JP2004021048A - 光ファイバ前処理器および光ファイバ前処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバ心線の接続処理の前に実行される光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理において、それぞれ1本づつの光ファイバ心線を挟んで固定する2個の光ファイバ固定治具を備えて、2本の光ファイバ心線に所定の処理を同時に実行する光ファイバ前処理器および光ファイバ処理方法を提供する。
【解決手段】光ファイバホルダ11(図中の11aおよび11b)は、蓋15(図中の15aおよび15b)をすることにより、光ファイバ心線13(図中の13aおよび13b)を挟んで固定する。ここで、光ファイバ心線先端部14(図中の14aおよび14b)を出すようにする。2個の光ファイバホルダ11aおよび光ファイバホルダ11bは、光ファイバ心線13aと光ファイバ心線13bとの間の距離が最小となるように配置される。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバホルダ11(図中の11aおよび11b)は、蓋15(図中の15aおよび15b)をすることにより、光ファイバ心線13(図中の13aおよび13b)を挟んで固定する。ここで、光ファイバ心線先端部14(図中の14aおよび14b)を出すようにする。2個の光ファイバホルダ11aおよび光ファイバホルダ11bは、光ファイバ心線13aと光ファイバ心線13bとの間の距離が最小となるように配置される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ前処理器および光ファイバ前処理方法に関する。特に、光ファイバ心線の融着接続処理、光ファイバ心線のコネクタ付け処理等の光ファイバ心線の接続処理の前に実行される光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理に利用する光ファイバ前処理器および光ファイバ前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの融着接続、光ファイバのコネクタ付け等の光ファイバの接続処理を実行する場合は、予め、光ファイバ心線の被覆を除去し、洗浄した後、被覆除去された裸ファイバを切断する必要がある。そのため、光ファイバ心線の被覆を除去する工具、裸ファイバを切断する工具等が現在市販されている。
【0003】
例えば、光ファイバを融着接続する場合は、接続すべき2本の光ファイバ心線の被覆をそれぞれ除去し、洗浄し、切断した後、これら2本の裸ファイバの端部を互いに接続する。従って、光ファイバの融着接続のような光ファイバの接続処理を実行する場合は、予め、光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理を2本の光ファイバ心線に実行する必要がある。
【0004】
また、光ファイバの前処理作業を迅速かつ効率よく実行し、更に簡単かつ確実に実行できることが望まれている。そのため、光ファイバ心線の取り扱いが簡単かつ確実に実行できるように、光ファイバ固定治具(以下、「光ファイバホルダ」という)に光ファイバ心線を挟み、光ファイバ心線を挟んだ光ファイバホルダを光ファイバ前処理器に連設して、光ファイバの前処理作業を実行する。例えば、光ファイバ心線を挟んだ光ファイバホルダを光ファイバ被覆除去器(光ファイバストリッパ)、光ファイバ切断器(光ファイバカッタ)等に連設して、光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等を実行する。
【0005】
図5は、現在市販されている光ファイバストリッパの一例を示す平面図であり、図6は、現在市販されている光ファイバカッタの一例を示す平面図である。図5に示すように、光ファイバストリッパ50は、光ファイバ心線52を1本挟んで固定する光ファイバホルダ51、および光ファイバホルダ51を固定するホルダ固定部56を備えている。また、光ファイバストリッパ50は、光ファイバ心線52の被覆を除去するための被覆除去刃53および光ファイバ心線52を暖めるためのヒーター54を備えている。
【0006】
光ファイバストリッパ50の蓋55をヒンジ58を介して回転して閉めることにより、被覆除去刃53が光ファイバ心線52の被覆を挟み、被覆に傷を入れる。次に、ホルダ固定部56を被覆除去刃53から離れるように矢印57の方向へ引くことにより、光ファイバ心線52の被覆を除去して裸ファイバ部66を露出させる。
【0007】
また、図6に示すように、光ファイバスカッタ60は、光ファイバ心線62を1本挟んで固定する光ファイバホルダ61、および光ファイバホルダ61を固定するホルダ固定部65を備えている。また、光ファイバ心線62の裸ファイバ部66を押さえる押さえ部材63aおよび押さえ部材63b、並びに、光ファイバ心線62の裸ファイバ部66を切断する刃64を備えている。
【0008】
裸ファイバ部66を横断するように、矢印67の方向へ刃64をスライドさせ、裸ファイバ部66に一定量の傷を付ける。更に、図面の表側から裏側の方向へ、裸ファイバ部66に荷重を加えて、裸ファイバ部66の傷の部分を折る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、図5および図6に示すように、現在利用されている光ファイバ前処理器に備えられている光ファイバホルダが1個であることから、1回の作業により光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理によって処理される光ファイバ心線の本数は、1本である。
【0010】
そこで、1回の光ファイバの接続処理を実行するために、光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理を少なくとも2本の光ファイバ心線に実行しなければならないという問題があった。このように、1回の光ファイバの接続処理を実行するために、光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理を、2本の光ファイバ心線に実行しなければならないことから、光ファイバ前処理作業に時間がかかってしまうという問題点もあった。
【0011】
