JP2004022520A - 電気部品のシール構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で、確実にシールできる電気部品のシール構造を提供する。
【解決手段】フラットケーブル12,13を内部に収容した第1コネクタ10と、フラットケーブルと導通可能な端子を有しかつ第1コネクタに嵌合可能な第2コネクタ20と、第1コネクタと第2コネクタとの間に介装されたシール部材24と、フラットケーブルを第1コネクタ内部に押し付けるプラグ14と、フラットケーブルと第1コネクタ間及びフラットケーブルとプラグ間に介在した防水シール15,16とを備え、第1コネクタへのプラグの押し付けに応じて防水シールが第1コネクタ内部に充填され、フラットケーブルと端子との導通接続部をコネクタ外部からシールする。
【選択図】 図3
【解決手段】フラットケーブル12,13を内部に収容した第1コネクタ10と、フラットケーブルと導通可能な端子を有しかつ第1コネクタに嵌合可能な第2コネクタ20と、第1コネクタと第2コネクタとの間に介装されたシール部材24と、フラットケーブルを第1コネクタ内部に押し付けるプラグ14と、フラットケーブルと第1コネクタ間及びフラットケーブルとプラグ間に介在した防水シール15,16とを備え、第1コネクタへのプラグの押し付けに応じて防水シールが第1コネクタ内部に充填され、フラットケーブルと端子との導通接続部をコネクタ外部からシールする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は電気部品のシール構造に関し、より詳細にはコネクタや、ランプユニットなどの電気部品のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車のエンジンルーム内には、ランプやECU(エレクトロコントロールユニット)等の電気部品が搭載されている。そして、エンジンルームの下面は開口しており、例えば、雨天時などの走行時においては、路面に溜まった雨水のはね上がりにより水分が電気部品にシャワー状に降りかかる場合がある。このような場合に、電気部品を完全に防水シールしておかないと、電気部品のショートなど電気部品の故障につながる。従来から、このような防水構造を実現するために、ゴムのシールパッキンによりコネクタ部分をシールすることが一般に行われている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゴムパッキンによるシールは、電気部品の大型化を招くとともに、部品点数の増大につながり、コスト高を招く。
【0003】
以下、図面に基づいて従来のランプコネクタのシール構造について説明する。従来のランプコネクタ50のシール構造は、図7に示すように、ランプソケット51と、ランプソケット51が嵌合するランプハウジング52と、ランプソケット内に挿通されたランプ用の端子53,54と、端子53,54の接点部に接続されたランプ55とを備えている。そして、防水構造としては、ランプソケット51とランプハウジング52との間にシールパッキン56が介装されるとともに、端子53,54とワイヤハーネスの端子部との間にそれぞれ1つずつシールパッキン(図示せず)を介装してシールされている。さらには、ランプコネクタ50とワイヤハーネス側の相手側コネクタ(図中、二点鎖線)との間も、図示しないシール材でシールされている。したがって、シール部は、ランプソケットとコネクタ部、電線部の3カ所になる。このようにシール部分が多いので、シール部品の部品点数が多くなり、組付工数が増大したり、シール不良が発生し易い。
【0004】
本発明は、以上の問題点にかんがみて、小型で、確実にシールできる電気部品のシール構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明にかかる電気部品のシール構造は、フラットケーブルを内部に収容した第1コネクタと、フラットケーブルと導通可能な端子を有しかつ第1コネクタに嵌合可能な第2コネクタと、第1コネクタと第2コネクタとの間に介装されたシール部材と、フラットケーブルを第1コネクタ内部に押し付けるプラグと、フラットケーブルと第1コネクタ間及びフラットケーブルとプラグ間に介在した防水シールとを備え、第1コネクタへのプラグの押し付けに応じて防水シールが第1コネクタ内部に充填され、フラットケーブルと端子との導通接続部をコネクタ外部からシールすることを特徴としている。
【0006】
フラットケーブルをプラグによって第1コネクタ内部に押し付けることで、プラグの押圧力がフラットケーブルに伝達される。フラットケーブルはその受圧面積が大きいためプラグの押圧力が均一に伝わり、フラットケーブル周囲の防水シール全体に均一に押圧力が伝わる。その結果、防水シール全体がフラットケーブル周囲空間に充填され、フラットケーブルと端子との導通接続部をコネクタ外部から確実にシールする。
【0007】
また従来のゴム栓を使うことなく、フラットケーブルの防水を行うことができるので、フラットケーブル表面の凹凸をくまなくシールできると共に防水部分の小型化を図ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、ランプ収容用の内部空間を備えたハウジングと、ハウジングと一体に形成され、ハウジング内部に配索されかつ瑞部が前記ハウジング外部から導出して接点を形成する配線体と、一端が前記接点に電気的に接続され、他端がランプに接続された端子を備えたランプソケットとを備え、配線体の端部と端子との導通接続部をハウジング外部からシールするシール部材を備えたことを特徴としている。
【0009】
配線体がハウジングと一体に形成され、かつハウジング内部に配索されており、配線体の端部とランプソケットの端子との導通接続部がシール部材によってハウジング外部からシールされているので、防水箇所が少なくて済む。すなわち、単一のシール部材でランプソケットをシールでき、部品点数の削減を図ることができる。また、ランプの玉切れなどによる電球交換時にコネクタの差し替え作業を必要とせず、電球交換作業の容易化を図ることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、内部に密閉された空間を有するハウジングと、ハウジングに設けられ、ハウジング内部の密閉空間にランプを収容した複数のランプソケットとを備え、複数のランプソケットとそれぞれ電気的に導通する複数の配線体を前記ハウジングと一体形成により前記ハウジング内に配設し、複数の配線体の各端部がハウジングの局所位置から導出し、シール部材を介して外部コネクタと接続可能なことを特徴としている。
【0011】
