JP2004021482A - 外国送金管理装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】貿易取引の決済にも好適な低リスクの外国送金を実現する。
【解決手段】被仕向銀行のホストコンピュータは、送金依頼人(輸入者)によって設定されたパスワード付きの支払通知書を仕向銀行のホストコンピュータから受信した場合に、送金を未払外国為替勘定に記帳し(102)、送金金額、受取人識別情報及びパスワードをHDDに記憶させ(104)、被仕向送金の到着を受取人へ通知する(106,108)。送金の到着を確認した受取人(輸出者)は商品を発送し(110)、受領した商品に瑕疵がないことを確認した送金依頼人は受取人へパスワードを通知する(116)。送金依頼人から通知されたパスワードが受取人によって提示されて入金が指示(120)されると、提示されたパスワードを記憶しているパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合(124が肯定)にのみ、受取人の指示に応じた入金処理を行う(126)。
【選択図】 図2
【解決手段】被仕向銀行のホストコンピュータは、送金依頼人(輸入者)によって設定されたパスワード付きの支払通知書を仕向銀行のホストコンピュータから受信した場合に、送金を未払外国為替勘定に記帳し(102)、送金金額、受取人識別情報及びパスワードをHDDに記憶させ(104)、被仕向送金の到着を受取人へ通知する(106,108)。送金の到着を確認した受取人(輸出者)は商品を発送し(110)、受領した商品に瑕疵がないことを確認した送金依頼人は受取人へパスワードを通知する(116)。送金依頼人から通知されたパスワードが受取人によって提示されて入金が指示(120)されると、提示されたパスワードを記憶しているパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合(124が肯定)にのみ、受取人の指示に応じた入金処理を行う(126)。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は外国送金管理装置及びプログラムに係り、特に、送金依頼人から受取人への送金における被仕向金融機関で使用される外国送金管理装置、及びコンピュータを前記外国送金管理装置として機能させるためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
貿易取引における決済方法の1つとして、輸入者が輸入地の金融機関(仕向金融機関)に対して送金を依頼し、仕向金融機関から輸出地の金融機関(被仕向金融機関)を介して輸出者へ送金する決済方法(所謂外国送金)が知られている。外国送金は、信用状を用いた決済と比較して事務処理が非常に簡単であり、迅速な貿易取引が可能となることから、広範に普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、貿易取引の決済に外国送金を適用した場合、輸出者側は、輸入者から代金を回収できない可能性がある等のリスク(代金回収リスク)を負うことになり、輸入者側は、輸入物品の受け取りができなかったり、或いは受け取った物品が不完全である可能性がある等のリスク(物品受取リスク)を負うことになる、という問題がある。
【0004】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、貿易取引の決済にも好適な低リスクの外国送金を実現できる外国送金管理装置及びプログラムを得ることが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る外国送金管理装置は、送金依頼人から受取人への送金における被仕向金融機関で使用される外国送金管理装置であって、送金依頼人から仕向金融機関を介して支払通知を受信した場合に、送金金額、送金依頼人、受取人を識別するための情報、手数料情報、メッセージ及び送金依頼人によって設定されたパスワードを記憶手段に記憶させ、送金依頼人からの送金を未払外国為替勘定に記帳すると共に、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理を行う送金受付手段と、受取人からパスワードが提示された場合に、提示されたパスワードを前記記憶手段に記憶されているパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合にのみ前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動を許可する管理手段と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
請求項1記載の発明では、送金依頼人から仕向金融機関を介して支払通知を受信した場合に、送金受付手段により、送金金額、送金依頼人、受取人を識別するための情報、手数料情報、メッセージ及び送金依頼人によって設定されたパスワードが記憶手段に記憶され、送金依頼人からの送金が未払外国為替勘定に記帳されると共に、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理が行われる。このように、送金依頼人からの支払通知を受信すると被仕向送金の到着が受取人へ通知されるので、送金依頼人からの送金が、送金依頼人を輸入者、受取人を輸出者とする貿易取引の決済である場合にも、受取人(輸出者)は被仕向送金到着の通知に基づき、貿易取引に係る物品の代金回収リスクが解消されたことを認識することができ、物品の発送等の手続をとることができる。
【0007】
また、請求項1記載の発明に係る管理手段は、受取人からパスワードが提示された場合に、提示されたパスワードを記憶手段に記憶されているパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合にのみ、前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動を許可する。これにより、パスワードの教示を受ける迄の間は、正規の受取人であっても、仕向けられた資金の引き出し又は特定口座への前記資金の移動を行うことができないので、送金依頼人からの送金が、送金依頼人を輸入者、受取人を輸出者とする貿易取引の決済である場合に、例えば送金依頼人(輸入者)が、輸入物品を受け取り検査を済ませた後等のタイミングで受取人へのパスワードの教示を行うことにより、物品受取リスクから解放されることになる。
【0008】
そして、送金依頼人からパスワードを教示された受取人が、教示されたパスワードを提示することで、前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動が管理手段によって許可され、送金により仕向けられた資金を受取人が実際に受け取ることが可能となる。このように、請求項1記載の発明によれば、貿易取引の決済にも好適な低リスクの外国送金を実現することができる。