また、1回の作業により複数本の光ファイバ心線に対して光ファイバ前処理を実行する場合、光ファイバ前処理器の所要部材の大きさ、例えば、光ファイバストリッパの被覆除去刃の大きさ、光ファイバカッタの光ファイバ押さえ部材の大きさ等を、全ての光ファイバ心線および光ファイバ心線に収容される全ての光ファイバ素線を横断する大きさ(以下、「光ファイバ前処理有効幅」という)以上にする必要があった。この場合、光ファイバカッタの光ファイバ押さえ部材は、ゴム材である場合が多いが、ゴム材の光ファイバ押さえ部材を大きくするとゴムがたわみ、光ファイバ心線をしっかりと把持することができないという問題点があった。
【0012】
図7は、光ファイバ前処理器の所要部材の巾を示す平面図である。図7に示すように光ファイバ前処理器の所要部材(例えば、光ファイバストリッパの被覆除去刃、光ファイバカッタの光ファイバ押さえ部材)72は、光ファイバホルダ71に挟まれて固定される光ファイバ心線(例えば、単心光ファイバ73、12心光ファイバ74、24心光ファイバ75)および光ファイバ心線に収容される全ての光ファイバ素線を横断できる巾である。
また、光ファイバ前処理器の所要部材の巾を光ファイバ前処理有効幅に合わせて大きくすると製造コストがかかってしまうという問題点もあった。
【0013】
そこで、本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、光ファイバ心線の融着接続処理、光ファイバ心線のコネクタ付け処理等の光ファイバ心線の接続処理の前に実行される光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理において、それぞれ1本づつの光ファイバ心線を挟んで固定する2個の光ファイバ固定治具を備えて、2本の光ファイバ心線に所定の処理を同時に実行する光ファイバ前処理器および光ファイバ前処理方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した従来の問題点を解決すべく研究を重ねた。その結果、2個の光ファイバホルダにそれぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線の間の距離が最小となるように、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を光ファイバ前処理器に備えることにより、上記問題を解決できるとの着想を得た。
【0015】
上記研究結果に基づき、以下の発明を提供する。
本発明の、光ファイバ前処理器の1つの態様は、2個の光ファイバ固定治具にそれぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線を互いに平行とし、かつ、2本の光ファイバ心線の間の距離が最小となるように2個の光ファイバ固定治具を固定する固定治具固定部を備えていることを特徴とする、光ファイバ接続処理の前処理に使用する光ファイバ前処理器である。
【0016】
本発明の、光ファイバ前処理器の別の態様は、上述した光ファイバ固定治具に挟まれている光ファイバ心線が、単心光ファイバであることを特徴とする光ファイバ前処理器である。
【0017】
本発明の、光ファイバ前処理器の別の態様は、2個の光ファイバ固定治具にそれぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線を互いに平行とし、かつ、2本の光ファイバ心線の間の距離が最小となるように2個の光ファイバ固定治具を固定する第1の固定治具固定部、または、1個の光ファイバ固定治具を固定する第2の固定治具固定部のどちらか一方を光ファイバ素線の本数に基づいて、備えていることを特徴とする、光ファイバ接続処理の前処理に使用する光ファイバ前処理器である。
【0018】
本発明の、光ファイバ前処理器の別の態様は、光ファイバ接続処理の前処理が光ファイバ心線の被覆を除去する処理であることを特徴とする光ファイバ前処理器である。
【0019】
本発明の、光ファイバ前処理器の別の態様は、光ファイバ接続処理の前処理が光ファイバ心線を被覆除去した裸ファイバを切断する処理であることを特徴とする光ファイバ前処理器である。
【0020】
本発明の、光ファイバ前処理方法の1つの態様は、2個の光ファイバ固定治具にそれぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線を互いに平行とし、かつ、2本の前記光ファイバ心線の間の距離が最小となるように2個の光ファイバ固定治具を固定し、2本の光ファイバ心線の被覆を除去する処理または裸ファイバを切断する処理を、同時に実行する光ファイバ前処理方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
【0022】
図1は、本発明の光ファイバ前処理器における2個の光ファイバホルダの配置を示す図である。図1(a)は光ファイバ心線の断面方向から見た光ファイバホルダの配置を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)をx軸方向から見た側面図であり、図1(c)は、図1(a)をy軸方向から見た平面図である。
【0023】
光ファイバホルダ11(図中の11aおよび11b)は、蓋15(図中の15aおよび15b)をすることにより、光ファイバ心線13(図中の13aおよび13b)を挟んで固定する。ここで、光ファイバ心線先端部14(図中の14aおよび14b)を出すようにする。また、光ファイバ心線13aと光ファイバ心線13bは、光ファイバ心線の素線の数が1本である単心光ファイバである。また、光ファイバホルダ11は、おおむね直方体の形状をしている。
【0024】
2個の光ファイバホルダ11aおよび光ファイバホルダ11bは、光ファイバ心線13aと光ファイバ心線13bとの間の距離が最小となるように配置される。通常、光ファイバホルダ11のz軸方向が最長で、y軸方向が中間の長さで、x軸方向が厚み方向であって最も短い。そこで、図1に示すように、光ファイバホルダ11の平行な最小面であるxy面の中央を突き抜けるように光ファイバ心線13が挟まれている場合、2個の光ファイバホルダ11の最大面であるyz面が向き合うように、2個の光ファイバホルダ11を固定する。更に、光ファイバ心線13がxy面の中央より蓋15側に近い場合は、2個の光ファイバホルダ11の最大面であるyz面の蓋15側の面が向き合うように、2個の光ファイバホルダ11を固定する。この場合、光ファイバ心線の間の距離が小さいことから、2個の光ファイバホルダを備えた光ファイバ前処理器の所要部材12、例えば、光ファイバストリッパの被覆除去刃、光ファイバカッタの光ファイバ押さえ部材等のx軸方向の大きさと、多心光ファイバの光ファイバ心線を挟んだ1個の光ファイバホルダを備えた光ファイバ前処理器の所要部材のx軸方向の大きさとを比較すると、ほぼ同じ大きさである。