複数の配線体の各端部がハウジングの局所位置から導出し、シール部材を介して外部コネクタと接続可能となっているので、各ランプソケットそれぞれにワイヤハーネスを接続する必要がない。従って、複数のランプソケットを備えていても一箇所のコネクタ接続で済むのでワイヤハーネス接続作業の低減を図ることができる。また、このコネクタ部分のみをシールすれば十分で各ランプソケットに特別に防水タイプのコネクタを接続する必要がないので、コスト低減に貢献する。
【0012】
また、請求項4に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、請求項2に記載のハウジングに請求項2に記載のランプソケットを複数備えた請求項3に記載の電気部品のシール構造である。
【0013】
ランプユニットに備わった複数のランプソケットのそれぞれに請求項2に記載のランプソケットを使用しているので、シール性を確保しつつ部品点数の削減を図ることができる。また、ランプの玉切れなどによる電球交換時にコネクタの差し替え作業を必要とせず、電球交換作業の容易化を図ることができる。
【0014】
また、請求項5に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、請求項1に記載の電気部品のシール構造において、防水シールがスリットを有し、フラットケーブルがスリットに挿通されることを特徴としている。
【0015】
防水シールがスリットを有し、フラットケーブルがスリットに挿通されているので、プラグを第1コネクタ内に押し込むとフラットケーブル周囲が防水シールで確実に囲繞されフラットケーブルと第1コネクタ及びプラグ間を確実にシールできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施形態に係る電気部品のシール構造は、コネクタ1のシール構造に関するものである。具体的には、図3に示すように、フラットケーブル12,13を内部に収納した雄コネクタ10と、雄コネクタ10に導通接続する端子22を有した雌コネクタ20と、両コネクタ間を防水シールするシールパッキン24を備えている。雄コネクタ10はさらに、フラットケーブル12,13を雄コネクタ内部に押し込むためのプラグ14を有している。また、雄コネクタ10とフラットケーブル12,13間、及びフラットケーブル12,13とプラグ14間にはそれぞれジェル状の防水シール15,16が備わっている。
【0017】
以下、図1から図3に基づいて各構成要素を説明する。なお、図3において、コネクタ1の左半分(二点鎖線の左側)は、ECUやランプなどの、電気部品の内部になっており、コネクタ1の右半分(二点鎖線の右側)は、フラットケーブル12,13の導出部分、すなわち、水滴等が飛散する例えばエンジンルーム内になっている。
【0018】
図1に示すように、雄コネクタ10はコネクタハウジング11とこれに挿通収容されたフラットケーブル12,13を備えている。なお、フラットケーブル12,13はそれぞれ複数本(例えば5本)互いに等間隔隔ててコネクタハウジング11に端面視で並列に挿入配置されている。そして、以下の説明ではそのうちの一対のフラットケーブル12,13について行う。
【0019】
コネクタハウジング11は樹脂でできており、端面視矩形形状を有しかつ先端部が側面視で先細り形状を有している。コネクタハウジング11の内部には、2つのフラットケーブル挿通空間11c,11dが形成されている。すなわち、コネクタハウジング11の端部内部には中央部に架橋部11eが備わり、これによってフラットケーブル12,13の通路がそれぞれ独立して形成され、互いのフラットケーブル端部を電気的に絶縁している。
【0020】
コネクタハウジング11の内部中央には段部11aが設けられている。段部11aは、雄コネクタ10とフラットケーブル間に介在する第1の防水シール15を収納する役割を果たしている。また、プラグ14もこの段部11aに対応する段部14aを有し、この段部14aとフラットケーブル間にも第2の防水シール16が介在するようになっている。
【0021】
防水シール15,16は、スポンジ形状を有した四角角型の枠形状を備え、内部にシリコン液を含有している。そして、防水シール15,16を一定の圧力以上で圧縮すると、内部のシリコン液が外部にしみ出してくるようになっている。
【0022】
雄コネクタ10の先端部に形成された、フラットケーブル通路形成用の架橋部11eは両持梁形状を有し、上述の通りフラットケーブル先端部を互いに接触させない役目を果たしている。なお、フラットケーブル12,13の先端部は、相手側の端子と電気的に接触可能なように導体部が露出しており、後述する雌コネクタの端子22,23と接触することができる。
【0023】
続いて、図2に示す雌コネクタ20について説明する。雌コネクタ20は雄コネクタ10を収容する樹脂製の雌コネクタハウジング21と、雌コネクタハウジング内に一体成型された端子22,23と、雌コネクタハウジング21に形成された段部21aに係合しているゴム製のシールパッキン24とを備えている。なお、端子22,23は、雌コネクタ20の幅方向(図2中紙面と垂直方向)に互いに電気的に絶縁された状態で併設されている。従って、図2では一方のコネクタ22のみが図示されている。また、端子22,23の先端部には互いに対向する凸部22a,23aが形成され、雄コネクタ10を雌コネクタ20に押し込むと、雄コネクタ先端部のフラットケーブル12,13がそれぞれ、端子22の先端部に押し付けられて機械的に結合するようになっている。
【0024】
また、端子22の先端部22aは一方のフラットケーブル(例えばフラットケーブル12)のみと電気的に導通し、端子23の先端部23aは他方のフラットケーブル(例えばフラットケーブル13)のみと電気的に導通するようになっている。
【0025】
雌コネクタ20の、雄コネクタ挿入側端部開口部には、雄コネクタ10とのラッチ係合爪25が形成されている。この係合爪25は片持ち梁状で可撓性を有し、対応する雄コネクタ10の凹部11bと係合し合うようになっている。
【0026】
なお、上述したように雄コネクタハウジング11と雌コネクタハウジング21は共に樹脂でできているが、絶縁性と強度性を有すればこの材質に限定されることはない。
【0027】
続いて、雄コネクタ10と雌コネクタ20との嵌合について説明する。まず最初に、雄コネクタ10に防水シール15を収容し、フラットケーブル12,13を挿入した状態で防水シール16を備えたプラグ14を雄コネクタ10内に位置決めする。そして、雄コネクタ10を雌コネクタ20に挿入していく。この挿入過程で雌コネクタ20のラッチ係合爪25が撓んだ後、雄コネクタ10の凹部11bに係合してコネクタ間の嵌合が行われる。
【0028】
