JP2004021550A - タッチパネル、表示体、反射防止フィルム及びこれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タッチパネル等の表示体の最表面における光の反射を防止する反射防止層を設けることによって、反射率特性、透過率特性に優れたタッチパネル、表示体及び反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】光透過性の基材40と、この基材40とは所定の間隔をもって対向配置される光透過性のフィルム基材1とを有し、基材40上及びフィルム基材1の基材40との対向面上に、光透過性の導電層41及び43が形成されて成るタッチパネル50にあって、フィルム基材1上に、少なくともハードコート層2、密着層3、反射防止層10及び防汚層8をこの順に積層して形成し、特にその反射防止層10を、所定の屈折率を有する屈折率層4〜7が少なくとも2層以上積層された構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】光透過性の基材40と、この基材40とは所定の間隔をもって対向配置される光透過性のフィルム基材1とを有し、基材40上及びフィルム基材1の基材40との対向面上に、光透過性の導電層41及び43が形成されて成るタッチパネル50にあって、フィルム基材1上に、少なくともハードコート層2、密着層3、反射防止層10及び防汚層8をこの順に積層して形成し、特にその反射防止層10を、所定の屈折率を有する屈折率層4〜7が少なくとも2層以上積層された構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネル、表示体、反射防止フィルム及びこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ(ELD)や液晶ディスプレイ(LD)などの表示体の表面に、ペン状の指示体又は指での押圧により情報を入力するパネルを設けるいわゆるタッチパネル(又はタッチスクリーン)が、電子手帳、携帯電話等の携帯端末や交通機関のチケット販売用入力機など、種々多様に使用されている。
【0003】
このタッチパネルの一般的な例として例えば抵抗式(又は抵抗膜式)のタッチパネルの場合、例えば図16にその要部の模式的な断面構成を示すように、ガラスもしくはポリカーボネート等より成る光透過性の基材40の上に、ITO(In−Sn酸化物)等より成る光透過性の導電層41が設けられ、この上に光硬化型のアクリル樹脂等の絶縁材料より成るスペーサ42を介してフィルム部44が所定の間隔を保持して対向配置される。フィルム部44の内側、すなわち光透過性の基材40に対向するフィルム基材45の内側には、ITO等より成る導電層43が設けられる構成とされる。
【0004】
このような抵抗式のタッチパネルにおいてその位置情報の検出は以下の方法により行われる。すなわち、フィルム部44の表面側から指示体又は指などによって一部が押圧されることによって、その部分の導電層41及び43が接触し、基材40とフィルム部44とにおいてそれぞれ例えば図16の紙面に沿う方向及び図16の紙面に直交する方向の2方向に印加された電圧の変化をそれぞれ検出し、これにより押圧された位置の情報を得ることができる。
【0005】
タッチパネルとしては、その他静電容量方式、赤外線方式、超音波方式など種々の方式のものが提案されている。
【0006】
ところで、このようなタッチパネルを表面に有する表示体や、又はその他各種の表示体において、その表面で外光の反射を防止し透過率を向上させる構成が種々提案されている。
例えばタッチパネルとしては、特許第号2509215 号に記載されているように表面の透明基材とその内側の透明導電層の間に屈折率の異なる複数の層を形成し、それらの層の光干渉効果を利用したものが知られている。またリタデーション(位相遅延)を利用して視認性を向上させたものとしては特開2001−356340 号公報、特開2000−321558 号公報をはじめとして複数の提案がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の発明は、タッチパネルの最表面の層より内側で発生する反射を防止することに注力されていて、タッチパネルの最表面での反射もしくは汚れによって発生する視認性の低下を改善するものではない。
タッチパネルの最表面での反射や汚れを防止するものとしては、例えば特許第2763472 号の段落番号〔0026〕に記載されているように、反射防止処理層を設けるという記述があるものの、その詳細な材料構成及び具体的実施例については一切触れられていない。
【0008】
また、特にタッチパネルは上述したように、表面を指又は樹脂製等のペンを用いて押圧することにより情報を入力するという商品上の特徴がある。従ってタッチパネル表面には実用上十分な耐久性、適度なすべり性、防汚性が必要とされる。
【0009】
一般に、表示体の表示面の反射防止法として従来知られている方法としては、湿式コーティング、蒸着法、スパッタリング法等があるが、湿式コーティングは安価な製造方法であるが反射防止特性が不十分である他、耐久性も不十分である。蒸着法は光学特性こそ良好であるが、生産性が悪く、耐久性についてもタッチパネルの使用に耐えるものではない。スパッタリング法は光学特性、耐久性に優れるが、最表面が通常SiO2 より成る層で構成されるため、すべり性、防汚性が不十分であった。
【0010】
またCRT(陰極線管)用としては、特開平11−218603 号公開公報や特開平9−80205 号公開公報等において反射防止フィルムの提案がなされているが、いずれも光学的に吸収のある材料を使用していることから反射防止性能、機械的特性こそ優れているものの、透過率が不十分でありタッチパネル、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイに使用すると十分な視認性が得られない。
【0011】
この他、液晶ディスプレイとしては最表面に用いられる偏光板の上に真空蒸着法、もしくは湿式コーティング法により透過率の高い反射防止膜を施したものが製品化されているが、機械的特性、耐久性、防汚性が不十分である。
【0012】
本発明は、上述したように、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の最表面の反射防止性能の向上をはかり、より視認性に優れ、且つタッチパネル等に要求される機械的特性、耐久性、防汚性等においても特性に優れた各種表示体に適用して好適な反射防止フィルムを提供して、特性に優れたタッチパネル及び表示体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの課題を鑑みてなされたものであり、タッチパネルや表示体の最表面における反射を防止する反射防止層を設け、あるいは反射防止フィルムを被着した構成とし、またタッチパネルや表示体に貼り付けて好適な反射防止フィルムを提供するものである。
【0014】
本発明は、光透過性の基材と、この基材とは所定の間隔をもって対向配置される光透過性のフィルム基材とを有し、基材上及びフィルム基材の基材との対向面上に、光透過性の導電層が形成されて成るタッチパネルにあって、フィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層をこの順に積層して形成し、特にその反射防止層を、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層された構成とする。
【0015】
また本発明は、上述のタッチパネルにあって、フィルム基材の上に少なくとも光透過性導電層を介して補助フィルム基材を被着し、この上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層をこの順に積層して形成し、特にその反射防止層を、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層された構成とする。
【0016】
更にまた本発明による表示体は、情報記録を表示する表示面に、少なくとも光透過性粘着剤を介してフィルム基材を被着して、このフィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層をこの順に積層して形成し、反射防止層を、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層された構成とする。
【0017】
また本発明による反射防止フィルムは、フィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層をこの順に積層して形成し、反射防止層を所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層された構成とする。
【0018】
上述したように、本発明においては、タッチパネルやその他各種の表示体において、特に最表面のフィルム基材上に、密着層、ハードコート層を介して異なる屈折率を有する屈折率層を2層以上積層形成した反射防止層を形成し、更にこの上に防汚層を設けることによって、この最表面における外部からの光の反射を効率良く低下させると同時に、透過率の向上をはかって、視認性の低下を回避し、更に防汚性を向上させ、耐久性の向上をはかることもできる。
【0019】
特に本発明において、上述の反射防止層を、フィルム基材又は補助フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層及び第4の屈折率層を積層して形成し、第1及び第3の屈折率層の屈折率が、第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大とする構成とすることによって、波長450nm〜650nmの波長範囲において反射率を低減化することができ、且つ透過率をこの波長範囲において良好に保持することができた。
【0020】
また本発明において、上述の反射防止層を、フィルム基材又は補助フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層を積層して形成し、第1の屈折率層の屈折率に比して第2の屈折率層の屈折率を大とし、第1の屈折率層の屈折率に比して第3の屈折率層の屈折率を小とする構成とすることによって、同様に波長450nm〜650nmの範囲において反射率を低減化し、且つ透過率を良好に保持することができた。
【0021】
従って、本発明によれば、反射光による視認性の低下を回避した特性に優れたタッチパネル及び表示体を提供することができ、且つ反射防止層の上に設けた防汚層との組み合わせによって、表面の機械的強度、耐久性の向上をはかることができて、これによりタッチパネル及び表示体の寿命の長期化をはかることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に適用して好適な実施の形態及び実施例について図面を参照して説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
【0023】
本発明による実施の形態の好適な各例における要部の拡大断面構成を図1〜図6に示す。各例共に、タッチパネル又は各種表示体の表面に反射防止層を設けるもので、反射防止層を屈折率が異なる複数の屈折率層が積層された構成とするものである。
【0024】
図1においては、タッチパネル50に本発明を適用した場合で、ガラス等より成る光透過性の基材40の上に、ITO、またはGZO(Ga−Zn酸化物)、AZO(Al−Zn酸化物)より成る導電層41が被着され、この上に、光硬化型のアクリル樹脂等より成るスペーサ42が、例えばスクリーン印刷により一定の厚さで被着された後、フォトリソグラフィ等の適用によってパターニングされて形成され、この上に所定の間隔をもって、基材40との対向面にITO等より成る導電層43が被着されたフィルム基材1が対向配置される。このフィルム基材1と基材41との間隔は、例えば外縁部において所定の厚さの絶縁層(例えば粘着テープ等)を用いて支持することによって、例えば数μmの間隔を保持するようになされている。
【0025】
そして、フィルム基材1の上には、ハードコート層2、密着層3、第1の屈折率層4、第2の屈折率層5、第3の屈折率層6、第4の屈折率層7及び防汚層がこの順に積層され、第1〜第4の屈折率層4〜7により反射防止層10が構成される。
【0026】
また、図2に示すように、基材40と対向配置するフィルム基材11の上に、少なくとも光透過性粘着剤12を介して補助フィルム基材13を被着して、この補助フィルム基材13上に、同様にハードコート層2、密着層3、第1〜第4の屈折率層4〜7より成る反射防止層10、防汚層8を設ける構成としてもよい。図2において、図1と重複する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0027】
更に、図3に示すように、反射防止層10を第1〜第3の屈折率層4〜6より構成することもできる。図3において、図1と重複する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0028】
また、図4に示すように、基材40と対向配置するフィルム基材11の上に、少なくとも光透過性粘着剤12を介して補助フィルム基材13を被着して、この補助フィルム基材13上に第1〜第3の屈折率層4〜6より成る反射防止層10を含んで、各層2〜8を設ける構成とすることもできる。図4において、図1と重複する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0029】
また本発明は、タッチパネルを有する表示体に限定されることなく、各種の表示体に適用することもできる。図5において、51はLD、有機ELD等の表示体を示し、その表示面25に、光透過性粘着剤22を介してフィルム基材1が被着され、このフィルム基材1の上に、ハードコート層2、密着層3、第1の屈折率層4、第2の屈折率層5、第3の屈折率層6、第4の屈折率層7及び防汚層8を順次被着して、第1〜第4の屈折率層4〜7より反射防止層10を設ける構成とすることもできる。
【0030】
更に、図6に示すように、反射防止層10を第1〜第3の屈折率層4〜6より構成することもできる。図6において、図5と重複する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0031】
尚、上述の図1〜図6において示した各例において、例えばフィルム基材1又は11の基材40と対向する面、又は表示面25と接する面における反射や、タッチパネルにおいては導電層41、43の表面または基材40の表面における反射を抑制するために、前述の特開2000−321558 号公開公報、特開2001−356340 号公開公報等において記載されたようないわゆるリタデーションを利用した内部反射防止用の位相遅延層等を、フィルム基材ないしは補助フィルム基材の下側、即ち基材40又は表示面25とフィルム基材1,11又は補助フィルム基材13との間のどこかの界面に挿入して設けることにより、内部での反射防止効果が得られることはいうまでもない。
