JP2004021107A - 液状体の吐出方法およびその装置、ならびに光学部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流動性を有した液状体を吐出する被吐出物1の被吐出面について、液状体を吐出する方向における被吐出面の外郭を認識し、この外郭に基づいて、液状体を吐出する複数のノズルが設けられた液滴吐出ヘッド30を、被吐出物1と相対的に移動させ、複数の液滴吐出ヘッド30の各ノズルから液状体を、被吐出面の外郭の中で所定の被吐出範囲に吐出する。従って、必要最小限の範囲にのみ液状体を吐出することができ、液状体の利用効率を十分に高め、被吐出物1の表面処理作業のコスト低減を図ることができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動性を有した液状体を被吐出物に吐出する、液状体の吐出方法およびその吐出装置に関する。そして、本発明は、光学素子の表面に液状体を吐出し膜を形成する光学部材の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、例えば眼鏡に用いられるレンズ等の光学素子には、その表面に硬化膜や反射防止膜等を形成する表面処理が施されている。この表面処理の方法として、スピンコーティング法やディッピング(浸漬)法が知られている。
【0003】
スピンコーティング法では、光学素子の表面に硬化膜の原料としてのハードコート液等を滴下し、光学素子を高速回転させる。この回転により、ハードコート液等が光学素子の表面全体に薄く広がって、膜状に塗布され、表面硬化膜が形成される。
しかし、スピンコーティング法では、光学素子の表面に滴下したハードコート液等の大半が周囲に飛散することになる。この飛散したハードコート液等には、ほこり等の不純物が混入するため、飛散したハードコート液等を回収し、不純物除去の後、再利用するには装置が複雑化する。従って、ハードコート液等の再利用は困難である。
【0004】
また、ディッピング法では、光学素子を治具で保持し、容器に入ったハードコート液等に浸けた後、引き上げる。これにより、光学素子の表面にハードコート液等が付着、塗布され、表面硬化膜が形成される。
しかし、ディッピング法では、予め、容器内に大量のハードコート液等を用意しておく必要がある。また、容器内のハードコート液等は、光学素子の浸漬を繰り返すに従って、粘度等の特性が経時変化し、徐々に劣化する。従って、表面硬化膜の品質を維持するために、所定の期間でハードコート液等を処分し、入れ替えなければならない。
【0005】
従って、スピンコーティング法やディッピング法では、光学素子の表面処理に用いられるハードコート液等が大量に廃棄される。さらに、廃棄の際の無害化処理等をも必要とする。このため原料の利用効率が悪く、光学素子の表面処理工程における省エネルギー化および、コスト低減の阻害要因となっている。
【0006】
このような表面処理に係る原料の無駄を解消するものとして、本出願人が先に開発した特開2001−327908号公報に示す技術が提案されている。同公報に開示された技術は、ハードコート液等の液状体を液滴吐出ヘッドのノズルから吐出し、光学素子の表面に塗布することによって、光学素子に表面処理を施すものである。すなわち、いわゆるインクジェット法によって光学素子の表面処理を実施しようとするものである。
【0007】
インクジェット法による光学素子の表面処理では、光学素子の表面に必要な量のハードコート液等を吐出し、塗布する。これによって、ハードコート液等の利用効率を高めることができるので、表面処理工程における省エネルギー化および、コスト低減を期待できる。また、インクジェット法で使用する液滴吐出ヘッドや、この液滴吐出ヘッドを駆動する駆動装置、制御装置等は、既存のプリンタ等で使用される機器を改良するだけで、表面処理装置に流用することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公報における従来技術では、大きさや形状が異なる光学素子ごとにハードコート液等の塗布範囲や塗布量を制御することができない。従って、光学素子の表面処理工程における省エネルギー化および、コスト低減の十分な実効が図れない。
【0009】
すなわち、光学素子の中でも特に、眼鏡用のレンズにあっては、その使用者の視力によってレンズの焦点距離や位置が異なる。また、取り付ける眼鏡フレームのサイズやデザインによって、1枚のレンズの中で使用する部位が異なる等、レンズ単品ごとに眼鏡用に切り出し、成形される部分が相違する。さらに、例えば累進焦点型レンズでは、表面処理前のレンズの外形状が真円でなく、使用者の視力によってレンズの外形状が単品ごとにそれぞれ異なる。従って、従来の技術におけるインクジェット法では、外形状や使用範囲が異なる個々のレンズに対して適切な塗布範囲や塗布量を制御できず、個々のレンズごとにハードコート液等の利用効率を十分に高めることが困難であるという問題がある。
【0010】