プラグ14は、雄コネクタ10の基端側開口部(図中右側)から挿入されて雄コネクタ内に押し込まれると、雄コネクタ内にすでに挿通されたフラットケーブル12,13の一部を折り曲げながら、フラットケーブル全体を雄コネクタ10の先端側に押し込んでいく。プラグ14をこのように雄コネクタ10の内部に押し込むと、2つの防水シール15,16がフラットケーブル12,13とプラグ14、コネクタハウジングの段部11aによって全体的に圧縮され防水シール全体からシリコン液がしみ出す。そして、プラグ14とフラットケーブルとの間、及びフラットケーブルと雄コネクタ10との間の空間にシリコン液が充填され、雄コネクタ外部から雄コネクタ内部への水分の侵入を阻止する(水密を保つ。)。
【0029】
なお、図3は雄コネクタ10と雌コネクタ20が嵌合し合った状態を示している。この嵌合状態では、雄コネクタ10は雌コネクタ20のラッチ係合爪25と係合するとともに、雄コネクタ10と雌コネクタ20との間のシールパッキン24が圧縮されてこの部分のシール性を確保している。また、雄コネクタ10のフラットケーブル12,13はそれぞれ雌コネクタ20の端子22,23にしっかりと押し付けられて各導体間の接触性が確保されている。そして、上述した通りプラグ14は雄コネクタ内部に押し付けられており、プラグ14を挟み込む2つの防水シール15,16はこのプラグ14の押し付けによってつぶされ、内部からしみ出したシリコン液がこの部分の隙間に充填され、シール性を確保している。
【0030】
上述したフラットケーブル12,13は複数の導線を並列に一体化したもので幅方向に細かな凹凸が連続するが、防水シール15,16から流出したシリコン液がこの細かな凹凸に入り込んでシールするので、従来のゴムパッキンに比べてシール性が格段に向上する。
【0031】
なお、プラグ14は雄コネクタ10を雌コネクタ20に嵌合する前に雄コネクタ内に挿入しても良く、雄コネクタ10を雌コネクタ20に嵌合すると同時に雄コネクタ内に挿入しても良い。しかしながら、後者の方がコネクタ間の嵌合と雄コネクタ内のシールを同時に行うことができ、作業性の観点から好ましい。
【0032】
以上のように本発明の第1の実施形態にかかる防水シール構造は、プラグ14を雄コネクタ内部に押し付けながら雌コネクタ20に雄コネクタ10を押し込むと、防水シール15,16が圧縮されてこの中に含有されたシリコン液がしみ出して雄コネクタ内のすき間を覆うになっている。そして、防水シール15,16とフラットケーブル12,13とはフラットケーブル12,13が、幅広の形状を有しているので、プラグ14の押圧力がフラットケーブル12,13に均一に作用し、防水シール15,16を均一に圧縮することによって、防水シール内のシリコン液が無駄なく外部にしみ出して防水シール近傍のフラットケーブル全体に行きわたるようになっており、これによって、シール性の向上を図ることができる。
【0033】
なお、上述の実施形態では、防水シール15,16は、矩形枠状の大きな第1の防水シール15と、同じく矩形枠状の小さな第2の防水シール16とから構成され、これらの防水シール間でフラットケーブルを挟み込むような構成になっていたが、防水シールが必ずしもこのように2つの防水シール15,16から構成される必要はなく、例えば、図4に一部断面斜視図で示すように、矩形枠形状を有した単一の防水シール17に端面視斜めのスリット17a,17bを上下に1つずつ設け、この2つのスリット17a,17bにフラットケーブル12,13をそれぞれ挿入してプラグ14を押し込むようにしても良い。スリット17a,17bが端面視斜めに形成されているので、プラグ14を雄コネクタ10に押し込んだとき、フラットケーブル12,13を挟み込んだ防水シール17が雄コネクタハウジングの段部11a及びプラグの段部14aによって押圧され、内部のシリコン液が均一にしみ出してこの部分を確実にシールする。そして、このように防水シールを一部品にすれば部品点数の削減につながり、コスト低減に貢献する。
【0034】
なお、かかるスポンジ状防水シールの代わりにシリコン液などの防水剤を薄いチューブに充填したものを防水シールとして雄コネクタ内部に収容し、プラグの押圧力によってこのチューブが破れてシリコン液が流出するようにしても良い。
【0035】
以上の通り説明したように、本発明の第一の実施形態にかかる電気部品のシール構造は、雌コネクタ20に雄コネクタ10を押し込むと同時に、プラグ14を雄コネクタ10の内部に押し込むだけで、コネクタ内部の接点を外部から完全にシールすることができる。したがって、電気部品の小型化を図るとともに、部品点数を削減したシール構造を達成することができる。
【0036】
続いて、本発明の第二の実施形態にかかる電気部品のシール構造について説明する。本実施形態にかかる電気部品のシール構造は、図5に示すように、ランプユニット40にランプソケット30を組み付けた場合の防水シール構造を具現化したものである。ランプユニット40は、ランプ収容用の内部空間を備えかつ配線体が一体成型されたランプハウジング41と、ランプハウジング41の接点部42,43に導通接続する端子32,33及び端子32,33に接続されたランプ35を備えている。ランプハウジング41は、樹脂でできておりランプハウジング41の照射面と反対側の面には、ランプソケット嵌めこみ用の凹部41aが形成されている。そして、凹部41aの周囲には反射板としての凸条41bが形成されている。ランプソケット嵌め込み用の凹部41aには、ハウジング41と一体形成された2本の配線体44,45の端部がそれぞれ露出しており、これが後述するランプソケット30の端子部の一端とそれぞれ電気的に接続するようになっている。
【0037】
ランプソケット30の本体は、プレート状のボディ31と、ボディ31の中央からランプユニット側に突出成型されたランプ収容部31aと、このランプ収容部31aと反対面に形成された凸部31bとを備えている。
【0038】
また、ボディ31のランプハウジング41側には全周に亘ってシールパッキン用の溝部31cが形成され、溝部31cにゴム製シールパッキン34が嵌装されている。また、ランプ収容部31aの先端部には、前述した配線体44,45の端部と一端が接続し他端がランプ35と電気的に接続するようになった端子32,33がそれぞれ設けられている。そして、これらの端子32,33は片方がプラス側となりもう片方がマイナス側となっており、配線体44,45を介して供給された電力によってランプ35を点灯または点滅するようになっている。また、図に二点鎖線で示す部分は、ランプユニット40のガラス面46であり、ランプ35は、ランプハウジング41とランプのガラス面46との間に密閉収容されている。
【0039】
以上の構成を有することによって、ランプソケット30とランプハウジング41とのシールはシールパッキン34のみの使用で済む。従って、シールのための部品点数が1点で済み、部品点数を削減するとともに、シールの信頼性を向上させることができる。
【0040】