【0032】
上述の各構成において、反射防止層10を被着するフィルム基材1,11又は補助フィルム基材13としては、厚さが30μm以上200μm以下の光学的に透明な、即ち光透過性のフィルム基材であれば制限はないが、好ましくはPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが用いられる。ただし反射型液晶ディスプレイのように外光を偏光させて使用している表示体もしくはこれを利用したタッチパネルに本発明を適用する場合には、光学的異方性の少ないTAC(トリアセチルセルロース)フィルムを用いることが望ましい。または、ARTON(商品名、JSR社製)、PES(ポリエチルサルフォン)、ゼオノア(商品名、日本ゼオン社製)を用いることもできる。
【0033】
ここで、フィルム基材1又は補助フィルム基材13の厚さを30μm以下とすると、この上にハードコート層2を塗布した際のハードコート層2の体積収縮により発生するフィルム基材1又は13の反りが大きくなり、実用上問題が発生する。また、反射防止層10を成膜する際のプロセス温度に対する耐性が不十分となる。一方、フィルム基材1又は補助フィルム基材13の厚さが200μmを超えると、光透過性基材としては厚すぎてタッチパネル又は表示体の軽量化、薄型化が困難になる他、タッチパネルとして使用する場合には、打点性にも問題が生じる。従って、本発明においては、フィルム基材1又は補助フィルム基材13の厚さを30μm以上200μm以下に選定するものである。
【0034】
また、フィルム基材又は補助フィルム基材上に施されるハードコート層2としては、メラニン系樹脂、アルキド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂などの硬化型樹脂が用いられる。厚みとしては十分な硬度をもつ範囲で薄く施すのが好ましく、5μm以上15μm以下の範囲とすることが望ましい。しかしながらこのハードコート層2の厚さはその材料特性から厚さむらが±1〜2μm程度生じる恐れがある。実用上、このハードコート層2の厚さが3μm未満であると、タッチパネルに用いる場合の入力時即ち押圧時の硬度が十分得られなくなる恐れがあり、20μmを越えると、材料の特性からフィルム基材との応力の違いから反りが発生する恐れがある。従って、ハードコート層2の厚さとしては、3μm以上20μm以下とすることが望ましい。
【0035】
また、このハードコート層2内にシリカゲル、樹脂ビーズ等を分散させたものを用いる場合は、光を散乱させることにより防眩性を付与することができ、より視認性の向上をはかることができる。
【0036】
そして、ハードコート層2を被着したフィルム基材1又は補助フィルム基材13上に反射防止層10を形成する前に、両者の密着性を向上させるため、真空槽内でプラズマ処理をしてハードコート層2の表面を改質した後、密着層3を被着するのが望ましい。
【0037】
この密着層3としては、CrOx (x=1〜2)、SiNx 等の金属酸化物、金属窒化物を用いることができる。特に、スパッタリング法により成膜されたSiOx (x=1〜2)の還元気味Si酸化物を3nm以上10nm以下程度施したものが好ましく用いられる。SiOx が3nm未満では十分な密着性が得られず、10nm以上ではSiOx 膜の光吸収により十分な透過率が得られない。
【0038】
そして反射防止層10は、上述したように異なる屈折率を有する屈折率層を2層以上積層したものを用いることができる。
特に、フィルム基材1又は補助フィルム基材13側から順に、比較的屈折率の高い第1の屈折率層、比較的屈折率の低い第2の屈折率層、比較的屈折率の高い第3の屈折率層、比較的屈折率の低い第4の屈折率層より構成することによって、即ち第1及び第3の屈折率層の屈折率を、第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大として構成することによって、それらの光干渉効果を利用して反射率を効率良く抑えることができる。
【0039】
特に、第3の屈折率層の光学厚みを光の波長λ(特に、最も視認性の高い波長である550nmの波長)の1/2付近の厚みとし、第4の屈折率層の厚みを光の波長λの1/4付近に調整すると、可視光全域に渡り反射防止性能が得られることはよく知られている。
【0040】
各屈折率層の成膜方法としては湿式コート、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法など各種考案されていてどのような方法で成膜しても十分な反射防止性能は得られるが、表示体の最表面、特にタッチパネルの最表面として十分な機械特性、耐久性、耐環境性が必要とされることからスパッタリング法が望ましく、さらに生産性を高めるため基材をロール状にして真空槽内で巻き取りながら成膜するロールコーティング法が最も望ましい。
【0041】
そして反射防止層を構成する屈折率層のうち、比較的屈折率の高い第1及び第3の屈折率層の材料としては、1.85以上の屈折率を持つ光透過性材料であれば特に制限は無いが、SiN、TiO2 、Nb2 O5 、Ta2 O5 、ITO及びこれらを主成分とした合金酸化物が一般的に用いられる。即ち、上述のSiN、TiO2 、Nb2 O5 、Ta2 O5 、ITOを主成分としてその特性に影響を与えない範囲でSi、Sn、Zr、Al等の金属を添加したものがあげられる。尚、上述のTa2 O5 は原料が高価であること、TiO2 は短波長領域において吸収が出易く特にスパッタリング法で形成する際には生産性が悪くばらつきも出易いことから、Nb2 O5 もしくはSiNが望ましい。
【0042】
また帯電防止性能が要求される場合にはITOの導電性膜が用いられるが、ITOは100℃以下の低温で成膜した場合は450nm以下の波長で光の吸収があるため好ましくない。
比較的屈折率の低い第2及び第4の屈折率層としては、MgF2 、SiO2 等、またはこれに微量の添加物を混入した材料が用いられるが、スパッタリング法を用いる場合はSiO2 が最も望ましい。
【0043】
また基材側から順に第1〜第3の屈折率層を設けて、第2の屈折率層の屈折率を第1の屈折率層に比して大とし、第3の屈折率層の屈折率を第1の屈折率層の屈折率に比して小とする場合にも、各層の光干渉効果を利用して同様の反射防止性能が得られる。
特に、比較的屈折率の高い第2の屈折率層の光学厚みを光の波長λの1/2付近の厚みとし、比較的屈折率の低い第3の屈折率層の厚みを光の波長λの1/4付近に調整すると可視光全域に渡り反射防止性能が得られる。第1の屈折率層の屈折率はフィルム基材及びその上のハードコートの屈折率に依存するが、フィルム基材としてPETフィルムもしくはTACフィルムを用いる場合は1.70〜1.80の屈折率とすることが望ましい。
【0044】
このような構成において第1の屈折率層をスパッタリング法で作製するには、Siを含む金属合金酸化物が用いられる。代表的なものとしてはSiTi酸化物合金、SiZr酸化物合金、SiSn酸化物合金、NbSi酸化物合金が知られていて、それぞれの合金の配合比によって所望の屈折率が得られる。
【0045】
第2の屈折率層については前述の第1〜第4の屈折率層を設ける構成とする場合の高屈折率層である第1及び第3の屈折率層と同様に、SiN、TiO2 、Nb2 O5 等を用いることができる。また第3の屈折率層としては、MgF2 、SiO2 等、またはこれに微量の混入物を混入した材料を用いることができる。スパッタリング法を用いる場合はSiO2 が望ましい。
【0046】
次に、反射防止層10の上に形成する防汚層8としては、3nm以上5nm以下程度の厚みの層を湿式法で形成するのが望ましい。3nm未満では十分な防汚性能が得られず、厚さが5nmを越えると光学特性に影響を与えるためである。
【0047】
防汚層の材料としては各種考案されているが、本発明においては、下記の一般式(1)〜(3)で示す材料を用いるものである。
すなわち、防汚層としては、例えば下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することが好ましい。
【0048】
(R3 O)3 Si−R2 −R1 CO−Rf−COR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(1)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。
【0049】
また、他の防汚剤として、下記一般式(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することもできる。
RfCOR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(2)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。
【0050】
更に、他の防汚剤としては、例えば下記一般式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することが好ましい。
Rf`−R1 −Si(OR2 )3 …(3)
但し、Rf`はフルオロアルキル基を、R1 は炭素数7未満のアルキレン基を、R2 はアルキル基を其々示す。
【0051】
尚、本出願人は先の出願(特開2002−141756 号、以下先願1と記す)において、光磁気記録媒体の被覆層として用いて好適な有機化合物を提案した。本発明者等は、上記先願1において提案した材料を、特に反射防止層の上に被着する防汚層として用いることによって、防汚性と共に、タッチパネルなどの表示体に用いて好適な機械的強度、撥水性、付着強度及び耐久性の向上をもはかることができることを見い出した。
【0052】
上述の一般式(1)〜(3)で示される各材料を防汚層として用いることによって、汚れの付着力を低下させることができ、また硬い表面を形成することができた。更に、表面エネルギーの極性項成分γpを低くすることができて、耐久性、防汚性等に優れた反射防止フィルムを形成することができ、これを用いることにより防汚性、耐久性等の特性に優れたタッチパネル、表示体を構成することができる。
【0053】
被覆層を形成させる方法には、有機フッ素化合物を溶剤に溶解させてそれをグラビアコーターにより形成する方法(グラビアコート法)、ディッピングあるいは噴霧により塗布する方法、擦り付けて塗布する方法の他、真空法により形成させる方法等がある。
一般には有機フッ素化合物を基材表面に塗布することにより、基材の表面エネルギーを低下させることができる。しかしながら有機フッ素化合物を塗布するだけでは、十分な効果は得られない。つまり分子が配向するような極性基と疎水基のバランスを持った有機化合物が必要となる。その基材との親和性については容易に類推することはできない。
本発明に用いる防汚剤は、通常、上記式(1)又は(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を持つアルコキシシラン化合物と上記式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を、溶媒に希釈して用いる。溶媒として用いられるものは、特に限定されないが、使用にあたっては組成物の安定性、被塗布面の最表面層に対する濡れ性、揮発性などを考慮して決められるべきである。
【0054】
本発明においては、特にメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、sec−アミルアルコール等のアルコール系溶剤が好ましく、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、アルコール系溶剤に炭化水素系溶剤を混合して混合溶剤とすることも可能である。
このような炭化水素系溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン等のパラフィン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等のシクロパラフィン等の沸点が50〜120℃の範囲の1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
その他、フッ化炭化水素系溶媒を用いることも可能である。フッ化炭化水素系溶媒は、脂肪族炭化水素、環式炭化水素、エーテル等の炭化水素系溶媒の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した化合物である。例えば日本ゼオン社製の商品名ZEORORA−HXE(沸点78℃)、パーフルオロヘプタン(沸点80℃)、パーフルオロオクタン(沸点102℃)、アウジモント社製の商品名H−GALDEN−ZV75(沸点75℃)、H−GALDEN−ZV85(沸点85℃)、H−GALDEN−ZV100(沸点95℃)、H−GALDEN−C(沸点135℃)、H−GALDEN−D(沸点165℃)等のハイドロフルオロポリエーテル或いはSV−110(沸点110℃)、SV−135(沸点135℃)等のパーフルオロポリエーテル、住友3M社製のFCシリーズ等のパーフルオロアルカン等を例示することができる。これらのフッ化炭化水素系溶媒の中でも、上記一般式(1)、(2)又は(3)のフッ素系化合物を溶解する溶媒として、ムラのない、膜厚が均一な有機膜を得るために、沸点が70〜240℃の範囲のものを選択し、さらにはハイドロフルオロポリエーテル(HFPE)若しくはハイドロフルオロカーボン(HFC)を選択し、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることが好ましい。沸点が低すぎると、例えば塗布ムラになりやすい場合があり、一方沸点が高すぎると乾燥がうまく行かず塗布形態が良くならない場合がある。また、HFPE又はHFCは、一般式(1)、(2)又は(3)で表されるアルコキシラン化合物に対する溶解性が優れており、優れた塗布面を得る事が出来る。
【0055】
上記先願1においては、特に末端にアルコキシシラノ基をもつ有機フッ素化合物を塗布することによって十分な効果を得ることができることがわかった。
有機フッ素化合物としては、分子内にフッ素を有する有機化合物であればエステル、アミン、カルボン酸等、いずれも使用可能であるが、パーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキル基を使用することが特に好ましい。
表面エネルギーを低下させるには、その有機分子の配向を考えなければならない。有機分子の長さは通常2〜3nmであるために、その分子がうまく配向しないと低表面エネルギーを得ることができない。つまり、うまくフッ素原子が最表面に表れないと表面エネルギーを低下させることはできない。分子がランダムに配向し、極性基が表れると表面エネルギー、特に極性項が上昇する。
【0056】
一般に、表面エネルギーの極性項成分γpが3.0(erg/cm2 )以下であれば耐汚染性が良好であるとされる。
