JP2004022807A - 半導体処理装置およびその調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエハカセットの変形等に起因して、半導体ウエハ搬送のためのプレートが半導体ウエハ間に正常な状態で挿入されず、半導体ウエハの破損や異物発生という問題を解消する。
【解決手段】センサーシステム200のセンサーアーム17を、上方に向けて一定の速度で移動させることで、センサー15を半導体ウエハ1の配列に沿って上方に一定の速度で移動させて、各半導体ウエハ1の上下方向の位置、すなわち高さの測定を行う。そして、位置ずれを起こしたウエハが存在する場合には、位置ずれの情報を、ウエハ搬送装置100に与え、位置ずれを起こした半導体ウエハ1の搬送にかかわるプレート7を支持するプレートアクチュエータ19に、位置ずれの方向および大きさに合わせてプレートアクチュエータ19の厚さを調整する所定の電圧を印加して、プレート7の上下方向の位置を調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】センサーシステム200のセンサーアーム17を、上方に向けて一定の速度で移動させることで、センサー15を半導体ウエハ1の配列に沿って上方に一定の速度で移動させて、各半導体ウエハ1の上下方向の位置、すなわち高さの測定を行う。そして、位置ずれを起こしたウエハが存在する場合には、位置ずれの情報を、ウエハ搬送装置100に与え、位置ずれを起こした半導体ウエハ1の搬送にかかわるプレート7を支持するプレートアクチュエータ19に、位置ずれの方向および大きさに合わせてプレートアクチュエータ19の厚さを調整する所定の電圧を印加して、プレート7の上下方向の位置を調整する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体処理装置に関し、特に、搭載されたウエハカセットに対する半導体ウエハの出し入れのための半導体ウエハの搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの生産に用いられている半導体処理装置おいては、一般的に未処理ウエハや、処理済みウエハの半導体ウエハを一時的に収納するウエハカセットを備えている。
【0003】
以下の説明においては、上記ウエハカセットに半導体ウエハを複数枚同時に水平に出し入れするウエハ搬送機構を有する半導体処理装置を例として説明する。
【0004】
図6に、半導体処理装置のカセットステージ4上に搭載したウエハカセット2から、複数枚の半導体ウエハ1を一度に水平に取り出す前の状態を、ウエハカセット2およびウエハ搬送装置90の上方から見た場合として示し、図7に、ウエハカセット2から、複数枚の半導体ウエハ1を一度に水平に取り出す途中の状態を、ウエハカセット2の上方から見た場合として示す。
【0005】
ここで、ウエハカセット2は、一般的に半導体デバイスの生産に用いられているものを示し、複数枚の半導体ウエハ1を主面が向かい合うように上下方向に配列して収納する構成となっており、図6および図7に示すように、側壁内面にはウエハ1を載置するウエハガイド3が複数設けられ、ウエハどうしが接触しないようにウエハ間には隙間が保たれるように配設されている。そして、当該隙間には、搬送に際して半導体ウエハ1を載置するプレート7が挿入される構成となっている。
【0006】
また、図7に示されるように、ウエハカセット2は側壁の一面が開口部OPとなって、そこからウエハ1を出し入れする構成であり、図7においては、開口部OPからプレート7が挿入された状態を示している。なお、図7においては、ウエハカセット2の上部壁21の一部を破断して示している。
【0007】
ここで、図7に示す状態でのウエハカセット2の断面構成と、ウエハ搬送装置90の一部とを図8に示す。
【0008】
図8に示すように、ウエハカセット2の底部壁22の外側面には、カセットステージ4上の所定位置にウエハカセット2を正確に載置するための複数のカセット脚5が設けられており、当該カセット脚5は、カセットステージ4上の所定位置に設けられたカセットガイド6に係合して、ウエハカセット2の位置を一義的に定める構成となっている。
【0009】
なお、図8においては、全ての半導体ウエハ1の裏面(半導体素子を形成しない面であって下主面とも呼称する面)が、カセットステージ4側を向くように収納されている。
【0010】
ここで、図7および図8を用いて、ウエハ搬送装置90の構成について説明する。図7および図8に示すように、ウエハ搬送装置90は、複数のプレート7が上下方向に配列して取り付けられているプレートベース9、プレートベース9が上下方向に移動可能に取り付けられている上下移動ベース10、上下移動ベース10が前後方向移動可能であってかつ回動も可能に取り付けられている前後回転移動ベース11、前後回転移動ベース11上に設けられ上下移動ベース10の前後方向の移動に際してのガイドとなる前後移動ガイド12、前後回転移動ベース11の下主面に係合し、前後回転移動ベース11の左右方向の移動を可能とする左右移動ベース13および左右移動ベース13上に設けられ前後回転移動ベース11の左右方向の移動に際してのガイドとなる左右移動ガイド14とを備えて構成されている。
【0011】
なお、以上において、前後方向とはプレート7をウエハカセットに出し入れする方向であり、左右方向とは前後方向に対して平面内で直交する方向であり、上下方向とは、半導体ウエハ1の配列方向と定義する。これは、以下の説明においても同様である。
【0012】
また、図6〜図8では、半導体処理装置における本発明と関係の薄い部分の記載は省略しており、また、半導体ウエハ1を吸着保持するためにプレート7に設けられる真空吸着用の穴や、半導体ウエハ1の側面に係合させるためのプレート7先端のツメ等の記載も省略している。
【0013】
さらにウエハカセット2においては、半導体ウエハ1を出し入れする開口部OPに脱着可能な蓋や、当該蓋を自動で脱着するために半導体処理装置に設けられた機構については記載を省略している。
【0014】
次に、図6〜図8を用いて、ウエハカセット2から半導体ウエハ1を複数枚同時に取り出す動作について説明する。
【0015】
図6に示す状態においては、上下移動ベース10はウエハカセット2から最も離れた位置にあり、プレートベース9に取り付けられたプレート7は、ウエハカセット2から完全に離れた位置にある。
【0016】
ウエハカセット2から半導体ウエハ1を取り出すに際しては、上下移動ベース10が前後回転移動ベース11上の前後移動ガイド12に沿ってウエハカセット2の方向に向けて移動し、これに伴ってプレートベース9に取り付けられたプレート7が、ウエハカセット2の開口部OPから挿入され、ウエハカセット2内に収納されている半導体ウエハ1間に挿入される。なお、図7では、ウエハカセット2の最も奥までプレート7が挿入された状態を示している。
【0017】
この後、各プレート7が、それぞれの上方に位置する半導体ウエハ1の裏面(および側面)に接触し、半導体ウエハ1を保持してさらに上方に移動するように上下移動ベース10が移動し、半導体ウエハ1が持ち上げられてウエハガイド3より離れる。
【0018】
その後、上下移動ベース10がウエハカセット2から離れる方向に水平移動することで半導体ウエハ1がウエハカセット2から取り出される。なお、半導体ウエハ1をウエハカセット2内に収納するに際しては、上記と逆の動作が行われる。
【0019】
ここで、プレート7が、ウエハカセット2内のウエハ間に挿入される動作について、図9〜図13を用いてさらに説明する。なお、図9〜図13においては、プレート7の先端には半導体ウエハ1の側面に係合して保持するツメ8を記載している。
【0020】
図9は、プレート7が半導体ウエハ1間に正常な状態(プレート7が上方および下方の半導体ウエハ1と予め規定された間隔を保った状態)で挿入され、ウエハカセット2最も奥まで到達した状態を示している。この状態では、プレート7は上方に位置する半導体ウエハ1の裏面には接触しておらず、ツメ8も半導体ウエハ1には接触せずに挿入されている。
【0021】
図10は、上下移動ベース10(図7参照)が上方に移動するに伴って、プレート7の先端のツメ8が半導体ウエハ1の側面に接触した状態を示している。
【0022】