このような問題への対処として、個々に異なる外形状を有するレンズごとに、その外形状や塗布範囲、塗布量等を設定値としてデータベース化しておく方法が考えられる。そして、表面処理工程の前工程としてデータベースからレンズごとの設定値を読み出し、この設定値に基づいて塗布範囲や塗布量等を決めた後、表面処理工程を実行する。これによって、レンズごとのハードコート液等の利用効率を高めることができる。しかし、このような方法によっても、前述のように眼鏡用のレンズは、その使用者ごとに異なるので、データベース化の作業が膨大になるとともに、データベースの管理および読み出し作業にも多大な労力を要するため、作業の効率化およびコスト低減を図ることができないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、このような問題に鑑みて、外形状や吐出範囲の異なる被吐出物に対して、表面処理作業の省エネルギー化を十分に図り、作業効率を向上できる液状体の吐出方法およびその吐出装置、ならびに光学素子の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の吐出装置は、流動性を有した液状体を被吐出物に吐出する複数のノズルが設けられた液滴吐出ヘッドと、この液滴吐出ヘッドおよび前記被吐出物のうちの少なくともいずれか一方を相対的に移動させる移動手段と、前記被吐出物の外郭を認識し、この外郭に基づいて、前記液滴吐出ヘッドの吐出および前記移動手段の移動のうちの少なくともいずれか一方を制御する制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0013】
このような構成の本発明においては、被吐出物の外郭を認識し、この外郭に基づいて液滴吐出ヘッドから液状体を吐出することによって、必要最小限の吐出範囲にのみ液状体を吐出することができ、液状体の利用効率を十分に高め、被吐出物の表面処理作業のコスト低減を図ることができる。
【0014】
そして、本発明では、前記制御手段は、前記液滴吐出ヘッドから前記液状体を吐出する前記被吐出物の所定の表面としての被吐出面の外郭を認識することが好ましい。
この構成により、被吐出物の表面のうち、液状体が吐出される被吐出面の外郭を認識し、この外郭に基づいて液滴吐出ヘッドから液状体を吐出することによって、さらに、液状体の利用効率を高め、被吐出物の表面処理作業のコスト低減を図ることができる。
【0015】
また、本発明では、前記制御手段は、前記被吐出物を撮像した撮像データに基づいて前記被吐出面の外郭を認識することが好ましい。
この構成により、被吐出物の撮像データにより被吐出面の外郭を認識することによって、被吐出物の位置や形状を確実に認識することができる。
【0016】
さらに、本発明では、前記制御手段は、前記撮像データにて認識した前記被吐出面の外郭に基づき、画像処理によって、前記液状体を吐出する被吐出範囲を決定する画像処理手段を備えることが好ましい。
この構成により、被吐出面の外郭に基づいて画像処理を実施し、被吐出範囲を決定することによって、個々に異なる被吐出物の位置や形状を画像認識し、被吐出物ごとに適切な被吐出範囲を決定することができる。
【0017】
さらに、本発明では、前記被吐出物は光学素子であり、この光学素子の所定の表面に前記液状体を吐出して膜を形成することが好ましい。
この構成により、光学素子の形状を認識し、その形状に応じた被吐出範囲を決定し、この被吐出範囲に液状体を吐出することによって、必要最小限の範囲に液状体を吐出し、膜を形成することができ、液状体の利用効率を十分に高め、光学部材の表面処理工程に要するコストを低減することができる。
【0018】
本発明の吐出方法は、流動性を有した液状体が吐出される被吐出物の所定の表面としての被吐出面の外郭を認識し、この外郭に基づいて、前記液状体を吐出する複数のノズルが設けられた液滴吐出ヘッドを、前記被吐出物と相対的に移動させ、前記複数の液滴吐出ヘッドの各ノズルから前記液状体を、前記被吐出面の外郭に基づいて所定の被吐出範囲に吐出することを特徴とするものである。
【0019】
このような構成の本発明においては、被吐出物の表面のうち、液状体が吐出される被吐出面の外郭を認識した上で、この外郭に基づいて適切な被吐出範囲を設定し、液滴吐出ヘッドから液状体を吐出することによって、必要最小限の範囲にのみ液状体を吐出することができ、液状体の利用効率を十分に高め、被吐出物の表面処理作業のコスト低減を図ることができる。
【0020】
また、本発明では、前記被吐出物を撮像し、この撮像データに基づいて前記被吐出面の外郭を認識することが好ましい。
この構成により、被吐出物の撮像データにより被吐出面の外郭を認識することによって、被吐出物の位置や形状を確実に認識することができる。
【0021】
さらに、本発明では、前記撮像データにて認識した前記被吐出面の外郭に基づいて、画像処理によって前記被吐出範囲を決定することが好ましい。
この構成により、被吐出面の外郭に基づいて画像処理を実施し、被吐出範囲を決定することによって、個々に異なる被吐出物の位置や形状を画像認識し、被吐出物ごとに適切な被吐出範囲を決定することができる。
【0022】
さらに、本発明では、前記被吐出物は光学素子であり、この光学素子の所定の表面に前記液状体を吐出して膜を形成することが好ましい。
この構成により、光学素子の形状を認識し、その形状に応じた被吐出範囲を決定し、この被吐出範囲に液状体を吐出することによって、必要最小限の範囲に液状体を吐出し、膜を形成することができ、液状体の利用効率を十分に高め、光学部材の表面処理工程に要するコストを低減することができる。
【0023】
本発明の光学部材の製造方法は、光学素子を有し、この光学素子の表面に流動性を有する液状体を吐出することにより、膜が形成された光学部材の製造方法であって、前記液状体を吐出する前記光学素子の所定の表面としての被吐出面の外郭を認識し、この外郭に基づいて、前記液状体を吐出する複数のノズルが設けられた液滴吐出ヘッドを、前記光学素子と相対的に移動させ、前記複数の液滴吐出ヘッドの各ノズルから前記液状体を、前記被吐出面の外郭に基づき所定の被吐出範囲に吐出することを特徴とするものである。