上述の被覆方法により反射防止層の上に防汚層を形成することによって、表面エネルギーを低下させることができ、本発明においては十分な防汚性、撥水性を得ることができるものと思われる。
【0057】
尚、上記各一般式(1)〜(3)で示される材料として、特に例えば下記の表1に示す各化合物1〜7を用いて良好な結果を得ることができた。
【0058】
【表1】
【0059】
なお、化合物1においてはp=20、q=12であり、化合物2においてはp=20、q=12であり、化合物3においてはn=3であり、化合物4においてはk=3であり、化合物5においてはm=2、l=2である。
【0060】
また、前述の図2及び図4において説明したフィルム基材1及び補助フィルム基材13とを被着させる光透過性粘着剤12、または図5及び図6において説明した表示体の表示面25とフィルム基材1とを被着させる光透過性性粘着剤22としては、光学的に透明で、タッチパネル又はディスプレイとしての使用環境下において発泡、変色、変質がなければ特に制限はないが、アクリル系、シリコーン系、ゴム系が一般的に用いられる。
十分な接着性とタッチパネルとして使用される入力ペンに対する耐久性を考慮すると、粘着剤の厚さとしては通常10μm以上80μm以下で使用され、25μm前後の厚みが最も好ましい。また必要に応じて光を散乱による防眩効果を出すために、光透過性粘着剤の中にシリカゲル、樹脂ビーズ等を分散させたものを用いてもよい。
【0061】
【実施例】
次に、上述の本発明を実施例でさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また本発明は、反射防止層又は反射防止フィルムをタッチパネル又は表示体表面に被着して構成されるものであるが、以下の実施例においては、その光学特性にあたってその測定の都合上、フィルム基材上に各層を構成した後このフィルム基材を透明ガラスに貼り付けて評価を行い、機械的特性、耐久性については最も要求の厳しい抵抗式タッチパネルの表面に貼り付けて評価を行った。
【0062】
[実施例1]
図7はこの発明の第1の実施例による反射防止層を有する反射防止フィルムの要部の略線的拡大断面構成を示す図である。光透過性のフィルム基材1として厚さ75μmのPETフィルムを用い、その上に厚さ5μmのアクリル系のハードコート層2を形成したものを使用した。この上にスパッタリング法にてSiOx (x=1〜2)からなる密着層3を厚さ約5nmとして被着し、さらに第1の屈折率層4としてSiNを厚さ約27nm、第2の屈折率層5としてSiO2 を厚さ約27nm、第3の屈折率層6としてNb2 O5 を厚さ約110nm、第4の屈折率層7としてSiO2 を厚さ約89nmとしてそれぞれ被着形成した。
【0063】
さらにこの上に、前述の表1において説明した化合物1より成る防汚層8を厚さ約5nmとしてグラビアコーティング法により被着した。PETフィルムの浦面には、厚さ約25μmのアクリル系の光透過性粘着剤12を塗布した。
【0064】
上述の反射防止層を構成する各屈折率層4〜7は、図8に模式的な構成を示すカソードを5基装備した巻取り式スパッタ成膜装置を用いて次のように成膜した。まず75μm厚のPETフィルムに5μm厚のハードコートを形成したフィルム状の基材22を、第1のアルミコア21に巻きつけ、真空槽20に投入した。真空槽20の内部では、第1のアルミコア21に巻きつけられた基材22を引き出し、ガイドローラ24、水冷式冷却ドラム23を介して第2のアルミコア25に巻き取りながらスパッタリング法により各層を被着形成した。
【0065】
真空槽20には、前述の密着層と反射防止層を構成する各屈折率層を形成するための第1〜第5のカソード27〜31及び第1〜第5のAC電源32〜36が装備されている。各カソード27〜31は、電気的に絶縁された一対のカソード基板から構成され、これに30kHzのACを印加させることによりスパッタリングを行う構造となっている。図示していないがガスはカソード毎に独立した導入口を設け、隣接するカソードとのガスを分離するための遮蔽板37が設けられている。また真空槽20には、図示しないがターボ分子ポンプ等の排気手段が排気口26を通じて接続され、矢印aで示すように内部のガスを排気して所要の真空度が保持される。
【0066】
このような装置において、真空槽20を2×10−4〔Pa〕まで排気した後、ArガスとN2 、O2 ガスを導入し、4×10−2〔Pa〕の圧力になるよう調整した。SiO2 、SiOx (x=1〜2)を成膜する際には、酸素のプラズマ発光スペクトルが一定になるよう酸素流量を調整し、Nb2 O5 を成膜する際には、Nbの発光スペクトルが一定になるよう酸素流量を調整しながら成膜した。またSiNを成膜する際には、ArとN2 の流量比が等しくなるようにして成膜した。各層の膜材料、ターゲット材料、電源、ガス、波長550nmの光に対する屈折率、膜厚を下記の表2に示す。また反射防止層の反射防止性能を評価するため、分光器にて分光スペクトルを測定した。この測定結果を図9に示す。反射測定に際しては、光透過性粘着剤の上から黒色のビニールテープを貼り付けることにより、裏面反射の影響を除去して測定した。
【0067】
【表2】
【0068】
【0069】
[実施例2]
本発明の第2の実施例は、第1の実施例における第3の高屈折率層6のNb2 O5 を、より安価な原料であるTiO2 にして実施したものである。成膜方法については実施例1と同様の方法で成膜したが、TiO2 の屈折率がわずかに異なることから膜厚の調整を行った他、TiO2 の成膜速度がNb2 O5 の50%程度であったため、フィルム基材の搬送速度を約半分に下げて成膜を施した。各層の膜材料、ターゲット材料、電源、ガス、波長550nmの光に対する屈折率、膜厚を表3に示し、実施例1と同様に測定した分光特性を図10に示す。
【0070】
【表3】
【0071】
[実施例3]
本発明の第3の実施例は、PET基材に代えて厚みが80μmのTACフィルムをフィルム基材1とし、これにハードコート層2を施して用いて、第1の屈折率層4及び第3の屈折率層6をともにNb2 O5 として実施したものである。その他の材料構成は、上述の実施例1と同様の構成とし、また成膜方法についても実施例1と同様の方法で成膜した。各層の膜材料、ターゲット材料、電源、ガス、波長550nmの光に対する屈折率、膜厚を表4に示し、実施例1と同様に測定した分光特性を図11に示す。
【0072】
【表4】
【0073】
[実施例4]
本発明の第4の実施例において作製した反射防止フィルムの模式的な要部の略線的拡大断面構成を図12に示す。フィルム基材としてPETを用い、この上のハードコート層2に光を拡散するSiO2 微粒子を分散させた。また第1の屈折率層4としてSiとSnの酸化物合金でSnの混合量が53at%のものを用いて形成し、第2の屈折率層5をNb2 O5 、第3の屈折率層6をSiO2 として作製したものである。密着層3、防汚層8、光透過性粘着剤12としては、実施例1と同じ材料構成とした。成膜方法についても実施例1と同様の方法で成膜した。各層の膜材料、ターゲット材料、電源、ガス、波長550nmの光に対する屈折率、膜厚を下記の表5に示し、実施例1と同様に測定した分光特性を図13に示す。
【0074】
【表5】
【0075】
[実施例5]
本発明の第5の実施例は、第1の実施例における第3の屈折率層の材料をSiNとしたものである。フィルム基材としてはハードコート層2に光を拡散するSiO2 微粒子を分散させたPETより成るフィルム基材を使用した。密着層3、防汚層8、光透過性粘着剤12は、実施例1と同じ材料構成とした。フィルム基材の厚さは188μmのものを使用し、ハードコート層2の厚さが18μmのものを使用した。成膜方法についても実施例1と同様の方法で成膜した。各層の膜材料、ターゲット材料、電源、ガス、波長550nmの光に対する屈折率、膜厚を下記の表6に示し、実施例1と同様に測定した分光特性を図14に示す。
【0076】
【表6】
【0077】
[比較例]
比較例としては、ハードコートを設けたPETフィルムを使用した。実施例1と同様に測定した分光特性を図15に示す。
【0078】
以上の結果から、各実施例1〜5の反射防止フィルム及び比較例のPETフィルムにおいて、分光特性が著しく異なり、本発明による反射防止フィルムはほぼ一様な分光特性で且つ450nm〜650nmの広い波長範囲において、1%以下の低い反射率を達成できたことがわかる。
【0079】
また、各例によるフィルムを抵抗式タッチパネル表面に貼り付けて、その耐久性、機械特性、透過率について測定した結果を下記の表7に示す。
機械特性、防汚性能についてはn=5(回)として測定し、5回全て合格を○、3〜4回合格を△、2回以下を×として表記した。
【0080】
【表7】
【0081】
上記結果から、本発明構成によるハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層を有するフィルム基材は、反射防止性能、光透過性、機械特性、耐久性、撥水性、防汚性に優れていることがわかった。
【0082】
また、各実施例1〜5による反射防止フィルムを、STN(Super Twisted Nematic) 型構成の液晶ディスプレイ、TFT(Thin Filem Transistor) 型構成の液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの各表示面に被着して反射防止性能、光透過性を確認したところ、良好な結果を得ることができた。
【0083】
以上本発明によるタッチパネル、表示体及び反射防止フィルムの各例及びその製造方法について説明したが、本発明は、上述の各例に限定されることなく、その他種々の構成のタッチパネル、表示体、反射防止フィルムに適用することができることはいうまでもない。
【0084】
【発明の効果】
以上のように、本発明による反射防止フィルム、又は反射防止層を有するタッチパネル及び表示体は、可視光域で反射防止性能に優れているため、背景の映り込みが少なく、透過率が高いため明るく、表面の防汚性に優れた視認性の高いタッチパネル、又は有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示体を提供することができる。
【0085】
また、本発明によれば、反射防止層の上に防汚層を設けることによって、防汚性を高めると共に、機械的強度、耐久性、撥水性の向上をはかることができて、視認性に優れたタッチパネル等の各種表示体において、寿命の長期化をはかることができる。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】タッチパネルの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図2】タッチパネルの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図3】タッチパネルの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図4】タッチパネルの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図5】表示体の一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図6】表示体の一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図7】反射防止フィルムの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図8】成膜装置の一例の模式的な構成を示す図である。
【図9】実施例1の反射率特性を示す図である。
【図10】実施例2の反射率特性を示す図である。
【図11】実施例3の反射率特性を示す図である。
【図12】反射防止フィルムの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図13】実施例4の反射率特性を示す図である。
【図14】実施例5の反射率特性を示す図である。
【図15】比較例の反射率特性を示す図である。
【図16】タッチパネルの一例の模式的な断面構成を示す図である。
【符号の説明】
1…フィルム基材、2…ハードコート層、3…密着層、4…第1の屈折率層、5…第2の屈折率層、6…第3の屈折率層、7…第4の屈折率層、8…防汚層、10…反射防止層、11…フィルム基材、12…光透過性粘着剤、13…補助フィルム基材、20…真空槽、21…第1のアルミコア、22…基材、23…水冷式冷却ドラム、24…ガイドローラー、25…第2のアルミコア、26…排気口、27…第1のカソード、28…第2のカソード、29…第3のカソード、30…第4のカソード、31…第5のカソード、32…第1のAC電源、33…第2のAC電源、34…第3のAC電源、35…第4のAC電源、36…第5のAC電源、37…遮蔽板、40…基材、41…導電層、42…スペーサ、43…導電層、44…フィルム部、45…フィルム基材
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネル、表示体、反射防止フィルム及びこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ(ELD)や液晶ディスプレイ(LD)などの表示体の表面に、ペン状の指示体又は指での押圧により情報を入力するパネルを設けるいわゆるタッチパネル(又はタッチスクリーン)が、電子手帳、携帯電話等の携帯端末や交通機関のチケット販売用入力機など、種々多様に使用されている。
【0003】
このタッチパネルの一般的な例として例えば抵抗式(又は抵抗膜式)のタッチパネルの場合、例えば図16にその要部の模式的な断面構成を示すように、ガラスもしくはポリカーボネート等より成る光透過性の基材40の上に、ITO(In−Sn酸化物)等より成る光透過性の導電層41が設けられ、この上に光硬化型のアクリル樹脂等の絶縁材料より成るスペーサ42を介してフィルム部44が所定の間隔を保持して対向配置される。フィルム部44の内側、すなわち光透過性の基材40に対向するフィルム基材45の内側には、ITO等より成る導電層43が設けられる構成とされる。
【0004】
このような抵抗式のタッチパネルにおいてその位置情報の検出は以下の方法により行われる。すなわち、フィルム部44の表面側から指示体又は指などによって一部が押圧されることによって、その部分の導電層41及び43が接触し、基材40とフィルム部44とにおいてそれぞれ例えば図16の紙面に沿う方向及び図16の紙面に直交する方向の2方向に印加された電圧の変化をそれぞれ検出し、これにより押圧された位置の情報を得ることができる。
【0005】
タッチパネルとしては、その他静電容量方式、赤外線方式、超音波方式など種々の方式のものが提案されている。
【0006】
ところで、このようなタッチパネルを表面に有する表示体や、又はその他各種の表示体において、その表面で外光の反射を防止し透過率を向上させる構成が種々提案されている。