この後、上下移動ベース10がさらに上方向に移動することで、半導体ウエハ1がツメ8によって上方に押し上げられ、ウエハガイド3(図7参照)より離れる。この状態ではプレート7の主面は半導体ウエハ1の裏面には接触せず、ツメ8で側面のみが保持されることとなる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
図9および図10においては、プレート7が半導体ウエハ1間に正常な状態で挿入された状態を説明したが、ウエハカセット2の変形、ウエハカセット2の構成部材の収縮、伸長などによりウエハガイド3(図7参照)の位置や、傾きが、カセットステージ4に接するカセット脚5に対して変動することで、半導体ウエハ1のプレート7に対する位置が変動し、プレート7が半導体ウエハ1間に正常な状態で挿入されなくなる可能性がある。
【0024】
以下、プレート7が半導体ウエハ1間に正常な状態で挿入されない場合について、図11〜図13を用いて説明する。
【0025】
すなわち、図11は、プレート7の先端のツメ8が挿入時に半導体ウエハ1の側面に衝突した状態を示しており、図12はプレート7が下方の半導体ウエハ1の表面(上主面)に接触した状態を示しており、図18は、半導体ウエハ1が正しくツメ8上に載せられておらず、さらに後の搬送において、脱落等の搬送ミスを起こす可能性を含んだ状態を示している。
【0026】
これら、図11〜図13に示した状態が発生した場合には、半導体ウエハ1の破損や半導体ウエハ1への傷、異物発生を招き、半導体ウエハ1上の表面(上主面)に形成される製品チップの破損等により、半導体装置の製造歩留まりの低下を招くこととなる。
【0027】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、半導体ウエハを水平方向に搬送する場合に、ウエハカセットの変形等に起因して、半導体ウエハ搬送のためのプレートが半導体ウエハ間に正常な状態で挿入されず、半導体ウエハの破損や異物発生という問題を解消することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載の半導体処理装置は、複数の半導体ウエハを全ての主面が同一方向を向くように配列して収納可能で、前記複数の半導体ウエハの配列方向が上下方向となるように使用される半導体ウエハカセットと、前記半導体ウエハカセットに対して、前記複数の半導体ウエハを同時に出し入れ可能な半導体ウエハ搬送手段と、前記半導体ウエハカセット内に収納された前記複数の半導体ウエハの個々の上下方向の位置を非接触で検出するセンサーシステムとを備え、前記半導体ウエハ搬送手段は、前記複数の半導体ウエハに1対1で対応して配設された複数のウエハ載置板と、前記複数のウエハ載置板のそれぞれに対応して設けられ、前記センサーシステムで検出された前記複数の半導体ウエハの個々の上下方向の位置情報に基づいて、前記複数のウエハ載置板の上下方向の位置を調整可能な複数のウエハ載置板位置調整手段とを有している。
【0029】
本発明に係る請求項2記載の半導体処理装置は、前記ウエハ載置板位置調整手段が、前記複数のウエハ載置板の、前記半導体ウエハカセット内に挿入される側とは反対側の端縁部に、その主面が接触するように取り付けられたアクチュエータであり、前記アクチュエータは、前記主面に垂直な方向の長さが伸縮する構成を有する。
【0030】
本発明に係る請求項3記載の半導体処理装置は、前記アクチュエータが、印加電圧に比例して前記主面に垂直な方向の長さが伸縮する圧電アクチュエータであって、前記半導体ウエハ搬送手段が、前記複数の半導体ウエハの個々の上下方向の位置情報に基づいて、前記印加電圧を設定する制御手段を有している。
【0031】
本発明に係る請求項4記載の半導体処理装置は、前記センサーシステムが、光センサーを備え、前記光センサーおよび前記半導体ウエハカセットは、上下方向に一定の速度で相対的に移動可能であって、前記光センサーは、前記半導体ウエハカセットに収納された前記複数の半導体ウエハの側面に対して順に光を照射して、前記側面からの反射光の検出タイミングと前記一定の速度とに基づいて、前記複数の半導体ウエハの上下方向の位置を検出する。
【0032】
本発明に係る請求項5記載の半導体処理装置は、前記光センサーが、前記半導体ウエハカセットに対して、上下方向に前記一定の速度で移動可能に構成される。
【0033】
本発明に係る請求項6記載の半導体処理装置は、前記半導体ウエハカセットが、前記前記光センサーに対して、上下方向に前記一定の速度で移動可能に構成される。
【0034】
本発明に係る請求項7記載の半導体処理装置の調整方法は、請求項4記載の半導体処理装置において前記複数のウエハ載置板の上下方向の位置を調整する調整方法であって、前記光センサーが、前記半導体ウエハカセットに対して、上下方向の原点位置を検出するステップと、前記光センサーが、前記半導体ウエハカセットに収納された前記複数の半導体ウエハに対して、下段側から順に光を照射するように前記光センサーおよび前記半導体ウエハカセットを上下方向に前記一定の速度で相対的に移動させ、個々の半導体ウエハの前記側面からの反射光の検出が開始され始めるタイミングと前記一定の速度とに基づいて、前記原点位置から前記複数の半導体ウエハの個々の下主面の位置までの実測高さを取得するステップと、前記実測高さと、前記複数の半導体ウエハの個々の下主面の位置として、予め設定された設定高さとを比較して、両者の差に基づいて前記複数のウエハ載置板位置調整手段を制御して、前記複数のウエハ載置板の上下方向の位置を調整するステップとを備えている。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1〜図5を用いて本発明に係る実施の形態について説明する。なお、以下の説明においては、ウエハカセットに半導体ウエハを複数枚同時に水平に出し入れするウエハ搬送装置を有する半導体処理装置を例として説明する。
【0036】
<1.装置構成>
まず、図1〜図4を用いて実施の形態に係る半導体処理装置の構成について説明する。
【0037】
図1に、半導体処理装置のカセットステージ4上に搭載したウエハカセット2から、複数枚の半導体ウエハ1を一度に水平に取り出す前の状態を、ウエハ搬送装置100、センサーシステム200およびウエハカセット2の上方から見た場合として示す。また、図1に示す状態でのウエハカセット2の断面構成と、ウエハ搬送装置100およびセンサーシステム200の側面構成を図2に示す。
【0038】
ここで、ウエハカセット2は、一般的に半導体デバイスの生産に用いられているものを示し、複数枚の半導体ウエハ1を主面が向かい合うように上下方向に配列して収納する構成となっており、図1に示すように、側壁内面にはウエハ1を載置するウエハガイド3が複数設けられ、ウエハどうしが接触しないようにウエハ間には隙間が保たれるように配設されている。そして、当該隙間には、搬送に際して半導体ウエハ1を載置するプレート7が挿入される構成となっている。
【0039】
また、図1に示されるように、ウエハカセット2は側壁の一面が開口部OPとなって、そこからウエハ1を出し入れする構成である。なお、図1においては、ウエハカセット2の上部壁21の一部を破断して示している。
【0040】
図2に示すように、ウエハカセット2の底部壁22の外側面には、カセットステージ4上の所定位置にウエハカセット2を正確に載置するための複数のカセット脚5が設けられており、当該カセット脚5は、カセットステージ4上の所定位置に設けられたカセットガイド6に係合して、ウエハカセット2の位置を一義的に定める構成となっている。
【0041】
なお、図2においては、全ての半導体ウエハ1の裏面(半導体素子を形成しない面であって下主面とも呼称する面)が、カセットステージ4側を向くように収納されている。
【0042】
次に、ウエハ搬送装置100の構成について説明する。図1および図2に示すように、ウエハ搬送装置100は、複数のプレート7が上下方向に配列して取り付けられ、各プレート7の上下方向の位置を個々に調整可能なプレートアクチュエータ19(ウエハ載置板位置調整手段)を備えたプレートベース9A、プレートベース9Aが上下方向に移動可能に取り付けられている上下移動ベース10、上下移動ベース10が前後方向移動可能であってかつ回動も可能に取り付けられている前後回転移動ベース11、前後回転移動ベース11上に設けられ上下移動ベース10の前後方向の移動に際してのガイドとなる前後移動ガイド12、前後回転移動ベース11の下主面に係合し、前後回転移動ベース11の左右方向の移動を可能とする左右移動ベース13および左右移動ベース13上に設けられ前後回転移動ベース11の左右方向の移動に際してのガイドとなる左右移動ガイド14とを備えて構成されている。