【0009】
なお、請求項1記載の発明に係る外国送金管理装置が、受取人が所持しているコンピュータと通信回線を介して接続されている場合、送金受付手段は、例えば請求項2に記載したように、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理として、外国送金管理装置に接続された所定の記憶媒体の記憶領域上に設けられたファイルに、被仕向送金の到着を前記コンピュータを介して受取人へ通知するための情報を格納する処理を行うように構成することができ、管理手段は、例えば請求項3に記載したように、通信回線を介して受取人のコンピュータから受信したパスワードを記憶手段に記憶されているパスワードと照合するように構成することができる。
【0010】
請求項4記載の発明に係るプログラムは、送金依頼人から受取人への送金における被仕向金融機関で使用されるコンピュータに所定の処理を実行させるためのプログラムであって、前記所定の処理は、送金依頼人から仕向金融機関を介して支払通知を受信した場合に、送金金額、送金依頼人、受取人を識別するための情報、手数料情報、メッセージ及び送金依頼人によって設定されたパスワードを記憶手段に記憶させ、送金依頼人からの送金を未払外国為替勘定に記帳すると共に、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理を行う第1ステップ、及び、受取人からパスワードが提示された場合に、提示されたパスワードを前記記憶手段に記憶させたパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合にのみ前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動を許可する第2ステップを含むことを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の発明に係るプログラムは、上記第1及び第2のステップを含む所定の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム、すなわち、送金依頼人から受取人への送金における被仕向金融機関で使用されるコンピュータを請求項1に記載の外国送金管理装置として機能させるためのプログラムであるので、前記コンピュータが前記プログラムを実行することにより、請求項1記載の発明と同様に、貿易取引の決済にも好適な低リスクの外国送金を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る外国送金システム10が示されている。外国送金システム10は、外国送金システム10を利用する契約を特定の金融機関と結んでいる各顧客(個人顧客でも法人顧客でもよい)が各々所持しているパーソナル・コンピュータ(PC)12と、特定の金融機関の情報センタ等に設置され各顧客のPC12と通信網14(例えば公衆電話網、専用通信回線網、インターネット等の何れか)を介して接続可能なフロント・エンドのホスト・コンピュータ16(以下、単にホスト・コンピュータ16と称する)と、特定の金融機関内に構築されたコンピュータ・ネットワーク32を含んで構成されている。
【0013】
PC12の通信制御装置(例えばモデム、図示省略)は通信網14に接続されており、PC12は、通信網14を介してホスト・コンピュータ16と通信可能とされている。なお、PC12は請求項2及び請求項3に記載の「受取人が所持しているコンピュータ」に、通信網14は請求項2及び請求項3に記載の「通信回線」に対応している。PC12の図示しないHDD(図示省略)には、外国送金システム10を利用した各種処理を実行するためのプログラムがインストールされている。
【0014】
また、ホスト・コンピュータ16は汎用の大型コンピュータから成り、CPU16A、ROM16B、RAM16C、入出力ポート16Dを備え、これらはアドレスバス、データバス、制御バス等のバス16Eを介して互いに接続されている。入出力ポート16Dには、各種の入出力機器として、通信網14に接続された通信制御装置18、ディスプレイ20、マウス22、キーボード24、HDD26、CD−ROMからの情報の読み出しを行うCD−ROMドライブ28が各々接続されている。
【0015】
ホスト・コンピュータ16には、PC12がEBシステムの利用を可能とするためのホスト用EBプログラムがHDD26に予めインストールされている。ホスト・コンピュータ16は請求項4に記載のコンピュータに対応していると共に、ホスト用EBプログラム(詳しくはホスト用EBプログラムのうち後述するステップ102〜ステップ108及びステップ122〜ステップ130の処理を実現するプログラム)は請求項4に記載のプログラムに対応しており、ホスト・コンピュータ16のCPU16Aがホスト用EBプログラムを実行することで、ホスト・コンピュータ16が本発明に係る外国送金管理装置として機能することが可能となる。
【0016】
なお、ホスト・コンピュータ16へのホスト用EBプログラムのインストールは、例えばCD−ROM30を用いて行うことができるが、これに代えて磁気テープ(MT)を用いてもよい。この場合、CD−ROMドライブ28に代えて磁気テープ装置を設ければよい。また、CD−ROMや他の記録媒体を用いてインストールすることに代えて、ホスト用EBプログラムが、当初はコンピュータ・ネットワークを介してホスト・コンピュータ16と接続される他の情報処理機器(例えばネットワークサーバ)の記憶装置に記憶されており、ホスト・コンピュータ16が前記情報処理機器と通信することで、前記情報処理機器からホスト・コンピュータ16へ伝送され、HDD26にインストールされてホスト・コンピュータ16で実行される構成を採用してもよい。
【0017】
また、ホスト・コンピュータ16の通信制御装置18は、特定の金融機関内に構築されたコンピュータ・ネットワーク32(に設けられた通信制御装置48)に接続されている。コンピュータ・ネットワーク32は多数台のコンピュータ(PC、ワークステーション、大型コンピュータの何れでもよい)34が通信回線を介して互いに接続されて構成されている。また、多数台のコンピュータ34のうちの特定のコンピュータ34には大容量のHDD36が接続されており、HDD36の記憶領域には、特定の金融機関の各顧客の金融取引に関する種々の情報を記憶するための金融取引情報ファイル38が設けられている。
【0018】
図1では、金融取引情報ファイル38を単一のファイルとして示しているが、金融取引情報ファイル38は、詳しくは複数のファイルから構成されており、各ファイルには互いに異なる種類の情報が記憶されるようになっている。例えば外国為替関係の金融取引情報を格納するためのファイルとして4個のファイルが設けられている。外国為替関係の4個のファイルの名称、ファイルに格納される情報を次の表1に各々示す。
【0019】
【表1】
【0020】
