JP2004021130A - ガラス基板用ラベル及び該ラベルの剥離方法 - Google Patents

ガラス基板用ラベル及び該ラベルの剥離方法 Download PDF

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西嶋 孝一
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Abstract

【課題】ラベル基材のシール面にアルカリ水溶液で溶解ないし膨潤する特定のコーティング層を形成したラベル、ならびに、使用後に、ガラス基板に接着したラベルをアルカリ水溶液と接触させることにより、ガラス基板からラベルを剥離する方法を提供する。
【解決手段】ラベル基材のシール面に、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアルカリ金属中和物及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアンモニア中和物からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂または樹脂組成物の層を積層したガラス用ラベル。
上記特定のポリマーを水性分散液としてラベル基材にコーティングし、乾燥すると、得られたシール層は耐水性がすぐれると共にガラスに対する接着性にすぐれ、使用後には、アルカリ水溶液と接触させることにより、溶解ないし膨潤し、ガラス基板から容易に剥離することができる。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基板に接着するラベル及びその剥離方法に関するものであり、より詳しくは、ラベル基材のシール面にアルカリ水溶液で溶解ないし膨潤する特定のコーティング層を形成したラベル、ならびに、使用後に、ガラス基板に接着したラベルをアルカリ水溶液と接触させることにより、ガラス基板からラベルを剥離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板あるいはガラスビンの表面に様々な表示や宣伝媒体として印刷や各種のラベルが接着されることはよく知られている。
特に、ガラスビンは、飲料等の液体用の容器として幅広く用いられており、通常の対人販売ルートばかりでなく、自動販売機などでも自由に購入し、利用することがいまや当たり前になっている。
【0003】
一方で、近年の環境問題からリサイクルのニーズが高まっており、ガラスビンにおいても、同様にリサイクル化が促進されている。ラベルが接着されたビンは使用後にラベルを剥して再使用のためにビンの内外を清掃しなければならない。そのため、ビンラベル用の糊としては、使用後にラベルの剥し易いカゼインが一般に用いられている。
しかしながら、カゼインは天然物であることから品質の安定性が悪く、さらには耐水性に劣ることや腐りやすいという問題があり、ビンラベル用の糊としては必ずしも適しているとはいえない。
【0004】
また、エチレン系の水性分散液はその皮膜がヒートシール性を有するという特徴を有する点で、他のエマルジョンとは大きく異なっている。そのため、この特性を生かして紙、プラスチック、金属等の基材にシール性を付与する素材として多用されている。エチレン系の水性分散液のうち、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の水性分散液はフリーのカルボン酸を多く持つことから、極性基材の金属やプラスチックに対するコーティング剤として使用されている。また他のエチレン系の水性分散液と比較してガラス接着性が良好であることも大きな特徴である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術の問題として、ガラス基板へのラベル貼りの際には、作業の安定性を確保でき、使用時には優れた耐水性や耐腐敗性を有し、かつ使用後には、簡単な操作で容易にガラス基材から剥離することのできるガラス用ラベルが求められている。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ガラス板やガラスビンなどのガラス基板にラベルを接着する際の作業の安定性に優れ、使用時には耐水性や耐腐敗性に優れ、かつ、使用後にラベルをガラスから剥す際には、簡単な操作で容易にラベルを剥離可能としたガラス用のラベルを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、簡単な操作でガラス基材からラベルを剥離する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目的を達成できるガラス用ラベルを探索して度重なる実験を繰り返したなかで、ラベルのシール層として、特定のポリマーの水性分散液を用いることにより上記目的が達成できることを確認し、本発明を完成した。
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであって、ガラス基板に接着するラベルのシール層として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアルカリ金属中和物及びエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアンモニア中和物からなる群より選ばれた樹脂または樹脂組成物が積層されている点に重要な特徴がある。
【0009】
すなわち、本発明によれば、ラベル基材のシール面に、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアルカリ金属中和物及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアンモニア中和物からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂または樹脂組成物層が積層されていることを特徴とするガラス基板用ラベルが提供される。
【0010】
また、本発明によれば、ガラス基板がガラスビンである上記ガラス基板用ラベルが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、ガラス基板上にエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を固形分中に60重量%以上含む樹脂または樹脂組成物の水性分散液をコーティングし、乾燥してなるガラス基板用ラベルが提供される。