【0024】
このような構成の本発明においては、光学素子の表面のうち、液状体が吐出される被吐出面の外郭を認識した上で、この外郭に基づいて適切な被吐出範囲を設定し、液滴吐出ヘッドから液状体を吐出することによって、必要最小限の範囲にのみ液状体を吐出することができ、液状体の利用効率を十分に高め、光学部材の表面処理作業のコスト低減を図ることができる。
【0025】
そして、本発明では、前記光学素子は、眼鏡用のレンズであることが好ましい。
この構成により、使用者ごとに外形状や焦点位置、切り出し範囲が異なる眼鏡用のレンズにおいて、その形状に応じた被吐出範囲を決定することによって、必要最小限の範囲に液状体を吐出することができ、液状体の利用効率を十分に高め、眼鏡用のレンズの表面処理工程に要するコストを低減することができる。
【0026】
また、本発明では、前記光学素子は、位置認識手段を備えていることが好ましい。
この構成により、光学素子が使用される際の上下左右の位置、方向を認識することができ、より精度良く被吐出範囲を決定することによって、液状体の利用効率をさらに高めることができる。
【0027】
そして、本発明では、前記光学素子は撮像され、この撮像データに基づいて、前記被吐出面の外郭が認識されることが好ましい。
この構成により、光学素子の撮像データにより被吐出面の外郭を認識することによって、光学素子の位置や形状を確実に認識することができる。
【0028】
さらに、本発明では、前記撮像データにて認識した前記被吐出面の外郭に基づいて、画像処理によって前記被吐出範囲が決定されることが好ましい。
この構成により、被吐出面の外郭に基づいて画像処理を実施し、被吐出範囲を決定することによって、個々に異なる光学素子の位置や形状を画像認識し、光学素子ごとに適切な被吐出範囲を決定することができる。
【0029】
さらに、本発明では、前記液滴吐出ヘッドから吐出される前記液状体の吐出量は、前記光学素子の特性データに基づいて調節されることが好ましい。
この構成により、表面の曲率や焦点位置が異なる光学素子ごとに特性データを用意しておき、この特性データに基づき液状体の吐出量等を調節することによって、光学素子ごとに、また、光学素子の部分ごとに適切な量の液状体を吐出することができ、光学部材の表面処理精度をより高めることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施形態を挙げ、図面に基づいて詳しく説明する。
図1および図2には、本発明の一実施形態に係る光学部材の表面処理装置を構成する液滴吐出装置10が示されている。この液滴吐出装置10は、液状体を液滴として被吐出物としての眼鏡用のレンズ1表面に吐出して、被膜状に塗布するための装置である。光学部材の表面処理装置には、液滴吐出装置10の他に、図示しない光学部材搬送装置や液滴吐出装置10への光学部材供給装置、被膜状に塗布された液状体を光学部材の表面に固着するための熱処理装置等が含まれる。
【0031】
なお、液状体としては、レンズ1の表面硬化膜を形成するハードコート液2や、反射防止膜を形成する原料の溶液、染色するための染料や顔料を含んだ溶液等が適用できる。また、被吐出物としては、光学素子としての眼鏡用やその他の光学機器用のレンズが適用できる。ここでは、眼鏡用のレンズ1にハードコート液2を液滴3として吐出し、皮膜状に塗布する場合について説明する。
【0032】
図1において、液滴吐出装置10は、インクジェットヘッド30を備えたヘッドユニット31と、ヘッド位置制御装置11と、レンズ位置制御装置12と、主走査駆動装置13と、副走査駆動装置14と、撮像装置40と、そしてコントロール装置35とを有する。
これらの各装置のうち、ヘッド位置制御装置11、レンズ位置制御装置12、主走査駆動装置13、副走査駆動装置14、そして撮像装置40はベース9の上に設置される。また、これらの各装置は必要に応じてカバー8によって覆われる。
【0033】
ヘッドユニット31は、ヘッド位置制御装置11に支持され、このヘッドユニット31には、複数のインクジェットヘッド30が取り付けられている。
インクジェットヘッド30は、ヘッドユニット31内の図示しない保持手段としてのキャリッジに保持されている。このキャリッジは、インクジェットヘッド30を保持すべき位置にインクジェットヘッド30よりも少し大きい穴すなわち複数の凹部を有している。そして、インクジェットヘッド30はこれらのキャリッジの凹部に装着されて、保持される。さらに、インクジェットヘッド30は、ネジ、接着剤その他の締結手段などの組み合わせによって固定される。なお、キャリッジに対するインクジェットヘッド30の位置が正確に決められる場合には、特別な締結手段を用いることなく、単なる圧入によってインクジェットヘッド30を固定しても良い。
【0034】
インクジェットヘッド30は、複数のノズル32を列状に並べることによって形成された図示しないノズル列を有する。これらのノズル32の孔径は例えば28μmであり、ノズル列の1列当たりのノズル32の数は例えば180個で、ノズル32間のノズルピッチは例えば141μmである。