【0043】
ここで、プレートアクチュエータ19について説明する。図3はプレートベース9Aにおけるプレートアクチュエータ19とプレート7との接続部分を示す図である。図3に示すように、プレートベース9Aは複数のプレート7を取り付けるために、フィン状に設けられた複数の取り付けベース91を有しており、取り付けベース91の上面(プレート7を取り付ける側の面)には、それぞれプレートアクチュエータ19が、その一方の主面が接するように取り付けられている。
【0044】
そして、各プレートアクチュエータ19の他方の主面上には、プレート7のウエハカセット2に挿入される側とは反対側の端縁部が接続される構成となっている。なお、プレートアクチュエータ19は、図1においてハッチングを付して模式的に示すように、プレート7の幅と同程度の長さを有しており、プレート7を確実に取り付けることができる。
【0045】
プレートアクチュエータ19は、加える電圧に比例して一方向の長さが伸縮する素子であり、本実施の形態においては図3に示すようにプレート7を取り付けた状態で所定の電圧を印加すると、その主面に垂直な方向の長さ(すなわち厚さ)が伸長するように構成されており、プレートアクチュエータ19の厚みが厚くなって、プレート7が上方に移動するように構成されている。
【0046】
なお、プレートアクチュエータ19には、いわゆる圧電アクチュエータを使用すれば良く、圧電セラミックス(ジルコンチタン酸鉛、チタン酸バリウムなどの多結晶体)の薄膜の積層体を使用すれば良い。
【0047】
また、プレートアクチュエータ19の移動精度は0.01mm程度であり、可動範囲は、最大でウエハカセット2に収納される半導体ウエハ1の収納間隔程度を有すれば良い。例えば、直径300mmの半導体ウエハを収納する場合の間隔は10mmであり、直径200mmの半導体ウエハを収納する場合の間隔は6.35mmであるので、何れの半導体ウエハを使用するかでプレートアクチュエータ19の可動範囲を設定すれば良い。
【0048】
なお、上記収納間隔程度の可動範囲を有することは望ましいが、基本的には、ウエハカセット2の変形による半導体ウエハ1の上下方向の位置変化に対応した距離だけ可動できれば良いので、上記可動範囲よりも小さくても問題はない。
【0049】
次に、センサーシステム200の構成について説明する。センサーシステム200は、ウエハ搬送装置100とウエハカセット2との間に配設され、カセットステージ4上に載置されたウエハカセット2内の半導体ウエハ1の上下方向の位置を検出するシステムである。
【0050】
センサーシステム200は、ウエハカセット2内の半導体ウエハ1の上下方向の位置を非接触で検出するセンサー15と、センサー15が取り付けられ、センサー15を上下方向に移動させるためのセンサーベース16と、センサー15をセンサーベース16に固定するためのセンサーアーム17と、センサーアーム17を上下方向に移動させるためのセンサーガイド18とを備えている。
【0051】
ここで、図4を用いてセンサー15の構成についてさらに説明する。図4は、センサー15と半導体ウエハ1とを上方から見た構成を示しており、センサー15は、半導体ウエハ1の側面円周に沿う方向に、並んで配置された発光部151および受光部152を備え、発光部151から照射された光、例えば赤外光が半導体ウエハ1の側面で反射して受光部152で検出されるか否かで、半導体ウエハ1の存在の有無を確認するセンサーである。
【0052】
なお、以上において、前後方向とはプレート7をウエハカセットに出し入れする方向であり、左右方向とは前後方向に対して平面内で直交する方向であり、上下方向とは、半導体ウエハ1の配列方向と定義する。これは、以下の説明においても同様である。
【0053】
また、図1および図2では、半導体処理装置における本発明と関係の薄い部分の記載は省略しており、また、半導体ウエハ1を吸着保持するためにプレート7に設けられる真空吸着用の穴や、半導体ウエハ1の側面に係合させるためのプレート7先端のツメ等の記載も省略している。
【0054】
さらにウエハカセット2においては、半導体ウエハ1を出し入れする開口部OPに脱着可能な蓋や、当該蓋を自動で脱着するために半導体処理装置に設けられた機構については記載を省略している。
【0055】
<2.搬送動作>
次に、図1、2および図5を用いて、ウエハ搬送装置100およびセンサーシステム200を用いてウエハカセット2から半導体ウエハ1を複数枚同時に取り出す動作について説明する。
【0056】
図1は、半導体処理装置のカセットステージ4上に搭載したウエハカセット2から、複数枚の半導体ウエハ1を一度に水平に取り出す前の状態を示しており、上下移動ベース10はウエハカセット2から最も離れた位置にあり、プレートベース9に取り付けられたプレート7は、ウエハカセット2から完全に離れた位置にある。また、センサーシステム200のセンサー15は、検出の原点となるカセットステージ4の上主面の位置を検出する位置にある。
【0057】
そして、ウエハカセット2から半導体ウエハ1を取り出すのに先だって、センサーシステム200のセンサーベース16に設けられたセンサーガイド18に沿ってセンサーアーム17を上方に向けて一定の速度で移動させることで、センサー15を半導体ウエハ1の配列に沿って上方に一定の速度で移動させて、各半導体ウエハ1の上下方向の位置、すなわち高さの測定を行う。
【0058】
センサー15は、先に説明したように、発光部151から発せられた光の半導体ウエハ1の側面での反射光を受光部152で検出するものであり、反射光の検出タイミングと、センサー15の移動速度に基づいて半導体ウエハ1の上下方向の位置を測定する。
【0059】
この測定について図5を用いてさらに説明する。図5は、センサー15の上下方向の移動による位置測定を模式的に示す図である。
【0060】
図5において、最初に、カセットステージ4に向けて光を照射し、カセットステージ4の上主面の位置を検出して原点Oとする。
【0061】
すなわち、センサー15の発する光束LBがカセットステージ4の側面に照射されているうちは、反射光が検出されるが、センサー15が上方(図中の矢示方向)に移動してカセットステージ4の側面から外れると反射光が検出されなくなるので、反射光が検出されなくなった位置を原点Oとする。
【0062】
そして、原点Oから出発して、センサー15を上方に一定の速度で移動させると、やがてウエハカセット2の最下段の半導体ウエハ1の下主面側の側面に光束LBが照射されて、反射光が検出される。センサー15の移動開始から反射光が検出され始めるまでの時間を測定し、その時間とセンサー15の移動速度とを乗算することで、原点Oから最下段の半導体ウエハ1の下主面までの位置、すなわち半導体ウエハ1の下主面の高さH1を得ることができる。
【0063】
センサー15がさらに移動すると、やがて光束LBは最下段の半導体ウエハ1の側面から外れ、反射光は検出されなくなる。なお、このときの時間を用いることで、原点Oから最下段の半導体ウエハ1の上主面までの位置を測定するようにしても良い。
【0064】
そして、さらにセンサー15が移動すると、やがて光束LBは最下段の半導体ウエハ1より1段上の半導体ウエハ1(2段目の半導体ウエハ1)の下主面側の側面に光束LBが照射されて、反射光が検出される。センサー15の移動開始から再び反射光が検出され始めるまでの時間を測定することで、原点Oから2段目の半導体ウエハ1の下主面までの位置、すなわち高さH2を測定することができる。なお、高さH1およびH2は実測高さと呼称することもできる。
【0065】
半導体ウエハ1の厚さTは周知であるので、高さH2から高さH1および半導体ウエハ1の厚さTを差し引くことで、最下段の半導体ウエハ1の上主面から2段目の半導体ウエハ1の下主面までの間隔Lを得ることもできる。
【0066】
他の半導体ウエハ1についても同様の手法により原点Oからの位置を得ることができる。このようにして得られたそれぞれの半導体ウエハ1の位置情報に基づいて、ウエハカセット2の変形等に起因して、予め定めた位置(設定高さ)よりも上方あるいは下方にずれた半導体ウエハ1の有無を確認する。
【0067】