例えばタッチパネルとしては、特許第号2509215 号に記載されているように表面の透明基材とその内側の透明導電層の間に屈折率の異なる複数の層を形成し、それらの層の光干渉効果を利用したものが知られている。またリタデーション(位相遅延)を利用して視認性を向上させたものとしては特開2001−356340 号公報、特開2000−321558 号公報をはじめとして複数の提案がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の発明は、タッチパネルの最表面の層より内側で発生する反射を防止することに注力されていて、タッチパネルの最表面での反射もしくは汚れによって発生する視認性の低下を改善するものではない。
タッチパネルの最表面での反射や汚れを防止するものとしては、例えば特許第2763472 号の段落番号〔0026〕に記載されているように、反射防止処理層を設けるという記述があるものの、その詳細な材料構成及び具体的実施例については一切触れられていない。
【0008】
また、特にタッチパネルは上述したように、表面を指又は樹脂製等のペンを用いて押圧することにより情報を入力するという商品上の特徴がある。従ってタッチパネル表面には実用上十分な耐久性、適度なすべり性、防汚性が必要とされる。
【0009】
一般に、表示体の表示面の反射防止法として従来知られている方法としては、湿式コーティング、蒸着法、スパッタリング法等があるが、湿式コーティングは安価な製造方法であるが反射防止特性が不十分である他、耐久性も不十分である。蒸着法は光学特性こそ良好であるが、生産性が悪く、耐久性についてもタッチパネルの使用に耐えるものではない。スパッタリング法は光学特性、耐久性に優れるが、最表面が通常SiO2 より成る層で構成されるため、すべり性、防汚性が不十分であった。
【0010】
またCRT(陰極線管)用としては、特開平11−218603 号公開公報や特開平9−80205 号公開公報等において反射防止フィルムの提案がなされているが、いずれも光学的に吸収のある材料を使用していることから反射防止性能、機械的特性こそ優れているものの、透過率が不十分でありタッチパネル、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイに使用すると十分な視認性が得られない。
【0011】
この他、液晶ディスプレイとしては最表面に用いられる偏光板の上に真空蒸着法、もしくは湿式コーティング法により透過率の高い反射防止膜を施したものが製品化されているが、機械的特性、耐久性、防汚性が不十分である。
【0012】
本発明は、上述したように、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の最表面の反射防止性能の向上をはかり、より視認性に優れ、且つタッチパネル等に要求される機械的特性、耐久性、防汚性等においても特性に優れた各種表示体に適用して好適な反射防止フィルムを提供して、特性に優れたタッチパネル及び表示体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの課題を鑑みてなされたものであり、タッチパネルや表示体の最表面における反射を防止する反射防止層を設け、あるいは反射防止フィルムを被着した構成とし、またタッチパネルや表示体に貼り付けて好適な反射防止フィルムを提供するものである。
【0014】
本発明は、光透過性の基材と、この基材とは所定の間隔をもって対向配置される光透過性のフィルム基材とを有し、基材上及びフィルム基材の基材との対向面上に、光透過性の導電層が形成されて成るタッチパネルにあって、フィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層をこの順に積層して形成し、特にその反射防止層を、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層された構成とする。
【0015】
また本発明は、上述のタッチパネルにあって、フィルム基材の上に少なくとも光透過性導電層を介して補助フィルム基材を被着し、この上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層をこの順に積層して形成し、特にその反射防止層を、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層された構成とする。
【0016】
更にまた本発明による表示体は、情報記録を表示する表示面に、少なくとも光透過性粘着剤を介してフィルム基材を被着して、このフィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層をこの順に積層して形成し、反射防止層を、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層された構成とする。
【0017】
また本発明による反射防止フィルムは、フィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層をこの順に積層して形成し、反射防止層を所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層された構成とする。
【0018】
上述したように、本発明においては、タッチパネルやその他各種の表示体において、特に最表面のフィルム基材上に、密着層、ハードコート層を介して異なる屈折率を有する屈折率層を2層以上積層形成した反射防止層を形成し、更にこの上に防汚層を設けることによって、この最表面における外部からの光の反射を効率良く低下させると同時に、透過率の向上をはかって、視認性の低下を回避し、更に防汚性を向上させ、耐久性の向上をはかることもできる。
【0019】
特に本発明において、上述の反射防止層を、フィルム基材又は補助フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層及び第4の屈折率層を積層して形成し、第1及び第3の屈折率層の屈折率が、第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大とする構成とすることによって、波長450nm〜650nmの波長範囲において反射率を低減化することができ、且つ透過率をこの波長範囲において良好に保持することができた。
【0020】
また本発明において、上述の反射防止層を、フィルム基材又は補助フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層を積層して形成し、第1の屈折率層の屈折率に比して第2の屈折率層の屈折率を大とし、第1の屈折率層の屈折率に比して第3の屈折率層の屈折率を小とする構成とすることによって、同様に波長450nm〜650nmの範囲において反射率を低減化し、且つ透過率を良好に保持することができた。
【0021】
従って、本発明によれば、反射光による視認性の低下を回避した特性に優れたタッチパネル及び表示体を提供することができ、且つ反射防止層の上に設けた防汚層との組み合わせによって、表面の機械的強度、耐久性の向上をはかることができて、これによりタッチパネル及び表示体の寿命の長期化をはかることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に適用して好適な実施の形態及び実施例について図面を参照して説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
【0023】
本発明による実施の形態の好適な各例における要部の拡大断面構成を図1〜図6に示す。各例共に、タッチパネル又は各種表示体の表面に反射防止層を設けるもので、反射防止層を屈折率が異なる複数の屈折率層が積層された構成とするものである。
【0024】
図1においては、タッチパネル50に本発明を適用した場合で、ガラス等より成る光透過性の基材40の上に、ITO、またはGZO(Ga−Zn酸化物)、AZO(Al−Zn酸化物)より成る導電層41が被着され、この上に、光硬化型のアクリル樹脂等より成るスペーサ42が、例えばスクリーン印刷により一定の厚さで被着された後、フォトリソグラフィ等の適用によってパターニングされて形成され、この上に所定の間隔をもって、基材40との対向面にITO等より成る導電層43が被着されたフィルム基材1が対向配置される。このフィルム基材1と基材41との間隔は、例えば外縁部において所定の厚さの絶縁層(例えば粘着テープ等)を用いて支持することによって、例えば数μmの間隔を保持するようになされている。
【0025】
そして、フィルム基材1の上には、ハードコート層2、密着層3、第1の屈折率層4、第2の屈折率層5、第3の屈折率層6、第4の屈折率層7及び防汚層がこの順に積層され、第1〜第4の屈折率層4〜7により反射防止層10が構成される。
【0026】
また、図2に示すように、基材40と対向配置するフィルム基材11の上に、少なくとも光透過性粘着剤12を介して補助フィルム基材13を被着して、この補助フィルム基材13上に、同様にハードコート層2、密着層3、第1〜第4の屈折率層4〜7より成る反射防止層10、防汚層8を設ける構成としてもよい。図2において、図1と重複する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0027】
更に、図3に示すように、反射防止層10を第1〜第3の屈折率層4〜6より構成することもできる。図3において、図1と重複する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0028】
また、図4に示すように、基材40と対向配置するフィルム基材11の上に、少なくとも光透過性粘着剤12を介して補助フィルム基材13を被着して、この補助フィルム基材13上に第1〜第3の屈折率層4〜6より成る反射防止層10を含んで、各層2〜8を設ける構成とすることもできる。図4において、図1と重複する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0029】
また本発明は、タッチパネルを有する表示体に限定されることなく、各種の表示体に適用することもできる。図5において、51はLD、有機ELD等の表示体を示し、その表示面25に、光透過性粘着剤22を介してフィルム基材1が被着され、このフィルム基材1の上に、ハードコート層2、密着層3、第1の屈折率層4、第2の屈折率層5、第3の屈折率層6、第4の屈折率層7及び防汚層8を順次被着して、第1〜第4の屈折率層4〜7より反射防止層10を設ける構成とすることもできる。
【0030】
更に、図6に示すように、反射防止層10を第1〜第3の屈折率層4〜6より構成することもできる。図6において、図5と重複する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0031】
尚、上述の図1〜図6において示した各例において、例えばフィルム基材1又は11の基材40と対向する面、又は表示面25と接する面における反射や、タッチパネルにおいては導電層41、43の表面または基材40の表面における反射を抑制するために、前述の特開2000−321558 号公開公報、特開2001−356340 号公開公報等において記載されたようないわゆるリタデーションを利用した内部反射防止用の位相遅延層等を、フィルム基材ないしは補助フィルム基材の下側、即ち基材40又は表示面25とフィルム基材1,11又は補助フィルム基材13との間のどこかの界面に挿入して設けることにより、内部での反射防止効果が得られることはいうまでもない。
【0032】
上述の各構成において、反射防止層10を被着するフィルム基材1,11又は補助フィルム基材13としては、厚さが30μm以上200μm以下の光学的に透明な、即ち光透過性のフィルム基材であれば制限はないが、好ましくはPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが用いられる。ただし反射型液晶ディスプレイのように外光を偏光させて使用している表示体もしくはこれを利用したタッチパネルに本発明を適用する場合には、光学的異方性の少ないTAC(トリアセチルセルロース)フィルムを用いることが望ましい。または、ARTON(商品名、JSR社製)、PES(ポリエチルサルフォン)、ゼオノア(商品名、日本ゼオン社製)を用いることもできる。
【0033】
ここで、フィルム基材1又は補助フィルム基材13の厚さを30μm以下とすると、この上にハードコート層2を塗布した際のハードコート層2の体積収縮により発生するフィルム基材1又は13の反りが大きくなり、実用上問題が発生する。また、反射防止層10を成膜する際のプロセス温度に対する耐性が不十分となる。一方、フィルム基材1又は補助フィルム基材13の厚さが200μmを超えると、光透過性基材としては厚すぎてタッチパネル又は表示体の軽量化、薄型化が困難になる他、タッチパネルとして使用する場合には、打点性にも問題が生じる。従って、本発明においては、フィルム基材1又は補助フィルム基材13の厚さを30μm以上200μm以下に選定するものである。
【0034】
また、フィルム基材又は補助フィルム基材上に施されるハードコート層2としては、メラニン系樹脂、アルキド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂などの硬化型樹脂が用いられる。厚みとしては十分な硬度をもつ範囲で薄く施すのが好ましく、5μm以上15μm以下の範囲とすることが望ましい。しかしながらこのハードコート層2の厚さはその材料特性から厚さむらが±1〜2μm程度生じる恐れがある。実用上、このハードコート層2の厚さが3μm未満であると、タッチパネルに用いる場合の入力時即ち押圧時の硬度が十分得られなくなる恐れがあり、20μmを越えると、材料の特性からフィルム基材との応力の違いから反りが発生する恐れがある。従って、ハードコート層2の厚さとしては、3μm以上20μm以下とすることが望ましい。
【0035】
また、このハードコート層2内にシリカゲル、樹脂ビーズ等を分散させたものを用いる場合は、光を散乱させることにより防眩性を付与することができ、より視認性の向上をはかることができる。
【0036】
そして、ハードコート層2を被着したフィルム基材1又は補助フィルム基材13上に反射防止層10を形成する前に、両者の密着性を向上させるため、真空槽内でプラズマ処理をしてハードコート層2の表面を改質した後、密着層3を被着するのが望ましい。
【0037】
この密着層3としては、CrOx (x=1〜2)、SiNx 等の金属酸化物、金属窒化物を用いることができる。特に、スパッタリング法により成膜されたSiOx (x=1〜2)の還元気味Si酸化物を3nm以上10nm以下程度施したものが好ましく用いられる。SiOx が3nm未満では十分な密着性が得られず、10nm以上ではSiOx 膜の光吸収により十分な透過率が得られない。
【0038】
そして反射防止層10は、上述したように異なる屈折率を有する屈折率層を2層以上積層したものを用いることができる。