続いて、このように構成されたランプソケット部分を有するランプユニット40の全体図について説明する。この全体図は、図6に示すように、ランプユニット40のハウジング41に電流を流すフラット状のバスバーBがハウジング41との一体成型により埋設されており、その一端部はランプユニット40の片側端部から導出している。この図ではランプLが3つ備わっており、バスバーBもそれに応じて各ランプLの点灯または点滅のために互いに電気的に独立した4本のバスバーB(個々には図示せず)がハウジング41に一体に設けられている。なお、1本のバスバーBは共通のアース端子を形成している。そして、これらの互いに独立したバスバーBの端部BEは、前述したランプユニット40の局所位置(図中右端部)から導出している。
【0041】
従って、以上のような構成を有することで従来のように各ランプソケット毎に電線を這わせる必要が全く無く、それに用いる複数のコネクタ用シール部材を介装する必要も無い。また、端子BEをランプユニット端部からまとめて1つのコネクタに接続できるようになっているので、この部分でのシール性を確保することと、各電線ソケットにおいてそれぞれ1つのシール部材を介装するだけで、ランプユニット全体をシールすることが可能となる。そのため、ランプユニット40の組み付けが容易になるとともに、防水性が従来のランプユニット40よりも格段に向上し、製品の信頼性を高めることができる。
【0042】
なお、図6に示すように、ランプユニット40は、その反射特性を理想的な特性とすべく、反射面が複雑なリブ形状になっている。即ち、ランプソケット30の取付部が複雑なリブ形状を有しており、これによって、従来では各ランプソケットを装着しながら、各ランプソケットの端子にワイヤハーネスを接続しようとするので組み付け作業に非常に手間がかかっていた。しかしながら、本実施形態におけるランプユニット40を用いれば、かかる組み付け作業に関しては、ランプソケット30をランプユニット40に嵌め込むだけで済み、更なるワイヤハーネスの個別接続を必要としないので、作業性が格段に向上する。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる電気部品のシール構造は、プラグによってフラットケーブルを第1コネクタ内部に押し付けることで、プラグの押圧力がフラットケーブルに伝達される。フラットケーブルはその受圧面積が大きいためプラグの押圧力が均一に伝わり、フラットケーブル周囲の防水シールにも均一に押圧力が伝わることでフラットケーブル全周に防水シールが密着し、フラットケーブルと端子との導通接続部をコネクタ外部から確実にシールする。
【0044】
また、請求項2に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、配線体がハウジングと一体に形成され、かつハウジング内部に配索されており、配線体の端部とランプソケットの端子との導通接続部がシール部材によってハウジング外部からシールされているので、防水箇所が少なくてすむ。すなわち、単一のシール部材でランプソケットをシールでき、部品点数の削減を図ることができる。また、ランプの玉切れなどによる電球交換時にコネクタの差し替え作業を必要とせず、電球交換作業の容易化を図ることができる。
【0045】
また、請求項3に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、複数の配線体の各端部がハウジングの局所位置から導出し、シール部材を介して外部コネクタと接続可能となっているので、各ランプソケットそれぞれにワイヤハーネスを接続する必要がなく、複数のランプソケットであっても一箇所のコネクタ接続で済むのでワイヤハーネス接続作業の低減を図ることができる。また、この部分をシールすればよく各ランプソケットに防水タイプのコネクタを接続する必要がないので、コスト低減に貢献する。
【0046】
また、請求項4に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、ランプユニットに複数備えたランプソケットのそれぞれに請求項2に記載のランプソケットを使用しているので、シール性を確保しつつ部品点数の削減を図ることができる。また、ランプの玉切れなどによる電球交換時にコネクタの差し替え作業を必要とせず、電球交換作業の容易化を図ることができる。
【0047】
また、請求項5に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、請求項1に記載の電気部品のシール構造において、防水シールがスリットを有し、フラットケーブルがスリットに挿通されているので、プラグを第1コネクタ内に押し込むとフラットケーブル周囲が防水シールで確実に囲繞されフラットケーブルと第1コネクタ及びプラグ間を完全にシールできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる電気部品のシール構造における雄コネクタの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる電気部品のシール構造における雌コネクタの断面図である。
【図3】図1の雄コネクタと図2の雌コネクタとが嵌合した状態を示す断面図である。
【図4】図1の実施形態における防水シールの変形例を示した一部破断斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる電気部品のシール構造におけるランプソケットの断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態にかかる電気部品のシール構造におけるランプユニットの断面図である。
【図7】従来のランプユニットのランプソケット部における断面図である。
【符号の説明】
1 コネクタ
10 雄コネクタ
11 コネクタハウジング
11a 段部
11b 凹部
11c,11d フラットケーブル挿通空間
11e 架橋部
12,13 フラットケーブル
14 プラグ
15,16 防水シール
17 防水シール
20 雌コネクタ
21 コネクタハウジング
21a 段部
22 端子
22a 凸部
24 シールパッキン
25 ラッチ係合爪
30 ランプソケット
31 ボディ
31a ランプ収容部
31b 凸部
31c 溝部
32,33 端子
34 シールパッキン
35 ランプ
40 ランプユニット
41 ランプハウジング
41a,41b 凹部
42,43 接点部
44,45 配線体
46 ガラス面
L ランプ
B バスバー
BE 端子
【発明が属する技術分野】