【0025】
図2は、2個の光ファイバホルダの配置の一例を示す平面図である。
図に示すように、2個の光ファイバホルダ11aと光ファイバホルダ11bとの間の距離Lは、例えば5mmとし、光ファイバ心線13aと光ファイバ心線13bとの間の距離Mは、例えば10.6mmとする。ここで、光ファイバ心線13aおよび光ファイバ心線13bは単心光ファイバである。一方、現在利用されている24心光ファイバのテープ幅は約6.3mmであり、24心光ファイバの光ファイバ前処理器の所要部材(光ファイバストリッパの被覆除去刃、光ファイバカッタの光ファイバ押さえ部材等)のx軸方向の大きさは、工具の余裕幅を含めておおよそ8mmから10mmである。
従って、光ファイバ前処理器の所要部材のx軸方向の大きさをほぼ変えることなく2個の光ファイバホルダを配置した光ファイバ前処理器を実現することが可能である。
【0026】
図3は、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を備えた光ファイバストリッパの一例を示す平面図である。ここで、固定治具固定部をホルダ固定部と呼ぶ。
【0027】
図に示すように、光ファイバストリッパ30は、光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bを固定するホルダ固定部31を備えている。光ファイバ心線33aは光ファイバホルダ32aに挟まれ、光ファイバ心線33bは光ファイバホルダ32bに挟まれている。
【0028】
また、ホルダ固定部31には溝があり、光ファイバ心線33aと光ファイバ心線33bとの間の距離が最小となるように光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bを配置して固定できるようになっている。即ち、光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bのベース38は一般的に厚く、蓋39の厚みは薄いために、光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bの蓋を対向させることにより、光ファイバ心線33aと光ファイバ心線33bとの間の距離を最小にできる。
【0029】
また、光ファイバストリッパ30は、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bの被覆を除去するための被覆除去刃34、並びに、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bを暖めるためのヒーター35を備えている。ここで、被覆除去刃34は、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bの被覆に同時に傷を入れられる巾である。
【0030】
まず、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bをそれぞれ光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bに挟み、固定する。このとき、光ファイバ心線の被覆を除去するための光ファイバ先端部36aおよび光ファイバ先端部36bが、それぞれ光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bから出るようにして、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bをベース38と蓋39の間に挟み、固定する。
【0031】
次に、光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bをホルダ固定部31に、光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bの蓋を対向させるように固定する。被覆されている光ファイバ先端部36aおよび光ファイバ先端部36bは、ヒーター35の上に置かれ、光ファイバ先端部36aおよび光ファイバ先端部36bの被覆が温められる。光ファイバストリッパ30の図示されていない蓋を閉めることにより、被覆除去刃34が被覆を挟み、被覆に傷を入れる。次に、ホルダ固定部31を被覆除去刃34から離れるように矢印37の方向へ引くことにより、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bの被覆を除去する。
【0032】
また、光ファイバストリッパは、上述したホルダ固定部31と、現在利用されている光ファイバホルダを1個のみ固定する別のホルダ固定部とを取り替えることを可能とすることにより、ホルダ固定部31を使用して2本の単心光ファイバの被覆を除去することも、現在利用されている別のホルダ固定部を使用して1本の多心光ファイバ、例えば、12心光ファイバ、24心光ファイバ等の被覆を除去することも可能である。
【0033】
図4は、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を備えた光ファイバカッタの一例を示す平面図である。
図に示すように、光ファイバカッタ40は、光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bを固定するホルダ固定部41を備えている。光ファイバ心線43aは光ファイバホルダ42aに挟まれ、光ファイバ心線43bは光ファイバホルダ42bに挟まれている。
【0034】
また、ホルダ固定部41には溝があり、光ファイバ心線43aと光ファイバ心線43bとの間の距離が最小となるように光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bを配置して固定できるようになっている。即ち、光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bのベース48は一般的に厚く、蓋49の厚みは薄いために、光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bの蓋を対向させることにより、光ファイバ心線43aと光ファイバ心線43bとの間の距離を最小にできる。