特に、フィルム基材1又は補助フィルム基材13側から順に、比較的屈折率の高い第1の屈折率層、比較的屈折率の低い第2の屈折率層、比較的屈折率の高い第3の屈折率層、比較的屈折率の低い第4の屈折率層より構成することによって、即ち第1及び第3の屈折率層の屈折率を、第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大として構成することによって、それらの光干渉効果を利用して反射率を効率良く抑えることができる。
【0039】
特に、第3の屈折率層の光学厚みを光の波長λ(特に、最も視認性の高い波長である550nmの波長)の1/2付近の厚みとし、第4の屈折率層の厚みを光の波長λの1/4付近に調整すると、可視光全域に渡り反射防止性能が得られることはよく知られている。
【0040】
各屈折率層の成膜方法としては湿式コート、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法など各種考案されていてどのような方法で成膜しても十分な反射防止性能は得られるが、表示体の最表面、特にタッチパネルの最表面として十分な機械特性、耐久性、耐環境性が必要とされることからスパッタリング法が望ましく、さらに生産性を高めるため基材をロール状にして真空槽内で巻き取りながら成膜するロールコーティング法が最も望ましい。
【0041】
そして反射防止層を構成する屈折率層のうち、比較的屈折率の高い第1及び第3の屈折率層の材料としては、1.85以上の屈折率を持つ光透過性材料であれば特に制限は無いが、SiN、TiO2 、Nb2 O5 、Ta2 O5 、ITO及びこれらを主成分とした合金酸化物が一般的に用いられる。即ち、上述のSiN、TiO2 、Nb2 O5 、Ta2 O5 、ITOを主成分としてその特性に影響を与えない範囲でSi、Sn、Zr、Al等の金属を添加したものがあげられる。尚、上述のTa2 O5 は原料が高価であること、TiO2 は短波長領域において吸収が出易く特にスパッタリング法で形成する際には生産性が悪くばらつきも出易いことから、Nb2 O5 もしくはSiNが望ましい。
【0042】
また帯電防止性能が要求される場合にはITOの導電性膜が用いられるが、ITOは100℃以下の低温で成膜した場合は450nm以下の波長で光の吸収があるため好ましくない。
比較的屈折率の低い第2及び第4の屈折率層としては、MgF2 、SiO2 等、またはこれに微量の添加物を混入した材料が用いられるが、スパッタリング法を用いる場合はSiO2 が最も望ましい。
【0043】
また基材側から順に第1〜第3の屈折率層を設けて、第2の屈折率層の屈折率を第1の屈折率層に比して大とし、第3の屈折率層の屈折率を第1の屈折率層の屈折率に比して小とする場合にも、各層の光干渉効果を利用して同様の反射防止性能が得られる。
特に、比較的屈折率の高い第2の屈折率層の光学厚みを光の波長λの1/2付近の厚みとし、比較的屈折率の低い第3の屈折率層の厚みを光の波長λの1/4付近に調整すると可視光全域に渡り反射防止性能が得られる。第1の屈折率層の屈折率はフィルム基材及びその上のハードコートの屈折率に依存するが、フィルム基材としてPETフィルムもしくはTACフィルムを用いる場合は1.70〜1.80の屈折率とすることが望ましい。
【0044】
このような構成において第1の屈折率層をスパッタリング法で作製するには、Siを含む金属合金酸化物が用いられる。代表的なものとしてはSiTi酸化物合金、SiZr酸化物合金、SiSn酸化物合金、NbSi酸化物合金が知られていて、それぞれの合金の配合比によって所望の屈折率が得られる。
【0045】
第2の屈折率層については前述の第1〜第4の屈折率層を設ける構成とする場合の高屈折率層である第1及び第3の屈折率層と同様に、SiN、TiO2 、Nb2 O5 等を用いることができる。また第3の屈折率層としては、MgF2 、SiO2 等、またはこれに微量の混入物を混入した材料を用いることができる。スパッタリング法を用いる場合はSiO2 が望ましい。
【0046】
次に、反射防止層10の上に形成する防汚層8としては、3nm以上5nm以下程度の厚みの層を湿式法で形成するのが望ましい。3nm未満では十分な防汚性能が得られず、厚さが5nmを越えると光学特性に影響を与えるためである。
【0047】
防汚層の材料としては各種考案されているが、本発明においては、下記の一般式(1)〜(3)で示す材料を用いるものである。
すなわち、防汚層としては、例えば下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することが好ましい。
【0048】
(R3 O)3 Si−R2 −R1 CO−Rf−COR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(1)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。
【0049】
また、他の防汚剤として、下記一般式(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することもできる。
RfCOR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(2)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。
【0050】
更に、他の防汚剤としては、例えば下記一般式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することが好ましい。
Rf`−R1 −Si(OR2 )3 …(3)
但し、Rf`はフルオロアルキル基を、R1 は炭素数7未満のアルキレン基を、R2 はアルキル基を其々示す。
【0051】
尚、本出願人は先の出願(特開2002−141756 号、以下先願1と記す)において、光磁気記録媒体の被覆層として用いて好適な有機化合物を提案した。本発明者等は、上記先願1において提案した材料を、特に反射防止層の上に被着する防汚層として用いることによって、防汚性と共に、タッチパネルなどの表示体に用いて好適な機械的強度、撥水性、付着強度及び耐久性の向上をもはかることができることを見い出した。
【0052】
上述の一般式(1)〜(3)で示される各材料を防汚層として用いることによって、汚れの付着力を低下させることができ、また硬い表面を形成することができた。更に、表面エネルギーの極性項成分γpを低くすることができて、耐久性、防汚性等に優れた反射防止フィルムを形成することができ、これを用いることにより防汚性、耐久性等の特性に優れたタッチパネル、表示体を構成することができる。
【0053】
被覆層を形成させる方法には、有機フッ素化合物を溶剤に溶解させてそれをグラビアコーターにより形成する方法(グラビアコート法)、ディッピングあるいは噴霧により塗布する方法、擦り付けて塗布する方法の他、真空法により形成させる方法等がある。
一般には有機フッ素化合物を基材表面に塗布することにより、基材の表面エネルギーを低下させることができる。しかしながら有機フッ素化合物を塗布するだけでは、十分な効果は得られない。つまり分子が配向するような極性基と疎水基のバランスを持った有機化合物が必要となる。その基材との親和性については容易に類推することはできない。
本発明に用いる防汚剤は、通常、上記式(1)又は(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を持つアルコキシシラン化合物と上記式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を、溶媒に希釈して用いる。溶媒として用いられるものは、特に限定されないが、使用にあたっては組成物の安定性、被塗布面の最表面層に対する濡れ性、揮発性などを考慮して決められるべきである。
【0054】
本発明においては、特にメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、sec−アミルアルコール等のアルコール系溶剤が好ましく、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、アルコール系溶剤に炭化水素系溶剤を混合して混合溶剤とすることも可能である。
このような炭化水素系溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン等のパラフィン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等のシクロパラフィン等の沸点が50〜120℃の範囲の1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
その他、フッ化炭化水素系溶媒を用いることも可能である。フッ化炭化水素系溶媒は、脂肪族炭化水素、環式炭化水素、エーテル等の炭化水素系溶媒の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した化合物である。例えば日本ゼオン社製の商品名ZEORORA−HXE(沸点78℃)、パーフルオロヘプタン(沸点80℃)、パーフルオロオクタン(沸点102℃)、アウジモント社製の商品名H−GALDEN−ZV75(沸点75℃)、H−GALDEN−ZV85(沸点85℃)、H−GALDEN−ZV100(沸点95℃)、H−GALDEN−C(沸点135℃)、H−GALDEN−D(沸点165℃)等のハイドロフルオロポリエーテル或いはSV−110(沸点110℃)、SV−135(沸点135℃)等のパーフルオロポリエーテル、住友3M社製のFCシリーズ等のパーフルオロアルカン等を例示することができる。これらのフッ化炭化水素系溶媒の中でも、上記一般式(1)、(2)又は(3)のフッ素系化合物を溶解する溶媒として、ムラのない、膜厚が均一な有機膜を得るために、沸点が70〜240℃の範囲のものを選択し、さらにはハイドロフルオロポリエーテル(HFPE)若しくはハイドロフルオロカーボン(HFC)を選択し、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることが好ましい。沸点が低すぎると、例えば塗布ムラになりやすい場合があり、一方沸点が高すぎると乾燥がうまく行かず塗布形態が良くならない場合がある。また、HFPE又はHFCは、一般式(1)、(2)又は(3)で表されるアルコキシラン化合物に対する溶解性が優れており、優れた塗布面を得る事が出来る。
【0055】
上記先願1においては、特に末端にアルコキシシラノ基をもつ有機フッ素化合物を塗布することによって十分な効果を得ることができることがわかった。
有機フッ素化合物としては、分子内にフッ素を有する有機化合物であればエステル、アミン、カルボン酸等、いずれも使用可能であるが、パーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキル基を使用することが特に好ましい。
表面エネルギーを低下させるには、その有機分子の配向を考えなければならない。有機分子の長さは通常2〜3nmであるために、その分子がうまく配向しないと低表面エネルギーを得ることができない。つまり、うまくフッ素原子が最表面に表れないと表面エネルギーを低下させることはできない。分子がランダムに配向し、極性基が表れると表面エネルギー、特に極性項が上昇する。
【0056】
一般に、表面エネルギーの極性項成分γpが3.0(erg/cm2 )以下であれば耐汚染性が良好であるとされる。
上述の被覆方法により反射防止層の上に防汚層を形成することによって、表面エネルギーを低下させることができ、本発明においては十分な防汚性、撥水性を得ることができるものと思われる。
【0057】
尚、上記各一般式(1)〜(3)で示される材料として、特に例えば下記の表1に示す各化合物1〜7を用いて良好な結果を得ることができた。
【0058】
【表1】
【0059】
なお、化合物1においてはp=20、q=12であり、化合物2においてはp=20、q=12であり、化合物3においてはn=3であり、化合物4においてはk=3であり、化合物5においてはm=2、l=2である。
【0060】
また、前述の図2及び図4において説明したフィルム基材1及び補助フィルム基材13とを被着させる光透過性粘着剤12、または図5及び図6において説明した表示体の表示面25とフィルム基材1とを被着させる光透過性性粘着剤22としては、光学的に透明で、タッチパネル又はディスプレイとしての使用環境下において発泡、変色、変質がなければ特に制限はないが、アクリル系、シリコーン系、ゴム系が一般的に用いられる。
十分な接着性とタッチパネルとして使用される入力ペンに対する耐久性を考慮すると、粘着剤の厚さとしては通常10μm以上80μm以下で使用され、25μm前後の厚みが最も好ましい。また必要に応じて光を散乱による防眩効果を出すために、光透過性粘着剤の中にシリカゲル、樹脂ビーズ等を分散させたものを用いてもよい。
【0061】
【実施例】
次に、上述の本発明を実施例でさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また本発明は、反射防止層又は反射防止フィルムをタッチパネル又は表示体表面に被着して構成されるものであるが、以下の実施例においては、その光学特性にあたってその測定の都合上、フィルム基材上に各層を構成した後このフィルム基材を透明ガラスに貼り付けて評価を行い、機械的特性、耐久性については最も要求の厳しい抵抗式タッチパネルの表面に貼り付けて評価を行った。
【0062】
[実施例1]
図7はこの発明の第1の実施例による反射防止層を有する反射防止フィルムの要部の略線的拡大断面構成を示す図である。光透過性のフィルム基材1として厚さ75μmのPETフィルムを用い、その上に厚さ5μmのアクリル系のハードコート層2を形成したものを使用した。この上にスパッタリング法にてSiOx (x=1〜2)からなる密着層3を厚さ約5nmとして被着し、さらに第1の屈折率層4としてSiNを厚さ約27nm、第2の屈折率層5としてSiO2 を厚さ約27nm、第3の屈折率層6としてNb2 O5 を厚さ約110nm、第4の屈折率層7としてSiO2 を厚さ約89nmとしてそれぞれ被着形成した。
【0063】
さらにこの上に、前述の表1において説明した化合物1より成る防汚層8を厚さ約5nmとしてグラビアコーティング法により被着した。PETフィルムの浦面には、厚さ約25μmのアクリル系の光透過性粘着剤12を塗布した。
【0064】
上述の反射防止層を構成する各屈折率層4〜7は、図8に模式的な構成を示すカソードを5基装備した巻取り式スパッタ成膜装置を用いて次のように成膜した。まず75μm厚のPETフィルムに5μm厚のハードコートを形成したフィルム状の基材22を、第1のアルミコア21に巻きつけ、真空槽20に投入した。真空槽20の内部では、第1のアルミコア21に巻きつけられた基材22を引き出し、ガイドローラ24、水冷式冷却ドラム23を介して第2のアルミコア25に巻き取りながらスパッタリング法により各層を被着形成した。
【0065】