また、特定の金融機関のコンピュータ・ネットワーク32には通信制御装置50が設けられており、この通信制御装置50はS.W.I.F.T40(銀行間のメッセージ交換のための国際間ネットワーク)を介し、海外の他の金融機関のホスト・コンピュータ42と接続されている。ホスト・コンピュータ16と同様に、ホスト・コンピュータ42も通信網44を介して顧客が所持しているPC46と接続されている。なお、以下ではホスト・コンピュータ16が設置された金融機関を第1の金融機関、ホスト・コンピュータ42が設置された金融機関を第2の金融機関と称して区別する。
【0021】
次に本実施形態の作用として、第1の金融機関の顧客と第2の金融機関の顧客が貿易取引(詳しくは、第1の金融機関の顧客が輸出者(受取人)、第2の金融機関の顧客が輸入者(送金依頼人)となる貿易取引)を行うと共に、本実施形態に係る外国送金システム10を利用して外国送金により貿易取引の決済を行う(すなわち輸入者が送金依頼人となり、輸出者が受取人となる外国送金により決済を行う)場合について説明する。
【0022】
貿易取引は、輸出者からの物品の売込活動、又は輸入者から輸出者への引合いによって両者の交渉が開始され、品質・数量・価格・納期等の諸条件について両者が合意し、受発注が成される(売買契約が締結される)ことによって開始される。売買取引が締結されると、輸入者(送金依頼人)は輸出者(受取人)が送金を受け取るためのパスワードを設定(図2のステップ100も参照)した後に、第2の金融機関に対して外国送金を依頼する(図2の「送金依頼」も参照)。
【0023】
この外国送金の依頼は、第2の金融機関(仕向金融機関)に対し、送金依頼人を特定するための情報(例えば送金依頼人の氏名/名称や住所等)、送金金額、受取人を特定するための情報(例えば受取人の氏名/名称や住所等)、輸出者(受取人)と取引のある金融機関(受取人が送金を受け取る金融機関:被仕向金融機関)の支店を特定するための情報(例えば被仕向金融機関名や支店名等)、受取人へ伝達すべきメッセージ(文字情報)、及び、輸入者(送金依頼人)が先に設定したパスワードを伝達することによって為される。なお、外国送金の依頼は、輸入者(送金依頼人)が第2の金融機関の支店へ出向いて行ってもよいし、輸入者(送金依頼人)がPC46を操作し、上記情報をPC46から通信網44を介してホスト・コンピュータ42へ送信することで行うことも可能である。
【0024】
外国送金の依頼を受けると、第2の金融機関(仕向金融機関)のホスト・コンピュータ42では、依頼した外国送金に対して送金を特定するための独自のID(仕向金融機関の銀行参照番号)を付与した後に、被仕向金融機関に対して送金を指図する電文(被仕向送金通知)を作成し、S.W.I.F.T40を介して第1の金融機関(被仕向金融機関)のホスト・コンピュータ16へ送信する(図2の「支払通知」も参照)。被仕向送金通知には、送金依頼人を特定するための情報、送金金額、受取人を特定するための情報、仕向金融機関の銀行参照番号、メッセージ及びパスワードが各々設定されている。なお、S.W.I.F.Tの送金指図フォーマットには、特にパスワードの入力を指定されたフィールドは存在しないため、上記パスワードは、口座番号、依頼人名の一部として設定されても構わないし、またメッセージ欄にパスワードとして入力される等の方法も可能である。
【0025】
被仕向金融機関は、受取人への支払いが未了の被仕向送金を記帳するための未払外国為替勘定を設けており、被仕向金融機関のホスト・コンピュータ16は、S.W.I.F.T40経由で被仕向送金通知を受信すると、受信した被仕向送金通知に対応する送金を特定するための独自のID(被仕向金融機関の銀行参照番号)を付与した後に、被仕向送金通知に設定されている送金金額に相当する資金を未払外国為替勘定に記帳し(図2のステップ102も参照:なお、未払い外国為替勘定への記帳は被仕向金融機関の他のコンピュータ(例えばコンピュータ・ネットワーク32内の特定のコンピュータ34等)で行うようにしてもよい)、更に、被仕向送金通知に設定されている送金金額、受取人を特定するための情報、仕向金融機関の銀行参照番号及びパスワードと、先に付与した被仕向金融機関の銀行参照番号を、例として次の表2にも示すように、明細情報としてHDD26に記憶させる(図2のステップ104も参照)。このように、HDD26は本発明に係る記憶手段に対応している。また、この際にホスト・コンピュータ16は事前に取り決められたS.W.I.F.Tフォーマットの所定のフィールドよりパスワードを読み取り、パスワードとして記憶する。
【0026】
【表2】
【0027】
また、被仕向送金通知を受信したホスト・コンピュータ16は、受信した被仕向送金通知を編集することで、被仕向送金が有ったことを特定の顧客に案内するための被仕向送金到着案内情報を作成する(図2のステップ106も参照)。そしてホスト・コンピュータ16は、作成した被仕向送金到着案内情報を、HDD36に設けられた金融取引情報ファイル38のうち、対応するファイル(「外国為替取引明細(非会計性)」のファイル)に格納する(図2のステップ108も参照)。なお、上述したステップ102〜ステップ108は本発明に係る送金受付手段(請求項4に記載の第1ステップ)に対応している。また、HDD36は請求項2に記載の所定の記憶媒体に対応している。
【0028】
「外国為替取引明細(非会計性)」のファイルに格納された被仕向送金到着案内情報は、受取人がPC12に対して受信処理の実行を指示する(図2の「該当ファイルアクセス」も参照)ことにより、ホスト・コンピュータ16によって読み出されてPC12に送信される(図2の「被仕向送金到着案内送信」も参照)。ホスト・コンピュータ16から被仕向送金到着案内情報を受信したPC12は、被仕向送金到着案内情報を受信したことを受取人に通知する(図2の「送金到着案内受信を通知」も参照)。
【0029】
これにより、受取人は、受信した被仕向送金到着案内情報の内容を確認し、締結した売買契約通りの送金があったことを認識することができ、送金を特定するための仕向金融機関及び被仕向金融機関の銀行参照番号も認識することができる(図2の「内容確認」も参照)。このように、受取人(輸出者)は、送金が有ったことを確認した後に商品を発送することができるので、受取人(輸出者)の代金回収リスクを解消することができる。なお、被仕向送金到着案内情報には送金依頼人によって設定されたパスワードは含まれておらず、この時点では受取人にはパスワードは通知されない。
【0030】
売買契約通りの被仕向送金が有ったことを認識した受取人は、先に送金依頼人との間で締結した売買契約に係る商品を送金依頼人宛てに発送(輸出)する(図2のステップ110も参照)。受取人から発送された商品を受領した送金依頼人は、受領した商品に瑕疵が無いかどうかを検査する(図2のステップ112も参照)。受領した商品に数量不足やその他の瑕疵があった場合(図2のステップ114の判定が否定された場合)、送金依頼人(輸入者)は受取人(輸出者)に対して商品の再送を要求する等の手続をとることになる。