【0035】
また、光ファイバカッタ40は、光ファイバストリッパにより被覆除去された光ファイバ心線43aの被覆除去部(裸ファイバ部)44aおよび光ファイバ心線43bの被覆除去部(裸ファイバ部)44bを押さえる押さえ部材45aおよび押さえ部材45bを備えている。
【0036】
まず、光ファイバ心線43aおよび光ファイバ心線43bをそれぞれ光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bに挟み、固定する。更に、光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bをホルダ固定部41に固定する。裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bは、光ファイバカッタ40の図示されていない蓋を閉めることにより、この蓋と押さえ部材45aおよび押さえ部材45bの間で把持され、固定される。ここで、押さえ部材45aは、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bを同時に押さえられる巾であり、押さえ部材45bも、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bを同時に押さえられる巾である。
【0037】
次に、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bを横断するように、矢印47の方向へ刃46をスライドさせ、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bの下側に一定量の傷を付ける。次に、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bの上側の前記傷に対応する部分にそれぞれ荷重を加えて傷の部分を破断し、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bを切断する。ここで、荷重を加える方向は、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bより押さえ部材45aおよび押さえ部材45bへ向かう方向、即ち、図面の表面より裏面へ向かう方向である。
【0038】
また、光ファイバカッタは、上述したホルダ固定部41と、現在利用されている光ファイバホルダを1個のみ固定する別のホルダ固定部とを取り替えることを可能とすることにより、ホルダ固定部41を使用して2本の単心光ファイバを切断することも、現在利用されている別のホルダ固定部を使用して1本の多心光ファイバ、例えば、12心光ファイバ、24心光ファイバ等を切断することも可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、以下の効果を奏する。
2個の光ファイバホルダに、従来それぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線の間の距離が最小となるように、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を光ファイバ前処理器に備えることにより、光ファイバ前処理器の所要部材をほぼ同じ大きさで、同時に2本の光ファイバ心線を処理することができる。
【0040】
例えば、直方体に近い形状である光ファイバホルダの平行な最小面の中央を突き抜けるように光ファイバ心線が挟まれている場合、2個の光ファイバホルダの最大面が向き合うように、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を光ファイバ前処理器に備えることにより、光ファイバ前処理器の所要部材をほぼ同じ大きさで、同時に2本の光ファイバ心線を処理することができる。
【0041】
また、2本の光ファイバ心線の間の距離を小さくすることにより、光ファイバ前処理器の所要部材の大きさをわずかに大きくするかまたは同じ大きさでよいことから、製造コストの増加を押さえることもできる。また、光ファイバ前処理器の所要部材の大きさに関わる機能的な問題もない光ファイバ前処理器を製造することが可能である。また、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を光ファイバ前処理器により、1回の光ファイバ前処理作業によって2本の光ファイバ心線を処理することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、光ファイバ心線の断面方向から見た光ファイバホルダの配置を示す平面図であり、(b)は、(a)をx軸方向から見た側面図であり、 (c)は、(a)をy軸方向から見た平面図である。
【図2】2個の光ファイバホルダの配置の一例を示す平面図である。
【図3】2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を備えた光ファイバストリッパの一例を示す平面図である。
【図4】2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を備えた光ファイバカッタの一例を示す平面図である。
【図5】市販されている光ファイバストリッパの一例を示す平面図である。
【図6】市販されている光ファイバカッタの一例を示す平面図である。
【図7】光ファイバ前処理器の所要部材の大きさを示す平面図である。
【符号の説明】
11、11a、11b 光ファイバホルダ
12 光ファイバ前処理器の所要部材
13、13a、13b 光ファイバ心線
14、14a、14b 光ファイバ先端部
15、15a、15b 蓋
30 光ファイバストリッパ3
31 第1ホルダ固定部
32a、32b 光ファイバホルダ
33a、33b 光ファイバ心線
34 被覆除去刃
35 ヒーター
36a、36b 光ファイバ先端部
40 光ファイバスカッタ
41 第1ホルダ固定部
42a、42b 光ファイバホルダ
43a、43b 光ファイバ心線
44a、44b 裸ファイバ部
45a、45b 押さえ部材
46 刃