インクジェットヘッド30は、その内部構造として、図示しない例えばステンレス製のノズルプレートや、それに対向する振動板、それらを互いに接合する複数の仕切部材、仕切部材によって仕切られた複数のインク室、液溜り等を備える。振動板には図示しない圧電素子が取り付けられており、圧電素子への通電を制御することによって、振動板を所定の振動数で振動させる。そして、この振動に応じた間隔でノズル32から所定の量の液滴3が吐出される。
【0035】
主走査駆動装置13によって、インクジェットヘッド30は主走査方向Xへレンズ1に対して相対的に平行移動することによりレンズ1を主走査する。この主走査の間に、ハードコート液2を各インクジェットヘッド30内の複数のノズル32から選択的に吐出することにより、レンズ1の所定位置にハードコート液2を被膜状に塗布する。
【0036】
また、副走査駆動装置14によって、レンズ1は副走査方向Yへ所定距離だけ平行移動する。このように平行移動することにより、インクジェットヘッド30による主走査位置を所定の間隔でずらすことができる。なお、平行移動する距離は、例えばノズル列の副走査方向Y成分の長さ、若しくはそれよりも短いまたはそれよりも長い長さに任意に設定できる。
【0037】
図2において、ヘッド位置制御装置11は、インクジェットヘッド30の位置を制御する装置である。ヘッド位置制御装置11は、αモータ15と、βモータ16と、γモータ17と、そしてZモータ18とを有する。
αモータ15は、インクジェットヘッド30を吐出方向と平行な軸線回りに回転させるものである。βモータ16は、インクジェットヘッド30を副走査方向Yと平行な軸線回りに揺動回転させるものである。γモータ17は、インクジェットヘッド30を主走査方向と平行な軸線回りに揺動回転させるものである。そして、Zモータ18は、インクジェットヘッド30を上下方向へ平行移動させるものである。
また、レンズ位置制御装置12は、レンズ1を載せる載置台4を固定するテーブル20と、そのテーブル20を矢印θのように面内回転させるθモータ19とを有する。
【0038】
主走査駆動装置13は、インクジェットヘッド30をレンズ1に対して主走査移動させる移動手段としての装置である。主走査駆動装置13は、主走査方向Xへ延びるXガイドレール21と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したXスライダ22とを有する。Xスライダ22は内蔵するリニアモータが作動するときにXガイドレール21に沿って主走査方向へ平行移動する。
【0039】
また、副走査駆動装置14は、レンズ1をインクジェットヘッド30に対して副走査移動させる移動手段としての装置である。副走査駆動装置14は、副走査方向Yへ延びるYガイドレール23と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したYスライダ24とを有する。Yスライダ24は内蔵するリニアモータが作動するときにYガイドレール23に沿って副走査方向Yへ平行移動する。
【0040】
Xスライダ22やYスライダ24内においてパルス駆動されるリニアモータは、該モータに供給するパルス信号によって出力軸の回転角度制御を精細に実施できる。従って、Xスライダ22に支持されたインクジェットヘッド30の主走査方向X上の位置やテーブル20の副走査方向Y上の位置などを高精細に制御できる。なお、インクジェットヘッド30やテーブル20の位置制御はパルスモータを用いた位置制御に限られず、サーボモータを用いたフィードバック制御や、その他任意の制御方法によって実現することもできる。
【0041】
図1に示した撮像装置40は、副走査方向Yへ延びるYガイドレール23の上を移動するテーブル20の上方に位置している。そして、撮像装置40は、テーブル20の上に設置されたレンズ1を、その上方表面側から撮像するレンズ撮像カメラ41を備える。このレンズ撮像カメラ41は、テーブル20が副走査駆動装置14によって所定の観察位置にセットされた際、テーブル20の面内回転(θ)軸とレンズ撮像カメラ41の光軸42とが、略同一軸上に取り付けられている。
【0042】
図3には、レンズ撮像カメラ41とレンズ1とが示されている。図3(A)は、それらの一部を断面した側面図であり、図3(B)は、レンズ撮像カメラ41によって撮像されるレンズ1の平面図である。図3において、レンズ撮像カメラ41は、光学系としての観察レンズ43と、この観察レンズ43によって結像される位置に電荷結合素子44(Charge−Coupled Device,CCD)とを備えている。このレンズ撮像カメラ41によって、レンズ1の被吐出面1Aの外郭1Bが撮像される。
【0043】
レンズ1は、その直径寸法に合わせた内径を有し、略円形状に窪みが設けられた載置台4に、被吐出面1Aを図3(A)中上方に向けて設置されている。レンズ1には、所定の位置(図3(B)中上方)に位置認識手段としてのマーキング1Cが施されている。図2に示したθモータ19は、このマーキング1Aに基づいて、テーブル20を矢印θのように面内回転させて、レンズ1の位置決めをする。また、図3(B)には、眼鏡用のレンズとして切り出す範囲1Dが二点鎖線で示されている。
【0044】
なお、撮像装置40は、電荷結合素子44を備えたレンズ撮像カメラ41を備えるものに限られない。例えば、レーザー光線や音波、光波、赤外線等を用いた反射型センサ、あるいは透過型センサ等を、レンズ撮像カメラ41に替えて適用することができる。また、カメラであっても、電荷結合素子44を備えない、フィルム式のカメラや、その他任意のカメラを用いることができる。
【0045】