【0031】
この段階では、被仕向金融機関への送金は行われているものの、送金依頼人は受取人へパスワードを通知しておらず、受取人の口座への入金は行われていないので、瑕疵のない商品が発送されない場合や、商品の発送自体が行われない場合には、送金自体を取り消すことができる。従って、送金依頼人(輸入者)の物品受取リスクも解消することができる。なお、送金依頼人が正当な理由なく送金自体を取り消すことを抑止するために、取消しに関わる手数料を通常よりも高額に設定するようにしてもよい。
【0032】
受領した商品に瑕疵がなかった場合(図2のステップ114の判定が肯定された場合)、送金依頼人(輸入者)は受取人(輸出者)に対して電話等の通信手段によりパスワードを通知する(図2のステップ116も参照)。これにより、パスワードを認識(図2のステップ118も参照)した受取人は、PC12を操作して該当の被仕向送金到着案内に関する被仕向金融機関の銀行参照番号及びパスワードを入力し、被仕向金融機関(のホスト・コンピュータ16)に対して所望の口座への入金を指示する(図2のステップ120も参照)。なお、この入金指示は電話等により行うようにしてもよい。
【0033】
ホスト・コンピュータ16は、受取人からの入金指示を受信すると、受取人から受信した被仕向金融機関の銀行参照番号をキーにして未払外国為替勘定の明細情報を検索し、受取人から受信したパスワードを、検索によって抽出された明細情報に設定されているパスワードと照合する(図2のステップ122も参照)。照合したパスワードが一致していなかった場合(図2のステップ124の判定が否定された場合)には、受取人に対してパスワードの再入力を要請する。なお、未払外国為替勘定に記帳された資金の不正な引き出し又は移動を阻止するために、パスワードの照合においてパスワードの不一致が所定回(例えば3回)以上連続した場合には、受取人からの入金指示を拒否することが望ましい。
【0034】
一方、照合したパスワードが一致していた場合(図2のステップ124の判定が肯定された場合)には、被仕向送金に基づく入金処理を行い、先の検索によって抽出された明細情報に設定されている送金金額に見合う資金を、受取人によって指定された口座へ入金する(図2のステップ126も参照)。なお、上述したステップ122〜ステップ126は本発明に係る管理手段(請求項4に記載の第2ステップ)に対応しており、特にステップ122は請求項3に記載の管理手段に対応している。
【0035】
入金処理が完了すると、ホスト・コンピュータ16は、受取人に対して入金処理の完了を報告するための被仕向送金計算明細を作成し(図2のステップ138も参照)、HDD36に設けられた金融取引情報ファイル38のうち、対応するファイル(「外国為替取引明細(会計性)」のファイル)に格納する(図2のステップ130も参照)。
【0036】
図示は省略するが、上記の被仕向送金計算明細情報についても、受取人がPC12に対し、「外国為替取引明細(会計性)」のファイルに対する受信処理の実行を指示することにより、ホスト・コンピュータ16によって読み出されてPC12に送信される。そして、被仕向送金計算明細情報を受信したPC12は、被仕向送金計算明細情報を受信したことを顧客に通知する。これにより、受信した被仕向送金計算明細情報の内容を受取人が確認することが可能となる。
【0037】
なお、上記では本発明を貿易取引の決済のための外国送金に適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、本発明によって実現される外国送金は貿易取引の決済以外にも適用可能であることは言うまでもない。
【0038】
また、上記は受取人がPC12を所持している態様を例に説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、受取人が被仕向金融機関の最寄りの支店の窓口へ出向いて送金受け取りのための手続きをとる態様にも適用可能である。
【0039】
また、上記では外国送金システム10を利用するためのプログラムがPC12にインストールされている態様を説明したが、これに限定されるものではなく、例えばPC12に予めブラウザ(閲覧ソフト)をインストールしておき、このブラウザにより外国送金システム10を利用するためのウェブ・サイト(このウェブ・サイトは特定のウェブ・サーバでサーバ用プログラムが実行されることで実現される)にアクセスすることで、PC12を介して外国送金システム10を利用可能なように、外国送金システム10を構成してもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、送金依頼人から仕向金融機関を介して支払通知を受信した場合に、送金金額、送金依頼人、受取人を識別するための情報、手数料情報、メッセージ及び送金依頼人によって設定されたパスワードを記憶させ、送金依頼人からの送金を未払外国為替勘定に記帳すると共に、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理を行い、受取人からパスワードが提示された場合に、提示されたパスワードを記憶したパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合にのみ、前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動を許可するようにしたので、貿易取引の決済にも好適な低リスクの外国送金を実現できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る外国送金システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における外国送金のシーケンスを示すシーケンス図である。
【符号の説明】
10 外国送金システム
12 PC
14 公衆電話網
16 ホスト・コンピュータ
26 HDD
38 金融取引情報ファイル
【発明の属する技術分野】
本発明は外国送金管理装置及びプログラムに係り、特に、送金依頼人から受取人への送金における被仕向金融機関で使用される外国送金管理装置、及びコンピュータを前記外国送金管理装置として機能させるためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
貿易取引における決済方法の1つとして、輸入者が輸入地の金融機関(仕向金融機関)に対して送金を依頼し、仕向金融機関から輸出地の金融機関(被仕向金融機関)を介して輸出者へ送金する決済方法(所謂外国送金)が知られている。外国送金は、信用状を用いた決済と比較して事務処理が非常に簡単であり、迅速な貿易取引が可能となることから、広範に普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、貿易取引の決済に外国送金を適用した場合、輸出者側は、輸入者から代金を回収できない可能性がある等のリスク(代金回収リスク)を負うことになり、輸入者側は、輸入物品の受け取りができなかったり、或いは受け取った物品が不完全である可能性がある等のリスク(物品受取リスク)を負うことになる、という問題がある。