真空槽20には、前述の密着層と反射防止層を構成する各屈折率層を形成するための第1〜第5のカソード27〜31及び第1〜第5のAC電源32〜36が装備されている。各カソード27〜31は、電気的に絶縁された一対のカソード基板から構成され、これに30kHzのACを印加させることによりスパッタリングを行う構造となっている。図示していないがガスはカソード毎に独立した導入口を設け、隣接するカソードとのガスを分離するための遮蔽板37が設けられている。また真空槽20には、図示しないがターボ分子ポンプ等の排気手段が排気口26を通じて接続され、矢印aで示すように内部のガスを排気して所要の真空度が保持される。
【0066】
このような装置において、真空槽20を2×10−4〔Pa〕まで排気した後、ArガスとN2 、O2 ガスを導入し、4×10−2〔Pa〕の圧力になるよう調整した。SiO2 、SiOx (x=1〜2)を成膜する際には、酸素のプラズマ発光スペクトルが一定になるよう酸素流量を調整し、Nb2 O5 を成膜する際には、Nbの発光スペクトルが一定になるよう酸素流量を調整しながら成膜した。またSiNを成膜する際には、ArとN2 の流量比が等しくなるようにして成膜した。各層の膜材料、ターゲット材料、電源、ガス、波長550nmの光に対する屈折率、膜厚を下記の表2に示す。また反射防止層の反射防止性能を評価するため、分光器にて分光スペクトルを測定した。この測定結果を図9に示す。反射測定に際しては、光透過性粘着剤の上から黒色のビニールテープを貼り付けることにより、裏面反射の影響を除去して測定した。
【0067】
【表2】
【0068】
【0069】
[実施例2]
本発明の第2の実施例は、第1の実施例における第3の高屈折率層6のNb2 O5 を、より安価な原料であるTiO2 にして実施したものである。成膜方法については実施例1と同様の方法で成膜したが、TiO2 の屈折率がわずかに異なることから膜厚の調整を行った他、TiO2 の成膜速度がNb2 O5 の50%程度であったため、フィルム基材の搬送速度を約半分に下げて成膜を施した。各層の膜材料、ターゲット材料、電源、ガス、波長550nmの光に対する屈折率、膜厚を表3に示し、実施例1と同様に測定した分光特性を図10に示す。
【0070】
【表3】
【0071】
[実施例3]
本発明の第3の実施例は、PET基材に代えて厚みが80μmのTACフィルムをフィルム基材1とし、これにハードコート層2を施して用いて、第1の屈折率層4及び第3の屈折率層6をともにNb2 O5 として実施したものである。その他の材料構成は、上述の実施例1と同様の構成とし、また成膜方法についても実施例1と同様の方法で成膜した。各層の膜材料、ターゲット材料、電源、ガス、波長550nmの光に対する屈折率、膜厚を表4に示し、実施例1と同様に測定した分光特性を図11に示す。
【0072】
【表4】
【0073】
[実施例4]
本発明の第4の実施例において作製した反射防止フィルムの模式的な要部の略線的拡大断面構成を図12に示す。フィルム基材としてPETを用い、この上のハードコート層2に光を拡散するSiO2 微粒子を分散させた。また第1の屈折率層4としてSiとSnの酸化物合金でSnの混合量が53at%のものを用いて形成し、第2の屈折率層5をNb2 O5 、第3の屈折率層6をSiO2 として作製したものである。密着層3、防汚層8、光透過性粘着剤12としては、実施例1と同じ材料構成とした。成膜方法についても実施例1と同様の方法で成膜した。各層の膜材料、ターゲット材料、電源、ガス、波長550nmの光に対する屈折率、膜厚を下記の表5に示し、実施例1と同様に測定した分光特性を図13に示す。
【0074】
【表5】
【0075】
[実施例5]
本発明の第5の実施例は、第1の実施例における第3の屈折率層の材料をSiNとしたものである。フィルム基材としてはハードコート層2に光を拡散するSiO2 微粒子を分散させたPETより成るフィルム基材を使用した。密着層3、防汚層8、光透過性粘着剤12は、実施例1と同じ材料構成とした。フィルム基材の厚さは188μmのものを使用し、ハードコート層2の厚さが18μmのものを使用した。成膜方法についても実施例1と同様の方法で成膜した。各層の膜材料、ターゲット材料、電源、ガス、波長550nmの光に対する屈折率、膜厚を下記の表6に示し、実施例1と同様に測定した分光特性を図14に示す。
【0076】
【表6】
【0077】
[比較例]
比較例としては、ハードコートを設けたPETフィルムを使用した。実施例1と同様に測定した分光特性を図15に示す。
【0078】
以上の結果から、各実施例1〜5の反射防止フィルム及び比較例のPETフィルムにおいて、分光特性が著しく異なり、本発明による反射防止フィルムはほぼ一様な分光特性で且つ450nm〜650nmの広い波長範囲において、1%以下の低い反射率を達成できたことがわかる。
【0079】
また、各例によるフィルムを抵抗式タッチパネル表面に貼り付けて、その耐久性、機械特性、透過率について測定した結果を下記の表7に示す。
機械特性、防汚性能についてはn=5(回)として測定し、5回全て合格を○、3〜4回合格を△、2回以下を×として表記した。
【0080】
【表7】
【0081】
上記結果から、本発明構成によるハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層を有するフィルム基材は、反射防止性能、光透過性、機械特性、耐久性、撥水性、防汚性に優れていることがわかった。
【0082】
また、各実施例1〜5による反射防止フィルムを、STN(Super Twisted Nematic) 型構成の液晶ディスプレイ、TFT(Thin Filem Transistor) 型構成の液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの各表示面に被着して反射防止性能、光透過性を確認したところ、良好な結果を得ることができた。
【0083】
以上本発明によるタッチパネル、表示体及び反射防止フィルムの各例及びその製造方法について説明したが、本発明は、上述の各例に限定されることなく、その他種々の構成のタッチパネル、表示体、反射防止フィルムに適用することができることはいうまでもない。
【0084】
【発明の効果】
以上のように、本発明による反射防止フィルム、又は反射防止層を有するタッチパネル及び表示体は、可視光域で反射防止性能に優れているため、背景の映り込みが少なく、透過率が高いため明るく、表面の防汚性に優れた視認性の高いタッチパネル、又は有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示体を提供することができる。
【0085】
また、本発明によれば、反射防止層の上に防汚層を設けることによって、防汚性を高めると共に、機械的強度、耐久性、撥水性の向上をはかることができて、視認性に優れたタッチパネル等の各種表示体において、寿命の長期化をはかることができる。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】タッチパネルの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図2】タッチパネルの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図3】タッチパネルの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図4】タッチパネルの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図5】表示体の一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図6】表示体の一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図7】反射防止フィルムの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図8】成膜装置の一例の模式的な構成を示す図である。
【図9】実施例1の反射率特性を示す図である。
【図10】実施例2の反射率特性を示す図である。
【図11】実施例3の反射率特性を示す図である。
【図12】反射防止フィルムの一例の要部の略線的断面構成を示す図である。
【図13】実施例4の反射率特性を示す図である。
【図14】実施例5の反射率特性を示す図である。
【図15】比較例の反射率特性を示す図である。
【図16】タッチパネルの一例の模式的な断面構成を示す図である。
【符号の説明】
1…フィルム基材、2…ハードコート層、3…密着層、4…第1の屈折率層、5…第2の屈折率層、6…第3の屈折率層、7…第4の屈折率層、8…防汚層、10…反射防止層、11…フィルム基材、12…光透過性粘着剤、13…補助フィルム基材、20…真空槽、21…第1のアルミコア、22…基材、23…水冷式冷却ドラム、24…ガイドローラー、25…第2のアルミコア、26…排気口、27…第1のカソード、28…第2のカソード、29…第3のカソード、30…第4のカソード、31…第5のカソード、32…第1のAC電源、33…第2のAC電源、34…第3のAC電源、35…第4のAC電源、36…第5のAC電源、37…遮蔽板、40…基材、41…導電層、42…スペーサ、43…導電層、44…フィルム部、45…フィルム基材
Claims (120)
- 光透過性の基材と、該基材とは所定の間隔をもって対向配置される光透過性のフィルム基材とを有し、上記基材上及び上記フィルム基材の上記基材との対向面上に、光透過性の導電層が形成されて成るタッチパネルにあって、
上記フィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層がこの順に積層されて成り、
上記反射防止層は、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層されて成ることを特徴とするタッチパネル。 - 上記フィルム基材の厚さが、30μm以上200μm以下とされたことを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
- 上記ハードコート層の厚さが、3μm以上20μm以下とされたことを特徴とする請求項1又は2記載のタッチパネル。
- 上記フィルム基材が、ポリエチレンテレフタレート又はトリアセチレンセルロースより成ることを特徴とする請求項1、2又は3記載のタッチパネル。
- 上記反射防止層が、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層及び第4の屈折率層が積層されて形成され、
上記第1及び第3の屈折率層の屈折率が、上記第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大とされることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のタッチパネル。 - 上記反射防止層の上記第1及び第3の屈折率層が、TiO2 、SiN、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成され、
上記反射防止層の上記第2及び第4の屈折率層が、SiO2 から形成されていることを特徴とする請求項5記載のタッチパネル。 - 上記反射防止層が、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層が積層されて形成され、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第2の屈折率層の屈折率が大とされ、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第3の屈折率層の屈折率が小とされることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のタッチパネル。 - 上記反射防止層の上記第1の屈折率層が、Siを主成分としてSn又はZrをドーピングした酸化物合金膜で形成され、
上記第2の屈折率層が、TiO2 、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成され、
上記第3の屈折率層が、SiO2 から形成されていることを特徴とする請求項7記載のタッチパネル。 - 上記密着層が、金属酸化物又は金属窒化物より形成され、その厚さが2nm以上10nm以下とされることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
- 上記密着層が、SiOx (x=1〜2)より成ることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
- 上記防汚剤として、下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項1、5又は7記載のタッチパネル。
(R3 O)3 Si−R2 −R1 CO−Rf−COR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(1)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項1、5又は7記載のタッチパネル。
RfCOR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(2)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項1、5又は7記載のタッチパネル。
Rf`−R1 −Si(OR2 )3 …(3)
但し、Rf`はフルオロアルキル基を、R1 は炭素数7未満のアルキレン基を、R2 はアルキル基を其々示す。 - 上記ハードコート層に、光を散乱させる微粒子が分散されたことを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
- 光透過性の基材と、該基材とは所定の間隔をもって対向配置される光透過性のフィルム基材とを有し、上記基材上及び上記フィルム基材の上記基材との対向面上に、光透過性の導電層が形成されて成るタッチパネルにあって、
上記フィルム基材上に、少なくとも光透過性粘着剤を介して補助フィルム基材が被着され、
上記補助フィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層がこの順に積層されて成り、
上記反射防止層は、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層されて成ることを特徴とするタッチパネル。 - 上記補助フィルム基材の厚さが、30μm以上200μm以下とされたことを特徴とする請求項15記載のタッチパネル。
- 上記ハードコート層の厚さが、3μm以上20μm以下とされたことを特徴とする請求項15又は16記載のタッチパネル。
- 上記補助フィルム基材が、ポリエチレンテレフタレート又はトリアセチレンセルロースより成ることを特徴とする請求項15、16又は17記載のタッチパネル。