本発明は電気部品のシール構造に関し、より詳細にはコネクタや、ランプユニットなどの電気部品のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車のエンジンルーム内には、ランプやECU(エレクトロコントロールユニット)等の電気部品が搭載されている。そして、エンジンルームの下面は開口しており、例えば、雨天時などの走行時においては、路面に溜まった雨水のはね上がりにより水分が電気部品にシャワー状に降りかかる場合がある。このような場合に、電気部品を完全に防水シールしておかないと、電気部品のショートなど電気部品の故障につながる。従来から、このような防水構造を実現するために、ゴムのシールパッキンによりコネクタ部分をシールすることが一般に行われている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゴムパッキンによるシールは、電気部品の大型化を招くとともに、部品点数の増大につながり、コスト高を招く。
【0003】
以下、図面に基づいて従来のランプコネクタのシール構造について説明する。従来のランプコネクタ50のシール構造は、図7に示すように、ランプソケット51と、ランプソケット51が嵌合するランプハウジング52と、ランプソケット内に挿通されたランプ用の端子53,54と、端子53,54の接点部に接続されたランプ55とを備えている。そして、防水構造としては、ランプソケット51とランプハウジング52との間にシールパッキン56が介装されるとともに、端子53,54とワイヤハーネスの端子部との間にそれぞれ1つずつシールパッキン(図示せず)を介装してシールされている。さらには、ランプコネクタ50とワイヤハーネス側の相手側コネクタ(図中、二点鎖線)との間も、図示しないシール材でシールされている。したがって、シール部は、ランプソケットとコネクタ部、電線部の3カ所になる。このようにシール部分が多いので、シール部品の部品点数が多くなり、組付工数が増大したり、シール不良が発生し易い。
【0004】
本発明は、以上の問題点にかんがみて、小型で、確実にシールできる電気部品のシール構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明にかかる電気部品のシール構造は、フラットケーブルを内部に収容した第1コネクタと、フラットケーブルと導通可能な端子を有しかつ第1コネクタに嵌合可能な第2コネクタと、第1コネクタと第2コネクタとの間に介装されたシール部材と、フラットケーブルを第1コネクタ内部に押し付けるプラグと、フラットケーブルと第1コネクタ間及びフラットケーブルとプラグ間に介在した防水シールとを備え、第1コネクタへのプラグの押し付けに応じて防水シールが第1コネクタ内部に充填され、フラットケーブルと端子との導通接続部をコネクタ外部からシールすることを特徴としている。
【0006】
フラットケーブルをプラグによって第1コネクタ内部に押し付けることで、プラグの押圧力がフラットケーブルに伝達される。フラットケーブルはその受圧面積が大きいためプラグの押圧力が均一に伝わり、フラットケーブル周囲の防水シール全体に均一に押圧力が伝わる。その結果、防水シール全体がフラットケーブル周囲空間に充填され、フラットケーブルと端子との導通接続部をコネクタ外部から確実にシールする。
【0007】
また従来のゴム栓を使うことなく、フラットケーブルの防水を行うことができるので、フラットケーブル表面の凹凸をくまなくシールできると共に防水部分の小型化を図ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、ランプ収容用の内部空間を備えたハウジングと、ハウジングと一体に形成され、ハウジング内部に配索されかつ瑞部が前記ハウジング外部から導出して接点を形成する配線体と、一端が前記接点に電気的に接続され、他端がランプに接続された端子を備えたランプソケットとを備え、配線体の端部と端子との導通接続部をハウジング外部からシールするシール部材を備えたことを特徴としている。
【0009】
配線体がハウジングと一体に形成され、かつハウジング内部に配索されており、配線体の端部とランプソケットの端子との導通接続部がシール部材によってハウジング外部からシールされているので、防水箇所が少なくて済む。すなわち、単一のシール部材でランプソケットをシールでき、部品点数の削減を図ることができる。また、ランプの玉切れなどによる電球交換時にコネクタの差し替え作業を必要とせず、電球交換作業の容易化を図ることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、内部に密閉された空間を有するハウジングと、ハウジングに設けられ、ハウジング内部の密閉空間にランプを収容した複数のランプソケットとを備え、複数のランプソケットとそれぞれ電気的に導通する複数の配線体を前記ハウジングと一体形成により前記ハウジング内に配設し、複数の配線体の各端部がハウジングの局所位置から導出し、シール部材を介して外部コネクタと接続可能なことを特徴としている。
【0011】
複数の配線体の各端部がハウジングの局所位置から導出し、シール部材を介して外部コネクタと接続可能となっているので、各ランプソケットそれぞれにワイヤハーネスを接続する必要がない。従って、複数のランプソケットを備えていても一箇所のコネクタ接続で済むのでワイヤハーネス接続作業の低減を図ることができる。また、このコネクタ部分のみをシールすれば十分で各ランプソケットに特別に防水タイプのコネクタを接続する必要がないので、コスト低減に貢献する。
【0012】
また、請求項4に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、請求項2に記載のハウジングに請求項2に記載のランプソケットを複数備えた請求項3に記載の電気部品のシール構造である。
【0013】
ランプユニットに備わった複数のランプソケットのそれぞれに請求項2に記載のランプソケットを使用しているので、シール性を確保しつつ部品点数の削減を図ることができる。また、ランプの玉切れなどによる電球交換時にコネクタの差し替え作業を必要とせず、電球交換作業の容易化を図ることができる。
【0014】
また、請求項5に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、請求項1に記載の電気部品のシール構造において、防水シールがスリットを有し、フラットケーブルがスリットに挿通されることを特徴としている。
【0015】
防水シールがスリットを有し、フラットケーブルがスリットに挿通されているので、プラグを第1コネクタ内に押し込むとフラットケーブル周囲が防水シールで確実に囲繞されフラットケーブルと第1コネクタ及びプラグ間を確実にシールできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施形態に係る電気部品のシール構造は、コネクタ1のシール構造に関するものである。具体的には、図3に示すように、フラットケーブル12,13を内部に収納した雄コネクタ10と、雄コネクタ10に導通接続する端子22を有した雌コネクタ20と、両コネクタ間を防水シールするシールパッキン24を備えている。雄コネクタ10はさらに、フラットケーブル12,13を雄コネクタ内部に押し込むためのプラグ14を有している。また、雄コネクタ10とフラットケーブル12,13間、及びフラットケーブル12,13とプラグ14間にはそれぞれジェル状の防水シール15,16が備わっている。