【0004】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、貿易取引の決済にも好適な低リスクの外国送金を実現できる外国送金管理装置及びプログラムを得ることが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る外国送金管理装置は、送金依頼人から受取人への送金における被仕向金融機関で使用される外国送金管理装置であって、送金依頼人から仕向金融機関を介して支払通知を受信した場合に、送金金額、送金依頼人、受取人を識別するための情報、手数料情報、メッセージ及び送金依頼人によって設定されたパスワードを記憶手段に記憶させ、送金依頼人からの送金を未払外国為替勘定に記帳すると共に、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理を行う送金受付手段と、受取人からパスワードが提示された場合に、提示されたパスワードを前記記憶手段に記憶されているパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合にのみ前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動を許可する管理手段と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
請求項1記載の発明では、送金依頼人から仕向金融機関を介して支払通知を受信した場合に、送金受付手段により、送金金額、送金依頼人、受取人を識別するための情報、手数料情報、メッセージ及び送金依頼人によって設定されたパスワードが記憶手段に記憶され、送金依頼人からの送金が未払外国為替勘定に記帳されると共に、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理が行われる。このように、送金依頼人からの支払通知を受信すると被仕向送金の到着が受取人へ通知されるので、送金依頼人からの送金が、送金依頼人を輸入者、受取人を輸出者とする貿易取引の決済である場合にも、受取人(輸出者)は被仕向送金到着の通知に基づき、貿易取引に係る物品の代金回収リスクが解消されたことを認識することができ、物品の発送等の手続をとることができる。
【0007】
また、請求項1記載の発明に係る管理手段は、受取人からパスワードが提示された場合に、提示されたパスワードを記憶手段に記憶されているパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合にのみ、前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動を許可する。これにより、パスワードの教示を受ける迄の間は、正規の受取人であっても、仕向けられた資金の引き出し又は特定口座への前記資金の移動を行うことができないので、送金依頼人からの送金が、送金依頼人を輸入者、受取人を輸出者とする貿易取引の決済である場合に、例えば送金依頼人(輸入者)が、輸入物品を受け取り検査を済ませた後等のタイミングで受取人へのパスワードの教示を行うことにより、物品受取リスクから解放されることになる。
【0008】
そして、送金依頼人からパスワードを教示された受取人が、教示されたパスワードを提示することで、前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動が管理手段によって許可され、送金により仕向けられた資金を受取人が実際に受け取ることが可能となる。このように、請求項1記載の発明によれば、貿易取引の決済にも好適な低リスクの外国送金を実現することができる。
【0009】
なお、請求項1記載の発明に係る外国送金管理装置が、受取人が所持しているコンピュータと通信回線を介して接続されている場合、送金受付手段は、例えば請求項2に記載したように、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理として、外国送金管理装置に接続された所定の記憶媒体の記憶領域上に設けられたファイルに、被仕向送金の到着を前記コンピュータを介して受取人へ通知するための情報を格納する処理を行うように構成することができ、管理手段は、例えば請求項3に記載したように、通信回線を介して受取人のコンピュータから受信したパスワードを記憶手段に記憶されているパスワードと照合するように構成することができる。
【0010】
請求項4記載の発明に係るプログラムは、送金依頼人から受取人への送金における被仕向金融機関で使用されるコンピュータに所定の処理を実行させるためのプログラムであって、前記所定の処理は、送金依頼人から仕向金融機関を介して支払通知を受信した場合に、送金金額、送金依頼人、受取人を識別するための情報、手数料情報、メッセージ及び送金依頼人によって設定されたパスワードを記憶手段に記憶させ、送金依頼人からの送金を未払外国為替勘定に記帳すると共に、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理を行う第1ステップ、及び、受取人からパスワードが提示された場合に、提示されたパスワードを前記記憶手段に記憶させたパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合にのみ前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動を許可する第2ステップを含むことを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の発明に係るプログラムは、上記第1及び第2のステップを含む所定の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム、すなわち、送金依頼人から受取人への送金における被仕向金融機関で使用されるコンピュータを請求項1に記載の外国送金管理装置として機能させるためのプログラムであるので、前記コンピュータが前記プログラムを実行することにより、請求項1記載の発明と同様に、貿易取引の決済にも好適な低リスクの外国送金を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る外国送金システム10が示されている。外国送金システム10は、外国送金システム10を利用する契約を特定の金融機関と結んでいる各顧客(個人顧客でも法人顧客でもよい)が各々所持しているパーソナル・コンピュータ(PC)12と、特定の金融機関の情報センタ等に設置され各顧客のPC12と通信網14(例えば公衆電話網、専用通信回線網、インターネット等の何れか)を介して接続可能なフロント・エンドのホスト・コンピュータ16(以下、単にホスト・コンピュータ16と称する)と、特定の金融機関内に構築されたコンピュータ・ネットワーク32を含んで構成されている。