そして、位置ずれを起こしたウエハが存在する場合には、該当ウエハの場所(段数)および位置ずれの大きさ等の情報を、ウエハ搬送装置100の制御装置(図示せず)に与え、当該制御装置が、位置ずれを起こした半導体ウエハ1の搬送にかかわるプレート7を支持するプレートアクチュエータ19に、位置ずれの方向および大きさに合わせてプレートアクチュエータ19の厚さを調整する所定の電圧を印加する。ここで与えられる電圧は、半導体ウエハ1が下方にずれている場合は、そのずれの大きさに合わせてプレートアクチュエータ19の厚さを薄くする電圧が与えられ、半導体ウエハ1が上方にずれている場合は、そのずれの大きさに合わせてプレートアクチュエータ19の厚さを厚くする電圧が与えられる。このように、プレートアクチュエータ19の厚さを調整する。
【0068】
この調整は、ウエハ間においてはウエハ間に正常な状態で挿入されるように、また、半導体ウエハ1が上部にしか存在しない場合にはプレート7が半導体ウエハ1に対し最適な位置を保つように調整される。なお、上記制御装置は、マイクロコンピュータ等で構成することができ、当該マイクロコンピュータは、ウエハ搬送装置100だけでなく半導体処理装置全体の制御を行うように構成することも可能である。
【0069】
同様の調整は、全てのプレート7について実行可能であり、このような調整を行うことで、ウエハカセット2の変形等が発生した場合でも、プレート7を半導体ウエハ1間に正常な状態で挿入することができる。
【0070】
この後、各プレート7が、それぞれの上方に位置する半導体ウエハ1の裏面(正確には側面)に接触し、半導体ウエハ1を保持してさらに上方に移動するように上下移動ベース10が移動し、半導体ウエハ1が持ち上げられてウエハガイド3より離れる。
【0071】
その後、上下移動ベース10がウエハカセット2から離れる方向に水平移動することで半導体ウエハ1がウエハカセット2から取り出される。
【0072】
<3.作用効果>
以上説明したように、ウエハカセット2から半導体ウエハ1を取り出すのに際して、ウエハカセット2内の複数の半導体ウエハ1の上下方向の位置を測定し、当該測定結果に基づいてウエハ搬送装置100のプレート7の上下方向の位置を調整することで、ウエハカセット2の変形等に起因して半導体ウエハ1の位置ずれが生じた場合であっても、プレート7を半導体ウエハ1間に正常な状態で挿入することができ、半導体ウエハ1にプレート7が衝突することによる半導体ウエハ1の破損や、異物発生を防止でき、半導体装置の製造歩留まりの低下を防止できる。
【0073】
なお以上の説明においては、センサーシステム200として、センサー15が上下方向に移動する構成を示したが、これに代えてカセットステージ4が上下方向に移動可能な構成としてセンサー15は固定した構成であっても良い。これによりセンサーシステムの構成を極めて簡略化できる。
【0074】
また、センサー15は発光部151および受光部152が設けられた光センサーとして説明したが、これに限ったものでなく、例えばビデオカメラ(CCDカメラ)のようなもので画像情報を取得し、当該画像情報から半導体ウエハ1の位置を検出する構成を採用しても良い。要するに、半導体ウエハ1の上下方向の位置情報を正確に取得し、当該情報に基づいてプレートアクチュエータ19を制御できるのであれば、センサーシステムの方式は限定されない。
【0075】
また、ウエハ搬送装置100においては、プレートアクチュエータ19は、加える電圧に比例して一方向の長さが伸縮する素子であると説明したが、これに限ったものではなく、例えばエアシリンダーのような構成であっても良く、可動範囲が最大で10mm程度で、移動精度が0.01mm程度得られるアクチュエータであれば良い。
【0076】
【発明の効果】
本発明に係る請求項1記載の半導体処理装置によれば、半導体ウエハ搬送手段が、複数のウエハ載置板のそれぞれに対応して設けられ、センサーシステムで検出された複数の半導体ウエハの個々の上下方向の位置情報に基づいて、複数のウエハ載置板の上下方向の位置を調整することで、半導体ウエハカセットの変形等に起因して半導体ウエハの位置ずれが生じた場合であっても、ウエハ載置板を半導体ウエハ間に正常な状態で挿入することができ、半導体ウエハにウエハ載置板が衝突することによる半導体ウエハの破損や、異物発生を防止でき、半導体装置の製造歩留まりの低下を防止できる。
【0077】
本発明に係る請求項2記載の半導体処理装置によれば、ウエハ載置板位置調整手段の具体的構成を得ることができる。
【0078】
本発明に係る請求項3記載の半導体処理装置によれば、ウエハ載置板位置調整手段として圧電アクチュエータを用いるので、ウエハ載置板の位置制御を電気信号で制御できる。
【0079】
本発明に係る請求項4記載の半導体処理装置によれば、センサーシステムの具体的な構成を得ることができる。
【0080】
本発明に係る請求項5記載の半導体処理装置によれば、光センサーを半導体ウエハカセットに対して、上下方向に一定の速度で移動させるので、複雑な移動機構を必要としない。
【0081】
本発明に係る請求項6記載の半導体処理装置によれば、ウエハカセットを光センサーに対して、上下方向に一定の速度で移動させるので、センサーシステムの構成を極めて簡略化できる。
【0082】
本発明に係る請求項7記載の半導体処理装置の調整方法によれば、光センサーを用いて複数の半導体ウエハの上下方向の位置を測定する場合の、具体的な測定方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態の半導体処理装置の構成を示す平面図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の半導体処理装置の構成を示す側面図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の半導体処理装置のプレートベースの部分詳細図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の半導体処理装置のセンサーの構成を説明する図である。
【図5】本発明に係る実施の形態の半導体処理装置のセンサーによる位置測定を模式的に示す図である。
【図6】従来の半導体処理装置の構成を示す平面図である。
【図7】従来の半導体処理装置の構成を示す平面図である。
【図8】従来の半導体処理装置の構成を示す側面図である。
【図9】プレートによる半導体ウエハの搬送動作を説明する図である。
【図10】プレートによる半導体ウエハの搬送動作を説明する図である。
【図11】プレートによる半導体ウエハの搬送動作を説明する図である。
【図12】プレートによる半導体ウエハの搬送動作を説明する図である。
【図13】プレートによる半導体ウエハの搬送動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 半導体ウエハ、2 ウエハカセット、4 カセットステージ、7 プレート、9A プレートベース、10 上下移動ベース、15 センサー、16 センサーベース、17 センサーアーム、18 センサーガイド、19 プレートアクチュエータ、100 ウエハ搬送装置、200 センサーシステム。
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体処理装置に関し、特に、搭載されたウエハカセットに対する半導体ウエハの出し入れのための半導体ウエハの搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの生産に用いられている半導体処理装置おいては、一般的に未処理ウエハや、処理済みウエハの半導体ウエハを一時的に収納するウエハカセットを備えている。
【0003】
以下の説明においては、上記ウエハカセットに半導体ウエハを複数枚同時に水平に出し入れするウエハ搬送機構を有する半導体処理装置を例として説明する。
【0004】
図6に、半導体処理装置のカセットステージ4上に搭載したウエハカセット2から、複数枚の半導体ウエハ1を一度に水平に取り出す前の状態を、ウエハカセット2およびウエハ搬送装置90の上方から見た場合として示し、図7に、ウエハカセット2から、複数枚の半導体ウエハ1を一度に水平に取り出す途中の状態を、ウエハカセット2の上方から見た場合として示す。
【0005】
ここで、ウエハカセット2は、一般的に半導体デバイスの生産に用いられているものを示し、複数枚の半導体ウエハ1を主面が向かい合うように上下方向に配列して収納する構成となっており、図6および図7に示すように、側壁内面にはウエハ1を載置するウエハガイド3が複数設けられ、ウエハどうしが接触しないようにウエハ間には隙間が保たれるように配設されている。そして、当該隙間には、搬送に際して半導体ウエハ1を載置するプレート7が挿入される構成となっている。