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ前処理器および光ファイバ前処理方法に関する。特に、光ファイバ心線の融着接続処理、光ファイバ心線のコネクタ付け処理等の光ファイバ心線の接続処理の前に実行される光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理に利用する光ファイバ前処理器および光ファイバ前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの融着接続、光ファイバのコネクタ付け等の光ファイバの接続処理を実行する場合は、予め、光ファイバ心線の被覆を除去し、洗浄した後、被覆除去された裸ファイバを切断する必要がある。そのため、光ファイバ心線の被覆を除去する工具、裸ファイバを切断する工具等が現在市販されている。
【0003】
例えば、光ファイバを融着接続する場合は、接続すべき2本の光ファイバ心線の被覆をそれぞれ除去し、洗浄し、切断した後、これら2本の裸ファイバの端部を互いに接続する。従って、光ファイバの融着接続のような光ファイバの接続処理を実行する場合は、予め、光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理を2本の光ファイバ心線に実行する必要がある。
【0004】
また、光ファイバの前処理作業を迅速かつ効率よく実行し、更に簡単かつ確実に実行できることが望まれている。そのため、光ファイバ心線の取り扱いが簡単かつ確実に実行できるように、光ファイバ固定治具(以下、「光ファイバホルダ」という)に光ファイバ心線を挟み、光ファイバ心線を挟んだ光ファイバホルダを光ファイバ前処理器に連設して、光ファイバの前処理作業を実行する。例えば、光ファイバ心線を挟んだ光ファイバホルダを光ファイバ被覆除去器(光ファイバストリッパ)、光ファイバ切断器(光ファイバカッタ)等に連設して、光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等を実行する。
【0005】
図5は、現在市販されている光ファイバストリッパの一例を示す平面図であり、図6は、現在市販されている光ファイバカッタの一例を示す平面図である。図5に示すように、光ファイバストリッパ50は、光ファイバ心線52を1本挟んで固定する光ファイバホルダ51、および光ファイバホルダ51を固定するホルダ固定部56を備えている。また、光ファイバストリッパ50は、光ファイバ心線52の被覆を除去するための被覆除去刃53および光ファイバ心線52を暖めるためのヒーター54を備えている。
【0006】
光ファイバストリッパ50の蓋55をヒンジ58を介して回転して閉めることにより、被覆除去刃53が光ファイバ心線52の被覆を挟み、被覆に傷を入れる。次に、ホルダ固定部56を被覆除去刃53から離れるように矢印57の方向へ引くことにより、光ファイバ心線52の被覆を除去して裸ファイバ部66を露出させる。
【0007】
また、図6に示すように、光ファイバスカッタ60は、光ファイバ心線62を1本挟んで固定する光ファイバホルダ61、および光ファイバホルダ61を固定するホルダ固定部65を備えている。また、光ファイバ心線62の裸ファイバ部66を押さえる押さえ部材63aおよび押さえ部材63b、並びに、光ファイバ心線62の裸ファイバ部66を切断する刃64を備えている。
【0008】
裸ファイバ部66を横断するように、矢印67の方向へ刃64をスライドさせ、裸ファイバ部66に一定量の傷を付ける。更に、図面の表側から裏側の方向へ、裸ファイバ部66に荷重を加えて、裸ファイバ部66の傷の部分を折る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、図5および図6に示すように、現在利用されている光ファイバ前処理器に備えられている光ファイバホルダが1個であることから、1回の作業により光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理によって処理される光ファイバ心線の本数は、1本である。
【0010】
そこで、1回の光ファイバの接続処理を実行するために、光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理を少なくとも2本の光ファイバ心線に実行しなければならないという問題があった。このように、1回の光ファイバの接続処理を実行するために、光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理を、2本の光ファイバ心線に実行しなければならないことから、光ファイバ前処理作業に時間がかかってしまうという問題点もあった。
【0011】
また、1回の作業により複数本の光ファイバ心線に対して光ファイバ前処理を実行する場合、光ファイバ前処理器の所要部材の大きさ、例えば、光ファイバストリッパの被覆除去刃の大きさ、光ファイバカッタの光ファイバ押さえ部材の大きさ等を、全ての光ファイバ心線および光ファイバ心線に収容される全ての光ファイバ素線を横断する大きさ(以下、「光ファイバ前処理有効幅」という)以上にする必要があった。この場合、光ファイバカッタの光ファイバ押さえ部材は、ゴム材である場合が多いが、ゴム材の光ファイバ押さえ部材を大きくするとゴムがたわみ、光ファイバ心線をしっかりと把持することができないという問題点があった。
【0012】
図7は、光ファイバ前処理器の所要部材の巾を示す平面図である。図7に示すように光ファイバ前処理器の所要部材(例えば、光ファイバストリッパの被覆除去刃、光ファイバカッタの光ファイバ押さえ部材)72は、光ファイバホルダ71に挟まれて固定される光ファイバ心線(例えば、単心光ファイバ73、12心光ファイバ74、24心光ファイバ75)および光ファイバ心線に収容される全ての光ファイバ素線を横断できる巾である。
また、光ファイバ前処理器の所要部材の巾を光ファイバ前処理有効幅に合わせて大きくすると製造コストがかかってしまうという問題点もあった。
【0013】