【0012】
また、本発明によれば、水性分散液が、不飽和カルボン酸含量が10ないし35重量%、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)が0.1ないし1500g/10分であって、カルボン酸に対して1価の金属あるいはアンモニアが30モル%以上で分散されたエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の水性分散液である上記ガラス基板用ラベルが提供される。
【0013】
また、本発明によれば、水性分散液が、2価の金属が1価の金属あるいはアンモニアと共に分散された水性分散液である上記ガラス基板用ラベルが提供される。
【0014】
また、本発明によれば、ラベル基材が、少なくともアルカリ水溶液に不溶なプラスチックまたは金属を含む上記ガラス基板用ラベルが提供される。
【0015】
また、本発明によれば、ラベル基材が、少なくともポリプロピレンあるいはポリプロピレン合成紙を含む上記ガラス基板用ラベルが提供される。
【0016】
また、本発明によれば、ラベル基材が、少なくとも紙基材を含む上記ガラス基板用ラベルが提供される。
【0017】
また、本発明によれば、上記ラベルが接着されたガラス基板をアルカリ水溶液と接触させ、ラベルのシール部を溶解ないし膨潤することによりガラス基板からラベルを剥離する方法が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、ガラス基材に接着するラベルのシール材として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアルカリ金属中和物及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアンモニア中和物からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂または樹脂組成物を用いる点に重要な特徴がある。上記樹脂または樹脂組成物は、水性分散液としてラベルの少なくとも一面にコーティングされ、乾燥されることによってシール層として形成される。
シール層を構成する樹脂がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアンモニア中和物の場合には、コーティング後の乾燥によってアンモニアの一部ないし全部が消失することもある。
【0019】
本発明において、ラベルのシール材として用いる上記特定の水性分散液は、これをラベル基材上に塗布し、これを加熱乾燥して揮発性成分を除去するだけで、シールされた層は、ガラスに対してすぐれた接着性を示すヒートシール層を形成する。このヒートシール層をガラスの表面に載置して加熱すれば、後述する実施例に示すようにすぐれた接着強度を示し、かつ、すぐれた耐水性を示す。
【0020】
また、このヒートシール層は、水との接触によっては剥離することがないが、アルカリ水溶液に接触させることによって溶解ないし膨潤し、ラベルをガラス基板から剥離することができる。なお、アルカリ液との接触とは、ガラス基板をアルカリ液に浸漬する態様あるいはガラス基板にアルカリ液を塗布ないし噴射する態様を含むものであるが、ガラス基材をアルカリ液に浸漬する態様が一般的である。したがって、ラベル基材の再生処理がきわめて容易になるばかりでなく、ガラスビンなどのガラス基材のリサイクルも容易に行えるというきわめて大きなメリットがもたらされる。
【0021】
<シール剤>
・ポリマー成分;
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸との共重合体であり、不飽和カルボン酸の中ではアクリル酸またはメタクリル酸が好ましく、水性分散液への溶解性の面から、特にアクリル酸が好ましい。なお、このエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、20重量%以下のビニルエステルを含む3元共重合体であっても良い。
【0022】
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体における、エチレン成分は65ないし90重量%、好ましくは70ないし85重量%であり、不飽和カルボン酸成分が10ないし35重量%、好ましくは15ないし30重量%である。不飽和カルボン酸の含量が上記範囲より少ないと分散性が悪く、多いとヒートシール性、ブロッキング性その他の性能が損なわれる。上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)は、30ないし2000g/10分、好ましくは60ないし1500g/10分である。
【0023】
上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体に任意に含まれていてもよい単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などを挙げることができ、これらの単量体は、0ないし50重量%程度の割合で含まれていることが好ましい。
このようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、高圧法のラジカル重合によって得ることができる。
【0024】
・水性分散液;
本発明におけるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の水性分散液は、上記共重合体と分散媒及び必要に応じて他の樹脂や添加剤からなるものである。上記共重合体は、耐水性及び耐剥離性を有するラベルを得るためには、固形分が60重量%以下、粒径が5μm以下、粘度が50,000mPa・s以下であることが好ましい。分散媒としては、アンモニアあるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水和物が特にすぐれている。また本発明では、これらの分散媒は、カルボキシル基のモル数に対して0.2ないし1.5当量(20ないし150モル%)、好ましくは0.4ないし1.0当量(40ないし100モル%)程度の割合で用いられることが好ましい。
【0025】
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と上記分散媒及び必要に応じて他の樹脂や添加剤から水性分散液を製造するには、例えば、撹拌装置のついた容器に、所定量の水と上記原料を供給し、90ないし150℃程度の温度で10分ないし2時間程度攪拌してやることによって容易に得ることができる。本発明の水性分散液は、安定性に優れており、長期に保存しても粒径や粘度が大幅に変化することがない。