【0013】
PC12の通信制御装置(例えばモデム、図示省略)は通信網14に接続されており、PC12は、通信網14を介してホスト・コンピュータ16と通信可能とされている。なお、PC12は請求項2及び請求項3に記載の「受取人が所持しているコンピュータ」に、通信網14は請求項2及び請求項3に記載の「通信回線」に対応している。PC12の図示しないHDD(図示省略)には、外国送金システム10を利用した各種処理を実行するためのプログラムがインストールされている。
【0014】
また、ホスト・コンピュータ16は汎用の大型コンピュータから成り、CPU16A、ROM16B、RAM16C、入出力ポート16Dを備え、これらはアドレスバス、データバス、制御バス等のバス16Eを介して互いに接続されている。入出力ポート16Dには、各種の入出力機器として、通信網14に接続された通信制御装置18、ディスプレイ20、マウス22、キーボード24、HDD26、CD−ROMからの情報の読み出しを行うCD−ROMドライブ28が各々接続されている。
【0015】
ホスト・コンピュータ16には、PC12がEBシステムの利用を可能とするためのホスト用EBプログラムがHDD26に予めインストールされている。ホスト・コンピュータ16は請求項4に記載のコンピュータに対応していると共に、ホスト用EBプログラム(詳しくはホスト用EBプログラムのうち後述するステップ102〜ステップ108及びステップ122〜ステップ130の処理を実現するプログラム)は請求項4に記載のプログラムに対応しており、ホスト・コンピュータ16のCPU16Aがホスト用EBプログラムを実行することで、ホスト・コンピュータ16が本発明に係る外国送金管理装置として機能することが可能となる。
【0016】
なお、ホスト・コンピュータ16へのホスト用EBプログラムのインストールは、例えばCD−ROM30を用いて行うことができるが、これに代えて磁気テープ(MT)を用いてもよい。この場合、CD−ROMドライブ28に代えて磁気テープ装置を設ければよい。また、CD−ROMや他の記録媒体を用いてインストールすることに代えて、ホスト用EBプログラムが、当初はコンピュータ・ネットワークを介してホスト・コンピュータ16と接続される他の情報処理機器(例えばネットワークサーバ)の記憶装置に記憶されており、ホスト・コンピュータ16が前記情報処理機器と通信することで、前記情報処理機器からホスト・コンピュータ16へ伝送され、HDD26にインストールされてホスト・コンピュータ16で実行される構成を採用してもよい。
【0017】
また、ホスト・コンピュータ16の通信制御装置18は、特定の金融機関内に構築されたコンピュータ・ネットワーク32(に設けられた通信制御装置48)に接続されている。コンピュータ・ネットワーク32は多数台のコンピュータ(PC、ワークステーション、大型コンピュータの何れでもよい)34が通信回線を介して互いに接続されて構成されている。また、多数台のコンピュータ34のうちの特定のコンピュータ34には大容量のHDD36が接続されており、HDD36の記憶領域には、特定の金融機関の各顧客の金融取引に関する種々の情報を記憶するための金融取引情報ファイル38が設けられている。
【0018】
図1では、金融取引情報ファイル38を単一のファイルとして示しているが、金融取引情報ファイル38は、詳しくは複数のファイルから構成されており、各ファイルには互いに異なる種類の情報が記憶されるようになっている。例えば外国為替関係の金融取引情報を格納するためのファイルとして4個のファイルが設けられている。外国為替関係の4個のファイルの名称、ファイルに格納される情報を次の表1に各々示す。
【0019】
【表1】
【0020】
また、特定の金融機関のコンピュータ・ネットワーク32には通信制御装置50が設けられており、この通信制御装置50はS.W.I.F.T40(銀行間のメッセージ交換のための国際間ネットワーク)を介し、海外の他の金融機関のホスト・コンピュータ42と接続されている。ホスト・コンピュータ16と同様に、ホスト・コンピュータ42も通信網44を介して顧客が所持しているPC46と接続されている。なお、以下ではホスト・コンピュータ16が設置された金融機関を第1の金融機関、ホスト・コンピュータ42が設置された金融機関を第2の金融機関と称して区別する。
【0021】
次に本実施形態の作用として、第1の金融機関の顧客と第2の金融機関の顧客が貿易取引(詳しくは、第1の金融機関の顧客が輸出者(受取人)、第2の金融機関の顧客が輸入者(送金依頼人)となる貿易取引)を行うと共に、本実施形態に係る外国送金システム10を利用して外国送金により貿易取引の決済を行う(すなわち輸入者が送金依頼人となり、輸出者が受取人となる外国送金により決済を行う)場合について説明する。
【0022】
貿易取引は、輸出者からの物品の売込活動、又は輸入者から輸出者への引合いによって両者の交渉が開始され、品質・数量・価格・納期等の諸条件について両者が合意し、受発注が成される(売買契約が締結される)ことによって開始される。売買取引が締結されると、輸入者(送金依頼人)は輸出者(受取人)が送金を受け取るためのパスワードを設定(図2のステップ100も参照)した後に、第2の金融機関に対して外国送金を依頼する(図2の「送金依頼」も参照)。
【0023】
この外国送金の依頼は、第2の金融機関(仕向金融機関)に対し、送金依頼人を特定するための情報(例えば送金依頼人の氏名/名称や住所等)、送金金額、受取人を特定するための情報(例えば受取人の氏名/名称や住所等)、輸出者(受取人)と取引のある金融機関(受取人が送金を受け取る金融機関:被仕向金融機関)の支店を特定するための情報(例えば被仕向金融機関名や支店名等)、受取人へ伝達すべきメッセージ(文字情報)、及び、輸入者(送金依頼人)が先に設定したパスワードを伝達することによって為される。なお、外国送金の依頼は、輸入者(送金依頼人)が第2の金融機関の支店へ出向いて行ってもよいし、輸入者(送金依頼人)がPC46を操作し、上記情報をPC46から通信網44を介してホスト・コンピュータ42へ送信することで行うことも可能である。
【0024】
外国送金の依頼を受けると、第2の金融機関(仕向金融機関)のホスト・コンピュータ42では、依頼した外国送金に対して送金を特定するための独自のID(仕向金融機関の銀行参照番号)を付与した後に、被仕向金融機関に対して送金を指図する電文(被仕向送金通知)を作成し、S.W.I.F.T40を介して第1の金融機関(被仕向金融機関)のホスト・コンピュータ16へ送信する(図2の「支払通知」も参照)。被仕向送金通知には、送金依頼人を特定するための情報、送金金額、受取人を特定するための情報、仕向金融機関の銀行参照番号、メッセージ及びパスワードが各々設定されている。なお、S.W.I.F.Tの送金指図フォーマットには、特にパスワードの入力を指定されたフィールドは存在しないため、上記パスワードは、口座番号、依頼人名の一部として設定されても構わないし、またメッセージ欄にパスワードとして入力される等の方法も可能である。