【0006】
また、図7に示されるように、ウエハカセット2は側壁の一面が開口部OPとなって、そこからウエハ1を出し入れする構成であり、図7においては、開口部OPからプレート7が挿入された状態を示している。なお、図7においては、ウエハカセット2の上部壁21の一部を破断して示している。
【0007】
ここで、図7に示す状態でのウエハカセット2の断面構成と、ウエハ搬送装置90の一部とを図8に示す。
【0008】
図8に示すように、ウエハカセット2の底部壁22の外側面には、カセットステージ4上の所定位置にウエハカセット2を正確に載置するための複数のカセット脚5が設けられており、当該カセット脚5は、カセットステージ4上の所定位置に設けられたカセットガイド6に係合して、ウエハカセット2の位置を一義的に定める構成となっている。
【0009】
なお、図8においては、全ての半導体ウエハ1の裏面(半導体素子を形成しない面であって下主面とも呼称する面)が、カセットステージ4側を向くように収納されている。
【0010】
ここで、図7および図8を用いて、ウエハ搬送装置90の構成について説明する。図7および図8に示すように、ウエハ搬送装置90は、複数のプレート7が上下方向に配列して取り付けられているプレートベース9、プレートベース9が上下方向に移動可能に取り付けられている上下移動ベース10、上下移動ベース10が前後方向移動可能であってかつ回動も可能に取り付けられている前後回転移動ベース11、前後回転移動ベース11上に設けられ上下移動ベース10の前後方向の移動に際してのガイドとなる前後移動ガイド12、前後回転移動ベース11の下主面に係合し、前後回転移動ベース11の左右方向の移動を可能とする左右移動ベース13および左右移動ベース13上に設けられ前後回転移動ベース11の左右方向の移動に際してのガイドとなる左右移動ガイド14とを備えて構成されている。
【0011】
なお、以上において、前後方向とはプレート7をウエハカセットに出し入れする方向であり、左右方向とは前後方向に対して平面内で直交する方向であり、上下方向とは、半導体ウエハ1の配列方向と定義する。これは、以下の説明においても同様である。
【0012】
また、図6〜図8では、半導体処理装置における本発明と関係の薄い部分の記載は省略しており、また、半導体ウエハ1を吸着保持するためにプレート7に設けられる真空吸着用の穴や、半導体ウエハ1の側面に係合させるためのプレート7先端のツメ等の記載も省略している。
【0013】
さらにウエハカセット2においては、半導体ウエハ1を出し入れする開口部OPに脱着可能な蓋や、当該蓋を自動で脱着するために半導体処理装置に設けられた機構については記載を省略している。
【0014】
次に、図6〜図8を用いて、ウエハカセット2から半導体ウエハ1を複数枚同時に取り出す動作について説明する。
【0015】
図6に示す状態においては、上下移動ベース10はウエハカセット2から最も離れた位置にあり、プレートベース9に取り付けられたプレート7は、ウエハカセット2から完全に離れた位置にある。
【0016】
ウエハカセット2から半導体ウエハ1を取り出すに際しては、上下移動ベース10が前後回転移動ベース11上の前後移動ガイド12に沿ってウエハカセット2の方向に向けて移動し、これに伴ってプレートベース9に取り付けられたプレート7が、ウエハカセット2の開口部OPから挿入され、ウエハカセット2内に収納されている半導体ウエハ1間に挿入される。なお、図7では、ウエハカセット2の最も奥までプレート7が挿入された状態を示している。
【0017】
この後、各プレート7が、それぞれの上方に位置する半導体ウエハ1の裏面(および側面)に接触し、半導体ウエハ1を保持してさらに上方に移動するように上下移動ベース10が移動し、半導体ウエハ1が持ち上げられてウエハガイド3より離れる。
【0018】
その後、上下移動ベース10がウエハカセット2から離れる方向に水平移動することで半導体ウエハ1がウエハカセット2から取り出される。なお、半導体ウエハ1をウエハカセット2内に収納するに際しては、上記と逆の動作が行われる。
【0019】
ここで、プレート7が、ウエハカセット2内のウエハ間に挿入される動作について、図9〜図13を用いてさらに説明する。なお、図9〜図13においては、プレート7の先端には半導体ウエハ1の側面に係合して保持するツメ8を記載している。
【0020】
図9は、プレート7が半導体ウエハ1間に正常な状態(プレート7が上方および下方の半導体ウエハ1と予め規定された間隔を保った状態)で挿入され、ウエハカセット2最も奥まで到達した状態を示している。この状態では、プレート7は上方に位置する半導体ウエハ1の裏面には接触しておらず、ツメ8も半導体ウエハ1には接触せずに挿入されている。
【0021】
図10は、上下移動ベース10(図7参照)が上方に移動するに伴って、プレート7の先端のツメ8が半導体ウエハ1の側面に接触した状態を示している。
【0022】
この後、上下移動ベース10がさらに上方向に移動することで、半導体ウエハ1がツメ8によって上方に押し上げられ、ウエハガイド3(図7参照)より離れる。この状態ではプレート7の主面は半導体ウエハ1の裏面には接触せず、ツメ8で側面のみが保持されることとなる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
図9および図10においては、プレート7が半導体ウエハ1間に正常な状態で挿入された状態を説明したが、ウエハカセット2の変形、ウエハカセット2の構成部材の収縮、伸長などによりウエハガイド3(図7参照)の位置や、傾きが、カセットステージ4に接するカセット脚5に対して変動することで、半導体ウエハ1のプレート7に対する位置が変動し、プレート7が半導体ウエハ1間に正常な状態で挿入されなくなる可能性がある。
【0024】
以下、プレート7が半導体ウエハ1間に正常な状態で挿入されない場合について、図11〜図13を用いて説明する。
【0025】
すなわち、図11は、プレート7の先端のツメ8が挿入時に半導体ウエハ1の側面に衝突した状態を示しており、図12はプレート7が下方の半導体ウエハ1の表面(上主面)に接触した状態を示しており、図18は、半導体ウエハ1が正しくツメ8上に載せられておらず、さらに後の搬送において、脱落等の搬送ミスを起こす可能性を含んだ状態を示している。
【0026】
これら、図11〜図13に示した状態が発生した場合には、半導体ウエハ1の破損や半導体ウエハ1への傷、異物発生を招き、半導体ウエハ1上の表面(上主面)に形成される製品チップの破損等により、半導体装置の製造歩留まりの低下を招くこととなる。
【0027】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、半導体ウエハを水平方向に搬送する場合に、ウエハカセットの変形等に起因して、半導体ウエハ搬送のためのプレートが半導体ウエハ間に正常な状態で挿入されず、半導体ウエハの破損や異物発生という問題を解消することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載の半導体処理装置は、複数の半導体ウエハを全ての主面が同一方向を向くように配列して収納可能で、前記複数の半導体ウエハの配列方向が上下方向となるように使用される半導体ウエハカセットと、前記半導体ウエハカセットに対して、前記複数の半導体ウエハを同時に出し入れ可能な半導体ウエハ搬送手段と、前記半導体ウエハカセット内に収納された前記複数の半導体ウエハの個々の上下方向の位置を非接触で検出するセンサーシステムとを備え、前記半導体ウエハ搬送手段は、前記複数の半導体ウエハに1対1で対応して配設された複数のウエハ載置板と、前記複数のウエハ載置板のそれぞれに対応して設けられ、前記センサーシステムで検出された前記複数の半導体ウエハの個々の上下方向の位置情報に基づいて、前記複数のウエハ載置板の上下方向の位置を調整可能な複数のウエハ載置板位置調整手段とを有している。
【0029】
本発明に係る請求項2記載の半導体処理装置は、前記ウエハ載置板位置調整手段が、前記複数のウエハ載置板の、前記半導体ウエハカセット内に挿入される側とは反対側の端縁部に、その主面が接触するように取り付けられたアクチュエータであり、前記アクチュエータは、前記主面に垂直な方向の長さが伸縮する構成を有する。
【0030】