そこで、本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、光ファイバ心線の融着接続処理、光ファイバ心線のコネクタ付け処理等の光ファイバ心線の接続処理の前に実行される光ファイバ心線の被覆除去処理、裸ファイバの切断処理等の光ファイバ前処理において、それぞれ1本づつの光ファイバ心線を挟んで固定する2個の光ファイバ固定治具を備えて、2本の光ファイバ心線に所定の処理を同時に実行する光ファイバ前処理器および光ファイバ前処理方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した従来の問題点を解決すべく研究を重ねた。その結果、2個の光ファイバホルダにそれぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線の間の距離が最小となるように、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を光ファイバ前処理器に備えることにより、上記問題を解決できるとの着想を得た。
【0015】
上記研究結果に基づき、以下の発明を提供する。
本発明の、光ファイバ前処理器の1つの態様は、2個の光ファイバ固定治具にそれぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線を互いに平行とし、かつ、2本の光ファイバ心線の間の距離が最小となるように2個の光ファイバ固定治具を固定する固定治具固定部を備えていることを特徴とする、光ファイバ接続処理の前処理に使用する光ファイバ前処理器である。
【0016】
本発明の、光ファイバ前処理器の別の態様は、上述した光ファイバ固定治具に挟まれている光ファイバ心線が、単心光ファイバであることを特徴とする光ファイバ前処理器である。
【0017】
本発明の、光ファイバ前処理器の別の態様は、2個の光ファイバ固定治具にそれぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線を互いに平行とし、かつ、2本の光ファイバ心線の間の距離が最小となるように2個の光ファイバ固定治具を固定する第1の固定治具固定部、または、1個の光ファイバ固定治具を固定する第2の固定治具固定部のどちらか一方を光ファイバ素線の本数に基づいて、備えていることを特徴とする、光ファイバ接続処理の前処理に使用する光ファイバ前処理器である。
【0018】
本発明の、光ファイバ前処理器の別の態様は、光ファイバ接続処理の前処理が光ファイバ心線の被覆を除去する処理であることを特徴とする光ファイバ前処理器である。
【0019】
本発明の、光ファイバ前処理器の別の態様は、光ファイバ接続処理の前処理が光ファイバ心線を被覆除去した裸ファイバを切断する処理であることを特徴とする光ファイバ前処理器である。
【0020】
本発明の、光ファイバ前処理方法の1つの態様は、2個の光ファイバ固定治具にそれぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線を互いに平行とし、かつ、2本の前記光ファイバ心線の間の距離が最小となるように2個の光ファイバ固定治具を固定し、2本の光ファイバ心線の被覆を除去する処理または裸ファイバを切断する処理を、同時に実行する光ファイバ前処理方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
【0022】
図1は、本発明の光ファイバ前処理器における2個の光ファイバホルダの配置を示す図である。図1(a)は光ファイバ心線の断面方向から見た光ファイバホルダの配置を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)をx軸方向から見た側面図であり、図1(c)は、図1(a)をy軸方向から見た平面図である。
【0023】
光ファイバホルダ11(図中の11aおよび11b)は、蓋15(図中の15aおよび15b)をすることにより、光ファイバ心線13(図中の13aおよび13b)を挟んで固定する。ここで、光ファイバ心線先端部14(図中の14aおよび14b)を出すようにする。また、光ファイバ心線13aと光ファイバ心線13bは、光ファイバ心線の素線の数が1本である単心光ファイバである。また、光ファイバホルダ11は、おおむね直方体の形状をしている。
【0024】
2個の光ファイバホルダ11aおよび光ファイバホルダ11bは、光ファイバ心線13aと光ファイバ心線13bとの間の距離が最小となるように配置される。通常、光ファイバホルダ11のz軸方向が最長で、y軸方向が中間の長さで、x軸方向が厚み方向であって最も短い。そこで、図1に示すように、光ファイバホルダ11の平行な最小面であるxy面の中央を突き抜けるように光ファイバ心線13が挟まれている場合、2個の光ファイバホルダ11の最大面であるyz面が向き合うように、2個の光ファイバホルダ11を固定する。更に、光ファイバ心線13がxy面の中央より蓋15側に近い場合は、2個の光ファイバホルダ11の最大面であるyz面の蓋15側の面が向き合うように、2個の光ファイバホルダ11を固定する。この場合、光ファイバ心線の間の距離が小さいことから、2個の光ファイバホルダを備えた光ファイバ前処理器の所要部材12、例えば、光ファイバストリッパの被覆除去刃、光ファイバカッタの光ファイバ押さえ部材等のx軸方向の大きさと、多心光ファイバの光ファイバ心線を挟んだ1個の光ファイバホルダを備えた光ファイバ前処理器の所要部材のx軸方向の大きさとを比較すると、ほぼ同じ大きさである。
【0025】
図2は、2個の光ファイバホルダの配置の一例を示す平面図である。
図に示すように、2個の光ファイバホルダ11aと光ファイバホルダ11bとの間の距離Lは、例えば5mmとし、光ファイバ心線13aと光ファイバ心線13bとの間の距離Mは、例えば10.6mmとする。ここで、光ファイバ心線13aおよび光ファイバ心線13bは単心光ファイバである。一方、現在利用されている24心光ファイバのテープ幅は約6.3mmであり、24心光ファイバの光ファイバ前処理器の所要部材(光ファイバストリッパの被覆除去刃、光ファイバカッタの光ファイバ押さえ部材等)のx軸方向の大きさは、工具の余裕幅を含めておおよそ8mmから10mmである。
従って、光ファイバ前処理器の所要部材のx軸方向の大きさをほぼ変えることなく2個の光ファイバホルダを配置した光ファイバ前処理器を実現することが可能である。
【0026】
図3は、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を備えた光ファイバストリッパの一例を示す平面図である。ここで、固定治具固定部をホルダ固定部と呼ぶ。
【0027】