【0017】
以下、図1から図3に基づいて各構成要素を説明する。なお、図3において、コネクタ1の左半分(二点鎖線の左側)は、ECUやランプなどの、電気部品の内部になっており、コネクタ1の右半分(二点鎖線の右側)は、フラットケーブル12,13の導出部分、すなわち、水滴等が飛散する例えばエンジンルーム内になっている。
【0018】
図1に示すように、雄コネクタ10はコネクタハウジング11とこれに挿通収容されたフラットケーブル12,13を備えている。なお、フラットケーブル12,13はそれぞれ複数本(例えば5本)互いに等間隔隔ててコネクタハウジング11に端面視で並列に挿入配置されている。そして、以下の説明ではそのうちの一対のフラットケーブル12,13について行う。
【0019】
コネクタハウジング11は樹脂でできており、端面視矩形形状を有しかつ先端部が側面視で先細り形状を有している。コネクタハウジング11の内部には、2つのフラットケーブル挿通空間11c,11dが形成されている。すなわち、コネクタハウジング11の端部内部には中央部に架橋部11eが備わり、これによってフラットケーブル12,13の通路がそれぞれ独立して形成され、互いのフラットケーブル端部を電気的に絶縁している。
【0020】
コネクタハウジング11の内部中央には段部11aが設けられている。段部11aは、雄コネクタ10とフラットケーブル間に介在する第1の防水シール15を収納する役割を果たしている。また、プラグ14もこの段部11aに対応する段部14aを有し、この段部14aとフラットケーブル間にも第2の防水シール16が介在するようになっている。
【0021】
防水シール15,16は、スポンジ形状を有した四角角型の枠形状を備え、内部にシリコン液を含有している。そして、防水シール15,16を一定の圧力以上で圧縮すると、内部のシリコン液が外部にしみ出してくるようになっている。
【0022】
雄コネクタ10の先端部に形成された、フラットケーブル通路形成用の架橋部11eは両持梁形状を有し、上述の通りフラットケーブル先端部を互いに接触させない役目を果たしている。なお、フラットケーブル12,13の先端部は、相手側の端子と電気的に接触可能なように導体部が露出しており、後述する雌コネクタの端子22,23と接触することができる。
【0023】
続いて、図2に示す雌コネクタ20について説明する。雌コネクタ20は雄コネクタ10を収容する樹脂製の雌コネクタハウジング21と、雌コネクタハウジング内に一体成型された端子22,23と、雌コネクタハウジング21に形成された段部21aに係合しているゴム製のシールパッキン24とを備えている。なお、端子22,23は、雌コネクタ20の幅方向(図2中紙面と垂直方向)に互いに電気的に絶縁された状態で併設されている。従って、図2では一方のコネクタ22のみが図示されている。また、端子22,23の先端部には互いに対向する凸部22a,23aが形成され、雄コネクタ10を雌コネクタ20に押し込むと、雄コネクタ先端部のフラットケーブル12,13がそれぞれ、端子22の先端部に押し付けられて機械的に結合するようになっている。
【0024】
また、端子22の先端部22aは一方のフラットケーブル(例えばフラットケーブル12)のみと電気的に導通し、端子23の先端部23aは他方のフラットケーブル(例えばフラットケーブル13)のみと電気的に導通するようになっている。
【0025】
雌コネクタ20の、雄コネクタ挿入側端部開口部には、雄コネクタ10とのラッチ係合爪25が形成されている。この係合爪25は片持ち梁状で可撓性を有し、対応する雄コネクタ10の凹部11bと係合し合うようになっている。
【0026】
なお、上述したように雄コネクタハウジング11と雌コネクタハウジング21は共に樹脂でできているが、絶縁性と強度性を有すればこの材質に限定されることはない。
【0027】
続いて、雄コネクタ10と雌コネクタ20との嵌合について説明する。まず最初に、雄コネクタ10に防水シール15を収容し、フラットケーブル12,13を挿入した状態で防水シール16を備えたプラグ14を雄コネクタ10内に位置決めする。そして、雄コネクタ10を雌コネクタ20に挿入していく。この挿入過程で雌コネクタ20のラッチ係合爪25が撓んだ後、雄コネクタ10の凹部11bに係合してコネクタ間の嵌合が行われる。
【0028】
プラグ14は、雄コネクタ10の基端側開口部(図中右側)から挿入されて雄コネクタ内に押し込まれると、雄コネクタ内にすでに挿通されたフラットケーブル12,13の一部を折り曲げながら、フラットケーブル全体を雄コネクタ10の先端側に押し込んでいく。プラグ14をこのように雄コネクタ10の内部に押し込むと、2つの防水シール15,16がフラットケーブル12,13とプラグ14、コネクタハウジングの段部11aによって全体的に圧縮され防水シール全体からシリコン液がしみ出す。そして、プラグ14とフラットケーブルとの間、及びフラットケーブルと雄コネクタ10との間の空間にシリコン液が充填され、雄コネクタ外部から雄コネクタ内部への水分の侵入を阻止する(水密を保つ。)。
【0029】
なお、図3は雄コネクタ10と雌コネクタ20が嵌合し合った状態を示している。この嵌合状態では、雄コネクタ10は雌コネクタ20のラッチ係合爪25と係合するとともに、雄コネクタ10と雌コネクタ20との間のシールパッキン24が圧縮されてこの部分のシール性を確保している。また、雄コネクタ10のフラットケーブル12,13はそれぞれ雌コネクタ20の端子22,23にしっかりと押し付けられて各導体間の接触性が確保されている。そして、上述した通りプラグ14は雄コネクタ内部に押し付けられており、プラグ14を挟み込む2つの防水シール15,16はこのプラグ14の押し付けによってつぶされ、内部からしみ出したシリコン液がこの部分の隙間に充填され、シール性を確保している。
【0030】
上述したフラットケーブル12,13は複数の導線を並列に一体化したもので幅方向に細かな凹凸が連続するが、防水シール15,16から流出したシリコン液がこの細かな凹凸に入り込んでシールするので、従来のゴムパッキンに比べてシール性が格段に向上する。
【0031】
なお、プラグ14は雄コネクタ10を雌コネクタ20に嵌合する前に雄コネクタ内に挿入しても良く、雄コネクタ10を雌コネクタ20に嵌合すると同時に雄コネクタ内に挿入しても良い。しかしながら、後者の方がコネクタ間の嵌合と雄コネクタ内のシールを同時に行うことができ、作業性の観点から好ましい。