【0025】
被仕向金融機関は、受取人への支払いが未了の被仕向送金を記帳するための未払外国為替勘定を設けており、被仕向金融機関のホスト・コンピュータ16は、S.W.I.F.T40経由で被仕向送金通知を受信すると、受信した被仕向送金通知に対応する送金を特定するための独自のID(被仕向金融機関の銀行参照番号)を付与した後に、被仕向送金通知に設定されている送金金額に相当する資金を未払外国為替勘定に記帳し(図2のステップ102も参照:なお、未払い外国為替勘定への記帳は被仕向金融機関の他のコンピュータ(例えばコンピュータ・ネットワーク32内の特定のコンピュータ34等)で行うようにしてもよい)、更に、被仕向送金通知に設定されている送金金額、受取人を特定するための情報、仕向金融機関の銀行参照番号及びパスワードと、先に付与した被仕向金融機関の銀行参照番号を、例として次の表2にも示すように、明細情報としてHDD26に記憶させる(図2のステップ104も参照)。このように、HDD26は本発明に係る記憶手段に対応している。また、この際にホスト・コンピュータ16は事前に取り決められたS.W.I.F.Tフォーマットの所定のフィールドよりパスワードを読み取り、パスワードとして記憶する。
【0026】
【表2】
【0027】
また、被仕向送金通知を受信したホスト・コンピュータ16は、受信した被仕向送金通知を編集することで、被仕向送金が有ったことを特定の顧客に案内するための被仕向送金到着案内情報を作成する(図2のステップ106も参照)。そしてホスト・コンピュータ16は、作成した被仕向送金到着案内情報を、HDD36に設けられた金融取引情報ファイル38のうち、対応するファイル(「外国為替取引明細(非会計性)」のファイル)に格納する(図2のステップ108も参照)。なお、上述したステップ102〜ステップ108は本発明に係る送金受付手段(請求項4に記載の第1ステップ)に対応している。また、HDD36は請求項2に記載の所定の記憶媒体に対応している。
【0028】
「外国為替取引明細(非会計性)」のファイルに格納された被仕向送金到着案内情報は、受取人がPC12に対して受信処理の実行を指示する(図2の「該当ファイルアクセス」も参照)ことにより、ホスト・コンピュータ16によって読み出されてPC12に送信される(図2の「被仕向送金到着案内送信」も参照)。ホスト・コンピュータ16から被仕向送金到着案内情報を受信したPC12は、被仕向送金到着案内情報を受信したことを受取人に通知する(図2の「送金到着案内受信を通知」も参照)。
【0029】
これにより、受取人は、受信した被仕向送金到着案内情報の内容を確認し、締結した売買契約通りの送金があったことを認識することができ、送金を特定するための仕向金融機関及び被仕向金融機関の銀行参照番号も認識することができる(図2の「内容確認」も参照)。このように、受取人(輸出者)は、送金が有ったことを確認した後に商品を発送することができるので、受取人(輸出者)の代金回収リスクを解消することができる。なお、被仕向送金到着案内情報には送金依頼人によって設定されたパスワードは含まれておらず、この時点では受取人にはパスワードは通知されない。
【0030】
売買契約通りの被仕向送金が有ったことを認識した受取人は、先に送金依頼人との間で締結した売買契約に係る商品を送金依頼人宛てに発送(輸出)する(図2のステップ110も参照)。受取人から発送された商品を受領した送金依頼人は、受領した商品に瑕疵が無いかどうかを検査する(図2のステップ112も参照)。受領した商品に数量不足やその他の瑕疵があった場合(図2のステップ114の判定が否定された場合)、送金依頼人(輸入者)は受取人(輸出者)に対して商品の再送を要求する等の手続をとることになる。
【0031】
この段階では、被仕向金融機関への送金は行われているものの、送金依頼人は受取人へパスワードを通知しておらず、受取人の口座への入金は行われていないので、瑕疵のない商品が発送されない場合や、商品の発送自体が行われない場合には、送金自体を取り消すことができる。従って、送金依頼人(輸入者)の物品受取リスクも解消することができる。なお、送金依頼人が正当な理由なく送金自体を取り消すことを抑止するために、取消しに関わる手数料を通常よりも高額に設定するようにしてもよい。
【0032】
受領した商品に瑕疵がなかった場合(図2のステップ114の判定が肯定された場合)、送金依頼人(輸入者)は受取人(輸出者)に対して電話等の通信手段によりパスワードを通知する(図2のステップ116も参照)。これにより、パスワードを認識(図2のステップ118も参照)した受取人は、PC12を操作して該当の被仕向送金到着案内に関する被仕向金融機関の銀行参照番号及びパスワードを入力し、被仕向金融機関(のホスト・コンピュータ16)に対して所望の口座への入金を指示する(図2のステップ120も参照)。なお、この入金指示は電話等により行うようにしてもよい。
【0033】
ホスト・コンピュータ16は、受取人からの入金指示を受信すると、受取人から受信した被仕向金融機関の銀行参照番号をキーにして未払外国為替勘定の明細情報を検索し、受取人から受信したパスワードを、検索によって抽出された明細情報に設定されているパスワードと照合する(図2のステップ122も参照)。照合したパスワードが一致していなかった場合(図2のステップ124の判定が否定された場合)には、受取人に対してパスワードの再入力を要請する。なお、未払外国為替勘定に記帳された資金の不正な引き出し又は移動を阻止するために、パスワードの照合においてパスワードの不一致が所定回(例えば3回)以上連続した場合には、受取人からの入金指示を拒否することが望ましい。
【0034】
一方、照合したパスワードが一致していた場合(図2のステップ124の判定が肯定された場合)には、被仕向送金に基づく入金処理を行い、先の検索によって抽出された明細情報に設定されている送金金額に見合う資金を、受取人によって指定された口座へ入金する(図2のステップ126も参照)。なお、上述したステップ122〜ステップ126は本発明に係る管理手段(請求項4に記載の第2ステップ)に対応しており、特にステップ122は請求項3に記載の管理手段に対応している。
【0035】
入金処理が完了すると、ホスト・コンピュータ16は、受取人に対して入金処理の完了を報告するための被仕向送金計算明細を作成し(図2のステップ138も参照)、HDD36に設けられた金融取引情報ファイル38のうち、対応するファイル(「外国為替取引明細(会計性)」のファイル)に格納する(図2のステップ130も参照)。
【0036】
図示は省略するが、上記の被仕向送金計算明細情報についても、受取人がPC12に対し、「外国為替取引明細(会計性)」のファイルに対する受信処理の実行を指示することにより、ホスト・コンピュータ16によって読み出されてPC12に送信される。そして、被仕向送金計算明細情報を受信したPC12は、被仕向送金計算明細情報を受信したことを顧客に通知する。これにより、受信した被仕向送金計算明細情報の内容を受取人が確認することが可能となる。