本発明に係る請求項3記載の半導体処理装置は、前記アクチュエータが、印加電圧に比例して前記主面に垂直な方向の長さが伸縮する圧電アクチュエータであって、前記半導体ウエハ搬送手段が、前記複数の半導体ウエハの個々の上下方向の位置情報に基づいて、前記印加電圧を設定する制御手段を有している。
【0031】
本発明に係る請求項4記載の半導体処理装置は、前記センサーシステムが、光センサーを備え、前記光センサーおよび前記半導体ウエハカセットは、上下方向に一定の速度で相対的に移動可能であって、前記光センサーは、前記半導体ウエハカセットに収納された前記複数の半導体ウエハの側面に対して順に光を照射して、前記側面からの反射光の検出タイミングと前記一定の速度とに基づいて、前記複数の半導体ウエハの上下方向の位置を検出する。
【0032】
本発明に係る請求項5記載の半導体処理装置は、前記光センサーが、前記半導体ウエハカセットに対して、上下方向に前記一定の速度で移動可能に構成される。
【0033】
本発明に係る請求項6記載の半導体処理装置は、前記半導体ウエハカセットが、前記前記光センサーに対して、上下方向に前記一定の速度で移動可能に構成される。
【0034】
本発明に係る請求項7記載の半導体処理装置の調整方法は、請求項4記載の半導体処理装置において前記複数のウエハ載置板の上下方向の位置を調整する調整方法であって、前記光センサーが、前記半導体ウエハカセットに対して、上下方向の原点位置を検出するステップと、前記光センサーが、前記半導体ウエハカセットに収納された前記複数の半導体ウエハに対して、下段側から順に光を照射するように前記光センサーおよび前記半導体ウエハカセットを上下方向に前記一定の速度で相対的に移動させ、個々の半導体ウエハの前記側面からの反射光の検出が開始され始めるタイミングと前記一定の速度とに基づいて、前記原点位置から前記複数の半導体ウエハの個々の下主面の位置までの実測高さを取得するステップと、前記実測高さと、前記複数の半導体ウエハの個々の下主面の位置として、予め設定された設定高さとを比較して、両者の差に基づいて前記複数のウエハ載置板位置調整手段を制御して、前記複数のウエハ載置板の上下方向の位置を調整するステップとを備えている。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1〜図5を用いて本発明に係る実施の形態について説明する。なお、以下の説明においては、ウエハカセットに半導体ウエハを複数枚同時に水平に出し入れするウエハ搬送装置を有する半導体処理装置を例として説明する。
【0036】
<1.装置構成>
まず、図1〜図4を用いて実施の形態に係る半導体処理装置の構成について説明する。
【0037】
図1に、半導体処理装置のカセットステージ4上に搭載したウエハカセット2から、複数枚の半導体ウエハ1を一度に水平に取り出す前の状態を、ウエハ搬送装置100、センサーシステム200およびウエハカセット2の上方から見た場合として示す。また、図1に示す状態でのウエハカセット2の断面構成と、ウエハ搬送装置100およびセンサーシステム200の側面構成を図2に示す。
【0038】
ここで、ウエハカセット2は、一般的に半導体デバイスの生産に用いられているものを示し、複数枚の半導体ウエハ1を主面が向かい合うように上下方向に配列して収納する構成となっており、図1に示すように、側壁内面にはウエハ1を載置するウエハガイド3が複数設けられ、ウエハどうしが接触しないようにウエハ間には隙間が保たれるように配設されている。そして、当該隙間には、搬送に際して半導体ウエハ1を載置するプレート7が挿入される構成となっている。
【0039】
また、図1に示されるように、ウエハカセット2は側壁の一面が開口部OPとなって、そこからウエハ1を出し入れする構成である。なお、図1においては、ウエハカセット2の上部壁21の一部を破断して示している。
【0040】
図2に示すように、ウエハカセット2の底部壁22の外側面には、カセットステージ4上の所定位置にウエハカセット2を正確に載置するための複数のカセット脚5が設けられており、当該カセット脚5は、カセットステージ4上の所定位置に設けられたカセットガイド6に係合して、ウエハカセット2の位置を一義的に定める構成となっている。
【0041】
なお、図2においては、全ての半導体ウエハ1の裏面(半導体素子を形成しない面であって下主面とも呼称する面)が、カセットステージ4側を向くように収納されている。
【0042】
次に、ウエハ搬送装置100の構成について説明する。図1および図2に示すように、ウエハ搬送装置100は、複数のプレート7が上下方向に配列して取り付けられ、各プレート7の上下方向の位置を個々に調整可能なプレートアクチュエータ19(ウエハ載置板位置調整手段)を備えたプレートベース9A、プレートベース9Aが上下方向に移動可能に取り付けられている上下移動ベース10、上下移動ベース10が前後方向移動可能であってかつ回動も可能に取り付けられている前後回転移動ベース11、前後回転移動ベース11上に設けられ上下移動ベース10の前後方向の移動に際してのガイドとなる前後移動ガイド12、前後回転移動ベース11の下主面に係合し、前後回転移動ベース11の左右方向の移動を可能とする左右移動ベース13および左右移動ベース13上に設けられ前後回転移動ベース11の左右方向の移動に際してのガイドとなる左右移動ガイド14とを備えて構成されている。
【0043】
ここで、プレートアクチュエータ19について説明する。図3はプレートベース9Aにおけるプレートアクチュエータ19とプレート7との接続部分を示す図である。図3に示すように、プレートベース9Aは複数のプレート7を取り付けるために、フィン状に設けられた複数の取り付けベース91を有しており、取り付けベース91の上面(プレート7を取り付ける側の面)には、それぞれプレートアクチュエータ19が、その一方の主面が接するように取り付けられている。
【0044】
そして、各プレートアクチュエータ19の他方の主面上には、プレート7のウエハカセット2に挿入される側とは反対側の端縁部が接続される構成となっている。なお、プレートアクチュエータ19は、図1においてハッチングを付して模式的に示すように、プレート7の幅と同程度の長さを有しており、プレート7を確実に取り付けることができる。
【0045】
プレートアクチュエータ19は、加える電圧に比例して一方向の長さが伸縮する素子であり、本実施の形態においては図3に示すようにプレート7を取り付けた状態で所定の電圧を印加すると、その主面に垂直な方向の長さ(すなわち厚さ)が伸長するように構成されており、プレートアクチュエータ19の厚みが厚くなって、プレート7が上方に移動するように構成されている。
【0046】
なお、プレートアクチュエータ19には、いわゆる圧電アクチュエータを使用すれば良く、圧電セラミックス(ジルコンチタン酸鉛、チタン酸バリウムなどの多結晶体)の薄膜の積層体を使用すれば良い。
【0047】
また、プレートアクチュエータ19の移動精度は0.01mm程度であり、可動範囲は、最大でウエハカセット2に収納される半導体ウエハ1の収納間隔程度を有すれば良い。例えば、直径300mmの半導体ウエハを収納する場合の間隔は10mmであり、直径200mmの半導体ウエハを収納する場合の間隔は6.35mmであるので、何れの半導体ウエハを使用するかでプレートアクチュエータ19の可動範囲を設定すれば良い。
【0048】
なお、上記収納間隔程度の可動範囲を有することは望ましいが、基本的には、ウエハカセット2の変形による半導体ウエハ1の上下方向の位置変化に対応した距離だけ可動できれば良いので、上記可動範囲よりも小さくても問題はない。
【0049】
次に、センサーシステム200の構成について説明する。センサーシステム200は、ウエハ搬送装置100とウエハカセット2との間に配設され、カセットステージ4上に載置されたウエハカセット2内の半導体ウエハ1の上下方向の位置を検出するシステムである。
【0050】
センサーシステム200は、ウエハカセット2内の半導体ウエハ1の上下方向の位置を非接触で検出するセンサー15と、センサー15が取り付けられ、センサー15を上下方向に移動させるためのセンサーベース16と、センサー15をセンサーベース16に固定するためのセンサーアーム17と、センサーアーム17を上下方向に移動させるためのセンサーガイド18とを備えている。
【0051】