図に示すように、光ファイバストリッパ30は、光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bを固定するホルダ固定部31を備えている。光ファイバ心線33aは光ファイバホルダ32aに挟まれ、光ファイバ心線33bは光ファイバホルダ32bに挟まれている。
【0028】
また、ホルダ固定部31には溝があり、光ファイバ心線33aと光ファイバ心線33bとの間の距離が最小となるように光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bを配置して固定できるようになっている。即ち、光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bのベース38は一般的に厚く、蓋39の厚みは薄いために、光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bの蓋を対向させることにより、光ファイバ心線33aと光ファイバ心線33bとの間の距離を最小にできる。
【0029】
また、光ファイバストリッパ30は、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bの被覆を除去するための被覆除去刃34、並びに、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bを暖めるためのヒーター35を備えている。ここで、被覆除去刃34は、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bの被覆に同時に傷を入れられる巾である。
【0030】
まず、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bをそれぞれ光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bに挟み、固定する。このとき、光ファイバ心線の被覆を除去するための光ファイバ先端部36aおよび光ファイバ先端部36bが、それぞれ光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bから出るようにして、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bをベース38と蓋39の間に挟み、固定する。
【0031】
次に、光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bをホルダ固定部31に、光ファイバホルダ32aおよび光ファイバホルダ32bの蓋を対向させるように固定する。被覆されている光ファイバ先端部36aおよび光ファイバ先端部36bは、ヒーター35の上に置かれ、光ファイバ先端部36aおよび光ファイバ先端部36bの被覆が温められる。光ファイバストリッパ30の図示されていない蓋を閉めることにより、被覆除去刃34が被覆を挟み、被覆に傷を入れる。次に、ホルダ固定部31を被覆除去刃34から離れるように矢印37の方向へ引くことにより、光ファイバ心線33aおよび光ファイバ心線33bの被覆を除去する。
【0032】
また、光ファイバストリッパは、上述したホルダ固定部31と、現在利用されている光ファイバホルダを1個のみ固定する別のホルダ固定部とを取り替えることを可能とすることにより、ホルダ固定部31を使用して2本の単心光ファイバの被覆を除去することも、現在利用されている別のホルダ固定部を使用して1本の多心光ファイバ、例えば、12心光ファイバ、24心光ファイバ等の被覆を除去することも可能である。
【0033】
図4は、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を備えた光ファイバカッタの一例を示す平面図である。
図に示すように、光ファイバカッタ40は、光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bを固定するホルダ固定部41を備えている。光ファイバ心線43aは光ファイバホルダ42aに挟まれ、光ファイバ心線43bは光ファイバホルダ42bに挟まれている。
【0034】
また、ホルダ固定部41には溝があり、光ファイバ心線43aと光ファイバ心線43bとの間の距離が最小となるように光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bを配置して固定できるようになっている。即ち、光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bのベース48は一般的に厚く、蓋49の厚みは薄いために、光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bの蓋を対向させることにより、光ファイバ心線43aと光ファイバ心線43bとの間の距離を最小にできる。
【0035】
また、光ファイバカッタ40は、光ファイバストリッパにより被覆除去された光ファイバ心線43aの被覆除去部(裸ファイバ部)44aおよび光ファイバ心線43bの被覆除去部(裸ファイバ部)44bを押さえる押さえ部材45aおよび押さえ部材45bを備えている。
【0036】
まず、光ファイバ心線43aおよび光ファイバ心線43bをそれぞれ光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bに挟み、固定する。更に、光ファイバホルダ42aおよび光ファイバホルダ42bをホルダ固定部41に固定する。裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bは、光ファイバカッタ40の図示されていない蓋を閉めることにより、この蓋と押さえ部材45aおよび押さえ部材45bの間で把持され、固定される。ここで、押さえ部材45aは、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bを同時に押さえられる巾であり、押さえ部材45bも、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bを同時に押さえられる巾である。
【0037】