【0026】
本発明においては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化銅などの2価の金属を分散媒と共に水性分散液を製造する際に酸化物として添加することができる。また、酸化物以外に炭酸金属塩、硫酸金属塩の形で導入することができる。その混合比は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基に対して0ないし0.4当量の割合で導入することができる。ただし、アンモニアまたはアルカリ金属の分散媒を併用しなくては導入することはできない。
【0027】
また、本発明においては、水性分散液中の全固形分濃度は1ないし60重量%、特に5ないし30重量%とすることが好ましく、水性分散体中の上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の濃度は0.5ないし40重量%、特に2.5ないし30重量%が好ましい。
【0028】
<その他の配合成分>
本発明の水性分散液には、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じて、他の樹脂、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、水溶性アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、メタクリルアミド樹脂、アクリロニトリル樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリエチレン樹脂、酸化ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレン共重合体、無水マレイン酸グラフト−プロピレン−エチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、EPDM、フェノール系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、無水マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトエチレン−アクリル酸エチル共重合体等の単独または2種以上、または、下記のような、自体公知の各種添加剤を配合することができる。
【0029】
このような添加剤としては、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール、水溶性エポキシ樹脂、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノアセテート等のエステル類、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、抗菌剤、滑剤、無機充填剤、発泡剤、ブロッキング防止剤、接着剤等を挙げる事ができる。
【0030】
本発明の水性分散液は、他の重合体の水性分散液と混合する事もできる。
そのような重合体水性分散液としては、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、水溶性アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、メタクリルアミド樹脂、アクリロニトリル樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリエチレン樹脂、酸化ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレン共重合体、無水マレイン酸グラフト−プロピレン−エチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、EPDM、フェノール系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、無水マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトエチレン−アクリル酸エチル共重合体等の水性分散液の単独または2種以上を混合して用いることができる。
【0031】
<ラベル基材上へのコーティング>
本発明において、ラベル基材上へのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体系水性分散液のコーティングは、自体公知のコーティング方法が適用できる。
例えば、ロールコーター、バーコーター、スプレイ、エアーナイフコーターあるいは刷毛を用いたコーティング方法を行うか、あるいはラベル基材を水性分散液に浸漬してもよい。コーティングした後、80ないし200℃程度の温度で加熱乾燥して揮発性成分を蒸発させる事により、均一なコーティング層からなるシール層を有する本発明のガラス基材用ラベルが得られる。
【0032】
コーティング層の厚みは、とくに限定されるものではないが、通常、0.1ないし20μm、好ましくは0.5ないし10μmである。
このコーティング層には、電子線照射による架橋処理を行う事により、耐水性ならびに耐久性を一層高めることができる。
なお、本発明のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体系ポリマーの水性分散液として用いることができる好ましい例は、本出願人の出願にかかる特開2000−248141号公報にも記載されている。
【0033】
<ラベル基材>
本発明のラベル基材としては通常ラベルとして用いられる、紙や合成紙などの素材が使用できるが、少なくともラベル素材の1層として、アルカリ水溶液に不溶な素材、例えば、ポリプロピレン、ポリプロピレン合成紙、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、不織布、織布、アルミ箔、紙等のプラスチック、金属、紙などのシートあるいはこれらを含む積層シートが好ましく用いられる。
ラベルを構成する積層シートの少なくとも1層が上記の素材で構成されていることにより、ガラス基板からラベルを剥離する際のアルカリ水溶液との接触に際しても、ラベル基材はバラバラになることがなく、ラベルの剥離作業が容易になる。
【0034】
<シール層の除去>
本発明のシール層は、アルカリ水溶液に浸漬するなどの接触手段で溶解ないし膨潤することができ、ガラス基板から容易に剥離することができる。
アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの0.1%ないし10%程度の水溶液が用いられ、これを40℃ないし90℃程度に加熱し、好ましくは30回/分ないし120回/分程度の振とう条件下で3ないし30分程度の浸漬等の接触手段によって目的を達成することができる。また、機械的な攪拌装置を使用することにより溶解・除去はより容易になる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラス基板に接着するラベルとして、シール層として特定のにポリマーの水性分散液からなるシール材を用いることにより、品質が安定で、耐水性、耐剥離性がすぐれたラベルとして機能し、使用後には、ラベルが接着されているガラス基板をアルカリ水溶液と接触させることにより、上記シール層が溶解ないし膨潤し、ガラス基板からラべルを容易に剥離することにより、ラベルの再生ならびにガラス基板のリサイクルを可能にする効果がある。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明の好適態様を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
試料:
(ベースポリマー)
・エチレン・アクリル酸共重合体:ポリマーA(アクリル酸20重量%、MFR300)
・エチレン・メタアクリル酸共重合体:ポリマーB(アクリル酸20重量%、MFR300)
(アルカリ成分)
・アンモニア水:関東化学社製(濃度29重量%)
・NaOH :広島和光純薬社製(純度99%以上)
(その他の水性分散液)
・エチレン・酢酸ビニル共重合体ベースエマルジョン
【0038】
装置:
400ccオートクレーブ:耐圧ガラス社製
水性分散液の作成:
表1の配合に従って、水性分散液を作成した。作成は上記オートクレーブを用い、温度150℃、攪拌時間1.5hr、攪拌回転数8000rpmで処理後、水冷によって温度を35℃まで冷却して得た。
ラベルの作成:
次に、ラベル基材として、ポリエチレンテレフタレート(PET):12μm/ポリエチレン(PE):20μm/アルミニウム(Al)7μmからなる積層シートを2枚用意し、夫々のラベル基材の表面に、上記ポリマーA、ポリマーBの水性分散液が6μm(dry)になるようにコーティングし、150℃×2
minで乾燥し、ガラス基板用ラベルを得た。
【0039】
【表1】
Figure 2004021130
【0040】
評価:
▲1▼ガラスに対する接着性
上記各ラベルのコーティング面とガラス面とを140℃、2sec、圧力1kg/cm の条件でヒートシールし、その強度を測定した。試料の短冊幅は15mmである。
▲2▼水中での剥離試験
上記▲1▼の試料を24時間冷水(水温23℃)に浸漬し、ラベルの剥れについて観察した。
▲3▼アルカリ水による剥離試験
上記▲1▼の試料を80℃の0.25重量%のNaOH水溶液に1分間浸漬し、ラベルの剥れについて観察した。
【0041】
<実施例1>
水性分散液▲1▼を、評価▲1▼に従って作成した試料について、ガラス接着性、水浸漬による剥離状態、アルカリ水浸漬による剥離状態をそれぞれ評価した。結果を表2に示した。
【0042】
<実施例2>
水性分散液▲2▼を用いたほかは、実施例1と同様にして、ガラス接着性、水浸漬による剥離状態、アルカリ水浸漬による剥離状態をそれぞれ評価した。結果を表2に示した。
【0043】
<比較例1>
エチレン−酢酸ビニル共重合体のエマルジョンを評価▲1▼に従って基材にコーティングし、コーティング塗膜を作成した。これを用いて、実施例1と同様にして、ガラス接着性、水浸漬による剥離状態、アルカリ水浸漬による剥離状態をそれぞれ評価した。結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
Figure 2004021130

Claims (9)

  1. ラベル基材のシール面に、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアルカリ金属中和物及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアンモニア中和物からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂または樹脂組成物層が積層されていることを特徴とするガラス基板用ラベル。
  2. ガラス基板がガラスビンである請求項1記載のガラス基板用 ラベル。
  3. ガラス基板上にエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を固形 分中に60重量%以上含む樹脂または樹脂組成物の水性分散液をコーティングし、乾燥してなるガラス基板用ラベル。
  4. 水性分散液が、不飽和カルボン酸含量が10ないし35重量%、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)が0.1ないし1500g/10分であって、カルボン酸に対して1価の金属あるいはアンモニアが30モル%以上で分散されたエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の水性分散液である請求項3記載のガラス基板用ラベル。
  5. 水性分散液が、2価の金属が1価の金属あるいはアンモニアと共に分散された水性分散液である請求項3記載のガラス基板用ラベル。
  6. ラベル基材が、少なくともアルカリ水溶液に不溶なプラスチックまたは金属を含む請求項3記載のガラス基板用ラベル。
  7. ラベル基材が、少なくともポリプロピレンあるいはポリプロピレン合成紙を含む請求項1ないし6のいずれか1記載のガラス基板用ラベル。
  8. ラベル基材が、少なくとも紙基材を含む請求項1ないし6のいずれか1記載のガラス基板用ラベル。
  9. 請求項1ないし8記載のラベルが接着されたガラス基板をアルカリ水溶液と接触させ、ラベルのシール部を溶解ないし膨潤することによりガラス基板からラベルを剥離する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114574064A (zh) * 2022-03-24 2022-06-03 上海交通大学 一种水性单涂型镀铝玻璃镜用镜背涂料、制备方法及其应用

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