【0032】
以上のように本発明の第1の実施形態にかかる防水シール構造は、プラグ14を雄コネクタ内部に押し付けながら雌コネクタ20に雄コネクタ10を押し込むと、防水シール15,16が圧縮されてこの中に含有されたシリコン液がしみ出して雄コネクタ内のすき間を覆うになっている。そして、防水シール15,16とフラットケーブル12,13とはフラットケーブル12,13が、幅広の形状を有しているので、プラグ14の押圧力がフラットケーブル12,13に均一に作用し、防水シール15,16を均一に圧縮することによって、防水シール内のシリコン液が無駄なく外部にしみ出して防水シール近傍のフラットケーブル全体に行きわたるようになっており、これによって、シール性の向上を図ることができる。
【0033】
なお、上述の実施形態では、防水シール15,16は、矩形枠状の大きな第1の防水シール15と、同じく矩形枠状の小さな第2の防水シール16とから構成され、これらの防水シール間でフラットケーブルを挟み込むような構成になっていたが、防水シールが必ずしもこのように2つの防水シール15,16から構成される必要はなく、例えば、図4に一部断面斜視図で示すように、矩形枠形状を有した単一の防水シール17に端面視斜めのスリット17a,17bを上下に1つずつ設け、この2つのスリット17a,17bにフラットケーブル12,13をそれぞれ挿入してプラグ14を押し込むようにしても良い。スリット17a,17bが端面視斜めに形成されているので、プラグ14を雄コネクタ10に押し込んだとき、フラットケーブル12,13を挟み込んだ防水シール17が雄コネクタハウジングの段部11a及びプラグの段部14aによって押圧され、内部のシリコン液が均一にしみ出してこの部分を確実にシールする。そして、このように防水シールを一部品にすれば部品点数の削減につながり、コスト低減に貢献する。
【0034】
なお、かかるスポンジ状防水シールの代わりにシリコン液などの防水剤を薄いチューブに充填したものを防水シールとして雄コネクタ内部に収容し、プラグの押圧力によってこのチューブが破れてシリコン液が流出するようにしても良い。
【0035】
以上の通り説明したように、本発明の第一の実施形態にかかる電気部品のシール構造は、雌コネクタ20に雄コネクタ10を押し込むと同時に、プラグ14を雄コネクタ10の内部に押し込むだけで、コネクタ内部の接点を外部から完全にシールすることができる。したがって、電気部品の小型化を図るとともに、部品点数を削減したシール構造を達成することができる。
【0036】
続いて、本発明の第二の実施形態にかかる電気部品のシール構造について説明する。本実施形態にかかる電気部品のシール構造は、図5に示すように、ランプユニット40にランプソケット30を組み付けた場合の防水シール構造を具現化したものである。ランプユニット40は、ランプ収容用の内部空間を備えかつ配線体が一体成型されたランプハウジング41と、ランプハウジング41の接点部42,43に導通接続する端子32,33及び端子32,33に接続されたランプ35を備えている。ランプハウジング41は、樹脂でできておりランプハウジング41の照射面と反対側の面には、ランプソケット嵌めこみ用の凹部41aが形成されている。そして、凹部41aの周囲には反射板としての凸条41bが形成されている。ランプソケット嵌め込み用の凹部41aには、ハウジング41と一体形成された2本の配線体44,45の端部がそれぞれ露出しており、これが後述するランプソケット30の端子部の一端とそれぞれ電気的に接続するようになっている。
【0037】
ランプソケット30の本体は、プレート状のボディ31と、ボディ31の中央からランプユニット側に突出成型されたランプ収容部31aと、このランプ収容部31aと反対面に形成された凸部31bとを備えている。
【0038】
また、ボディ31のランプハウジング41側には全周に亘ってシールパッキン用の溝部31cが形成され、溝部31cにゴム製シールパッキン34が嵌装されている。また、ランプ収容部31aの先端部には、前述した配線体44,45の端部と一端が接続し他端がランプ35と電気的に接続するようになった端子32,33がそれぞれ設けられている。そして、これらの端子32,33は片方がプラス側となりもう片方がマイナス側となっており、配線体44,45を介して供給された電力によってランプ35を点灯または点滅するようになっている。また、図に二点鎖線で示す部分は、ランプユニット40のガラス面46であり、ランプ35は、ランプハウジング41とランプのガラス面46との間に密閉収容されている。
【0039】
以上の構成を有することによって、ランプソケット30とランプハウジング41とのシールはシールパッキン34のみの使用で済む。従って、シールのための部品点数が1点で済み、部品点数を削減するとともに、シールの信頼性を向上させることができる。
【0040】
続いて、このように構成されたランプソケット部分を有するランプユニット40の全体図について説明する。この全体図は、図6に示すように、ランプユニット40のハウジング41に電流を流すフラット状のバスバーBがハウジング41との一体成型により埋設されており、その一端部はランプユニット40の片側端部から導出している。この図ではランプLが3つ備わっており、バスバーBもそれに応じて各ランプLの点灯または点滅のために互いに電気的に独立した4本のバスバーB(個々には図示せず)がハウジング41に一体に設けられている。なお、1本のバスバーBは共通のアース端子を形成している。そして、これらの互いに独立したバスバーBの端部BEは、前述したランプユニット40の局所位置(図中右端部)から導出している。
【0041】
従って、以上のような構成を有することで従来のように各ランプソケット毎に電線を這わせる必要が全く無く、それに用いる複数のコネクタ用シール部材を介装する必要も無い。また、端子BEをランプユニット端部からまとめて1つのコネクタに接続できるようになっているので、この部分でのシール性を確保することと、各電線ソケットにおいてそれぞれ1つのシール部材を介装するだけで、ランプユニット全体をシールすることが可能となる。そのため、ランプユニット40の組み付けが容易になるとともに、防水性が従来のランプユニット40よりも格段に向上し、製品の信頼性を高めることができる。
【0042】