図1に示したコントロール装置35は、液滴吐出装置10の全般の制御を司る制御手段としての装置である。コントロール装置35は、プロセッサを収容したコンピュータ本体部36と、入力装置37としてのキーボードと、表示装置としてのCRT(Cathode−Ray Tube)ディスプレイ38とを有する。上記プロセッサは、図4に示すように、演算処理を実施するCPU(Central Processing Unit)51と、各種情報を記憶するメモリ52すなわち情報記憶媒体とを有する。
【0046】
図1に示したヘッド位置制御装置11、レンズ位置制御装置12、主走査駆動装置13、副走査駆動装置14、およびインクジェットヘッド30内の圧電素子を駆動するヘッド駆動回路33の各機器は、図4において、入出力インターフェース53およびバス54を介してCPU51に接続される。また、入力装置37、CRTディスプレイ38、およびレンズ撮像カメラ41の各機器も、入出力インターフェース53およびバス54を介してCPU51に接続される。
【0047】
情報記憶媒体としてのメモリ52は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などといった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROM読取り装置、ディスク型記憶媒体などといった外部記憶装置などを含む概念である。図4において、メモリ52には、プログラムソフトや、吐出位置データ、副走査量データ、吐出量データ、レンズ特性データ、塗布パターンデータ等を記憶する記憶領域が設定される。そして、CPU51のためのワークエリアやテンポラリファイルなどとして機能する領域や、その他各種の記憶領域もメモリ52に設定される。
【0048】
プログラムソフトの記憶領域には、液滴吐出装置10の動作の制御手順が記述されたプログラムソフトが記憶されている。吐出量データの記憶領域には吐出位置が座標データとして記憶され、副走査量データの記憶領域には、副走査方向Yへのレンズ1の副走査移動量が記憶される。また、レンズ特性データの記憶領域には、レンズ1の被吐出面1Aの曲率や焦点位置等、撮像装置40では認識できないレンズ1の特性値がデータとして記憶される。
【0049】
CPU51は、情報記憶媒体であるメモリ52内に記憶されたプログラムソフトに従って、レンズ撮像カメラ41を制御し、撮像したレンズ1の画像に基づいて画像処理を行って図6に示す被吐出範囲1Eや吐出パターンを決定する。そしてCPU51は、決定された被吐出面1Aの被吐出範囲1Eにハードコート液2を吐出するための制御を実施するものである。また、CPU51は、具体的な機能実現部として、レンズ撮像カメラ41で撮像したレンズ1の画像から画像認識および吐出範囲決定するための演算を実施する画像処理演算部と、液滴吐出によってハードコート液2を被膜状に塗布するための演算を実施する塗布演算部とを有する。
【0050】
図4において、画像処理演算部を詳しく分割すれば、観察制御演算部と、撮像制御演算部と、画像認識演算部と、画像パターン展開演算部といった各種の機能演算部を有する。
観察制御演算部は、テーブル20を観察位置へセットするための演算を実施し、撮像制御演算部は、レンズ撮像カメラ41でレンズ1を撮像するための制御を演算する。そして、画像認識演算部は、撮像されたレンズ1の画像から画像認識の演算を実施し、画像パターン展開演算部は、画像認識された画像に基づいてハードコート液2の被吐出範囲や吐出パターンを決定するための演算を実施する。
【0051】
塗布演算部を詳しく分割すれば、塗布開始位置演算部と、主走査制御演算部と、副走査制御演算部と、ノズル吐出制御演算部といった各種の機能演算部を有する。
塗布開始位置演算部は、インクジェットヘッド30を塗布のための初期位置へセットするための演算を実施する。主走査制御演算部は、インクジェットヘッド30を主走査方向Xへ所定の速度で走査移動させるための制御を演算し、副走査制御演算部は、レンズ1を副走査方向Yへ所定の副走査量だけずらすための制御を演算する。そして、ノズル吐出制御演算部は、インクジェットヘッド30内の複数のノズル32のうちのいずれを作動させてハードコート液2を吐出するかを制御するための演算を実施する。
【0052】
なお、本実施の形態では、上記の各機能をCPU51を用いてソフト的に実現することにしたが、上記の各機能がCPU51を用いない単独の電子回路によって実現できる場合には、そのような電子回路を用いることも可能である。
【0053】
以下、上記構成からなる液滴吐出装置10の動作を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
図5において、液滴吐出装置10の動作は、主に画像処理工程と塗布工程との二段階の工程から構成されている。
【0054】
オペレータによる電源投入によって液滴吐出装置10が作動すると、まず、ステップS1において初期設定が実現される。具体的には、ヘッドユニット31やコントロール装置35などがあらかじめ決められた初期状態にセットされる。
ステップS2において図示しないレンズ供給装置によってレンズ1をテーブル20上の載置台4にセットする。
【0055】
次に、画像処理工程として、レンズ1のセットされたテーブル20をレンズ撮像カメラ41の直下の観察位置へ移動する(ステップS3)。レンズ撮像カメラ41を制御しながらレンズ1を撮像し、マーキング1Cの位置を認識する。このマーキング1Cの位置に基づいて、図2のθモータ19の出力軸を微小角度単位で回転させることにより、テーブル20を微小角度単位で面内回転させてレンズ1を位置決めする(ステップS4)。再度、レンズ撮像カメラ41によってレンズ1を撮像し、レンズ撮像カメラ41の電荷結合素子44で捉えたレンズ1の撮像データから演算によってレンズ1の外郭1Bを画像認識する(ステップS5)。