ここで、図4を用いてセンサー15の構成についてさらに説明する。図4は、センサー15と半導体ウエハ1とを上方から見た構成を示しており、センサー15は、半導体ウエハ1の側面円周に沿う方向に、並んで配置された発光部151および受光部152を備え、発光部151から照射された光、例えば赤外光が半導体ウエハ1の側面で反射して受光部152で検出されるか否かで、半導体ウエハ1の存在の有無を確認するセンサーである。
【0052】
なお、以上において、前後方向とはプレート7をウエハカセットに出し入れする方向であり、左右方向とは前後方向に対して平面内で直交する方向であり、上下方向とは、半導体ウエハ1の配列方向と定義する。これは、以下の説明においても同様である。
【0053】
また、図1および図2では、半導体処理装置における本発明と関係の薄い部分の記載は省略しており、また、半導体ウエハ1を吸着保持するためにプレート7に設けられる真空吸着用の穴や、半導体ウエハ1の側面に係合させるためのプレート7先端のツメ等の記載も省略している。
【0054】
さらにウエハカセット2においては、半導体ウエハ1を出し入れする開口部OPに脱着可能な蓋や、当該蓋を自動で脱着するために半導体処理装置に設けられた機構については記載を省略している。
【0055】
<2.搬送動作>
次に、図1、2および図5を用いて、ウエハ搬送装置100およびセンサーシステム200を用いてウエハカセット2から半導体ウエハ1を複数枚同時に取り出す動作について説明する。
【0056】
図1は、半導体処理装置のカセットステージ4上に搭載したウエハカセット2から、複数枚の半導体ウエハ1を一度に水平に取り出す前の状態を示しており、上下移動ベース10はウエハカセット2から最も離れた位置にあり、プレートベース9に取り付けられたプレート7は、ウエハカセット2から完全に離れた位置にある。また、センサーシステム200のセンサー15は、検出の原点となるカセットステージ4の上主面の位置を検出する位置にある。
【0057】
そして、ウエハカセット2から半導体ウエハ1を取り出すのに先だって、センサーシステム200のセンサーベース16に設けられたセンサーガイド18に沿ってセンサーアーム17を上方に向けて一定の速度で移動させることで、センサー15を半導体ウエハ1の配列に沿って上方に一定の速度で移動させて、各半導体ウエハ1の上下方向の位置、すなわち高さの測定を行う。
【0058】
センサー15は、先に説明したように、発光部151から発せられた光の半導体ウエハ1の側面での反射光を受光部152で検出するものであり、反射光の検出タイミングと、センサー15の移動速度に基づいて半導体ウエハ1の上下方向の位置を測定する。
【0059】
この測定について図5を用いてさらに説明する。図5は、センサー15の上下方向の移動による位置測定を模式的に示す図である。
【0060】
図5において、最初に、カセットステージ4に向けて光を照射し、カセットステージ4の上主面の位置を検出して原点Oとする。
【0061】
すなわち、センサー15の発する光束LBがカセットステージ4の側面に照射されているうちは、反射光が検出されるが、センサー15が上方(図中の矢示方向)に移動してカセットステージ4の側面から外れると反射光が検出されなくなるので、反射光が検出されなくなった位置を原点Oとする。
【0062】
そして、原点Oから出発して、センサー15を上方に一定の速度で移動させると、やがてウエハカセット2の最下段の半導体ウエハ1の下主面側の側面に光束LBが照射されて、反射光が検出される。センサー15の移動開始から反射光が検出され始めるまでの時間を測定し、その時間とセンサー15の移動速度とを乗算することで、原点Oから最下段の半導体ウエハ1の下主面までの位置、すなわち半導体ウエハ1の下主面の高さH1を得ることができる。
【0063】
センサー15がさらに移動すると、やがて光束LBは最下段の半導体ウエハ1の側面から外れ、反射光は検出されなくなる。なお、このときの時間を用いることで、原点Oから最下段の半導体ウエハ1の上主面までの位置を測定するようにしても良い。
【0064】
そして、さらにセンサー15が移動すると、やがて光束LBは最下段の半導体ウエハ1より1段上の半導体ウエハ1(2段目の半導体ウエハ1)の下主面側の側面に光束LBが照射されて、反射光が検出される。センサー15の移動開始から再び反射光が検出され始めるまでの時間を測定することで、原点Oから2段目の半導体ウエハ1の下主面までの位置、すなわち高さH2を測定することができる。なお、高さH1およびH2は実測高さと呼称することもできる。
【0065】
半導体ウエハ1の厚さTは周知であるので、高さH2から高さH1および半導体ウエハ1の厚さTを差し引くことで、最下段の半導体ウエハ1の上主面から2段目の半導体ウエハ1の下主面までの間隔Lを得ることもできる。
【0066】
他の半導体ウエハ1についても同様の手法により原点Oからの位置を得ることができる。このようにして得られたそれぞれの半導体ウエハ1の位置情報に基づいて、ウエハカセット2の変形等に起因して、予め定めた位置(設定高さ)よりも上方あるいは下方にずれた半導体ウエハ1の有無を確認する。
【0067】
そして、位置ずれを起こしたウエハが存在する場合には、該当ウエハの場所(段数)および位置ずれの大きさ等の情報を、ウエハ搬送装置100の制御装置(図示せず)に与え、当該制御装置が、位置ずれを起こした半導体ウエハ1の搬送にかかわるプレート7を支持するプレートアクチュエータ19に、位置ずれの方向および大きさに合わせてプレートアクチュエータ19の厚さを調整する所定の電圧を印加する。ここで与えられる電圧は、半導体ウエハ1が下方にずれている場合は、そのずれの大きさに合わせてプレートアクチュエータ19の厚さを薄くする電圧が与えられ、半導体ウエハ1が上方にずれている場合は、そのずれの大きさに合わせてプレートアクチュエータ19の厚さを厚くする電圧が与えられる。このように、プレートアクチュエータ19の厚さを調整する。
【0068】
この調整は、ウエハ間においてはウエハ間に正常な状態で挿入されるように、また、半導体ウエハ1が上部にしか存在しない場合にはプレート7が半導体ウエハ1に対し最適な位置を保つように調整される。なお、上記制御装置は、マイクロコンピュータ等で構成することができ、当該マイクロコンピュータは、ウエハ搬送装置100だけでなく半導体処理装置全体の制御を行うように構成することも可能である。
【0069】
同様の調整は、全てのプレート7について実行可能であり、このような調整を行うことで、ウエハカセット2の変形等が発生した場合でも、プレート7を半導体ウエハ1間に正常な状態で挿入することができる。
【0070】
この後、各プレート7が、それぞれの上方に位置する半導体ウエハ1の裏面(正確には側面)に接触し、半導体ウエハ1を保持してさらに上方に移動するように上下移動ベース10が移動し、半導体ウエハ1が持ち上げられてウエハガイド3より離れる。
【0071】
その後、上下移動ベース10がウエハカセット2から離れる方向に水平移動することで半導体ウエハ1がウエハカセット2から取り出される。
【0072】
<3.作用効果>
以上説明したように、ウエハカセット2から半導体ウエハ1を取り出すのに際して、ウエハカセット2内の複数の半導体ウエハ1の上下方向の位置を測定し、当該測定結果に基づいてウエハ搬送装置100のプレート7の上下方向の位置を調整することで、ウエハカセット2の変形等に起因して半導体ウエハ1の位置ずれが生じた場合であっても、プレート7を半導体ウエハ1間に正常な状態で挿入することができ、半導体ウエハ1にプレート7が衝突することによる半導体ウエハ1の破損や、異物発生を防止でき、半導体装置の製造歩留まりの低下を防止できる。
【0073】
なお以上の説明においては、センサーシステム200として、センサー15が上下方向に移動する構成を示したが、これに代えてカセットステージ4が上下方向に移動可能な構成としてセンサー15は固定した構成であっても良い。これによりセンサーシステムの構成を極めて簡略化できる。
【0074】
また、センサー15は発光部151および受光部152が設けられた光センサーとして説明したが、これに限ったものでなく、例えばビデオカメラ(CCDカメラ)のようなもので画像情報を取得し、当該画像情報から半導体ウエハ1の位置を検出する構成を採用しても良い。要するに、半導体ウエハ1の上下方向の位置情報を正確に取得し、当該情報に基づいてプレートアクチュエータ19を制御できるのであれば、センサーシステムの方式は限定されない。
【0075】