- 上記反射防止層が、上記補助フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層及び第4の屈折率層が積層されて形成され、
上記第1及び第3の屈折率層の屈折率が、上記第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大とされることを特徴とする請求項15、16、17又は18記載のタッチパネル。 - 上記反射防止層の上記第1及び第3の屈折率層が、TiO2 、SiN、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成され、
上記反射防止層の上記第2及び第4の屈折率層が、SiO2 から形成されていることを特徴とする請求項19記載のタッチパネル。 - 上記反射防止層が、上記補助フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層が積層されて形成され、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第2の屈折率層の屈折率が大とされ、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第3の屈折率層の屈折率が小とされることを特徴とする請求項15、16、17又は18記載のタッチパネル。 - 上記反射防止層の上記第1の屈折率層が、Siを主成分としてSn又はZrをドーピングした酸化物合金膜で形成され、
上記第2の屈折率層が、TiO2 、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成され、 上記第3の屈折率層が、SiO2 から形成されていることを特徴とする請求項21記載のタッチパネル。 - 上記密着層が、金属酸化物又は金属窒化物より形成され、その厚さが2nm以上10nm以下とされることを特徴とする請求項15記載のタッチパネル。
- 上記密着層が、SiOx (x=1〜2)より成ることを特徴とする請求項15記載のタッチパネル。
- 上記防汚剤として、下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項15、19又は21記載のタッチパネル。
(R3 O)3 Si−R2 −R1 CO−Rf−COR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(1)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項15、19又は21記載のタッチパネル。
RfCOR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(2)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項15、19又は21記載のタッチパネル。
Rf`−R1 −Si(OR2 )3 …(3)
但し、Rf`はフルオロアルキル基を、R1 は炭素数7未満のアルキレン基を、R2 はアルキル基を其々示す。 - 上記ハードコート層に、光を散乱させる微粒子が分散されたことを特徴とする請求項15記載のタッチパネル。
- 上記光透過性粘着剤に、光を散乱させる微粒子が分散されたことを特徴とする請求項15記載のタッチパネル。
- 情報記録を表示する表示面に、少なくとも光透過性粘着剤を介してフィルム基材が被着され、
上記フィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層がこの順に積層されて成り、
上記反射防止層は、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層されて成ることを特徴とする表示体。 - 上記フィルム基材の厚さが、30μm以上200μm以下とされたことを特徴とする請求項30記載の表示体。
- 上記ハードコート層の厚さが、3μm以上20μm以下とされたことを特徴とする請求項30又は31記載の表示体。
- 上記フィルム基材が、ポリエチレンテレフタレート又はトリアセチレンセルロースより成ることを特徴とする請求項30、31又は32記載の表示体。
- 上記反射防止層が、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層及び第4の屈折率層が積層されて形成され、
上記第1及び第3の屈折率層の屈折率が、上記第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大とされることを特徴とする請求項30、31、32又は33記載の表示体。 - 上記反射防止層の上記第1及び第3の屈折率層が、TiO2 、SiN、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成され、
上記反射防止層の上記第2及び第4の屈折率層が、SiO2 から形成されていることを特徴とする請求項34記載の表示体。 - 上記反射防止層が、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層が積層されて形成され、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第2の屈折率層の屈折率が大とされ、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第3の屈折率層の屈折率が小とされることを特徴とする請求項30、31、32又は33記載の表示体。 - 上記反射防止層の上記第1の屈折率層がSiを主成分としてSn又はZrをドーピングした酸化物合金膜で形成され、
上記第2の屈折率層がTiO2 、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成され、上記第3の屈折率層がSiO2 から形成されていることを特徴とする請求項36記載の表示体。 - 上記密着層が、金属酸化物又は金属窒化物より形成され、その厚さが2nm以上10nm以下とされることを特徴とする請求項30記載の表示体。
- 上記密着層が、SiOx (x=1〜2)より成ることを特徴とする請求項30記載の表示体。
- 上記防汚剤として、下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項30、34又は36記載の表示体。
(R3 O)3 Si−R2 −R1 CO−Rf−COR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(1)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項30、34又は36記載の表示体。
RfCOR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(2)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項30、34又は36記載の表示体。
Rf`−R1 −Si(OR2 )3 …(3)
但し、Rf`はフルオロアルキル基を、R1 は炭素数7未満のアルキレン基を、R2 はアルキル基を其々示す。 - 上記ハードコート層に、光を散乱させる微粒子が分散されたことを特徴とする請求項30記載の表示体。
- 上記光透過性粘着剤に、光を散乱させる微粒子が分散されたことを特徴とする請求項30記載の表示体。
- 上記表示面は、液晶により情報記録が表示されることを特徴とする請求項30記載の表示体。
- 上記表示面は、有機エレクトロルミネッセンスにより情報記録が表示されることを特徴とする請求項30記載の表示体。
- 光透過性の基材と、該基材とは所定の間隔をもって対向配置される光透過性のフィルム基材とを有し、上記基材上及び上記フィルム基材の上記基材との対向面上に、光透過性の導電層が形成されて成るタッチパネルの製造方法にあって、
上記フィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層をこの順に積層形成し、
上記反射防止層を、所定の屈折率を有する屈折率層を少なくとも2層以上積層して形成することを特徴とするタッチパネルの製造方法。 - 上記フィルム基材の厚さを、30μm以上200μm以下とすることを特徴とする請求項47記載のタッチパネルの製造方法。
- 上記ハードコート層の厚さを、3μm以上20μm以下とすることを特徴とする請求項47又は48記載のタッチパネルの製造方法。
- 上記フィルム基材を、ポリエチレンテレフタレート又はトリアセチレンセルロースより形成することを特徴とする請求項47、48又は49記載のタッチパネルの製造方法。
- 上記反射防止層を、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層及び第4の屈折率層を積層して形成し、
上記第1及び第3の屈折率層の屈折率を、上記第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大として形成することを特徴とする請求項47、48、49又は50記載のタッチパネルの製造方法。 - 上記反射防止層の上記第1及び第3の屈折率層を、TiO2 、SiN、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成して、
上記反射防止層の上記第2及び第4の屈折率層を、SiO2 から形成することを特徴とする請求項51記載のタッチパネルの製造方法。 - 上記反射防止層を、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層を積層して形成し、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第2の屈折率層の屈折率を大として、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第3の屈折率層の屈折率を小として形成することを特徴とする請求項47、48、49又は50記載のタッチパネルの製造方法。 - 上記反射防止層の上記第1の屈折率層を、Siを主成分としてSn又はZrをドーピングした酸化物合金膜で形成して、
上記第2の屈折率層を、TiO2 、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成して、
上記第3の屈折率層を、SiO2 から形成することを特徴とする請求項53記載のタッチパネルの製造方法。 - 上記密着層を、金属酸化物又は金属窒化物より形成し、その厚さを2nm以上10nm以下として形成するることを特徴とする請求項47記載のタッチパネルの製造方法。
- 上記密着層を、SiOx (x=1〜2)より形成することを特徴とする請求項47記載のタッチパネルの製造方法。
- 上記防汚剤として、下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する材料を用いることを特徴とする請求項47、51又は53記載のタッチパネルの製造方法。
(R3 O)3 Si−R2 −R1 CO−Rf−COR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(1)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する材料を用いることを特徴とする請求項47、51又は53記載のタッチパネルの製造方法。
RfCOR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(2)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項47、51又は53記載のタッチパネルの製造方法。
Rf`−R1 −Si(OR2 )3 …(3)
但し、Rf`はフルオロアルキル基を、R1 は炭素数7未満のアルキレン基を、R2 はアルキル基を其々示す。 - 上記ハードコート層に、光を散乱させる微粒子を分散させることを特徴とする請求項47記載のタッチパネルの製造方法。
- 光透過性の基材と、該基材とは所定の間隔をもって対向配置される光透過性のフィルム基材とを有し、上記基材上及び上記フィルム基材の上記基材との対向面上に、光透過性の導電層が形成されて成るタッチパネルの製造方法にあって、
補助フィルム基材上に、少なくともハードコート層と、密着層と、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層された反射防止層と、防汚層とをこの順に積層して形成する工程と、
上記フィルム基材上に、少なくとも光透過性粘着剤を介して上記補助フィルム基材を被着する工程とを有することを特徴とするタッチパネルの製造方法。 - 上記補助フィルム基材の厚さを、30μm以上200μm以下として形成することを特徴とする請求項61記載のタッチパネルの製造方法。
- 上記ハードコート層の厚さを、3μm以上20μm以下として形成することを特徴とする請求項61又は62記載のタッチパネルの製造方法。
- 上記補助フィルム基材を、ポリエチレンテレフタレート又はトリアセチレンセルロースより形成することを特徴とする請求項61、62又は63記載のタッチパネルの製造方法。
- 上記反射防止層を、上記補助フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層及び第4の屈折率層を積層して形成し、
上記第1及び第3の屈折率層の屈折率を、上記第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大として形成することを特徴とする請求項61、62、63又は64記載のタッチパネルの製造方法。 - 上記反射防止層の上記第1及び第3の屈折率層を、TiO2 、SiN、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成し、
上記反射防止層の上記第2及び第4の屈折率層を、SiO2 から形成することを特徴とする請求項65記載のタッチパネルの製造方法。 - 上記反射防止層を、上記補助フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層を積層して形成し、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第2の屈折率層の屈折率を大として、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第3の屈折率層の屈折率を小として形成することを特徴とする請求項61、62、63又は64記載のタッチパネルの製造方法。 - 上記反射防止層の上記第1の屈折率層を、Siを主成分としてSn又はZrをドーピングした酸化物合金膜で形成し、
上記第2の屈折率層を、TiO2 、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成して、