【0056】
ステップS6〜S8において、ステップS5で画像認識されたレンズ1の画像に基づいて、演算により画像パターン展開および被吐出範囲1E、吐出パターンを決定する。具体的には、図6に示すレンズ1の画像を模式的に表した平面図のように、レンズ1の表面をインクジェットヘッド30から吐出される液滴3のドットに合わせたグリッドに分割する。これらの分割された各グリッドごとに、液滴を塗布する(ON)か、あるいは塗布しない(OFF)かを設定し、被吐出範囲1Eを決定する。
【0057】
すなわち、ある所定の範囲にハードコート液2を塗布する場合、その範囲に含まれるグリッドをONとし、その他のグリッドをOFFとすることによって被吐出範囲1Eを決定する。図6では、ハッチングで示した範囲のみが被吐出範囲1Eとされている(ステップS7)。次に、決定された被吐出範囲1Eに対してインクジェットヘッド30の走査方法、およびハードコート液2の吐出のタイミングを設定することによって、吐出パターンを決定する(ステップS8)。
【0058】
以上の画像処理工程が終了した後、塗布工程が行われる。図7(A),(B)に示す塗布工程を説明する断面図および平面図および、図8に示す図7(B)の一部(二点鎖線で囲んだ部分)を拡大した塗布工程を模式的に説明する平面図を参照しながら説明する。
図5のステップS9でインクジェットヘッド30によって塗布を開始する位置を演算によって決定する。そして、主走査駆動装置13および副走査駆動装置14を適宜に作動させて、インクジェットヘッド30を塗布開始位置Aへ移動する(ステップS10)。
【0059】
ステップS10でインクジェットヘッド30が塗布開始位置Aに置かれると、その後、ステップS11で主走査方向Xへの1ラインB分の主走査が開始される。具体的には、図2の主走査駆動装置13が作動してインクジェットヘッド30が図7,8の主走査方向Xへ一定の速度で直線的に走査移動する。その移動中、ハードコート液2を塗布すべきレンズ1の被吐出範囲1Eに、対応するノズル32が到達したときに、そのノズル32からハードコート液2が吐出される。すなわち、インクジェットヘッド30内の前記振動板(図示せず)に取り付けられた前記圧電素子(図示せず)への通電を前記ヘッド駆動回路33で制御することにより、設定された被吐出範囲1Eにのみ、選択的にハードコート液2が吐出される。
【0060】
インクジェットヘッド30は、1ラインB分の主走査が終了すると(ステップS12でYES)、反転移動して初期の塗布開始位置Aへ復帰する(ステップS13)。そして、テーブル20にセットされたレンズ1は、副走査駆動装置14によって駆動されて副走査方向Yへあらかじめ決められた副走査量だけ移動し、2回目の塗布開始位置A’にインクジェットヘッド30が置かれる(ステップS14)。そして次に、主走査およびハードコート液2の吐出が繰り返して行われて、レンズ1の被吐出範囲1E全体に対するハードコート液2の塗布が終了する(ステップS15)。
【0061】
以上の塗布工程によって、インクジェットヘッド30による被吐出範囲1E全体に対するハードコート液2の塗布作業が完了すると(ステップS15でYES)、ステップS16でレンズ1が図示しないレンズ供給装置によって、処理後のレンズ1が外部へ排出される。その後、オペレータによって処理終了の指示がなされない限りステップS2へ戻って別のレンズ1に対するハードコート液2の塗布作業を繰り返す。
オペレータから作業終了の指示があると(ステップS17でYES)、塗布作業を終了する。
【0062】
なお、前述の被吐出範囲1Eの決定(ステップS7)においては、眼鏡のレンズ1として切り出す範囲1Dのみを被吐出範囲1Eとしたが、これと異なる塗布工程を図9に従い説明する。図9には、図7とは異なる塗布工程を説明する平面図が示されている。図9において、被吐出範囲は、レンズ1の外郭1Bから所定の距離だけ内側に入った範囲全てを被吐出範囲1Fとされている。この際、インクジェットヘッド30の走査範囲は、レンズ1の外郭1Bよりも外側となるが、前述と同様に、ヘッド駆動回路33でハードコート液2の吐出を制御することにより、設定された被吐出範囲1Fにのみ、選択的にハードコート液2が被膜状に塗布される。従って、レンズ1表面の外周から所定の距離より内側にハードコート液2の膜が形成される。
【0063】
以上により、レンズ1の片側の面に対するハードコート液2の塗布が終了する。その後、必要に応じて、レンズの反対側の面に対しても、同様の手順でハードコート液2を塗布する。このようにしてハードコート液2が被膜状に塗布されたレンズ1に熱処理等を施して、ハードコート液2を硬化させることによって、レンズ1の表面に膜が形成された光学部材、具体的には眼鏡用のハードコートレンズが完成する。
【0064】
このような本発明の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1) 撮像装置40によってレンズ1の外郭1Bが認識された被吐出面1Aの、設定された被吐出範囲1E,1Fに対して、インクジェットヘッド30からハードコート液2を吐出することによって、必要最小限の吐出範囲1E,1Fにのみハードコート液2を吐出することができ、ハードコート液2の利用効率を十分に高め、低コストでレンズ1の表面処理を実施することができる。