また、ウエハ搬送装置100においては、プレートアクチュエータ19は、加える電圧に比例して一方向の長さが伸縮する素子であると説明したが、これに限ったものではなく、例えばエアシリンダーのような構成であっても良く、可動範囲が最大で10mm程度で、移動精度が0.01mm程度得られるアクチュエータであれば良い。
【0076】
【発明の効果】
本発明に係る請求項1記載の半導体処理装置によれば、半導体ウエハ搬送手段が、複数のウエハ載置板のそれぞれに対応して設けられ、センサーシステムで検出された複数の半導体ウエハの個々の上下方向の位置情報に基づいて、複数のウエハ載置板の上下方向の位置を調整することで、半導体ウエハカセットの変形等に起因して半導体ウエハの位置ずれが生じた場合であっても、ウエハ載置板を半導体ウエハ間に正常な状態で挿入することができ、半導体ウエハにウエハ載置板が衝突することによる半導体ウエハの破損や、異物発生を防止でき、半導体装置の製造歩留まりの低下を防止できる。
【0077】
本発明に係る請求項2記載の半導体処理装置によれば、ウエハ載置板位置調整手段の具体的構成を得ることができる。
【0078】
本発明に係る請求項3記載の半導体処理装置によれば、ウエハ載置板位置調整手段として圧電アクチュエータを用いるので、ウエハ載置板の位置制御を電気信号で制御できる。
【0079】
本発明に係る請求項4記載の半導体処理装置によれば、センサーシステムの具体的な構成を得ることができる。
【0080】
本発明に係る請求項5記載の半導体処理装置によれば、光センサーを半導体ウエハカセットに対して、上下方向に一定の速度で移動させるので、複雑な移動機構を必要としない。
【0081】
本発明に係る請求項6記載の半導体処理装置によれば、ウエハカセットを光センサーに対して、上下方向に一定の速度で移動させるので、センサーシステムの構成を極めて簡略化できる。
【0082】
本発明に係る請求項7記載の半導体処理装置の調整方法によれば、光センサーを用いて複数の半導体ウエハの上下方向の位置を測定する場合の、具体的な測定方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態の半導体処理装置の構成を示す平面図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の半導体処理装置の構成を示す側面図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の半導体処理装置のプレートベースの部分詳細図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の半導体処理装置のセンサーの構成を説明する図である。
【図5】本発明に係る実施の形態の半導体処理装置のセンサーによる位置測定を模式的に示す図である。
【図6】従来の半導体処理装置の構成を示す平面図である。
【図7】従来の半導体処理装置の構成を示す平面図である。
【図8】従来の半導体処理装置の構成を示す側面図である。
【図9】プレートによる半導体ウエハの搬送動作を説明する図である。
【図10】プレートによる半導体ウエハの搬送動作を説明する図である。
【図11】プレートによる半導体ウエハの搬送動作を説明する図である。
【図12】プレートによる半導体ウエハの搬送動作を説明する図である。
【図13】プレートによる半導体ウエハの搬送動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 半導体ウエハ、2 ウエハカセット、4 カセットステージ、7 プレート、9A プレートベース、10 上下移動ベース、15 センサー、16 センサーベース、17 センサーアーム、18 センサーガイド、19 プレートアクチュエータ、100 ウエハ搬送装置、200 センサーシステム。
Claims (7)
- 複数の半導体ウエハを全ての主面が同一方向を向くように配列して収納可能で、前記複数の半導体ウエハの配列方向が上下方向となるように使用される半導体ウエハカセットと、
前記半導体ウエハカセットに対して、前記複数の半導体ウエハを同時に出し入れ可能な半導体ウエハ搬送手段と、
前記半導体ウエハカセット内に収納された前記複数の半導体ウエハの個々の上下方向の位置を非接触で検出するセンサーシステムと、を備え、
前記半導体ウエハ搬送手段は、
前記複数の半導体ウエハに1対1で対応して配設された複数のウエハ載置板と、 前記複数のウエハ載置板のそれぞれに対応して設けられ、前記センサーシステムで検出された前記複数の半導体ウエハの個々の上下方向の位置情報に基づいて、前記複数のウエハ載置板の上下方向の位置を調整可能な複数のウエハ載置板位置調整手段とを有する、半導体処理装置。 - 前記ウエハ載置板位置調整手段は、
前記複数のウエハ載置板の、前記半導体ウエハカセット内に挿入される側とは反対側の端縁部に、その主面が接触するように取り付けられたアクチュエータであり、
前記アクチュエータは、前記主面に垂直な方向の長さが伸縮する構成を有する、請求項1記載の半導体処理装置。 - 前記アクチュエータは、印加電圧に比例して前記主面に垂直な方向の長さが伸縮する圧電アクチュエータであって、
前記半導体ウエハ搬送手段は、
前記複数の半導体ウエハの個々の上下方向の位置情報に基づいて、前記印加電圧を設定する制御手段を有する、請求項1記載の半導体処理装置。 - 前記センサーシステムは、光センサーを備え、
前記光センサーおよび前記半導体ウエハカセットは、上下方向に一定の速度で相対的に移動可能であって、
前記光センサーは、前記半導体ウエハカセットに収納された前記複数の半導体ウエハの側面に対して順に光を照射して、前記側面からの反射光の検出タイミングと前記一定の速度とに基づいて、前記複数の半導体ウエハの上下方向の位置を検出する、請求項1記載の半導体処理装置。 - 前記光センサーは、
前記半導体ウエハカセットに対して、上下方向に前記一定の速度で移動可能に構成される、請求項4記載の半導体処理装置。 - 前記半導体ウエハカセットは、
前記前記光センサーに対して、上下方向に前記一定の速度で移動可能に構成される、請求項4記載の半導体処理装置。 - 請求項4記載の半導体処理装置において前記複数のウエハ載置板の上下方向の位置を調整する調整方法であって、
前記光センサーが、前記半導体ウエハカセットに対して、上下方向の原点位置を検出するステップと、
前記光センサーが、前記半導体ウエハカセットに収納された前記複数の半導体ウエハに対して、下段側から順に光を照射するように前記光センサーおよび前記半導体ウエハカセットを上下方向に前記一定の速度で相対的に移動させ、個々の半導体ウエハの前記側面からの反射光の検出が開始され始めるタイミングと前記一定の速度とに基づいて、前記原点位置から前記複数の半導体ウエハの個々の下主面の位置までの実測高さを取得するステップと、
前記実測高さと、前記複数の半導体ウエハの個々の下主面の位置として、予め設定された設定高さとを比較して、両者の差に基づいて前記複数のウエハ載置板位置調整手段を制御して、前記複数のウエハ載置板の上下方向の位置を調整するステップと、を備える半導体処理装置の調整方法。
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JP2002175643A JP2004022807A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | 半導体処理装置およびその調整方法 |
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JP2008053302A (ja) * | 2006-08-22 | 2008-03-06 | Tokyo Electron Ltd | 基板検知機構および基板収容容器 |
KR100982818B1 (ko) | 2007-12-14 | 2010-09-16 | 프라임 뷰 인터내셔널 코오포레이션 리미티드 | 기판 운반을 위한 장치 |
JP2014132684A (ja) * | 2009-03-13 | 2014-07-17 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | エンドエフェクタを備えたロボット及びその運転方法 |
-
2002
- 2002-06-17 JP JP2002175643A patent/JP2004022807A/ja active Pending
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