【0037】
なお、上記では本発明を貿易取引の決済のための外国送金に適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、本発明によって実現される外国送金は貿易取引の決済以外にも適用可能であることは言うまでもない。
【0038】
また、上記は受取人がPC12を所持している態様を例に説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、受取人が被仕向金融機関の最寄りの支店の窓口へ出向いて送金受け取りのための手続きをとる態様にも適用可能である。
【0039】
また、上記では外国送金システム10を利用するためのプログラムがPC12にインストールされている態様を説明したが、これに限定されるものではなく、例えばPC12に予めブラウザ(閲覧ソフト)をインストールしておき、このブラウザにより外国送金システム10を利用するためのウェブ・サイト(このウェブ・サイトは特定のウェブ・サーバでサーバ用プログラムが実行されることで実現される)にアクセスすることで、PC12を介して外国送金システム10を利用可能なように、外国送金システム10を構成してもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、送金依頼人から仕向金融機関を介して支払通知を受信した場合に、送金金額、送金依頼人、受取人を識別するための情報、手数料情報、メッセージ及び送金依頼人によって設定されたパスワードを記憶させ、送金依頼人からの送金を未払外国為替勘定に記帳すると共に、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理を行い、受取人からパスワードが提示された場合に、提示されたパスワードを記憶したパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合にのみ、前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動を許可するようにしたので、貿易取引の決済にも好適な低リスクの外国送金を実現できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る外国送金システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における外国送金のシーケンスを示すシーケンス図である。
【符号の説明】
10 外国送金システム
12 PC
14 公衆電話網
16 ホスト・コンピュータ
26 HDD
38 金融取引情報ファイル
Claims (4)
- 送金依頼人から受取人への送金における被仕向金融機関で使用される外国送金管理装置であって、
送金依頼人から仕向金融機関を介して支払通知を受信した場合に、送金金額、送金依頼人、受取人を識別するための情報、手数料情報、メッセージ及び送金依頼人によって設定されたパスワードを記憶手段に記憶させ、送金依頼人からの送金を未払外国為替勘定に記帳すると共に、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理を行う送金受付手段と、
受取人からパスワードが提示された場合に、提示されたパスワードを前記記憶手段に記憶されているパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合にのみ前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動を許可する管理手段と、
を備えたことを特徴とする外国送金管理装置。 - 受取人が所持しているコンピュータと通信回線を介して接続されており、前記送金受付手段は、前記被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理として、前記外国送金管理装置に接続された所定の記憶媒体の記憶領域上に設けられたファイルに、被仕向送金の到着を前記コンピュータを介して受取人へ通知するための情報を格納する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の外国送金管理装置。
- 受取人が所持しているコンピュータと通信回線を介して接続されており、前記管理手段は、前記通信回線を介して前記受取人のコンピュータから受信したパスワードを前記記憶手段に記憶されているパスワードと照合することを特徴とする請求項1記載の外国送金管理装置。
- 送金依頼人から受取人への送金における被仕向金融機関で使用されるコンピュータに所定の処理を実行させるためのプログラムであって、
前記所定の処理は、
送金依頼人から仕向金融機関を介して支払通知を受信した場合に、送金金額、送金依頼人、受取人を識別するための情報、手数料情報、メッセージ及び送金依頼人によって設定されたパスワードを記憶手段に記憶させ、送金依頼人からの送金を未払外国為替勘定に記帳すると共に、被仕向送金の到着を受取人へ通知するための処理を行う第1ステップ、
及び、受取人からパスワードが提示された場合に、提示されたパスワードを前記記憶手段に記憶させたパスワードと照合し、照合したパスワードが一致していた場合にのみ前記送金により仕向けられた資金の引き出し、又は受取人から指定された口座への前記資金の移動を許可する第2ステップ
を含むことを特徴とするプログラム。
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Publications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012256200A (ja) * | 2011-06-09 | 2012-12-27 | Jtb Corp | 代金収納装置,代金収納のためのコンピュータプログラム,代金収納方法 |
JP2013033408A (ja) * | 2011-08-02 | 2013-02-14 | Japan Research Institute Ltd | 被仕向送金受取システム及びその受取方法 |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002174019A patent/JP2004021482A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2013033408A (ja) * | 2011-08-02 | 2013-02-14 | Japan Research Institute Ltd | 被仕向送金受取システム及びその受取方法 |
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