次に、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bを横断するように、矢印47の方向へ刃46をスライドさせ、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bの下側に一定量の傷を付ける。次に、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bの上側の前記傷に対応する部分にそれぞれ荷重を加えて傷の部分を破断し、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bを切断する。ここで、荷重を加える方向は、裸ファイバ部44aおよび裸ファイバ部44bより押さえ部材45aおよび押さえ部材45bへ向かう方向、即ち、図面の表面より裏面へ向かう方向である。
【0038】
また、光ファイバカッタは、上述したホルダ固定部41と、現在利用されている光ファイバホルダを1個のみ固定する別のホルダ固定部とを取り替えることを可能とすることにより、ホルダ固定部41を使用して2本の単心光ファイバを切断することも、現在利用されている別のホルダ固定部を使用して1本の多心光ファイバ、例えば、12心光ファイバ、24心光ファイバ等を切断することも可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、以下の効果を奏する。
2個の光ファイバホルダに、従来それぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線の間の距離が最小となるように、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を光ファイバ前処理器に備えることにより、光ファイバ前処理器の所要部材をほぼ同じ大きさで、同時に2本の光ファイバ心線を処理することができる。
【0040】
例えば、直方体に近い形状である光ファイバホルダの平行な最小面の中央を突き抜けるように光ファイバ心線が挟まれている場合、2個の光ファイバホルダの最大面が向き合うように、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を光ファイバ前処理器に備えることにより、光ファイバ前処理器の所要部材をほぼ同じ大きさで、同時に2本の光ファイバ心線を処理することができる。
【0041】
また、2本の光ファイバ心線の間の距離を小さくすることにより、光ファイバ前処理器の所要部材の大きさをわずかに大きくするかまたは同じ大きさでよいことから、製造コストの増加を押さえることもできる。また、光ファイバ前処理器の所要部材の大きさに関わる機能的な問題もない光ファイバ前処理器を製造することが可能である。また、2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を光ファイバ前処理器により、1回の光ファイバ前処理作業によって2本の光ファイバ心線を処理することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、光ファイバ心線の断面方向から見た光ファイバホルダの配置を示す平面図であり、(b)は、(a)をx軸方向から見た側面図であり、 (c)は、(a)をy軸方向から見た平面図である。
【図2】2個の光ファイバホルダの配置の一例を示す平面図である。
【図3】2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を備えた光ファイバストリッパの一例を示す平面図である。
【図4】2個の光ファイバホルダを固定する固定治具固定部を備えた光ファイバカッタの一例を示す平面図である。
【図5】市販されている光ファイバストリッパの一例を示す平面図である。
【図6】市販されている光ファイバカッタの一例を示す平面図である。
【図7】光ファイバ前処理器の所要部材の大きさを示す平面図である。
【符号の説明】
11、11a、11b 光ファイバホルダ
12 光ファイバ前処理器の所要部材
13、13a、13b 光ファイバ心線
14、14a、14b 光ファイバ先端部
15、15a、15b 蓋
30 光ファイバストリッパ3
31 第1ホルダ固定部
32a、32b 光ファイバホルダ
33a、33b 光ファイバ心線
34 被覆除去刃
35 ヒーター
36a、36b 光ファイバ先端部
40 光ファイバスカッタ
41 第1ホルダ固定部
42a、42b 光ファイバホルダ
43a、43b 光ファイバ心線
44a、44b 裸ファイバ部
45a、45b 押さえ部材
46 刃
Claims (6)
- 2個の光ファイバ固定治具にそれぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線を互いに平行とし、かつ、2本の前記光ファイバ心線の間の距離が最小となるように2個の前記光ファイバ固定治具を固定する固定治具固定部を備えていることを特徴とする、光ファイバ接続処理の前処理に使用する光ファイバ前処理器。
- 前記光ファイバ固定治具に挟まれている前記光ファイバ心線が、単心光ファイバであることを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバ前処理器。
- 2個の光ファイバ固定治具にそれぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線を互いに平行とし、かつ、2本の前記光ファイバ心線の間の距離が最小となるように2個の前記光ファイバ固定治具を固定する第1の固定治具固定部、または、1個の前記光ファイバ固定治具を固定する第2の固定治具固定部のどちらか一方を光ファイバ素線の本数に基づいて、備えていることを特徴とする、光ファイバ接続処理の前処理に使用する光ファイバ前処理器。
- 前記光ファイバ接続処理の前処理が前記光ファイバ心線の被覆を除去する処理であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ前処理器。
- 前記光ファイバ接続処理の前処理が前記光ファイバ心線を被覆除去した裸ファイバを切断する処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ前処理器。
- 2個の光ファイバ固定治具にそれぞれ1本づつ挟まれて固定されている2本の光ファイバ心線を互いに平行とし、かつ、2本の前記光ファイバ心線の間の距離が最小となるように2個の前記光ファイバ固定治具を固定し、2本の前記光ファイバ心線の被覆を除去する処理または裸ファイバを切断する処理を、同時に実行する光ファイバ前処理方法。
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