【0065】
(2) レンズ撮像カメラ41によってレンズ1の形状が像として撮像され、電荷結合素子44から電気信号として速やかにCPU51の画像処理演算部へ送られるので、レンズ1の画像に基づく画像処理工程を迅速に実行することができる。
【0066】
(3) レンズ1の画像に基づいて画像処理を行い、被吐出範囲1E,1Fを決定することによって、個々に異なるレンズ1の位置や形状を画像認識し、レンズ1ごとに適切な被吐出範囲1E,1Fを決定することができる。
【0067】
(4) レンズ1の画像に基づいて画像処理を行い、被吐出範囲1E,1Fを決定することによって、個々に異なるレンズ1の形状データ等をデータベースとして管理する必要がなく、レンズ1の表面処理作業の効率化を図ることができる。
【0068】
(5) レンズ1にマーキング1Cすることによって、レンズ1が眼鏡用レンズとして使用される際の上下左右の位置、方向を認識することができ、より精度良く被吐出範囲1E,1Fを決定し、レンズ1の表面にハードコート液2を効率よく吐出することができる。
【0069】
(6) メモリ52に、レンズ1の被吐出面1Aの曲率や焦点位置等、撮像装置40によっては認識できない特性データを記憶しておき、この特性データに基づきハードコート液2の吐出量等を調節することによって、レンズ1ごとの曲率等に応じた適切な量のハードコート液2を塗布することができ、レンズ1の表面処理精度を高めることができる。
【0070】
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、以上述べた実施の形態に対し、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができる。
【0071】
前述の実施形態において、被吐出物として、レンズ1の表面処理に関して説明を行ったが、これに限らず、本発明の液状体の吐出方法および吐出装置は、形状を認識し所定の吐出範囲に液状体を吐出できるものであれば、任意の物に適用できる。
また、前述の実施形態において、液滴吐出装置10はレンズ1を1枚ずつ表面処理するものとしたが、これに限らず、複数枚のレンズを同時に処理するものでもよく、その際、複数のレンズのそれぞれについて、異なる吐出範囲や吐出量を設定することができる。
【0072】
また、前述の実施形態において、液滴吐出装置10は撮像装置40を含んで構成されるものとしたが、これに限らず、レンズ認識装置は別体とすることができ、その際、レンズ認識装置と液滴吐出装置との間には、搬送装置を備えることで、画像処理工程と塗布工程とを連続的に実施することができる。
【0073】
また、前述の実施形態において、撮像装置40は、電荷結合素子44を備えたレンズ撮像カメラ41を含んで構成されるものとしたが、これに限らず、タッチセンサー等のレンズ1の外郭1Bを認識できるものを備えてもよい。
また、液滴吐出装置10は、レンズ1の片側面の塗布が終了した後、レンズ1の表裏を反転させ、連続的に反対側の面の画像処理および塗布工程を実施するための、レンズ反転手段を備えたものとすることができる。さらに、レンズ1の表裏両面に同時に、あるいは、所定の時間間隔だけずらして塗布工程を実施することもできる。
【0074】
また、前述の実施形態において、インクジェットヘッド30の走査は、主走査方向Xに沿った1ラインB分の主走査を行った後、反転して初期位置に戻り、テーブル20が副走査方向Yに所定の長さだけ移動し、再びインクジェットヘッド30が主走査するものとしたが、これに限らず、1ライン分の主走査を行った後、反転せず副走査方向Yにテーブル20が移動し、インクジェットヘッドが反転する方向に主走査を行いながら、液状体を吐出するものであってもよい。
また、インクジェットヘッド30は、主走査1ラインB分のノズル列の長さ寸法を備えるものとしたが、これに限らず、レンズの副走査方向Yの長さ寸法と略同一、あるいは、それ以上の長さ寸法のノズル列を備えたものでもよく、また、副走査方向Yに複数のインクジェットヘッドを並列させたものでもよい。
【0075】
また、前述の実施形態において、インクジェットヘッド30は、主走査方向Xに沿って主走査を行うものとしたが、これに限らず、インクジェットヘッドが所定位置に固定され、レンズをセットしたテーブルが主走査移動し、その間にインクジェットヘッドから液状体が吐出され、1ライン分の主走査を行った後、インクジェットヘッドが副走査方向に所定の距離だけ移動し、再びテーブルが主走査移動するものであってもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の液状体の吐出方法およびその吐出装置によれば、被吐出物の外郭に基づき吐出を制御することによって、表面処理作業の省エネルギー化を十分に図り、作業効率を向上できるという効果を奏する。また、本発明の光学部材の製造方法によれば、光学素子ごとに外形状が異なる場合においても、作業効率のよい表面処理を施すことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学部材の表面処理装置の主要部分である液滴吐出装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の装置の主要部を拡大して示す斜視図である。
【図3】(A),(B)は、レンズ撮像カメラとレンズを示す一部を断面した側面図およびレンズの平面図である。
