金属薄膜を貫通しないビルドアップ多層配線板の製造法の一実施形態における各工程の断面模式図である。
【図3】
(a)〜(f)は、両面に回路を有し、ビアホールが金属薄膜を貫通するビルドアップ多層配線板の製造法の一実施形態における各工程の断面模式図である。
【図4】
(a)〜(f)は、片面に回路を有し、ビアホールが金属薄膜を貫通するビルドアップ多層配線板の製造法の一実施形態における各工程の断面模式図である。
【図5】
(a)〜(e)は、片面に回路を有し、ビアホールが金属薄膜を貫通しないビルドアップ多層配線板の製造法の一実施形態における各工程の断面模式図である。
【図6】
400ケのビアが直列に接続する実施例で作製したサンプルの、一部省略した断面模式図である。
【符号の説明】
1 回路板
1a 回路
1b 絶縁基板
2 金属薄膜
3 絶縁性接着剤
4 PETフィルム
5 非貫通穴
5a 貫通穴
5b ビア
6 導電性物質
7 多層配線板用材料
8 積層体
9 銅メッキ層
10 多層プリント配線板
10a 外層回路

Claims (3)

  1. 両面または片面に回路が形成されている回路板が、貫通穴に導電性物質が充填されている絶縁性接着剤層と加熱および加圧により積層一体化されてなり、電気的に層間接続している多層プリント配線板であって、
    前記回路板の素材のTgが前記加熱の温度より高いことを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 回路板と積層される外側の面に金属薄膜を有する絶縁性接着剤層を用いてなる請求項1記載の多層プリント配線板。
  3. 以下の工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造法:
    (a)絶縁基板の両面または片面に回路を形成して回路板を得る工程、
    (b)片面に金属薄膜を有する絶縁性接着剤の層の所望の場所に、金属薄膜に到達する非貫通穴または貫通穴をあける工程、
    (c)上記非貫通穴または貫通穴に導電性物質を充填して多層配線板用材料を得る工程、
    (d)回路板の両面または片面に、金属薄膜を外側に向けて多層配線板用材料を積層し、前記回路板の素材のTgより低い温度で、加圧、加熱して一体化して積層体を得る工程、
    (e)積層体の外側の金属薄膜に回路を形成する工程。
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