上記第3の屈折率層を、SiO2 から形成することを特徴とする請求項67記載のタッチパネルの製造方法。 - 上記密着層を、金属酸化物又は金属窒化物より形成し、その厚さを2nm以上10nm以下として形成することを特徴とする請求項61記載のタッチパネルの製造方法。
- 上記密着層を、SiOx (x=1〜2)より形成することを特徴とする請求項61記載のタッチパネル。
- 上記防汚層として、下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する材料を用いることを特徴とする請求項61、65又は67記載のタッチパネルの製造方法。
(R3 O)3 Si−R2 −R1 CO−Rf−COR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(1)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する材料を用いることを特徴とする請求項61、65又は67記載のタッチパネルの製造方法。
RfCOR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(2)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項61、65又は67記載のタッチパネルの製造方法。
Rf`−R1 −Si(OR2 )3 …(3)
但し、Rf`はフルオロアルキル基を、R1 は炭素数7未満のアルキレン基を、R2 はアルキル基を其々示す。 - 上記ハードコート層に、光を散乱させる微粒子を分散させることを特徴とする請求項61記載のタッチパネルの製造方法。
- 上記光透過性粘着剤に、光を散乱させる微粒子を分散させることを特徴とする請求項61記載のタッチパネルの製造方法。
- 情報記録を表示する表示面に、少なくとも光透過性粘着剤を介してフィルム基材を被着する工程と、
上記フィルム基材上に、少なくともハードコート層と、密着層と、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層された反射防止層と、防汚層とをこの順に積層して形成する工程とを有することを特徴とする表示体の製造方法。 - 上記フィルム基材の厚さを、30μm以上200μm以下として形成することを特徴とする請求項76記載の表示体の製造方法。
- 上記ハードコート層の厚さを、3μm以上20μm以下として形成することを特徴とする請求項76又は77記載の表示体の製造方法。
- 上記フィルム基材を、ポリエチレンテレフタレート又はトリアセチレンセルロースより形成することを特徴とする請求項76、77又は78記載の表示体の製造方法。
- 上記反射防止層を、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層及び第4の屈折率層を積層して形成し、
上記第1及び第3の屈折率層の屈折率を、上記第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大として形成することを特徴とする請求項76、77、78又は79記載の表示体の製造方法。 - 上記反射防止層の上記第1及び第3の屈折率層を、TiO2 、SiN、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成し、
上記反射防止層の上記第2及び第4の屈折率層を、SiO2 から形成することを特徴とする請求項80記載の表示体の製造方法。 - 上記反射防止層を、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層を積層して形成し、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第2の屈折率層の屈折率を大として、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第3の屈折率層の屈折率を小として形成することを特徴とする請求項76、77、78又は79記載の表示体の製造方法。 - 上記反射防止層の上記第1の屈折率層を、Siを主成分としてSn又はZrをドーピングした酸化物合金膜で形成し、
上記第2の屈折率層を、TiO2 、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成して、
上記第3の屈折率層を、SiO2 から形成することを特徴とする請求項82記載の表示体の製造方法。 - 上記密着層を、金属酸化物又は金属窒化物より形成して、その厚さを2nm以上10nm以下として形成することを特徴とする請求項76記載の表示体の製造方法。
- 上記密着層を、SiOx (x=1〜2)から形成することを特徴とする請求項76記載の表示体の製造方法。
- 上記防汚層として、下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する材料を用いることを特徴とする請求項76、80又は82記載の表示体の製造方法。
(R3 O)3 Si−R2 −R1 CO−Rf−COR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(1)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する材料を用いることを特徴とする請求項76、80又は82記載の表示体の製造方法。
RfCOR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(2)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項76、80又は82記載の表示体の製造方法。
Rf`−R1 −Si(OR2 )3 …(3)
但し、Rf`はフルオロアルキル基を、R1 は炭素数7未満のアルキレン基を、R2 はアルキル基を其々示す。 - 上記ハードコート層に、光を散乱させる微粒子を分散させることを特徴とする請求項76記載の表示体の製造方法。
- 上記光透過性粘着剤に、光を散乱させる微粒子が分散させることを特徴とする請求項76記載の表示体の製造方法。
- 上記表示面を、液晶により情報記録が表示される表示面とすることを特徴とする請求項76記載の表示体の製造方法。
- 上記表示面は、有機エレクトロルミネッセンスにより情報記録が表示される表示面とすることを特徴とする請求項76記載の表示体の製造方法。
- 光透過性のフィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層がこの順に積層されて成り、
上記反射防止層は、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層されて成ることを特徴とする反射防止フィルム。 - 上記フィルム基材の厚さが、30μm以上200μm以下とされたことを特徴とする請求項93記載の反射防止フィルム。
- 上記ハードコート層の厚さが、3μm以上20μm以下とされたことを特徴とする請求項93又は94記載の反射防止フィルム。
- 上記フィルム基材が、ポリエチレンテレフタレート又はトリアセチレンセルロースより成ることを特徴とする請求項93、94又は95記載の反射防止フィルム。
- 上記反射防止層が、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層及び第4の屈折率層が積層されて形成され、
上記第1及び第3の屈折率層の屈折率が、上記第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大とされることを特徴とする請求項93、94、95又は96記載の反射防止フィルム。 - 上記反射防止層の上記第1及び第3の屈折率層が、TiO2 、SiN、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成され、
上記反射防止層の上記第2及び第4の屈折率層が、SiO2 から形成されていることを特徴とする請求項97記載の反射防止フィルム。 - 上記反射防止層が、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層が積層されて形成され、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第2の屈折率層の屈折率が大とされ、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第3の屈折率層の屈折率が小とされることを特徴とする請求項93、94、95又は96記載の反射防止フィルム。 - 上記反射防止層の上記第1の屈折率層が、Siを主成分としてSn又はZrをドーピングした酸化物合金膜で形成され、
上記第2の屈折率層が、TiO2 、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成され、
上記第3の屈折率層が、SiO2 から形成されていることを特徴とする請求項99記載の反射防止フィルム。 - 上記密着層が、金属酸化物又は金属窒化物より形成され、その厚さが2nm以上10nm以下とされることを特徴とする請求項93記載の反射防止フィルム。
- 上記密着層が、SiOx (x=1〜2)より成ることを特徴とする請求項93記載の反射防止フィルム。
- 上記防汚剤として、下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項93、97又は99記載の反射防止フィルム。
(R3 O)3 Si−R2 −R1 CO−Rf−COR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(1)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項93、97又は99記載の反射防止フィルム。
RfCOR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(2)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項93、97又は99記載の反射防止フィルム。
Rf`−R1 −Si(OR2 )3 …(3)
但し、Rf`はフルオロアルキル基を、R1 は炭素数7未満のアルキレン基を、R2 はアルキル基を其々示す。 - 上記ハードコート層に、光を散乱させる微粒子が分散されたことを特徴とする請求項93記載の反射防止フィルム。
- 光透過性のフィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層をこの順に積層して形成し、
上記反射防止層を、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層して形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。 - 上記フィルム基材の厚さを、30μm以上200μm以下として形成することを特徴とする請求項107記載の反射防止フィルムの製造方法。
- 上記ハードコート層の厚さを、3μm以上20μm以下として形成することを特徴とする請求項107又は108記載の反射防止フィルムの製造方法。
- 上記フィルム基材を、ポリエチレンテレフタレート又はトリアセチレンセルロースより形成することを特徴とする請求項107、108又は109に記載の反射防止フィルムの製造方法。
- 上記反射防止層を、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層及び第4の屈折率層を積層して形成して、
上記第1及び第3の屈折率層の屈折率を、上記第2及び第4の屈折率層の屈折率に比して大として形成することを特徴とする請求項107、108、109又は110記載の反射防止フィルムの製造方法。 - 上記反射防止層の上記第1及び第3の屈折率層を、TiO2 、SiN、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成し、
上記反射防止層の上記第2及び第4の屈折率層を、SiO2 から形成することを特徴とする請求項111記載の反射防止フィルムの製造方法。 - 上記反射防止層を、上記フィルム基材側から順に少なくとも第1の屈折率層、第2の屈折率層、第3の屈折率層を積層して形成して、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第2の屈折率層の屈折率を大として、
上記第1の屈折率層の屈折率に比して上記第3の屈折率層の屈折率を小として形成することを特徴とする請求項107、108、109又は110記載の反射防止フィルムの製造方法。 - 上記反射防止層の上記第1の屈折率層を、Siを主成分としてSn又はZrをドーピングした酸化物合金膜で形成し、
上記第2の屈折率層を、TiO2 、Nb2 O5 のいずれかの材料から形成して、
上記第3の屈折率層を、SiO2 から形成することを特徴とする請求項113記載の反射防止フィルムの製造方法。 - 上記密着層を、金属酸化物又は金属窒化物より形成して、その厚さを2nm以上10nm以下として形成することを特徴とする請求項107記載の反射防止フィルムの製造方法。
- 上記密着層を、SiOx (x=1〜2)より形成することを特徴とする請求項115記載の反射防止フィルムの製造方法。
- 上記防汚剤として、下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する材料を用いることを特徴とする請求項107、111又は113記載の反射防止フィルムの製造方法。
(R3 O)3 Si−R2 −R1 CO−Rf−COR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(1)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(2)で示されるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する材料を用いることを特徴とする請求項107、111又は113記載の反射防止フィルムの製造方法。
RfCOR1 −R2 −Si(OR3 )3 …(2)
但し、式中、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1 はO、NH、Sのいずれかであり、R2 はアルキレン基を、R3 はアルキル基を示す。 - 上記防汚剤として、下記一般式(3)で示されるフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する材料を用いることを特徴とする請求項107、111又は113記載の反射防止フィルムの製造方法。
Rf`−R1 −Si(OR2 )3 …(3)
但し、Rf`はフルオロアルキル基を、R1 は炭素数7未満のアルキレン基を、R2 はアルキル基を其々示す。 - 上記ハードコート層に、光を散乱させる微粒子が分散されたことを特徴とする請求項107記載の反射防止フィルムの製造方法。
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