【図4】図1の装置に用いられる制御系を示すブロック図である。
【図5】図4の制御系によって実行される制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】図4の画像処理演算部によって実行されるレンズの画像処理を模式的に示す平面図である。
【図7】(A),(B)は、塗布工程を模式的に示す断面図および平面図である。
【図8】図7の一部を拡大した塗布工程を模式的に説明する平面図である。
【図9】図7とは異なる塗布工程を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1…レンズ(光学素子)、1A…被吐出面、1B…外郭、1C…マーキング(位置認識手段)、1E,1F…被吐出範囲、2…ハードコート液(液状体)、10…液滴吐出装置、11…ヘッド位置制御装置(制御手段)、12…レンズ位置制御装置(制御手段)、13…主走査駆動装置(移動手段)、14…副走査駆動装置(移動手段)、30…インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)、32…ノズル、33…ヘッド駆動回路(制御手段)、40…撮像装置。
Claims (15)
- 流動性を有した液状体を被吐出物に吐出する複数のノズルが設けられた液滴吐出ヘッドと、
この液滴吐出ヘッドおよび前記被吐出物のうちの少なくともいずれか一方を相対的に移動させる移動手段と、
前記被吐出物の外郭を認識し、この外郭に基づいて、前記液滴吐出ヘッドの吐出および前記移動手段による移動のうちの少なくともいずれか一方を制御する制御手段とを備える
ことを特徴とする吐出装置。 - 請求項1に記載の吐出装置において、
前記制御手段は、前記液滴吐出ヘッドから前記液状体を吐出する前記被吐出物の所定の表面としての被吐出面について、前記液状体を吐出する方向における当該被吐出面の外郭を認識する
ことを特徴とする吐出装置。 - 請求項1または請求項2に記載の吐出装置において、
前記制御手段は、前記被吐出物を撮像した撮像データに基づいて前記被吐出面の外郭を認識する
ことを特徴とする吐出装置。 - 請求項3に記載の吐出装置において、
前記制御手段は、前記撮像データにて認識した前記被吐出面の外郭に基づき、画像処理によって、前記液状体を吐出する被吐出範囲を決定する画像処理手段を備える
ことを特徴とする吐出装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の吐出装置において、
前記被吐出物は光学素子であり、
この光学素子の所定の表面に前記液状体を吐出して膜を形成する
ことを特徴とする吐出装置。 - 流動性を有した液状体が吐出される被吐出物の所定の表面としての被吐出面の外郭を認識し、
この外郭に基づいて、前記液状体を吐出する複数のノズルが設けられた液滴吐出ヘッドを、前記被吐出物と相対的に移動させ、
前記複数の液滴吐出ヘッドの各ノズルから前記液状体を、前記被吐出面の外郭に基づいて所定の被吐出範囲に吐出する
ことを特徴とする液状体の吐出方法。 - 請求項6に記載の液状体の吐出方法において、
前記被吐出物を撮像し、
この撮像データに基づいて前記被吐出面の外郭を認識する
ことを特徴とする液状体の吐出方法。 - 請求項7に記載の液状体の吐出方法において、
前記撮像データにて認識した前記被吐出面の外郭に基づいて、画像処理によって前記被吐出範囲を決定する
ことを特徴とする液状体の吐出方法。 - 請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の液状体の吐出方法において、
前記被吐出物は光学素子であり、
この光学素子の所定の表面に前記液状体を吐出して膜を形成する
ことを特徴とする液状体の吐出方法。 - 光学素子を有し、この光学素子の表面に流動性を有する液状体を吐出することにより、膜が形成された光学部材の製造方法であって、
前記液状体を吐出する前記光学素子の所定の表面としての被吐出面の外郭を認識し、
この外郭に基づいて、前記液状体を吐出する複数のノズルが設けられた液滴吐出ヘッドを、前記光学素子と相対的に移動させ、
前記複数の液滴吐出ヘッドの各ノズルから前記液状体を、前記被吐出面の外郭に基づき所定の被吐出範囲に吐出する
ことを特徴とする光学部材の製造方法。 - 請求項10に記載の光学部材の製造方法において、
前記光学素子は、眼鏡用のレンズである
ことを特徴とする光学部材の製造方法。 - 請求項10または請求項11に記載の光学部材の製造方法において、
前記光学素子は、位置認識手段を備えている
ことを特徴とする光学部材の製造方法。 - 請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の光学部材の製造方法において、
前記光学素子は撮像され、この撮像データに基づいて、前記被吐出面の外郭が認識される
ことを特徴とする光学部材の製造方法。 - 請求項13に記載の光学部材の製造方法において、
前記撮像データにて認識した前記被吐出面の外郭に基づいて、画像処理によって前記被吐出範囲が決定される
ことを特徴とする光学部材の製造方法。 - 請求項10ないし請求項14のいずれかに記載の光学部材の製造方法において、
前記液滴吐出ヘッドから吐出される前記液状体の吐出量は、前記光学素子の特性データに基づいて調節される
ことを特徴とする光学部材の製造方法。
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