なお、図6に示すように、ランプユニット40は、その反射特性を理想的な特性とすべく、反射面が複雑なリブ形状になっている。即ち、ランプソケット30の取付部が複雑なリブ形状を有しており、これによって、従来では各ランプソケットを装着しながら、各ランプソケットの端子にワイヤハーネスを接続しようとするので組み付け作業に非常に手間がかかっていた。しかしながら、本実施形態におけるランプユニット40を用いれば、かかる組み付け作業に関しては、ランプソケット30をランプユニット40に嵌め込むだけで済み、更なるワイヤハーネスの個別接続を必要としないので、作業性が格段に向上する。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる電気部品のシール構造は、プラグによってフラットケーブルを第1コネクタ内部に押し付けることで、プラグの押圧力がフラットケーブルに伝達される。フラットケーブルはその受圧面積が大きいためプラグの押圧力が均一に伝わり、フラットケーブル周囲の防水シールにも均一に押圧力が伝わることでフラットケーブル全周に防水シールが密着し、フラットケーブルと端子との導通接続部をコネクタ外部から確実にシールする。
【0044】
また、請求項2に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、配線体がハウジングと一体に形成され、かつハウジング内部に配索されており、配線体の端部とランプソケットの端子との導通接続部がシール部材によってハウジング外部からシールされているので、防水箇所が少なくてすむ。すなわち、単一のシール部材でランプソケットをシールでき、部品点数の削減を図ることができる。また、ランプの玉切れなどによる電球交換時にコネクタの差し替え作業を必要とせず、電球交換作業の容易化を図ることができる。
【0045】
また、請求項3に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、複数の配線体の各端部がハウジングの局所位置から導出し、シール部材を介して外部コネクタと接続可能となっているので、各ランプソケットそれぞれにワイヤハーネスを接続する必要がなく、複数のランプソケットであっても一箇所のコネクタ接続で済むのでワイヤハーネス接続作業の低減を図ることができる。また、この部分をシールすればよく各ランプソケットに防水タイプのコネクタを接続する必要がないので、コスト低減に貢献する。
【0046】
また、請求項4に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、ランプユニットに複数備えたランプソケットのそれぞれに請求項2に記載のランプソケットを使用しているので、シール性を確保しつつ部品点数の削減を図ることができる。また、ランプの玉切れなどによる電球交換時にコネクタの差し替え作業を必要とせず、電球交換作業の容易化を図ることができる。
【0047】
また、請求項5に記載の本発明にかかる電気部品のシール構造は、請求項1に記載の電気部品のシール構造において、防水シールがスリットを有し、フラットケーブルがスリットに挿通されているので、プラグを第1コネクタ内に押し込むとフラットケーブル周囲が防水シールで確実に囲繞されフラットケーブルと第1コネクタ及びプラグ間を完全にシールできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる電気部品のシール構造における雄コネクタの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる電気部品のシール構造における雌コネクタの断面図である。
【図3】図1の雄コネクタと図2の雌コネクタとが嵌合した状態を示す断面図である。
【図4】図1の実施形態における防水シールの変形例を示した一部破断斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる電気部品のシール構造におけるランプソケットの断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態にかかる電気部品のシール構造におけるランプユニットの断面図である。
【図7】従来のランプユニットのランプソケット部における断面図である。
【符号の説明】
1 コネクタ
10 雄コネクタ
11 コネクタハウジング
11a 段部
11b 凹部
11c,11d フラットケーブル挿通空間
11e 架橋部
12,13 フラットケーブル
14 プラグ
15,16 防水シール
17 防水シール
20 雌コネクタ
21 コネクタハウジング
21a 段部
22 端子
22a 凸部
24 シールパッキン
25 ラッチ係合爪
30 ランプソケット
31 ボディ
31a ランプ収容部
31b 凸部
31c 溝部
32,33 端子
34 シールパッキン
35 ランプ
40 ランプユニット
41 ランプハウジング
41a,41b 凹部
42,43 接点部
44,45 配線体
46 ガラス面
L ランプ
B バスバー
BE 端子
Claims (5)
- フラットケーブルを内部に収容した第1コネクタと、
前記フラットケーブルと導通可能な端子を有しかつ前記第1コネクタに嵌合可能な第2コネクタと、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの間に介装されたシール部材と、
前記フラットケーブルを前記第1コネクタ内部に押し付けるプラグと、
前記フラットケーブルと前記第1コネクタ間及び前記フラットケーブルと前記プラグ間に介在した防水シールとを備え、
前記第1コネクタへの前記プラグの押し付けに応じて前記防水シールが前記第1コネクタ内部に充填され、前記フラットケーブルと前記端子との導通接続部を前記第1コネクタ外部からシールすることを特徴とする電気部品のシール構造。 - ランプ収容用の内部空間を備えたハウジングと、
前記ハウジングと一体形成され、前記ハウジング内部に配索されかつ瑞部が前記ハウジング外部から導出して接点を形成する配線体と、
一端が前記接点に電気的に接続され、他端がランプに接続された端子を有するランプソケットとを備え、
前記配線体の端部と前記端子との導通接続部を前記ハウジング外部からシールするシール部材を備えたことを特徴とする電気部品のシール構造。 - 内部に密閉された空間を有するハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記ハウジング内部の密閉空間にランプを収容した複数のランプソケットを備え、
前記複数のランプソケットとそれぞれ電気的に導通する複数の配線体を前記ハウジングと一体形成により前記ハウジング内に配設し、
前記複数の配線体の各端部が前記ハウジングの局所位置から導出し、シール部材を介して外部コネクタと接続可能なことを特徴とする電気部品のシール構造。 - 請求項2に記載のハウジングに請求項2に記載のランプソケットを複数備えたことを特徴とする請求項3に記載の電気部品のシール構造。
- 前記防水シールがスリットを有し、前記フラットケーブルが前記スリットに挿通されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気部品のシール構造。
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